JP3740244B2 - 導電性焼成体およびそれを用いるガス放電表示パネル - Google Patents

導電性焼成体およびそれを用いるガス放電表示パネル Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガス放電表示パネル(プラズマディスプレイパネル、PDP)用の導電性焼成体に関し、さらに詳細には、低い電気抵抗を有し、色調のコントラストの良好な導電性焼成体に関する。また、該導電性焼成体からなる電極、ならびに該電極をバス電極として用いる交流型ガス放電表示パネル、および同様に陽極として用いる直流型ガス放電表示パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
交流型および直流型のガス放電表示パネルは公知である。たとえば、交流型ガス放電表示パネルの典型的な基本構造は、図1に示すとおりである。なお、図1は、該基本構造の要部を示すために、該パネルを切り欠き、内部を示した斜視図である。
【0003】
この構造によれば、ガラスのような透光性材料からなる表示面側基板1と背面側基板2とを、所定の空間を有して互いに対向させて構成してあり、該空間には、放電ガスとして希ガスを封入した構造になっている。
【0004】
表示面側基板1には、透明電極3とバス電極4とから構成された、横方向に延びる、互いに平行な一対の放電維持電極からなる多数の放電維持電極対が設けられ、それらが透明な誘電体層5、さらには透明な保護層6で覆われている。同様に誘電体層7で覆われた背面側基板2には、上記の放電維持電極対と直交する多数のアドレス電極8が設けられている。これら放電維持電極対とアドレス電極8との交差部、またはその近傍には、隔壁9によって放電セルが画定され、これら各放電セルを選択的に放電させて蛍光体10を発光させることによって、表示が行われる。
【0005】
放電維持電極の形成方法として、透明電極3は、たとえば表示面側ガラス基板1の一面全域にITO(インジウム−スズ酸化物)膜を、真空蒸着法やスパッタ法などの方法であらかじめ形成しておき、その後、ホトリソグラフィーによりエッチング処理を施すことによって、所望の電極パターンが形成される。
【0006】
バス電極5は、銀、金、アルミニウムなどの導電性金属粉末を含むペーストをスクリーン印刷することによってパターンを形成した後、焼成を行うことによって得られる。
【0007】
あるいは、透明電極形成後の表示面側ガラス基板の一面全域にホトレジストを塗布し、露光、現象によって、バス電極形成部を残し、一面全域に、たとえば金などの金属薄膜を真空蒸着などの方法によって形成し、ついでホトレジストを剥離することにより、所望のパターンのバス電極が得られる。
【0008】
このようなホトリソグラフィーを用いると、スクリーン印刷に比べて精度の高いパターン形状が得られるものの、ホトレジストを塗布してエッチングする必要があるなど、工程が繁雑となるだけでなく、材料のロスが非常に多くなる。したがって、製造コストや材料コストがスクリーン印刷と比較して大幅に上昇するので、一般にスクリーン印刷の方が好ましい。
【0009】
透明基板としては、ガラス基板が最も一般的である。ガラス基板上に電極および配線を形成する方法としては、上記のようなさまざまな方法が挙げられるが、電気抵抗が低く、製造コストも安いことから、銀を使用してスクリーン印刷により形成する方法が一般的である。
【0010】
しかしながら、銀を用いる場合、スクリーン印刷後、焼成によって銀とガラス基板との界面が銀色かまたは黄土色を呈する。銀色は、銀粉末をガラス粉末のような結着剤ととともに焼結して得られた厚膜自身の色であり、黄土色は、銀粉末、結着剤であるガラス粉末、およびフロート法でガラス基板を製造する際に該基板のボトム面に付着して存在するスズの反応によって生じた色である。
【0011】
このようにして、バス電極を含む放電維持電極を形成させたガラス基板を、ガス放電表示パネルの表示面側基板として使用した場合、色の表示品質に大きな影響を与える。すなわち、該バス電極が銀色を呈すると、外光を反射してしまうので表示のコントラストが低下してしまい、黄土色を呈すると、カラー表示の色調が本来の色調とずれて、表示画面全体が黄色味を帯びて見えてしまう。
【0012】
その対策の一例として、銀厚膜とガラス基板との界面に黒色ペースト膜を介在させる方法が提案されている(特開平6−12987号公報)。しかしながら、このような方法では、表示コントラストは高められるものの、工程が繁雑となり、製造コストが上昇してしまう。
