JP3741070B2 - 溶融めっき浴用スナウト内部観察装置 - Google Patents

溶融めっき浴用スナウト内部観察装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融めっき鋼板を製造するための溶融めっきラインの溶融めっき浴用スナウトの内部におけるめっき浴面を浮遊するアッシュやドロス等の状況、さらには通板される鋼板の状況や形状等を観察するための溶融めっき浴用スナウト内部観察装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
亜鉛を主体とした溶融亜鉛めっき鋼板等の溶融めっき鋼板は、脱脂および洗浄された鋼板を、水素および窒素を主体とした連続焼鈍炉を用いて焼鈍してから所定温度まで冷却し、スナウトを介して溶融亜鉛浴に浸漬して溶融亜鉛めっきを行うことによって、製造される。
【0003】
この溶融亜鉛めっき浴槽やスナウトの内部における浴面には、めっき金属の酸化や異物の混入等によって生成した浮遊異物やドロス等 (以下、「浮遊異物等」と総称する) が浮遊している。これら浮遊異物等の一部がめっき鋼板の表面に付着すると、めっき外観疵やめっき不良等を招いてしまう。これまで、このようなめっき外観疵やめっき不良等を防止するため、スナウトの内部に設置したポンプを用いて、浮遊する浮遊異物等を吸引してスナウトの外部に排出していた。
【0004】
しかし、通板中のスナウト内の浮遊異物等の状態は、めっきの種類や通板速度等の操業条件によって大きく変化する。このため、通板中の板形状や浮遊している場所、さらにはポンプの扱い口の位置等によっては、浮遊異物等を有効に排出できないことがある。したがって、通板中の板形状や浮遊異物等の存在位置等の状態を正確に把握し、その結果に基づいて、ポンプの位置を適宜調整しなければならない。このためには、スナウトの内部におけるめっき浴面を高精度で正確に観察する必要がある。
【0005】
一般的にめっき浴槽のスナウト内観察方法としては、スナウト壁面に耐熱ガラスとガラスの前に遮蔽板を取り付けて観察する時だけ遮蔽板を開けて、ガラス越しに内部を目視にて観察する方法が慣用されている。しかし、このスナウト内観察方法では、高温の雰囲気下にあるためにめっき金属のヒューム等によって視界が早期に阻害されてしまう。このため、この観察方法によってもめっき浴面を高精度で観察することはできず、このため、ポンプの位置を正確に調整することは極めて難しかった。
【0006】
そこで、例えば実公平2−48420 号公報には、めっき浴槽用スナウトの側壁に、スナウト内部を照射する光源用の筒体と観察カメラ用の筒体とを別々に設け、それぞれの筒体の先端に不活性ガス導入筒を設けるとともにこの不活性ガス導入筒に供給する不活性ガスの遮断弁を設けておき、不活性ガス導入筒によってスナウトの内部の還元ガスが外部に漏洩することを防止し、さらに遮断弁を閉じることによって光源やカメラ等の補修を容易にする発明が開示されている。
【0007】
また、特開2000−282201号公報には、スナウトの側壁に筒体を設置し、その外側に透過体を介して観察室を設置し、その観察室の内部を光遮断板により仕切って2つの空間を形成し、光源用の空間と観察カメラ用の空間とを別々に並べて配置する発明が開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、実公平2−48420 号公報により開示された発明を実施するには、スナウトの側壁に光源用筒体と観察カメラ用筒体とを別々に設ける必要がある。このため、不可避的に筒体のスナウト側壁への取付け個数が増加し、筒体あるいは筒体の取付け部に隙間が生じ易くなり、この隙間から外気が侵入してスナウト内の雰囲気を汚染してめっき鋼板の品質が低下し易くなる。また、外気の侵入を防止するために、筒体にアルゴンガスや窒素ガス等を供給してシール性を高めようとすると、シールに用いるアルゴンや窒素ガスの消費量が増加して作業コストが上昇するとともに、構造が複雑化して修理等の保全に時間を要し、生産ラインの停止時間が増加して生産性が低下する等のおそれもある。
【0009】
また、この発明では、光源とカメラとを別々に設置するため、当然のことながら、光源の照射範囲の中心とカメラの光軸調整とを個別に行わなければならず、その調整作業に大きな時間を要してしまう。
【0010】
