JP3739385B1 - 融資限度額出力システム、融資限度額送信システム、及び融資限度額設定システム - Google Patents

融資限度額出力システム、融資限度額送信システム、及び融資限度額設定システム Download PDF

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Abstract

【課題】 売掛債権の明細を定期的に報告することなく、かつ譲渡禁止特約等の付された売掛債権も対象にすることが可能な、売掛債権の入金実績に連動した融資限度額を算出する融資限度額の算出方法及び融資限度額算出システムを提供する。
【解決手段】 取引先がATM20やEBシステム12より依頼した振込情報は、口座ファイル13の融資先の入金用口座の口座情報に書き込まれる。融資限度額算出システム14は月1回等のタイミングで起動されて、融資先の融資限度額を算出する処理を実行する。融資限度額の算出は、融資先の入金用口座の入金情報を口座ファイル13から読み出して、対象期間中の入金合計額を算出する。合計額は振込依頼人別に算出し、所定の比率を超過するものについては、特殊入金と判断して上限額の調整を行う。かかる調整後の入金合計額をベースに、融資限度額を算出する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、融資先の有する売掛債権を活用した融資の管理に用いられる、売掛債権の入金実績に連動した融資限度額についての融資限度額出力システム、融資限度額送信システム、及び融資限度額設定システムに関するものである。
企業間の取引等において商品やサービスを販売して売上が計上されると、販売代金が入金されるまでの間には一定の決済期限(サイト)が設けられていることが一般的である。このような販売代金の受取りに関する債権を売掛債権というが、売掛債権の回収前に販売者は原材料の仕入代金等を支払わなければならない場合があり、売掛債権の回収までに運転資金の資金需要が発生することが少なくない。
かかる資金需要に対応するために、金融機関等においては、販売先の発行した手形を割り引いて現金化する手形割引や、販売者の有する売掛債権を買い取るファクタリング等により、販売者の有する債権を現金化するサービスが提供されている。このうちファクタリングについては、対象となる債権の特定や必要な手続を効率化するためのコンピュータシステムに関する発明(例えば、特許文献1、特許文献2参照。)が開示されている。
売掛債権を速やかに現金化する手法は、上記のように金融機関等が手形や債権を買い取る手法に限られず、売掛債権を担保にした融資や売掛債権の債権額や回収時期に対応した融資など、金融機関等が融資の形態で資金を提供することも行われている。前者の手法は、融資の担保として売掛債権を徴求し、融資が滞った場合には担保権を実行して、売掛債権の回収代金を融資の返済に充当するものである。後者の手法は、売掛債権の回収期日には債権額相当の入金がなされる確度が高いことから、売掛債権に担保を設定するか否かに関わらず、この入金予定を引当にして、回収期日までの融資を実行するものである。
このような売掛債権に対応する融資を効率的に行うための技術として、売掛債権を担保にした融資を実行するまでの手続をシステム化する発明や(例えば、特許文献3参照。)、売掛債権を引当にした融資を実行するまでの手続をシステム化する発明(例えば、特許文献4参照。)が開示されている。
特開平11−96247号公報 特開平11−96262号公報 特開2001−319060号公報 特開2003−99612号公報
前記特許文献1や前記特許文献2記載の発明は、ファクタリングの手続を効率化するものではあるが、ファクタリングという手法が売掛債権を金融機関等に譲渡するスキームによるものであるため、対象となる売掛債権の特定と債権譲渡の契約については、必須の手続となる。継続的に発生する運転資金の資金需要への対応としてファクタリングを用いる場合、債務者は金融機関等に対して定期的に売掛債権の明細を報告するとともに、担保設定のための契約手続を行わなければならない。
前記特許文献3や前記特許文献4記載の発明は、売掛債権を担保にする融資や、売掛債権見合いの融資を効率的かつ安全に行うことに資するものであるが、これらの売掛債権に対応する融資についても売掛債権の特定は必須であり、担保設定を行う場合には契約手続も発生する。つまり、継続的に発生する運転資金の資金需要への対応として売掛債権対応の融資を利用する場合についても、債務者は金融機関等に対して定期的に売掛債権の明細を報告する手間が生じることに違いはない。債務者にとっては、売掛債権の明細の報告等を行わなくても運転資金を調達できる手段が提供されれば、資金調達にかかる負担を軽減することが可能になる。
また、売掛債権によっては債権譲渡や担保設定を禁じる特約が付されることも珍しくないため、ファクタリングや売掛債権を担保にした融資を利用したい場合であっても、売掛債権を速やかに現金化することができない場合が生じ得る。債務者にとっては、かかる特約が付された売掛債権についても資金調達の際に活用できる手段が提供されれば、資金調達の枠を拡大することが可能になる。
本発明は、このような課題に対応するためになされたものであり、売掛債権の明細を定期的に報告することが必須の要件ではなく、かつ譲渡禁止特約等の付された売掛債権も資金調達に活用することが可能な、売掛債権の入金実績に連動した融資限度額についての融資限度額出力システム、融資限度額送信システム、及び融資限度額設定システムを提供することを目的とするものである。
本願の課題を解決する第1の発明は、売掛債権の入金実績に連動した融資限度額を算出するための融資限度額算出プログラムを記憶し、前記融資限度額算出プログラムによる演算処理を実行する融資機関のコンピュータと、前記融資限度額算出プログラムによる融資限度額の算出において入金実績の対象から除外する除外先リストと融資先について設定された融資極度額とを少なくとも含む融資条件に関する情報を、融資先別に記憶する融資条件データベースと、前記融資限度額算出プログラムにより算出された融資限度額に関する情報を出力する出力装置と、からなる融資限度額出力システムにおいて、前記融資機関のコンピュータは、預金口座の入出金情報が記録される口座ファイルを格納する口座情報格納装置に格納された口座ファイルのうち、融資先の売掛債権入金用口座の口座ファイルから入出金情報の明細データを取得して、取得した明細データから預り金額のフィールドに入金が記録され、かつ日付のフィールドが所定の対象期間中に該当し、かつ摘要のフィールドに振込入金であることが記録された明細データを選択して、振込入金明細データとして前記コンピュータに記憶させる振込入金明細選択手段と、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が同一と判定される振込入金明細データの預り金額のフィールドに記録された入金額を合計した適格売掛債権額を算出し、振込依頼人別に算出した前記適格売掛債権額を前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権額算出手段と、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