JP4875720B2 - 信用格付装置 - Google Patents

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Description

本発明は信用格付装置に係り、特に、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置に関する。
従来、金融機関及び金融関連機関では、自己の取引先企業に対する与信限度額を定めたり当該取引先の財務体質向上のために信用格付を行っている。また、このような信用格付は一般に、貸借対照表や損益計算書等の財務諸表上に表された数値から、総資本経常利益率、売上高経常利益率、総資本回転率、流動比率、固定長期適合率、自己資本比率、経常収支比率、売上高推移、当期利益推移、自己資本額等の財務指標を算出して、多面的に収益性、効率性、安全性、成長性、企業規模等について評価・評点することで、債務者区分(正常先、要注意先、破綻懸念先、実質破綻先、破綻先)のいずれに該当するかを決定する際の基礎として用いられるものである。ここに、信用格付とは、債権者の信用リスクの程度に応じた格付をいい、信用リスク管理のために不可欠なものであるとともに、正確な自己査定及び適切な償却・引当の基礎となるものであり、債務者区分と整合的でなければならない、とされている(例えば、非特許文献1参照)。
このような信用格付方法によれば、上場企業等の大企業では監査役や公認会計士が財務諸表を監査しているので、財務諸表から得られた財務指標や債務者区分はほぼその企業の財務体質を反映しており、金融機関等にとって与信判断上有効な基準となっている反面、中小企業では経営者、特に、代表者と企業との関係が大企業の場合より密接であるため、大企業の場合と同様の信用格付方法により財務諸表上から直接信用格付を行うと、その中小企業の本来の財務体質とは乖離した信用格付となってしまう、という問題がある。例えば、預金を例に採れば、大企業では融資に対する協力預金(非拘束)であるのに対し、中小企業では融資の担保として拘束されることもあるので、算出される当座比率や流動比率が同一値でも、その意味合いが異なってくる。また、中小企業では、会社と代表者個人の金銭が混在している場合もあり得るので、給与・報酬が法人税対策に利用されることもある。更に、企業が代表者個人から借入をしている場合には、負債というより、むしろ劣後ローン的な性格を有する自己資本に近いものとなる。
このため、金融機関の中小企業に対する信用格付では、当該企業の財務体質との乖離を避けるために、財務面及び非財務面双方の評価を総合的に行うことによって判断されている。すなわち、金融機関では企業に対して担当者を設定して、財務面では当該企業の最新の経営情報を把握し、非財務面では経営者の資質やその企業が属する業界の動向を把握することにより、これらの要素を加味して信用格付が行われている。
平成11年4月8日、金融監督庁 検査部発表の「金融検査マニュアル検討会 最終とりまとめ」、47頁
しかしながら、中小企業の経営状況を総合的に判断する場合には、担当者の恣意性が入り込む余地が大きいので、加味した要素の客観性や合理性を検討しないまま信用格付がなされると誤った企業評価につながり易く、結果として金融機関にとって過大なリスクとなったり、企業にとって本来融資可能なはずの資金の提供が制限されてしまう、という問題点がある。また、財務面及び非財務面で加味した新たな要素を加える場合にも、他の企業の信用格付との整合性を検討したり、加味した新たな要素をどの程度の大きさとして捉えるかも、技術的に難しい点である。
本発明は上記事案に鑑み、中小企業の実質的財務体質を反映した信用格付を行うことができる信用格付装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、本発明は、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置において、入力された前記財務諸表上の数値、並びに、予め定められ、少なくとも現金・預金架空計上額を含む、前記財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す財務追加情報を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値から売上高に対する回転期間を算出する回転期間算出手段と、前記記憶手段に記憶される財務追加情報に未入力による欠落があるか否かを判断する判断手段と、前記判断手段により未入力による欠落があると判断されたときに、前記回転期間算出手段で算出された売上高に対する当期の回転期間から前記回転期間算出手段で算出された売上高に対する前期又は2期前の回転期間を差し引いた日数を算出し、該算出した日数のうち予め定められた所定期間を超える日数に相当する額を、前記未入力による欠落箇所の不健全資産の推定値として算出する不健全資産推定値算出手段と、前記記憶手段に記憶される不健全資産の金額又は前記不健全資産推定値算出手段で算出された不健全資産の推定値を前記貸借対照表における資産に加えた修正貸借対照表上の数値を演算する修正貸借対照表数値演算手段と、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値、前記修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値から複数の財務指標を演算する指標演算手段と、前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、財務指標毎に対応した評点テーブルに基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、信用区分と加算値との関係を予め関連付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段により算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、を備える。
本発明では、記憶手段により、入力された財務諸表上の数値、並びに、予め定められ、少なくとも現金・預金架空計上額を含む、財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す財務追加情報が記憶され、回転期間算出手段により、記憶手段に記憶された財務諸表上の数値から売上高に対する回転期間が算出され、判断手段により、記憶手段に記憶される財務追加情報に未入力による欠落があるか否かが判断され、不健全資産推定値算出手段により、判断手段により未入力による欠落があると判断されたときに、回転期間算出手段で算出された売上高に対する当期の回転期間から回転期間算出手段で算出された売上高に対する前期又は2期前の回転期間を差し引いた日数が算出され、該算出された日数のうち予め定められた所定期間を超える日数に相当する額が、未入力による欠落箇所の不健全資産の推定値として算出され、修正貸借対照表数値演算手段により、記憶手段に記憶される不健全資産の金額又は不健全資産推定値算出手段で算出された不健全資産の推定値を貸借対照表における資産に加えた修正貸借対照表上の数値が演算され、指標演算手段により、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値、修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値から複数の財務指標が演算され、加算値算出手段により、指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、財務指標毎に対応した評点テーブルに基づいて評点され、該評点したすべての値を加算した加算値が算出され、判定手段により、信用区分と加算値との関係を予め関連付けた信用区分テーブルに基づいて、加算値算出手段により算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、企業の信用区分が判定される。