【0013】
一方、導電性金属粉末として金や銀−パラジウムを用いると、銀と比較して電気抵抗が高くなるばかりか、材料コストが大幅に上昇する。また、アルミニウムやニッケルなどを用いると、銀と比較して抵抗が大幅に高くなるので、いずれも好ましくない。
【0014】
銅を用いると抵抗は低くなるが、ガス放電表示パネルの場合、真空蒸着法やスパッタ法などの方法によって形成された銅のバス電極は、次の誘導電層や隔壁を形成する工程には酸化性雰囲気が必要なことから、その工程で酸化されて酸化銅となる。したがって、銅電極を酸化から保護するために、さらにバリア層を形成してから次工程に進む必要がある。そのうえ、銅電極は銅色を呈するために、銀を用いる場合と同様に表示画面の色調がずれてしまい、その対策として、クロムなどの黒色を呈する材料を下地として重ねてバス電極を形成する必要がある。このように、銅を用いる場合は多重層からなるバス電極を形成するので、工程が非常に繁雑となり、製造コストが上昇してしまう。
【0015】
以上は交流型ガス放電表示パネルにおけるバス電極の形成の例であるが、直流型ガス放電表示パネルにおける陽極の形成についても、まったく同様のことがいえる。
【0016】
電気抵抗が低く、製造コストも安いことを考慮すると、これらの電極を形成するには、やはり厚膜印刷法であるスクリーン印刷で、銀パターンを形成する方法が最も望ましい。特に、ガス放電表示パネルにおいては、その画面サイズが今後ますます大型化されていくことから、それに伴って、電極や配線の抵抗をさらに低くする必要がある。さらに、産業用だけでなく民生用として従来のCRTやプロジェクションタイプのTVなどに取って替わるためには、低い製造コストが極めて大きな要件となっている。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、銀粉末を導電性粉末として用い、スクリーン印刷のようなガス放電表示パネル用電極の形成に有利な方法に適し、上記のような色調の問題を解消し、かつ導電性および諸特性の安定性に優れた導電性焼成体を提供することである。また、本発明の他の目的は、このような導電性焼成体をバス電極として用いる交流型ガス放電表示パネル、および陽極として用いる直流型ガス放電表示パネルを提供することである。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記の課題を解決するために検討を重ねた結果、電極として、銀粉末およびガラス粉末に加えて、特定量の、特定の平均粒径の黒色を呈する無機微粉末を配合して得た組成物を焼成した導電性焼成体を用いることにより、その課題を解決しうることを見出して、本発明を達成するに至った。
【0019】
すなわち、本発明は、
(A)銀粉末 100重量部;
(B)ガラス粉末 0.1〜30重量部;および
(C)黒色を呈する、平均粒径が0.05〜3μm の無機粉末 0.5〜30重量部
からなる組成物を焼成して得られる導電性焼成体に関し;また、該導電性焼成体からなる電極;ならびに
放電空間を挟んで相対向する一対の基板、少なくとも一方の基板の内面に設けられ、透明電極とバス電極からなる放電維持電極、および該放電維持電極の内側に順次設けられた誘電体層と保護層を備えた交流型ガス放電表示パネル;ならびに放電空間を挟んで相対向する一対の基板、少なくとも一方の基板の内面に設けられた陽極、および他方の基板の内面に設けられた陰極を備えた直流型ガス放電表示パネルにおいて、
バス電極または陽極が上記の導電性焼成体からなる電極であることを特徴とするガス放電表示パネルに関する。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の導電性焼成体に用いられる(A)成分の銀粉末は、該焼成体に導電性を与えるもので、球状でもリン片状でもよいが、バス電極のように線幅100μm 程度のパターンを形成する場合は、優れた印刷精度が得られることから、球状のものが好ましい。平均粒径は、通常0.05〜5μm であり、0.1〜3μm が好ましい。0.05μm 未満では、吸油量が大きすぎて印刷適性を調製しにくく、また焼成の際に収縮率が大きすぎて、クラックが発生しやすい。一方、平均粒径が5μm を越えると、焼結性が悪く、電気抵抗値が高くなるほか、精度のよい印刷ラインが得られない。
【0021】