なお、この発明において、光源と観察カメラとを一体の筒体に設けるように改良することも考えられるが、筒対の奥側 (スナウト内部側) にスナウト内を透視するための耐熱ガラス等からなる透過体が設けられているため、この透過体から光源の反射光が生じて観察用のカメラの視界が阻害されてしまい、通板中の板形状や浮遊異物の浮遊状態を正確に観察できない等の問題もある。
【0011】
一方、特開2000−282201号公報により開示された発明も、上述した発明と同様に、光源およびカメラを別々に設置しているため、光源の照射範囲の中心とカメラの光軸調整との調整に大きな時間を要してしまう。また、この発明では、光源の照射面積が小さくなるため、内部が暗く観察に支障をきたしてしまう。照射面積を大きく確保するために透過体を大きくしたとすると、設備が大きくなり設置場所に著しい制限をきたしてしまう。さらに、装置の内部が観察室で仕切られているため、メンテナンス性も芳しくない。
【0012】
本発明の目的は、上述した従来の発明が有する課題、つまり、設備コストの上昇を抑制し、シール性を確保し、メンテナンスを容易にしながら、めっき浴面を正確に長時間観察することができる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、溶融めっき浴用スナウトの内部を外部から観察するための溶融めっき浴用スナウト内部観察装置であって、溶融めっき浴用スナウトの内部を撮像する光学撮像装置と、その光軸がこの光学撮像装置の光軸に略一致するように、溶融めっき浴用スナウトから離れた側の光学撮像装置の背面側に固定されて、光学撮像装置と連動しながら溶融めっき浴用スナウトの内部を照射する光源とを備えることを特徴とする溶融めっき浴用スナウト内部観察装置である。
【0014】
この本発明にかかる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置では、光学撮像装置が、溶融めっき浴用スナウトの壁面に設けられた内部観察用窓を介して、溶融めっき浴用スナウトの内部を撮像することが例示される。
【0015】
この本発明にかかる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置では、光学撮像装置が、その入光部と内部観察用窓との間が遮光されて、配置されることが例示される。例えば、光学撮像装置が、その入光部を構成するケーシングの先端面が内部観察用窓の表面に当接して、配置されることが例示される。
【0016】
これらの本発明にかかる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置では、光源が、内部観察用窓の寸法よりも長い領域にわたって直列に配置された複数の光源であることが例示される。
【0017】
さらに、これらの本発明にかかる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置では、光学撮像装置が、冷却機構により包囲されて、配置されることが例示される。
【0018】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
以下、本発明にかかる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置の実施の形態を、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以降の説明では、本発明にかかる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置を、溶融亜鉛めっき浴用スナウトの内部観察装置に適用した場合を例にとる。
【0019】
図1は、本実施の形態の溶融亜鉛めっき浴用スナウト内部観察装置1(以下、単に「観察装置1」という)の全体構成を示す説明図であり、溶融亜鉛めっき浴用のスナウト2および溶融亜鉛めっき浴槽3を上方からみた場合を示す。また、図2は、スナウト2の壁面の一部を構成する側壁面2aに設けられた内部観察用窓6と、光学撮像装置4および光源5との位置関係を示す側面図である。さらに、図3は、スナウト2の側壁面2aの側から観察装置1の方向を見た場合の正面図である。
【0020】
図1に示すように、本実施の形態の観察装置1は、スナウト2の内部を外部から観察するための溶融亜鉛めっき浴用スナウト内部観察装置であって、光学撮像装置4と光源5とを備える。そこで、観察装置1のこれらの構成要素をその作用とともに説明する。
【0021】
[光学撮像装置4]
