JP3739965B2 - 表面検査システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、イメージセンサを有するカメラを用いて成形物その他の種々の検査対象物の傷や汚れといった欠陥などの検査を行う場合に、イメージセンサの素子ばらつきの影響を除去して高精度の検査を可能とした表面検査システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、押し出し成形物、引き抜き成形物やロール成形物などの検査対象物の表面欠陥などを検査する場合、従来より光電変換素子を一次元に配列して構成される一次元イメージセンサ(ラインイメージセンサ)を用いたCCDカメラなどのカメラによって検査対象物上を一次元走査し、これにより得られた画像データに演算処理を施す方法がとられている。
【0003】
ビデオカメラなどに使用される二次元イメージセンサでは通常、撮像画素が視野幅方向に数百画素しかないのに対して、ラインイメージセンサは視野幅方向に数千画素もの撮像画素を集積化することが可能であるため、ラインイメージセンサを用いることにより、二次元イメージセンサでは不可能な幅の広い鉄鋼、紙、フィルムなどの検査対象物の表面検査を行うことが可能である。
【0004】
このようなカメラにおいては、イメージセンサによる明度の読み取り精度に光電変換素子によってばらつきがある。このばらつきはイメージセンサを構成する個々の光電変換素子の感度の差などの原因によるものであり、素子ばらつきと呼ばれ、通常3%程度の値をとる。上述した従来の表面検査システムでは、この素子ばらつきの範囲を越えた明度変化がないと微細な欠陥などの検出を行うことができない。目視による明暗検知精度は1/1500〜1/2000と言われているので、ラインイメージセンサを用いた表面検査システムは目視の1/60の精度しかないことになり、目視検査の代替は不可能とされてきた。
【0005】
イメージセンサの素子ばらつきを補償する方法として、電子複写機のような分野では、スキャナのイメージセンサの素子ばらつきを予め求めてRAMに記憶しておき、これを基に素子ばらつきを補正する方法も考えられている。素子ばらつきは、全面が白のような一様な原稿をイメージセンサで読み取ったときの画像データのばらつきを基に求められる。
【0006】
しかし、この方法は対象物が原稿のように下地の明るさや色が限られている場合には、比較的容易に素子ばらつきを求めることができるが、表面検査においては検査対象物は明るさや色、形状などが多種類にわたり、また照明光の明るさも種々変化するため、これらの全てに対応して素子ばらつきを求めることは極めて困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、従来のイメージセンサからなるカメラを用いた表面検査においては、光電変換素子の素子ばらつきの影響を除去することが難しく、検査精度の向上に限界があった。
【0008】
本発明は、カメラを構成するイメージセンサの素子ばらつきの影響を除去して検査対象物上の欠陥検知などの表面状態の検査を精度よく行うことができる表面検査システムを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る表面検査システムは、複数の光電変換素子を少なくとも主走査方向に配列して構成されるイメージセンサを有し、該主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動する検査対象物上を該主走査方向に走査して画像データを出力するカメラと、前記画像データに対し前記副走査方向に演算処理を施して前記検査対象物の表面状態を求める複数の演算処理ユニットとを備え、前記複数の演算処理ユニットは、前記カメラから出力される連続したN主走査ライン分(Nは1以上の任意の整数)の画像データを記憶するNラインメモリと、前記Nラインメモリの入出力の画像データ間の相関値を求める相関器と、前記相関器から出力される相関値の大きさを判定して前記検査対象物の表面状態の検査結果を得る判定器とをそれぞれ有し、かつ各々の演算処理ユニットにおける前記Nラインメモリは前記Nの値が互いに異なり、前記複数の演算処理ユニットは前記検査対象物の表面状態に関して前記Nの値に応じた大きさの欠陥検知を同時並行的に行うことを特徴とする。
【0012】
このように本発明においては、イメージセンサを有するカメラから出力される画像データに対し、時間軸方向(副走査方向)に演算処理を施すことで検査対象物の表面状態を求めることにより、イメージセンサの素子ばらつきの影響を排除した高精度の表面検査が可能となる。すなわち、イメージセンサの個々の素子に対応する画像データは、時間軸上では素子ばらつきの影響を受けることがなく、基本的には検査対象物の表面状態のみに依存して変化するので、本発明のように時間軸方向に演算処理を行うようにすると、画像データの量子化精度が十分に高ければ、欠陥の有無などの表面状態の検査をより正確に行うことができる。
