JP3739912B2 - エアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイール - Google Patents
エアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイール Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、膨出するエアバッグを備えたエアバッグ装置をステアリングホイール本体に取り付けるエアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイールに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、膨出するエアバッグを備えたエアバッグ装置は、両側部あるいは底面部を、ステアリングホイール本体に設けたブラケット部にボルトおよびナットを用いて締結して取り付けられている。
【0003】
しかしながら、エアバッグ装置は、通常、ステアリングシャフトにあらかじめ取り付けられた状態のステアリングホイール本体に取り付けられるが、ステアリングホイール本体の周辺には、いわゆるコンビーネーションスイッチや、ドア、シートなどの部材が配置されているため、作業スペースが小さく、取付作業が容易でない問題を有している。
【0004】
この点、例えば、米国特許第5380037号明細書に記載されているように、エアバッグ装置から、ステアリングホイール本体側に向かってピン状の部材を突設し、この部材をステアリングホイール本体に所定範囲で進退可能に圧入係合した構成が知られている。しかしながら、この構成では、エアバッグの膨出時の衝撃が、このピン状の部材の軸方向に沿って、すなわちこのピン状の部材を引き抜く方向に加わる場合があるため、このピン状の部材およびこの部材を係止する部材の強度を充分に確保する必要があり、製造コストの低減が困難である問題を有している。
【0005】
また、例えば、ドイツ国実用新案公告第DE29602630U1号明細書に記載されているように、エアバッグ装置を所定の取付方向に沿ってステアリングホイール本体側に押圧することにより、エアバッグ装置に設けた取付片の通孔に、この取付方向と交差する方向に弾性的に進退するピンが係合して、エアバッグ装置を保持する構成が知られている。しかしながら、この構成では、点検などのためにエアバッグ装置を取り外す際に、すべてのピンを付勢力に抗して後退させた状態で、エアバッグ装置を引き抜く作業が必要で、作業性が悪い問題を有している。
【0006】
また、例えば、特開平7−69154号公報に記載されているように、エアバッグ装置の外周部から放射方向に向かい、弾性的に進退可能な可動ピンを突設し、これらの可動ピンをステアリングホイール本体側に形成した孔部に係合する構成や、略円柱状をなすエアバッグ装置の外周部から放射方向に向かい固定ピンを突設し、ステアリングホイール本体側に形成した溝部に各固定ピンを挿入しエアバッグ装置を回転しながらねじ込むようにして係合する構成が知られている。しかしながら、弾性的に進退可能な可動ピンを孔部に係合する構成では、上記ドイツ国実用新案公告第DE29602630U1号明細書記載の構成と同様に、エアバッグ装置の取り外しの作業性が悪いとともに、エアバッグ装置を回転させながらねじ込むように係合する構成では、エアバッグ装置の外観が制限されるとともに、エアバッグ装置とステアリングホイール本体との間の隙間を小さくすることが困難で、外観の向上が困難である問題を有している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のように、エアバッグ装置をステアリングホイール本体などの被取付部材に係合する構成において、特に、エアバッグ装置の取り付けを容易かつ強固にするために、エアバッグ装置の取付方向と交差する方向に係合するピンを弾性的に突設する構成では、エアバッグ装置の取り外しの作業性が悪い問題を有している。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、エアバッグ装置を容易かつ強固に取り付けできるとともに、エアバッグ装置の取り外しの作業性も良好なエアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイールを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のエアバッグ装置の取付装置は、膨出するエアバッグを備えたエアバッグ装置を被取付部材に取り付けるエアバッグ装置の取付装置であって、前記エアバッグ装置および前記被取付部材の一方には、係合部を設けた係合機構が備えられ、他方には、前記係合部を受け入れ係合する係合受部を設けた係合受機構が備えられ、前記係合機構は、前記エアバッグ装置を前記被取付部材に取り付ける取付方向と交差する方向に沿って、前記係合部を前記係合受部に係合する係合位置から係合が解除される解除位置まで進退可能に案内する案内手段と、前記係合部を前記係合位置側に付勢する付勢手段と、前記係合部を前記解除位置に保持可能なロック手段とを備えたものである。
