JP4923703B2 - 移動体の移動停止装置 - Google Patents

移動体の移動停止装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4923703B2
JP4923703B2 JP2006124694A JP2006124694A JP4923703B2 JP 4923703 B2 JP4923703 B2 JP 4923703B2 JP 2006124694 A JP2006124694 A JP 2006124694A JP 2006124694 A JP2006124694 A JP 2006124694A JP 4923703 B2 JP4923703 B2 JP 4923703B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
moving body
driven
moving
linear motor
moved
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006124694A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007296589A (ja
Inventor
英樹 岩井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2006124694A priority Critical patent/JP4923703B2/ja
Publication of JP2007296589A publication Critical patent/JP2007296589A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4923703B2 publication Critical patent/JP4923703B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Machine Tool Sensing Apparatuses (AREA)

Description

本発明は、リニアモータにより移動する移動体の移動駆動が停止した際に、移動体が移動するのを防止するための移動体の移動停止装置に関し、特に、電源投入時等の起動時に良好に移動体を移動させることのできる移動体の移動停止装置に関するものである。
従来より、工作機械では、ベッドなどの支持体に案内され、工具やワークを支持して所定方向に移動する移動体が備えられており、特に、ワークの加工精度を追求した精密加工機では、移動体の送り装置として、送り精度の高いリニアモータが用いられている。このリニアモータを用いた送り装置の場合、ボールネジ等の送り装置とは異なり、送り装置では非接触となるので、送り装置とは別に移動体を制動するための摩擦抵抗を用いた制動装置を備えているものが知られている(例えば、特許文献1)。
しかしながら、制動装置の摩擦抵抗のみで移動体を停止させなければならず、大きな制動荷重が必要となり、制動装置が大型化すると共に、大きな制動荷重により移動体つまり工作機械にダメージを与えしてまう恐れがあった。また、移動体にかかる重力の影響を打ち消すカウンタバランサを備えて、移動体を上下方向に移動させるようにした場合(例えば、特許文献2)、制動荷重の小さい小型の制動装置でも移動体を停止させることが可能となるが、停電時等何らかの理由でカウンタバランサが作用しなくなると、小型の制動装置だけでは停止させることができず、移動体が落下して工作機械にダメージを与えしてまう恐れがあった。
そこで、本願出願人は、先の出願において、リニアモータで駆動される移動体との間で僅かな隙間を保持しながら従動する従動体をボールネジ等のネジ機構によって移動させるようにして、電源切断時や、停電時等、リニアモータの駆動力が無くなった時に、移動体と従動体とを当接させて移動体を最小限の移動で停止させるようにすることで、工作機械にかかるダメージを低減させるようにしたものを提案している(特許文献3)。
本出願人は、本出願時において、以上の技術が記載されている文献として、以下のものを知見している。
特開平8−317624号公報 特開2004−209550号公報 特願2005−090450号
ところで、先願のように、移動体と従動体とを当接させることで移動体の移動を停止させるようにした場合、電源を切るとリニアモータの駆動力が無くなるので、移動体が移動し易くなってしまうが、移動体が従動体と当接することで移動体を停止させることができる。しかしながら、この場合、移動体と従動体との間の隙間が維持されなくなり、移動体と従動体との位置関係が不明確な状態となる。特に、移動体を上下方向に移動させるようにした場合、カウンタバランサの状態によっては、移動体が従動体の上側と当接したり、移動体が従動体の下側に当接したりする場合があり、その状態で電源を投入してリニアモータ等を駆動させると、移動体の移動する方向によっては、移動体がロックされて正常に作動させることができなかったり、リニアモータ等の駆動部に過負荷がかかり不具合の原因となったりする恐れがある。