の除外先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記除外先リストに登録された振込依頼人に該当しない振込依頼人について、前記適格売掛債権額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額を取得する適格売掛債権額取得手段と、前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額を合計した適格売掛債権合計額を算出して、前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権合計額算出手段と、前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額の、前記適格売掛債権合計額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権合計額に対する比率を算出し、前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の上限比率を超過しない振込依頼人については前記適格売掛債権額を、前記上限比率を超過する振込依頼人については前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率となるよう算出された金額又はゼロとなる金額を、振込依頼人別の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させる適格売掛金額算出手段と、前記適格売掛金額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛金額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛金額を合計した適格売掛金額合計額を算出し、前記適格売掛金額合計額に前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の掛け目、又は前記融資条件データベースから読み出した所定の掛け目を乗じた融資可能基準額を算出して、前記コンピュータに記憶させる融資可能基準額算出手段と、前記融資可能基準額算出手段によって前記コンピュータに記憶された融資可能基準額と、前記融資条件データベースから読み出した前記融資先についての融資極度額とを対比して、いずれか小さいほうの金額を融資限度額として特定し、前記融資限度額に関する情報を前記出力装置に出力させるための処理を実行する融資限度額出力手段と、を備えることを特徴とする融資限度額出力システムである。
本願の課題を解決する第2の発明は、売掛債権の入金実績に連動した融資限度額を算出するための融資限度額算出プログラムを記憶し、前記融資限度額算出プログラムによる演算処理を実行する融資機関のコンピュータと、前記融資限度額算出プログラムによる融資限度額の算出において入金実績の対象から除外する除外先リストと融資先について設定された融資極度額とを少なくとも含む融資条件に関する情報を、融資先別に記憶する融資条件データベースと、からなる融資限度額送信システムにおいて、前記融資機関のコンピュータは、預金口座の入出金情報が記録される口座ファイルを格納する口座情報格納装置に格納された口座ファイルのうち、融資先の売掛債権入金用口座の口座ファイルから入出金情報の明細データを取得して、取得した明細データから預り金額のフィールドに入金が記録され、かつ日付のフィールドが所定の対象期間中に該当し、かつ摘要のフィールドに振込入金であることが記録された明細データを選択して、振込入金明細データとして前記コンピュータに記憶させる振込入金明細選択手段と、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が同一と判定される振込入金明細データの預り金額のフィールドに記録された入金額を合計した適格売掛債権額を算出し、振込依頼人別に算出した前記適格売掛債権額を前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権額算出手段と、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の除外先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記除外先リストに登録された振込依頼人に該当しない振込依頼人について、前記適格売掛債権額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額を取得する適格売掛債権額取得手段と、前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額を合計した適格売掛債権合計額を算出して、前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権合計額算出手段と、前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額の、前記適格売掛債権合計額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権合計額に対する比率を算出し、前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の上限比率を超過しない振込依頼人については前記適格売掛債権額を、前記上限比率を超過する振込依頼人については前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率となるよう算出された金額又はゼロとなる金額を、振込依頼人別の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させる適格売掛金額算出手段と、前記適格売掛金額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛金額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛金額を合計した適格売掛金額合計額を算出し、前記適格売掛金額合計額に前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の掛け目、又は前記融資条件データベースから読み出した所定の掛け目を乗じた融資可能基準額を算出して、前記コンピュータに記憶させる融資可能基準額算出手段と、前記融資可能基準額算出手段によって前記コンピュータに記憶された融資可能基準額と、前記融資条件データベースから読み出した前記融資先についての融資極度額とを対比して、いずれか小さいほうの金額を融資限度額として特定し、前記融資限度額に関する情報を通信ネットワークで接続された融資先端末に送信する融資限度額送信手段と、を備えることを特徴とする融資限度額送信システムである。