JP4353716B2 - 信用格付装置、信用格付システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は信用格付装置及び信用格付システムに係り、特に、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置、及び、ネットワークを介してクライアント端末を信用格付サーバに接続し、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表上の数値、並びに、貸借対照表及び損益計算書上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報をクライアント端末から信用格付サーバに送信し、信用格付サーバは受信した財務諸表上の数値及び追加情報を分析して企業の信用区分に関する情報をクライアント端末に送信する信用格付システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、金融機関及び金融関連機関では、自己の取引先企業に対する与信限度額を定めたり、当該取引先の財務体質向上のために信用格付を行っている。このような信用格付では、一般に、貸借対照表や損益計算書等の財務諸表上に表された数値から、格付先が属する業種に応じて総資本経常利益率、売上高経常利益率、総資本回転率、流動比率、固定長期適合率、自己資本比率、経常収支比率、売上高推移、当期利益推移、自己資本額等の財務指標を算出し、多面的に収益性、効率性、安全性、成長性、企業規模等について評価・評点することで、企業の業績状態を把握したり(例えば、特許文献1参照)、該当する債務者区分が決定される(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
また、金融機関の中小企業に対する信用格付では、一般に、当該企業の財務体質との乖離を避けるために、財務面及び非財務面双方の評価を総合的に行うことによって判断されている。すなわち、金融機関では企業に対して担当者を設定して、財務面では当該企業の最新の経営情報を把握し、非財務面では経営者の資質やその企業が属する業界の動向を把握することにより、これらの要素を加味して信用格付が行われている。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−350911号公報
【特許文献2】
特開2002−092321号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の財務分析では、業種が同じであれば、当該業種に対応して定められた単一の財務分析方法により企業の評価をせざるを得なかったため、評価結果に企業の実体が十分反映されていない、という問題点があった。すなわち、主たる経営資源の相違(例えば、資本集約型と労働集約型)に起因して、同一業種の中でも企業の財務諸表の構造が大きく異なるが、この点の考慮をせず画一的に企業の評価を行っていたため、企業の評価結果がスキルの高い融資担当者の評価とは乖離してしまう、という問題があった。
【0006】
また、中小企業の中には、企業が代表者から土地等の現物出資を受けているという場合や、企業が代表者から土地を賃借して土地の上に建物を建築し、当該建築資金は金融機関からの借入で賄い、土地・建物を担保提供するという場合があるが、従来の財務分析方法では、このような違いが考慮されず、財務諸表上の数値に基づいて評価を行っていたため、スキルの高い融資審査担当者の評価に合致した評価結果が得られず、形式的に財務分析を行うだけで、財務分析の結果がほどんど当該企業の評価に用いられない場合があった。
【0007】
本発明は上記事案に鑑み、企業の財務諸表の構造上の実体を反映させて信用格付を行うことができる信用格付装置及び信用格付システムを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様は、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置において、入力された前記財務諸表上の数値及び前記財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、前記評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、信用区分と加算値との関係を予め関係付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、を備える。
【0009】
第1の態様では、判断手段により財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率が算出され、売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かが判定され、肯定判定が2つ以上のときに、財務諸表の構造が資本集約型と判断され、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断され、指標演算手段により財務諸表上の数値と追加情報とから複数の財務指標が演算され、評点基準選択手段により判断手段で判断された財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準が選択され、加算値算出手段により指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値が算出され、判定手段により信用区分テーブルに基づいて、加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、企業の信用区分が判定されるので、企業の財務諸表の構造(資本集約型、労働集約型)上の実体が反映された信用格付を行うことができる。
【0010】
第1の態様において、指標演算手段が記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから、会計処理外となっており担保提供されている本業に欠かせない不動産を記憶手段に記憶された貸借対照表上の固定資産に組み入れることでオンバランス化したオンバランス貸借対照表上の数値を演算し、該オンバランス貸借対照表上の数値に基づいて、財務指標を演算するようにすれば、信用格付の基礎となるオンバランス貸借対照表上で本業に欠かせない不動産がオンバランス化しているので、より実体に則した信用格付が可能となる。
【0011】
また、本発明の第2の態様は、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置において、入力された前記財務諸表上の数値、並びに、リース契約により使用しているリース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバランスリース資産に関する情報を含み、前財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたオフバランスリース資産を前記記憶手段に記憶された貸借対照表における資産に加えたオフバランス貸借対照表上の数値を演算し、該オフバランス貸借対照表及び前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、前記判断手段で演算されたオフバランス貸借対照表上の数値と前記記憶手段に記憶された追加情報とから前記オフバランス貸借対照表の不健全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演算し、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記演算した修正貸借対照表上の数値、並びに、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、前記評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、信用区分と加算値との関係を予め関係付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、を備える。
【0012】
第2の態様では、判断手段により、貸借対照表の資産にリース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバランスリース資産を加えたオフバランス貸借対照表演算され、このオフバランス貸借対照表及び財務諸表の数値から企業の財務諸表の構造が資本集約型か労働集約型かが判断されるので、第1の態様に比べ、企業の財務諸表の構造的差異による企業の実体を更に正確に反映させることができると共に、指標演算手段により、オフバランス貸借対照表の不健全資産を排除した修正貸借対照表が演算され、修正貸借対照表、並びに、貸借対照表及び損益計算書上の数値から財務指標演算されるので、精度の高い信用格付を行うことができる。
【0013】
第2の態様において、指標演算手段が演算した修正貸借対照表上の数値と記憶手段に記憶された追加情報から、修正貸借対照表の資産に会計処理外となっている資産を加えた会計処理外資産加味貸借対照表上の数値をさらに演算し、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、会計処理外資産加味貸借対照表、修正貸借対照表、並びに、記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値から財務指標を演算するようにすれば、会計処理外資産加味貸借対照表上の数値を踏まえて財務指標を演算することができるので、より実体を反映した信用格付を行うことが可能となる。このとき、指標演算手段が、判断手段で演算されたオフバランス貸借対照表、修正貸借対照表及び会計処理外資産加味貸借対照表記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから、会計処理外となっており担保提供されている本業に欠かせない不動産を固定資産として組み入れることでオンバランスするように変換し、業種毎に定められた指標演算式に従って、変換されたオフバランス貸借対照表、修正貸借対照表及び会計処理外資産加味貸借対照表上の数値に基づいて、財務指標を演算するようにすれば、オフバランス貸借対照表、修正貸借対照表及び会計処理外資産加味貸借対照表では本業に欠かせない不動産がオンバランス化しているので、更に企業の実体に則した信用格付が可能となる。
【0014】
上記第1及び第2の態様において、判断手段が、資本集約型と判断したときに、更に、機械・装置の簿価が土地・建物の簿価より大きいか否か、及び、機械・装置の単年度減価償却費が建物の単年度減価償却費より大きいか否かをそれぞれ判定し、1つ以上の肯定判定結果が得られたときに機械・装置型、肯定判定結果が得られなかったときに土地・建物型に分類し、評点基準選択手段は、判断手段により判断された財務諸表の構造に応じて、機械・装置型、土地・建物型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に予め定められた評点基準の中から評点基準を選択することが望ましい。
【0015】
更に、本発明の第3の態様は、ネットワークを介してクライアント端末を信用格付サーバに接続し、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表上の数値、並びに、前記財務指標上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を前記クライアント端末から前記信用格付サーバに送信し、前記信用格付サーバは受信した前記財務諸表上の数値及び追加情報を分析して前記企業の信用区分に関する情報を前記クライアント端末に送信する信用格付システムであって、前記信用格付サーバは、受信した前記財務諸表上の数値及び前記追加情報を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、前記評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、信用区分と加算値との関係を予め関係付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
そして、本発明の第4の態様は、ネットワークを介してクライアント端末を信用格付サーバに接続し、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表上の数値、並びに、リース契約により使用しているリース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバランスリース資産に関する情報を含み、前記財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を前記クライアント端末から前記信用格付サーバに送信し、前記信用格付サーバは受信した前記財務諸表上の数値及び追加情報を分析して前記企業の信用区分に関する情報を前記クライアント端末に送信する信用格付システムであって、前記信用格付サーバは、受信した前記財務諸表上の数値及び前記追加情報を記憶するための記憶手段と、前記記憶手段に記憶されたオフバランスリース資産を前記記憶手段に記憶された貸借対照表における資産に加えたオフバランス貸借対照表上の数値を演算し、該オフバランス貸借対照表及び前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、前記判断手段で演算されたオフバランス貸借対照表上の数値と前記記憶手段に記憶された追加情報とから前記オフバランス貸借対照表の不健全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演算し、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記演算した修正貸借対照表上の数値、並びに、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、前記評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、信用区分と加算値との関係を予め関係付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明を、信用金庫の取引先(以下、格付先という。)が医療業であることを想定して、当該格付先に対する信用格付を行う信用格付システムに適用した実施の形態について説明する。
【0018】
(構成)
図1に示すように、本実施形態の信用格付システムでは、秘密を保持するために外部ネットに対して閉じられたイントラネット等のネットワーク101を備えている。ネットワーク101には、各信用金庫のコンピュータ端末102、103が専用回線又は公衆回線を介して接続される。
【0019】
また、ネットワーク101には、各信用金庫の依頼に応じて信用格付を行う信用格付サイト110が接続されている。信用格付サイト110は、信用格付サイト110外部からの不正アクセスに対して武装するためのファイアウォール111を備えている。ネットワーク101は、このファイアウォール111を介して、後述するように信用格付を行うネットワークサーバ112に接続されている。ネットワークサーバ112は、信用格付サイト110内に張られたバス型のLAN114に接続されている。LAN114には、各信用金庫から送信されたファイル情報及びネットワークサーバ112が演算した財務上の数値を格納するためのデータベースサーバ113が接続されている。
【0020】
(動作)
次に、フローチャートを参照して信用格付サイト110の動作について説明する。コンピュータ端末102(又は、103)からのアクセスがあると、信用格付サイト110のネットワークサーバ112は、格付先の信用格付を行うための信用格付ルーチンを実行する。
【0021】
図2に示すように、この信用格付ルーチンでは、まず、ステップ202において、顧客開設、すなわち、データベースサーバ113に登録のない格付先に対して新たに信用格付を行うための基本情報の取り込みか否かを判断する。なお、コンピュータ端末102側では、メニュー画面に複数のボタンが配置され、それらのボタンにはVB(Visual Basic)、C++等の言語で記述されたプログラムが割り当てられており、「顧客開設」をクリックすることで顧客開設であることをネットワークサーバ112に通知可能とされている(以下、後述する登録、格付依頼、ダウンロード、データ修正等についても同じ。)。ステップ202での判断が肯定されたときは、ステップ212において、信用金庫の店番号、格付先の口座番号(顧客番号)、格付先の名称、住所、業種コード(本例では医療業を特定するコード)、設立年月等の基本情報を取り込む開設処理を実行して、信用格付ルーチンを終了する。
【0022】
一方、ステップ202での判断が否定されたときは、次のステップ204において、財務情報の登録か否かを判断し、否定判断のときはステップ206に進み、肯定判断のときはステップ214において、財務情報ファイルのファイル情報を取り込むためのファイル情報取込処理サブルーチンが実行される。
【0023】
図3に示すように、このファイル情報取込処理サブルーチンでは、ステップ302において財務諸表の受信か否かを判断する。なお、コンピュータ端末102側では、メニュー画面の「登録」がクリックされると、「財務諸表の送信」「追加情報の送信」「債務情報の送信」のボタンが配置されたサブメニューが表示され、いずれかのボタンがクリックされることにより、ボタンに割り当てられたプログラムによりネットワークサーバ112に財務諸表、追加情報、後述する債務情報のいずれの送信であるかを判定可能とさせている。
【0024】
ステップ302で肯定判断されたときは、ステップ306において、財務諸表を取り込んでデータベースサーバ113に格納する。これらの財務諸表は、図13、図14及び図15に示すように、当期、前期、2期前及び3期前の貸借対照表(以下、B/Sと略記する。)、損益計算書(以下、P/Lと略記する。)、並びに、販売費・一般管理費明細および製造原価明細(以下、M/Cと略記する。)上の数値である。一方、ステップ302で否定判断されたときは、次のステップ304において、追加情報(以下、A/Iと略記する。)の受信か否かを判断し、肯定判断のときはステップ308においてA/Iを取り込んでデータベースサーバ113に格納し、否定判断のときはステップ310において債務情報を取り込んでデータベースサーバ113に格納して、ファイル情報取込処理サブルーチン及び信用格付ルーチンを終了する。
【0025】
このA/Iには、オフバランスリース資産等を加味するためのオフバランス追加情報とB/S、P/L及びM/C上に現れない格付先の財務上の部分的な実体を表す財務追加情報とが含まれている。
【0026】
図16に示すように、オフバランス追加情報はオフバランスリース資産に関するオフバランス追加情報(図16に「オフバランス」と記載)と、オフバランス追加情報以外の情報とを含み、(長期)割賦買掛金OFA(OFA、OFA)、(長期)リース未払金OFB(OFB、OFB)、設備(長期)支払手形OFC(OFC、OFC)、滞納税金等OFD(OFD〜OFD)、支払リース料OFE(OFE、OFE)、減価償却資産に係る処分損OFF(OFF)、オフバランスリース資産OFG(OFG)、オフバランス(長期)リース未払金OFH(OFH、OFH)及びオフバランスリース資産に係る減価償却実施額OFJ(OFJ)についての当期、前期、2期前及び3期前の情報で構成されている。(長期)割賦買掛金OFA、(長期)リース未払金OFB、設備(長期)支払手形OFC、滞納税金等OFD、支払リース料OFE及び減価償却資産に係る処分損OFFについては、決算書類の付属明細書等から信用金庫の格付先を担当する担当者により把握された数値が入力され、オフバランスリース資産OFG、オフバランス(長期)リース未払金OFH及びオフバランスリース資産に係る減価償却実施額OFJについては、財務諸表の注記、決算書類の付属明細書及びリース台帳等から把握された数値が入力される。
【0027】
買掛金のうち割賦買掛金OFA、買掛金のうちリース未払金OFB、その他の流動負債のうち設備支払手形OFCとは、それぞれ、割賦金の支払日、費用化の期限(リース料の支払日)、設備の建設・固定資産の購入等その他通常の取引以外の取引に基づいて発生した手形債務の支払期限、が決算日の翌日から起算して1年以内に到来するものをいい、その他の固定負債のうち長期割賦買掛金OFA、その他の固定負債のうち長期リース未払金OFB、その他の固定負債のうち設備長期支払手形OFCとは、それぞれ、割賦金の支払日、費用化の期限(リース料の支払日)、設備の建設・固定資産の購入等その他通常の取引以外の取引に基づいて発生した手形債務の支払期限、が決算日の翌日から起算して1年を超えて到来するものをいう。医療業では、主要設備(医療機器)の調達方法が金融機関等からの借入金によるもの以外に、割賦による方法、リースによる方法、手形による方法等があるので(全額キャッシュという方法もある。)、これらの調達方法による勘定科目を借入金に準ずる負債として取り扱うことが妥当である。
【0028】
また、滞納税金等OFDとは顧客(販売先)や従業員等から預かっている消費税、源泉所得税、社会保険料等のうち納付期限まで納付しなかったものをいい、差押の対象となることから極めて返済順位の高い負債とみることができる。支払リース料OFEは販売費・一般管理費に計上されている賃借料・リース料のうちリース料であり、支払リース料OFEは製造原価に計上されている賃借料・リース料のうちリース料である。固定資産処分損のうち減価償却資産に係る処分損OFFとは固定資産処分損のうち減価償却資産に係るものをいう。オフバランスリース資産OFGとは、リース契約に基づき使用している物件のうち、会計処理が簿外となっているものをいう。オフバランスリース未払金OFHとは費用化の期限(リース料としての支払期限)の決算日の翌日から起算して1年以内に到来するもののうち会計処理が簿外となっているものをいい、オフバランス長期リース未払金OFHとは費用化の期限(リース料としての支払期限)の決算日の翌日から起算して1年を超えて到来するもののうち会計処理が簿外となっているものをいう。オフバランスリース資産に係る減価償却実施額OFJとは当年度決算に計上した支払リース料のうち減価償却費に相当する額をいう。従って、オフバランス追加情報には、医療業を含む格付先の業態に関連した資産、負債に関する詳細な情報が含まれている。
【0029】
図17に示すように、財務追加情報は、現金・預金等に関する不健全流動資産L(L〜L)、その他流動資産のうち換金可能額M(M〜M)、減価償却費不足額N(N)、有価証券・投資有価証券および不動産に関する含み損益P(P〜P)、投資その他(投資その他のうちその他を除く)のうちの換金可能額Q(Q〜Q)、その他の投資における不健全資産R(R)、繰延資産のうちの換金可能額S(S)、代表者等からの借入等の状況T(T〜T)、オフバランス損益U(U〜U)及び固定資産性預金A確定額V(V)についての当期、前期、2期前及び3期前の情報で構成されている。ここで、「投資その他のうちその他」とは、投資有価証券、長期貸付金、保険積立金、差入保証金及び不渡手形(投資その他で計上されているもの)・固定化営業債権を除くものをいう。なお、現金・預金架空計上確定額L、受取手形貸倒・架空計上確定額L、売掛金貸倒・架空計上確定額L、棚卸資産不良・架空計上確定額L等の図17に示した財務追加情報は、信用金庫の担当者が格付先の経営者等との面接ヒアリングや実地調査などを行い、当該格付先の業況・財務内容、各勘定科目の相手先の業況等から換金可能か否かの判断を加えた上で最終的に確定した数値が入力される。従って、財務追加情報には、B/S及びP/L上の不健全な財務の部分的な実体が表されている。
【0030】
また、債務情報は、図18に示すように、格付先の支払の延滞状況及び借入債務状況についての情報であり、マトリックス内のいずれかを選択して入力される(例えば、債務状況が、債務超過なし、赤字・繰越損なしの通常先で、支払状況が、1カ月以上3カ月未満延滞している場合に該当するときは、49点が債務情報として入力される)。なお、図18において、特例先とは特別な事情により今後の管理に注意を要する企業をいい、通常先とは特例先以外の企業をいう。
【0031】
次に、図2のステップ206では、格付依頼か否かの判断を行い、否定判断のときはステップ208へ進み、肯定判断のときはステップ216において格付先の信用格付を行うための格付処理サブルーチンを実行する。
【0032】
図4に示すように、この格付処理サブルーチンでは、ステップ401において、ステップ212、306、308、310でデータベースサーバ113に格納した格付先の業種情報(本例では医療業)、財務諸表、A/I及び債務情報を読み出してRAM上に展開し、次のステップ402において、B/Sとオフバランス追加情報とからオフバランスリース資産等を加味した貸借対照表(以下、オフバランスB/Sという。)上の数値を演算するためのオフバランスリース加味貸借対照表数値演算サブルーチンが実行される。このオフバランスリース加味貸借対照表数値演算サブルーチンでの演算について一言すれば、図20(A)に示すB/S(図13に示したB/Sを圧縮して模式的に示したもの)と、図20(B)に示すオフバランス追加情報(図16に示すオフバランス追加情報を圧縮して模式的に示したもの)と、から図21(A)に示すオフバランスB/S(図19に示すオフバランスB/Sを圧縮して模式的に示したもの)上の4期分の数値を演算するものであるが、詳しくは次の通りである。
【0033】
図5に示すように、オフバランスリース加味貸借対照表数値演算サブルーチンでは、まず、ステップ452において、オフバランスリース資産を演算する。このオフバランスリース資産の演算では、図16に示したオフバランス追加情報のオフバランスリース資産確定額OFGに数値が入力されているか否かを判定し、肯定判定のとき(数値がヌルでないとき、以下同じ。)はその額(4期分のオフバランスリース資産確定額OFG)を図19に示すオフバランスB/S上のオフバランスリース資産101としてRAMに記憶する。一方、否定判定のとき(数値がヌルのとき、以下同じ。)は、オフバランス追加情報の支払リース料OFE(販売費・一般管理費分)及び支払リース料OFE(製造原価分)が共に数値が入力されているか否かを判断し、肯定判断のときは、各4期毎に支払リース料OFE(販売費・一般管理費分)と支払リース料OFE(製造原価分)とを合計した合計額TLを減価償却資産の法定耐用年数の6年に対応して6倍の額としたオフバランスリース資産推定値((OFE+OFE)×6)をオフバランスB/S上のオフバランスリース資産101として演算し、否定判断のときは、図15に示したM/Cの賃借料・リース料MM5(販売費・一般管理費分)と賃借料・リース料MC6(製造原価分)とを合計した合計額TLを同様に6倍の額としたオフバランスリース資産推定値((MM5+MC6)×6)をオフバランスB/S上のオフバランスリース資産101として演算すると共に、オフバランスリース資産推定値に用いた方の合計額TLをRAMに記憶する。
【0034】
次のステップ454では、オフバランスリース未払金及びオフバランス長期リース未払金を演算する。すなわち、オフバランスリース未払金の演算では、オフバランス追加情報のオフバランスリース未払金確定額OFHの数値が入力されているか否かを判定し、肯定判定のときはオフバランスリース未払金確定額OFHをオフバランスB/S上のオフバランスリース未払金114とし、否定判定のときは、ステップ452で演算したオフバランスリース資産101を0.2倍した推定額をオフバランスB/S上のオフバランスリース未払金114として演算する。また、オフバランス長期リース未払金の演算では、オフバランス追加情報のオフバランス長期リース未払金確定額OFHの数値が入力されているか否かを判定し、肯定判定のときはオフバランス長期リース未払金確定額OFHをオフバランスB/S上のオフバランス長期リース未払金124とし、否定判定のときは、ステップ452で演算したオフバランスリース資産101を0.8倍した推定額をオフバランスB/S上のオフバランス長期リース未払金124として演算する。
【0035】
次にステップ456では、オフバランスリース資産に係る減価償却実施額を演算する。このオフバランスリース資産に係る減価償却実施額の演算では、オフバランス追加情報のオフバランスリース資産に係る減価償却実施確定額OFJの数値が入力されているか否かを判定し、肯定判定のときはオフバランスリース資産に係る減価償却実施確定額OFJをオフバランスB/Sの脚注上のオフバランスリース資産に係る減価償却実施額131とし、否定判定のときは、ステップ452でRAMに記憶した合計額TLを読み出して0.8倍した推定値(TL×0.8)をオフバランスB/Sの脚注上のオフバランスリース資産に係る減価償却実施額131として演算する。
【0036】
また、ステップ456では、オフバランス追加情報の買掛金のうち割賦買掛金OFAをオフバランスB/S上の流動負債の買掛金・工事未払金39のうち割賦買掛金111とし、オフバランス追加情報のその他の固定負債のうち長期割賦買掛金OFAをオフバランスB/S上のその他の固定負債52のうち長期割賦買掛金121とし、オフバランス追加情報の買掛金のうちリース未払金OFBをオフバランスB/S上の流動負債の買掛金・工事未払金39のうちリース未払金112とし、オフバランス追加情報のその他の固定負債のうち長期リース未払金OFBをオフバランスB/S上のその他の固定負債52のうち長期リース未払金122とし、オフバランス追加情報のその他の流動負債のうち設備支払手形OFCをオフバランスB/S上のその他の流動負債48のうち設備支払手形113とし、オフバランス追加情報のその他の固定負債のうち設備長期支払手形OFCをオフバランスB/S上のその他の固定負債52のうち設備長期支払手形123として、図19に示すオフバランスB/Sを作成し、オフバランスリース加味貸借対照表数値演算サブルーチンして図4に示すステップ403へ進む。
【0037】
なお、図19に示すオフバランスB/Sは、図13に示すB/Sに対して、固定資産にオフバランスリース資産101、流動負債にオフバランスリース未払金114、固定負債にオフバランス長期リース未払金124がそれぞれ加えられた点(図21(A)も参照)、流動負債の買掛金・工事未払金39の内訳として割賦買掛金111及びリース未払金112、その他の流動負債48の内訳として設備支払手形113、その他の固定負債52の内訳として長期割賦買掛金121、長期リース未払金122及び設備長期支払手形123が加えられた点、並びに、脚注にオフバランスリース資産に係る減価償却実施額131が加えられた点で相違している。従って、図20(A)及び図21(A)に示すように、オフバランスB/S上の固定資産Bは、B/S上の固定資産Bにステップ452で演算したオフバランスリース資産101(図21(A)上のオフバランスリース資産OB)を加えると共に、オフバランスB/S上の流動負債Dは、B/S上の流動負債Dにステップ454で演算したオフバランスリース未払金114(図21(A)上のオフバランスリース未払金OD)を加え、オフバランスB/S上の固定負債Eは、B/S上の固定負債Eにステップ454で演算したオフバランス長期リース未払金124(図21(A)上のオフバランス長期リース未払金OE)を加えたものである。
【0038】
次に図4のステップ403では、格付先の財務諸表の構造を分析することにより格付先のタイプを判定するタイプ判定サブルーチンが実行される。図6に示すように、このタイプ判定サブルーチンでは、ステップ462において、格付先が資本集約型か否かを判断する。具体的には、下表1の事項の判定を行って、肯定判定が2つ以上の場合に、資本集約型と判断する。ここに、資本集約型とは、事業活動を営む上で、主たる経営資源及び売上の源泉が有形固定資産であるタイプであり、財務諸表の構造上、総資産に占める有形固定資産の割合が高く、従業員一人当たりの有形固定資産が大きいことを特徴とする。
【0039】
【表1】
Figure 0004353716
【0040】
売上高人件費比率は、当期(2001年10月期)における{(人件費MM4+労務費MC2(図15参照))÷売上高PL1(図14参照)×100}、売上高有形固定資産比率は、当期における{有形固定資産28(図13参照)−減価償却不足確定額N(図17参照)+(ステップ452で演算したオフバランスリース資産)}÷売上高PL1×100により、それぞれ算出することができる。また、総資産有形固定資産比率は、{有形固定資産28−減価償却不足確定額N+(ステップ452で演算したオフバランスリース資産)}÷{資産合計Ts(図13参照)−減価償却不足確定額N+(ステップ452で演算したオフバランスリース資産)}×100により算出することができる。
【0041】
ステップ462で否定判断のときは、ステップ464において、格付先が労働集約型と判断する。ここに、労働集約型とは、事業活動を営む上で、主たる経営資源及び売上の源泉が労働力であるタイプであり、財務諸表の構造上、売上高に対する人件費の割合が高く、従業員一人当たりの有形固定資産が小さいことを特徴とする。一般的にサービス業では、学習塾、理容業、美容業、写真業、自動車整備業、土木建築サービス業、デザイン業、建物サービス業、広告代理業等が該当する場合が多い。
【0042】
一方、ステップ462で肯定判断のときは、次のステップ466において、機械・装置型か否かを判断する。具体的には、下表2の事項の判定を行って、肯定判定が1つ以上の場合に、機械・装置型と判断する。ここに、機械・装置型とは、資本集約型のうち、事業活動を営む上で、主たる経営資源及び売上の源泉が機械・装置(勘定科目は別立てであるが工具・器具・備品を含む。以下、同じ。)であるタイプであり、財務諸表の構造上、総資産に占める機械・装置の割合が高く、従業員一人当たりの機械・装置が大きいことを特徴とする。一般的にサービス業では、洗濯業、パチンコホール、総合リース、各種物品レンタル業、建設機械機具賃貸業、自動車賃貸業等が該当する場合が多い。
【0043】
【表2】
Figure 0004353716
【0044】
機械・装置の簿価は{機械・装置等23+工具・器具・備品24(図13参照)+(ステップ452で演算したオフバランスリース資産)}、土地・建物の簿価は{建物・構築物22+土地25+建設仮勘定26(図13参照)}により、それぞれ算出することができる。また、機械・装置の単年度減価償却費及び建物の単年度減価償却費は、償却期間を加味してそれぞれ、(機械・装置等23+工具・器具・備品24)÷6、(建物・構築物22)÷30として算出することができる。
【0045】
ステップ466で肯定判断のときは、ステップ470において、格付先が機械・装置型と判断し、否定判断のときは、ステップ468において、格付先が土地・建物型と判断する。ここに、土地・建物型とは、資本集約型のうち、事業活動を営む上で、主たる経営資源及び売上の源泉が土地・建物であるタイプであり、財務諸表の構造上、総資産に占める土地・建物の割合が高く、従業員一人当たりの土地・建物が大きいことを特徴とする。一般的にサービス業では、旅館、ホテル、公衆浴場業、結婚式場業、映画館、スポーツ施設提供業、テーマパーク等が該当する場合が多い。なお、本実施形態では、以下、格付先が機械・装置型に区分される場合について説明し、労働集約型、土地・建物型については後述する。
【0046】
次に図4のステップ404では、ステップ402で作成したオフバランスB/Sと図17に示した財務追加情報とからオフバランスB/Sを修正した修正B/S上の数値を演算するための修正貸借対照表数値演算サブルーチンが実行される。
【0047】
ここで、図21及び図22を参照して、この修正貸借対照表数値演算サブルーチンで実行される演算概念について説明する。上述したように、図21(A)は図19に示したオフバランスB/Sを圧縮して模式的に表したものであり、図21(B)は図17に示した財務追加情報を圧縮して模式的に表したものである。一方、図22(A)は、図21(A)に示した資産欄の流動資産Aを修正流動資産A、固定資産性預金A及び不健全流動資産Aに分類し(A=A+A+A)、固定資産Bを修正固定資産B及び不健全固定資産Bに分類し(B=B+B)、繰延資産Cを修正繰延資産C及び不健全繰延資産Cに分類し(C=C+C)、負債・資本欄の固定負債Eのうち代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eを顕在化させると共に、その他の剰余金のうち当期利益Hについて、不健全資産計T(=不健全流動資産A+不健全固定資産B+不健全繰延資産C)に見合う未実現損失H(=T)を顕在化させたものである(図27(A)も参照)。図22(B)は、図22(A)に示したB/Sから不健全資産計T及び未実現損失Hを排除した修正B/Sである。この修正B/Sは、不健全資産計Tが排除されているので、図22(A)に示したB/Sに比べ格付先の財務実体をより正確に表しているものと考えられる。修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは、オフバランスB/SとP/Lと財務追加情報とからこの修正B/S上の数値を演算するものである。
【0048】
図7に示すように、この修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは、まず、ステップ502において、固定資産性預金Aを固定資産性預金Aと固定資産性預金Bとを加えることにより算出してRAMに記憶する。以下、RAMに記憶することについてはその記載を省略する。
【0049】
固定資産性預金Aは下式(1)により演算される。すなわち、式(1)は、財務追加情報の固定資産性預金A確定額V欄が入力されているときはその額となり、入力されていないときは、固定資産性預金A推定額Vが演算され、演算された数値がその額となる。なお、固定資産性預金A推定額Vは、演算された数値が現金・預金の額を越える場合には現金・預金の額とし、マイナスの場合は0として演算される。
【0050】
【数1】
Figure 0004353716
【0051】
一方、固定資産性預金Bの算出では、固定資産性預金A控除後の現金・預金1(預金・現金1−固定資産性預金A)がオフバランス追加情報の滞納税金等確定額OFDより大きいか否かを判断し、肯定判断のときは、固定資産性預金B=滞納税金等確定額OFDとし、否定判断のときは、固定資産性預金B=固定資産性預金A控除後の現金・預金1(預金・現金1−固定資産性預金A)とする。すなわち、滞納税金等は、上述したように、極めて返済順位の高い負債とみることができるため、固定資産性預金A控除後の預金・現金1と相殺するものとして扱い、固定資産性預金A控除後の預金・現金1で相殺しきれない滞納税金等未相殺額fmが生じるときは、その滞納税金等未相殺額(滞納税金等確定額OFD−固定資産性預金B)を借入金に準ずる負債として取り扱う。本例に則して付言すれば、下表3に示すように、固定資産性預金Bはe=d(dがcを超えるときはe=c)として算出され、dがcを超えるときは、滞納税金等未相殺額がfm=d−eとして算出される。
【0052】
【表3】
Figure 0004353716
【0053】
次にステップ504では、不健全流動資産Aが演算される。下表4に示すように、不健全流動資産Aは(1)〜(14)までの合計値である。
【0054】
【表4】
Figure 0004353716
【0055】
調整後現金・預金架空計上額Aaの演算では、財務追加情報に現金・預金架空計上確定額L欄が入力されているときはその額となり、入力されていないときは、下式(2)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて現金・預金架空計推定額が演算され、演算された数値が調整後現金・預金架空計上額Aaとされる。すなわち、この現金・預金架空計推定額は、当期の回転期間が前期又は2期前に比べて30日以上延びた場合は、架空計上があったものとして判断して、30日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算する。
【0056】
【数2】
Figure 0004353716
【0057】
調整後売上債権貸倒・架空計上額Abの演算では、財務追加情報に受取手形(含む割手・譲手)貸倒・架空計上確定額L及び売掛金貸倒・架空計上確定額L欄が入力されているときはそれらの額の合計となり、入力されていないときは、下式(3)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて売上債権貸倒・架空計上推定額が演算され、演算された数値が調整後売上債権貸倒・架空計上額Abとされる。すなわち、この売上債権貸倒・架空計上推定額は、当期の回転期間が前期又は2期前に比べて10日以上延びた場合は、架空計上があったものとして判断して、10日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算する。
【0058】
【数3】
Figure 0004353716
【0059】
調整後棚卸資産不良・架空計上額Acの演算では、財務追加情報に棚卸資産不良・架空計上確定額L欄が入力されているときはその額となり、入力されていないときは、下式(4)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて調整後棚卸資産不良・架空計上推定額が演算され、演算された数値が調整後棚卸資産不良・架空計上額Acとされる。すなわち、この棚卸資産不良・架空計上推定額は、当期の回転期間が前期又は2期前に比べて10日以上延びた場合は、架空計上があったものとして判断して、10日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算する。
【0060】
【数4】
Figure 0004353716
【0061】
調整後総合調整額Adの演算では、財務追加情報に受取手形(含む割手・譲手)貸倒・架空計上確定額、売掛金貸倒・架空計上確定額及び棚卸不良・架空計上確定額のすべてが入力されているときは0(ゼロ)となり、いずれか又は全部が入力されていないときは、下式(5)により売上高PL1に対する回転期間の時系列変化に基づいて総合調整推定額が演算され、演算された数値が調整後総合調整額Adとされる。すなわち、この総合調整では、複数の勘定科目にわたり不健全資産が分割・計上されている場合や負債サイドの粉飾を想定して、総合回転期間(所要運転資金回転期間)の時系列変化に基づいて換金不能な不健全資産を算出するものである。ここで、所要運転資金は(受取手形+売掛金+割引手形+裏書譲渡手形+棚卸資産)から(支払手形+買掛金に計上されている割賦買掛金およびリース未払金を除く買掛金+裏書譲渡手形)を減算することにより求めることができる。総合調整推定額は、当期の総合回転期間が前期又は2期前に比べて10日以上延びた場合は、架空計上があったものとして判断して、10日を超える日数に相当する額を不健全流動資産として演算する。このとき、当期の総合回転期間との乖離が大きい期の総合回転期間を基準回転期間とし、売上債権及び棚卸資産で不健全資産として計上した額は、重複計上となるので、控除される。
【0062】
【数5】
Figure 0004353716
【0063】
調整後前渡金AeはオフバランスB/Sの前渡金12から財務追加情報の前渡金のうち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整後未収入金AfはオフバランスB/Sの未収入金13から財務追加情報の未収入金のうち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整後前払費用AgはオフバランスB/Sの前払費用14から財務追加情報の前払費用のうち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整後仮払金AhはオフバランスB/Sの仮払金15から財務追加情報の仮払金のうち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整後短期貸付金AiはオフバランスB/Sの短期貸付金16から財務追加情報の短期貸付金のうち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整後立替金AjはオフバランスB/Sの立替金17から財務追加情報の立替金のうち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整後不渡手形AkはオフバランスB/Sの不渡手形18から財務追加情報の不渡手形のうち換金可能額Mを減算することにより演算され、調整後その他の流動資産AlはオフバランスB/Sのその他19から財務追加情報のその他の流動資産のうち換金可能額Mを減算することにより演算される。差引有価証券含み損Amは、財務追加情報の有価証券含み損Pから有価証券含み益Pを減算した差引有価証券含み損Pと同じであり、貸倒引当金(流動資産)21はオフバランスB/Sの流動資産欄の貸倒引当金21と同じである。なお、これらの換金可能額(表4の(5)〜(12))について財務追加情報に入力されていないときは未入力科目の全額が換金不能額(不健全流動資産)とみなされ、差引有価証券含み損Amがプラスであればその額が不健全流動資産とみなされる(差引有価証券含み損Amがマイナスの場合は評価されない)。
【0064】
次に、図7のステップ506では、不健全固定資産Bが演算される。表4に示すように、不健全固定資産Bは(16)〜(24)までの合計値である。
【0065】
減価償却不足確定額Nは財務追加情報の減価償却不足確定額Nと同じであり、差引投資有価証券含み損Pは財務追加情報の投資有価証券含み損Pから投資有価証券含み益Pを減算した差引投資有価証券含み損Pと同じであり、不動産含み損Pは財務追加情報の不動産含み損Pと同じであり、貸倒引当金(固定資産)36はオフバランスB/Sの固定資産欄の貸倒引当金36と同じである。なお、差引投資有価証券含み損Pがプラスであればその額が不健全固定資産とみなされる(差引投資有価証券含み損Pがマイナスの場合は評価されない)。調整後長期貸付金AqはオフバランスB/Sの長期貸付金31から財務追加情報の長期貸付金のうち換金可能額Qを減算することにより演算され、調整後保険積立金ArはB/Sの保険積立金32から財務追加情報の保険積立金のうち換金可能額Qを減算することにより演算され、調整後差入保証金AsはオフバランスB/Sの差入保証金33から財務追加情報の差入保証金のうち換金可能額Qを減算することにより演算され、調整後不渡手形・固定化営業債権AtはオフバランスB/Sの不渡手形・固定化営業債権34から財務追加情報の不渡手形・固定化営業債権のうち換金可能額Qを減算することにより演算される。
【0066】
なお、財務追加情報に減価償却不足確定額Nが入力されていないときは、下式(6)により減価償却不足額の推定額が演算され、演算された推定額が減価償却不足額となる。式(6)により演算された数値がマイナスのときは、減価償却不足額の推定額は0とされる。
【0067】
【数6】
Figure 0004353716
【0068】
調整後その他の投資Auの演算では、財務追加情報にその他の投資における不健全資産確定額R欄が入力されているときはその額となり、入力されていないときは、下式(7)により総資産に対する構成比の時系列変化に基づいてその他投資における不健全資産推定額が演算され、演算された数値が調整後その他の投資Auとされる。すなわち、当期の構成比が前期、2期前又は3期前に比べて増加した場合には、架空計上があったものとして判断して、その増加分に相当する額を不健全固定資産として演算する。
【0069】
【数7】
Figure 0004353716
【0070】
図7のステップ508では、オフバランスB/Sの繰延資産合計Cから繰延資産のうち換金可能額Sを減算することにより不健全繰延資産Cが演算され、次のステップ510では、ステップ504〜508で演算した不健全流動資産A、不健全固定資産B及び不健全繰延資産Cを加算することにより不健全資産計Tiが演算される。次にステップ512では、財務追加情報の代表者等借入のうち自己資本相当額Tを代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eとして取得し、次のステップ514において、修正流動資産A、修正固定資産B及び修正繰延資産Cを演算する。図21(A)及び図22(A)に示したように、修正流動資産AはオフバランスB/Sの流動資産Aからステップ502、504で演算した固定資産性預金A及び不健全流動資産Aを減算することにより、修正固定資産BはオフバランスB/Sの固定資産Bから不健全固定資産Bを減算することにより、修正繰延資産CはオフバランスB/Sの繰延資産Cから不健全繰延資産Cを減算することによりそれぞれ求めることができる。
【0071】
次のステップ516では、修正資本G及び修正当期利益Hを演算して、修正貸借対照表数値演算サブルーチンを終了し(図27(B)も参照)、図4のステップ406に進む。図22(B)に示すように、修正資本Gは資本Gからステップ510で演算した不健全資産計Tiに等しい未実現損失Hを減算することにより求めることができ、修正当期利益Hはその他の剰余金のうち当期利益Hから未実現損失Hを減算することにより求めることができる。
【0072】
ステップ406では、図22(A)に示したB/Sについて財務追加情報により簿外を加味して修正した、会計処理外資産加味貸借対照表としての簿外加味B/S上の数値を演算するための簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンが実行される。
【0073】
ここで、図22及び図23を参照して、この簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンで実行される演算概念について説明する。図23(A)に示す簿外加味B/Sの作成過程では、図22(A)に示した資産欄の固定資産性預金Aを固定資産の一部とみなして、みなし固定資産Bに組み入れると共に、財務追加情報の第三者提供による担保の処分可能見込額のうち預金・有価証券・本業に欠かせない現物出資相当額(T+T+T)もみなし固定資産Bに組み入れるものである。また、負債・資本欄のみなし自己資本Gには資産欄に見合うように現物出資相当額(T+T+T)が組み込まれている。更に、負債・資本欄には、代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uがプラス要素とし付加され、損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uがマイナス要素として付加されている。なお、代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uは社外流出分であることから、みなし自己資本Gには含められず、また、損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uも簿外であることから不健全資産計Tiには含められない。これらは、後述するように、総資本みなし当期利益率を演算するときに用いられる。図23(B)は、図23(A)の資産欄及び負債・資本欄からそれぞれ不健全資産計Ti、未実現損失Hが排除されている。なお、修正流動資産A、固定資産性預金A、修正繰延資産C、不健全資産計Ti、流動負債D、代表者等からの借入金のうち自己資本相当額E及び未実現損失Hは、修正貸借対照表数値演算サブルーチンで演算されネットワークサーバ112に格納されているので、簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは演算されない。
【0074】
図8に示すように、この簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンでは、まず、ステップ532で財務追加情報の第三者提供による担保の処分可能見込額のうち預金(現物出資相当)T、有価証券(現物出資相当)T及び本業に欠かせない不動産(現物出資相当)Tを取得し、これらを加算して現物出資相当額(T+T+T)を求め、次のステップ534において、求めた現物出資相当額(T+T+T)にステップ502、514で演算した固定資産性預金A及び修正固定資産Bを加算することによりみなし固定資産Bを演算する(B=B+A+T+T+T)。
【0075】
ステップ536では、修正固定負債Eを、固定負債Eから、代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eを減算することにより演算し(E=E−E)、次のステップ538において、ステップ516で演算した修正資本Gに代表者等からの借入金のうちステップ512で演算した自己資本相当額E及びステップ532で求めた現物出資相当額(T+T+T)を加算し、ステップ510で演算した不健全資産計Tiに相当する未実現損失Hを減算することにより、みなし自己資本Gを演算する(G=G+E+T+T+T−H)。次に、ステップ540において、財務追加情報の当該格付先からの収入のうち多額と認められる金額計Uを取得して代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uとし、財務追加情報の損失確実な簿外債務Uを取得して損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uとして、簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンを終了し(図27(C)も参照)、図4のステップ408へ進む。
【0076】
ステップ408では、B/S、オフバランスB/S及びP/L上及びそれらの演算過程での数値から格付先の表面財務指標を演算する表面財務分析指標演算サブルーチンが実行される。なお、表面財務分析指標演算サブルーチンで演算する指標は、図24に示すように、収益性、効率性、安全性、成長性及び規模等の多面的な評価に資するものである。なお、図24において、「※」はオフバランスリース資産等を加味していることを表している。
【0077】
図9に示すように、この表面財務分析指標演算サブルーチンでは、ステップ562において、P/L上の数値に基づいて下式(8)により売上高経常利益率aが演算される。なお、売上高経常利益率aは売上高に対する経常利益の割合を示しており、経常利益を用いることで、格付先本来の営業活動の効率とこれに関連して生じる財務活動を総合した経常的な活動が反映されることから、平時における収益性を判断する上で適当と考えられる。
【0078】
【数8】
Figure 0004353716
【0079】
次のステップ564では、オフバランスB/S及びP/L上の数値に基づいて下式(9)により総資本回転率bが演算される。総資本回転率bは、1年間に総資本の何倍の売上げを計上したかを示すもので、総資本をいかに効率的に活用させたかを示している。なお、売上不振、過大な借入れ、過大な設備投資、売掛金の未収、手形の乱発等は、総資本回転率bに直接影響を及ぼす。
【0080】
【数9】
Figure 0004353716
【0081】
次にステップ566では、オフバランスB/S上の数値に基づいて下式(10)により固定長期適合率cが演算される。固定長期適合率cは、固定資産が自己資本及び固定負債でどの程度賄われているかを示すもので、資金の調達と運用とのバランスが保たれているかをみるためのものである。一般的に、望ましい水準は100%以下とされている。固定資産に投下した資金は返済期限のない自己資本で賄われることが望ましいが、例えば、現実的に外部負債に頼っている格付先では、信用格付の上で判断要素となる。
【0082】
【数10】
Figure 0004353716
【0083】
次いでステップ568では、オフバランスB/S上の数値に基づいて下式(11)により自己資本比率dが演算される。自己資本比率dは、総資本に対して返済期限のない自己資本がどの程度占めているかを示すもので、資本蓄積の度合いをみるための指標である。一般的に、望ましい水準は50%以上とされている。
【0084】
【数11】
Figure 0004353716
【0085】
次のステップ570では、B/S及びP/L上の数値に基づいて下式(12)により経常収支比率eが演算される。経常収支比率eは、経常的な営業活動における収入合計と支出合計の割合を示すもので、資金繰りの良否をみることができる。100%以上であることが原則であり、一度でも85%を切るようなことがあれば資金繰り状態が注意を要する水準にあると考えられる。
【0086】
【数12】
Figure 0004353716
【0087】
ステップ572及びステップ574では、格付先の成長性を分析するために、それぞれP/L上の数値に基づいて売上高推移f及び当期利益額推移gが演算される。一般に、成長性分析では、売上高・当期利益額等を用いて、増減率でみる方法と増減実績でみる方法とがあるが、例えば、中小企業では売上高や当期利益が環境変化や特殊要因等により大きくブレることがあることから、増減率をでみる方法では、当期及び前期が減少であっても2期前が大幅な増加であれば、プラス評価となるなど、直近の決算の状況が色濃く反映されないという問題がある。このため、これら両指標では、4期分のP/L上の数値に基づいて、3期連続増加若しくは減少、2期連続増加若しくは減少、前期比増加若しくは減少、又は、増減なしのいずれかを選択する。
【0088】
次にステップ576では、オフバランスB/S上の数値に基づいて下式(13)により自己資本額hを演算して、表面財務分析指標演算サブルーチンを終了し、図4のステップ410へ進む。自己資本額hは、格付先の規模を計る上で、営業活動によって獲得された利益が保留されたものであること、返済期限がないこと等から、毎期の成績が反映され、ストックとして比較的安定した評価が可能である。
【0089】
【数13】
Figure 0004353716
【0090】
ステップ410では、B/S、オフバランスB/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値から、格付先の実質財務指標を演算する実質財務分析指標演算サブルーチンが実行される。なお、実質財務分析指標演算サブルーチンで演算する指標は、図24に示すように、健全性、収益性、返済能力、安全性及び格付先の規模等の多面的な評価に資するものである。
【0091】
図10に示すように、この実質財務分析指標演算サブルーチンでは、ステップ602において、オフバランスB/S及び修正B/S上の数値に基づいて下式(14)により不健全資産比率jが演算される。不健全資産比率jは、オフバランスB/S上の総資産に対して不健全資産がどの程度内包されているかを示すもので、格付先の健全性をみるための指標となる。なお、この数値が大きいほど、資産内容が悪化している懸念がある。
【0092】
【数14】
Figure 0004353716
【0093】
次にステップ604では、オフバランスB/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値に基づいて下式(15)により総資本みなし当期利益率kが演算される。総資本みなし当期利益率kは、総資本に対するみなし当期利益の割合を示すもので、格付先の実体に則した最終利益に基づく収益性をみるための指標として用いられる。例えば、表面的に少額の赤字であっても、不健全資産を内包せず、かつ、赤字をカバーするだけの代表者等に対する当該格付先からの収入のうち多額と認められる金額があれば、みなし当期利益はプラスとなり、逆に、表面的には黒字であっても、多額の不健全資産を内包している場合にはみなし当期利益はマイナスとなり、低い評価となる場合がある。
【0094】
【数15】
Figure 0004353716
【0095】
次のステップ606では、修正B/S及びP/L上の数値に基づいて下式(16)によりみなし当期利益額lが演算される。みなし当期利益額lは、当期利益から不健全資産及び損失確実な簿外債務を控除して、代表者等に対する当該格付先からの収入のうち多額と認められる金額を加えたもので、企業の実態に則した最終利益を意味する。
【0096】
【数16】
Figure 0004353716
【0097】
次にステップ608では、オフバランスB/S、修正B/S及びP/L上の数値に基づいて下式(17)により修正借入金等償還年数mが演算される。修正借入金等償還年数mは、営業活動により生じた資金流入額(キャッシュフロー)を実質ベースに引き直し、実際に返却すべき借入金を何年で償還できるかをみるもので、年数が短ければ短いほど高い評価となる。金融機関等借入相当額に短期借入金を含めている理由は、設備資金にも拘わらず短期借入金で資金調達をする場合があるためである。
【0098】
【数17】
Figure 0004353716
【0099】
次のステップ610では、オフバランスB/S及び簿外加味B/S上の数値に基づいて下式(18)によりみなし自己資本比率nが演算される。みなし自己資本比率nは、総資本に対してみなし自己資本がどの程度占めているかを示すもので、格付先の実体に則した資本蓄積の度合いをみるための指標である。
【0100】
【数18】
Figure 0004353716
【0101】
次のステップ612では、オフバランスB/S及び修正B/S上の数値に基づいて下式(19)により修正流動比率pが演算される。修正流動比率pは、当面の債務である流動負債に対してこれを賄うべき実質的な資産価値を持つ流動動産がどの程度保有されているかを示すもので、格付先の実体に則した流動性や資金繰り状況、支払能力等をみるための指標である。
【0102】
【数19】
Figure 0004353716
【0103】
次にステップ614では、B/S、修正B/S及びP/L上の数値に基づいて不健全資産が対前期比で増加している場合には下式(20−2)により、不健全資産が対前期比で減少している場合には下式(20−3)により、増減がない場合には下式(20−1)により、修正経常収支比率qが演算される。修正経常収支比率qは、表面的な経常収支比率に不健全資産の対前期比増減を加味したもので、実質的な資金繰りの良否をみるための指標である。なお、表面財務分析の経常収支比率eが100%を超えていても、当該指標が100%を割り込んでいるときは注意が必要となり、一度でも85%を切るようであれば資金繰り状況は警戒水準にあると考えられる。
【0104】
【数20】
Figure 0004353716
【0105】
次にステップ616では、簿外加味B/S上の数値に基づいて下式(21)によりみなし自己資本額rを演算して実質財務分析指標演算サブルーチンを終了し図4のステップ412へ進む。みなし自己資本額rは、自己資本から不健全資産を控除して、代表者等借入のうち自己資本相当額及び第三者提供担保のうち現物出資相当額を加えたもので、実質的な自己資本とみることができる。
【0106】
【数21】
Figure 0004353716
【0107】
ステップ412では、オフバランスB/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値から、B/SやP/L上の実体からの乖離、換言すれば、粉飾度合いを測る粉飾等調整指標を演算する粉飾等調整指標演算サブルーチンが実行される。なお、粉飾等調整分析指標演算サブルーチンで演算する指標は、図24に示すように、健全性、特に、財務諸表の数値と実質的な財務諸表の数値との乖離の程度を多面的に評価するものである。
【0108】
図11に示すように、この粉飾等調整指標演算サブルーチンでは、まず、ステップ626〜630において、表面財務分析指標演算サブルーチン、実質財務分析指標演算サブルーチンで演算、記憶した表面財務分析指標、実質財務分析指標の評点が実行される。ここで、評価概念について簡単に説明すれば、図24に示すように、表面財務分析指標の各指標はそれぞれ5〜0の評点(図24では「○」で表示)がなされ、実質財務分析指標の各指標はそれぞれ10〜0(図24では「◎」で表示)又は5〜0(図24では「○」で表示)のプラス評点がなされる。
【0109】
すなわち、ステップ626で、データベースサーバ113に格納されている評点テーブルを読み出し(ネットワークサーバ112のRAMに展開されていればよく、ネットワークサーバ112に格納されているようにしてもよい(後述するステップ652、670、678でも同じ。)。下表5の機械・装置型の評点テーブルも参照)、次のステップ628において、表面財務分析指標及び実質財務分析指標の各指標のポイント化(評点)が行われ、ステップ630で評点された各指標のポイントの得点を合計(加算)する演算が実行される。なお、表面財務分析指標の各指標の合計ポイント(以下、表面財務得点という。)の満点は40点であり、実質財務分析指標の各指標の合計ポイント(以下、実質財務得点という。)の満点は60点である。
【0110】
【表5】
Figure 0004353716
【0111】
次のステップ632では、ステップ630で演算した表面財務得点及び実質財務得点を100点満点に換算して、下式(22)により実質財務得点対表面財務得点倍率sが演算される。実質財務得点対表面財務得点倍率sは表面財務得点が実質財務得点の何倍あるかをみるための指標であり、格付先が正常な営業活動をしている限り、当該指標が1.5倍以上となる可能性は低く、1.5倍以上となる原因としては、多額の不健全資産の内包等による粉飾等が考えられる。このため、後述するように、実質財務得点対表面財務得点倍率sが1.5倍以上の格付先に対しては、財務諸表に粉飾等があるものとみなして、倍率に応じて評点が減点される。
【0112】
【数22】
Figure 0004353716
【0113】
次のステップ634では、B/S、オフバランスB/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値に基づいて下式(23)により売上高みなし自己資本倍率tが演算される。自己資本倍率tは、実質的な自己資本とみることができるみなし自己資本が売上高の何倍かをみるための指標であり、格付先が正常な営業活動をしている限り、当該指標が△0.2倍以下となる可能性は低く、△0.2倍以下となる原因としては、売上不振、過大な設備投資、多額の不健全資産の内包等が考えられる。このため、後述するように、売上高みなし自己資本倍率tが△0.2倍以下の格付先に対しては、財務内容及び業況等に問題があるものとして、倍率に応じて評点が減点される。
【0114】
【数23】
Figure 0004353716
【0115】
次にステップ636では、オフバランスB/S、修正B/S及びP/L上の数値に基づいて下式(24)により修正後売上高借入金等倍率uが演算される。修正後売上高借入金等倍率uは、金融機関等借入金相当額及び借入金に準ずる負債額が売上高の何倍あるかをみるための指標である。一般的に、格付先が正常な営業活動をしている限り、当該指標が1.5倍以上となる可能性は低く、1.5倍以上となる原因としては、売上不振、過大な設備投資、使途不明金への流用、多額の不健全資産の内包、税金の滞納等が考えられる。
【0116】
【数24】
Figure 0004353716
【0117】
次のステップ638では、修正B/S及びP/L上の数値に基づいて下式(25)により売上高減価償却不足額比率vを演算し、粉飾等調整指標演算サブルーチンを終了して図4のステップ414へ進む。売上高減価償却不足額比率vは、売上高に対する減価償却不足額の割合を示すもので、当該指標の数値が大きい程、粉飾の可能性は高く、かつ、資産内容の実体は悪化している懸念がある。通常、減価償却額は一定の金額を限度として損金に算入できることから、格付先が正常な営業活動をしている限り、当該指標は0.0%となるはずで、当該指標がプラスの数値となる場合は、どうしても黒字決算を組まなければならない事情があるはずである。なお、当該指標が2.0%以上の格付先は、粉飾決算による健全性の欠如や資金繰りショート等の懸念があるものと考えられる。
【0118】
【数25】
Figure 0004353716
【0119】
図4のステップ414では、粉飾等調整指標演算サブルーチンで演算した粉飾等調整指標を評点して、表面財務得点及び実質得点と共に、格付先を信用格付する評点・格付処理サブルーチンが実行される。なお、図24に示すように、粉飾等調整指標の各指標は、財務諸表の実体財務からの乖離や財務体質の脆弱性を測るものであるため、0〜−10(図24では「△」で表示)のマイナス評点がなされる。なお、粉飾等調整指標の各指標の合計ポイント(以下、粉飾等調整得点という。)の満点(最悪値)は△40点である。
【0120】
図12に示すように、この評点・格付処理サブルーチンでは、ステップ652においてデータベースサーバ113に格納されている評点テーブルを読み出し、次のステップ654において、粉飾等調整指標の各指標のポイント化(評点)及び粉飾等調整得点の演算が行われ、次のステップ656において、ステップ630及びステップ654で評点された各指標のポイントの得点の合計(表面財務得点+実質財務得点+粉飾等調整得点)を求める演算が実行される。
【0121】
次のステップ658では、ステップ310でデータベースサーバ113に格納した債務情報を読み出し、ステップ670において、データベースサーバ113に格納されている債務情報得点テーブルを読み出して得点(図18に示す各マトリックス内の括弧の前に記載された数値)を取得する。次にステップ672において、ステップ656で演算した財務分析の得点がステップ670で演算(取得)した債務情報得点より大きいか否かを判断し、肯定判断されたときは、次のステップ674において、信用格付を行うための区分対象得点を債務情報得点とし、否定判断されたときは、ステップ676において、区分対象得点を財務分析得点としてステップ678へ進む。すなわち、ステップ672〜676では、区分対象得点を財務分析得点及び債務情報得点のいずれか小さい方とする処理がなされる。これは、格付先の財務体質が良好でも支払に延滞が発生するような場合を考慮したものである。
【0122】
次にステップ678では、下表6に示すように、格付先の信用の程度を複数に区分した格付ランクテーブルをデータベースサーバ113から読み出して、次のステップ680において、区分対象得点がいずれの信用区分に属するかを判定することにより格付先の信用格付を行って、次のステップ682で、図25、図26及び図27に示すように、信用格付及び財務諸表に関連する帳票のイメージをPDF(Public Domain Software)化してデータベースサーバ113に格納して、評点・格付処理サブルーチンを終了し図2の格付処理サブルーチン及び格付ルーチンを終了する。
【0123】
【表6】
Figure 0004353716
【0124】
図2のステップ208では、コンピュータ端末102からダウンロードの要求か否かを判断し、肯定判断のときは、ステップ218において、ステップ682でデータベースサーバ113に格納した信用格付及び財務諸表に関連する帳票のイメージを要求先に送信することによりダウンロード処理を実行して信用格付ルーチンを終了する。なお、コンピュータ端末102から対象企業を特定するには、自己(信用金庫)の店番号及び格付先の口座番号(顧客番号)を入力すればよい。
【0125】
一方、ステップ208で否定判断されたときは、ステップ210において、ステップ212又は214で既に受信したデータの修正か否かを判断し、肯定判断のときは、ステップ220において、データの追加・修正を許容し、修正されたデータをデータベースサーバ113に格納して信用格付ルーチンを終了し、否定判断のときは、ステップ222において、例えばデータベースサーバ113のホームページ参照等に対応するための別処理を実行して信用格付ルーチンを終了する。
【0126】
なお、図24に示すように、本実施形態において、格付指標は格付先の財務諸表の構造(タイプ)により設定(選択)される。また、図24では、修正借入金償還年数及び修正後売上高借入金倍率が示されているが、これらの指標は本実施形態では用いられない(後述する第2実施形態で使用)。土地・建物型では、機械・装置型及び労働集約型の財務指標に対し、表面財務指標に総資本経常利益率、流動比率が加えられ(表面財務指標の満点は50点となる。)、実質財務指標にみなし当期利益額、みなし自己資本額が用いられず(実質財務指標の満点は50点となる。)、粉飾等調整指標として、実質財務得点対表面財務得点倍率、売上高みなし自己資本倍率、売上高減価償却不足額比率に代えて、流動比率乖離幅、経常収支比率乖離幅、修正当座資産回転期間が用いられる。これらは、下式(26)〜(30)により演算することができる。
【0127】
【数26】
Figure 0004353716
【0128】
(第2実施形態)
次に、第1実施形態と同様に格付先が医療業であることを想定して、本発明を当該格付先に対する信用格付を行う信用格付システムに適用した第2の実施の形態について説明する。本実施形態は、オフバランスリース資産を加味しないで格付先の信用格付を行うものである。このため、上述したA/I、作成する貸借対照表及び信用格付に用いられる財務指標が第1実施形態と異なっている。なお、本実施形態において第1実施形態と同一の構成、動作については、同一の符号を付しその説明を省略し、図4に示した格付処理サブルーチンとの相違を中心に説明する。
【0129】
本実施形態のA/Iは、第1実施形態に示したオフバランス追加情報を欠き、財務追加情報のみで構成されている。すなわち、本実施形態のA/Iは、図31及び図32(B)に示すように、現金・預金等に関する不健全流動資産の確定額L(L〜L)、その他流動資産のうち換金可能額M(M〜M)、減価償却費不足分N(N)、有価証券および不動産に係る含み損P(P〜P)、投資その他(その他の投資を除く)のうちの換金可能額Q(Q〜Q)、その他の投資における不健全資産の確定額R(R)、繰延資産のうちの換金可能額S(S)、代表者等借入状況T(T〜T)、オフバランス損益U(U〜U)及び固定資産性預金V(V)についての当期、1期前、2期前及び3期前の情報で構成されている。また、本実施形態では、オフバランスリース資産を加味しないため、図4の格付処理サブルーチンのステップ402を欠いている。なお、ステップ403は第1実施形態と同じである。
【0130】
次に、図32及び図33を参照して、第1実施形態のステップ404に対応する修正貸借対照表上の数値の演算概念について説明する。図32(A)はB/Sを模式的に表したものであり、図28に示したB/Sを圧縮した形で示しており、図32(B)はA/Iを模式的に表したものであり、図31に示したA/Iを圧縮した形で示している。一方、図33(A)は、図32(A)に示した資産欄の流動資産Aを修正流動資産A、固定資産性預金A及び不健全流動資産Aに分類し(A=A+A+A)、固定資産Bを修正固定資産B及び不健全固定資産Bに分類し(B=B+B)、繰延資産Cを修正繰延資産C及び不健全繰延資産Cに分類し、負債・資本欄の固定資産Eのうち代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eを顕在化させると共に、その他の剰余金のうち当期利益Hについて、不健全資産計T(=不健全流動資産A+不健全固定資産B+不健全繰延資産C)に見合う未実現損失H(=T)を顕在化させたものである。図33(B)は、図33(A)に示したB/Sから不健全資産計T及び未実現損失Hを排除した修正B/Sである。本実施形態では、B/S(図28参照)、P/L(図29参照)及びA/I(図31参照)に基づいて、この修正B/S上の数値を演算する。
【0131】
修正B/Sの演算について詳述すれば、B/Sの繰延資産合計Cから繰延資産のうち換金可能額Sを減算することにより不健全繰延資産Cが演算され、不健全流動資産A、不健全固定資産B及び不健全繰延資産Cを加算することにより不健全資産計Tiが演算される。次にA/Iの代表者等借入のうち自己資本相当額Tを代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eとして取得し、修正流動資本A、修正固定資産B及び修正繰延資産Cを演算する。図32(A)及び図33(A)に示したように、修正流動資本AはB/Sの流動資産Aから固定資産性預金A及び不健全流動資産Aを減算することにより、修正固定資産BはB/Sの固定資産Bから不健全固定資産Cを減算することにより、修正繰延資産Cは繰延資産Cから不健全繰延資産Cを減算することによりそれぞれ求めることができる。
【0132】
次いで、修正資本G及び修正当期利益Hを演算して、修正貸借対照表上の全ての数値が演算される。図33(B)に示したように、修正資本Gは資本Gから不健全資産Tiに等しい未実現損失Hを減算することにより求めることができ、修正当期利益Hはその他の剰余金のうち当期利益Hから未実現損失Hを減算することにより求めることができる。
【0133】
次に、A/IによりB/Sを簿外を加味して修正した簿外加味修正B/S上の数値を演算する。図33及び図34を参照して、本実施形態の簿外加味修正貸借対照表上の数値の演算概念について説明する。図34(A)に示す簿外加味修正貸借対照表の作成過程では、図33(A)に示した資産欄の固定資産性預金Aを固定資産の一部とみなして、みなし固定資産Bに組み入れると共に、第三者提供による担保の処分可能見込額のうち預金・有価証券・本業に欠かせない現物出資相当額(T+T+T)もみなし固定資産Bに組み入れる。また、負債・資本欄のみなし自己資本Gには資産欄に見合うように現物出資相当額(T+T+T)が組み込まれている。更に、負債・資本欄には、代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uがプラス要素とし付加され、損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uがマイナス要素として付加されている。なお、代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uは社外流出分であることから、みなし自己資本Gには含められず、また、損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uも簿外であることから不健全資産計Tiには含められない。これらは、後述するように、総資産みなし当期利益率を演算するときに用いられる。図34(B)は、図34(A)の資産欄及び負債・資本欄からそれぞれ未実現損失Hが排除されている。簿外加味修正貸借対照表上の数値演算では、B/S、P/L及びA/Iに基づいて、この簿外加味修正B/S上の数値を演算する。なお、修正流動資産A、固定資産性預金A、修正繰延資産C、不健全資産計Ti、流動負債D、代表者等からの借入金のうち自己資本相当額E及び未実現損失Hは、修正貸借対照表上の数値演算で算出されネットワークサーバ112のRAMに記憶されているので、簿外加味修正貸借対照表上の数値演算では算出されない。
【0134】
簿外加味修正B/Sの演算について詳述すれば、A/Iの第三者提供による担保の処分可能見込額のうち預金T、有価証券T及び本業に欠かせない不動産(現物出資相当)Tを取得し、これらを加算して現物出資相当額(T+T+T)を求め、求めた現物出資相当額(T+T+T)に固定資産性預金A及び修正固定資産Bを加算することにより、みなし固定資産Bを演算する(B=B+A+T+T+T)。
【0135】
次に修正固定負債Eを、固定資産Eから、代表者等からの借入金のうち自己資本相当額Eを減算することにより演算し(E=E−E)、修正資本Gに代表者等からの借入金のうち自己資本相当額E及び現物出資相当額(T+T+T)を加算し、不健全固定資産Tに相当する未実現損失Hを減算することにより、みなし自己資本Gを演算する(G=G+E+T+T+T−H)。次いで、A/Iの当該企業からの収入のうち多額と認められる金額計Uを取得して代表者等に対する多額の役員報酬等調整額Uとし、A/Iの損失確実な簿外債務Uを取得して損失確実な簿外債務に係る未実現特別損失Uとして、簿外加味修正貸借対照表上の全ての数値が演算される。
【0136】
本実施形態は、上述したようにオフバランスリース資産を加味しないことに起因して、図4のステップ408〜412で用いる表面財務分析、実質財務分析及び粉飾等調整に用いる格付指標が異なっており、格付指標は格付先の財務諸表の構造(タイプ)により設定(選択)される。以下、図24の「土地・建物型」の格付指標の演算について詳述する。
【0137】
表面財務分析では、下式(31)〜下式(36)により、総資本経常利益率、総資本回転率、流動比率、固定長期適合率、自己資本比率及び自己資本額を演算する。なお、売上高経常利益率及び経常収支比率については上述した式(8)、(12)を用いて演算し、売上高推移及び当期利益額推移については、第1実施形態と同様に演算する(図9のステップ572、574)。
【0138】
【数27】
Figure 0004353716
【0139】
実質財務分析では、下式(37)〜下式(42)により、不健全資産比率、総資本みなし当期利益率、修正借入金償還年数、みなし自己資本比率、修正流動比率及び修正経常収支比率を演算する。なお、修正借入金償還年数は、営業活動により生じた資金流入額(キャッシュフロー)を実質ベースに引き直し、実際に返済すべき借入金を何年で償還できるかをみるための指標で、年数が短いほど高い評価となる。また、修正経常収支比率では、不健全資産が対前期比で増加している場合には下式(42−2)、不健全資産が対前期比で減少している場合には下式(42−3)、増減がない場合には下式(42−1)により演算する。
【0140】
【数28】
Figure 0004353716
【0141】
粉飾等調整では、下式(43)〜下式(46)により、流動比率乖離幅、経常収支比率乖離幅、修正後売上高借入金倍率及び修正当座資産回転期間を演算する。なお、流動比率乖離幅及び経常収支比率乖離幅は、表面的な比率と実質的な比率との差異が許容範囲内にあるかを示す指標で、短期返済能力をみるための指標であり、修正後売上高借入金倍率は、借入金が売上高の何倍あるかをみるための指標で、企業が正常な営業活動をしている限り業種によってその妥当な(許容される)範囲の倍率が予測される指標である。例えば、医療業において土地・建物型の場合には2.5倍以上となる可能性は低く、2.5倍以上となる原因としては、売上不振、過大な設備投資、使途不明金への流用、多額の不健全資産の内容等が考えられる。また、修正当座資産回転期間は、極めて容易にかつ確実に現金化できる資産である修正当座資産が売上高に対して何日間分あるかを示すもので、格付先の実体に則した手元流動性をみるための指標である。
【0142】
【数29】
Figure 0004353716
【0143】
なお、式(46)において、売上債権のうち換金可能額は、(受取手形2+割引手形61+裏書譲渡手形62+売掛金・完成工事3)−調整後売上債権貸倒・架空計上額Abにより求めることができる。
【0144】
従って、本実施形態では、オフバランスリース資産を加味しないことから、第1実施形態と比較して、図4のステップ408〜412での処理(使用する格付指標)が異なっている。
【0145】
また、図4のステップ414で評点・格付を行うときに、財務諸表の構造及び格付指標の違いに基づき信用格付をより適正に行うために、表5に示した評点テーブルに代えて下表7に示す評点テーブル(表7は土地・建物型の例である。)が用いられる。なお、図12のステップ658以降の処理は同じである。
【0146】
【表7】
Figure 0004353716
【0147】
更に、本実施形態において、機械・装置型及び労働集約型では、実質財務指標として、修正借入金等償還年数に代えて修正借入金償還年数が用いられ、粉飾等調整指標として、修正後売上高借入金等倍率に代えて修正後売上高借入金倍率が用いられる。また、実質財務得点対表面財務得点倍率及び売上高減価償却不足額比率は上述した式(22)、(25)を用いて演算し、みなし当期利益額、みなし自己資本額及び売上高みなし自己資本倍率はそれぞれ下式(47)〜(49)を用いて演算する。
【0148】
【数30】
Figure 0004353716
【0149】
(実施例)
次に、上述した第1及び第2実施形態に従って、A診療所、Bクリニック、C病院について実際に信用格付を行った実施例について説明する。本実施例では、財務諸表の構造の違いに基づき信用格付をより適正にするために、労働集約型の評点テーブルとして下表8を用いた。なお、比較のために行った比較例についても併せて説明する。
【0150】
【表8】
Figure 0004353716
【0151】
<実施例1>
実施例1では、第1実施形態に従って、A診療所について信用格付を行った。A診療所のB/S、P/L、M/C及びA/Iは、図35〜図39に示す通りである。なお、A診療所の財務諸表の構造(タイプ)は労働集約型である。
【0152】
<実施例2>
実施例2では、第1実施形態に従って、Bクリニックについて信用格付を行った。BクリニックのB/S、P/L、M/C及びA/Iは、図13〜図17に示す通りである。なお、Bクリニックの財務諸表の構造は機械・装置型である。
【0153】
<実施例3>
実施例3では、第2実施形態に従って、C病院について信用格付を行った。C病院のB/S、P/L、M/C及びA/Iは、図28〜図31に示す通りである。なお、C病院の財務諸表の構造は土地・建物型である。
【0154】
<比較例1、2>
比較例1では、A診療所について、実施例1と同じB/S、P/L、M/C及びA/Iにより、土地・建物型とみなして(土地・建物型の格付指標及び評点テーブルを用いて)信用格付を行った。比較例2では、A診療所について、実施例1と同じB/S、P/L、M/C及びA/Iにより、機械・装置型とみなして(機械・装置型の評点テーブルを用いて)信用格付を行った。
【0155】
<比較例3、4>
比較例3では、Bクリニックについて、実施例2と同じB/S、P/L、M/C及びA/Iにより、土地・建物型とみなして(土地・建物型の格付指標及び評点テーブルを用いて)信用格付を行った。比較例4では、Bクリニックについて、実施例2と同じB/S、P/L、M/C及びA/Iにより、労働集約型とみなして(労働集約型の評点テーブルを用いて)信用格付を行った。
【0156】
<比較例5、6>
比較例5では、C病院について、実施例3と同じB/S、P/L、M/C及びA/Iにより、機械・装置型とみなして(機械・装置型の格付指標及び評点テーブルを用いて)信用格付を行った。比較例6では、C病院について、実施例3と同じB/S、P/L、M/C及びA/Iにより、労働集約型とみなして(労働集約型の格付指標及び評点テーブルを用いて)信用格付を行った。
【0157】
(試験結果)
図40に示すように、実施例1では、A診療所について格付得点:47.75点、格付ランク:C1、債務者区分イメージ:要注意先(表6も参照)との格付結果が得られ、スキルの高い融資審査担当者の評価と整合した。これに対し、比較例1では、格付得点:59.00点、格付ランク:B、債務者区分イメージ:正常先、比較例2では、格付得点:50.75点、格付ランク:B、債務者区分イメージ:正常先、との格付結果が得られ、ともにスキルの高い融資審査担当者の評価との整合が得られなかった。
【0158】
また、実施例2では、Bクリニックについて格付得点:40.00点、格付ランク:C2、債務者区分イメージ:要注意先との格付結果が得られ、スキルの高い融資審査担当者の評価と整合した。これに対し、比較例3では、格付得点:50.25点、格付ランク:B、債務者区分イメージ:正常先、比較例4では、格付得点:29.50点、格付ランク:D1、債務者区分イメージ:破綻懸念先、との格付結果が得られ、ともにスキルの高い融資審査担当者の評価との整合が得られなかった。
【0159】
更に、実施例3では、C病院について格付得点:57.00点、格付ランク:B、債務者区分イメージ:正常先との格付結果が得られ、スキルの高い融資審査担当者の評価と整合した。これに対し、比較例5では、格付得点:48.25点、格付ランク:C1、債務者区分イメージ:要注意先、比較例6では、格付得点:39.75点、格付ランク:C3、債務者区分イメージ:要注意先、との格付結果が得られ、ともにスキルの高い融資審査担当者の評価との整合が得られなかった。
【0160】
(作用等)
上記実施形態では、図41(A)に示すように、格付先の財務諸表の構造を分析して(ステップ403)、労働集約型、機械・装置型、土地・建物型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準(格付指標及び評点テーブル)の中からステップ403の分析(決定)結果により評点基準を選択し、該選択された評点基準に従って第1乃至第3財務指標を評点して該評点結果の加算値と、格付先の信用の程度を数値で複数に区分した信用区分とを比較して、格付先が信用区分のいずれに属するかを決定する(ステップ414)ので、格付先の財務諸表の構造上の実体が反映された信用格付を行うことができる。これに対し、従来の信用格付では、図41(B)に示すように、医療業に一つの評点基準しかなかったため、実施例でも示したように(図40参照)、格付結果(分析結果)とスキルの高い融資審査担当者の評価との整合が図れない場合があった。
【0161】
また、第1実施形態では、B/S上の数値とオフバランス追加情報とに基づいてオフバランス資産を加味したオフバランスB/S上の数値を演算し(ステップ402)、オフバランスB/S上の数値と財務追加情報とに基づいてオフバランスB/Sの不健全流動資産、不健全固定資産及び不健全繰延資産を排除した修正B/S上の数値を演算し(ステップ404)、修正B/S上の数値と財務追加情報とに基づいて簿外資産を加味した簿外加味B/S上の数値を演算するようにした(ステップ406)ので、オフバランスB/S、修正B/S及び簿外加味B/Sには会計処理が簿外となっているオフバランス資産が反映され、修正B/S及び簿外加味B/Sでは不健全資産が排除され、簿外加味B/Sには更にオフバランス資産の外の簿外資産が反映されることから、B/S及びP/L等の財務情報のみを基礎とする場合よりも格付先の財務情報を実体に則して把握することができると共に、これらのB/S、オフバランスB/S、修正B/S、簿外加味B/S及びP/L上の数値に基づいて格付先の表面財務分析、実質財務分析及び粉飾等調整上の指標を演算する(ステップ408〜ステップ412)ので、格付先の実体に沿った精度の高い信用格付を行うことができる。更に、区分対象得点を財務分析得点及び債務情報得点のいずれか小さい方にした(ステップ672〜676)ので、格付先の支払状況等についての情報も加味して信用格付を行うことが可能である。
【0162】
更に、第2実施形態では、オフバランスリース資産を加味しない例を示したが、このような形態でも、B/S、修正B/S、簿外加味修正B/S及びP/L等により的確な格付指標を得ることができ、格付先の財務諸表の構造上の実体を反映させることで精度の高い信用格付を行うことができる。
【0163】
また、上記実施形態の信用格付システムでは、信用金庫のコンピュータ端末と接続して信用金庫に高精度かつ標準化された格付情報を提供することができる。この点、従来は、信用格付が一金融機関(信用金庫)のものに止まるため、データ数が少なく十分な標本数を確保することができなかったり、一金融機関の狭域なエリアに基づくため、地域要因的な一時的な影響を受けやすいという問題があった。また、二次的には、仮に、広域かつ複数の金融機関から財務諸表等のデータを収集し蓄積するという枠組みを採用すると、各金融機関の融資・審査基準に合致するような仕組みを採ることができず、信用格付等のデータが利用価値の低いものになってしまったり、登録データ項目(倒産情報)が不十分となったり、中小零細企業の財務諸表に粉飾等が多くみられるため、蓄積データを用いても、信用リスク管理(デフォルト率の算出や貸出金ポートフォリオ分析、プラインシング等)の目的に信用格付を利用できないという背景があった。上記実施形態の信用格付システムでは、このような問題の解決を図ることができる。また、インターネット等の回線を通じ、広域かつ複数の金融機関から一定基準による財務諸表・格付情報等の大量データをデータベースサーバ113に蓄積することによって、デフォルト率の算出などの精度をより向上させることが可能となる。
【0164】
なお、上記実施形態ではネットワーク上での信用格付システムについて説明したが、上述した信用格付のプログラムをコンピュータにインストールすることで本発明を適用するようにしてもよい。また、上記実施形態では、表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標を演算した後、評点するようにしたが、各指標を演算した後に各指標毎に評点するようにしてもよく、修正B/S、簿外加味B/Sを格付処理が終了した後作成するようにしたが(ステップ682)、表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標を演算する前後に作成するようにしてもよい。更に、上記実施形態では、ネットワークサーバ112に格付処理サブルーチンを実行させる例を示したが、ネットワークサーバ112の負荷を軽減するために、格付処理用のコンピュータに格付処理を実行させるようにしてもよい。また、ネットワークでの安全性を確保するために暗号化して送信するようにしてもよい。
【0165】
また、上記実施形態では、財務諸表の構造分析による区分を修正貸借対照表上の数値演算を行う前に実行した(ステップ403)が、本発明はこれに限らず、格付指標を算出する前(ステップ408より前)に実行するようにしてもよい。更に、ステップ403では、機械・装置の単年度減価償却費を算出するのに、(機械・装置等23+工具・器具・備品24)÷6として償却期間を6年とし、建物の単年度減価償却費を算出するのに、(建物・構築物22)÷30として償却期間を30年とした例を示したが、追加情報に格付先の機械・装置等23+工具・器具・備品24、建物・構築物22の償却期間を加えることで、より正確な建物の単年度減価償却費を算出でき、その分、信用格付の精度を高めることができる。
【0166】
また更に、格付先の中には、代表者から土地を賃借し土地の上に建物を構築し、構築資金は信用金庫からの借入で賄い、土地・建物を信用金庫に担保提供する場合が多くみられる(図42(C)参照)。反面、格付先が代表者から現物出資(土地)を受けている法人もある(図42(D)参照)。従来の財務分析では、両者が違いが一切考慮されず、財務諸表上の数値に基づいて信用格付がなされていた。すなわち、前者の場合は債務超過となり、後者の場合は資産超過と判断される。このため、スキルの高い融資審査担当者の評価に合った信用格付が得られないという問題があった。このような場合には、担保提供されている本業に欠かせない不動産をオンバランス化することで(図42(A)参照)、格付先が代表者から現物出資を受けている法人の場合(42(B)参照)と同様に、資産超過と判断することが可能となる。従って、上述したオフバランスB/S、修正B/S、簿外加味B/S等上で担保提供されている本業に欠かせない不動産をオンバランス化させれば、更に精度の高い信用格付を得ることができる。そして、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、特許請求の範囲を逸脱することなく種々の態様を採ることができる。
【0167】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、判断手段により財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて財務諸表の構造が資本集約型及び労働集約型のいずれに属するかが判断され、指標演算手段により財務諸表上の数値と追加情報とから複数の財務指標が演算され、評点基準選択手段により判断手段で判断された財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準が選択され、加算値算出手段により指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値が算出され、判定手段により信用区分テーブルに基づいて、加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、企業の信用区分が判定されるので、企業の財務諸表の構造上の実体が反映された信用格付を行うことができる、という効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用可能な第1実施形態の信用格付システムの概略構成図である。
【図2】第1実施形態の信用格付サイトのネットワークサーバが実行する信用格付ルーチンのフローチャートである。
【図3】信用格付ルーチンのステップ214の詳細を示すファイル情報取込処理サブルーチンのフローチャートである。
【図4】信用格付ルーチンのステップ216の詳細を示す格付処理サブルーチンのフローチャートである。
【図5】格付処理サブルーチンのステップ402の詳細を示すオフバランスリース加味貸借対照表数値演算サブルーチンのフローチャートである。
【図6】格付処理サブルーチンのステップ403の詳細を示すタイプ判定サブルーチンのフローチャートである。
【図7】格付処理サブルーチンのステップ404の詳細を示す修正貸借対照表数値演算サブルーチンのフローチャートである。
【図8】格付処理サブルーチンのステップ406の詳細を示す簿外加味修正貸借対照表数値演算サブルーチンのフローチャートである。
【図9】格付処理サブルーチンのステップ408の詳細を示す表面財務分析指標演算サブルーチンのフローチャートである。
【図10】格付処理サブルーチンのステップ410の詳細を示す実質財務分析指標演算サブルーチンのフローチャートである。
【図11】格付処理サブルーチンのステップ412の詳細を示す粉飾等調整指標演算サブルーチンのフローチャートである。
【図12】格付処理サブルーチンのステップ414の詳細を示す評点・格付処理サブルーチンのフローチャートである。
【図13】第1実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される貸借対照表のデータ例を示す説明図である。
【図14】第1実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される損益計算書のデータ例を示す説明図である。
【図15】第1実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される販売費・一般管理費明細および製造原価明細のデータ例を示す説明図である。
【図16】第1実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信されるオフバランス追加情報のデータ例を示す説明図である。
【図17】第1実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される財務追加情報のデータ例を示す説明図である。
【図18】コンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される債務情報の概念を説明するための説明図である。
【図19】信用格付サイトで演算されたオフバランス貸借対照表を示す説明図である。
【図20】(A)は貸借対照表を模式的に示す説明図であり、(B)はオフバランス追加情報を模式的に示す説明図である。
【図21】(A)はオフバランス貸借対照表を模式的に示す説明図であり、(B)は財務追加情報を模式的に示す説明図である。
【図22】(A)は修正貸借対照表の作成過程を模式的に示す説明図であり、(B)は修正貸借対照表を模式的に示す説明図である。
【図23】(A)は簿外加味貸借対照表の作成過程を模式的に示す説明図であり、(B)は簿外加味修正貸借対照表を模式的に示す説明図である。
【図24】財務諸表の構造毎の表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標と評点の重み付けとの関係を模式的に示す説明図である。
【図25】(A)は表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標のPDFイメージを示したものであり、(B)は表面財務分析指標、実質財務分析指標及び粉飾等調整指標の評点後のPDFイメージを示したものである。
【図26】(A)は貸借対照表のPDFイメージを示したものであり、(B)はオフバランス貸借対照表のPDFイメージを示したものである。
【図27】(A)は修正貸借対照表の作成過程で演算される不健全資産のPDFイメージを示したものであり、(B)は修正貸借対照表のPDFイメージを示したものであり、(C)は簿外加味修正貸借対照表のPDFイメージを示したものである。
【図28】第2実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される貸借対照表のデータ例を示す説明図である。
【図29】第2実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される損益計算書のデータ例を示す説明図である。
【図30】第2実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される販売費・一般管理費明細および製造原価明細のデータ例を示す説明図である。
【図31】第2実施形態でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信される財務追加情報のデータ例を示す説明図である。
【図32】(A)は図28の貸借対照表を模式化した説明図であり、(B)は図31の追加情報を模式化した説明図である。
【図33】(A)は第2実施形態の修正貸借対照表の作成過程を模式化した説明図であり、(B)は第2実施形態の修正貸借対照表を模式化した説明図である。
【図34】(A)は第2実施形態の簿外加味修正貸借対照表の作成過程を模式化した説明図であり、(B)は第2実施形態の簿外加味修正貸借対照表を模式化した説明図である。
【図35】実施例1でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信されるA診療所の貸借対照表のデータを示す説明図である。
【図36】実施例1でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信されるA診療所の損益計算書のデータを示す説明図である。
【図37】実施例1でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信されるA診療所の販売費・一般管理費明細および製造原価明細のデータを示す説明図である。
【図38】実施例1でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信されるA診療所のオフバランス追加情報のデータを示す説明図である。
【図39】実施例1でコンピュータ端末から信用格付サイトへ送信されるA診療所の財務追加情報のデータ例を示す説明図である。
【図40】実施例及び比較例の試験結果を示す説明図である。
【図41】(A)は実施形態の財務分析を模式的に示し、(B)は従来技術の財務分析を模式的に示す説明図である。
【図42】(A)は担保提供されている本業に欠かせない不動産をオンバランス化した貸借対照表を示し、(B)は格付先が代表者から現物出資を受けている場合の貸借対照表を示し、(C)は担保提供されている本業に欠かせない不動産をオフバランスとした従来の貸借対照表を示し、(D)は格付先が代表者から現物出資を受けている場合の従来の貸借対照表を示す。
【符号の説明】
101 ネットワーク
102、103 コンピュータ端末(クライアント端末)
110 信用格付サイト
112 ネットワークサーバ(判断手段、指標演算手段、評点基準選択手段、加算値算出手段、判定手段
113 データベースサーバ(記憶手段)

Claims (8)

  1. 貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置において、
    入力された前記財務諸表上の数値及び前記財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、
    業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、
    前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、
    前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、前記評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、
    信用区分と加算値との関係を予め関係付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、
    を備えた信用格付装置。
  2. 前記指標演算手段は、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから、会計処理外となっており担保提供されている本業に欠かせない不動産を前記記憶手段に記憶された貸借対照表上の固定資産に組み入れることでオンバランス化したオンバランス貸借対照表上の数値を演算し、該オンバランス貸借対照表上の数値に基づいて、前記財務指標を演算することを特徴とする請求項1に記載の信用格付装置。
  3. 貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表を分析して該企業の信用格付を行う信用格付装置において、
    入力された前記財務諸表上の数値、並びに、リース契約により使用しているリース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバランスリース資産に関する情報を含み、前財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたオフバランスリース資産を前記記憶手段に記憶された貸借対照表における資産に加えたオフバランス貸借対照表上の数値を演算し、該オフバランス貸借対照表及び前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、
    前記判断手段で演算されたオフバランス貸借対照表上の数値と前記記憶手段に記憶された追加情報とから前記オフバランス貸借対照表の不健全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演算し、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記演算した修正貸借対照表上の数値、並びに、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、
    前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、
    前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、前記評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、
    信用区分と加算値との関係を予め関係付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、
    を備えた信用格付装置。
  4. 前記指標演算手段は、前記演算した修正貸借対照表上の数値と前記記憶手段に記憶された追加情報とから、前記修正貸借対照表の資産に会計処理外となっている資産を加えた会計処理外資産加味貸借対照表上の数値をさらに演算し、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記会計処理外資産加味貸借対照表、前記修正貸借対照表、並びに、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値から前記財務指標を演算することを特徴とする請求項3に記載の信用格付装置。
  5. 前記指標演算手段は、前記判断手段で演算されたオフバランス貸借対照表、前記修正貸借対照表及び前記会計処理外資産加味貸借対照表に、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから、会計処理外となっており担保提供されている本業に欠かせない不動産を固定資産として組み入れることでオンバランスするように変換し、業種毎に定められた指標演算式に従って、前記変換されたオフバランス貸借対照表、修正貸借対照表及び会計処理外資産加味貸借対照表上の数値に基づいて、前記財務指標を演算することを特徴とする請求項4に記載の信用格付装置。
  6. 前記判断手段は、前記資本集約型と判断したときに、更に、機械・装置の簿価が土地・建物の簿価より大きいか否か、及び、機械・装置の単年度減価償却費が建物の単年度減価償却費より大きいか否かをそれぞれ判定し、1つ以上の肯定判定結果が得られたときに機械・装置型、肯定判定結果が得られなかったときに土地・建物型に分類し、前記評点基準選択手段は、前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、機械・装置型、土地・建物型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に予め定められた評点基準の中から評点基準を選択することを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の信用格付装置。
  7. ネットワークを介してクライアント端末を信用格付サーバに接続し、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表上の数値、並びに、前記財務指標上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を前記クライアント端末から前記信用格付サーバに送信し、前記信用格付サーバは受信した前記財務諸表上の数値及び追加情報を分析して前記企業の信用区分に関する情報を前記クライアント端末に送信する信用格付システムであって、
    前記信用格付サーバは、
    受信した前記財務諸表上の数値及び前記追加情報を記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、
    業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記記憶手段に記憶された財務諸表上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、
    前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、
    前記指標演算手段で演算された財務指標上の数値を、前記評点基準選択手段で選択された評点基準に基づいて評点し、該評点したすべての値を加算した加算値を算出する加算値算出手段と、
    信用区分と加算値との関係を予め関係付けた信用区分テーブルに基づいて、前記加算値算出手段で算出された加算値がいずれの信用区分に属するかを判定することにより、前記企業の信用区分を判定する判定手段と、
    を備えたことを特徴とする信用格付システム。
  8. ネットワークを介してクライアント端末を信用格付サーバに接続し、貸借対照表、損益計算書、販売費・一般管理費明細及び製造原価明細を含む企業の複数期の財務諸表上の数値、並びに、リース契約により使用しているリース物件のうち会計処理が簿外となっているオフバランスリース資産に関する情報を含み、前記財務諸表上の不健全資産の部分的な数値を表す追加情報を前記クライアント端末から前記信用格付サーバに送信し、前記信用格付サーバは受信した前記財務諸表上の数値及び追加情報を分析して前記企業の信用区分に関する情報を前記クライアント端末に送信する信用格付システムであって、
    前記信用格付サーバは、
    受信した前記財務諸表上の数値及び前記追加情報を記憶するための記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶されたオフバランスリース資産を前記記憶手段に記憶された貸借対照表における資産に加えたオフバランス貸借対照表上の数値を演算し、該オフバランス貸借対照表及び前記記憶手段に記憶された財務諸表上の少なくとも売上高、総資産、有形固定資産及び人件費の数値に基づいて売上高人件費比率、売上高有形固定資産比率および総資産有形固定資産比率を算出し、前記算出した売上高人件費比率が予め定められた第1の所定値未満か、前記算出した売上高有形固定資産比率が予め定められた第2の所定値以上か、および、前記算出した総資産有形固定資産比率が予め定められた第3の所定値以上かを判定し、肯定判定が2つ以上のときに、前記財務諸表の構造が資本集約型と判断し、肯定判断が2つ未満のときに、労働集約型判断する判断手段と、
    前記判断手段で演算されたオフバランス貸借対照表上の数値と前記記憶手段に記憶された追加情報とから前記オフバランス貸借対照表の不健全資産を排除した修正貸借対照表上の数値を演算し、業種毎に予め定められた指標演算式に従って、前記演算した修正貸借対照表上の数値、並びに、前記記憶手段に記憶された貸借対照表及び損益計算書上の数値と追加情報とから複数の財務指標を演算する指標演算手段と、
    前記判断手段により判断された前記財務諸表の構造に応じて、予め資本集約型及び労働集約型の財務諸表の構造毎に定められた評点基準の中から評点基準を選択する評点基準選択手段と、
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    を備えたことを特徴とする信用格付システム。
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