そこで、本発明は、上記の実状に鑑みてなされたものであり、リニアモータによって移動する移動体を、最小限の移動で停止させると共に、電源投入時に移動体を良好な状態で移動できるようにして、少なくとも移動体にかかるダメージを低減させることのできる移動体の移動停止装置の提供を課題とするものである。
上記の課題を解決するために、本発明に係る移動体の移動停止装置は、
「支持体により案内され、リニアモータによって移動する移動体と、
該移動体との間に所定の隙間を有した状態で、前記移動体と従動するようにネジ機構を備えた駆動手段によって移動する従動体と、
電源投入時に、前記移動体と前記従動体との間に前記所定の隙間を形成させる起動時制御手段とを具備する」ことを特徴とする。
ここで、「ネジ機構」としては、「ボールネジ等の送りネジによるもの」、「ラック&ピニオンによるもの」、「ウォームギアを有したもの」、等が挙げられ、逆伝達性なら、優位性の順に、ウォーム&ホイール、台形ネジ、ボールネジ、ラック&ピニオン等が挙げられる。
また、従動体を移動体に従動させる方法としては、例えば、移動体の移動位置を検出し、その検出結果に基づいて従動体を移動させる方法があり、具体的には、移動体の移動位置を検出するリニアスケールを備えると共に、従動体を駆動する駆動手段のモータの回転を検出するエンコーダを備えて、CNCからの位置指示により、リニアスケールの位置情報を基にリニアモータを駆動して移動体を移動させると共に、CNCからの位置指示により、エンコーダの位置情報を基に駆動手段のモータを回転させて従動体を追従させる方法が挙げられる。
更に、「隙間」としては、移動体と従動体とが当接しても移動体(工作機械やワーク、工具等)にダメージを与えない程度の距離であれば良く、一般的な工作機械では、例えば、0.1mm〜1mmの範囲内が望ましく、より好適には、0.3mm〜0.6mmの範囲内が好ましい。また、超精密加工機では、例えば、50μm程度とすることが望ましい。
また、「起動時制御手段」としては、「リニアモータを駆動させる前に移動体及び従動体の夫々の絶対位置を確定させ、移動体及び従動体の絶対位置に基づいて所定の隙間が形成されるように移動体又は従動体を移動させるようにするもの」、「リニアモータを駆動させる前に、従動体を所定方向に移動させて従動体の一方側に移動体を当接させることで、移動体と従動体との相対位置を確定させ、移動体又は従動体を移動させて所定の隙間を形成させるもの」、等を例示することができる。
本発明によると、起動時制御手段によって、電源投入時に、まず移動体と従動体との間に所定の隙間を形成させるようにしたものである。これにより、隙間を形成してから、リニアモータを駆動させるので、移動体が従動体に当接してロックされることがなく、移動体を正常に作動させることができると共に、リニアモータ等に過負荷がかかるのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。
また、リニアモータにより移動する移動体に対して、所定の隙間を有した状態で従動体が従動するので、非常時等の際にリニアモータの駆動が停止すると従動体も停止し、停止した従動体に移動体が当接することで移動体を停止させることができる。これにより、従来の摩擦抵抗を用いた制動装置のように移動体に大きな力を加えなくても、最小限の移動で停止させることができると共に、少なくとも移動体にかかるダメージを低減させることができる。なお、駆動手段にブレーキ機構を備えても良く、この場合、ブレーキ荷重の小さい小型のものでもことたりるので、小型の駆動手段とすることができる。
なお、工作機械の移動体に適用することが望ましく、これにより、従来よりも制動荷重の小さい小型の制動装置を使用したり、制動装置を廃止したりすることが可能となり、工作機械全体を小型化することができる。また、移動体を隙間の分だけ可及的に短い距離で停止させることができるので、工作機械、ワークや工具等にかかるダメージを可及的に少なくすることができる。更に、移動体の位置決め精度をより高めることができ、精密加工機、或いは超精密加工機とすることができる。
本発明に係る移動体の移動停止装置は、上記の構成に加えて、
「前記起動時制御手段は、
前記リニアモータの駆動力を停止させた状態で、前記移動体及び前記従動体の絶対位置を確定させ、該絶対位置に基づいて前記リニアモータ或いは前記駆動手段を駆動させて前記所定の隙間を形成させる」ことを特徴とする。
ここで、絶対位置を確定させる方法としては、「移動体や従動体の位置を検出するリニアスケールやエンコーダ等の位置検出手段を、アブソリュート方式のものとすることでそれらの絶対位置を確定させる」、「少なくとも移動体の位置を検出する位置検出手段をインクリメンタル方式のものとした場合は、位置検出手段に移動体等の絶対位置を付与させる絶対位置付与手段を備えることで絶対位置を確定させる」、等を例示することができる。
本発明によると、リニアモータを駆動させる前に、移動体と従動体の絶対位置を確定させた上で、その絶対位置に基づいて所定の隙間を形成させるようにするものである。これにより、電源投入時に、移動体と従動体との位置関係を把握することができ、移動体或いは従動体を互いに当接しないように所定方向に移動させて、所定の隙間を形成させることができ、簡単な制御でロックがかかるのを防止すると共に、確実に所定の隙間を形成させることができる。
本発明に係る移動体の移動停止装置は、上記の構成に加えて、
「前記移動体及び前記従動体は、