【0010】
そして、この構成では、エアバッグ装置を所定の取付方向に沿って押し込むことにより、係合位置にある係合部を付勢手段の付勢力に抗して一旦解除位置側に移動させ、この係合部が係合位置に復帰した状態で、係合部が係合受部に係合し、エアバッグ装置が被取付部材に容易に取り付けられる。この状態で、係合部は係合受部に取付方向と交差する方向に係合し、エアバッグ装置が被取付部材に強固に保持される。一方、ロック手段を用いて各係合部を解除位置に保持することにより、エアバッグ装置が容易に取り外される。
【0011】
請求項2記載のエアバッグ装置の取付装置は、請求項1記載のエアバッグ装置の取付装置において、係合部は、進退方向を回転軸として回転可能に設けられ、ロック手段は、係合部に設けられた係止部と、この係止部を前記進退方向に沿って自在に挿通させる挿通部と、この挿通部に周方向に隣接して形成され前記係止部を係止する係止受部とを備えたものである。
【0012】
そして、この構成では、係止部を付勢手段の付勢力に抗して移動させ、続いてこの係止部を所定角度回転させて、係止部を係止受部に係止する簡単な作業により、係合部が解除位置に保持されるので、エアバッグ装置の取り外しの作業性が向上するとともに、ロック機構の構成を簡略化して、製造コストの低減が可能になる。
【0013】
請求項3記載のエアバッグ装置の取付装置は、請求項1または2記載のエアバッグ装置の取付装置において、係合部は、係合受部に回動可能に係合されたものである。
【0014】
そして、この構成では、膨出したエアバッグあるいは被取付部材が衝撃を受け止め、エアバッグ装置の取付装置あるいは被取付部材に変形が生じた場合などに、係合部を回転軸としてエアバッグ装置が衝撃を受けた側へ傾動することが可能になり、拘束特性の向上が可能になる。
【0015】
請求項4記載のステアリングホイールは、係合受機構を設けた被取付部材を備えたステアリングホイール本体と、係合機構を備えたエアバッグ装置と、請求項1ないし3いずれか記載のエアバッグ装置の取付装置とを具備したものである。
【0016】
そして、この構成では、請求項1ないし3いずれか記載のエアバッグ装置の取付装置を備えたため、エアバッグ装置がステアリングホイール本体に容易かつ強固に取り付けられるとともに、エアバッグ装置のステアリングホイール本体からの取り外しの作業性も良好になる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のエアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイールの一実施の形態を図面を参照して説明する。
【0018】
図2において、1は自動車のステアリングホイールで、このステアリングホイール1は、ステアリングホイール本体2と、このステアリングホイール本体2の乗員側に取り付けられたエアバッグ装置3となどから構成されている。なお、ステアリングホイールは、適宜調節可能に傾斜したステアリングシャフトに取り付けられ、通常傾斜した状態で用いられるものであるが、以下、エアバッグ装置3が取り付けられた乗員側を上側あるいは正面側とし、車体側を下側あるいは裏面側とするとともに、ステアリングシャフトに沿って下側に向かう方向を取付方向として説明する。そして、ステアリングホイール本体2は、円環状のリム部5と、このリム部5の内側に位置するボス部6と、これらリム部5とボス部6とを連結する複数の、本実施の形態では4本のスポーク部7となどから形成されている。そして、ボス部6の下部には、ステアリングシャフトに嵌着する円筒状のボスと、このボスに別体または一体に固着されたボスプレートとが設けられ、このボスプレートに、図1、図3、および図4に示すように、ホーンスイッチ機構Hが取り付けられている。
【0019】
