JP3741046B2 - 光学式エンコーダ用スケールの製造方法 - Google Patents

光学式エンコーダ用スケールの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直線運動や回転運動する物体の位置を検出する光学式エンコーダ、特に半導体検査装置や製造装置、あるいは工作機械などに用いられる高精度な位置決め又は速度制御を可能とする光学式エンコーダに用いられるスケール製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学式エンコーダは、高精度の計測制御を高速に実行でき、高分解能、非接触という特徴から、測長等の計測機器用途の他、いわゆる計測制御用途として、例えば、プリント回路基板に電子部品を載せるための電子部品実装装置等のような搬送物の高精度の位置決め制御等に広く用いられている。
【0003】
この光学式エンコーダは、近年の高精度化の要求から、リニアエンコーダ、ロータリーエンコーダ共に高分解能化が検討されており、従来の光シャッタ方式に代わって、格子干渉方式などが広く用いられている。また、高分解能を実現する方法として、発光部として拡散光源とスリット状の格子を組み合わせ、この格子間からの複数のスリット状の光をスケール上に照射し、格子によって生じる回折光の明暗パターンによって得られる干渉縞を一種の空間フィルタで選択して受光部で検出してsin波の信号を取出し、この干渉縞の移動量から移動位置または角度を検出する光学式エンコーダが知られている。
【0004】
また、従来主流であった透過スリット型に代わり、反射型の光学式エンコーダも普及している。反射型は、光源、センサ、回路等が組み込まれたセンサヘッド部と、スケールあるいはディスクが別体となっており、ユーザ側で直接被検査体に取付けることが可能であるという利点がある。また、反射光の強弱を利用するため、スケールやディスクが透明部材である必要がないという特徴を有している。
【0005】
図18〜23には、このような従来の反射型の光学式エンコーダに用いられるスケールの一例が示されている。ここで、図18は従来の光学式エンコーダの構成を示す概略図、図19は同光学式エンコーダに用いるスケールを示す概略図、図20は図19におけるF−F’断面図、図21は同スケールの製造方法におけるガラス基板を示す斜視図、図22は同スケールの製造方法におけるガラスエッチング工程後の状態を示す斜視図、図23は図22におけるG−G’断面の拡大図、図24は同スケールの製造方法における反射膜形成工程後の状態を示す斜視図である。
【0006】
図18に示すように、この光学式エンコーダ100は、矢印の方向に相対移動可能なスケール80と、このスケール80に対向して配置され、第1格子目盛91によって形成されたスリット状の複数の発光領域をもつ発光部90と、同じくスケール80に対向して発光部90と同一平面上に配置され、第2格子目盛96によって形成されたスリット状の複数の受光領域をもつ受光部95より構成されており、この実施形態では第2格子目盛96は4分割されて設けられている。
【0007】
この光学式エンコーダ100によれば、例えば発光ダーオード等の発光素子から出た光は、発光部90の周期pの第1格子目盛91によってスリット状の拡散光源となりスケール80に広がりながら向う。そして、スケール80上に形成された周期pの反射型の格子目盛である凹凸格子83で反射された後に、この反射面による±1次回折光によって周期pの干渉縞Lが発生する。そして、スケール80が矢印の方向に移動すると、スケール80から発生した干渉縞Lは、受光部95の受光面となる周期pの第2格子目盛96上においてスケール80の移動に伴ない変位するので、受光素子からの光電流信号の変位情報から、位置情報を得ることができる。
【0008】
ここで、スケール80は、図19に示すように、ガラス基板上に一定の周期pで、移動方向に対して直交する線状の凹凸部を有し、この凹凸部の表面には薄い反射膜82が設けられて凹凸格子83が形成され、これによって、凹凸格子83の凸部及び凹部が共に反射面となっている。
【0009】
図21〜図24には、このスケール80の従来の製造方法が示されている。まず、図21に示すようなガラス基板81の表面に、図22、23に示すように、フォトレジスト等を用いて直接エッチングして、一定の周期pで、垂直方向に深さdとなるように線状の凹凸部82を形成する。このとき、凹凸部82の深さdが、発光部90の光源の波長の1/4となるようにエッチングを行う。ここで、ガラス基板81の材料は、不純物が非常に少ない溶融石英ガラスである。
【0010】
そして、図24に示すように、エッチングによって凹凸部82が形成されたガラス基板81の表面上に、一定の厚みで反射膜83を蒸着又は塗布等によって形成する。
【0011】
