JP3741484B2 - 床材、置き敷き用床材及び床材の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、床材、とくに、置き敷き施工に好適な床材及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
マンション等においては、例えば、スラブ上に木製や樹脂製の床材を並設載置し、それらを接着剤により固着することで床を構成している。しかしながら、上記のように接着剤を用い床材を張り付けて施工するのは、接着剤を塗布し、硬化させるのに非常に手間がかかるとともに時間を要し、施工面、コスト面において多大な問題があった。
【0003】
そこで、最近では、接着剤を用いることなく床材をスラブ上に位置決めして並設する、いわゆる、床材を置き敷きすることにより床を構成することが行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のように置き敷きにより床を構成する場合、床材として木製のものを用いると、スラブ面に不陸があると床材にフレキシブル性が乏しいのでその位置で床材が浮き上がり、また、床材面が疎であってスラブ面との密着性が悪いので、使用に伴って床材にずれが発生することとなった。
【0005】
これに対して合成樹脂製の薄物床材を用いる場合は上記の問題は少ないものの、重量が小さいので軽くて浮き上がりやすいという基本的な問題点があった。そこで、合成樹脂製の床材においてはその寸法を厚くして重量を大きくすることが考えられるが、その場合には製造コストが高くなり、また、厚みが大きくなるとフレキシブル性が損なわれて上記木製床材と同様の問題が発生することとなった。
【0006】
このように、現状では置き敷きに好適な床材は提供されていない。
この発明は上記の事情に鑑みて行ったもので、置き敷きに好適な床材を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の発明では、表面化粧体と、前記表面化粧体の裏面に沿って互いに交差する2方向に配置され、前記各方向に沿って所定幅の溝状の空間を介して分離された形で前記表面化粧体の裏面に付設された表裏方向同高さの複数の木質材と、隣接する前記木質材の間で前記空間の溝状形状を裏面側に開いた形で残すよう前記木質材それぞれの全露出面を被覆する合成樹脂層とからなり、前記合成樹脂層を、ペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤を主成分としてなる組成物であって、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、分子量が500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上のポリアミン化合物を0.1〜10.0重量部添加してなる木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物よりなる構成とする。
【0008】
上記において用いられるペースト加工用塩化ビニル系重合体とは、塩化ビニル単独重合体及び/又は塩化ビニル共重合体であり、一般的なものを用いることができ、ペースト加工用塩化ビニル系重合体としては、1種の重合体又は2種以上の重合体の混合物として用いることができる。
【0009】
塩化ビニル共重合体とは、塩化ビニルと共重合し得るビニル化合物との共重合体をいい、特に限定するものではないが、塩化ビニルと共重合し得るビニル化合物としては、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、オレイン酸ビニル、安息香酸ビニル等のビニルエステル類;アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、桂皮酸等の不飽和カルボン酸またはその無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸グリシジル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル等のアクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル等のメタクリル酸エステル類;マレイン酸エステル、フマル酸エステル、桂皮酸エステル等の不飽和カルボン酸エステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルアミルエーテル、ビニルフェニルエーテル等のビニルエーテル類;エチレン、プロピレン、ブテン、ペンテン等のモノオレフィン類;塩化ビニリデン、スチレン、スチレン系誘導体、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等の塩化ビニルとラジカル共重合しうる通常のビニル化合物を挙げることができ、上記において用いられるペースト加工用塩化ビニル系重合体としては、これらビニル化合物が1種又は2種以上で塩化ビニルと共重合されたものでもよい。
【0010】
そして、低温短時間での加工性に優れることから、塩化ビニル共重合体を用いることが好ましく、特に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体が好ましい。また、その時の塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体の共重合組成は、低温短時間の加工で接着性、及び、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物の貯蔵安定性が優れることから酢酸ビニル含有量が1〜20重量%であることが好ましく、特に3〜10重量%であることが好ましい。
【0011】
また、ペースト加工用塩化ビニル系重合体の重合度としては、一般的な500〜5000のものを用いることができ、特に低温短時間での加工性に優れ、接着性及び被膜強度が高くなることから800〜2OOOであることが好ましい。
【0012】