そして、このホーンスイッチ機構Hは、両側一対あるいは枠状をなす被取付部材としてのホーンプレート11を備えている。そして、このホーンプレート11は、ボスプレートなどに設けた固定接点に接離する可動接点を備えたもので、プレス加工などにより形成され、このホーンプレート11の両側部に、係合受機構としてのブラケット部12が延設して形成されている。また、このブラケット部12は、ホーンプレート11の外周部に形成したフランジ部14から上側に一体に延設された延設部であり、垂直状をなす基板部15と、この基板部15の上端部が外方に傾斜して折曲された傾斜案内部16と、基板部15に両側方向すなわち取付方向と直交する水平方向を軸方向として左右同軸状に形成された係合受部としての取付孔17となどを備えている。なお、ホーンプレート11は、ボス部6のボスプレートに設けるほか、スポーク部7のスポーク芯金に支持させることもできる。
【0020】
また、ボス部6の下側部は、図示しない下部カバーにより覆われている。
【0021】
さらに、エアバッグ装置3は、支持部材であるベースプレート21と、このベースプレート21に取り付けられるカバー体22、図示しない袋状のエアバッグ、ガスを噴射するインフレータ24、およびリテーナ25などから構成されている。
【0022】
そして、ベースプレート21は、金属板のプレス加工あるいはアルミニウム合金、マグネシウム合金などの鋳造により、略矩形板状をなす基板部31と、この基板部31の外周部から下方に略角筒状に延設された周板部32とを有した略箱状に形成されている。そして、基板部31には、図示しない円孔状のインフレータ取付孔が形成され、このインフレータ取付孔に開口部を位置合わせてして、基板部31の上側に折り畳んだエアバッグが配置されるとともに、基板部31の下側から、インフレータ取付孔にインフレータ24の円柱状をなす本体部が挿入されている。そして、エアバッグの開口部の周縁の上側部には、リテーナ25の環状をなす本体が配置されるとともに、このリテーナ25の本体に一体的に固着された4本のボルト34にナット35を螺合することにより、リテーナ25の本体とナット35との間に、エアバッグ、基板部31、およびインフレータ24が共締めして固定されている。
【0023】
また、ベースプレート21の周板部32には、所定間隔でリベット孔が形成されているとともに、この周板部32の両側部には、係合機構取付部37が設けられている。そして、各係合機構取付部37には、それぞれ円孔状をなす軸孔38が形成されているとともに、これら軸孔38の前後に位置して、軸孔38より径寸法の小さい取付孔39が形成されている。
【0024】
また、カバー体22は、ステアリングホイール本体2のボス部6およびスポーク部7の一部の表面側を覆う被覆部41と、この被覆部41の裏面から下方に垂直状に突設された取付壁部42とが、例えば、オレフィン系熱可塑性エラストマーを金型を用いて射出成形して形成されている。また、被覆部41の裏面には、取付壁部42に囲まれた部分に位置し、平面略H字状などをなして、他の部分より脆弱なテアラインが凹設して薄肉に形成されている。さらに、取付壁部42には、所定間隔でリベット孔が形成されているとともに、この取付壁部42の両側部には、係合機構取付部37に対応して矩形状の切欠部43が形成されている。そして、このカバー体22は、折り畳んだエアバッグを覆うようにして上側からベースプレート21に被せられ、取付壁部42を周板部32の外側に嵌合するとともに、各リベット孔に挿入されたリベットRをかしめて、ベースプレート21に固定されている。
【0025】
また、ベースプレート21の各係合機構取付部37の内側には、それぞれ係合機構(固定装置)46が取り付けられている。そして、この係合機構46は、案内手段としてのケース47と、可動ピン48と、付勢手段としての弾性体であるコイルスプリング49となどから構成されている。
【0026】
そして、ケース47は、金属または硬質樹脂により一体に形成され、一端を開口し他端を閉じた略円筒箱状に形成されたケース本体51を備えている。また、このケース本体51の一端からは、外周側に向かい、矩形板状の延設部52が形成されているとともに、各延設部52には、それぞれ取付孔であるねじ孔53か形成されている。さらに、このケース本体51の側部には、ケース本体51の中心軸に対して各延設部52と直交する位置に、対をなすL字状のL字切欠部55が互いに回転対称に形成されている。すなわち、このL字切欠部55は、一端の開口に連通しケース本体51の軸方向に延びる挿通部56と、この挿通部56の先端部に連続し、周方向に延びる係止受部57とを備えている。
【0027】
また、可動ピン48は、円筒状あるいは円錐状などのピン状をなす係合部(胴体部)60と、この係合部60の基端部に一体に設けられた付勢手段受部61とを備えている。そして、係合部60の径寸法は、取付孔17の径寸法とほぼ等しく、この係合部60の先端部には、治具が係合するマイナスあるいはプラス状の溝の操作部63が形成されているとともに、この係合部60の先端部が切り欠かれ傾斜面64が形成されている。一方、付勢手段受部61は、ケース本体51の内側に摺動自在に嵌合する径寸法を有している。また、この付勢手段受部61の基端側の面には、コイルスプリング49の端部が嵌合する凹部66が形成されているとともに、外周部からは、外周側に向かい、一対の係止部(突設部)67が突設されている。そして、この係止部67とL字切欠部55とにより、ロック手段68が構成されている。
【0028】
そして、この係合機構46は、ケース47の内側にコイルスプリング49を挿入し、さらに、L字切欠部55に係止部67を挿入した状態で、ケース47の内側に可動ピン48を挿入することにより構成され、さらに、ケース47の各延設部52をベースプレート21の係合機構取付部37の内面に当接し、係合機構取付部37の外側から各取付孔39に挿入された取付ねじ70をねじ孔53に螺合することにより、ベースプレート21に取り付けられている。
【0029】
そして、この状態において、可動ピン48の係止部67をL字切欠部55の挿通部56に位置させると、可動ピン48は軸方向すなわちエアバッグ装置3の左右方向に移動可能になり、かつ、コイルスプリング49に付勢されて、前進限である係合位置に位置し、係合部60が軸孔38を介して外側に突出する。一方、操作部63に係合する治具などを用い、コイルスプリング49の付勢力に抗して可動ピン48を後退限すなわち解除位置まで押し込み、所定方向に回動させ、係止部67をL字切欠部55の係止受部57に係止することにより、可動ピン48は解除位置で保持され、係合部60が軸孔38の内側に位置して突出しない状態となる。
【0030】
次に、図4を参照して、エアバッグ装置3をステアリングホイール本体2に取り付ける動作を説明する。
【0031】
まず、ステアリングホイール本体2をあらかじめステアリングシャフトに嵌着し固定した状態で、図3に示すように、エアバッグ装置3をステアリングホイール本体2のボス部6に位置するホーンプレート11に対して位置決し、所定の取付方向に押し込む。すると、図4(a)に示すように、まず、ベースプレート21の係合機構取付部37が、ホーンプレート11のブラケット部12の内側に嵌合するとともに、係合位置に突出した各可動ピン48の係合部60の傾斜面64が、ブラケット部12の傾斜案内部16に当接する。続いてエアバッグ装置3を押し込むと、図4(b)に示すように、これら傾斜面64と傾斜案内部16とが摺接しつつ、コイルスプリング49の付勢力に抗して、各可動ピン48が内側に押し込まれる。さらにエアバッグ装置3を押し込み、各可動ピン48の係合部60の位置がブラケット部12の取付孔17の位置に合うと、図4(c)に示すように、コイルスプリング49の付勢力により、各可動ピン48が外側に突出し、係合部60が取付孔17に係合する。さらに、この状態で、エアバッグ装置3が複数か所でホーンプレート11に当接してがたつくことなく取り付けられ、このホーンプレート11を介して、エアバッグ装置3がステアリングホイール本体2に取り付けられる。
【0032】
一方、点検などの際に、エアバッグ装置3を取り外す際は、エアバッグ装置3の各可動ピン48について、順次、汎用のねじ回しなどの治具を操作部63に係合し、内側に押し込み所定角度回動させて、係止部67を係止受部57に係止する。この状態で、可動ピン48の係合部60は、解除位置に後退した状態で保持され、係合部60と軸孔38との係合が解除される。そこで、エアバッグ装置3を取付方向の反対方向に引き抜くことにより、エアバッグ装置3がステアリングホイール本体2から容易に取り外される。
【0033】
このように、本実施の形態によれば、エアバッグ装置3は、一方向に押し込むことで、容易にステアリングホイール本体2に取り付けでき、作業性を向上し、工数を削減して、コストを低減できる。
【0034】
また、可動ピン48の係合部60の進退方向は、エアバッグ装置3の取付方向と略直交する方向であり、エアバッグ装置3の動作時にこの取付方向に沿って力が加わる際にも、従来のボルトを用いた固定と同様に、エアバッグ装置3を強固に保持できる。
【0035】
一方、エアバッグ装置3を取り外す時は、各可動ピン48の係合を順次解除してエアバッグ装置3を引き抜けば良く、複数の可動ピンを押えながらエアバッグ装置を引き抜く必要がある構成に比べて、作業性を向上できる。
【0036】
さらに、エアバッグ装置全体を回転させて係合する構成に比べて、エアバッグ装置3の外観の自由度を向上でき、エアバッグ装置3とステアリングホイール本体2との間隔も小さくできるため、ステアリングホイール1の外観を向上することができる。
【0037】
また、各可動ピン48を解除位置に保持するロック手段は、構造が簡略で製造コストを低減できるとともに、可動ピン48を押し込み回転する一連の動作で操作できるため、作業性を向上できる。
【0038】
さらに、可動ピン48の係合部60とホーンプレート11の取付孔17とがそれぞれ断面円形状で互いに回動可能であるため、例えば、ステアリングホイール本体2のリム部5に衝撃が加わり、スポーク部7の芯金のボスプレート側の付け根が変形してリム部5が形成する面であるグリップ面が傾いた場合などには、膨出展開したエアバッグに乗員が当接すると、エアバッグ装置3がグリップ面に追従回動することにより、乗員拘束特性を大幅に向上できる。
【0039】
なお、上記の実施の形態では、進退可能な係合部60を設けた係合機構46をエアバッグ装置3側に取り付け、係合受部としての取付孔17をステアリングホイール本体2側のホーンプレート11に設けたが、進退可能な係合部を設けた係合機構をステアリングホイール本体側に設け、この係合部に係合する係合受部をエアバッグ装置側に設けることもできる。なお、以下、上記の形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0040】
例えば、図5に示す第2の実施の形態では、進退可能な係合部60を設けた係合機構46をステアリングホイール本体2側のボスプレート6aの左右両側に取り付けるとともに、エアバッグ装置3には、図8に示すように、ベースプレート21の周板部32に延設部71が形成され、この延設部71に、係合受部としての取付孔17が形成されている。また、この実施の形成では、図5に示すように、係合機構46はボスプレート6aの上面に取り付けられるため、案内手段としてのケース47から延設した取付用の延設部52は、水平な板状に形成されている。さらに、ボスプレート6aの両側部には、ボスプレート6aに一体または別体に、立壁部72が形成されている。そして、各立壁部72は、互いに平行に相対向する内壁部73と外壁部74とを備え、これら内壁部73と外壁部74とに同軸状に、係合部60が自在に挿入される通孔76が形成されている。そして、ケース47は、内壁部73に沿って配置され、取付ねじ70にて締結固定されている。そして、係合部60は、係合位置では、内壁部73の通孔76を貫通し、外壁部74の通孔76の少なくとも3分の1まで達する長さに形成されている。また、係合部60の先端部の傾斜面64は、上側すなわちエアバッグ装置3側に向かって傾斜するように形成されている。なお、図5には、アルミニウム合金あるいはマグネシウム合金など鋳造により一体的に形成されたボスプレート6a、ボス6b、およびスポーク芯金7aなどからなる芯金Sが図示されている。
【0041】
また、上記の各実施の形態において、係合機構の一部、特に案内手段としてのケースなどについては、一部または前部をエアバッグ装置あるいはステアリングホイール本体側の部材に一体的に設け、構造を簡略化して製造コストを低減し、あるいは強度を向上することができる。
【0042】
例えば、図6に示す第3の実施の形態のように、案内手段としてのケース47の上半部47a および底部47b を、アルミニウム合金あるいはマグネシウム合金など鋳造により一体的に形成されたベースプレート21に一体に形成する一方、ケース47の蓋となる下半部47c を、金属板のプレス加工あるいは硬質樹脂を用いた成形により別体として形成し、この下半部47c を取付ねじ70にて上半部47a にねじ止めして、ケースとベースプレートとを略一体化することができる。
【0043】
さらに、例えば、図7ないし図9に示す第4の実施の形態のように、進退可能な係合部60を設けた係合機構46をステアリングホイール本体2側に設けた第2の実施の形態についても、案内手段としてケース47の上半部47a および底部47b をボスプレート6aに一体に形成し、この上半部47a の下側に形成された開口から可動ピン48を挿入するとともに、この開口を覆うようにして、金属板のプレス加工あるいは硬質樹脂を用いた成形による矩形板状の蓋である下半部47c を取付ねじ70にてねじ止めし、ケースと芯金とを略一体化することができる。さらに、この第4の実施の形態では、ボスプレート6aの前部両側および後部両側のスポーク芯金7aから、それぞれ上側に向かって受け部81を突設するとともに、この受け部81の先端部に、エアバッグ装置3に当接するゴムなどの弾性変形可能なキャップ82を嵌着している。
【0044】
そして、この第4の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、まず、図8(a)に示すように、エアバッグ装置3のベースプレート21の延設部71を、内壁部73と外壁部74との間に位置合せして、このエアバッグ装置3を取付方向すなわち下側に押し込むことにより、図8(b)に示すように、各延設部71の下端部に傾斜面64が当接して可動ピン48が内側に押し込まれ、エアバッグ装置3をさらに押し込み、係合部60が取付孔17に位置合せされた状態で、図8(c)に示すように、可動ピン48が外側に突出して係合部60が取付孔17に係合し、エアバッグ装置3をステアリングホイール本体2に容易かつ強固に取付できる。また、各可動ピン48を押し込み回動させることにより、エアバッグ装置3を容易に取り外しできるなど、他の作用効果についても、第1の実施の形態と同様に実現できる。さらに、この実施の形態では、可動ピン48が、ボスプレート6aに一体に形成したケース47に下側から挿入されるため、エアバッグ装置3を強固に保持できる。また、エアバッグ装置3を取り付けた状態で、受け部81に嵌着したキャップ82が圧縮された状態にすると、このキャップ82の弾性力により、エアバッグ装置3は常に乗員側に付勢され、がたつきや音の発生を防止できる。そして、例えば図9に示すように、ステアリングホイール本体2のリム部5に衝撃が加わり、スポーク芯金7aのボスプレート6a側の付け根が変形してリム部5が形成する面であるグリップ面が傾いた場合などには、可動ピン48の係合部60とエアバッグ装置3の取付孔17とがそれぞれ断面円形状で互いに回動可能であるため、膨出展開したエアバッグに乗員が当接すると、エアバッグ装置3がグリップ面に追従回動することにより、乗員拘束特性を大幅に向上できる。
【0045】
また、上記の各実施の形態において、各可動ピン48には2箇所に係止部67を設けたが、この係止部は1箇所としても良く、あるいは3箇所以上に形成しても良い。
【0046】
【発明の効果】
請求項1記載のエアバッグ装置の取付装置によれば、エアバッグ装置を所定の取付方向に沿って押し込むことにより、係合位置にある係合部を付勢手段の付勢力に抗して一旦解除位置側に移動させ、この係合部が係合位置に復帰した状態で、係合部が係合受部に係合し、エアバッグ装置を被取付部材に容易に取り付けできる。この状態で、係合部は係合受部に取付方向と交差する方向に係合し、エアバッグ装置を被取付部材に強固に保持できる。一方、ロック手段を用いて各係合部を解除位置に保持することにより、エアバッグ装置を容易に取り外しできる。
【0047】
請求項2記載のエアバッグ装置の取付装置によれば、請求項1記載の効果に加え、係止部を付勢手段の付勢力に抗して移動させ、続いてこの係止部を所定角度回転させて、係止部を係止受部に係止する簡単な作業により、係合部が解除位置に保持されるので、エアバッグ装置の取り外しの作業性が向上するとともに、ロック機構の構成を簡略化して、製造コストの低減が可能になる。
【0048】
請求項3記載のエアバッグ装置の取付装置によれば、請求項1または2記載の効果に加え、膨出したエアバッグあるいは被取付部材が衝撃を受け止め、エアバッグ装置の取付装置あるいは被取付部材に変形が生じた場合などに、係合部を回転軸としてエアバッグ装置が衝撃を受けた側へ傾動することが可能になり、拘束特性を向上できる。
【0049】
請求項4記載のステアリングホイールによれば、請求項1ないし3いずれか記載のエアバッグ装置の取付装置を備えたため、エアバッグ装置をステアリングホイール本体に容易かつ強固に取り付けできるとともに、エアバッグ装置のステアリングホイール本体からの取り外しの作業性を良好にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のエアバッグ装置の取付装置の第1の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図2】同上エアバッグ装置の取付装置を備えたステアリングホイールの平面図である。
【図3】同上エアバッグ装置の取付装置の分解斜視図である。
【図4】同上エアバッグ装置の取付装置の取り付け動作の説明図である。
【図5】本発明のエアバッグ装置の取付装置の第2の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図6】本発明のエアバッグ装置の取付装置の第3の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図7】本発明のエアバッグ装置の取付装置の第4の実施の形態を示す分解斜視図である。
【図8】同上エアバッグ装置の取付装置の取り付け動作の説明図である。
【図9】同上エアバッグ装置の取付装置の衝撃を受けた際の動作の説明図である。
【符号の説明】
1 ステアリングホイール
2 ステアリングホイール本体
3 エアバッグ装置
11 被取付部材としてのホーンプレート
12 係合受機構としてのブラケット部
17 係合受部としての取付孔
46 係合機構
47 案内手段としてのケース
49 付勢手段としてのコイルスプリング
56 挿通部
57 係止受部
60 係合部
67 係止部
68 ロック手段
Claims (4)
- 膨出するエアバッグを備えたエアバッグ装置を被取付部材に取り付けるエアバッグ装置の取付装置であって、
前記エアバッグ装置および前記被取付部材の一方には、係合部を設けた係合機構が備えられ、他方には、前記係合部を受け入れ係合する係合受部を設けた係合受機構が備えられ、
前記係合機構は、
前記エアバッグ装置を前記被取付部材に取り付ける取付方向と交差する方向に沿って、前記係合部を前記係合受部に係合する係合位置から係合が解除される解除位置まで進退可能に案内する案内手段と、
前記係合部を前記係合位置側に付勢する付勢手段と、
前記係合部を前記解除位置に保持可能なロック手段とを備えた
ことを特徴とするエアバッグ装置の取付装置。 - 係合部は、進退方向を回転軸として回転可能に設けられ、
ロック手段は、係合部に設けられた係止部と、この係止部を前記進退方向に沿って自在に挿通させる挿通部と、この挿通部に周方向に隣接して形成され前記係止部を係止する係止受部とを備えた
ことを特徴とする請求項1記載のエアバッグ装置の取付装置。 - 係合部は、係合受部に回動可能に係合された
ことを特徴とする請求項1または2記載のエアバッグ装置の取付装置。 - 係合受機構を設けた被取付部材を備えたステアリングホイール本体と、
係合機構を備えたエアバッグ装置と、
請求項1ないし3いずれか記載のエアバッグ装置の取付装置と
を具備したことを特徴とするステアリングホイール。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30210397A JP3739912B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | エアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30210397A JP3739912B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | エアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイール |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH11129848A JPH11129848A (ja) | 1999-05-18 |
JP3739912B2 true JP3739912B2 (ja) | 2006-01-25 |
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Family Applications (1)
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JP30210397A Expired - Fee Related JP3739912B2 (ja) | 1997-11-04 | 1997-11-04 | エアバッグ装置の取付装置およびステアリングホイール |
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JP (1) | JP3739912B2 (ja) |
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KR100747397B1 (ko) | 2006-03-23 | 2007-08-07 | 현대모비스 주식회사 | 운전석 에어백과 스티어링 휠의 마운팅구조 |
-
1997
- 1997-11-04 JP JP30210397A patent/JP3739912B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH11129848A (ja) | 1999-05-18 |
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