互いに、前記移動体の移動方向における所定の定点に位置させると前記所定の隙間が形成されるようにし、且つ、
前記起動時制御手段は、
前記リニアモータの駆動力を停止させた状態で、前記駆動手段を駆動させて前記従動体と共に前記移動体を移動させ、前記従動体を前記所定の定点まで移動させた後に、前記リニアモータを駆動させて前記移動体を前記所定の定点へ移動させる」ことを特徴とする。
ところで、移動体及び従動体を、夫々原点等の所定の定点に位置させると、移動体と従動体との間に所定の隙間が形成されるようにすることで、移動体及び従動体の原点復帰と、隙間の形成とを同時に行わせることが考えられる。しかしながら、この場合、リニアモータを駆動して移動体を移動させるようにすると、上述した問題点のように移動体と従動体との位置関係や、移動体に追従する従動体のタイムラグ等によって、移動体と従動体とが当接してロックがかかり、正常に作動しなくなる恐れがある。
そこで、本発明によると、移動体及び従動体を所定の定点に位置させると、移動体と従動体との間に所定の隙間が形成されるようにすると共に、起動時制御手段によって、リニアモータの駆動力を無くした状態で、従動体を駆動して従動体を所定の定点まで移動させる。その際に、従動体によって移動体が一緒に移動し、従動体が所定の定点まで移動したら、リニアモータを駆動させて移動体を所定の定点に移動させるようにしたものである。
これにより、移動体及び従動体を所定の定点、例えば、原点復帰させる際に、リニアモータの駆動力が停止させられているので、リニアモータの駆動力によってロックがかかるのを防止することができ、良好に作動させることができると共に、移動体及び従動体を原点復帰させることができる。なお、所定の定点としては、移動体の絶対位置に関連した原点であっても良いし、任意の点であっても良い。
なお、従動体を所定の定点まで移動させる間に、移動体の位置を検出する位置検出手段に移動体の絶対位置を付与するようにして、その絶対位置に基づいて、リニアモータを駆動させて移動体を所定の定点に移動させるようにしても良い。或いは、従動体を所定の定点まで移動させた時に、移動体が所定の定点を通過したか否かを判別させて、定点を通過していれば移動体を戻すように、定点を通過していなければ移動体を送るように、リニアモータを駆動させて移動体を所定の定点に移動させるようにしても良い。
本発明に係る移動体の移動停止装置は、上記の構成に加えて、
「前記移動体の位置を検出可能なインクリメンタル方式の移動体位置検出手段と、
前記従動体が前記移動体を伴って前記所定の定点まで移動する間に、前記移動体位置検出手段に前記移動体の絶対位置を付与する絶対位置付与手段とを更に具備する」ことを特徴とする。
ここで、「移動体位置検出手段」としては、分解能の高いインクリメンタル方式のものであれば特に限定するものではなく、例えば、「リニアスケール」、「ロータリースケール(ロータリーエンコーダ)」、等を例示することができる。
また、「絶対位置付与手段」としては、「移動体位置検出手段に、周期的或いは単発的に絶対位置と関連するリファレンス点を備え、移動体を移動させてリファレンス点を検出することで絶対位置を認識して付与するもの」、「移動体と共に移動する検知部と、位置が固定された被検知部とを備え、移動体を移動させて検知部を被検知部で検知することで絶対位置を認識して付与するもの」、等を例示することができる。
ところで、工作機械の中でも特に超精密加工機等では、移動体に高い位置決め精度が求められるので、移動体の位置を検出する移動体位置検出手段としては、位置精度の分解能が高い、インクリメンタル方式のものを用いるのが一般的である。しかしながら、インクリメンタル方式のものを用いた場合、電源を切ると、その位置情報を失ってしまい移動体の位置が判らなくなるので、その状態で電源を投入してリニアモータ等を駆動させると、移動体と従動体とが当接してロックがかかり過負荷となったり、不具合が発生したりする恐れがある。特に、電源投入時に移動体等を原点復帰させるようにした場合、原点の方向が判らないので、移動体を移動させる方向によっては、従動体と当接してロックがかかる問題がある。
そこで、本発明によると、起動時制御手段によって、従動体が移動体を伴って所定の定点に移動するまでの間に、移動体位置検出手段に移動体の絶対位置を付与する移動体絶対位置付与手段を備えるようにしたものである。これにより、移動体位置検出手段にインクリメンタル方式のものを用いても、リニアモータを駆動させる前に、移動体の絶対位置を確定させることができるので、移動体と従動体との間の隙間を良好に形成させることができる。また、移動体位置検出手段をインクリメンタル方式のものとしているので、移動体の位置決め精度をより高くすることができ、超精密加工機に好適に用いることができる。
本発明に係る移動体の移動停止装置は、上記の構成に加えて、
「上下方向に移動する前記移動体を支持し、重力の影響を除去する非接触式シリンダからなるカウンタバランサを更に具備する」ことを特徴とする。
本発明によると、移動体を上下方向に移動させると共に、移動体のカウンタバランサとして非接触式シリンダを用いたものである。つまり、移動体の位置決め精度の高い精密加工機(超精密加工機)に適用したものであり、上述の通り、従動体により移動体を、所定の隙間分の移動により確実に停止させることができるので、摩擦抵抗を用いた制動装置を備える必要が無く、小型の超精密加工機を実現することができると共に、電源投入時にリニアモータ等の駆動によって移動体等にロックがかかるのを防止して、移動体を良好な状態で移動させることができる。