このようにして得られたスケール80は、図19、20に示されるように、表面が平滑なガラス基板81表面上に、一定の周期pで、垂直方向に深さdとなるように凹凸が設けられ、dは発光部90の光源の波長の1/4となるように形成されている。さらに、この凹凸表面には、均一な厚みd’で反射膜83が積層されて凸部85及び凹部86が形成され、これが凹凸格子84を構成している。これにより、凸部85及び凹部86は共に反射面となるように構成されている。
【0012】
この結果、このスケール80においては、凹凸の反射面で反射された回折光が互いに干渉し合い、受光部95の表面において周期Pとなる干渉縞を生じる。この干渉縞の周期は、スケール80と発光部90及び受光部95との間隔によらず一定となる。これによって、光学式エンコーダ100の分解能が向上するとともに、スケール80と、発光部90及び受光部95との対向距離を広げ、調整精度を緩和することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の光学式エンコーダ用のスケール80を用いた場合には、、ガラス基板81の表面をエッチングして凹凸部82を形成する必要があり、この凹凸部82を精度良くエッチングするために、ガラス基板81の材料として不純物が少ない、例えば溶融石英ガラスを使用することが必要となる。しかし、この溶融石英ガラスは通常のソーダライムガラスに比べて高価であるため、スケールの材料コストが高くなるという問題を生じていた。
【0014】
また、ガラス表面を均一な深さでエッチング処理することは一般に手間がかかるため、ガラス基板81の表面を直接エッチングして凹凸を形成する工程は、生産性が悪いという問題点もある。
【0015】
したがって、本発明の目的は、平滑な基板上に凹凸表面に反射膜を形成した凹凸格子と、周期的に反射と非反射を繰り返す明暗格子とを、同一の基板上に有したスケールを、従来のスケールと同じ精度を保ちながら、従来より低コストで製造できる光学式エンコーダ用スケール製造方法を提供することにある。
【0016
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の光学式エンコーダ用スケールの製造方法は、受光素子と発光素子とを有するセンサ部と、スケールとを有し、前記センサ部に設けた発光部から照射される光を前記スケールで反射して、前記受光部によって受光することにより、センサ部が取付けられた部材と、スケールが取付けられた部材との相対位置を検出する光学式エンコーダに用いられる前記スケールの製造方法において、表面が平滑な基板上に、第1薄膜層を均一な厚みで形成する第1薄膜層形成工程と、前記第1薄膜層に複数のスリットを所定の周期で平行に形成するスリット形成工程と、前記第1薄膜層及び前記基板の露出した表面上に、光反射性の第2薄膜層を均一な厚みで形成する第2薄膜層形成工程とを含み、前記第1薄膜層に前記スリットを形成する際に、該スリットを基板上の複数の領域に形成し、前記第2薄膜層は、前記第1薄膜層の所定の領域にのみ積層することにより、前記第1薄膜層上に前記第2薄膜層が積層されてなる凸部と、前記基板が露出した表面に前記第2薄膜層が直接積層されて形成された凹部とによって構成される凹凸格子と、前記第1薄膜層に前記スリットを形成して構成される明暗格子とを設けることを特徴とする。
【0017
この製造方法によれば、基板をエッチングする工程を要せず、平滑な基板上に凹凸表面に反射膜を形成した凹凸格子と、周期的に反射と非反射を繰り返す明暗格子とを、同一の基板上に同時に形成することができるので、基板として不純物の少ない溶融石英ガラスを用いる必要がない。このため、低コストなスケールを製造できる。また、第1薄膜層の膜厚が凹凸の深さを規定するので、膜厚の調整によって容易に凹凸の深さを制御することができる。
【0018
更に、本発明の製造方法においては、前記第1薄膜層及び前記第2薄膜層を蒸着によって形成することが好ましい。この製造方法によれば、膜厚の制御が容易で精度が高く、しかも生産性に優れたスケールを製造することができる。
【0019
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0020
図1、2には本発明ではない参考例の光学式エンコーダ用スケールの一実施形態が、図3〜6には本発明ではない参考例の光学式エンコーダ用スケールの製造方法の一例が示されている。ここで、図1は本発明ではない参考例の光学式エンコーダ用スケールを示す概略図、図2は図1におけるA−A’断面の拡大図、図3は同スケールの製造方法におけるガラス基板を示す斜視図、図4は同スケールの製造方法における第1薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図、図5は同スケールの製造方法におけるスリット形成工程後の状態を示す斜視図、図6は同スケールの製造方法における第2薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図である。
【0021