本実施の形態の観察装置1は光学撮像装置4を有する。この光学撮像装置4は、スナウト2の内部を撮像する光学撮像装置であって、スナウト2の側壁面2aに取り付けられている。本実施の形態では、光学撮像装置4として市販されているCCD カメラを用いたが、これに限定されるものではなく、本発明は、CCD カメラ以外の他の光学撮像装置についても等しく適用される。
【0022】
光学撮像装置4は、スナウト2の側壁面2aに設けられた内部観察用窓6を介して、スナウト2の内部を撮像する。このため、内部観察用窓6は透明度が高いほうがよいことはもちろんであるが、透明度のみならず耐熱性も優れた材質を選定することが好ましい。本実施の形態では、内部観察用窓6を、スナウト2の内部を外部から観察可能な、ガラス製またはアクリル製等からなる耐熱性を有する透過体により構成した。
【0023】
本実施の形態では、側壁面2aの強度維持等の観点から、内部観察用窓6の外形は円形としたが、円形以外の形状を有していてもよい。
この内部観察用窓6は小さ過ぎると必然的にスナウト2の内部の観察可能範囲が狭くなる。かかる観点から、内部観察用窓6の直径は50mm以上とすることが好ましい。一方、内部観察用窓6が大き過ぎると設備全体が大きくなり過ぎ、メンテナンス工数が増加するとともに、側壁面2aの強度も低下する。かかる観点から、内部観察用窓6の直径は500mm 以下程度とすることが好ましい。
【0024】
光学撮像装置4は、図1に示すように、スナウト2の内部のめっき浴の浴面30のできるだけ全域を観察することができる角度で配置される。この際、スナウト2の内部における浴面30から内部観察用窓6までの距離Lは4m以内であることが好ましい。距離Lが4mを超えるとスナウト2の内部に発生するヒュームによって視界が遮られてしまい、正確な観察を行うことが困難になるおそれがあるからである。かかる観点から、距離Lは2.7m以内であることがより望ましい。
【0025】
この内部観察用窓6は、図2に示すように、スナウト2の側壁面2aと内部観察用窓6との間に介在されたフード7の先端に形成された外向きフランジ部7bと、この外向きフランジ部7bに当接する外向きフランジ部材8とによって挟持されており、複数組のボルトおよびナット10が締結されることによって固定される。また、内部観察用窓6は、外向きフランジ部7bおよび外向きフランジ部材8との間に介在されたパッキン9によって、フード7との間の気密性が保たれている。
【0026】
図1〜図3では省略してあるが、本実施の形態では、このフード7に、その内部空間7aへ向けて気体を噴出させるための気体供給路が埋設されており、同じく図示しない気体供給系から気体供給路を介して内部空間7aへ気体を噴出することが可能である。これにより、内部観察用窓6の内面がスナウト2の内部のめっき金属のヒューム等によって汚れることを防止できる。内部空間7aに噴出させる気体としては、鋼板を酸化させないために不活性ガスを用いることが望ましい。これによって、内部空間7aを陽圧化でき、外気がスナウト2の内部に侵入することを防止することができる。また、フード7の周辺が簡便な構造となるため、メンテナンスを短時間で簡単に行うことができる。
【0027】
このように、この観察装置1では、内部観察用窓6はフード7の先端面に当接して設けられている。
さらに、光学撮像装置4は、スナウト2の外部に、スナウト2の内部を観察することができる向きで内部観察用窓6に接触することにより、光学撮像装置4の入光部を遮光された状態で設置される。すなわち、光学撮像装置4は、その入光部を構成するケーシング4aの先端面が、内部観察用窓6の表面に当接して、配置される。これにより、透過体である内部観察用窓6からの反射光を光学撮像装置4がとらえることに起因して視界が悪化することを、確実に防止できる。また、外部からのホコリや蒸気の付着による曇りの発生等も防止できるため、光学撮像装置4のメンテナンスフリー化も達成される。
【0028】
また、この光学撮像装置4は、冷却機構により包囲されて、配置される。すなわち、この光学撮像装置4の周囲には、冷却媒体給排管12を通して冷却水や冷却ガス等が供給および排出される冷却ジャケット11が設けられており、これにより、光学撮像装置4は適宜冷却される。なお、冷却に使用する冷却媒体は、液体であっても気体であっても構わない。
【0029】
冷却ジャケット11も含めた光学撮像装置4の直径はできるだけ小さいほうが望ましく、例えば50mm以下程度であることが好ましい。50mmより大きいと光学撮像装置4が遮る光源5の光が多くなり、視界に悪影響を及ぼす。さらに望ましい光学撮像装置4の直径は34mm以下であることが望ましい。