上述の通り、本発明によると、、リニアモータによって移動する移動体を、最小限の移動で停止させると共に、電源投入時に移動体を良好な状態で移動できるようにして、少なくとも移動体にかかるダメージを低減させることのできる移動体の移動停止装置を提供できる。
次に、本発明に係る移動体の移動停止装置の一実施形態を、図1乃至図4に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明に係る移動体の移動停止装置を適用した工作機械の要部を概略構成で示す正面図であり、図2は、図1における移動体の移動停止装置の機能的な構成を概略で示すブロック図である。また、図3は、図1における移動体の移動停止装置の電源投入時の制御を示すフローチャートであり、図4は、図1における移動体の移動停止装置の電源投入時の動きを示す説明図である。
本実施形態の工作機械は、コンピュータ数値制御装置(CNC)により制御され、ワークを数10nm〜数μmの誤差で砥石やバイト等の種々の工具を用いて加工することのできる超精密加工機であり、上下方向に移動する移動体がワークを保持するテーブルとされているものである。
なお、ここでは、移動体と、移動体を上下方向に案内する支持体とについて説明し、その他の構成については、公知の工作機械と同様であるので、図示及び説明は省略する。また、移動体は工具を支持する主軸台としても良いし、支持体及び移動体がX軸方向やZ軸方向に移動するトラバーサ等に備えられたものであってもよい。
図示するように、工作機械10におけるベッドなどの支持体11には、上下方向(Y軸方向)に図示しない所定の案内機構によって案内されるテーブルなどの移動体12が備えられており、この移動体12は、リニアモータ13の駆動により移動するようになっている。そして、支持体11と移動体12とが互いに対向する部分に、夫々リニアモータ13を構成するマグネット14とコイル15とが非接触状態で備えられ、コイル15に通電することで移動体12が駆動されるようになっている。
この工作機械10には、移動体12の下側に移動体12の重量を支持するカウンタバランサ16が備えられており、このカウンタバランサ16は、移動体12と共にロッド17を介して移動するピストン18と、ピストン18を上下方向に移動可能に収容し支持体11に固定されたシリンダ19とから構成されている。そして、ピストン18とシリンダ19との間には所定量の隙間が形成されており、それらが非接触状態となっている。つまり、本例のカウンタバランサ16は、非接触式シリンダ20とされており、摩擦抵抗がほとんど発生させること無く、移動体12にかかる重力の影響をキャンセルできるようになっている。
また、移動体12には、Y軸方向に延び、分解能の高いインクリメンタル方式のリニアスケール21が備えられており、このリニアスケール21によって移動体12のY軸方向の位置を高精度に検出できるようになっている。なお、本例のリニアスケール21は、本発明の位置検出手段に相当している。
この工作機械10には、停電時やカウンタバランサ16に問題が発生した時等に、移動体12の移動を停止させることのできる移動停止装置22が備えられている。この移動停止装置22には、支持体11側に、案内機構23によってY軸方向と同じ方向(以下ここでは、V軸方向と称する)に案内される従動体24が備えられており、この従動体24と螺合するボールネジ25を回転駆動させる電磁ブレーキ付きのサーボモータ26によってボールネジ25を回転させることで従動体24がV軸方向に移動するようになっている。
また、図中符号27は、サーボモータ26の回転位置を検出するアブソリュート方式のエンコーダであり、このエンコーダ27によって従動体24の位置が検出できるようになっている。更に、移動停止装置22には、移動体12に固定され従動体24と当接する当接ブロック28が備えられており、移動体12と従動体24とを、原点O(図4参照)に位置させた時に、従動体24との間で所定の隙間Sが形成される大きさとされている。因みに隙間Sは、本例では約50μm程度とされている。なお、本例のボールネジ25が本発明のネジ機構に、本例のサーボモータ26が本発明の駆動手段に夫々相当している。
この工作機械10には、上記のリニアモータ13やサーボモータ26等を数値制御するためのCNC制御装置29が備えられている。このCNC制御装置29には、図2に示すように、移動体12の送りを制御するY軸制御手段31を備えており、このY軸制御手段31は、移動体12に備えられたリニアスケール21からの位置情報をフィードバックすることで、リニアモータ13の駆動を制御して移動体12を移動させるものである。
また、CNC制御手段29には、従動体24の移動を制御するV軸制御手段32を備えており、従動体24を駆動するサーボモータ26におけるエンコーダ27からの位置情報をフィードバックすることで、サーボモータ26の駆動を制御して従動体24を移動させものである。このV軸制御手段32は、Y軸制御手段31へ移動体12の送りを指示する送り指示部30からの指示が送られるようになっており、送り指示部30からの指示に基づいてサーボモータ26の駆動を制御することで、当接ブロック28と従動体24との間に所定の隙間Sが維持されるように従動体24を移動させることができるものである。