本願の課題を解決する第3の発明は、売掛債権の入金実績に連動した融資限度額を算出するための融資限度額算出プログラムを記憶し、前記融資限度額算出プログラムによる演算処理を実行する融資機関のコンピュータと、前記融資限度額算出プログラムによる融資限度額の算出において入金実績の対象から除外する除外先リストと融資先について設定された融資極度額とを少なくとも含む融資条件に関する情報を、融資先別に記憶する融資条件データベースと、からなる融資限度額設定システムにおいて、前記融資機関のコンピュータは、預金口座の入出金情報が記録される口座ファイルを格納する口座情報格納装置に格納された口座ファイルのうち、融資先の売掛債権入金用口座の口座ファイルから入出金情報の明細データを取得して、取得した明細データから預り金額のフィールドに入金が記録され、かつ日付のフィールドが所定の対象期間中に該当し、かつ摘要のフィールドに振込入金であることが記録された明細データを選択して、振込入金明細データとして前記コンピュータに記憶させる振込入金明細選択手段と、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が同一と判定される振込入金明細データの預り金額のフィールドに記録された入金額を合計した適格売掛債権額を算出し、振込依頼人別に算出した前記適格売掛債権額を前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権額算出手段と、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の除外先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記除外先リストに登録された振込依頼人に該当しない振込依頼人について、前記適格売掛債権額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額を取得する適格売掛債権額取得手段と、前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額を合計した適格売掛債権合計額を算出して、前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権合計額算出手段と、前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額の、前記適格売掛債権合計額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権合計額に対する比率を算出し、前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の上限比率を超過しない振込依頼人については前記適格売掛債権額を、前記上限比率を超過する振込依頼人については前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率となるよう算出された金額又はゼロとなる金額を、振込依頼人別の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させる適格売掛金額算出手段と、前記適格売掛金額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛金額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛金額を合計した適格売掛金額合計額を算出し、前記適格売掛金額合計額に前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の掛け目、又は前記融資条件データベースから読み出した所定の掛け目を乗じた融資可能基準額を算出して、前記コンピュータに記憶させる融資可能基準額算出手段と、前記融資可能基準額算出手段によって前記コンピュータに記憶された融資可能基準額と、前記融資条件データベースから読み出した前記融資先についての融資極度額とを対比して、いずれか小さいほうの金額を融資限度額として特定し、前記融資限度額に関する情報を前記融資条件データベースに前記融資先について設定された融資限度額として格納する融資限度額設定手段と、を備えることを特徴とする融資限度額設定システムである。
本発明においては、従来のファクタリングや売掛債権を担保にした融資が、将来入金が予定されている売掛債権を対象に資金調達を行う仕組みであるのに対して、所定の預金口座に入金された過去の売掛債権の入金実績を用いて、実績見合いで融資限度額を設定することにより、債務者は売掛債権の明細を定期的に報告することなく資金を調達することが可能になる。過去の実績から将来の入金額を予測して融資限度額を設定するものであるので、将来の入金予定と紐付けられた従来の手法に比べると、融資を実行する金融機関等の債権保全の確実性には劣位することとなる可能性があるが、予測の精度を高めるための固有の仕組みを設けることによって、債権保全上の安全性を担保している。
具体的には、まず、特殊要因に基づく入金実績による影響を排除するために、売掛債権の債務者である振込依頼人別に入金額を集計し、入金額の合計額に占める比率から、正常な入金であるか否かを判断する。当該振込依頼人にかかる入金額の比率が所定の比率を超過する場合は正常でない入金があったものと判断して、第1の発明では入金額を所定の比率までカットした金額を適格売掛金額として採用し、第2の発明では入金額をゼロとして適格売掛金額の対象から除外することとしている。このように、特殊要因による入金実績の可能性を判定、調整するための工程を設けることにより、確度の高い入金予測を可能にしている。尚、入金額の合計額に占める比率を超過するかの判定方法については、入金額の合計額に占める比率を算出して所定の比率を超過するか対比することとしてもよいし、所定の比率に該当する場合の限度額を算出して、入金額が当該限度額を超過するか対比することとしてもよい。
また、上記のようにイレギュラーな要因を調整した適格売掛金額を積み上げて計算した融資可能基準額に対して、融資先別に対して予め設定された融資極度額をキャップとして適用する。このように、融資先の財務体質等に応じた融資極度額を適用する工程を設けることにより、入金実績が積み重なったからといって無条件に融資限度額が拡大することを防止している。
尚、本発明における売掛債権とは、必ずしも商品やサービスの対価として計上される売上にかかる債権に限られず、手数料、ライセンスフィー、利息収入など継続して発生する他の金銭債権を含むものであってもよい。また、本発明において用いられる売掛債権入金用口座は、売掛債権の入金が確認できる預金口座であれば、売掛債権の入金専用に用いられる預金口座であってもよいし、通常取引において用いる普通預金口座や当座預金口座であってもよい。対象となる預金口座が複数の口座であってもよい。
本発明において、振込入金明細を取得する所定の対象期間は特に限定されるものではないが、通常は1ヶ月単位や、融資先の標準的な売掛金のサイトなどを基準に設定する。適格売掛金額の特定に用いられる上限比率も特に限定されるものではなく、融資先の通常取引では超過し難い水準を考慮して設定すればよい。融資可能基準額を算出において用いられる所定の掛け目も特に限定されるものではなく、100%以上としてもよいが、融資先の財務内容等の分析により、60〜85%程度の範囲内で設定することとしてもよい。尚、これらの基準値を超過するか否かの判定においては、基準値と同一の場合はいずれに含むこととしてもよい。融資極度額は融資先毎に定められるが、融資先の取引実績、財務体質等を考慮して個別に決定するのが一般的である。