【0016】
また、Nの値をN1,N2,N3,…のように互いに異ならせると、それぞれの演算処理ユニットにおいては、検査対象物上ので副走査方向にN1主走査ライン、N2主走査ライン、N3主走査ライン…のように異なる距離ずつ離れた二つの位置の表面状態の相関をそれぞれ求めることになるので、N1,N2,N3,…の値に応じた大きさの欠陥が検知される。しかも、これらの大きさの異なる欠陥の検知は、同時並行的に行われる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る表面検査システムの構成を示す図である。同図において、検査対象物10は例えば押し出し成形物、引き抜き成形物やロール成形物などであり、表面検査時には矢印Yで示す方向(副走査方向)に移動する。この検査対象物10に対向して、ディジタルカメラ11が設置されている。
【0024】
ディジタルカメラ11は、結像レンズ12、CCDラインイメージセンサのような一次元イメージセンサ13、増幅器14およびA/Dコンバータ15により構成され、検査対象物10の表面の画像が結像レンズ12を介して一次元イメージセンサ13上に結像される。一次元イメージセンサ13による検査対象物10上の読み取り幅を1とすると、結像レンズ12が標準レンズの場合、カメラ11から検査対象物10までの距離(対物距離)は約1.5に設定される。
【0025】
一次元イメージセンサ13は、複数個(例えば、5120個)の光電変換素子を矢印Xで示す方向(主走査方向)に配列して構成されており、この主走査方向と直交する方向(副走査方向)に相対的に移動する検査対象物10上を主走査方向に走査して検査対象物10の表面状態を読み取り、画像信号を出力する。この一次元イメージセンサ13から出力される画像信号は増幅器14で増幅され、さらにA/Dコンバータ15により例えば8ビットパラレルのディジタルデータに変換されて、ディジタルカメラ11から画像データとして出力される。
【0026】
ディジタルカメラ11から出力される画像データは、演算処理装置16に入力される。演算処理装置16は、入力される画像データに対しY方向に演算処理を施すことにより検査対象物10の表面状態の検査結果を出力するものであり、この例ではNラインメモリ17と相関器18および判定器19により構成される。ここで、Nは1以上の任意の整数である。
【0027】
Nラインメモリ17は、ディジタルカメラ11から入力されるN主走査ライン分の画像データを記憶するメモリであり、一次元イメージセンサ13における光電変換素子の素子数(例えば、5120素子)のN倍の段数のシフトレジスタまたはFIFO(先入れ・先出し)メモリにより構成される。
【0028】
ラインメモリ17の入出力の画像データ、すなわちディジタルカメラ11から入力される画像データとラインメモリ17から出力される画像データは、相関器18の入力Aと入力Bに入力される。相関器18は、入力Aと入力Bに与えられるラインメモリ18の入出力の画像データ間の相関演算を行って両画像データの相関値を求める回路であり、具体的には減算器または除算器で構成される。
【0029】
ここで、相関器18の入力AおよびBにそれぞれ入力される画像データは、一次元イメージセンサ13の同一素子から得られる画像信号に対応している。すなわち、相関器18の入力Aに対して入力Bはラインメモリ17によりN主走査ライン分の時間遅れているため、入力Aに一次元イメージセンサ13のi番目(i=1,2,…)の素子に対応する画像データが入力されるとき、入力Bには同じi番目の素子に対応するN主走査ライン前の画像データがラインメモリ17から入力される。
【0030】
相関器18から出力される相関値は判定器19に入力され、その大きさが判定される。判定器19は、例えばコンパレータにより構成され、この例では相関器18から出力される相関値を適当なしきい値THと比較することによって、検査対象物10の表面欠陥の有無を判定し、その判定結果を表面状態の検査結果として出力する。
【0031】
すなわち、検査対象物10上に欠陥があると、その欠陥の近傍では一次元イメージセンサ13の同一の素子に対応する画像データの大きさが副走査に伴って、つまり検査対象物10の相対的移動に伴って時間的に変化することにより、相関器18で得られる相関値が大きくなって、判定器19においてしきい値THを越えるため、判定器19でこの欠陥を認識することができる。判定器19の判定結果は、例えばパーソナルコンピュータにより処理されて図示しない表示装置により表示される。