(B)成分のガラス粉末は、(A)成分相互を結着させる結着剤であり、さらに導電性焼成体の基板への接着性を高めるとともに、焼結の際に軟化して、組成物中に存在する(C)成分の無機粉末を基板側に集める効果がある。ガラス粉末としては、ホウケイ酸鉛系、ホウケイ酸ビスマス系、ホウケイ酸亜鉛系、ホウケイ酸アルカリ金属系、ホウケイ酸アルカリ土類金属系、ホウ酸鉛系、ケイ酸鉛系などのガラスフリットが例示され、誘電体が放電表示管のように電極に近接して焼成、形成されるので、それらに対して影響を与えない温度で、かつパネルが歪まない温度で焼成が可能なことから、通常、軟化点が600℃以下のものが用いられ、580℃以下のものが好ましい。形状は特に限定されず、平均粒径は、通常0.1〜10μm であり、0.2〜5μm が好ましい。
【0022】
焼成に供する組成物中の(B)成分の配合量は、(A)成分100重量部に対して0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部である。0.1重量部未満では、上記のような効果が十分に得られず、30重量部を越えると、得られた焼成体の電気抵抗が上昇する。
【0023】
(C)成分の黒色を呈する無機粉末は、本発明の焼成体電極において、色調の問題を解決するための特徴的な成分である。黒色を呈する無機粉末は、クロム−コバルト−マンガン−鉄、クロム−銅、クロム−銅−マンガン、マンガン−鉄−銅、クロム−コバルト−鉄などの金属複合酸化物;(FeO)x(Fe23)y で表される鉄酸化物;酸化ルテニウム;カーボンなど、ガス放電表示パネルの製造過程でガラス基板がさらされる温度範囲内で耐熱性があり、安定なものであれば、どのようなものでもよい。形状は特に限定されず、球状、リン片状、針状、不定形状など、どのような形状のものでも使用できる。
【0024】
さらに、本発明の導電性焼成体の特性に、(C)成分の平均粒径が大きな影響を与えることが見出された。すなわち、本発明に用いられる(C)成分の平均粒径は0.05〜3μm であり、0.1〜2μm の範囲が好ましい。0.05μm 未満では、吸油量が大きすぎて印刷適性を調製しにくく、満足する印刷適性を得ることがむずかしい。さらに、乾燥および焼成などにおける熱履歴によってクラックが発生しやすい。一方、平均粒径が3μm を越えると、隠蔽力が劣るために多量の(C)成分を配合する必要があって、その結果、焼成体の導電性が落ちる。そのうえ、焼成によって得られた焼成体中の組成の均一性が悪くなるために、色調および電気抵抗値のばらつきが大きくなり、また精度のよい印刷ラインが得られない。
【0025】
(C)成分の黒色を呈する無機粉末の配合量は、ガス放電表示パネルの設計に応じて任意に設定できるが、電気抵抗および電極とガラス基板との界面の色調の両方を満足させるために、(A)成分100重量部に対して0.5〜30重量部、好ましくは1.0〜20重量部、さらに好ましくは2.0〜15重量部である。0.5重量部未満では、電気抵抗は十分に低くて良好なものの、電極とガラス基板との界面色調を識別する効果が期待できない。一方、30重量部を越えると、電極とガラス基板との界面の色調は十分に黒くなって識別は良好であるが、電気抵抗が高くなってしまう。
【0026】
組成物は、上記の銀粉末、ガラス粉末および黒色を呈する無機粉末を、たとえば有機樹脂と有機溶媒からなるビヒクルに、三本ロール、混練機などにより分散させて、ペーストの形状に調製する。
【0027】
有機樹脂としては、エチルセルロース、ニトロセルロース、アクリル樹脂などを用いることができる。また、該有機樹脂の溶媒、組成物の分散媒としては、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、アミルベンゼン、p−シメン、テトラリンおよび石油系芳香族炭化水素混合物などの芳香族炭化水素;メントール、テルピネオール、カルペオール、ボルネオール、メンタンジオールなどのテルペンアルコール;2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルなどのエーテルアルコール;メチルイソブチルケトンなどのケトン;ならびにエチレングリコールモノメチルエーテル酢酸エステルなどのエステルが例示され、単独でも、2種以上の混合物でもよい。組成物の濃度は、下記の印刷方法に適した見掛け粘度、たとえばスクリーン印刷の場合は25℃において、通常20〜500Pa・s、好ましくは100〜300Pa・sの範囲のペーストが得られるように、任意に定めることができる。
【0028】