本発明においては、売掛債権の入金実績を所定の預金口座への入金記録から把握するが、この方法では、関係会社との取引や銀行借入による入金など、実質的には融資の返済の引当てとなり得ないような入金を対象から除外するために、所定の相手先を特定して融資限度額の算出対象から除外することとしている。
第1の発明乃至第3の発明は、前記融資条件額データベースに記憶される融資条件に関する情報には、前記上限比率の適用対象から除外して適格売掛債権全額を適格売掛金額に算入する全額算入先を指定した全額算入先リストが含まれていて、前記適格売掛金額算出手段は、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の全額算入先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記全額算入先リストに登録された振込依頼人に該当する振込依頼人については、前記振込依頼人にかかる適格売掛債権額の前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率を超過する場合であっても、前記適格売掛債権額を前記振込依頼人の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させることを特徴とすることもできる。
本発明においては、特殊要因による入金実績の影響を排除するために、振込依頼人単位での上限比率を設定して適格売掛債権の調整を行うこととしているが、所定の相手先については特殊要因ではなく定常的に比率が高位にあるケースもあり得るため、この方法では、適格売掛金額の特定において上限比率の適用から除外する相手先を全額算入先として予め設定できることとしている。
本発明によって、売掛債権の入金実績を裏付けとした安全性に優れた融資限度額の算出が可能になるため、融資を受ける企業等は、ファクタリングや売掛債権を担保にした融資のように、売掛債権の明細を定期的に報告することなく融資を受けることが可能になるため、融資を行う金融機関等、融資を受ける企業等それぞれの運転資金の貸借にかかる事務負担の軽減に資することとなる。
また、ファクタリングや売掛債権を担保にした融資と異なり、譲渡禁止特約等の付された売掛債権も資金調達に活用することが可能になるため、融資を受ける企業等にとって、特に運転資金の資金調達の機会が拡大することになる。
本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて以下に詳細に説明する。尚、以下の説明は本発明にかかる融資限度額の算出方法及び融資限度額算出システムの実施形態の一例であって、設定された対象期間、上限比率、掛け目など、本発明はかかる実施形態に限定されるものではない。
図1は、従来の売掛債権に対応した融資と本発明によって実行される売掛債権を活用した融資の相違を示す図である。図2は、本発明によって実行される売掛債権を活用した融資における融資限度額の考え方を示す図である。図3は、本発明にかかる融資限度額算出システムの構成を示すブロック図である。図4は、本発明にかかる融資限度額算出システムにおいて用いられる口座ファイルの一例を示す図である。図5、図6は、本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出例を示すそれぞれ第1、第2の図である。図7〜図10は、本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出フローを示すそれぞれ第1〜第4のフローチャートである。
図1を用いて、従来の売掛債権に対応した融資と、本発明によって実行される売掛債権を活用した融資の相違点について説明する。背景技術の項において説明したように、売掛債権を速やかに現金化する手段として、手形や債権を買い取るファクタリングや、売掛債権を担保にした融資や売掛債権の債権額や回収時期に対応した融資などが、金融機関等によって提供されている。これらの手段においては、ファクタリングの実行時や融資実行時を基準時として考えると、将来において入金が予定されている売掛債権を対象に、所定の掛け目を設定した金額が融資(ファクタリング)可能額となる。つまり、これらの手段は、売掛債権に基づく将来の入金予定を引当てとして運転資金を供給するものである。
これに対して、本発明によって実行される売掛債権を活用した融資は、基準時である融資実行時に対して、過去の売掛債権の入金実績を基準にして融資限度額が設定される。この融資においては、直近時の売掛債権の入金実績から当該企業等においては近い将来においても同程度の入金が発生し得るものと仮定し、所定の期間の入金実績を預金口座への入金記録から把握して、融資限度額を設定する。つまり、この融資は、過去の売掛債権の入金実績を裏付けとして運転資金を供給するものである。
図2は、本発明によって実行される売掛債権を活用した融資における、融資限度額の考え方を示している。例えば、運転資金の借入を行う企業の売掛債権のサイトが1ヶ月というケースであれば、融資実行時である基準時においても売掛債権は1ヶ月分の残高があるものと考えら得るため、基準時の前月1ヶ月分の売掛債権の入金実績を把握すれば、標準的な取引状態であれば基準時における売掛債権の残高もほぼ同程度の金額であると推測される。そこで、前月1ヶ月分の売上債権の入金用口座への入金実績を把握して、入金金額を基準に融資限度額を設定すれば、融資限度額までの貸出債権であれば、残存する売掛債権の入金によって回収できる可能性が高いものと考えることができる。
しかしながら、例えば大口取引の入金など、実際は特殊要因によって月次の入金実績が変動することが少なくない。このような特殊入金の影響を排除するために、本発明では売掛債権の債務者である振込依頼人別に入金額を集計し、入金額の合計額に占める比率が基準となる比率を超える場合は特殊入金であると判定して、基準となる比率を上限に入金額の調整を行って、影響の排除を図っている。また、入金額の合計額から融資限度額を算出する際には、安全性を考慮して所定の掛け目を乗じている。
尚、融資先ごとに売掛債権の如何に関わらず融資の上限額として設定極度額が定められていて、算出された融資限度額が設定極度額を上回る場合には、最終的に採用される融資限度額は設定極度額まで減じられる。図2の例であれば、3月を除く各月については売掛債権の入金実績に掛け目を乗じた額は設定極度額を下回っているため、算出された内枠額が融資限度額として採用されているが、3月については売掛債権の入金実績に掛け目を乗じた額が設定極度額を上回っているため、設定極度額が融資限度額として採用されている。
この他に、例えば売掛債権のサイトが3ヶ月というケースであれば、融資実行時である基準時においても売掛債権は3ヶ月分の残高があるものと考えら得るため、基準時の前月3ヶ月分の売掛債権の入金実績から基準時における売掛債権の残高を推測する。3ヶ月分の入金実績の算出と特殊要因の調整方法については、3ヶ月分の入金実績をまとめて算出することとしてもよいし、3ヶ月分を1ヶ月単位で集計して、各月分についてそれぞれ特殊要因分の調整や掛け目を乗じることを行って、その合計額をもって融資限度額として設定することとしてもよい。設定極度額との対比についても、3ヶ月分の合計額に対する極度額を設定して対比してもよいし、1ヶ月毎に極度額を設定して対比することとしてもよい。
