JP3740317B2 - 自動分析装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生化学検査,免疫血清学的検査などに用いる自動分析装置に係り、特に、ラックを用いて検体を搬送する方式に用いる好適な自動分析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
搬送用ラックを用いた自動分析装置では、オペレータが測定依頼順や測定登録順に投入した試料を載置したラックは、順次、分析装置に搬送され、所定の分析項目についての分析が行われる。
【0003】
近年の自動分析装置では、自動再検機能等の発達によって、測定終了した試料を自動で再度投入側に戻して再測定が行なわれるものもある。また、例えば、特開平9−281113号公報に記載されているように、最新のモジュールアッセンブリ方式の分析ユニットが2つ以上ある装置では、処理効率の向上のため、試料サンプリング用のメイン搬送ラインと、分析ユニット1側でサンプリング中のラックを追越して分析ユニット2側に搬送する追い越し搬送ラインと、再検試料を戻す再検ラインと3重の搬送ラインを有するものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このように、自動再検機能を有する自動分析装置や、分析ユニットが2つ以上ある自動分析装置では、収納されたラックの順番は、ランダムに入れ換わるため、投入したラックの順番と収納されたラックの順番は、ほとんど一致しなくなってきている。
【0005】
一方、報告時間の短縮が要求されている緊急検体試料等は、分析終了後、通常の検体試料とは別にする必要があるため、収納されたラックから抽出しておく必要があるが、上述したように、投入したラックの順番と収納されたラックの順番が一致していないと、目的とする緊急検体試料等を抽出するのが困難であるという問題があった。
【0006】
本発明の目的は、検体試料の抽出作業の効率を向上した自動分析装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、試料を収容した試料容器がセットされたラックを、ラック投入部からラック収納部まで搬送する搬送ラインと、この搬送ラインに沿って、上記ラック投入部とラック収納部の間に配置された分析部とを有する自動分析装置において、上記搬送ラインの収納側に配置され、搬送されるラックのラック番号を読み取る収納側ラック番号読み取り部と、上記ラックを一時的に収納する複数の収納トレーと、上記搬送ラインを介して搬送されてきたラックを複数の上記収納トレーに導くラック振分部と、上記収納側ラック番号読み取り部によって読み取られたラック番号に基づいて、隣り合ったシーケンス番号のラックを上記複数の収納トレーにかたまって入るように振り分けるように上記ラック振分部を制御する制御部を備えるようにしたものである。
かかる構成により、ラック収納部には、ラックが投入された順番に収納されるため、検体試料の抽出作業の効率を向上し得るものとなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図3を用いて、本発明の第1の実施形態による自動分析装置の構成及び動作について説明する。
最初に、図1を用いて、本実施形態による自動分析装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置の構成を示す平面図である。
【0011】
本実施形態による自動分析装置は、ラック投入部10と、2つの分析部20,25と、再検バッファ30と、ラック収納部40と、メイン搬送ライン50,再検用ライン52,循環ライン54の3つの搬送ラインを備えている。
【0012】
検体試料の収容された試料容器SCは、ラックLに載置されて、ラック投入部10にセットされる。各試料の分析項目を入力し、登録し、スタートキーを押すと、機構部のリセットに引き続き、ラックの搬送を開始する。ラック投入部10にセットされたラックLは、メイン搬送ライン50によって搬送される途中で、投入側のラック番号読み取り器60によって、ラック番号が読み取られる。また、ラック番号読み取り器60は、ラック番号に代えて、試料IDを読み取るものであってもよい。読み取られたラック番号は、メモリ72に記憶される。メモリ72は、ラック番号読み取り器60によって読み取られたラック番号を順次記憶するものであり、ラック番号読み取り器60を通過したラックLの順番が記憶されることになる。また、読み取られたラック番号によって、予め登録されている分析項目に応じて、分析部20,25に搬送される。各分析部20,25では、サンプリング位置において、位置決めされる。そして、ラックLの試料容器SCから検体試料が分取され、設定量だけ吐出され、分析部20,25の分析項目に応じた分析が行われる。なお、分析部20,25は、2台備えられているものとしているが、この台数は1台でもよく、また、3台以上でもよいものである。
【0013】
メイン搬送ライン50上でのラック搬送は、試料ごとの分析項目に対応したランダム動作を行い、例えば、分析部20で測定する必要がないラックLは、分析部20で測定している先行のラックを追越して、分析部25に搬送される。