また、CNC制御装置29には、移動体12のY軸方向の絶対位置を付与する絶対位置付与手段33を備えており、この絶対位置付与手段33は、インクリメンタル方式のリニアスケール21を用いることで電源の切断等により失われる移動体12のY軸方向の絶対位置を、リニアスケール21による所定のリファレンス点R(図4参照)の検出に基づいて、Y軸の絶対位置を確定させるものである。
本例では、リファレンス点Rが、Y軸の絶対位置と関連し所定間隔(周期)に配置されていると共に、電源の切断前に、リファレンス点Rに関する情報を記憶手段(図示せず)に記憶させておき、そのリファレンス点Rの検出と記憶された情報とを基に、Y軸の絶対位置を確定させるようになっている。なお、リファレンス点Rを検出した時に、V軸のエンコーダ27の絶対位置を参照してY軸の絶対位置を確定させるようにしても良い。
更に、CNC制御装置29には、工作機械10の電源投入時に、移動体12の当接ブロック28と、従動体24との間に所定の隙間Sを形成させる起動時制御手段34を備えており、この起動時制御手段34は、電源投入時に移動体12の当接ブロック28と従動体24とが当接して移動体12の移動がロックされるのを防止するためのものである。
次に、本実施形態の工作機械10において、電源投入時における移動停止装置22の制御について、図3及び図4に基づいて説明する。本例の工作機械10では、電源が切断されると、リニアモータ13の駆動力が無くなり移動体12がフリーの状態となると共に、リニアスケール21にインクリメンタル方式のものを採用していることから移動体12のY軸方向の絶対位置が不明な状態となる。この状態では、移動体12は、カウンタバランサ16により支持されることとなり、そのシリンダ19内の圧力よっては移動体12の位置が変化し、移動体12と従動体24との位置関係が不明確な状態となると共に、電源切断時と異なった状態となる場合もある。
なお、電源の切断により、シリンダ19内の圧力が低下して、カウンタバランサ16で移動体12を支持しきれなくなっても、移動体12の当接ブロック28が従動体24に当接することで、移動体12の移動(落下)を停止させることができ、工作機械10やワーク等にダメージを与えないようになっている。
上述の状態で、工作機械10の電源を投入すると(ステップS1)、起動時制御手段34によってY軸制御手段31及びV軸制御手段32のサーボがONとなる(ステップS2)。この時、V軸及びY軸の位置制御をONとすると共に、Y軸の電流制御を「0」とし、V軸の電流制御を従動体24が原点O(図4中、一点鎖線で示す位置)の方向へ移動するような制御が行われる。つまり、移動体12を移動させるリニアモータ13の駆動力を無くした状態で、従動体24を移動させるサーボモータ26を駆動させる制御が行われる。なお、本例では、V軸の位置、つまり、従動体24の位置を検出するエンコーダ27が、アブソリュート方式のものとされているので、電源投入と同時に従動体24の絶対位置を認識して原点Oの方向に正しく移動させることができる。
そして、サーボモータ26が駆動されることで、従動体24が原点復帰動作を開始し(ステップS3)、従動体24が原点Oの方向へ向かって移動する(図4(ア)参照)。サーボモータ26の駆動による従動体26の移動に伴って移動体12も移動し、移動体12のリニアスケール21が、原点Oよりも手前に予め設定されたリファレンス点R(図4中、二点差線で示す位置)を検出すると、絶対位置付与手段33によって移動体12の原点Oからの絶対位置を付与して、移動体12の絶対位置を確定させる(ステップS4)。
その後、図4(イ)に示すように、サーボモータ26の駆動によって従動体24が原点Oに到達すると、従動体24の原点復帰が完了し、サーボモータ26の駆動を停止させて従動体24を停止させる(ステップS5)。
続いて、Y軸の電流制御を解除し、リニアモータ13を駆動して移動体12を原点Oの方向に移動させて、移動体12の原点復帰動作を開始させる(ステップS6)。この時、先のステップS4において、リファレンス点Rの検出により、Y軸つまり、移動体12の絶対位置が確定されているので、移動体12を原点Oの方向へ正しく移動させることができ、移動体12の当接ブロック28と従動体24とが当接して、移動体12の移動にロックがかかるのを防止できるようになっている。
そして、図4(ウ)に示すように、リニアモータ13の駆動により移動体12を原点Oに移動させることで、Y軸、つまり、移動体12の原点復帰が完了すると共に、当接ブロック28と従動体24との間に所定の隙間Sが形成された状態となる(ステップS7)。これにより、起動時の移動体12及び従動体24の動作が終了し、以後、従動体24は、所定の隙間Sを維持するように、移動体12の動きに追従した動きをすることとなる。
このように、本実施形態の移動停止装置22によると、起動時制御手段34によって、電源投入時に、まず移動体12と従動体24との間に所定の隙間Sを形成させるようにしているので、リニアモータ13を駆動させても移動体12が従動体24に当接してロックされることがなく、移動体12を正常に作動させることができると共に、リニアモータ13等に過負荷がかかるのを防止して不具合が発生するのを防止することができる。