図3は、本発明にかかる融資限度額算出システムの構成を示している。本発明にかかる融資限度額算出システムは、銀行システム10に含まれる融資限度額算出システム14が該当する。融資先の日常的な業務活動において、例えば商品の販売代金等が取引先から入金される場合には、取引先がATM20やEBシステム12に接続された顧客端末30から振込依頼を行い、ホストコンピュータ11がこれを受け付けて、口座ファイル13の融資先の入金用口座の口座情報に、入金情報の書き込みを行う。
融資限度額演算部141は、演算装置と融資限度額を算出するためのプログラムから構成されていて、例えば1ヶ月に1回といった定期的なタイミングで融資先の融資限度額を算出するために当該プログラムを起動する。融資限度額の算出は次のように行われる。まず、口座ファイル13の融資先の入金用口座の口座情報から対象期間中の入金情報を取得し、振込依頼人別に対象期間中の入金額の合計額を算出する。
ここで用いられる入金用口座は売掛債権入金専用の口座を用いてもよいが、融資先が通常の取引に用いている当座預金口座や普通預金口座を用いてもよい。対象となる預金口座は1つの口座に限られず、複数の預金口座について対象期間中の入金情報を取得するよう構成してもよい。
図4は、入金用口座に通常取引に用いられる当座預金口座や普通預金口座を用いる場合について、口座ファイルの一例を示したものである。この例であれば入出金ごとに番号が付された各々のレコードについて、預り金額のフィールドに入金が記録されていて、かつ摘要欄が「振込」となっているレコードを選択すれば、通常取引に用いられる口座であっても、売掛債権の入金情報を特定することができる。選択されたレコードについて、依頼人のフィールドに記録された依頼人情報をキーにして、振込依頼人別の入金額の合計額が算出される(いわゆる「名寄せ」の処理を実行する。)。
入金額を合計する際には、融資条件データベース142に、当該融資先について除外先として登録された振込依頼人については、算出対象から除外する。除外の対象になるのは、例えば関係会社や取引銀行などの他に、回収に不安のある取引先等を指定してもよく、関係会社との取引や銀行借入による入金などの他に、回収可能性に疑念があるなど、実質的には融資の返済の引当てとなり得ないような入金を対象から除外する。かかる除外先を除いた売掛債権が、融資限度額の算出に用いられる適格売掛債権として把握される。
図5は、図4の例において融資限度額を算出する手順を示したものであるが、振込依頼人(売掛先)別に集計した入金額一覧のうち、除外先として登録された振込依頼人からの入金分、具体的には2社分の10,000,000円については、対象期間中の合計額の算出からは除外されて、融資限度額の算出対象となる適格売掛債権の対象にはならない。その結果、適格売掛債権の合計額は、100,000,000円となっている。尚、除外先を適格売掛債権から除外する処理については、この例では名寄せの後に行うこととしているが、名寄せの前に行うものであってもよく、処理の順序は特に限定されるものではない。
次に、各々の振込依頼人について算出された入金額の合計額について、対象期間中の全入金額(前記の除外先の入金額を除く)である適格売掛債権合計額に対して占める比率を算出する。この比率が予め設定された上限比率を超過する場合は、特殊要因に基づく入金である可能性が高いため、予め設定された上限比率までカットすることにより入金額の調整を行って、調整後の金額を適格売掛金額として採用する。予め設定された値を超過しない場合は、入金額がそのまま適格売掛金額として採用される。このような処理によって、大口取引によるイレギュラーな入金等の特殊要因によって、融資限度額が実態以上に拡大されることを防止する。
尚、予め設定された上限比率を超過する場合に、特殊要因に基づく入金である可能性が高いと判定すると、上記のように予め設定された上限比率までカットするのではなく、入金そのものがイレギュラーな取引であると判断して適格売掛金額をゼロとして扱うこととしてもよい。上限比率までカットするか、ゼロとして扱うかについては、全ての振込依頼人についていずれか一方を一律に適用することとしてもよいし、振込依頼人ごとにいずれを適用するかを融資条件データベース142に登録しておいて、各々登録されたルールに基づいて処理することとしてもよい。
かかる入金額の調整においては、所定の相手先については特殊要因ではなく定常的に比率が高位にあるケースもあり得るため、適格売掛金額の特定において上限比率の適用から除外して全額算入とする相手先を、融資条件データベース142において予め登録しておくこととしてもよい。このような全額算入先に該当する場合には、上限比率を超過する場合であっても、入金額がそのまま適格売掛金額として採用される。
図6は、図5の例において特定された適格売掛債権について、予め設定された上限比率である5%を適用して、入金額の調整を行う例を示している。この例では、上限比率を5%と設定しているが、5%の数値は融資条件データベース142に登録されていてもよいし、融資限度額演算部141で実行されるプログラムの一部として設定されていてもよい。
5%ルールが適用される売掛先のうち、2社については入金額の調整が行われて、適格売掛債権合計額に上限比率5%を乗じた5,000,000円が適格売掛金額として特定される。一方、振込依頼先(売掛先)名をキーに全額算入先として登録された売掛先を選択して、かかる売掛先については5%ルールの適用から除外して、適格売掛債権額をそのまま適格売掛金額と特定する。
入金額の調整後の適格売掛金額を合計して適格売掛金額合計額を算出すると、所定の掛け目を乗じて融資可能基準額を算出する。図6の例では、予め設定された掛け目である80%を適用して融資可能基準額を算出しているが、80%の数値は融資条件データベース142に登録されていてもよいし、融資限度額演算部141で実行されるプログラムの一部として設定されていてもよい。
融資可能基準額が算出されると、この金額が融資先ごとに予め設定された極度額を超過していないかを判定する。融資先ごとの極度額については、融資先の財務状況や融資取引実績等を勘案して決定された金額について、融資条件データベース142に予め登録したものを読み出すこととすればよい。極度額を超過しない場合には、図6の例のように算出された融資可能基準額が、融資限度額として決定される。極度額を超過する場合については、極度額は融資先について融資可能な絶対額を設定するものであるので、これを超過する融資可能基準額を融資限度額に採用することはできず、極度額が融資限度額として決定される。
このように決定された融資限度額については、出力装置143より銀行内の管理書類や融資先宛の報告書類を出力することとしてもよいし、EBシステム12を通じて融資先端末40に送信するよう構成してもよい。融資限度額をデータベースに格納しておいて、融資先からの融資申込時にこれを参照して融資の可否を判定するよう構成してもよい。