本発明ではない参考例の光学式エンコーダ用スケールの製造方法について説明すると、図3〜6に示すように、このスケール50は、表面が平滑な基板10上に、第1薄膜層20を均一な厚みで形成する第1薄膜層形成工程と、第1薄膜層20に複数のスリット25を所定の周期で平行に形成するスリット形成工程と、第1薄膜層20及び前記基板10の露出した表面上に、光反射性の第2薄膜層40を均一な厚みで形成する第2薄膜層形成工程とからなる。
【0022
第1薄膜層形成工程においては、図3に示すように、まず基板10を用意する。ここで、基板10の材質としては特に限定されないが、安定性、表面平滑性、耐エッチング性等の点からガラス基板を用いることが好ましい基板10の表面自身に凹凸を設ける必要がないため、不純物の少ない溶融石英などの高価なガラスである必要はなく、一般的なソーダライムなどの低コストガラスを適用することが可能である。なお、基板10は、表面が平滑であることが必要であるが、例えば表面粗さは、前記凹凸形状に比べて十分小さいことが必要であり、好ましくはRa10nm以下である。
【0023
次に、図4に示すように、この基板10の表面上に、第1薄膜層20を均一な膜厚dで形成する。ここで、膜厚dは、拡散光源の1/4波長とすることが好ましい。第1薄膜層20の材質は、特に限定されないが、金属膜であることが好ましい。金属の種類としては、例えば、アルミニウムやクロムが例示できる。
【0024
第1薄膜層20の形成方法としては、従来公知の方法が使用でき、蒸着、スパッタリング、塗布等が可能であり特に限定されないが、膜厚制御の容易性や生産性の点から、蒸着により形成することが好ましい。
【0025
次に、スリット形成工程として、図5に示すように、基板10上に形成された第1薄膜層20を、従来公知のフォトレジスト等を用いたエッチング等によって一部除去し、複数のスリット25を一定の周期pで平行に形成する。これによって、スリット25の凹部には基板10が露出した状態となる。
【0026
スリット25を形成する手段としては特に限定されず、フォトリソグラフィ等のウエットプロセスでもよく、反応性イオンエッチング(RIE)等のドライプロセスでもよい。
【0027
また、スリットの幅は周期p以下であれば特に限定されないが、好ましくは2〜10μmである。
【0028
最後に、第2薄膜層形成工程として、図6に示すように、複数のスリット25を含む範囲を覆うように、第2薄膜層40を均一な膜厚d’で積層し、凹凸格子30を形成する。第2薄膜層40としては、反射膜として作用できればよく特に限定されないが、金属膜であることが好ましい。金属の種類としては、例えば、アルミニウムやクロムを使用することができるが、安定性の点からクロムがより好ましい。また、第2薄膜層40は第1薄膜層20と同じ材料でもよく、異なる材料の膜であってもよい。
【0029
第2薄膜層40は、図6に示すように、スリット25を含む領域のみに部分的に積層されていてもよく、基板10全体を覆うように積層されていてもよい。
【0030
第2薄膜層40の形成方法としては、第1薄膜層形成工程と同様の方法が使用でき、蒸着、スパッタリング、塗布等が可能であり特に限定されないが、膜厚制御の容易性や生産性の点から、蒸着により形成することが好ましい。
【0031
また、第2薄膜層40の膜厚d’は、100nm程度が好ましい。膜厚が厚すぎると、下地の凹凸形状が転写されず、表面が変形する。膜厚が薄すぎると反射率が低下するので好ましくない。
【0032
このようにして製造されたスケール50は、図1、2に示すように、基板10表面上に第1薄膜層20が膜厚dで形成され、この第1薄膜層20上及び基板10が露出した表面に、光反射性の第2薄膜層40が膜厚d’で積層されており、結果として、第1薄膜層20上に第2薄膜層が積層されてなる凸部31と、前記基板が露出した表面に前記第2薄膜が直接積層されて形成された凹部32とによって、凹部の深さがdである凹凸格子30が構成されている。
【0033
図7〜17には、本発明の光学式エンコーダ用スケール実施形態が示されている。
【0034
ここで、図7は本発明光学式エンコーダ用スケールを示す概略図、図8は図7におけるB−B’断面の拡大図、図9は図7におけるC−C’断面の拡大図、図10は図7におけるD−D’断面の拡大図、図11は図7におけるE−E’断面の拡大図、図12は同スケールの製造方法における基板を示す斜視図、図13は同スケールの製造方法における第1薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図、図14は同スケールの製造方法におけるスリット形成工程後の状態を示す斜視図、図15は図14のスケール形成工程後のスケール上に明暗格子部用マスクを被せる工程を示す分解斜視図、図16は図14のスケール形成工程後のスケール上に明暗格子部用マスクを被せた状態を示す斜視図、図17は同スケールの製造方法における第2薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図である。
【0035