【0014】
自動再検モードにシステム設定されている場合には、分析結果があらかじめ設定された異常値範囲を超えた試料に対して再測定を行なう。このため、サンプリングを終了したラックLは、一旦、分析結果が得られるまでは再検バッファー30で待機する。再検を必要とする場合には、再検用ライン52を利用して元の位置に戻された後、再び、メイン搬送ライン50によって、分析部20,25のサンプリング位置に搬送され、サンプリングされる。
【0015】
分析部20,25での分析や再検が終了したラックLは、収納側のラック番号読み取り器62によってラック番号が読み取られる。そして、制御部70を用いて、投入された順番に、ラック収納部30にラックが収納されるように制御する。制御部70の制御の詳細については、図2を用いて後述するが、簡単に説明すると、制御部70は、収納側のラック番号読み取り器62によって読み取られたラック番号を、投入側のラック番号読み取り器60で読み取られ、メモリ72に記憶されているラックの投入順番と比較して、収納すべきラックLは、ラック収納部40に搬送して収納し、収納順番が来ていないラックLは、循環ライン54を用いて、投入側に循環するようにしている。
【0016】
以上のようにして、投入順番をチェックしながら、投入順番に一致したラックを順次ラック収納部30に収納するようにしているため、ラック収納部30には、ラックの投入順番通りにラックが整列しており、この中から緊急検体等容易に抽出することができる。従来の装置では、ラック収納部に収納されるラックは、追い越し搬送や再検処理のため、ラックの投入順とは異なっているため、検体の抽出作業の効率が低下していたが、本実施形態では、抽出作業の効率を向上することができる。
【0017】
次に、図2を用いて、本実施形態による自動分析装置における制御部70の処理内容について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置における制御部の処理内容を示すフローチャートである。
【0018】
装置のスタートキーを押すとリセット動作が開始され、ステップS100において、制御部70は、メイン搬送ライン50を通過するラックLのシーケンス番号FS.No.の初期値に「0」を設定し、ラック収納部40に収納するラックLのシーケンス番号BS.No.の初期値に「1」を設定する。
ステップS102において、分析が開始され、ラックLの搬送が開始される。ラックLの搬入が始まると、ステップS104において、ラックLが1つ搬入されるごとに、シーケンス番号FS.No.に、「1」が加えられる。
【0019】
次に、ステップS106において、投入側ラック番号読み取り器60によって、通過したラックLのラック番号(あるいは試料ID)を読み取る。
次に、ステップS108において、制御部70は、再検識別番号が無いか有るかを判別する。再検識別番号については、後述するが、再検が必要なものについては再検識別番号を付加するようにしており、再検識別番号が付加されたラックが再び投入側ラック番号読み取り器60でラック番号を読み取られたときは、再びシーケンス番号を付与しないようにするためである。再検識別番号が有る場合には、ステップS112にジャンプし、再検識別番号が無い場合には、ステップS110に進む。
再検識別番号が無い場合には、ステップS110において、制御部70は、投入側ラック番号読み取り器60で読み取られたラック番号と、シーケンス番号をFS.No.を、1対1に対応させて、メモリ72に記憶する。
【0020】
ここで、図3を用いて、本実施形態による自動分析装置におけるメモリ72の記憶内容について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による自動分析装置におけるメモリの記憶内容の説明図である。
【0021】
メモリ72の内部は、シーケンス番号FS.No.と、ラック番号と、再検識別番号とから構成されるテーブル形式である。図示するように、例えば、最初に、投入側ラック番号読み取り器60によって読み取られたラック番号が、「22」であるとすると、そのシーケンス番号は「1」が与えられる。即ち、ラック番号が「22」のラックのシーケンス番号が、「1」となる。以下、投入側ラック番号読み取り器60を通過したラックの順番,例えば、図3に示す例では、ラック番号「22」に続いて、「31」,「54」,「23」と通過したとすると、それぞれに連続するシーケンス番号「1」,「2」,「3」,「4」が付与される。再検識別番号は、「1」が再検識別番号無しを示し、「2」が再検識別番号有りを示している。
【0022】
次に、ステップS112において、分析部20,25において、検体の分析が行われる。
次に、ステップS114において、制御部70は、再検識別番号が無いか有るかを判別する。再検識別番号が有る場合には、ステップS126にジャンプし、再検識別番号が無い場合には、ステップS116に進む。
再検識別番号が無い場合,例えば、シーケンス番号「1」で、ラック番号「22」のラックは、ステップS116において、再検バッファ30に収納される。
【0023】