また、移動体12及び従動体24を原点復帰させる際に、リニアモータ13の駆動力が停止させられているので、リニアモータ13の駆動力によってロックがかかるのを防止することができ、良好に作動させることができると共に、移動体12及び従動体24を原点復帰させることができる。
更に、従動体24が移動体12を伴って原点Oに移動するまでの間に、リニアスケール21に所定のリファレンス点Rを検出させて、移動体12の絶対位置を確定させるようにしているので、インクリメンタル方式のリニアスケール21を用いても、リニアモータ13を駆動させる前に、移動体12の絶対位置を確定させることができ、移動体12と従動体24との間の所定の隙間Sを良好に形成させることができる。
また、リニアモータ13により移動する移動体12の当接ブロック28に対して、所定の隙間Sを有した状態で従動体24が従動するので、非常時等の際にリニアモータ13の駆動が停止すると従動体24も停止し、停止した従動体24に当接ブロック28が当接することで移動体12を停止させることができるので、従来の摩擦抵抗を用いた制動装置のように移動体12に大きな力を加えなくても、最小限の移動で停止させることができると共に、工作機械10や、ワーク及び工具等に与えるダメージを低減させることができる。
ところで、上記の実施形態において、移動体12の当接ブロック28と、従動体24との間の隙間Sを、任意に調整可能とするようにしても良く、図5は、隙間Sを調整可能な調整機構の一例を示したものである。この調整機構40は、当接ブロック28に螺合されたボルト41を回転させることで、ボルト41の先端と従動体24との間に形成される隙間Sを調整可能としたものである。なお、符号42は、ロックナットである。これによっても、上述と同様の作用効果を奏することができると共に、工作機械10における加工精度や加工内容等によって隙間Sを調整して、最適な条件で加工を行わせることができる。
また、上記の実施形態において、移動体12の移動を制動するための制動装置を併設しても良い。図6は、工作機械10に移動体12の制動装置50を併設した一例を示すもので、上記の実施形態と同様の構成のものについては、同一の符号を付すと共に説明は省略する。この制動装置50は、移動体12に設けられた被制動部51と、被制動部51を挟んで両側に配置される制動子52とを備え、図示しない押圧手段により制動子52を被制動部51に押圧することで、移動体12を制動停止させるものである。これにより、移動停止装置22と併設することで、制動装置50に非常時に対応できる能力を備えなくても済み、小型の制動装置50を用いることができると共に、上記と同様の作用効果を奏することができる。
以上、本発明を実施するための最良の実施の形態を挙げて説明したが、本発明はこの実施の形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
すなわち、本実施形態では、従動体24の位置を検出するエンコーダ27として、アブソリュート方式のものを示したが、これに限定するものではなく、インクリメンタル方式のエンコーダを用いても良い。なお、この場合、従動体24の絶対位置を確定させるために、Y軸の場合と同様の、V軸の絶対位置を確定させる絶対位置付与手段を備えるようにすることが望ましい。
また、本実施形態では、従動体24の移動制御に関して、制御部29の送り指示部30からの送り指示に基づいて、V軸制御手段32がサーボモータ26の駆動を制御して従動体24の移動を制御するものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、移動体12の移動を制御するY軸制御手段31からのリニアモータ13の制御指示に基づいて、V軸制御手段32が従動体24の移動を制御するようにしても良い。
また、本実施形態では、上下方向、つまりY軸方向に移動する移動体12に、移動停止装置22を適用したものを示したが、これに限定するものではなく、X軸方向やZ軸方向に移動する移動体に適用することもできる。
更に、本実施形態では、工作機械10として、CNC精密加工機を示したが、これに限らず、研削盤、旋盤、フライス盤、マシニングセンタ、レーザ加工機、等のCNC機、NC機としても良く、これらに適用しても、上記と同様の作用効果を奏することができる。
本発明に係る移動体の移動停止装置を適用した工作機械の要部を概略構成で示す正面図である。 図1の移動体の移動停止装置の機能的な構成を概略で示すブロック図である。 図1の移動体の移動停止装置の電源投入時の制御を示すフローチャートである。 図1の移動体の移動停止装置の電源投入時の動きを示す説明図である。 隙間を調整可能な調整機構の一例を示す正面図である。 本発明に係る移動体の移動停止装置を適用した工作機械に制動装置を併設した一例を概略構成で示す正面図である。
符号の説明
S 隙間
O 原点(所定の定点)
R リファレンス点
10 工作機械
11 支持体
12 移動体
13 リニアモータ
16 カウンタバランサ
20 非接触式シリンダ
21 リニアスケール(位置検出手段)
22 移動停止装置
24 従動体
25 ボールネジ(ネジ機構)
26 サーボモータ(駆動手段)
27 エンコーダ
28 当接ブロック
29 CNC制御装置
30 送り指示部
31 Y軸制御手段
32 V軸制御手段
33 絶対位置付与手段
34 起動時制御手段

