JP3739161B2 - スピンドルモータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高精度な性能が要求される玉軸受を備えた構造体、例えばハードディスク駆動装置(以下「HDD」と呼ぶ)に用いられる記録ディスク駆動用スピンドルモータに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、HDDに用いられる記録ディスク駆動用スピンドルモータは、記録ディスクへのデータの読み書きを正確に行うために同じ軌道を描くように高精度に回転させることが要求される。
そのスピンドルモータに用いられる小型軸受は、装着される固定体及び回転体に対して内・外輪が傾かないように取付けることが求められるが、全く傾かないように取付けるようにすることは極めて困難である。傾きが存在すると、その軸受の転動体が描く軌跡が真円とならないために、遊離する転動体が発生し、玉軸受の寿命の低下、音不良、振動増大等の不具合を招いてしまう。
【0003】
また、前記と同様に、内・外輪の相対的な傾き差が大きいと、遊離する転動体が発生し、性能悪化を招いてしまう。従って、内輪、外輪各々の傾きをできるだけ小さくするのみならず、その相対的な傾き差もできるだけ小さく抑えることが、軸受性能並びにスピンドルモータの性能を悪化させないようにする上で重要となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
近年のHDDの小型化、薄型化、高容量化に伴って、スピンドルモータの小型化、薄型化、高速回転化が一層要求されており、従来構造では十分な特性が得られないという問題があった。
そこで、本発明では、従来の寸法を維持或いはそれ以下にすることができ、しかも良好な軸受性能を有するスピンドルモータを提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明のスピンドルモータは、固定体と、該固定体に一対の玉軸受を介して回転自在に支持された回転体とを有するスピンドルモータにおいて、該一対の玉軸受はそれぞれ、内輪と、外輪と、この内外輪間に介在された複数の転動体とを備えてなり、該両玉軸受のそれぞれの該内外輪の一方は他方より軸方向寸法が長く形成されると共に、当該内外輪の一方は該転動体を軸方向中心より偏位した位置に保持するようになっており、該一対の玉軸受は、該内外輪の一方の該転動体からの離間寸法が大である端面同士が互いに対向するように配設されていることを特徴とするものである。
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明のスピンドルモータは、さらに、固定体と、該固定体に一対の玉軸受を介して回転自在に支持された回転体とを有するスピンドルモータにおいて、該一対の玉軸受はそれぞれ、内輪と、外輪と、この内外輪間に介在された複数の転動体とを備えてなり、該両玉軸受のそれぞれの該内外輪は該転動体を該内外輪の軸方向中心より同一方向に偏位した位置に保持するようになっており、該一対の玉軸受は、該内外輪の該転動体からの離間寸法が大である端面同士が互いに対向するように配設されていることを特徴とする。
【0007】
上述のスピンドルモータにおいて、一対の玉軸受の内輪の軸方向長さをR、外輪の軸方向長さをLとし、内輪が当接する上記固定体と回転体との一方に対する当該内輪の取付隙間をΔ i とすると共に、外輪が当接する上記固定体と回転体との他方に対する当該外輪の取付隙間をΔ 0 としたときに、Δ i /R=Δ 0 /Lと設定するのがよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図2は、HDDに用いられる記録ディスク駆動用スピンドルモータに装着されている玉軸受をより拡大したものを示している。傾いた状態について、図2にて詳説する。この玉軸受は、内輪1と外輪2と、これら内輪外輪間に介装される複数の転動体3とを備える。玉軸受は、軸方向上下に一対あり、スピンドルモータの回転体である円筒部4に内装されて、固定体であるシャフト5に外嵌される(この場合、一方の玉軸受のみ図示している)。
【0009】
また、図2は、シャフト5の軸心に対して、玉軸受が傾いて装着された状態を示したものであって、内輪1の取付隙間をΔi 、内輪1の軸方向長さをR、内輪の傾きをθi で表し、同様に外輪2の取付隙間をΔo 、外輪2の軸方向長さをL、外輪の傾きをθo で表すと、内輪1の傾きθi は数1で、外輪2の傾きθo は数2でそれぞれ表される。
【0010】
【数1】
【0011】
【数2】
【0012】
数1及び数2は、内・外輪1,2の取付隙間Δi ,Δo が非常に小さい場合に内・外輪1,2の傾きθi ,θo は取付隙間Δi ,Δo と軸方向長さR,Lによって表せることを意味している。これより傾きθi ,θo を小さく抑えるには、取付隙間Δi ,Δo を小さくし、軸方向長さR,Lを大きくすれば良いことがわかる。ところが、組立上、取付隙間Δi ,Δo を小さくすることは構造上の限度があり、また、軸方向長さR,Lを単に必要以上に大きくすることは、スピンドルモータ全体の軸方向寸法を大きくすることとなり、本発明の課題を解決することができない。
【0013】
以上を踏まえて、第1の解決手段として、本発明に係るスピンドルモータの要部を、図1を参照して詳説する。図1は、回転体であるハブ4と固定体であるシャフト5との間に一対の玉軸受6,7が介装されている部位を示している。なお、他の部位は省略している。
【0014】
図1は内・外輪1,2の軸方向長さR,Lを従来寸法よりも夫々大きくし、この増加分を一対の玉軸受6,7の対向する側に伸ばして、転動体3が該内外輪1,2の軸方向中心位置より偏位して装着されている(図1では、玉軸受6が上側に、玉軸受7が下側にそれぞれ偏位する)。このように、転動体3からの離間寸法Mが大である端面8,9同士を対向状に配設することにより、スピンドルモータとしては軸方向長さを従来よりも大きくすることなく、内・外輪1,2の傾きθi ,θo を小さくすることができるので、従来のように遊離する転動体が無くなり、軸受性能及びスピンドルモータの回転性能の低下を防止することができる。
【0015】
なお、内・外輪1,2の軸方向長さR,Lを従来寸法のままで転動体3の位置を変更し偏位させるようにしても構わない。何れの場合も転動体3の半径の1/2程度以上に偏位した位置関係となることが望ましい。即ち、偏位が転動体3の半径の1/2未満であば、偏位量が少なく、従来の玉軸受と変わらず、内・外輪1,2の傾きθi ,θo を小さくすることができないからである。
【0016】
ところで、内・外輪1,2がシャフト5の軸心に対する傾きは上記構造とすることで改善が図れるが、それでもこの傾きを0にすることは実際の組立では極めて困難である。そこで第2の解決手段として、仮に、内・外輪1,2にそれぞれ傾きが生じることに配慮して、それら内・外輪1,2の相対的な傾き差θi −θo を小さくなるようにしておくことによって、転動体3が動く内・外輪1,2との間に形成される軌道面が大幅に崩れることを防止でき、従来のような転動体3が遊離することを回避できるので、軸受性能及びスピンドルモータの回転性能の低下を防止することができる。
その相対的傾き差θi −θo は上述の数1及び数2より数3で表され、数4なる関係式が導出される。
【0017】
【数3】
【0018】
【数4】
【0019】
この数4より、例えば、内輪1の軸方向長さRは、外輪2の軸方向長さLと内・外輪1,2の取付隙間Δi ,Δo を決めることで設定することができる。或いは玉軸受の寸法が変更できない場合は、この玉軸受が取付けられる取付部の寸法を数4を満足するように設定するとよい(図1ではシャフト径d、或いはハブの内径Dを調整して、取付隙間Δi ,Δo を設定する)。このように数4に基づいて所定の寸法を設定してスピンドルモータを構成することで、これに使用する玉軸受の内・外輪1,2の傾きθi ,θo をほぼ等しく(内・外輪の相対的傾き差が極めて少なく)設定することができ、遊離する転動体3が少ない、理想に近い玉軸受を有するスピンドルモータが実現できる。
【0020】
なお、図1では一対の玉軸受6,7同士が数4の関係を満足するように、内・外輪1,2の軸方向長さR,Lを夫々長くして同一寸法となるように設定しているが、数4を満足すれば、内輪1のみ或いは外輪2のみの軸方向長さが長くなるように設定しても構わない。
【0021】
内・外輪1,2の傾きθi ,θo がそれぞれ小さくなれば、結果的に相対的傾き差θi −θo も小さくなるので、上述した2つの解決手段を並用すれば、効果はさらによくなる。即ち、一対の玉軸受6,7の転動体3の位置を少なくとも内輪又は外輪の軸方向中心位置から転動体3の半径の1/2程度以上偏位させて、転動体3からの離間寸法が大である端面同士を対向状に配設し、かつそれら玉軸受6,7の所定の寸法が数4を満足するように設定することが好ましい。このようにすることで、本発明は従来の軸方向長さを大きくすることなく(軸方向長さを維持或いは小さくしたまま)軸受特性(寿命、騒音、回転精度等)の極めて良好なスピンドルモータとすることができる。
【0022】
なお、本発明のスピンドルモータは、上述の実施の形態に限定されるものではない。例えば、シャフトが回転体となって内輪が回転体に、外輪が固定体に装着されても構わない。また、図1では内・外輪共に該内外輪の軸方向中心より偏位した位置に転動体が配置されているが、内輪及び外輪のどちらか一方が偏位するようになっていても構わない。
【0023】
【発明の効果】
本発明は上述の如く構成されているので、次に記載する効果を奏する。
【0024】
請求項1及び請求項2に記載のスピンドルモータによれば、軸方向長さを従来よりも大きくすることなく内・外輪1,2の傾きを小さくすることができるので、従来のように遊離する転動体3が無くなり、軸受性能及びスピンドルモータの回転性能の低下を防止することができる。
【0025】
請求項3に記載のスピンドルモータによれば、一対の玉軸受6,7のそれぞれの傾きを内・外輪1,2でほぼ等しく(内・外輪1,2の相対的傾き差が極めて少ない)設定することができ、遊離する転動体3が少ない、理想に近い玉軸受を有するスピンドルモータを実現できる。
【0026】
すなわち請求項3に記載のスピンドルモータによれば、従来の軸方向長さを維持或いは小さくしたまま軸受特性(寿命、騒音、回転精度等)の極めて良好なスピンドルモータとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るスピンドルモータの要部断面図である。
【図2】スピンドルモータに備えられる玉軸受が傾いた状態を示す要部断面図である。
【符号の説明】
1 内輪
2 外輪
3 転動体
6 玉軸受
7 玉軸受
8 端面
9 端面
M 離間寸法
Claims (3)
- 固定体と、該固定体に一対の玉軸受を介して回転自在に支持された回転体とを有するスピンドルモータにおいて、該一対の玉軸受はそれぞれ、内輪と、外輪と、この内外輪間に介在された複数の転動体とを備えてなり、該両玉軸受のそれぞれの該内外輪の一方は他方より軸方向寸法が長く形成されると共に、当該内外輪の一方は該転動体を該内外輪の軸方向中心より偏位した位置に保持するようになっており、該一対の玉軸受は、該内外輪の一方の該転動体からの離間寸法が大である端面同士が互いに対向するように配設されていることを特徴とするスピンドルモータ。
- 固定体と、該固定体に一対の玉軸受を介して回転自在に支持された回転体とを有するスピンドルモータにおいて、
該一対の玉軸受はそれぞれ、内輪と、外輪と、この内外輪間に介在された複数の転動体とを備えてなり、該両玉軸受のそれぞれの該内外輪は該転動体を軸方向中心より同一方向に偏位した位置に保持するようになっており、該一対の玉軸受は、該内外輪の該転動体からの離間寸法が大である端面同士が互いに対向するように配設されていることを特徴とするスピンドルモータ。 - 一対の玉軸受の内輪の軸方向長さをR、外輪の軸方向長さをLとし、内輪が当接する上記固定体と回転体との一方に対する当該内輪の取付隙間をΔi とすると共に、外輪が当接する上記固定体と回転体との他方に対する当該外輪の取付隙間をΔ0 としたときに、Δi /R=Δ0/Lと設定したことを特徴とする請求項1又は2記載のスピンドルモータ。
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1997
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