次に、ステップS118において、制御部70は、分析部20,25による分析結果を確認する。
そして、ステップS120において、制御部70は、ステップS118によって確認された分析結果に基づいて、再検が不要か否かを判断する。再検が不要な場合には、ステップS126に進み、再検が必要な場合には、ステップS122に進む。
【0024】
再検が必要な場合には、ステップS122において、制御部70は、図3に示したメモリ72の内容に、再検識別番号を付加する。例えば、図3に示す例において、シーケンス番号「2」で、ラック番号「31」のラックの検体は再検が必要であったため、再検識別番号を「2」として、再検識別番号が付加されたことを示している。
そして、ステップS124において、制御部70は、再検が必要なラックを、再検バッファ30から再検ライン52に搬送する。
【0025】
再検ライン52によって、再検の必要なラックは、投入側に戻されるので、再び、ステップS106以降の処理が繰り返される。即ち、ステップS106で投入側ラック番号読み取り器60によって、ラック番号が読み取られる。そして、ステップS108における判断では、ラック番号「22」のラックには、再検識別番号「2」が付与されているため、ステップS110をジャンプすることにより、一度シーケンス番号が付与されたラックが再検のため、投入側ラック番号読み取り器によってラック番号が読み取られたときは、再び、シーケンス番号を取らないようにしている。そして、ステップS110において、分析,即ち、再検が行われる。さらに、次のステップS114の判断では、再検識別番号が付与されているため、ステップS126にジャンプする。
【0026】
次に、ステップS126において、制御部70は、収納側ラック番号読み取り器62を用いてラック番号を読み取り、メモリ72からそのラック番号に付加されたシーケンス番号FS.No.を読み出す。
次に、ステップS128において、制御部70は、読み出されたシーケンス番号FS.No.と、ラック収納部40に収納するラックLのシーケンス番号BS.No.を比較する。比較の結果、両者が一致すると、ステップS132に進み、一致しない場合には、ステップS130に進む。例えば、ラック番号「22」のラック,ラック番号「31」のラックの順番にラックが搬送されてきた場合、ラック番号「22」のシーケンス番号「1」と、収納するラックLのシーケンス番号BS.No.のデフォルト値「1」が一致すれば、ステップS132に進む。また、ラック番号「22」のラックとラック番号「31」のラックの順番が入れ替わったとすると、ラック番号「31」のラックのシーケンス番号は「2」であり、このとき、収納するラックLのシーケンス番号BS.No.のデフォルト値「1」とは一致しないため、ステップS130に進むことになる。
【0027】
そして、両者が一致しない場合には、ステップS130において、制御部70は、そのラックを循環ライン54に搬送する。
また、両者が一致すると、ステップS132において、制御部70は、そのラックをラック収納部40に収納する。
【0028】
次に、ステップS134において、制御部70は、収納するラックLのシーケンス番号BS.No.に1を加える。
さらに、ステップS136において、分析を終了する。
【0029】
即ち、収納するラックLのシーケンス番号BS.No.は、デフォルト値が「1」であり、このデフォルト値に一致するラック(図3の例では、ラック番号「22」)のラックが収納側ラック番号読み取り器62によって読み取られると、ラック収納部40に収納し、そうでないラックは、循環ライン54によって周回する。また、このとき、収納するラックLのシーケンス番号BS.No.は、「2」になっているため、次に、シーケンス番号「2」を有しているラック番号「31」のラックが、収納側ラック番号読み取り器62で読み取られると、ラック収納部40に収納される。
【0030】
以上のようにして、投入側ラック番号読み取り器60で読み取られたラック番号の順に、ラックがラック収納部40に順次収納される。ラック収納部40に収納されるべき順番にないラックは、循環ライン54を周回して、そのラックの収納番になるのを待機することになる。
なお、以上の説明では、収納順番待ちのラックを投入側に戻すために、循環ライン54を用いているが、再検ライン52を用いて、ラックを投入側に戻すようにしてもよいものである。
【0031】
以上説明したように、本実施形態によれば、投入側ラック番号読み取り器60によってラックの投入順番をチェックし、投入順番に一致したラックを収納側ラック番号読み取り器62によって検出して、該当するラックを順次ラック収納部30に収納するとともに、該当しないラックは循環ラインを用いて順番待ちとするため、ラック収納部30には、ラックの投入順番通りにラックが整列しており、この中から緊急検体等容易に抽出することができる。
【0032】
次に、図4及び図5を用いて、本発明の第2の実施形態による自動分析装置の構成について説明する。
図4は、本発明の第2の実施形態による自動分析装置の全体構成を示す平面図であり、図5は、本発明の第2の実施形態による自動分析装置のラック収納部の構成を示す平面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0033】