【0032】
このような本実施形態の検査システムによると、一次元イメージセンサ13の素子ばらつきの影響を除去した高精度の検査が可能となる。以下、この効果を図2によりさらに詳細に説明する。
【0033】
図2は、ディジタルカメラ11から出力される画像データの概念図であり、検査対象物10の表面状態が一様の場合を示している。この画像データは256階調、つまり明度が検査対象物10の表面状態に応じて256段階にわたって変化するデータであり、例えば1/2000秒でX方向(主走査方向=空間方向)に5120点走査され、Y方向(副走査方向=時間軸方向)に2000回/秒の周期で出力される。
【0034】
一次元イメージセンサ13の素子ばらつき、つまり画像データのX方向の明度ばらつきは通常3%程度であり、表面検査の分野では、この素子ばらつきを抑える有効な方法は見出だされていない。これに対し、本発明では一次元イメージセンサ13の個々の素子に対応する画像データは、時間軸上で見ると素子ばらつきの影響を受けないことに着目して、同一の素子に対応する画像データについてY方向(時間軸方向)に演算処理を行って検査対象物10の表面状態を検査することにより、素子ばらつきの影響を除去した高精度の検査を可能としている。
【0035】
この場合、一次元イメージセンサ13の同一の素子に対応する画像データのばらつきが問題となるが、これはA/Dコンバータ15の変換精度を8ビットとすれば、前述したように画像データは256階調となり、明度変化を1/256の精度で検出できるので、同一の素子に対応する画像データのばらつきは約0.4%以下と十分に小さく抑えることができる。また、A/Dコンバータ15の変換精度を例えば10ビット、12ビット…と増やしてゆけば、この画像データのばらつきはさらに小さくなる。
【0036】
(第2の実施形態)
図3に、本発明の第2の実施形態における演算処理装置の構成を示す。この演算処理装置は、図1中に示した演算処理装置16と同一構成からなる複数(この例では3個)の演算処理ユニット16−1,16−2,16−3を並列に配置して構成されている。
【0037】
すなわち、演算処理ユニット16−1はNラインメモリ17−1、相関器18−1および判定器19−1により構成され、演算処理ユニット16−2はNラインメモリ17−2、相関器18−2および判定器19−2により構成され、演算処理ユニット16−3はNラインメモリ17−3、相関器18−3および判定器19−3により構成される。判定器19−1,19−2,19−3は、第1の実施形態と同様に例えばコンパレータにより構成され、適宜設定されたしきい値TH1,TH2,TH3が与えられている。
【0038】
ここで、各演算処理ユニット16−1,16−2,16−3における各々のNラインメモリ17−1,17−2,17−3のNをN1,N2,N3とすると、これらは例えばN1=1,N2=30〜40、N3=79というように異なる値に設定されている。このようにすると、演算処理ユニット16−1,16−2,16−3においては、検査対象物10上の大きさの異なる欠陥がそれぞれ検知される。
【0039】
すなわち、演算処理ユニット16−1では、隣接する主走査ライン間で明度が急激に変化するような「微小欠陥」が検知され、また演算処理ユニット16−2では、30〜40ラインにわたって明度が徐々に変化するような中程度の大きさの「通常欠陥」が検知され、さらに演算処理ユニット16−3では、80ライン程度の非常に広い範囲にわたって明度が変化するような「色むら欠陥」が検知される。演算処理ユニット16−1,16−2,16−3の各判定器19−1,19−2,19−3の判定結果は、例えばパーソナルコンピュータにより処理されて図示しない表示装置により表示される。
【0040】
図4は、本実施形態における検査結果の表示例である。検査対象物10の画像上に、上述した「微小欠陥」「通常欠陥」「色むら欠陥」がそれぞれの区別が付くように、例えば色を異ならせた欠陥像41,42,43として表示される。このような表示から、各種の欠陥が検査対象物10上にどのように分布しているかを明確に把握することができる。
【0041】
(第3の実施形態)
図5に、本発明の第2の実施形態における演算処理装置の構成を示す。本実施形態における演算処理装置20は、縦続接続された複数のラインメモリ21−1〜21−3と、これらのラインメモリ21−1〜21−3の入出力の画像データの加算値を求める加算器22および判定器23によって構成される。
【0042】