本発明の光学式エンコーダ用スケールは、図7に示すように、上記の第1実施形態の凹凸格子に加えて、基板上に第1薄膜層だけが形成されていて、この第1薄膜層に線状のスリットが所定の周期で平行に形成されて構成された明暗格子が、同一の基板上に設けられている点が上記参考例と異なっている。
【0036
なお、以下の説明においては、上記の図1〜6における参考例と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略することにする。
【0037
このスケール70の製造方法について、図12〜17に従って説明すると、まず、上記の実施形態と同様に、第1薄膜層形成工程においては、図12、13に示すように、まず基板10の表面上に、第1薄膜層20を蒸着又は塗布等によって、均一な膜厚dで形成する。ここで、基板10としては上記参考例と同じものを用いることができ、第1薄膜層20の形成についても上記参考例と同じ方法を使用することができる。
【0038
次に、スリット形成工程においては、図14に示すように、第1薄膜層20にエッチング等によってスリットを形成する際に、該スリットを基板上の複数の領域に形成する。この実施形態では、スリットが2つの領域に形成され、スリット25が周期pで、スリット60’が周期p’で、それぞれ異なる周期で形成されている。なお、各スリットを形成する方法については、上記参考例と同様の方法を使用できる。
【0039
ここで、スリットを形成する複数の領域とは、この実施形態のように2つの領域でもよく、3つ以上の領域に分割されていてもよく特に限定されない。また、各領域におけるスリットは、それぞれ異なる周期や幅であってもよく、同一の周期や幅とすることも可能であり、スケールの目的によって適宜選択可能である。
【0040
次に、第2薄膜層形成工程の前準備として、図15、16に示すように、一方のスリット領域、この実施形態においてはスリット60’の領域上を、明暗格子部用マスク65で覆う。これによって、後述の第2薄膜層形成工程において、第2薄膜層が形成されるのが防止される。明暗格子部用マスク65としては特に限定されず、通常のガラス板等を用いることができる。
【0041
最後に、第2薄膜層形成工程として、第2薄膜層40を基板10の全面に渡って参考例と同じ方法で形成した後、明暗格子部用マスク65を取除く。
【0042
その結果、図17に示すように、スリット25の領域上には第2薄膜層40が積層され、第1実施形態と同様の凹凸格子(ホログラムトラック)35が形成される。一方、明暗格子部用マスク65でマスクされた領域には、スリット60’がそのまま残り、これがそのまま明暗格子(明暗格子トラック)60となる。このようにして、参考例と同様の構造である凹凸格子35と、明暗格子60を同一の基板10上に形成することができる。
【0043
すなわち、このスケール70は、図7〜11に示すように、第1薄膜層20上に第2薄膜層40が積層されてなる凸部31と、基板10が露出した表面に第2薄膜層40が直接積層されて形成された凹部32とによって構成される凹凸格子35と、基板10が露出した表面に第1薄膜層20が直接積層されて形成された凸部61と、基板10が露出した表面62とによって構成されている明暗格子60とによって構成されている。
【0044
このように、凹凸表面に反射膜を形成した凹凸格子と、周期的に反射と非反射を繰り返す明暗格子とを、同一の基板上に形成したスケール70は、例えば、M系列スリット列、第1内挿倍スリット列、第2内挿倍スリット列からなる検出用トラックを介して、発光部から照射される光を受光部で検出する、絶対値位置を検出する光学式エンコーダに適用されるスケールであって、M系列スリット列、第1内挿倍スリット列を明暗格子(明暗格子トラック)60とし、第2内挿倍スリット列を凹凸格子(ホログラムトラック)35としたスケールとして好適に使用できる。この場合、上記のスリット形成工程において、領域を3列に分けて形成し、1列を凹凸格子とし、他の2列を明暗格子とすればよい。
【0045
なお、以上の本発明のスケールを組み込んだ光学式エンコーダは、リニアエンコーダのみならず、例えば回転角を検出するロータリーエンコーダにも適用可能である。この場合、回転角を検出すべきモータの回転軸、又はそれと共に回転する部材の周面にスケールを直接加工し、その外側にセンサ部を配置すれば、移動部にスケールを、固定部にセンサ部を設けたロータリーエンコーダとすることができる。
【0046
また、本発明のスケールを組み込んだ光学式エンコーダは、計測機器、半導体検査装置や製造装置、あるいは工作機械などの高精度の位置決め制御が必要な装置等に組み込んで好適に使用される。この場合、位置検出すべき一方の部材である、例えば移動部側に本発明のスケールを取付け、この一方の部材に対して相対移動する他方の部材である、例えば固定部側にセンサ部を取付けることにより、移動部が直線運動や回転運動する際の固定部に対する相対位置を高精度に検出することが可能となる。なお、移動部にスケールを、固定部にセンサ部を設けてもよく、逆に固定部にスケールを、移動部にセンサ部を設けてもよい。