図7〜図10のフローチャートを用いて、本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出フローについて説明する。尚、以下のフローは本発明にかかる融資限度額の算出方法の一例であるので、適格売掛債権から除外先を除外するタイミング、上限比率を超過した場合の調整手順や上限比率の数値など、算出フローは以下の例に限定されるものではない。
図7は、対象期間中の入金明細を取得するフローを示している。まず、対象となる入金用口座の口座ファイルから入金明細を取得して(S01)、入金明細の日付欄を読み取る。読み取った日付から対象期間中の入金であるか否かを判定し(S02)、対象期間中のものでない場合には名寄せの対象から除外して(S05)、次の入金明細がある場合には(S06)次の入金明細を取得し(S01)、次の入金明細がない場合には(S06)名寄せの処理に移行する。
対象期間中のものである場合は、入金明細の摘要欄を読み取って、振込入金であるか否かを判定する(S03)。振込入金でない場合には、売掛債権の回収による入金ではないと判断して、名寄せの対象から除外する(S05)。次の入金明細がある場合には(S06)次の入金明細を取得し(S01)、次の入金明細がない場合には(S06)名寄せの処理に移行する。
振込入金である場合には、売掛債権の回収による入金であると判断して、名寄せの対象として採用する(S04)。次の入金明細がある場合には(S06)次の入金明細を取得し(S01)、次の入金明細がない場合には(S06)名寄せの処理に移行する。
図8は、名寄せと適格売掛債権の絞込みのフローを示している。名寄せの対象となった入金明細については、振込依頼人欄を読み取って(S07)、振込依頼人ごとに入金額を合算する名寄せの処理を行う(S08)。
ここで、それぞれの振込依頼人について、適格売掛債権に含まないものとして予め登録された除外先に該当しないかを判定する(S09)。除外先に該当するものについては適格売掛債権の演算対象から除外して(S10)、除外先以外の全ての振込依頼人の入金合計額である適格売掛債権合計額を算出するとともに、ここでは5%と設定された上限比率に対応する5%限度額、つまり振込依頼人単位の適格売掛金額の上限となる金額を算出する(S11)。
図9は、特殊要因による入金額を調整して、融資限度額の基準となる適格売掛金額合計額を算出するフローを示している。まず、振込依頼人ごとに算出された適格売掛債権を読み取り(S12)、あわせて当該振込依頼人が上限比率を超過しても特殊入金と判定しない予め登録された全額算入先であるかを判定する(S13)。全額算入先である場合には、適格売掛債権がそのまま全額、適格売掛金額として組み入れられる(S15)。
全額算入先でない場合は、当該振込依頼人にかかる適格売掛債権の金額が、先に算出した5%限度額を超過するものでないかを判定する(S14)。5%限度額を超過しない場合には、適格売掛債権がそのまま全額、適格売掛金額として組み入れられる(S15)。5%限度額を超過する場合には、適格売掛債権の全額ではなく5%限度額が、適格売掛金額として組み入れられる(S16)。このような手順で振込依頼人ごとに適格売掛金額を算出すると、先に除外した除外先を除く全ての振込依頼人の適格売掛金額を合計して、適格売掛金額合計額を算出する(S17)。
図10は、適格売掛金額合計額から融資限度額を設定するまでのフローを示している。適格売掛金額合計額に対して、予め設定された掛け目を乗じて、融資可能基準額を算出する(S18)。これに対して、融資先ごとに予め登録されている融資先の信用度を反映して設けられた極度額を取得し(S19)、融資可能基準額と対比する(S20)。
融資可能基準額が極度額に満たない場合は、融資可能基準額が融資限度額として採用される(S21)。融資可能基準額が極度額を超過する場合には、極度額が融資限度額として採用される(S22)。採用された融資限度額は、基準時における融資先の融資限度額として設定され(S23)、通知書の出力や融資先端末への送信、融資実行時の判定等に用いられる。
従来の売掛債権に対応した融資と本発明によって実行される売掛債権を活用した融資の相違を示す図である。 本発明によって実行される売掛債権を活用した融資における融資限度額の考え方を示す図である。 本発明にかかる融資限度額算出システムの構成を示すブロック図である。 本発明にかかる融資限度額算出システムにおいて用いられる口座ファイルの一例を示す図である。 本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出例を示す第1の図である。 本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出例を示す第2の図である。 本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出フローを示す第1のフローチャートである。 本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出フローを示す第2のフローチャートである。 本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出フローを示す第3のフローチャートである。 本発明にかかる融資限度額の算出方法による融資限度額の算出フローを示す第4のフローチャートである。
符号の説明
10 銀行システム
11 ホストコンピュータ
12 EBシステム
13 口座ファイル
14 融資限度額算出システム
141 融資限度額演算部
142 融資条件データベース
143 出力装置
20 ATM
30 顧客端末
40 融資先端末

Claims (6)

  1. 売掛債権の入金実績に連動した融資限度額を算出するための融資限度額算出プログラムを記憶し、前記融資限度額算出プログラムによる演算処理を実行する融資機関のコンピュータと、前記融資限度額算出プログラムによる融資限度額の算出において入金実績の対象から除外する除外先リストと融資先について設定された融資極度額とを少なくとも含む融資条件に関する情報を、融資先別に記憶する融資条件データベースと、前記融資限度額算出プログラムにより算出された融資限度額に関する情報を出力する出力装置と、からなる融資限度額出力システムにおいて、
    前記融資機関のコンピュータは、
    預金口座の入出金情報が記録される口座ファイルを格納する口座情報格納装置に格納された口座ファイルのうち、融資先の売掛債権入金用口座の口座ファイルから入出金情報の明細データを取得して、取得した明細データから預り金額のフィールドに入金が記録され、かつ日付のフィールドが所定の対象期間中に該当し、かつ摘要のフィールドに振込入金であることが記録された明細データを選択して、振込入金明細データとして前記コンピュータに記憶させる振込入金明細選択手段と、
    前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が同一と判定される振込入金明細データの預り金額のフィールドに記録された入金額を合計した適格売掛債権額を算出し、振込依頼人別に算出した前記適格売掛債権額を前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権額算出手段と、