このようにして得られたペーストを、基材表面に印刷または塗布する。電極および/または配線の精密なパターンを形成するためには、スクリーン印刷によることが好ましい。このようにして基材表面に印刷または塗布されたペーストから、風乾などの常法によって有機溶媒を除去した後、たとえば500〜580℃で10〜20分間焼成して、本発明の導電性焼成体を基材表面に形成する。
【0029】
このような方法により、前述の組成物を用いて、本発明の導電性焼成体からなる電極が得られる。特に前述の構造の交流型ガス放電表示パネルのバス電極、または直流型ガス放電表示パネルの陽極を形成させて、本発明の交流型または直流型のガス放電表示パネルが得られる。なお、基板、透明電極、誘電体層、保護層、蛍光体、アドレス電極、陰極など、ガス放電表示パネルにおけるその他の構成要素は、従来から公知の材料と形成方法を用いることができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明の焼成体は、電気抵抗が低く、かつ、銀とガラス基板との界面の色調を黒くすることができる。また、ペーストの印刷特性および諸特性の安定性が優れている。これをガス放電表示パネルの表示面側基板に形成されたバス電極や陽極として使用すれば、電気抵抗が低いばかりでなく、ブラックストライプ的な効果が得られるので、従来、単に銀粉末を使用したときに発生する表示コントラストの低下や、表示される色調のずれといった表示品質上の問題が解決できるだけでなく、このような電極を安価で簡単に形成することができる。また、電極と同様にスクリーン印刷によってガラス基板表面に形成される配線に本発明の焼成体を適用して、電気抵抗が低く、肉眼での識別が容易な配線を、簡単で安価に形成することができる。
【0031】
【実施例】
以下、実施例および比較例により、本発明をより詳細に説明する。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。
【0032】
実施例1〜5
銀粉末(平均粒径0.5μm 、球状粒子)、ガラス粉末(ホウケイ酸鉛ガラス、軟化温度約480℃、平均粒径3μm 、不定形粒子)およびマンガン−鉄−銅複合酸化物粉末(平均粒径0.1μm 、球状粒子)を、表1に示すような配合比で調合した。これをエチルセルロースをエチレングリコールモノブチルエーテル酢酸エステルに溶解した有機ビヒクルとともに、混練機で混練することによって、ペースト化した。
【0033】
次に、これらのペーストを、325メッシュのスクリーン印刷を用い、ソーダライムガラス基板のトップ面上およびボトム面(Sn付着)上に、それぞれ線幅150μm 、長さ50mmの印刷形状に、厚さ15μm に印刷し、150℃で10分間乾燥した後、550℃で10分間焼成することによって、評価試料を作製した。
【0034】
得られた試料をガラス基板の背面側(印刷されていない面側)から観察したときの色調、およびシート抵抗値を測定した。その結果を表1に示す。
【0035】
【表1】
Figure 0003740244
【0036】
実施例6〜10
銀粉末(平均粒径1μm 、球状粒子)、ガラス粉末(ホウケイ酸鉛ガラス、軟化温度約450℃、平均粒径4μm 、不定形粒子)およびクロム−銅複合酸化物粉末(平均粒径0.8μm 、球状粒子)を、表2に示すような配合比で調合した。これを実施例1〜5で用いたのと同じ有機ビヒクルとともに、混練機を使用して混練することによってペースト化した。
【0037】
次に、これらのペーストを、実施例1〜5と同様の方法で処理することによって、評価試料を作製した。
【0038】
得られた試料をガラス基板の背面側(印刷されていない面側)から観察したときの色調、およびシート抵抗値を測定した。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
Figure 0003740244
【0040】
実施例11〜16
銀粉末(平均粒径0.3μm 、球状粒子)、ガラス粉末(ホウケイ酸ビスマスガラス、軟化温度約500℃、平均粒径2μm 、不定形粒子)および酸化ルテニウム粉末(平均粒径1.1μm 、球状粒子)を、表3に示すような配合比で調合した。これを実施例1〜10で用いたのと同じ有機ビヒクルとともに、混練機を使用して混練することによってペースト化した。
【0041】
次に、これらのペーストを、実施例1〜10と同様の方法で処理することによって、評価試料を作製した。
【0042】
得られた試料をガラス基板の背面側(印刷されていない面側)から観察したときの色調、およびシート抵抗値を測定した。その結果を表3に示す。
【0043】
【表3】
Figure 0003740244
【0044】