すなわち、図1のディジタルカメラ11からのディジタル化された画像データは、1段目のラインメモリ21−1と加算器22に入力され、1段目のラインメモリ17−1から出力される画像データは、2段目のラインメモリ21−2と加算器22に入力され、同様に2段目のラインメモリ21−2から出力される画像データは、3段目のラインメモリ21−3と加算器22に入力され、さらに3段目のラインメモリ21−3から出力される画像データは、加算器22に入力される。そして、加算器22でこれら4つの画像データの加算値が求められる。
【0043】
加算器22から出力される加算値は、判定器23に入力される。判定器23は第1の実施形態と同様に例えばコンパレータにより構成され、この例では加算器22から出力される加算値を適当なしきい値THと比較することによって、検査対象物10の表面欠陥の有無を判定し、その判定結果を表面状態の検査結果として出力する。
【0044】
加算器22に入力される4つの画像データは、ラインメモリ21−1〜21−3により互いに1主走査ライン分の遅延時間を持っているので、一次元イメージセンサ13の同一素子から連続した4主走査ラインにわたって得られる画像信号に対応している。従って、加算器22ではある時点で見ると、一次元イメージセンサ12の同一素子に対応して得られる画像データが加算される。そして、この加算操作が一次元イメージセンサ13の各素子に対応して4主走査ラインにわたって得られる画像データについてそれぞれ行われ、さらに同様の加算操作が検査対象物10の移動に伴い、順次1主走査ラインずつずれた連続した4主走査ラインにわたって得られる画像データについて順次行われる。
【0045】
このように一次元イメージセンサ12の同一素子に対応して得られる画像データを加算すると、つまり画像データを副走査方向(時間軸方向)に加算すると、素子ばらつきの影響を受けることなく、判定器23に入力する画像データ(加算値)を大きくとることができ、一次元イメージセンサ13の出力の段階では画像信号レベルの非常に小さいような低コントラストの欠陥でも容易に検知することが可能となる。
【0046】
なお、図5では簡単のため3個のラインメモリ21−1〜21−3を縦続接続しているが、実際には10〜数10個の程度ラインメモリを縦続接続して、連続した10〜数10主走査ラインの画像データを加算器22で加算することが望ましい。
【0047】
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態における演算処理装置の構成を示している。本実施形態における演算処理装置30は、縦続接続されたラインメモリ群31−1〜31−7、マルチプレクサ32、二つの加算器33−1,33−2、相関器34および判定器35によって構成される。
【0048】
図1のディジタルカメラ11からのディジタル化された画像データは、初段のラインメモリ31−1に入力され、この画像データとラインメモリ群31−1〜31−7の出力の画像データがマルチプレクサ32に入力される。マルチプレクサ32は、ラインメモリ群31−1〜31−7から二つのグループを選択して、第1グループのラインメモリから出力される画像データを第1の加算器33−1に入力し、第2グループのラインメモリから出力される画像データを第2の加算器33−2に入力する。
【0049】
なお、図6ではラインメモリ群31−1〜31−7は7個であるが、実際には数個〜数100個と多数である。また、図6では加算器33−1,33−2にそれぞれ4個の画像データを入力しているが、実際には10〜数100個程度の画像データを入力するようにする。
【0050】
第1の加算器33−1では、ラインメモリ群31−1−〜31−7からマルチプレクサ32で選択された第1グループのラインメモリより出力される画像データを加算するため、ある時点で見れば一次元イメージセンサ13の同一素子に対応して連続した数10主走査ラインにわたって得られる画像データを加算することになる。
【0051】
同様に、第2の加算器33−2では、ラインメモリ群31−1−〜31−7からマルチプレクサ32で選択された第2グループのラインメモリより出力される画像データを加算するため、ある時点で見れば一次元イメージセンサ13の同一素子に対応して連続し、かつ第1の加算器33−1で画像データが加算される主走査ラインとは副走査方向の位置が隣接または離れた数10主走査ラインにわたって得られる画像データを加算することになる。
【0052】
こうして得られた第1の加算器33−1からの加算値と第1の加算器33−2からの加算値は相関器34によって相関演算が行われ、相関値が出力される。相関器34は、具体的には減算器または除算器で構成される。
【0053】
この相関器34から出力される相関値は、第1の実施形態と同様に例えばコンパレータにより構成された判定器35に入力され、適当なしきい値THと比較されることによって、検査対象物10の表面欠陥の有無が判定され、その判定結果が表面状態の検査結果として出力される。