上記において用いられる可塑剤としては、ペースト加工用塩化ビニル系重合体を均―に分散させることができるものであればいかなるものも使用することができ、例えばジ−n−オクチルフタレート、ジ−2−エチルへキシルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジラウリルフタレート、ジヘキシルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジオクチルアジベート、トリクレジルホスフェート、その他ポリエステル系、テトラヒドロフタレート系等を挙げることができ、これら可塑剤は1種又は2種以上の混合物として用いることができる。
【0013】
また、上記構成においては、さらに加工被膜の強度を向上させる目的で、ジアリルフタレート等に代表される反応性型可塑剤を単独又はその他の通常の可塑剤と併用して用いることができる。
【0014】
上記構成における可塑剤の配合量は、加工安定性を付与し、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物からの可塑剤のブリードアウトの問題が生じる恐れが少ないことからペースト加工用塩化ビニル系重合体l00重量部に対して、30〜250重量部が好ましく、特に得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物が接着性及び被膜強度に優れることから30〜90重量部であることが好ましい。
【0015】
上記構成においては、ポリアミン化合物をペースト加工用塩化ビニルプラスチゾルに添加することにより、ゾル中においてポリアミン化合物が均一に分散することにより、少量の添加量で木質材料に対する接着性を向上させることが可能な上に、貯蔵安定性に優れる塩化ビニルプラスチゾル組成物を得ることが可能となった。
【0016】
上記において用いられるポリアミン化合物としては、分子量500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上であるポリアミン化合物が用いられる。当該ポリアミン化合物の分子量が500未満又は20000を越える場合、木質材料に対する接着効果に必要不可欠なアンカー効果が発現しにくくなるために接着性の向上が望めず好ましくない。また、アミン価が10mg当量/g−solid未満のポリアミン化合物である場合、木質材料に対する接着に関与する活性基が少ないため、十分な接着効果が得られず好ましくない。当該ポリアミン化合物は、分子量500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上であればいかなるものも使用できるが、そのようなポリアミン化合物のアミン価は実質的に10mg当量/g−solid以上1000mg当量/g−solid以下の範囲になる。そして、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物が木質材料に対する十分な接着効果を発現しつつ、貯蔵安定性に優れることから分子量500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上100mg当量/g−solid以下であることが特に好ましい。
【0017】
当該ポリアミン化合物としては、分子量5OO〜2OOOO、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上であるポリアミン化合物であれはいかなるものも使用することができ、例えば第一級、第二級若しくは第三級のアミノ基若しくはアンモニウム基を有する低重合体又は重合体アミンを用いることができ、その具体例としては、ポリエチレンイミン等に代表される第―級、第二級、第三級アミノ基を含有する枝分かれ重合体、ポリアミノエチルアクリレート等に代表される側鎖中にアミノ基を有する重合体、ビニルピリジン、ビニルイミダゾール等に代表される芳香族塩基のビニル誘導体の重合体等を挙げることができる。
【0018】
上記において用いられるポリアミン化合物の配合量は、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部である。ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、配合量が0.1重量部未満である場合、木質材料に対する十分な接着効果が得られず、また、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、配合量が10重量部を越える場合においては、配合量に応じた木質材料に対する接着効果の更なる向上は望めないうえに、加工被膜の製造コストの高騰を招く、又は、貯蔵中に粘度が上昇しやすくなり貯蔵安定性に劣る等の問題を有し好ましくない。そして、効率良く接着性に優れた木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物が得られることからポリアミン化合物の配合量は、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して0.5〜5重量部であることが特に好ましい。
【0019】
該木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物は、必要に応じて加工製品の製造コストを削減する目的で、本発明の目的を逸脱しない範囲において充填剤を添加することができる。添加することのできる充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、クレー、シリカ、珪酸アルミニウム、珪酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、カーボンブラック、アスベスト、ケイソウ土、マイカ粉等を挙げることができる。また、生石灰又は着色顔料等を必要に応じて添加することができる。
【0020】