Claims (5)

  1. 支持体により案内され、リニアモータによって移動する移動体と、
    該移動体との間に所定の隙間を有した状態で、前記移動体と従動するようにネジ機構を備えた駆動手段によって移動する従動体と、
    電源投入時に、前記移動体と前記従動体との間に前記所定の隙間を形成させる起動時制御手段とを具備することを特徴とする移動体の移動停止装置。
  2. 前記起動時制御手段は、
    前記リニアモータの駆動力を停止させた状態で、前記移動体及び前記従動体の絶対位置を確定させ、該絶対位置に基づいて前記リニアモータ或いは前記駆動手段を駆動させて前記所定の隙間を形成させることを特徴とする請求項1に記載の移動体の移動停止装置。
  3. 前記移動体及び前記従動体は、
    互いに、前記移動体の移動方向における所定の定点に位置させると前記所定の隙間が形成されるようにし、且つ、
    前記起動時制御手段は、
    前記リニアモータの駆動力を停止させた状態で、前記駆動手段を駆動させて前記従動体と共に前記移動体を移動させ、前記従動体を前記所定の定点まで移動させた後に、前記リニアモータを駆動させて前記移動体を前記所定の定点へ移動させることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移動体の移動停止装置。
  4. 前記移動体の位置を検出可能なインクリメンタル方式の移動体位置検出手段と、
    前記従動体が前記移動体を伴って前記所定の定点まで移動する間に、前記移動体位置検出手段に前記移動体の絶対位置を少なくとも付与する絶対位置付与手段とを更に具備することを特徴とする請求項3に記載の移動体の移動停止装置。
  5. 上下方向に移動する前記移動体を支持し、重力の影響を除去する非接触式シリンダからなるカウンタバランサを更に具備することを特徴とする請求項1から請求項4までの何れか一つに記載の移動体の移動停止装置。
JP2006124694A 2006-04-28 2006-04-28 移動体の移動停止装置 Expired - Fee Related JP4923703B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006124694A JP4923703B2 (ja) 2006-04-28 2006-04-28 移動体の移動停止装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006124694A JP4923703B2 (ja) 2006-04-28 2006-04-28 移動体の移動停止装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007296589A JP2007296589A (ja) 2007-11-15
JP4923703B2 true JP4923703B2 (ja) 2012-04-25