【0054】
本実施形態によると、例えば一次元イメージセンサ13の熱擾乱ノイズや検査対象物10を照明する光源のリップルなどの影響により、加算器33−1に入力される画像データと加算器33−2に入力される画像データの基準レベルが異なっている場合でも、相関器34の相関演算の過程で基準レベルの相違はキャンセルされ、欠陥に対応した画像データの変化分のみが抽出されるので、より正確に欠陥を検知することができる。
【0055】
(第5の実施形態)
図7は、本発明の第5の実施形態における演算処理装置の構成を示すブロック図である。本実施形態における演算処理装置50は、二次元メモリアレイ51と読み出し制御回路52および演算処理ブロック53からなる。
【0056】
図1のディジタルカメラ11からのディジタル化された画像データは、二次元メモリアレイ51に連続した複数の主走査ライン分が書き込まれる。二次元メモリアレイ51は通常のラインメモリと異なり、任意の画素単位で読み出しが可能なメモリであり、読み出し画素の位置は読み出し制御回路52によって制御される。二次元メモリアレイ51から読み出された画像データは、演算処理ブロック53に入力される。演算処理ブロック53は、例えば図5における加算器22と判定器23、あるいは図6におけるマルチプレクサ32、加算器33−1,33−2、相関器34および判定器35の部分に相当する処理を行うものである。
【0057】
読み出し制御回路52は、図示しないシステムコントローラから与えられる検査モード信号に従って、表面検査の検査モードに応じた読み出しパターンで二次元メモリアレイ51から画像データの読み出しが行われるように読み出し動作が制御される。検査モードとしては基本的に二つのモード(便宜上、標準検査モードと特殊検査モードとする)が用意されており、これらの検査モードに応じた検査モード信号が読み出し制御回路52に与えられる。
【0058】
具体的には、標準検査モードの場合、読み出し制御回路52は二次元メモリアレイ51が第3、第4の実施形態と同様に縦続接続された複数のラインメモリと等価な読み出し動作を行うように二次元メモリアレイ51の読み出し画素の位置を制御する。これにより二次元メモリアレイ51からは第3、第4の実施形態と同様、各ラインメモリの入出力に相当する画像データが図8の斜線61に示されるように副走査方向に読み出され、演算処理ブロック53によって演算処理される。
【0059】
一方、特殊検査モードの場合には、読み出し制御回路52は二次元メモリアレイ51から画像データが主走査方向および副走査方向に対して斜めの方向に読み出されるように二次元メモリアレイ51の読み出し画素の位置を制御する。すなわち、図8の斜線62に示されるように、i番目の主走査ラインからj番目の画素の画像データが読み出されたとすると、次のi+1番目の主走査ラインからはj+1番目の画素の画像データ、i+2番目の主走査ラインからはj+2番目の画素の画像データ…というように、隣接する主走査ライン毎に主走査ライン方向に1画素ずつずれた位置の画素の画像データが順次読み出され、演算処理ブロック53によって演算処理される。
【0060】
ここで、演算処理ブロック53が例えば図5中に示したように加算器22と判定器23により構成されている場合を例にとると、加算器22においては二次元メモリアレイ51から主走査方向および副走査方向に対して斜めの方向に読み出された画像データが加算され、この加算値に対して判定器23で判定が行われることになる。この特殊検査モードは、検査対象物上の斜めの筋状の欠陥などを検査する場合に有効である。
【0061】
上述の説明では、二次元メモリアレイ51から主走査方向および副走査方向に対して斜めの方向に画像データを読み出す場合、図8の斜線62のように隣接する主走査ライン間で主走査方向に1画素ずつ読み出し位置の画素をずらせたが、読み出し位置の画素をずらせる量は2画素、3画素…というように適宜変更できることはいうまでもなく、また読み出し位置をずらせる方向についても、図8の例では左下がりとしたが、右下がりにすることも可能である。
【0062】
なお、以上の各実施形態では一次元イメージセンサを有するカメラを用いた場合について説明したが、二次元イメージセンサを有するカメラを用いた場合にも本発明を適用することができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によればイメージセンサを有するカメラにより検査対象物上を空間軸の方向に走査して得られた画像データに対し、時間軸の方向に演算処理を施して、検査対象物の表面状態を検査することにより、一次元イメージセンサの素子ばらつきの影響を除去して、検査対象物上の欠陥の有無などの表面状態を精度よく検査することができる。
