JP3738362B2 - 光学系のフレア光検出装置 - Google Patents

光学系のフレア光検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学系のフレア光検出装置に係わり、特に、レンズ面の多重反射、鏡筒等の反射により生じるフレア光を検出するための光学系のフレア光検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
レンズ光学系においては、レンズ面等の反射によりフレア(FLARE)光の発生を避けることができない。このフレア(FLARE)は、ベイリング・グレア(VEILING GRARE)とも呼ばれ、レンズ系を構成する各レンズのレンズ面での多重反射等の反射散乱により生じるものであり、結像のための本来の光束に重畳して結像面に到達し、光学系の結像性能に悪影響を及ぼすものである。
【0003】
このため、光学系の試験、或いは、フレア光の生じる原因を発見し、最適な光学系の設計を実現するために、フレア光を検出するためのフレア検出装置の出現が強く望まれている。例えば、内面が一様な球面光源となる積分球を用いたフレア検出装置が存在している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来のフレア検出装置は、フレア光が、本来の結像のための光束に対して非常に微弱であるため、検出が極めて困難である上、単にフレア率等を測定するのみであり、検出されたフレア光が、レンズ系のどのレンズ面で発生しているかを特定することができないという深刻な問題点があった。
【0005】
従って本発明は、微弱であるフレア光を検出すると共に、フレア光の発生するレンズ面を容易に特定することのできる光学系のフレア光検出装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題に鑑み案出されたもので、ショートコヒーレントな光を出射するための光源部と、この光源部からの光束を基準光と参照光との2光束に分離するための光束分離手段と、この参照光の光路内に配置され、参照光路の光路長を変化させるための光路長変換手段と、前記基準光と前記参照光を被測定光学系に向けて投影し、該被測定光学系を通過した前記基準光と前記参照光とを受光するための受光手段と、前記光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する該受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出することを特徴としている。
【0007】
また本発明は、ショートコヒーレントな光を出射するための光源部と、この光源部からの光束を被測定光学系に向けて投影し、被測定光学系を通過した基準光と参照光との2光束に分離するための光束分離手段と、この参照光の光路内に配置され、参照光路の光路長を変化させるための光路長変換手段と、前記基準光と前記参照光とを受光するための受光手段と、前記光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する該受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出することを特徴としている。
【0008】
そして本発明の干渉縞は、結像に寄与する結像光の参照光と、レンズ面反射によるフレア光の基準光との干渉により形成することもできる。
【0009】
更に本発明の光路長変換手段は、参照光路の光軸に沿って移動可能に構成された反射鏡とすることもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以上の様に構成された本発明は、光源部がショートコヒーレントな光を出射し、光束分離手段が、光源部からの光束を基準光と参照光との2光束に分離し、参照光の光路内に配置された光路長変換手段が、参照光路の光路長を変化させ、基準光と参照光を被測定光学系に向けて投影し、受光手段は、被測定光学系を通過した基準光と参照光とを受光する様になっており、光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出することができる。
【0011】
また本発明は、光源部がショートコヒーレントな光を出射し、光束分離手段が、光源部からの光束を被測定光学系に向けて投影し、被測定光学系を通過した基準光と参照光との2光束に分離し、参照光の光路内に配置された光路長変換手段が、参照光路の光路長を変化させ、受光手段が基準光と参照光とを受光する様になっており、光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出することができる。
【0012】
そして本発明の干渉縞は、結像に寄与する結像光の参照光と、レンズ面反射によるフレア光の基準光との干渉により形成することもできる。
【0013】
更に本発明の光路長変換手段は、参照光路の光軸に沿って移動可能な反射鏡とすることもできる。
【0014】
「原理」
【0015】
ここで、本発明の原理を説明する。
【0016】
図5に示す様に、本発明で使用される光干渉測定ユニット1000は、光源部900と、第1の投影レンズ910と、ハーフミラー920と、第1の反射鏡930と、第2の反射鏡940と、第2の投影レンズ950とから構成されている。
【0017】
この光干渉測定ユニット1000の第2の投影レンズ950と、像面3000の間には、被測定光学系2000のレンズ群が配置される。
【0018】