さらに必要に応じて、ペースト加工用塩化ビニル系重合体の熱又は光等に起因する脱塩酸反応による劣化を抑制する目的で、熱又は光安定剤を本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物に添加することができ、そのような熱又は光安定剤としては、例えばステアリン酸バリウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等に代表される金属石鹸類;二塩基性亜リン酸塩、二塩基性硫酸塩等に代表される無機酸塩類;ジブチルスズマレート、ジオクチルスズマレート、ジオクチルスズビス(2−エチルヘキシルマレート)等に代表される有機金属化合物;エポキシ化大豆油等の熱安定剤;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メトキシフェニル)ベンズトリアゾール、2―(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−ブチルフェニル)ベンズトリアゾール等に代表されるヒドロキシベンズトリアゾール類;2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクチルオキシベンゾフェノン等に代表されるヒドロキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;その他一般に用いられる酸化防止剤等を挙げることができる。そして、これら安定剤は1種又は2種以上の混合物として用いることができる。また、その配合量は、得られる塩化ビニルプラスチゾル組成物の脱塩酸反応による劣化を抑制し、添加された安定剤によるブルーミング現象の問題の恐れが少ないことからペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、0.5〜10重量部であることが好ましく、特に1〜5重量部であることが好ましい。
【0021】
他に必要に応じて、該木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物の加工被膜強度を向上させる目的において、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールアクリレート、イソシアヌール酸エチレンオキサイド系変性トリアクリレート、ウレタンアクリレート等の多官能アクリレートを添加することもできる。さらに加工被膜の耐水性向上を付与する目的において、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、ゼオライト等を添加することもできる。
【0022】
該木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物の調製方法としては、本発明の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を得ることが可能であればいかなる方法を用いても良く、例えばペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤、ポリアミン化合物及び必要に応じて添加する充填剤又は安定剤とを撹拌混合した後、減圧下、好ましくは0.01mmHg〜100mmHgで、5分〜3時間、好ましくは10分〜1時間減圧脱泡することにより調製される。
【0023】
該木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を木質材料に対する接着に用いる場合、木質材料に対する接着性に優れることから塗布量0.3〜12kg/m2、膜厚0.5〜30mmとし、塗布後100〜200℃、1〜60分間加熱硬化することが好ましい。また、塗布方法としては、通常の金型成形を用いることができるが、その他にスプレーコーティング、ナイフコーティング等の塗布方法も用いることが可能である。
【0024】
請求項2記載の発明では、置き敷き用床材を、請求項1記載の床材よりなる構成とする。
【0025】
請求項3記載の発明では、床材を、表面化粧体を木質板の表面に貼着し、前記木質板面に多数本の溝加工を前記表面化粧体の裏面に至るまで行い、前記木質板の全露出面を、前記溝の形状を裏面側に開いた形で残すように合成樹脂層で被覆して行うものであり、前記合成樹脂層を、ペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤を主成分としてなる組成物であって、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、分子量が500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上のポリアミン化合物を0.1〜10.0重量部添加してなる木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物よりなる構成とする。
【0026】
この発明の請求項1または3記載の発明によれば、木質材の存在により重量感があるとともに剛性、耐熱変形性に優れ、空間の存在によりフレキシブル性に優れて敷設面に対応して変形可能で、かつ、木質材の底面に合成樹脂層が位置することで敷設面からの水の侵入が防止されるとともに、敷設面への密着性も良好な床材が得られる。
【0027】
さらに、合成樹脂層として上記構成の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を用いていることで、木質板への合成樹脂層の接着が良好で、かつ、合成樹脂層の皮膜強度が大きい構造の安定した構造の床材が得られる。
【0028】
とくに、請求項3記載の発明によれば、合成樹脂層として上記構成の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を用いていることで、低温、短時間において木質板の合成樹脂層による被覆ができる。
【0029】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の作用効果を奏する置き敷き用床材が得られる。
【0030】
【発明の実施の形態】
図1、図2を参照してこの発明の置き敷き使用される床材の構造を説明する。図1は床材1の底面方向から見た部分断面斜視図、図2は底面図である。
【0031】