【0064】
本発明は、押し出し成形物、引き抜き成形物、ロール成形物などの対象物の表面検査に有効であり、具体的には、例えば「H鋼」、「パイプ」、電子部品の搭載用に用いられる段付きの銅合金製の「鋼条」、各種電子機器の放熱部、空調機の熱交換部などに適用されるアルミ成形材からなる「冷却フィン」、露出取り付けの電線やパイプなどのための樹脂製の成形品からなる「樹脂カバー」、カラーコード付きの平行電線である「フラットケーブル」、鳴門、スパゲッティ、金太郎飴などの同一断面の長尺な「食品類」、ブルドーザなどのキャタピラの構成部品である「履板」、凹凸のある「ベルト」、「消しゴム」、「矢板」、「レール」、「アルミサッシ」、「碍子」、「アルミホイール」、「波板」など種々の対象物の表面検査に適用が可能である。
【0065】
これらのうち、例えばカラーコード付きのフラットケーブルは、色の異なる被覆電線を平行に一体化したものであり、被覆の色毎に明度が異なるため、主走査方向(空間軸の方向)に演算処理を行う従来の検査システムでは、表面検査ができなかったが、本発明によると画像データを副走査方向(時間軸の方向)に演算処理することで、このような色毎の明度差の影響を受けることなく、表面検査を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る表面検査システムの構成を示すブロック図
【図2】本発明の基本原理を説明するためのディジタルカメラから出力される画像データの概念図
【図3】本発明の第2の実施形態に係る表面検査システムにおける演算処理装置の構成を示すブロック図
【図4】同実施形態における検査結果の表示例を示す図
【図5】本発明の第3の実施形態に係る表面検査システムにおける演算処理装置の構成を示すブロック図
【図6】本発明の第4の実施形態に係る表面検査システムにおける演算処理装置の構成を示すブロック図
【図7】本発明の第5の実施形態に係る表面検査システムにおける演算処理装置の構成を示すブロック図
【図8】同実施形態の動作を説明するための図
【符号の説明】
10…検査対象物
11…ディジタルカメラ
12…結像レンズ
13…一次元イメージセンサ
14…増幅器
15…A/Dコンバータ
16…演算処理装置
16−1〜16−3…演算処理ユニット
17,17−1〜17−3…Nラインメモリ
18,18−1〜18−3…相関器
19,19−1〜19−3…判定器
20…演算処理装置
21−1〜21−3…ラインメモリ
22…加算器
23…判定器
30…演算処理装置
31−1〜31−7…ラインメモリ
32…マルチプレクサ
33−1,33−2…加算器
34…相関器
35…判定器
41…微小欠陥の欠陥像
42…通常欠陥の欠陥像
43…色むら欠陥の欠陥像
50…演算処理装置
51…二次元メモリアレイ
52…読み出し制御回路
53…演算処理ブロック
Claims (5)
- 複数の光電変換素子を少なくとも主走査方向に配列して構成されるイメージセンサを有し、該主走査方向と直交する副走査方向に相対的に移動する検査対象物上を該主走査方向に走査して画像データを出力するカメラと、
前記画像データに対し前記副走査方向に演算処理を施して前記検査対象物の表面状態を求める複数の演算処理ユニットとを備え、
前記複数の演算処理ユニットは、前記カメラから出力される連続したN主走査ライン分(Nは1以上の任意の整数)の画像データを記憶するNラインメモリと、前記Nラインメモリの入出力の画像データ間の相関値を求める相関器と、前記相関器から出力される相関値の大きさを判定して前記検査対象物の表面状態の検査結果を得る判定器とをそれぞれ有し、かつ各々の演算処理ユニットにおける前記Nラインメモリは前記Nの値が互いに異なり、前記複数の演算処理ユニットは前記検査対象物の表面状態に関して前記Nの値に応じた大きさの欠陥検知を同時並行的に行うことを特徴とする表面検査システム。 - 前記相関器は、減算器または除算器であることを特徴とする請求項1に記載の表面検査システム。
- 前記判定器は、入力される相関値を所定のしきい値と比較することにより前記検査対象物の表面状態の検査結果を得ることを特徴とする請求項1に記載の表面検査システム。
- 前記判定器の判定結果を表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の表面検査システム。
- 前記複数の演算処理ユニットにおける各判定器の判定結果を互いに色を異ならせて表示する表示手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の表面検査システム。
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