【0047
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、平滑な基板上に凹凸表面に反射膜を形成した凹凸格子と、周期的に反射と非反射を繰り返す明暗格子とを、同一の基板上に有したスケー ルを、従来のスケールと同じ精度を保ちながら、従来より低コストで製造できる光学式エンコーダ用スケール製造方法を提供できる。したがって、この光学式エンコーダ用スケールは、例えば、計測器や、高精度の位置決め制御が必要な装置等の他、特に半導体検査装置、製造装置や工作機械などに好適に使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明ではない参考例の光学式エンコーダ用スケールを示す概略図である。
【図2】 図1におけるA−A’断面の拡大図である。
【図3】 同スケールの製造方法におけるガラス基板を示す斜視図である。
【図4】 同スケールの製造方法における第1薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図である。
【図5】 同スケールの製造方法におけるスリット形成工程後の状態を示す斜視図である。
【図6】 同スケールの製造方法における第2薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図である。
【図7】 本発明光学式エンコーダ用スケールを示す概略図である。
【図8】 図7におけるB−B’断面の拡大図である。
【図9】 図7におけるC−C’断面の拡大図である。
【図10】 図7におけるD−D’断面の拡大図である。
【図11】 図7におけるE−E’断面の拡大図である。
【図12】 同スケールの製造方法におけるガラス基板を示す斜視図である。
【図13】 同スケールの製造方法における第1薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図である。
【図14】 同スケールの製造方法におけるスリット形成工程後の状態を示す斜視図である。
【図15】 図14のスリット形成工程後のスケール上に明暗格子部用マスクを被せる状態を示す分解斜視図である。
【図16】 図14のスリット形成工程後のスケール上に明暗格子部用マスクを被せた状態を示す斜視図である。
【図17】 同スケールの製造方法における第2薄膜層形成工程後の状態を示す斜視図である。
【図18】 従来の光学式エンコーダの構成を示す概略図である。
【図19】 同光学式エンコーダ用スケールを示す概略図である。
【図20】 図19におけるF−F’断面の拡大図である。
【図21】 同スケールの製造方法におけるガラス基板を示す斜視図である。
【図22】 同スケールの製造方法におけるガラスエッチング工程後の状態を示す斜視図である。
【図23】 図22におけるG−G’断面の拡大図である。
【図24】 同スケールの製造方法における反射膜形成工程後の状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
10:基板
20:第1薄膜層
25:スリット
30:凹凸格子
31:凸部
32:凹部
35:凹凸格子(ホログラムトラック)
40:第2薄膜層
50、70:スケール
60:明暗格子(明暗格子トラック)
61:凸部
62:凹部
90:発光部
95:受光部
100:光学式エンコーダ
L:干渉縞
p、p’:周期
d、d’:深さ

Claims (2)

  1. 受光素子と発光素子とを有するセンサ部と、スケールとを有し、前記センサ部に設けた発光部から照射される光を前記スケールで反射して、前記受光部によって受光することにより、センサ部が取付けられた部材と、スケールが取付けられた部材との相対位置を検出する光学式エンコーダに用いられる前記スケールの製造方法において、表面が平滑な基板上に、第1薄膜層を均一な厚みで形成する第1薄膜層形成工程と、前記第1薄膜層に複数のスリットを所定の周期で平行に形成するスリット形成工程と、前記第1薄膜層及び前記基板の露出した表面上に、光反射性の第2薄膜層を均一な厚みで形成する第2薄膜層形成工程とを含み、前記第1薄膜層に前記スリットを形成する際に、該スリットを基板上の複数の領域に形成し、前記第2薄膜層は、前記第1薄膜層の所定の領域にのみ積層することにより、前記第1薄膜層上に前記第2薄膜層が積層されてなる凸部と、前記基板が露出した表面に前記第2薄膜層が直接積層されて形成された凹部とによって構成される凹凸格子と、前記第1薄膜層に前記スリットを形成して構成される明暗格子とを設けることを特徴とする光学式エンコーダ用スケールの製造方法。
  2. 前記第1薄膜層及び前記第2薄膜層を蒸着によって形成する請求項1に記載の光学式エンコーダ用スケールの製造方法。
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