【0030】
本実施の形態における観察装置1の光学撮像装置4は、以上のように構成されている。
[光源5]
スナウト2は一般的に密封された空間であり、内部に光を照射しないとめっき液の浴面30の状態は観察することはできない。そこで、本実施の形態においても、光源5を配置することによって、スナウト2内のめっき浴面30を照射する。
【0031】
本実施の形態では、図2に示すように、光源5は複数の点光源5aからなり、光学撮像装置4よりもスナウト2から離れた位置、すなわち光学撮像装置4の後方に配置されている。
【0032】
さらに、本実施の形態では、図1に示すように、光源5は、その照射範囲14の中心が、光学撮像装置4の光軸、すなわち光学撮像装置4の撮影範囲15の中心に略一致するように、配置される。
【0033】
このように、本実施の形態では、光源5および光学撮像装置4それぞれの中心が略同一となるように、配置されるため、光学撮像装置4による観察範囲を、スナウト2の内部の観察位置と内部観察用窓6との間の距離を変更するように変更する場合、まず光源5の向きを変更して新たな観察位置を照射してから光学撮像装置4の向きをその照射光にあわせて変更するだけで、光学撮像装置4によりスナウト2内を観察することができる。
【0034】
これに対し、従来の装置によれば、光源5の向きを変更して新たな観察位置を照射してから光学撮像装置4の向きをその照射光にあわせようとする際に、光源5および光学撮像装置4それぞれの中心が一致していないため、光源5により照射されている新たな観察位置に光学撮像装置4の向きをあわせる作業を行わねばならないが、光学撮像装置4の向きの微調整を繰り返し行ってあわせ込むというかなり面倒な調整作業を行うこととなる。
【0035】
このため、本実施の形態によれば、光学撮像装置4による観察範囲を、スナウト2の内部の観察位置と内部観察用窓6との間の距離が変わるように変更する場合に不可避的に発生する調整作業を、大幅に簡素化して作業時間を著しく短縮化することができる。
【0036】
光源5および光学撮像装置4それぞれの軸を略同一とするためには、例えば、図2に示すように、接続部材16を用いて光学撮像装置4と光源5とを直接的に接続して固定してもよいし、あるいは光学撮像装置4と光源5とが配置される空間の筐体に別々に適宜手段によって固定するようにしてもよい。
【0037】
また、光源5および光学撮像装置4それぞれの軸を略同一として同一空間内に光学撮像装置4と光源5とを配置するためには、光源5および光学撮像装置4それぞれの空間的配置を工夫することが望ましい。すなわち、光学撮像装置4の背後に光源5を配置することに起因して光学撮像装置4により光源5からの光が遮蔽されないように、光源5を配置することが、望ましい。
【0038】
この光源5の大きさおよび照射する光量は、スナウト2の内部のめっき液浴面30を可視化できるようにするために十分な大きさおよび光量を確保する必要がある。光源5の面積が小さいと光学撮像装置4によって光が遮られてしまうので、光源5の面積はできるだけ広いほうがよい。
【0039】
本実施の形態では、複数の点光源からなる光源5を用いているが、このように光源5を直列に並べる場合は、その長さは少なくとも内部観察用窓6の直径よりも長い領域にわたって配置することが好ましい。これによって十分な光がめっき浴面30に照射される。
【0040】
また、光源5は、ハロゲンランプや蛍光灯等であればよく、特定種のものに限定する必要はない。また、光束は10klm 以上を確保することが好ましい。また、図2に示すように反射板13によってさらに光量を確保することも望ましい。
【0041】
光源5の位置は内部観察用窓6の大きさにもよるが、できるだけ、内部観察用窓6に近いほうがよく、内部観察用窓6からの距離で500mm 以下とすることが望ましい。同様の観点からこの距離は350mm 以下であることが望ましい。
【0042】
本実施の形態の観察装置1は、以上のように構成される。次に、この観察装置1を用いて、溶融めっき浴用スナウト2の内部を外部から観察する状況を説明する。
【0043】
図1において、鋼板20は、脱脂および洗浄された後、水素および窒素を主体とした連続焼鈍炉 (図示しない) により所定の温度に焼鈍されてから所定温度まで冷却され、スナウト2を介して溶融亜鉛めっき浴槽3に浸漬されることにより溶融亜鉛めっきが行われる。なお、図1における符合21、22は、それぞれ、鋼板20を搬送するために慣用されるガイドロール、シンクロールである。
【0044】