    前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の除外先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記除外先リストに登録された振込依頼人に該当しない振込依頼人について、前記適格売掛債権額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額を取得する適格売掛債権額取得手段と、
    前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額を合計した適格売掛債権合計額を算出して、前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権合計額算出手段と、
    前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額の、前記適格売掛債権合計額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権合計額に対する比率を算出し、前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の上限比率を超過しない振込依頼人については前記適格売掛債権額を、前記上限比率を超過する振込依頼人については前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率となるよう算出された金額又はゼロとなる金額を、振込依頼人別の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させる適格売掛金額算出手段と、
    前記適格売掛金額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛金額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛金額を合計した適格売掛金額合計額を算出し、前記適格売掛金額合計額に前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の掛け目、又は前記融資条件データベースから読み出した所定の掛け目を乗じた融資可能基準額を算出して、前記コンピュータに記憶させる融資可能基準額算出手段と、
    前記融資可能基準額算出手段によって前記コンピュータに記憶された融資可能基準額と、前記融資条件データベースから読み出した前記融資先についての融資極度額とを対比して、いずれか小さいほうの金額を融資限度額として特定し、前記融資限度額に関する情報を前記出力装置に出力させるための処理を実行する融資限度額出力手段と、
    を備えることを特徴とする融資限度額出力システム。
  2. 前記融資条件額データベースに記憶される融資条件に関する情報には、前記上限比率の適用対象から除外して適格売掛債権全額を適格売掛金額に算入する全額算入先を指定した全額算入先リストが含まれていて、
    前記適格売掛金額算出手段は、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の全額算入先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記全額算入先リストに登録された振込依頼人に該当する振込依頼人については、前記振込依頼人にかかる適格売掛債権額の前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率を超過する場合であっても、前記適格売掛債権額を前記振込依頼人の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させること、
    を特徴とする請求項1記載の融資限度額出力システム。
  3. 売掛債権の入金実績に連動した融資限度額を算出するための融資限度額算出プログラムを記憶し、前記融資限度額算出プログラムによる演算処理を実行する融資機関のコンピュータと、前記融資限度額算出プログラムによる融資限度額の算出において入金実績の対象から除外する除外先リストと融資先について設定された融資極度額とを少なくとも含む融資条件に関する情報を、融資先別に記憶する融資条件データベースと、からなる融資限度額送信システムにおいて、
    前記融資機関のコンピュータは、
    預金口座の入出金情報が記録される口座ファイルを格納する口座情報格納装置に格納された口座ファイルのうち、融資先の売掛債権入金用口座の口座ファイルから入出金情報の明細データを取得して、取得した明細データから預り金額のフィールドに入金が記録され、かつ日付のフィールドが所定の対象期間中に該当し、かつ摘要のフィールドに振込入金であることが記録された明細データを選択して、振込入金明細データとして前記コンピュータに記憶させる振込入金明細選択手段と、
    前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が同一と判定される振込入金明細データの預り金額のフィールドに記録された入金額を合計した適格売掛債権額を算出し、振込依頼人別に算出した前記適格売掛債権額を前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権額算出手段と、
    前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の除外先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記除外先リストに登録された振込依頼人に該当しない振込依頼人について、前記適格売掛債権額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額を取得する適格売掛債権額取得手段と、
    前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額を合計した適格売掛債権合計額を算出して、前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権合計額算出手段と、
    前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額の、前記適格売掛債権合計額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権合計額に対する比率を算出し、前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の上限比率を超過しない振込依頼人については前記適格売掛債権額を、前記上限比率を超過する振込依頼人については前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率となるよう算出された金額又はゼロとなる金額を、振込依頼人別の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させる適格売掛金額算出手段と、
    前記適格売掛金額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛金額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛金額を合計した適格売掛金額合計額を算出し、前記適格売掛金額合計額に前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の掛け目、又は前記融資条件データベースから読み出した所定の掛け目を乗じた融資可能基準額を算出して、前記コンピュータに記憶させる融資可能基準額算出手段と、
    前記融資可能基準額算出手段によって前記コンピュータに記憶された融資可能基準額と、前記融資条件データベースから読み出した前記融資先についての融資極度額とを対比して、いずれか小さいほうの金額を融資限度額として特定し、前記融資限度額に関する情報を通信ネットワークで接続された融資先端末に送信する融資限度額送信手段と、
    を備えることを特徴とする融資限度額送信システム。
  4. 前記融資条件額データベースに記憶される融資条件に関する情報には、前記上限比率の適用対象から除外して適格売掛債権全額を適格売掛金額に算入する全額算入先を指定した全額算入先リストが含まれていて、
    前記適格売掛金額算出手段は、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の全額算入先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記全額算入先リストに登録された振込依頼人に該当する振込依頼人については、前記振込依頼人にかかる適格売掛債権額の前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率を超過する場合であっても、前記適格売掛債権額を前記振込依頼人の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させること、
    を特徴とする請求項記載の融資限度額送信システム。
  5. 売掛債権の入金実績に連動した融資限度額を算出するための融資限度額算出プログラムを記憶し、前記融資限度額算出プログラムによる演算処理を実行する融資機関のコンピュータと、前記融資限度額算出プログラムによる融資限度額の算出において入金実績の対象から除外する除外先リストと融資先について設定された融資極度額とを少なくとも含む融資条件に関する情報を、融資先別に記憶する融資条件データベースと、からなる融資限度額設定システムにおいて、
    前記融資機関のコンピュータは、
    預金口座の入出金情報が記録される口座ファイルを格納する口座情報格納装置に格納された口座ファイルのうち、融資先の売掛債権入金用口座の口座ファイルから入出金情報の明細データを取得して、取得した明細データから預り金額のフィールドに入金が記録され、かつ日付のフィールドが所定の対象期間中に該当し、かつ摘要のフィールドに振込入金であることが記録された明細データを選択して、振込入金明細データとして前記コンピュータに記憶させる振込入金明細選択手段と、
    前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が同一と判定される振込入金明細データの預り金額のフィールドに記録された入金額を合計した適格売掛債権額を算出し、振込依頼人別に算出した前記適格売掛債権額を前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権額算出手段と、
    前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の除外先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記除外先リストに登録された振込依頼人に該当しない振込依頼人について、前記適格売掛債権額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額を取得する適格売掛債権額取得手段と、
    前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額を合計した適格売掛債権合計額を算出して、前記コンピュータに記憶させる適格売掛債権合計額算出手段と、
    前記適格売掛債権額取得手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛債権額の、前記適格売掛債権合計額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛債権合計額に対する比率を算出し、前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の上限比率を超過しない振込依頼人については前記適格売掛債権額を、前記上限比率を超過する振込依頼人については前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率となるよう算出された金額又はゼロとなる金額を、振込依頼人別の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させる適格売掛金額算出手段と、
    前記適格売掛金額算出手段によって前記コンピュータに記憶された適格売掛金額について、除外先リストに該当しない全ての振込依頼人にかかる適格売掛金額を合計した適格売掛金額合計額を算出し、前記適格売掛金額合計額に前記融資限度額算出プログラムに設定された所定の掛け目、又は前記融資条件データベースから読み出した所定の掛け目を乗じた融資可能基準額を算出して、前記コンピュータに記憶させる融資可能基準額算出手段と、
    前記融資可能基準額算出手段によって前記コンピュータに記憶された融資可能基準額と、前記融資条件データベースから読み出した前記融資先についての融資極度額とを対比して、いずれか小さいほうの金額を融資限度額として特定し、前記融資限度額に関する情報を前記融資条件データベースに前記融資先について設定された融資限度額として格納する融資限度額設定手段と、
    を備えることを特徴とする融資限度額設定システム。
  6. 前記融資条件額データベースに記憶される融資条件に関する情報には、前記上限比率の適用対象から除外して適格売掛債権全額を適格売掛金額に算入する全額算入先を指定した全額算入先リストが含まれていて、
    前記適格売掛金額算出手段は、前記振込入金明細選択手段によって前記コンピュータに記憶された振込入金明細データの振込依頼人のフィールドを読み取って、振込依頼人が前記融資条件データベースにおいて前記融資先の全額算入先リストに登録された振込依頼人であるかを照合し、前記全額算入先リストに登録された振込依頼人に該当する振込依頼人については、前記振込依頼人にかかる適格売掛債権額の前記適格売掛債権合計額に対する比率が前記上限比率を超過する場合であっても、前記適格売掛債権額を前記振込依頼人の適格売掛金額として前記コンピュータに記憶させること、
    を特徴とする請求項5記載の融資限度額設定システム。
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