床材1は、表面化粧体としての表面シート2と、それぞれが所定の溝状の空間3を介して表面シート2の裏面に同高さに付設された複数の木質材5と、それら木質材5それぞれを被覆するように設けられた合成樹脂層7とから構成されている。
【0032】
上記表面シート2は、塩化ビニール、ポリエチレンよりなり、床材1の意匠性を高めるとともに、表面からの木質材5への水の侵入を防止するように設けられている。
【0033】
木質材5はパーティクルボード、合板、中質繊維板、配向性ストランドボードよりなり、比較的比重が高く、この床材1に重量、剛性を付与している。このことにより、床材1は重量があるので安定して敷設され、また、剛性を有するので床材1上方から局所的に力が加わった場合にも、その部分がへこむことが防止される。また、木質材5は耐熱変形性に優れるので、床材1の熱変化に対する寸法安定性を維持する。また、木質材5それぞれが空間3を介して設けられ、それら空間3は多数本のものが互いに直交するように配置されており、この空間3の存在により床材1は木質材5を用いているにもかかわらず容易に2方向に湾曲可能な構成とされており、すなわち、空間3は床材1にフレキシブル性を付与しているものである。
【0034】
合成樹脂層7はペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤を主成分としてなる組成物であって、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、分子量が500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上のポリアミン化合物を0.1〜10.0重量部添加してなる木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物よりなり、木質材5それぞれの底面(図1では上側に位置している)、木質材5間の空間3内面、また、外周に位置する木質材5の床材1の側周面に位置する面それぞれを被覆し、このように、木質材5面の全てを被覆している。上記床材1の側周面に位置する部分の合成樹脂層7aは厚肉に形成され、その部分には水平方向にやといざねによってジョイントされるための溝8が形成されている。
【0035】
上記のように、合成樹脂層7は木質材5を完全に被覆することで、底面、側面からの木質材5への水の侵入を防止している。そして、合成樹脂層7そのものも水分を吸収しないので、床材1は水分や湿気に対して非常に強く、また、寸法安定性の高いものとなっている。また、合成樹脂層7が軟質とされることで、床材1のフレキシブル性がより良好に発揮されるものとするとともに、敷設面であるスラブ面等への密着性を高めている。合成樹脂層7を硬質とする場合は、その底面に滑り止めのための凹凸加工を施すようにしてもよい。
【0036】
次に、図3を参照して上記床材1の製造例を説明する。
【0037】
[第1工程 図3(A)]
0.3mm厚さの塩化ビニールシートよりなる表面シート2を450mm角で9mm厚のパーティクルボードよりなる木質材プレート5aの表面にエチレン酢酸ビニール接着剤により貼着する。
【0038】
[第2工程 図3(B)]
上記の第1工程で得られたものにおいて、円鋸を用い木質材プレート5aを縦横方向に45mmピッチで3mm幅において、さらに、周囲部分に8mm幅において表面シート2裏面に至るまで切除する。
【0039】
[第3工程 図3(C) 図3(D)]
上記の第2工程で得られたものを、それぞれの木質材5側を上向きとして下金型10内に納め、その上部から上記木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物11を注入し、上金型12を閉めて加熱(上金型側150°C 下金型側100°C 加熱時間10分)後冷却(5分)して成形する。この成形により、木質材5それぞれが合成樹脂層7で覆われる。木質材5の底面上に位置する合成樹脂層7の厚さは1mmとする。
【0040】
上記上金型12の下面には、閉じた際に木質材5間の空間3aに木質材5と所定の隙間を保つように入り込み、かつ、表面シート2裏面に達することがない成形突起部15が設けられている。
【0041】
そして、型内より取り出した後に周面にジョイント部8の加工を施すことで、図1、図2に示すような木質材5の全てが合成樹脂層7で覆われ、かつ、縦横方向の溝状の空間3が形成された床材1が得られる。
【0042】
上記塩化プラスチゾル組成物11としては、例えば、ペースト加工用塩化ビニル共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量;5重量%)、重合度1300)(東ソー製、商品名リューロンペースト751)100重量部、ジ−2−エチルヘキシルフタレート60重量部、熱安定剤(旭電化工業製、商品名AC−118)2重量部、分子量600,アミン価20mg当量/g−solidであるポリエチレンイミン2重量部を撹拌混合後、60mmHgから0.1mmHgまで、30分間かけて減圧脱泡することにより得られたものを使用する。
【0043】
上記製造例における各工程の他の実施態様について述べる。
【0044】
第1工程において、表面化粧体として、0.1mm厚の塩化ビニールシートを裏打ちした0.3mm厚さの突板を用いる。これにより、表面防水性が確保され、かつ、表面意匠が木質の床材1が得られる。
【0045】
第1、第2工程に代えて、表面化粧体の裏面に木質材5を成形により付設する。
【0046】
この場合、製造工程が簡略化されるとともに、図4に示すように木質材5とその間の空間3の配置パターンが適宜とできるので、変形方向が自由でフレキシブル性に優れる床材1が得られるようになる。
【0047】
第3工程において、図5に示すように、下金型10として成形突条20を備えるものを用い、これにより成形に際してジョイント部8を一体に形成する。このようにすることで第4工程が省略される。
【0048】
第3工程において、上金型12として突部15を備えないものを使用し、第4工程において合成樹脂層7の木質材5間の位置に相対する位置に円鋸により溝加工を行う。この構成によれば、上金型12の構造を簡単として金型費用を低減できる。