本発明において、修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値を資産と負債とがバランスするように修正可能な修正手段を更に備え、指標演算手段は、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値、修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値、並びに、修正手段で修正された数値から複数の財務指標を演算するようにしてもよい。また、記憶手段は、貸借対照表上に表れない簿外内容である第三者提供による担保の処分可能見込額のうち現物出資相当額の金額を更に記憶し、修正貸借対照表数値演算手段は、記憶手段に記憶される不健全資産の金額又は不健全資産推定値算出手段で算出された不健全資産の推定値を貸借対照表における資産に加えた修正貸借対照表上の数値を演算し、該演算した修正貸借対照表上の数値に記憶手段に記憶された現物出資相当額の金額を加えた再修正貸借対照表上の数値を演算し、指標演算手段は、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値、修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値、並びに、修正貸借対照表数値演算手段で演算された再修正貸借対照表上の数値から複数の財務指標を演算するようにしてもよい。さらに、不健全資産推定値算出手段は、判断手段により財務追加情報のうち現金・預金架空計上額に未入力による欠落があると判断されたときに、回転期間算出手段で算出された売上高に対する当期の現金・預金の回転期間から回転期間算出手段で算出された売上高に対する前期又は2期前の現金・預金の回転期間を差し引いた日数を算出し、該算出した日数のうち30日を超える日数に相当する額を、現金・預金架空計上額に対する不健全資産の推定値として算出するようにしてもよい。
本発明によれば、不健全資産推定値算出手段により、判断手段により未入力による欠落があると判断されたときに、回転期間算出手段で算出された売上高に対する当期の回転期間から回転期間算出手段で算出された売上高に対する前期又は2期前の回転期間を差し引いた日数が算出され、該算出された日数のうち予め定められた所定期間を超える日数に相当する額が、未入力による欠落箇所の不健全資産の推定値として算出され、修正貸借対照表数値演算手段により、記憶手段に記憶される不健全資産の金額又は不健全資産推定値算出手段で算出された不健全資産の推定値を貸借対照表における資産に加えた修正貸借対照表上の数値が演算されるので、中小企業の実質を反映した信用格付を行うことができる、という効果を得ることができる。
本発明が適用可能な実施形態の信用格付システムの概略構成図である。 本実施形態の企業信用格付サイトのネットワークサーバが実行する信用格付ルーチンのフローチャートである。 信用格付ルーチンのステップ214の詳細を示すファイル情報取込処理サブルーチンのフローチャートである。 信用格付ルーチンのステップ216の詳細を示す格付処理サブルーチンのフローチャートである。 格付処理サブルーチンのステップ404の詳細を示す修正貸借対照表数値演算サブルーチンのフローチャートである。 格付処理サブルーチンのステップ406の詳細を示す簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンのフローチャートである。 格付処理サブルーチンのステップ408の詳細を示す表面財務分析指標演算サブルーチンのフローチャートである。 格付処理サブルーチンのステップ410の詳細を示す実質財務分析指標演算サブルーチンのフローチャートである。 格付処理サブルーチンのステップ412の詳細を示す粉飾等調整指標演算サブルーチンのフローチャートである。 格付処理サブルーチンのステップ414の詳細を示す評点・格付処理サブルーチンのフローチャートである。 コンピュータ端末から企業信用格付サイト送信される貸借対照表のデータを説明するための説明図である。 コンピュータ端末から企業信用格付サイト送信される損益計算書のデータを説明するための説明図である。 コンピュータ端末から企業信用格付サイト送信される追加情報のデータを説明するための説明図である。 コンピュータ端末から企業信用格付サイト送信される債務情報の概念を説明するための説明図である。 (A)は貸借対照表を模式化した説明図であり、(B)は追加情報を模式化した説明図である。 (A)は修正貸借対照表の作成過程を模式化した説明図であり、(B)は修正貸借対照表を模式化した説明図である。 (A)は簿外加味貸借対照表の作成過程を模式化した説明図であり、(B)は簿外加味修正貸借対照表を模式化した説明図である。 (A)は表面財務分析指標と評点との関係を模式化した説明図であり、(B)は実質財務分析指標と評点との関係を模式化した説明図であり、(C)は粉飾等調整指標と評点との関係を模式化した説明図であり、(D)はこれら(A)〜(C)の評点を加算した財務分析得点合計の説明図である。 (A)は表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標を示すPDFイメージであり、(B)は表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標の評点後のPDFイメージである。 (A)は貸借対照表のPDFイメージであり、(B)は修正貸借対照表のPDFイメージであり、(C)は簿外加味修正貸借対照表のPDFイメージである。
以下、図面を参照して本発明を信用金庫の取引先に対する信用格付を行う信用格付システムに適用した実施の形態について説明する。
(構成)
図1に示すように、本実施形態の信用格付システムでは、秘密を保持するために外部ネットに対して閉じられたネットワーク101を備えている。ネットワーク101には、各信用金庫のコンピュータ端末102、103が公衆回線を介して接続されている。
また、ネットワーク101には、各信用金庫の依頼に応じて企業の信用格付を行う企業信用格付サイト110が接続されている。企業信用格付サイト110は、企業信用格付サイト110外部からの不正アクセスに対して武装するためのファイアウォール111を備えている。ネットワーク101は、このファイアウォール111を介して、後述するように信用格付を行うネットワークサーバ112に接続されている。ネットワークサーバ112は、企業信用格付サイト110内に張られたバス型のLAN114に接続されている。LAN114には、各信用金庫から送信されたファイル情報及びネットワークサーバ112が演算した財務上の数値を格納するためのデータベースサーバ113が接続されている。
