JP3741800B2

JP3741800B2 - 加硫用ブラダー用ゴム組成物

Info

Publication number: JP3741800B2
Application number: JP28421596A
Authority: JP
Inventors: 雅士矢野
Original assignee: Bridgestone Corp
Current assignee: Bridgestone Corp
Priority date: 1996-10-25
Filing date: 1996-10-25
Publication date: 2006-02-01
Anticipated expiration: 2016-10-25
Also published as: JPH10130441A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明はタイヤなどの加硫成形装置に取り付けられる加硫用ブラダー（加硫用膨張袋状体）の耐久性の改良に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来よりタイヤの加硫工程に使用されるゴム風船状の加硫用ブラダーは、高温で繰り返し伸びを与えるために優れた耐熱性を発揮する樹脂加硫ブチルゴムが使用されている。
この樹脂加硫とはブチルゴムに加硫剤としてジメチロール化フェノール樹脂（レゾール型）などを用い、さらに加硫触媒としてクロロプレンゴム、クロオスルフォン化ポリエチレン、ハロゲン化ブチルゴムなどのハロゲン含有ゴムや塩化第一鉄、塩化第一錫のような金属塩化物を用いて高温で加硫する方法である。
この加硫用ブラダーに要求される特性は永久伸びを少なくすることであるが、従来の加硫用ブラダーでは必ずしも満足すべきものでない。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、永久伸びを小さくすることにより耐久性が改善された加硫用ブラダー用ゴム組成物および加硫用ブラダーを提供することである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、前記課題を解決すべく種々の検討を重ねた結果、樹脂加硫に用いるメチロール化フェノール樹脂のメチロール成分を従来の８〜９％から１０〜１２％にすることにより永久伸びが著しく減少することを見出だしこの知見にもとづいて、本発明を完成するに至った。
【０００５】
本発明の加硫用ブラダー用ゴム組成物は、メチロール成分の１０〜１２重量％含有するメチロール化フェノール樹脂、およびブチルゴムを含むゴム成分を含有することを特徴とする。メチロール成分の１０〜１２重量％含有するメチロール化フェノール樹脂がゴム成分１００重量部に対して５〜１５重量部である。また、ゴム成分１００重量部がブチルゴム８０〜１００重量部およびクロロプレンゴム０〜２０重量部からなる。
【０００６】
本発明の加硫用ブラダーは、ブチルゴムに加硫剤としてジメチロール化フェノール樹脂（レゾール型）を用い、さらに加硫触媒としてハロゲン含有ゴムや塩化第一鉄、塩化第一錫のような金属塩化物を用いて高温で加硫するいわゆる樹脂加硫により得られるが、そのジメチロール化フェノール樹脂のメチロール成分が１０〜１２重量％含有することが本発明の特徴である。
【０００７】
【発明の実施の形態】
本発明の加硫用ブラダー用ゴム組成物に係わるゴム成分としては、ブチルゴム以外に加硫触媒として使用するクロロプレンゴム、クロルスルフォン化ポリエチレン、ハロゲン化ブチルゴムなどがあげられる。その他ハロゲン化エチレンプロピレン三元共重合体ゴムなどがあげられる。
ブチルゴムとしては、イソブチレンーイソプレン共重合体が示される。具体的には、日本ブチル社製“ＪＳＲＢｕｔｙｌ２６８”、Ｐｏｌｙｓａｒ社製“Ｂｕｔｙｌ３０１”などがあげられる。
【０００８】
本発明の加硫用ブラダー用ゴム組成物に係わるメチロール化フェノール樹脂（レゾール樹脂）は、樹脂中のメチロール成分が１０〜１２重量％含有するのが特徴であり、加硫剤として使用される。
本発明の加硫用ブラダー用ゴム組成物に係わるメチロール化フェノール樹脂（レゾール樹脂）の配合量は、ゴム成分１００重量部に対して５〜１５重量部、好ましくは７〜１０重量部である。５重量部未満であるとブラダー成形のための加硫時間の延長が必要であり、また、１５重量部を越えると永久伸びが大きくなるので好ましくない。
これらの樹脂の使用した加硫用ブラダーは、従来のメチロール成分が８〜９重量％のメチロール化フェノール樹脂（レゾール樹脂）の使用した加硫用ブラダーと比べて永久伸びが減少し、加硫用ブラダーの寿命が１．５倍以上向上する。
【０００９】
本発明のブラダーには、ＨＡＦ，ＦＥＦ，ＧＰＰなどのファーネス系カーボンブラックやアセチレンブラック、チャンネル系カーボンブラックなどの補充性充填剤をブチルゴム成分１００重量部に対して２０〜８０重量部の範囲で適宜配合し、亜鉛華も０．５〜８重量部の範囲で配合してもよい。
カーボンブラックは２０重量部より少ないと引張り強さが低くなり、８０重量部を越えると加工性が悪くなるばかりでなく耐屈曲性が悪化して寿命が低下する。
【００１０】
【実施例】
以下に実施例、比較例により、本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこの実施例によって何等限定されるものではない。
【００１１】
〔実施例１〜４，比較例１〜４〕
表１と表２の配合表にしたがってタイヤ用加硫用ブラダーを試作し、永久伸びを測定した。各々１０個の測定の平均値を表１〜２に示す。
永久伸びの測定はＪＩＳＫ６３０１に基づいて行った。
タイヤ用加硫用ブラダーの初期の全周の長さをＬ（０）とし、５００回使用後の全周の長さをＬ（５００）とし、次の式により永久伸びを求めた。
永久伸び（％）＝｛Ｌ（５００）ーＬ（０）｝／Ｌ（０）
【００１２】
【表１】

【００１３】
【表２】

【００１４】
【発明の効果】
本発明の加硫用ブラダー用ゴム組成物により、永久伸びが小さいので高温下で繰り返し伸びを与える使用に耐えることができる加硫用ブラダーが得られる。この加硫用ブラダーは従来のものに比べて、耐久性、寿命が向上した。

Claims

メチロール成分を１０〜１２重量％含有するメチロール化フェノール樹脂をゴム成分１００重量部に対して５〜１５重量部含有すると共に、ゴム成分１００重量部がブチルゴム８０〜１００重量部およびクロロプレンゴム０〜２０重量部である加硫用ブラダー用ゴム組成物。
請求項１記載の加硫用ブラダー用ゴム組成物を樹脂加硫することからなる加硫用ブラダー。