また、本発明の床材は、上記のように置き敷き床材として特に好適であるが、接着剤により貼着されるように用いられる場合も、フレキシブル性や防水性において十分なる効果が発揮されるものである。
【0049】
以下、この発明において合成樹脂層として用いる塩化ビニルプラスチゾル組成物の製造例について説明する。
【0050】
製造例1
ペースト加工用塩化ビニル共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル含有量;5重量%)、重合度1300)(東ソー製、商品名リューロンペースト751)100重量部、ジ−2−エチルヘキシルフタレート60重量部、熱安定剤(旭電化工業製、商品名AC−118)2重量部、分子量600,アミン価20mg当量/g−solidであるポリエチレンイミン2重量部を撹拌混合後、60mmHgから0.1mmHgまで、30分間かけて減圧脱泡することによりプラスチゾル1を得た。
【0051】
製造例2
製造例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ1200と19mg当量/g−solidにした以外は、製造例1と同様に調製を行いプラスチゾル2を得た。
【0052】
製造例3
製造例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ1800と19mg当量/g−solidにした以外は、製造例1と同様に調製を行いプラスチゾル3を得た。
【0053】
製造例4
製造例1において配合したポリエチレンイミンの分子量とアミン価をそれぞれ10000と18mg当量/g−solidにした以外は、製造例1と同様に調製を行いプラスチゾル4を得た。
【0054】
製造例5
製造例3において配合したポリエチレンイミンの添加量を5重量部にした以外は、製造例3と同様に調製を行いプラスチゾル5を得た。
【0055】
得られたプラスチゾル5を上記に示した評価方法により評価を行った。評価結果を表2に示す。
【0056】
製造例6
製造例3において配合したポリエチレンイミンの添加量を0.5重量部にした以外は、製造例3と同様に調製を行いプラスチゾル6を得た。
【0057】
製造例7
製造例3において配合したペースト加工用塩化ビニル共重合体をペースト加工用塩化ビニル単独重合体(重合度1500)(東ソー製、商品名リューロンペースト800)にした以外は、製造例3と同様に調製を行いプラスチゾル7を得た。
【0058】
【発明の効果】
本発明の請求項1または3記載の発明によれば、重量感があることで敷設が安定して行えるとともに、フレキシブル性に優れるので敷設面に不陸等がある場合にも支障なく敷設でき、しかも、密着性が良好で位置ずれしない、置き敷きにきわめて好適な床材が得られる。
【0059】
さらに、剛性、耐熱変形性に優れるので、物の衝突によりへこんだり、また、長期の使用により寸法変化の起こらず、しかも木質材を用いているにもかかわらず防水性に優れるという非常に実用的な床材が得られる。
【0060】
さらに、合成樹脂層として上記構成の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を用いていることで、木質板への合成樹脂層の接着が良好で、かつ、合成樹脂層の皮膜強度が大きい構造の安定した構造の床材が得られる。
【0061】
とくに、請求項3記載の発明によれば、合成樹脂層として上記構成の木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物を用いていることで、低温、短時間において木質板の合成樹脂層による被覆ができ、これにより、製造容易に上記のような高性能の置き敷き使用に好適な床材が得られる。
【0062】
請求項2記載の発明によれば、施工性、耐久性に優れる置き敷き用床材が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の置き敷き用床材の底面側の部分断面斜視図
【図2】本発明の置き敷き用床材の底面図
【図3】製造工程を説明する図
【図4】置き敷き用床材の他の実施例の底面図
【図5】他の製造実施例の説明図
【符号の説明】
1 床材
2 表面シート(表面化粧体)
3 空間
5 木質材
7 合成樹脂層
Claims (3)
- 表面化粧体と、前記表面化粧体の裏面に沿って互いに交差する2方向に配置され、前記各方向に沿って所定幅の溝状の空間を介して分離された形で前記表面化粧体の裏面に付設された表裏方向同高さの複数の木質材と、隣接する前記木質材の間で前記空間の溝状形状を裏面側に開いた形で残すよう前記木質材それぞれの全露出面を被覆する合成樹脂層とからなり、前記合成樹脂層を、ペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤を主成分としてなる組成物であって、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、分子量が500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上のポリアミン化合物を0.1〜10.0重量部添加してなる木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物よりなる構成とする床材。
- 請求項1記載の床材よりなる置き敷き用床材。
- 表面化粧体を木質板の表面に貼着し、前記木質板面に多数本の溝加工を前記表面化粧体の裏面に至るまで行い、前記木質板の全露出面を、前記溝の形状を裏面側に開いた形で残すように合成樹脂層で被覆して行うものであり、前記合成樹脂層を、ペースト加工用塩化ビニル系重合体、可塑剤を主成分としてなる組成物であって、ペースト加工用塩化ビニル系重合体100重量部に対して、分子量が500〜20000、かつ、アミン価が10mg当量/g−solid以上のポリアミン化合物を0.1〜10.0重量部添加してなる木質材接着用塩化ビニルプラスチゾル組成物よりなる構成とする床材の製造方法。
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