本実施形態による自動分析装置は、図1に示した循環ライン54を備えていないものであり、また、ラック収納部40Aの構成に特徴を有するものである。
図4に示すように、本実施形態による自動分析装置は、ラック投入部10と、2つの分析部20,25と、再検バッファ30と、ラック収納部40Aと、メイン搬送ライン50,再検用ライン52の2つの搬送ラインを備えている。
【0034】
検体試料の収容された試料容器SCは、ラックLに載置されて、ラック投入部10にセットされる。各試料の分析項目を入力し、登録し、スタートキーを押すと、機構部のリセットに引き続き、ラックの搬送を開始する。ラック投入部10にセットされたラックLは、メイン搬送ライン50によって搬送される途中で、投入側のラック番号読み取り器60によって、ラック番号が読み取られる。また、ラック番号読み取り器60は、ラック番号に代えて、試料IDを読み取るものであってもよい。読み取られたラック番号によって、予め登録されている分析項目に応じて、分析部20,25に搬送される。各分析部20,25では、サンプリング位置において、位置決めされる。そして、ラックLの試料容器SCから検体試料が分取され、設定量だけ吐出され、分析部20,25の分析項目に応じた分析が行われる。なお、分析部20,25は、2台備えられているものとしているが、この台数は1台でもよく、また、3台以上でもよいものである。
【0035】
メイン搬送ライン50上でのラック搬送は、試料ごとの分析項目に対応したランダム動作を行い、例えば、分析部20で測定する必要がないラックLは、分析部20で測定している先行のラックを追越して、分析部25に搬送される。
自動再検モードにシステム設定されている場合には、分析結果があらかじめ設定された異常値範囲を超えた試料に対して再測定を行なう。このため、サンプリングを終了したラックLは、一旦、分析結果が得られるまでは再検バッファー30で待機する。再検を必要とする場合には、再検用ライン52を利用して元の位置に戻された後、再び、メイン搬送ライン50によって、分析部20,25のサンプリング位置に搬送され、サンプリングされる。
【0036】
分析部20,25での分析や再検が終了したラックLは、収納側のラック番号読み取り器62によってラック番号が読み取られる。読み取られたラック番号は、メモリ72Aに記憶される。メモリ72Aは、ラック番号読み取り器62によって読み取られたラック番号を順次記憶するものであり、ラック番号読み取り器62を通過したラックLのシーケンス番号及びラック番号が順次記憶されることになる。
【0037】
ラック番号読み取り器62を通過したラックは、通過した順に、ラック収納部40Aに収納される。緊急検体等を抽出する際には、その検体のラック番号を外部から指示すると、制御部70Aは、メモリ72Aに記憶されているシーケンス番号とラック番号を用いて、該当するラック番号に対するシーケンス番号から、ラック収納部40Aにおける該当ラックの収納位置を検出して、ラック収納部40Aを動作させて、該当するラックを抽出する。
【0038】
ここで、図5を用いて、本実施形態によるラック収納部40Aの構成について説明する。
抽出機構41は、抽出用アームA1上を、矢印Y方向に移動可能であり、また、アームA1は、アームA2,A3上を、矢印X方向に移動可能なX−Y移動機構によって支持されている。抽出機構41は、制御部70Aによって制御されて、X−Y方向に移動する。
【0039】
ラック収納部40Aには、ラックLが搬送されてきた順に整列されている。例えば、ラックL11が最初に搬送されてきたラックであり、続いて、ラックL12,L13と搬送され、収納され、ラックL1Nまで収納すると、次には、ラックL21,L22,L23と搬送され、収納される。
【0040】
収納側ラック番号読み取り器62は、搬送されてきたラックのラック番号を検出し、検出されたラック番号とシーケンス番号は、メモリ72Aに記憶されているため、制御部70Aは、このメモリ72Aの記憶内容から、抽出すべきラック番号が指示されると、そのラックの収納位置を割り出すことができる。従って、抽出すべきラック番号が指示されると、制御部70Aは、抽出機構41を制御して、該当するラック番号のラックの中から、該当するサンプルカップSCを挟み込んで持ち上げ、抽出試料載置位置42まで搬送する。従って、ラック番号を指示するのみで、容易に、該当する試料を抽出することができる。
【0041】
なお、以上の説明では、抽出機構41は、該当するサンプルカップをピックアップするものとしたが、ラック自体をピックアップして、載置位置42まで搬送するようにしてもよいものである。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、収納側ラック番号読み取り器62によってラックの収納順番をチェックし、その順番に収納側ラックに収納するとともに、メモリに記憶された収納順番を用いて、抽出機構41で抽出するようにしているので、緊急検体等容易に抽出することができる。
【0043】
次に、図6〜図8を用いて、本発明の第3の実施形態による自動分析装置の構成について説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態による自動分析装置の全体構成を示す平面図であり、図7は、本発明の第3の実施形態による自動分析装置のラック収納部の構成を示す平面図であり、図8は、本発明の第3の実施形態による自動分析装置のラック収納部の構成を示す正面図である。なお、図1と同一符号は、同一部分を示している。
【0044】
本実施形態による自動分析装置は、図1に示した循環ライン54を備えていないものであり、また、ラック並べ替え部8の構成に特徴を有するものである。
図6に示すように、本実施形態による自動分析装置は、ラック投入部10と、2つの分析部20,25と、再検バッファ30と、ラック収納部40Bと、メイン搬送ライン50,再検用ライン52の2つの搬送ラインを備えている。
【0045】
検体試料の収容された試料容器SCは、ラックLに載置されて、ラック投入部10にセットされる。各試料の分析項目を入力し、登録し、スタートキーを押すと、機構部のリセットに引き続き、ラックの搬送を開始する。ラック投入部10にセットされたラックLは、メイン搬送ライン50によって搬送される途中で、投入側のラック番号読み取り器60によって、ラック番号が読み取られる。また、ラック番号読み取り器60は、ラック番号に代えて、試料IDを読み取るものであってもよい。読み取られたラック番号は、メモリ72に記憶される。メモリ72は、ラック番号読み取り器60によって読み取られたラック番号を順次記憶するものであり、ラック番号読み取り器60を通過したラックLの順番が記憶されることになる。読み取られたラック番号によって、予め登録されている分析項目に応じて、分析部20,25に搬送される。各分析部20,25では、サンプリング位置において、位置決めされる。そして、ラックLの試料容器SCから検体試料が分取され、設定量だけ吐出され、分析部20,25の分析項目に応じた分析が行われる。なお、分析部20,25は、2台備えられているものとしているが、この台数は1台でもよく、また、3台以上でもよいものである。
【0046】
メイン搬送ライン50上でのラック搬送は、試料ごとの分析項目に対応したランダム動作を行い、例えば、分析部20で測定する必要がないラックLは、分析部20で測定している先行のラックを追越して、分析部25に搬送される。
【0047】
自動再検モードにシステム設定されている場合には、分析結果があらかじめ設定された異常値範囲を超えた試料に対して再測定を行なう。このため、サンプリングを終了したラックLは、一旦、分析結果が得られるまでは再検バッファー30で待機する。再検を必要とする場合には、再検用ライン52を利用して元の位置に戻された後、再び、メイン搬送ライン50によって、分析部20,25のサンプリング位置に搬送され、サンプリングされる。
【0048】
分析部20,25での分析や再検が終了したラックLは、収納側のラック番号読み取り器62によってラック番号が読み取られる。制御部70Bは、読み取ったラック番号からラック投入部にあるラック番号読み取り器の前を通過した時の通過順番(シーケンス番号)を読み出して、ラック並べ替え部80にある複数の収納トレーに隣り合ったシーケンス番号のラックがかたまって入るように収納する。これによって、複数の収納トレーに「投入時の通過順番」が隣接したラックの集団ができる。これらのラック集団の端と端が隣接するように、メイン搬送ラインを隔てて反対側にある並べ換え用のトレーを使用して、ラックの集団を結合させ、最終的にラックを投入時の通過順番の順にまとめてラック収納部40に収納する。
【0049】
ここで、図7及び図8を用いて、本実施形態によるラック並べ替え部80の構成について説明する。
ラック並べ替え部80は、図7に示すように、メイン搬送ライン50の手前側に3個のトレー82A,82B,82Cを備え、メイン搬送ライン50の奥側に3個のトレー82D,82E,82Fを備えている。即ち、一つの平面上に6個のトレーが配置されている。
【0050】
一方、図8の正面図に示すように、メイン搬送ライン50よりも下側に、4層のトレー82Y1,82Y2,82Y3,82Y4が配置され、上側に、3層のトレー82Z1,82Z2,82Z3が配置される。従って、都合、7層配置される。即ち、1層当たり、6個のトレーが配置され、これらが7層あることから、42個のトレーが立体的に配置されている。
これらのトレーに対して、搬送されてきたラックは、複数の収納トレーに隣り合ったシーケンス番号のラックがかたまって入るように収納する。
【0051】
ここで、図9〜図18を用いて、本実施形態におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例について説明する。
図9〜図18は、本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【0052】
なお、以下の説明においては、説明の簡単のため、図9に示すように、トレーは、トレー82A,82B,…,82Fの6個のみとして、また、ラックは、ラック番号「1」〜「9」の9個のラックとする。また、ラック「1」〜「9」の中で、ラック「2」とラック「5」が再検するものとする。