スナウト2には、スナウト2の内部における浴面30を浮遊する浮遊異物等を吸引するための吸引口23a を有するポンプ23が設置されており、このポンプ23によって浮遊異物等がスナウト2の外部に排出されている。
【0045】
なお、図示していないが、吸引口23a は慣用の機構によりその位置を、外部からの操作により変更可能に構成されている。
このようにして、鋼板20に溶融亜鉛めっきを行っている際に、観察装置1を用いてスナウト2の内部の観察を行いながら、ポンプ23の吸引口23a の位置を適宜変更することにより、溶融亜鉛めっき浴面30を浮遊する異物を排出する。
【0046】
これによれば、光学撮像装置4と光源5とを一の筒体の内部にともに配置するため、不可避的に筒体の取付け個数を低減できる。このため、筒体あるいは筒体の取付け部からの外気の侵入を防止でき、これにより、スナウト2内の雰囲気が汚染されることに起因した、めっき鋼板の品質の低下を抑制できる。また、少ない工事費用で、かつ短い工事期間で設置することができる。
【0047】
また、本実施の形態の観察装置1は、構造が簡素であって修理等の保全を短時間で行うことができるため、生産ラインの停止時間が低減でき、生産性を向上することもできる。
【0048】
また、上述したように、本実施の形態の観察装置1では、光源5と光学撮像装置4とを別々に設置するため、光源5の照射範囲の中心と光学撮像装置4の光軸調整とを簡単に行うことができ、その調整作業を短時間で行うことができる。
【0049】
また、本実施の形態の観察装置1では、光学撮像装置4の後方に配置した光源5を用いて照射しているが、光源5の長さを長く確保するとともに光学撮像装置4の外径を小さく設定したため、光学撮像装置4の影は発生せず、良好な視界を確保できる。
【0050】
また、本実施の形態の観察装置1は、特に囲いや仕切り板等を設けていないため、いつでも作業員によって、光源5の光軸調整や光学撮像装置4のピントおよび方向を自由に短時間で調整することができる。
【0051】
このように、本実施の形態の観察装置1によれば、設備コストの上昇を抑制し、シール性を確保し、メンテナンスを容易にしながら、めっき浴面30を正確に長時間観察することができる。
【0052】
このため、通板中の板形状不良やめっき浴面30に浮遊異物等が浮遊していても、これらを早期に発見でき、この観察を長期間連続して実施できる。このため、鋼板の形状不良やめっき浴面30の浮遊異物等の付着によるめっき不良およびめっき汚れ等を著しく低減することができる。さらに、光軸等の調整が必要な故障や不具合が生じた場合であっても、短時間でメンテナンスを行うことができるため、めっきラインの操業を阻害することもない。
【0053】
(第2の実施の形態)
次に、本発明にかかる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置の第2の実施の形態を説明する。なお、以降の説明では、上述した第1の実施の形態と相違する部分だけを説明することとし、共通する部分については同一の図中符合を付すことにより重複する説明を省略する。
【0054】
図4は、本実施の形態の観察装置1-1 において、内部観察用窓6と光学撮像装置4-1 および光源5との位置関係を示す側面図である。
上述した第1の実施の形態では、光学撮像装置4がCCD カメラからなる場合を例にとったが、本実施の形態は、光学撮像装置4-1 がCCD カメラ本体4aとともにこのCCD カメラ本体4aを覆う遮光防止筒17により構成される場合である。
【0055】
すなわち、遮光防止筒17は、その周囲に、CCD カメラの入光部と内部観察用窓6との間における乱反射を防止するためのものである。また、遮光防止筒17の外周面にはこの遮光防止筒17を冷却するための冷却体17a を設けられている。そして、CCD カメラ本体4aはこの遮光防止筒17および冷却体17a を貫通するカメラ固定ビス18により固定されている。遮光防止筒17の一端の開口部はカメラ冷却保護キャップ19により気密状態を維持して封止されている。
【0056】
本実施形態では、図4に示すように、CCD カメラ本体4aの先端は、内部観察用窓6の外面には当接しておらず、CCD カメラ本体4aは内部観察用窓6から所定の距離だけ離れて配置されている。さらに、遮光防止筒17の先端が内部観察用窓6の外面には当接しており、これにより、CCD カメラ本体4aの入光部は完全に遮光されている。
【0057】
このような本実施の形態の観察装置1-1 に基づいても、上述した第1の実施の形態と同様の作用効果を奏することができる。
【0058】
【実施例】
図1〜3に示す第1の実施の形態の観察装置1 (本発明例) と、観察窓越しの定期的な目視観察方法である装置 (従来例) とを用いて、溶融亜鉛めっきラインの溶融亜鉛めっき浴用スナウト2の内部におけるめっき浴面30を浮遊するアッシュやドロス等の状況、さらには通板される鋼板の状況や形状等を観察しながら、ポンプ23の吸引口23a の位置を適宜変更することにより、溶融亜鉛めっき浴面30を浮遊する異物を排出した。
【0059】
そして、7日間操業した際に得られた溶融亜鉛めっき鋼板の不良率を比較した。結果を図5にグラフで示す。
図5に示すグラフから、本発明例によれば、溶融亜鉛めっき鋼板の不良率を従来例の約1/3 に低減することができた。
【0060】
(変形形態)
以上、本発明の実施の形態および実施例を説明したが、本発明は、上記した形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない条件の変更等は全て本発明の範囲に含まれる。
【0061】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明により、設備コストの上昇を抑制し、シール性を確保し、メンテナンスを容易にしながら、めっき浴面を正確に長時間観察することができる溶融めっき浴用スナウト内部観察装置を提供することができた。
【0062】
このため、通板中の板形状不良やめっき浴面に浮遊異物等が浮遊していても、これらを早期に発見でき、この観察を長期間連続して実施できる。このため、鋼板の形状不良やめっき浴面の浮遊異物等の付着によるめっき不良およびめっき汚れ等を著しく低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の溶融亜鉛めっき浴用スナウト内部観察装置の全体構成を示す説明図である。
【図2】スナウトの壁面の一部を構成する側壁面に設けられた内部観察用窓と、光学撮像装置および光源との位置関係を示す側面図である。
【図3】スナウトの側壁面の側から観察装置の方向を見た場合の正面図である。
【図4】第2の実施の形態の観察装置において、内部観察用窓と光学撮像装置および光源との位置関係を示す側面図である。
【図5】実施例の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 スナウト内部観察装置
2 スナウト
2a 壁面
4 光学撮像装置
5 光源
6 内部観察用窓

Claims (6)

  1. 溶融めっき浴用スナウトの内部を外部から観察するための溶融めっき浴用スナウト内部観察装置であって、
    前記溶融めっき浴用スナウトの内部を撮像する光学撮像装置と、
    その光軸が該光学撮像装置の光軸に略一致するように、前記溶融めっき浴用スナウトから離れた側の該光学撮像装置の背面側に固定されて、該光学撮像装置と連動しながら前記溶融めっき浴用スナウトの内部を照射する光源とを備えること
    を特徴とする溶融めっき浴用スナウト内部観察装置。
  2. 前記光学撮像装置は、前記溶融めっき浴用スナウトの壁面に設けられた内部観察用窓を介して、該溶融めっき浴用スナウトの内部を撮像する請求項1に記載された溶融めっき浴用スナウト内部観察装置。
  3. 前記光学撮像装置は、その入光部と前記内部観察用窓との間が遮光されて、配置される請求項2に記載された溶融めっき浴用スナウト内部観察装置。
  4. 前記光学撮像装置は、その入光部を構成するケーシングの先端面が前記内部観察用窓の表面に当接して、配置される請求項2に記載された溶融めっき浴用スナウト内部観察装置。
  5. 前記光源は、前記内部観察用窓の寸法よりも長い領域にわたって直列に配置された複数の光源である請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載された溶融めっき浴用スナウト内部観察装置。
  6. 前記光学撮像装置は、冷却機構により包囲されて、配置される請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載された溶融めっき浴用スナウト内部観察装置。
JP2002094875A 2002-03-29 2002-03-29 溶融めっき浴用スナウト内部観察装置 Expired - Fee Related JP3741070B2 (ja)

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