(動作)
次に、フローチャートを参照して企業信用格付サイト110の動作について説明する。コンピュータ端末102(又は、103)からのアクセスがあると、企業信用格付サイト110のネットワークサーバ112は、企業の信用の格付を行うための信用格付ルーチンを実行する。
図2に示すように、この信用格付ルーチンでは、まず、ステップ202において、顧客開設か否かを判断する。なお、コンピュータ端末102側では、メニュー画面に複数のボタンが配置され、それらのボタンにはVB(Visual Basic)、C++等の言語で記述されたプログラムが割り当てられており、「顧客開設」をクリックすることで顧客開設であることをネットワークサーバ112に通知可能とされている(以下、後述する登録、格付依頼、ダウンロード、データ修正等についても同じ。)。ステップ202での判断が肯定されたときは、ステップ212において、信用金庫の店番号、信用格付の対象となる企業の口座番号(顧客番号)、当該企業の名称、住所、業種コード、会社設立年月等の基本情報を取り込む開設処理を実行して、信用格付ルーチンを終了する。
一方、ステップ202での判断が否定されたときは、次のステップ204において、財務情報の登録か否かを判断し、否定判断のときはステップ206に進み、肯定判断のときはステップ214において、財務情報ファイルのファイル情報を取り込むためのファイル情報取込処理サブルーチンが実行される。
図3に示すように、このファイル情報取込処理サブルーチンでは、ステップ302において財務情報の受信か否かを判断する。なお、コンピュータ端末102側では、メニュー画面の「登録」がクリックされると、「財務情報の送信」「追加情報の送信」「債務情報の送信」のボタンが配置されたサブメニューが表示され、いずれかのボタンがクリックされることにより、ボタンに割り当てられたプログラムによりネットワークサーバ112に財務情報、追加情報、債務情報のいずれの送信であるかを判定可能とさせている。
ステップ302で肯定判断されたときは、ステップ306において、財務情報を取り込んでデータベースサーバ113に格納する。この財務情報は、図11及び図12に示すように、当期、1期前、2期前及び3期前の貸借対照表(以下、B/Sと略記する。)及び損益計算書(以下、P/Lと略記する。)上の数値とされている。一方、ステップ302で否定判断されたときは、次のステップ304において、追加情報の受信か否かを判断し、肯定判断のときはステップ308において追加情報(以下、A/Iと略記する。)を取り込んでデータベースサーバ113に格納し、否定判断のときはステップ310において債務情報を取り込んでデータベースサーバ113に格納して、ファイル情報取込処理サブルーチン及び信用格付ルーチンを終了する。
このA/Iは、図13及び図15(B)に示すように、回転期間により算出される不健全流動資産の確定額L(L〜L)、その他流動資産のうち換金可能額M(M〜M)、減価償却費不足分N(N)、有価証券および不動産に係る含み損P(P〜P)、投資その他(その他の投資を除く)のうちの換金可能額Q(Q〜Q)、その他の投資における不健全資産の確定額R(R)、繰延資産のうちの換金可能額S(S)、代表者等借入状況T(T〜T)、オフバランス損益U(U〜U)及び固定資産性預金V(V)についての当期、1期前、2期前及び3期前の情報で構成されている。投資その他のうちその他とは、投資有価証券、長期貸付金、保険積立金、差入保証金及び不渡手形(投資その他で計上されているもの)・固定化営業債権を除くものをいう。なお、図13において、現金・預金架空計上確定額L1、受取手形貸倒・架空計上確定額L2、売掛金貸倒・架空計上確定額L3、棚卸資産不良・架空計上確定額L5には、信用金庫の担当者が信用格付の対象となる企業の経営者との面接ヒアリングなどを行い、当該企業の業況・財務内容、各勘定科目の相手先の業況等から換金可能か否かの判断を加えた上で最終的に確定した数値が入力される。従って、A/Iには、部分的にB/S及びP/L上の不健全な財務の実体が表されている。
また、債務情報は、図14に示すように、対象企業の支払の延滞状況及び借入債務状況についての情報であり、マトリックス内のいずれかを選択して入力される(例えば、債務状況が、債務超過なし、赤字・繰越損なしの通常先で、支払状況が、1カ月以上3カ月未満延滞している場合に該当するときは、括弧内のC1が債務情報として入力される)。なお、図14において、特定先とは共同債権買取機構・住宅金融債権管理機構・自己競落会社をいい、特例先とは特別な事情により今後の管理に注意を要する企業をいい、通常先とは特例先以外の企業をいう。
次に、図2のステップ206では、格付依頼か否かの判断を行い、否定判断のときはステップ208へ進み、肯定判断のときはステップ216において対象企業の信用格付を行うための格付処理サブルーチンを実行する。
図4に示すように、この格付処理サブルーチンでは、ステップ402において、ステップ212、306、308でデータベースサーバ113に格納した格付対象企業の業種情報、財務情報及びA/Iを読み出してRAM上に展開し、次のステップ404において、A/IによりB/Sを修正した修正B/S上の数値を演算するための修正貸借対照表数値演算サブルーチンが実行される。
ここで、図15及び図16を参照して、この修正貸借対照表数値演算サブルーチンで実行される演算概念について説明する。図15(A)はB/Sを模式的に表したものであり、図11に示したB/Sを圧縮した形で示しており、図15(B)はA/Iを模式的に表したものであり、図13に示したA/Iを圧縮した形で示している。一方、図16(A)は、図15(A)に示した資産欄の流動資産Aを修正流動資産A、固定資産性預金A及び不健全流動資産Aに分類し(A=A+A+A)、固定資産Bを修正固定資産B及び不健全固定資産Bに分類し(B=B+B)、繰延資産Cを修正繰延資産C及び不健全繰延資産Cに分類し、負債・資本欄の固定資産Eのうち代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eを顕在化させると共に、その他の剰余金のうち当期利益Hについて、不健全資産計T(=不健全流動資産A+不健全固定資産B+不健全繰延資産C)に見合う未実現損失H(=T)を顕在化させたものである。図16(B)は、図16(A)に示したB/Sから不健全資産計T及び未実現損失Hを排除した(第1)修正B/Sである。この修正B/Sは、不健全資産計Tが排除されているので、図16(A)に示したB/Sに比べ対象企業の財務実体をより正確に表しているものと考えられる。修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは、B/S(図11参照)、P/L(図12参照)及びA/I(図13参照)に基づいて、この修正B/S上の数値を演算するものである。
図5に示すように、この修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは、まず、ステップ502において、固定資産性預金Aを下記式(1)により演算する。
Figure 0004875720
すなわち、式(1)は、A/Iの固定資産性確定額V欄が入力されているとき(数値がヌルでないとき、以下同じ。)はその額となり、入力されていないとき(数値がヌルのとき、以下同じ。)は、固定資産性預金推定額Vが演算され、演算された数値がその額となる。なお、固定資産性預金推定額Vは、演算された数値が現金・預金の額を越える場合には現金・預金の額とし、マイナスの場合は0として演算される。
次にステップ504では、不健全流動資産Aが演算される。下表1に示すように、不健全流動資産Aは(1)〜(14)までの合計値である。
Figure 0004875720
調整後現金・預金架空計上額Aaの演算では、A/Iに現金・預金架空計上確定額L欄が入力されているときはその額となり、入力されていないときは、下式(2)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて現金・預金架空計推定額が演算され、演算された数値が調整後現金・預金架空計上額Aaとされる。すなわち、この現金・預金架空計推定額は、当期の回転期間が前期又は2期前に比べて30日以上伸びた場合は、架空計上があったものとして判断して、30日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算される。
Figure 0004875720
調整後売上債権貸倒・架空計上額Abの演算では、A/Iに受取手形(含む割手・譲手)貸倒・架空計上確定額L及び売掛金貸倒・架空計上確定額L欄が入力されているときはそれらの額の合計となり、入力されていないときは、下式(3)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて売上債権貸倒・架空計上推定額が演算され、演算された数値が調整後売上債権貸倒・架空計上額Abとされる。すなわち、この売上債権貸倒・架空計上推定額は、当期の回転期間が前期又は2期前に比べて10日以上伸びた場合は、架空計上があったものとして判断して、10日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算される。
Figure 0004875720
調整後棚卸資産不良・架空計上額Acの演算では、A/Iに棚卸資産不良・架空計上確定額L欄が入力されているときはその額となり、入力されていないときは、下式(4)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて調整後棚卸資産不良・架空計推定額が演算され、演算された数値が調整後棚卸資産不良・架空計上額Acとされる。すなわち、この棚卸資産不良・架空計推定額は、当期の回転期間が前期又は2期前に比べて10日以上伸びた場合は、架空計上があったものとして判断して、10日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算される。
Figure 0004875720
調整後総合調整額Adの演算では、A/Iに受取手形(含む割手・譲手)貸倒・架空計上確定額、売掛金貸倒・架空計上確定額及び棚卸不良・架空計上確定額のすべてが入力されているときは0(ゼロ)となり、いずれか又は全部が入力されていないときは、下式(5)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて総合調整推定額が演算され、演算された数値が調整後総合調整額Adとされる。すなわち、この総合調整では、複数の勘定科目にわたり不健全資産が分割・計上されている場合や負債サイドの粉飾を想定して、総合回転期間(所要運転資金回転期間)の時系列変化に基づいて換金不能な不健全資産を算出するものである。ここで、所要運転資金は(受取手形+売掛金+割引手形+裏書譲渡手形+棚卸資産)から(支払手形+買掛金+裏書譲渡手形)を除算することにより求めることができる。総合調整推定額は、当期の総合回転期間が前期又は2期前に比べて10日以上伸びた場合は、架空計上があったものとして判断して、10日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算される。このとき、当期の総合回転期間との乖離が大きい期の総合回転期間が基準回転期間とし、売上債権及び棚卸資産で不健全資産として計上した額は、重複計上となるので、控除される。
Figure 0004875720
なお、建設業での不健全資産は、上記式(3)乃至(5)に代えて、差引立替工事金の売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づく下記式(6)が使用される。ここに、差引立替工事金は(受取手形+割引手形+裏書譲渡手形+売掛金・完成工事未収入金+未成工事支払金)から(支払手形+裏書譲渡手形+買掛金・工事未払金+未成工事受入金)を除算したものである。当期の総合回転期間(立替工事期間)が60日を超え、かつ、前期、2期前、3期前に比べて15日以上伸びた場合に、架空計上等があったものと判断して15日を超える日数に相当する額を不健全流動資産とする。このとき、当期の総合回転期間との乖離が大きい期の総合回転期間を基準回転期間とし、基準回転期間に15日を加えた日数が60日以下の場合には、60日が不健全資産演算の基準とされる。
Figure 0004875720
調整後前渡金AeはB/Sの前渡金12からA/Iの前渡金のうち換金可能額Mを除算することにより演算され、調整後未収入金AfはB/Sの未収入金13からA/Iの未収入金のうち換金可能額Mを除算することにより演算され、調整後前払費用AgはB/Sの前払費用14からA/Iの前払費用のうち換金可能額Mを除算することにより演算され、調整後仮払金AhはB/Sの仮払金15からA/Iの仮払金のうち換金可能額Mを除算することにより演算され、調整後短期貸付金Aiは短期貸付金16からA/Iの短期貸付金のうち換金可能額Mを除算することにより演算され、調整後立替金AjはB/Sの立替金17からA/Iの立替金のうち換金可能額Mを除算することにより演算され、調整後不渡手形AkはB/Sの不渡手形18からA/Iの不渡手形のうち換金可能額Mを除算することにより演算され、調整後その他の流動負債AlはB/Sのその他19からA/Iのその他の流動資産のうち換金可能額Mを除算することにより演算される。差引有価証券含み損Amは、A/Iの有価証券含み損Pから有価証券含み益Pを除算した差引有価証券含み損Pと同じであり、貸倒引当金(流動資産)21はB/Sの流動資産欄の貸倒引当金21と同じである。なお、これらの換金可能額(表1の(5)〜(12))についてA/Iに入力されていないときは未入力科目の全額が換金不能額(不健全流動資産)とみなされ、差引有価証券含み損Amがプラスであればその額が不健全流動資産とみなされる(差引有価証券含み損Amがマイナスの場合は評価されない)。
次に、図5のステップ506では、不健全固定資産Bが演算される。表1に示すように、不健全固定資産Bは(16)〜(24)までの合計値である。
減価償却不足確定額NはA/Iの減価償却不足確定額Nと同じであり、差引投資有価証券含み損PはA/Iの投資有価証券含み損Pから投資有価証券含み益Pを除算した差引投資有価証券含み損Pと同じであり、不動産含み損P7はA/Iの不動産含み損P7と同じであり、貸倒引当金(固定資産)36はB/Sの固定資産欄の貸倒引当金36と同じである。なお、差引投資有価証券含み損Pがプラスであればその額が不健全流動資産とみなされる(差引投資有価証券含み損Pがマイナスの場合は評価されない)。調整後長期貸付金AqはB/Sの長期貸付金31からA/Iの長期貸付金のうち換金可能額Qを除算することにより演算され、調整後保険積立金ArはB/Sの保険積立金32からA/Iの保険積立金のうち換金可能額Qを除算することにより演算され、調整後差入保証金AsはB/Sの差入保証金33からA/Iの差入保証金のうち換金可能額Qを除算することにより演算され、調整後不渡手形・固定化営業債権AtはB/Sの不渡手形・固定化営業債権34からA/Iの不渡手形・固定化営業債権のうち換金可能額Qを除算することにより演算される。
なお、建設業においては、A/Iに減価償却不足確定額Nが入力されていないときは、下記式(7)により減価償却不足額の推定額が演算される。なお、式(7)により演算された数値がマイナスのときは、減価償却不足額の推定額は0とされる。
Figure 0004875720
調整後その他の投資Auの演算では、A/Iにその他の投資における不健全資産確定額R欄が入力されているときはその額となり、入力されていないときは、下式(8)により総資産に対する構成比の時系列変化に基づいてその他投資における不健全資産推定額が演算され、演算された数値が調整後その他の投資Auとされる。すなわち、当期の構成比が前期、2期前又は3期前に比べて伸びた場合には、架空計上があったものとして判断して、その増加分に相当する額を不健全固定資産として演算される。
Figure 0004875720
図5のステップ508では、B/Sの繰延資産合計Cから繰延資産のうち換金可能額Sを除算することにより不健全繰延資産Cが演算され、次のステップ510では、ステップ504〜508で演算した不健全流動資産A、不健全固定資産B及び不健全繰延資産Cを加算することにより不健全資産計Tiが演算される。次にステップ510では、A/Iの代表者等借入のうち自己資本相当額Tを代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eとして取得し、次のステップ514において、修正流動資本A、修正固定資産B及び修正繰延資産Cを演算する。図15(A)及び図16(A)に示したように、修正流動資本AはB/Sの流動資産Aからステップ512、504で演算した固定資産性預金A及び不健全流動資産Aを除算することにより、修正固定資産BはB/Sの固定資産Bから不健全固定資産Cを除算することにより、修正繰延資産Cは繰延資産Cから不健全繰延資産Cを除算することによりそれぞれ求めることができる。
次のステップ516では、修正資本G及び修正当期利益Hを演算して、修正貸借対照表数値演算サブルーチンを終了し図4のステップ406に進む。図16(B)に示したように、修正資本Gは資本Gからステップ510で演算した不健全資産Tiに等しい未実現損失Hを除算することにより求めることができ、修正当期利益Hはその他の剰余金のうち当期利益Hから未実現損失Hを除算することにより求めることができる。
次に、図4のステップ406では、A/IによりB/Sを簿外を加味して修正した簿外加味修正B/S上の数値を演算するための簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンが実行される。
ここで、図16及び図17を参照して、この簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンで実行される演算概念について説明する。図17(A)に示す簿外加味修正貸借対照表の作成過程では、図16(A)に示した資産欄の固定資産性預金Aを固定資産の一部とみなして、みなし固定資産Bに組み入れると共に、第三者提供による担保の処分可能見込額のうち預金・有価証券・本業に欠かせない現物出資相当額(T+T+T)もみなし固定資産Bに組み入れたものである。また、負債・資本欄のみなし自己資本Gには資産欄に見合うように現物出資相当額(T+T+T)が組み込まれている。更に、負債・資本欄には、代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uがプラス要素とし付加され、損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uがマイナス要素として付加されている。なお、代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uは社外流出分であることから、みなし自己資本Gには含められず、また、損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uも簿外であることから不健全資産計Tiには含められない。これらは、後述するように、総資産みなし当期利益率を演算するときに用いられる。図17(B)は、図17(A)の資産欄及び負債・資本欄からそれぞれ未実現損失Hが排除されている。簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは、B/S、P/L及びA/Iに基づいて、この簿外加味修正B/S上の数値を演算するものである。なお、修正流動資産A、固定資産性預金A、修正繰延資産C、不健全資産計Ti、流動負債D、代表者等からの借入金のうち自己資本相当額E及び未実現損失Hは、修正貸借対照表数値演算サブルーチンで演算されネットワークサーバ113に格納されているので、簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは演算されない。
図6に示すように、この簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは、まず、ステップ532でA/Iの第三者提供による担保の処分可能見込額のうち預金T、有価証券T及び本業に欠かせない不動産(現物出資相当)Tを取得し、これらを加算して現物出資相当額(T+T+T)を求め、次のステップ534において、求めた現物出資相当額(T+T+T)にステップ502、514で演算した固定資産性預金A及び修正固定資産Bを加算することによりみなし固定資産Bを演算する(B=B+A+T+T+T)。
次のステップ536では、修正固定負債Eを、固定資産Eから、代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eを除算することにより演算し(E=E−E)、ステップ538において、ステップ516で演算した修正資本Gに代表者等からの借入金のうちステップ512で演算した自己資本相当額E及びステップ532で求めた現物出資相当額(T+T+T)を加算し、ステップ510で演算した不健全固定資産Tに相当する未実現損失Hを除算することにより、みなし自己資本Gを演算する(G=G+E+T+T+T−H)。次に、ステップ540において、A/Iの当該企業からの収入のうち多額と認められる金額計Uを取得して代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uとし、A/Iの損失確実な簿外債務Uを取得して損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uとして、簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンを終了し図4のステップ408へ進む。
ステップ408では、B/S及びP/L上の数値から対象企業の表面財務指標を演算する表面財務分析指標演算サブルーチンが実行される。
図7に示すように、この表面財務分析サブルーチンでは、ステップ562において、下式(9)(10)により総資本利益率aが演算される。
Figure 0004875720
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ステップ564では、下式(11)により売上高経常利益率bが演算され、次のステップ566では、式(10)及び下式(12)により総資本回転率cが演算される。
Figure 0004875720
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次にステップ568では、建設業では下式(13−2)により、その他の業種(製造業、流通業、不動産業、サービス業等)では、下式(13−1)により、流動比率dが演算される。
Figure 0004875720
次のステップ570では、下式(14)により固定長期適合率eが演算され、ステップ572において、下式(15)により自己資本比率fが演算される。
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ステップ572では、下式(16)により経常収支比率gを演算する。
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次のステップ576、578では、P/Lの売上高PL1の時系列推移、当期利益額PL21の時系列推移が、それぞれ、3期連続増加、2期連続増加、前期比増加、増減なし、前期比減少、2期連続減少、3期連続減少のいずれに該当するかを演算する。なお、成長性を分析するには、増減率でみる方法と増減実績でみる方法との2つに大別することができるが、中小企業においては売上高や当期利益が環境変化や特殊要因等により大きく変動することがあり、また、増減率でみる方法では当期及び2期前が減少であっても3期前が大幅な増加であればプラス評価となる等、直近の決算状況が強く反映されないことから、本実施形態では、増減実績でみる方法が採用されている。
次にステップ580では、自己資本額kを資本Gとして取得して、表面財務分析指標演算サブルーチンを終了し図4のステップ410へ進む。なお、企業規模を判断する指標としては、売上高、当期利益額、総資本額、自己資本額等が考えられるが、売上高や当期利益額は単年度における成績で変動が大きく安定した評価要素になりがたく、総資本は借入金等の他人資本の増減により評価が左右されるという難点があるので、本実施形態では、営業活動による利益が留保され返済期限がない自己資本額が用いられている。このため、毎期の成績が反映され、かつ、ストックとして比較的安定した評価を行うことができる。なお、表面財務分析指標演算サブルーチンで演算した指標は、図18(A)に示すように、収益性、効率性、安全性、成長性及び企業規模等の多面的な評価に資するものである。
ステップ410では、B/S及びP/L上の数値並びに修正貸借対照表数値演算サブルーチン及び簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンで演算した修正貸借対照表上の数値及び簿外加味修正貸借対照表上の数値から、対象企業の実質財務指標を演算する実質財務分析指標演算サブルーチンが実行される。
図8に示すように、この実質財務分析指標演算サブルーチンでは、ステップ602において、下式(17)により不健全資産比率lが演算される。この指標は、B/S上の総資産に対して不健全資産がどの程度内包されているかを示すもので、企業の健全性をみるための指標となる。なお、この数値が大きいほど、資産内容が悪化している懸念がある。
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次にステップ604では、式(10)及び下式(18)により総資本みなし当期利益率mが演算される。この指標は、総資本に対するみなし当期利益の割合を示すもので、企業の実体に則した最終利益に基づく収益性をみるための指標として用いられる。例えば、表面的に少額の赤字であっても、不健全資産を内包せず、かつ、赤字をカバーするだけの代表者等に対する当該企業からの収入のうち多額と認められる金額があれば、みなし当期利益はプラスとなり、逆に、表面的には黒字であっても、多額の不健全資産を内容している場合にはみなし当期利益はマイナスとなり、低い評価となる場合がある。
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次のステップ606では、下式(19)により修正借入金償還年数nが演算される。この指標は、営業活動により生じた資金流入額(キャッシュフロー)を実質ベースに引き直し、実際に返済すべき借入金を何年で償還できるかをみるための指標で、年数が短いほど高い評価となる。
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ステップ608では、下式(20)によりみなし自己資本比率pが演算される。この指標は、総資本に対してみなし自己資本がどの程度占めているかを示すもので、企業の実体に則した資本蓄積の度合いをみるための指標である。例えば、表面的には少額の債務超過であっても、不健全資産を内包せず、かつ、債務超過をカバーするだけの現物出資相当額があれば、みなし自己資本比率はプラスとなり、逆に、表面的には債務超過でなくても、多額の不健全資産を内包しているときには、みなし自己資本比率はマイナスとなり、低い評価となる場合がある。
Figure 0004875720
次のステップ610では、下式(21)により修正流動比率qが演算される。この指標は、当面の債務である流動負債に対してこれを賄うべき実質的な資産評価を持つ流動資産がどの程度保有されているかを示すもので、企業の実体に則した流動性、資金繰り状況、支払能力等をみるための指標である。
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次にステップ612では、不健全資産が対前期比で増加している場合には下式(22−2)により、不健全資産が対前期比で減少している場合には下式(22−3)により、増減がない場合には下式(22−1)により、修正経常収支比率rを演算して、実質財務分析指標演算サブルーチンを終了し図4のステップ412へ進む。この指標は、表面的な経常収支比率に不健全資産の対前期比増減を加味したもので、実質的な資金繰りの良否をみるための指標である。
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図4のステップ412では、B/S及びP/L上の数値並びに修正貸借対照表数値演算サブルーチン及び簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンで演算した修正貸借対照表上の数値及び簿外加味修正貸借対照表上の数値から、B/SやP/L上の実体からの乖離、換言すれば、粉飾度合いを測る粉飾等調整指標を演算する粉飾等調整指標演算サブルーチンが実行される。
図9に示すように、この粉飾等調整指標演算サブルーチンでは、ステップ632において、下記式(23)により流動比率乖離幅sが演算され、次のステップ634で、対象企業が製造業、流通業又はサービス業の場合には下式(24−1)により経常収支比率乖離幅tが演算され、建設業又は不動産業の場合には下式(24−2)により経常収支比率最小値wが演算される。これらの指標は、表面的な比率と実質的な比率との差異が許容範囲内にあるかを示す指標で、短期返済能力をみるための指標である。なお、建設業等では、建設工事が完成するまでに長期間かかることもあり、長期間にわたり巧妙な粉飾がなされた例がみうけられることから、当期、前期、2期前、3期前の経常収支比率の最も低い値を指標として採用されている。
Figure 0004875720
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次にステップ636では、製造業、流通業、不動産業及びサービス業では下式(25−1)により修正後売上高借入金倍率uが演算され、建設業では下式(25−2)により売上高負債倍率xが演算される。修正後売上高借入金倍率uは、借入金が売上高の何倍あるかをみるための指標で、企業が正常な営業活動をしている限り業種によってその妥当な(許容される)範囲の倍率が予測される指標である。例えば、製造業の場合には1.5倍以上となる可能性は低く、1.5倍以上となる原因としては、売上不振、過大な設備投資、使途不明金への流用、多額の不健全資産の内容等が考えられる。また、売上負債倍率xは、負債計が売上高の何倍あるかをみるため指標で、企業が正常な営業活動をしている限り、当該指標が1.0倍以上となる可能性は低い。なお、売上負債倍率xの演算で、負債計に割引手形及び裏書譲渡手形が含まれているのは、融通手形操作等による資金調達の可能性があるからである。
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次のステップ638では、対象企業が製造業及び流通業の場合には下式(26−1)により棚卸資産回転期間vを演算し、建設業の場合には下式(26−2)により実質立替工事期間yを演算し、不動産業の場合には下式(26−3)により売上債権回転期間zを演算し、サービス業の場合には修正当座資産回転期間iを演算し、粉飾等調整指標演算サブルーチンを終了して図4のステップ414へ進む。棚卸資産回転期間vは、棚卸資産が何日間で売上高に転換するかという速度をみるための指標で、企業が正常な活動をしている限り、当該指標が360日(1年)以上となる可能性は低い。実質立替工事期間yは、実質的な立替工事金が売上高の何日分あるかをみるための指標で、当該指標が60日(2カ月)以上となる可能性は低い。売上債権回転期間zは売掛金や受取手形等の営業活動により得られた債権(売上債権)が実際に何日間で現金として回収されるかという速度をみるための指標で、当該指標が45日以上となる可能性は低い。修正当座資産回転期間iは、極めて容易かつ確実に現金化できる資産である修正当座資産が売上高に対して何日分あるかを示すもので、企業の実体に則した手元流動性をみるための指標で、当該指標が30日(1カ月)未満となる可能性は低い。
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図4のステップ414では、表面財務分析指標演算サブルーチン、実質財務分析指標演算サブルーチン及び粉飾等調整指標サブルーチンで演算した表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標を評点し、格付する評点・格付処理サブルーチンが実行される。ここで、図18を参照して、評点・格付処理サブルーチンでの評価概念について簡単に説明すれば、図18(A)に示すように、表面財務分析指標の各指標はそれぞれ5〜0の評点がなされ、図18(B)に示すように、実質財務分析指標の各指標はそれぞれ10〜0又は5〜0のプラス評点がなれる。これに対し、図18(C)に示すように、粉飾調整指標の各指標は、財務諸表の実体財務からの乖離や財務体質の脆弱性を測るものであるため、0〜−10のマイナス評点がなされる。
図10に示すように、この評点・格付処理サブルーチンでは、ステップ652において、対象企業の業種により評点テーブルを読み出し(下表2は製造業の場合の評点テーブルである。)、次のステップ654において、データベースサーバ113に格納されている評点テーブルを読み出して、表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標の各指標のポイント化(評点)が行われ、ステップ656で評点された各指標のポイントの得点を加算する演算が実行される(図18(D)も参照)。
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次のステップ658では、ステップ310でデータベースサーバ113に格納した債務情報を読み出し、ステップ670において、データベースサーバ113に格納されている債務情報得点テーブルを読み出して得点を取得する(図14も参照)。次にステップ672において、ステップ656で演算した財務分析の得点がステップ670で演算(取得)した債務情報得点より大きいか否かを判断し、肯定判断されたときは、次のステップ674において、信用格付を行うための区分対象得点を債務情報得点とし、否定判断されたときは、ステップ676において、区分対象得点を財務分析得点としてステップ678へ進む。すなわち、ステップ672〜676では、区分対象得点を財務分析得点及び債務情報得点のいずれか小さい方とする処理がなされる。これは、対象企業の財務体質が良好でも支払に延滞が発生するような場合を考慮したものである。
次にステップ678では、下表3に示すように、企業の信用の程度を複数に区分した信用区分テーブルをデータベースサーバ113から読み出して、次のステップ680において、区分対象得点がいずれの信用区分に属するかを判定することにより企業の信用格付を行って、次のステップ680で、図19、図20に示すように、信用格付及び財務諸表に関連する帳票のイメージをPDF(Public Domain Software)化してデータベースサーバ113に格納して、評点・格付処理サブルーチンを終了し図2の格付処理サブルーチン及び格付処理ルーチンを終了する。
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図2のステップ208では、コンピュータ端末102からダウンロードの要求か否かを判断し、肯定判断のときは、ステップ218において、ステップ680でデータベースサーバ113に格納した信用格付及び財務諸表に関連する帳票のイメージを要求先に送信することによりダウンロード処理を実行して信用格付ルーチンを終了する。なお、コンピュータ端末102から対象企業を特定するには、自己(信用金庫)の店番号及び対象企業の口座番号(顧客番号)を入力すればよい。
一方、ステップ208で否定判断されたときは、ステップ210において、ステップ210又は204で受信した基本情報、ファイル情報取込処理サブルーチンで受信した財務情報、追加情報、債務情報のデータの修正か否かを判断し、肯定判断のときは、ステップ220において、データの追加・修正を許容し、修正されたデータをデータベースサーバ113に格納して信用格付ルーチンを終了し、否定判断のときは、ステップ222において、例えばデータベースサーバ113のホームページ参照等に対応するための別処理を実行して信用格付サブルーチンを終了する。
以上のように、本実施形態では、B/S、P/L、A/Iにより修正貸借対照表上及び簿外加味修正貸借対照表上の数値を演算して、3つの貸借対照表上の数値、P/L及びA/I上の数値から対象企業の多面的かつ複数の表面財務分析指標、実質財務分析指標、及びB/S、P/Lからの乖離の程度や財務体質の脆弱性を表すマイナス要素の粉飾等調整指標を用いて信用格付を行うので、中小企業の財務実体を反映した信用格付を行うことができる。しかも、本実施形態では、A/Iに入力されない項目があるときには、推定額が演算されるので、B/S及びP/Lのみの場合より中小企業の実体に近い信用格付を行うことができる。更に、本実施形態では、区分対象得点を財務分析得点及び債務情報得点のいずれか小さい方としたので、対象企業の支払状況等についての形式的側面を加味して信用格付を行うことが可能である。
なお、本実施形態ではネットワーク上での信用格付システムについて説明したが、上述した信用格付方法を記録媒体に記録し、当該記録媒体をコンピュータにインストールした信用格付装置に本発明を適用するようにしてもよい。また、本実施形態では、表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標を演算した後、評点するようにしたが、各指標を演算した後に各指標毎に評点するようにしてもよく、修正貸借対照表、簿外加味修正貸借対照表を格付処理が終了した後作成するようにしたが(ステップ682)、表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標を演算する前後に作成するようにしてもよい。更に、本実施形態では、ネットワークサーバ112に格付処理サブルーチンを実行させる例を示したが、ネットワークサーバ112の負荷を軽減するために、格付処理用のコンピュータに格付処理を実行させるようにしてもよい。また、本実施形態では、債務情報を略号化して企業信用格付サイト110に送信する例を示したが、信用金庫側が債務情報とその情報を評点する評点表を有しており、債務情報として評点表に記載された評点を送信するようにしてもよい。そして、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、特許請求の範囲を逸脱することなく種々の態様を採ることができる。
本発明は中小企業の実質的財務体質を反映した信用格付を行うことができる信用格付装置を提供するものであるため、信用格付装置の製造、販売に寄与するので、産業上の利用可能性を有する。
101 ネットワーク
102、103 コンピュータ端末
110 企業信用格付サイト
111 ファイアウォール
112 ネットワークサーバ(回転期間算出手段、判断手段、不健全資産推定値算出手段、修正貸借対照表数値演算手段、指標演算手段、加算値算出手段、判定手段、修正手段)
113 データベースサーバ(記憶手段)

Claims (4)

  1. 貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置において、
    入力された前記財務諸表上の数値、並びに、予め定められ、少なくとも現金・預金架空計上額を含む、前記財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す財務追加情報を記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値から売上高に対する回転期間を算出する回転期間算出手段と、
    前記記憶手段に記憶される財務追加情報に未入力による欠落があるか否かを判断する判断手段と、
    前記判断手段により未入力による欠落があると判断されたときに、前記回転期間算出手段で算出された売上高に対する当期の回転期間から前記回転期間算出手段で算出された売上高に対する前期又は2期前の回転期間を差し引いた日数を算出し、該算出した日数のうち予め定められた所定期間を超える日数に相当する額を、前記未入力による欠落箇所の不健全資産の推定値として算出する不健全資産推定値算出手段と、
    前記記憶手段に記憶される不健全資産の金額又は前記不健全資産推定値算出手段で算出された不健全資産の推定値を前記貸借対照表における資産に加えた修正貸借対照表上の数値を演算する修正貸借対照表数値演算手段と、
    業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値、前記修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値から複数の財務指標を演算する指標演算手段と、
    前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、財務指標毎に対応した評点テーブルに基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、
    信用区分と加算値との関係を予め関連付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段により算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、
    を備えた信用格付装置。
  2. 前記修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値を資産と負債とがバランスするように修正可能な修正手段を更に備え、前記指標演算手段は、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値、前記修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値、並びに、前記修正手段で修正された数値から複数の財務指標を演算することを特徴とする請求項1に記載の信用格付装置。
  3. 前記記憶手段は、前記貸借対照表上に表れない簿外内容である第三者提供による担保の処分可能見込額のうち現物出資相当額の金額を更に記憶し、前記修正貸借対照表数値演算手段は、前記記憶手段に記憶される不健全資産の金額又は前記不健全資産推定値算出手段で算出された不健全資産の推定値を前記貸借対照表における資産に加えた修正貸借対照表上の数値を演算し、該演算した修正貸借対照表上の数値に前記記憶手段に記憶された現物出資相当額の金額を加えた再修正貸借対照表上の数値を演算し、前記指標演算手段は、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値、前記修正貸借対照表数値演算手段で演算された修正貸借対照表上の数値、並びに、前記修正貸借対照表数値演算手段で演算された再修正貸借対照表上の数値から複数の財務指標を演算することを特徴とする請求項1に記載の信用格付装置。
  4. 前記不健全資産推定値算出手段は、前記判断手段により前記財務追加情報のうち前記現金・預金架空計上額に未入力による欠落があると判断されたときに、前記回転期間算出手段で算出された売上高に対する当期の現金・預金の回転期間から前記回転期間算出手段で算出された売上高に対する前期又は2期前の現金・預金の回転期間を差し引いた日数を算出し、該算出した日数のうち30日を超える日数に相当する額を、前記現金・預金架空計上額に対する不健全資産の推定値として算出することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の信用格付装置。
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