【0053】
最初に、図9に示すように、ラックは、ラック「1」,ラック「2」,…,ラック「9」の順で搬送されてくる。なお、ラック番号「1」〜「9」は、シーケンス番号に等しいものとする。
従って、図10に示すように、ラック「1」は、そのまま、トレー82Aに収納される。
次に、図11に示すように、ラック「2」は再検であるため、トレー82に収納されることなく、再検ラインによって投入側に戻される。
【0054】
次に、図12に示すように、ラック「3」が搬送されてくると、ラック「3」は、トレー82Bに収納する。即ち、本実施形態においては、隣り合ったシーケンス番号のラックがかたまって入るように収納するようにしているので、ラック「1」とラック「3」は、隣り合ったシーケンス番号でないため、異なるトレーに収納する。
次に、図13に示すように、ラック「4」が搬送されてくると、ラック「4」は、ラック「3」に隣り合ったシーケンス番号であるため、トレー82Bに収納する。
【0055】
次に、図14に示すように、ラック「5」は再検であるため、トレー82に収納されることなく、再検ラインによって投入側に戻される。
次に、図15に示すように、ラック「6」〜ラック「9」が搬送されてくると、これらは順次トレー82Cに収納される。
次に、図16に示すように、再検の終了したラック「2」が搬送されてくると、これは、ラック「1」と隣り合うものであるため、トレー82Aに収納される。また、ラック「5」はトレー82Bに収納される。その結果、隣り合うシーケンス番号のラックが、トレー82A,82B,82Cに固まって収納される。
【0056】
そして、次に、図17に示すように、最初に、トレー82Cのラック「9」が、ラック収納部40に収納される。
その後、図18に示すように、ラック「8」〜「1」が順次トレー82C,82B,82Aからラック収納部40に収納することにより、ラック収納部40には、シーケンス順(図示の例では、シーケンス番号と逆順)に収納することができる。
【0057】
次に、図19〜図28を用いて、本実施形態におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例について説明する。
図19〜図28は、本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【0058】
なお、以下の説明においては、説明の簡単のため、図19に示すように、トレーは、トレー82A,82B,…,82Fの6個のみとして、また、ラックは、ラック番号「1」〜「10」の10個のラックとする。また、ラック「1」〜「10」の中で、ラック「2」〜ラック「9」が再検するものとする。
【0059】
最初に、図19に示すように、ラックは、ラック「1」,ラック「2」,…,ラック「10」の順で搬送されてくる。なお、ラック番号「1」〜「10」は、シーケンス番号に等しいものとする。
従って、図20に示すように、ラック「1」は、そのまま、トレー82Aに収納される。
次に、図21に示すように、ラック「2」〜「9」は再検であるため、トレー82に収納されることなく、再検ラインによって投入側に戻される。
【0060】
次に、図22に示すように、ラック「10」が搬送されてくると、ラック「10」は、トレー82Bに収納する。そして、再検の終了したラック「2」〜「5」が搬送されてくると、ラック「1」と隣あうものであるため、トレー82Aに収納される。また、ここで、ラック「9」は、再検が短時間で終了したため、ラック「5」の次に、搬送されてきたものとする。
次に、図23に示すように、ラック「9」が搬送されてくると、ラック「9」は、ラック「10」に隣り合ったシーケンス番号であるため、トレー82Bに収納する。
【0061】
次に、図24に示すように、再検の終了したラック「7」とラック「8」が搬送されてくると、これらは、新たに、トレー82Cに順次収納される。
ここで、図24に示すように、ラック「1」〜「6」及びラック「7」,「8」は降順に配列されているのに対して、ラック「9」,「10」は昇順に配列されている。そこで、メイン搬送ラインを挟んで設けられているトレー82D,82E,82Fを用いて、ラックの並べ替えを行うようにしている。
即ち、図25に示すように、ラック「9」,ラック「10」を順番に、トレー82Eに移動する。これによって、ラック「9」,ラック「10」は降順に並べ替えられる。
【0062】
次に、図26に示すように、ラック「10」,ラック「9」を順番に、ラック収納部40に収納する。
その後、図27、図28に示すように、ラック「8」,ラック「7」及びラック「6」〜ラック「1」が順次トレー82C,82Aからラック収納部40に収納することにより、ラック収納部40には、シーケンス順(図示の例では、シーケンス番号と逆順)に収納することができる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、ラック並べ替え部80を用いて、ラックの並べ替えを行った後、ラック収納部にラックを収納するようにしているため、ラック収納部40には、ラックの投入順番通りにラックが整列しており、この中から緊急検体等容易に抽出することができる。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、検体試料の抽出作業の効率が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による自動分析装置の構成を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態による自動分析装置における制御部の処理内容を示すフローチャートである。
【図3】本発明の第1の実施形態による自動分析装置におけるメモリの記憶内容の説明図である。
【図4】本発明の第2の実施形態による自動分析装置の全体構成を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態による自動分析装置のラック収納部の構成を示す平面図である。
【図6】本発明の第3の実施形態による自動分析装置の全体構成を示す平面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による自動分析装置のラック収納部の構成を示す平面図である。
【図8】本発明の第3の実施形態による自動分析装置のラック収納部の構成を示す正面図である。
【図9】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図10】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図11】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図12】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図13】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図14】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図15】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図16】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図17】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図18】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第1の例の説明図である。
【図19】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図20】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図21】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図22】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図23】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図24】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図25】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図26】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図27】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【図28】本発明の第3の実施形態による自動分析装置におけるラック並べ替え部への収納順及び並べ替え手順の第2の例の説明図である。
【符号の説明】
10…ラック投入部
20,25…分析部
50…メイン搬送ライン
40…ラック収納部
30…再検バッファー
72…メモリ
52…再検用ライン
60,62…ラック番号読み取り器
70…制御部
54…循環ライン
41…抽出機構
80…ラック並べ替え部
82…収納トレー

Claims (1)

  1. 試料を収容した試料容器がセットされたラックを、ラック投入部からラック収納部まで搬送する搬送ラインと、この搬送ラインに沿って、上記ラック投入部とラック収納部の間に配置された分析部とを有する自動分析装置において、
    上記搬送ラインの収納側に配置され、搬送されるラックのラック番号を読み取る収納側ラック番号読み取り部と、
    上記ラックを一時的に収納する複数の収納トレーと、
    上記搬送ラインを介して搬送されてきたラックを複数の上記収納トレーに導くラック振分部と、
    上記収納側ラック番号読み取り部によって読み取られたラック番号に基づいて、隣り合ったシーケンス番号のラックを上記複数の収納トレーにかたまって入るように振り分けるように上記ラック振分部を制御する制御部を備えたことを特徴とする自動分析装置。
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