Family

ID=38766513

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006124694A Expired - Fee Related JP4923703B2 (ja) 2006-04-28 2006-04-28 移動体の移動停止装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4923703B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5332308B2 (ja) * 2008-05-22 2013-11-06 株式会社ジェイテクト 位置決め装置及び工作機械装置

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07266218A (ja) * 1994-03-29 1995-10-17 Toyo A Tec Kk ホーニング加工装置の主軸台停止装置
JP3540091B2 (ja) * 1996-03-29 2004-07-07 株式会社森精機製作所 工作機械
JP4335425B2 (ja) * 2000-08-28 2009-09-30 住友重機械工業株式会社 ステージ装置
JP2003345445A (ja) * 2002-05-22 2003-12-05 Canon Inc 位置決めテーブル装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007296589A (ja) 2007-11-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2319656B1 (en) Grinding machine
WO2011010528A1 (ja) 工作物のスリップ防止方法および装置
JP4218054B1 (ja) 工作機械の制御装置及び方法
JP4822956B2 (ja) 工作機械におけるワークのクランプ異常検出方法、及び工作機械
JP2007216316A (ja) 工作機械
EP4129565A1 (en) Machine tool and information processing device
CN104122018A (zh) 具有夹持力矩测定单元的旋转工作台
US7568969B2 (en) Locking mechanism of linear motor travel slider and processing machine
JP2018075667A (ja) 工作機械
JP2007007743A (ja) 心押台制御装置
JP2011062753A (ja) 工作機械
JP4923703B2 (ja) 移動体の移動停止装置
JP5402347B2 (ja) 工作物のスリップ防止方法および装置
JP2000153431A (ja) 工作機械の心押台の監視制御方法および装置
US8468911B2 (en) Feed apparatus
JP4687181B2 (ja) 移動体の移動停止装置
JP2004142037A (ja) 工作機械
JP5885105B2 (ja) 工作機械の自動補正装置及び自動補正方法
JPH0655310A (ja) Ncテールストック及びその制御方法
JPH11114703A (ja) 工作機械の心押装置
JP5515480B2 (ja) センタ加圧力自動制御装置
US20220371142A1 (en) Machine tool
JPH0871805A (ja) 心押軸の移動制御および着座確認装置
JP3300604B2 (ja) 工具破損検出方法及び装置
JPH08141866A (ja) 送り台駆動装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090325

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110621

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110808

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120110

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120123

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150217

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4923703

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees