JP3739909B2 - 使い捨ての喫茶用フィルタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、コーヒーや茶を入れるときに使用するのに好適な使い捨てのフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
実登3000423号公報に開示の使い捨ての喫茶用フィルタは、袋状のフィルタ本体と、比較的高剛性の環状の支持部材とで構成されていて、本体の開口縁部が環状部材の内周面に固定されている。この喫茶用フィルタでは、環状部材をコーヒーカップや湯呑み茶碗等のカップ類の開口縁に載置することによって、コーヒー粉末や茶葉を入れた袋状の本体をカップ類の上にかざすことができるから、湯を注ぐときに本体や環状部材を手で支える必要がない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記公知の喫茶用フィルタでは、フィルタの抽出速度が速すぎて、例えばコーヒー粉末と湯との接触時間が短すぎる場合には、湯をゆっくりと注がねばならない。そのようにすることは、例えば湯を注ぐためのポットを長く持ち続けることになるから、そうした手間は極力排除することが好ましい。
【0004】
そこで、この発明は、前記公知の喫茶用フィルタにおいて、速すぎる抽出速度の抑制を課題にしている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、この発明が対象とするのは、透水性シート材料でつくられた袋をフィルタ本体として含む使い捨ての喫茶用フィルタである。
【0006】
かかる喫茶用フィルタにおいて、この発明が特徴とするところは、前記本体が、頂部開口と前記開口に対向している底部とこれら両部間に位置する周壁部とを有していて、該本体よりも大きくて不透水性シート材料でつくられた外袋の内側に、互いの頂部開口と底部と周壁部との位置をほぼ一致させて納められ、これら本体と外袋とが、同時に開口可能となり、かつ、実質的に取り外すことができないように、互いの頂部開口縁部に近い部位において前記頂部開口の周り方向で互いに部分的に接合しており、前記外袋は、その底部に該外袋に透水性を付与することが可能な径0.2〜5mmを有する透孔が底部の長さ50mm当りについて1〜20ケ所の割合で形成されており、該外袋の周壁部外面に該外袋をコーヒーカップや湯呑み茶碗等のカップ類の開口にかざすことを可能にする支持手段が形成されていること、にある。
【0007】
【発明の実施の形態】
添付の図面を参照して、この発明に係る使い捨ての喫茶用フィルタの詳細を説明すると、以下のとおりである。
【0008】
図1は、喫茶用フィルタ1の使用状態を示す斜視図である。喫茶用フィルタ1は、内袋2と、外袋3と、環状部材4とで構成されていて、内袋2の中にはコーヒー粉末6が所要量入れられており、環状部材4がコーヒーカップ7の開口縁部8に載置されている。環状部材4は、その下縁部9に形成されている逆V字状の切り欠き部11を利用して、下縁部9の周り方向の一部分がカップ7の内側となり、残余の部分がカップ7の外側となるようにしてカップ開口縁部8を挟んでいる。環状部材4の内側で大きく開口している内袋2に湯を注ぎコーヒーを抽出する。
【0009】
図2,3は喫茶用フィルタ1の部分破断斜視図と、そのIII−III線による断面図である。内袋2は、頂部開口12と、底部13と、これらの間に位置する周壁部14とを有するもので、パルプ100%のろ紙が底部13で折曲されて重ねられ、両側縁部16でそれら重なり合うろ紙どうしがエンボス加工を施されて一体化している。かかる内袋2は、その平面形状がほぼ逆台形を呈している。内袋2には、ろ紙に代えて透水性の不織布や織布、プラスチック製ネット等を使用することもできる。
【0010】
外袋3は、内袋2よりもやや大きく、その内側に内袋2を収容することができるもので、頂部開口22と、底部23と、これらの間に位置する周壁部24とを有しており、薄手のプラスチックシートや金属箔、これらのラミネートシート等の不透水性シートが底部23で折曲されて重ねられ、両側縁部26では重なり合うシートどうしがエンボス加工や溶着加工を施されて接合している。底部23には、外袋3の内外を貫通する径が約0.2〜5mmの透孔19が底部23の長さ50mm当りについて1〜20ケ所の割合で形成されている。
【0011】
環状部材4は、前記実登3000423号公報に開示されている類のものであって、図示例のそれは、内外の袋2,3に使用されているシート材料よりも高い剛性を有する矩形の紙やプラスチックシートを2枚重ね合わせ、両側縁部17を接着、溶着、エンボス加工等によって接合することで形成されている。
【0012】
内袋2と外袋3とは、それぞれの頂部開口12と22、底部13と23、および周壁部14と24の位置をほぼ一致させてそれぞれの開口縁部に近い部位28において、実質的に剥離することがないように、互いに接合している。部位28は、内外の袋2,3が一体となって開口するように開口12,22の周り方向に少なくとも2箇所形成されていることが好ましい。外袋3と環状部材4、または内袋2と外袋3と環状部材4とは、部位29において、実質的に剥離することがないように互いに接合している。部位29は、環状を呈する部材4に支えられて内袋2と外袋3とが大きく開口するように、環状部材4の周り方向に少なくとも2箇所形成されていることが好ましい。図3は、環状部材4に対して外袋3だけが接合している態様を例示している。
【0013】
このように構成されている喫茶用フィルタ1を図1の態様で使用するときに、内袋2へ注入した湯がコーヒーを抽出して内袋2の外へ出たのち、その湯がカップ7へと滴下する速度は、外袋3の透孔19によって規制される。透水性シート材料の種類によっては、内袋2の抽出速度が速すぎるという場合があるが、そのような場合に、この喫茶用フィルタ1であれば外袋3の透孔19の径や数量の選択によってカップ7への滴下速度を抑え、注入した湯とコーヒー粉末6との接触時間を長くすることが可能になる。かかる外袋3は、それを使用する者が自らの好みに応じて透孔19の径を大きくしたり数量を増やしたりすることもできる。
【0014】
図4は、この発明の実施態様の一例を示す喫茶用フィルタ1の部分破断斜視図である。この喫茶用フィルタ1は、ホルダー33を使用してカップ7の縁部8に載置されている。外袋3の外面には、半円筒状の部材34が接合していて、外袋3と部材34との間には、ホルダー33のアーム36挿通用の透孔37が外袋3の周り方向へ延びている。ホルダー33は、Y字型のもので、2本のアーム36を有し、外袋3には各アーム36に対応する二つの透孔37が形成されているが、図にはそのうちの一方が部材34の一部を破断して示されている。かかる喫茶用フィルタ1における支持手段とは、透孔37である。
【0015】
この発明に係る喫茶用フィルタのシート素材どうしの接合や部材どうしの接合は、エンボス加工やデボス加工、溶着加工によることが好ましい。これらの加工であれば、内袋2に熱湯を注いでも、接合部位から風味を損うものが溶出する恐れはない。
【0016】
【発明の効果】
この発明に係る喫茶用フィルタは、透水性シート材料で作られた内袋と、不透水性シート材料で作られた外袋とで構成されていて、外袋の底部には、抽出液の滴下速度を抑制可能な透孔が形成されているから、内袋の抽出速度が速すぎる場合でも、コーヒー粉末等の抽出物との接触時間を十分に長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 使用状態にある喫茶用フィルタの斜視図。
【図2】 喫茶用フィルタの部分破断斜視図。
【図3】 図2のIII−III線断面図。
【図4】 実施態様の一例を示す喫茶用フィルタの斜視図。
【符号の説明】
1 喫茶用フィルタ
2 フィルタ本体(内袋)
3 外袋
4 支持手段(環状部材)
12,22 頂部開口
13,23 底部
14,24 周壁
19 透孔
37 支持手段(透孔)
Claims (4)
- 透水性シート材料でつくられた袋をフィルタ本体として含む使い捨ての喫茶用フィルタであって、
前記本体が、頂部開口と前記開口に対向している底部とこれら両部間に位置する周壁部とを有していて、該本体よりも大きくて不透水性シート材料でつくられた外袋の内側に、互いの頂部開口と底部と周壁部との位置をほぼ一致させて納められ、これら本体と外袋とが、同時に開口可能となり、かつ、実質的に取り外すことができないように、互いの頂部開口縁部に近い部位において前記頂部開口の周り方向で互いに部分的に接合しており、
前記外袋は、その底部に該外袋に透水性を付与することが可能な径0.2〜5mmを有する透孔が底部の長さ50mm当りについて1〜20ケ所の割合で形成されており、該外袋の周壁部外面に該外袋をコーヒーカップや湯呑み茶碗等のカップ類の開口にかざすことを可能にする支持手段が形成されていることを特徴とする前記喫茶用フィルタ。 - 前記支持手段が、概ね環状を呈することにより前記カップ類の開口縁部に載置可能に形成されている支持部材であって、前記外袋が前記支持部材の内側に位置していて、前記支持部材が環状を呈するときに前記外袋とその内側の前記本体との頂部開口が大きく広がり得るように前記外袋と支持部材とが互いに接合している請求項1に記載の喫茶用フィルタ。
- 前記支持手段が、前記外袋の周壁部外面に形成されていて、前記周壁の周り方向に向かって開孔している透孔である請求項1に記載の喫茶用フィルタ。
- 前記本体と外袋とが、接着、溶着、エンボス加工、デボス加工のいずれかによって接合している請求項1〜3のいずれかに記載の喫茶用フィルタ。
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1997
- 1997-10-16 JP JP28364797A patent/JP3739909B2/ja not_active Expired - Fee Related
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