比較例1〜4
実施例1〜5に用いた銀粉末およびガラス粉末を用い、黒色を呈する無機微粉末を配合しない比較例1の銀ペースト;同様の粉末に少量のマンガン−鉄−銅複合酸化物を配合して得た比較例2のペースト;実施例6〜10に用いた銀粉末およびガラス粉末を用い、少量のクロム−銅複合酸化物を配合して得た比較例3のペースト;ならびに実施例11〜16に用いた銀粉末およびガラス粉末を用い、多量の酸化ルテニウム粉末を配合した比較例4のペーストを、各実施例と同様な方法で処理して、評価試料を作製した。得られた試料について、実施例と同様に、色調の観察とシート抵抗値の測定を行った。その結果を表4に示す。
【0045】
【表4】
Figure 0003740244
【0046】
実施例17、18
銀粉末(平均粒径0.3μm 、球状粒子)、ガラス粉末(ホウケイ酸鉛ガラス、軟化温度約500℃、平均粒径2μm 、不定形粒子)およびマンガン−鉄−銅複合酸化物粉末(平均粒径0.1μm 、球状粒子)または酸化ルテニウム粉末(平均粒径0.5μm 、球状粒子)を、表5に示すような配合比で調合した。これを実施例1〜16で用いたのと同じ有機ビヒクルとともに、混練機を使用して混練することによってペースト化した。
【0047】
次に、これらのペーストを、実施例1〜16と同様の方法で処理することによって、評価試料を作製した。
【0048】
得られた試料をガラス基板の背面側(印刷されていない面側)から観察したときの色調、およびシート抵抗値を測定した。その結果を表5に示す。
【0049】
【表5】
Figure 0003740244
【0050】
表5より明らかなように、ガラス粉末および酸化物の配合量が同じ焼成体について比較すると、酸化ルテニウムを配合して得られた焼成体は、マンガン−鉛−銅複合酸化物より得られた焼成体よりも、小さいシート抵抗値、すなわち優れた導電性を示した。
【0051】
実施例1〜18で得られた本発明の焼成体は、十分な表示コントラストが得られる濃色を呈し、しかも優れた導電性を示した。これに対して、比較例1〜3で得られた焼成体は表示コントラストが不十分であり、比較例4で得られた焼成体は満足な導電性が得られなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】典型的なガス放電表示パネルの基本構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 表示面側基板
2 背面側基板
3 透明電極
4 バス電極
5 誘電体層
6 保護層
7 誘電体層
8 アドレス電極
9 隔壁
10 蛍光体
11 観察者

Claims (9)

  1. (A)平均粒径が0.05〜5μmの銀粉末 100重量部;
    (B)平均粒径が0.1〜10μmであり、軟化点が580℃以下である、ガラス粉末 0.1〜30重量部;および
    (C)平均粒径が0.05〜3μmの黒色を呈する無機粉末 0.5〜30重量部
    を含む、ガス放電表示パネルの電極形成用組成物。
  2. (C)の粒径が、0.1〜2μmである、請求項1記載の組成物。
  3. (C)の無機粉末が、クロム−コバルト−マンガン−鉄、クロム−銅、クロム−銅−マンガン、マンガン−鉄−銅又はクロム−コバルト−鉄の金属複合酸化物である、請求項1又は2記載の組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の組成物を焼成してなるガス放電表示パネルの電極。
  5. 500〜580℃の温度範囲で焼成してなる、請求項4記載の電極。
  6. 放電空間を挟んで相対向する一対の基板、少なくとも一方の基板の内面に設けられ、透明電極とバス電極からなる放電維持電極、ならびに該放電維持電極の内側に順次設けられた誘電体層および保護層を備えた交流型ガス放電表示パネルにおいて、バス電極が、請求項4又は5記載の電極である、ガス放電表示パネル。
  7. バス電極が、スクリーン印刷によってパターン形成された、請求項6記載のガス放電表示パネル。
  8. 放電空間を挟んで相対向する一対の基板、一方の基板の内面に設けられた陽極、および他方の基板の内面に設けられた陰極を備えた直流型ガス放電表示パネルにおいて、陽極が、請求項4又は5記載の電極であることを特徴とするガス放電表示パネル。
  9. 陽極が、スクリーン印刷によってパターン形成された、請求項8記載のガス放電表示パネル。
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