光源部900は、ショートコヒーレントな光を出射させるためのものであり、出射された光は第1の投影レンズ910により集光され、ハーフミラー920に入射される。光源部900には、コヒーレンス長が短かく(例えば、20nm以下)、波長としては、例えば840nmの光源が利用される。なお光源900には、スーパールミネセンス・ダイオード(SLD)を使用することもできる。
【0019】
ハーフミラー920は光束分離手段に該当するものであり、光源900からの光束を基準光と参照光との2光束に分離させることができる。即ち、光源部900から入射されたショートコヒーレント光の一部は、ハーフミラー920で反射され、第1の反射鏡930に向かう様になっており、第1の反射鏡930で反射された光は、ハーフミラー920を透過した後、第2の投影レンズ950を介して被測定光学系2000のレンズ群に入射される基準光K1となる。
【0020】
また、光源部900から入射されたショートコヒーレント光の内、ハーフミラー920を透過した光は、第2の反射鏡940に向かう様になっており、第2の反射鏡940で反射された光は、ハーフミラー920で反射され、第2の投影レンズ950を介して被測定光学系2000のレンズ群に入射される参照光K2となる。
【0021】
基準光K1及び参照光K2は、被測定光学系2000により、像面3000に像を形成するが、被測定光学系2000ではフレア光を生じさせ、フレア光は像面3000に達する。ここで、基準光K1で生じたフレア光をF1とし、参照光K2により生じたフレア光をF2とする。更に、フレア光F1及びフレア光F2に対して、像面3000に正常な像を形成させる光を結像光と呼ぶこととする。
【0022】
なお、光干渉測定ユニット1000の第2の反射鏡940は、参照光路の光軸方向に移動可能に構成されており、光路長を変化させることができる。即ち、第2の反射鏡940が(△/2)の距離を移動すると、光路長は△の距離変化することになる。従って、基本となる光路長をLとすれば、第2の反射鏡940を(△/2)だけ移動させると、光路長はL+△となる。
【0023】
またフレア光は、被測定光学系2000のレンズ面の多重反射に生じるので、光路長は、結像光より長くなる。このフレアにより増加する光路長を△Fと定義する。
【0024】
ここで、結像光及びフレア光の光路長について整理すると、
【0025】
(A)結像光
【0026】
Figure 0003738362
【0027】
(B)フレア光
【0028】
Figure 0003738362
【0029】
第2の反射鏡940を(△/2)だけ移動させると、アンダーラインに示した様に、結像光の参照光K2の光路長と、フレア光の参照光によるF2の光路長とが変化する。
【0030】
従って、第2の反射鏡940の移動による参照光路の増加光路長△と、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fとが、等しくなった場合には、像面3000には干渉縞が形成される。
【0031】
更に、光干渉測定ユニット1000の本来の機能により、基準の位置(第2の反射鏡940が基準位置にあり、基準光路と参照光路との光路差が0の場合)では、結像光の基準光K1と結像光の基準光K2同士で干渉縞が生じ、更に、基準位置では、フレア光の基準光F1とフレア光の基準光F2同士で干渉縞が生じる。即ち、「$」印同士、及び「*」印同士で干渉縞が生じることになる。
【0032】
これらの現象を利用することにより、基準の位置から、次の干渉縞が発生するまでの第2の反射鏡940の移動距離(△/2)を計測すれば、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fを求めることができる。この△Fに基づいて、フレアが生じているレンズ面、或いは、フレアを生じさせるレンズ鏡筒の箇所を特定することができる。
【0033】
【実施例】
【0034】
次に本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0035】
「第1実施例」
【0036】
図1に示す様に、本第1実施例のフレア光検出装置10000は、光干渉測定ユニット1000aと、この光干渉測定ユニット1000aにより生じた干渉縞を検出するための干渉縞検出装置とから構成されている。
【0037】
光干渉測定ユニット1000aは、光源部100と、第1の投影レンズ110と、ハーフミラー120と、第1の反射鏡130と、第2の反射鏡140と、第2の投影レンズ150とから構成されている。
【0038】
干渉縞検出装置の電気的構成は、受光手段200と、検波手段300と、A/D変換器400と、演算処理手段500と、入力手段600と、出力手段700と、反射鏡駆動手段800とから構成されている。
【0039】
この光干渉測定ユニット1000aの第2の投影レンズ150と、像面に相当する位置に配置されている受光手段200の間には、被測定光学系2000のレンズ群が配置される。
【0040】
本第1実施例の光干渉測定ユニット1000aは、上述の「原理」で説明した光干渉測定ユニット1000と同様であるので、説明を省略する。
【0041】
受光手段200は、光干渉測定ユニット1000aの像面の位置に配置され、形成された干渉縞を光電検知するためのものである。干渉縞を検知可能な光電素子でれば、何れのセンサを使用することができる。
【0042】
検波手段300は、受光手段200からの干渉信号をヘテロダイン検波するためのものである。なお、第2の反射鏡140を高速に走査すれば、ドップラー効果による干渉縞を受光することができる。この受光した干渉信号をヘテロダイン検波することにより、バイアス光の10の15乗分の1という微弱光を検知することができ、微弱なフレア光を検出することができる。
【0043】
A/D変換器400は、検波手段300で検波されたアナログ信号をディジタル信号に変換し、演算処理手段500で演算処理するためのものである。
【0044】
演算処理手段500は、受光手段200からの干渉信号に基づき、干渉縞を検出すると共に、反射鏡駆動手段800を駆動して第2の反射鏡140を移動させるものである。そして演算処理手段500は、CPUを含み、本第1実施例のフレア光検出装置10000全体の制御を司っている。
【0045】
入力手段600は、使用者が演算処理手段500に対して、各種の命令等を入力するためのものである。特に、反射鏡駆動手段800を駆動して第2の反射鏡140を移動させる命令を入力することができる。
【0046】
出力手段700は、受光手段200で受光した干渉縞をモニタするためのディスプレイ装置や、反射鏡駆動手段800により移動された第2の反射鏡140の移動距離(△/2)を表示する手段を備えている。
【0047】
反射鏡駆動手段800は、第2の反射鏡140を直線的に移動させるためのものである。第2の反射鏡140を移動させることのできる機構であれば、何れのものを採用することができる。
【0048】
ここで、第2の反射鏡140と反射鏡駆動手段800とが、光路長変換手段に該当するものである。
【0049】
以上の様に構成された本第1実施例のフレア光検出装置10000は、反射鏡駆動手段800により第2の反射鏡140を移動させ、基準光K1と参照光K2との光路長が一致した時には、比較的強い干渉縞が発生する。即ち、図2に示す様に、受光手段200の出力振幅が大きくなる。なお、この位置が基準位置となる。
【0050】
更に、反射鏡駆動手段800により第2の反射鏡140を基準位置から移動させ、第2の反射鏡140の移動による参照光路の増加光路長△と、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fとが、等しくなった場合には、やや弱い次の干渉縞が発生する。図2に示す様に、受光手段200からやや小さい振幅の出力信号が検出される。従って、第2の反射鏡140の基準位置から、干渉縞発生までの移動量を計測すれば、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fを求めることができる。このフレア光路差△Fが得られれば、光線追跡によるシミュレーション等の手段により、被測定光学系2000のレンズ群の中から、フレアが生じているレンズ面を特定することができる。
【0051】
また、基準位置での干渉縞と、第2の反射鏡140の移動により生じる次の干渉縞との強度の比から、フレア光の強度も測定することができる。
【0052】
「第2実施例」
【0053】
次に本発明の第2実施例を図3に基づいて説明する。
【0054】
本第2実施例のフレア光検出装置20000は、光干渉測定ユニット1000bと、この光干渉測定ユニット1000bにより生じた干渉縞を検出するための干渉縞検出装置とから構成されている。
【0055】
光干渉測定ユニット1000bは、光源100と、参照ミラー160と、集光レンズ165と、分波器170と、光ファイバー180と、ファイバー反射端190とから構成されている。
【0056】
光ファイバー180は、光源100から光を導くための第1のファイバー181と、被測定光学系2000まで導くための射出光用光ファイバー182と、参照ミラー160まで導くための参照用光ファイバー183と、反射端190に導くための反射端用光ファイバー184とから構成されている。
【0057】
分波器170は、第1のファイバー181からの光を参照用光ファイバー183と反射端用光ファイバー184とに分岐するためのものである。なお、分波器170は、光束分離手段に該当するものである。
【0058】
また、分波器170は、反射端190で反射され反射端用光ファイバー184により導かれた基準光K1と、参照ミラー160から反射され参照用光ファイバー183に導かれた参照光K2とを、射出光用光ファイバー182に導く機能も有している。
【0059】
以上の様に構成された光干渉測定ユニット1000bは、参照ミラー160を移動させることにより、参照光K2の光路長を変化させることができる。参照ミラー160の移動は、前述の第1実施例の光干渉測定ユニット1000aの第2の反射鏡140の移動に等価となっている。
【0060】
射出光用光ファイバー182の射出端182aから射出された基準光K1と参照光K2とは、回転台4000に載置された被測定光学系2000に入射される様に構成されている。
【0061】
被測定光学系2000により形成される基準光K1及び参照光K2の像面には、受光用光ファイバー210が形成されている。受光用光ファイバー210は、第1の受光用光ファイバー211と、第2の受光用光ファイバー212とから構成されており、第1の受光用光ファイバー211の受光端は、基準光K1と参照光K2による結像光を受光する様に配置されており、第2の受光用光ファイバー212の受光端は、主光線近傍でのフレア光のみを受光する様に配置されている

【0062】
第1の受光用光ファイバー211と第2の受光用光ファイバー212の出力端は、受光用分波器220で合成され、受光素子用光ファイバー230を介して受光素子に導く様に構成されている。
【0063】
本第2実施例のフレア光検出装置20000の干渉縞検出装置の電気的構成は、受光手段200と、検波手段300と、A/D変換器400と、演算処理手段500と、入力手段600と、出力手段700と、参照ミラー駆動手段850とから構成されている。
【0064】
この光干渉測定ユニット1000bの射出光用光ファイバー182の射出端182aと、像面に相当する位置に配置されている受光用光ファイバー210の間には、被測定光学系2000のレンズ群が配置される。
【0065】
本第2実施例の光干渉測定ユニット1000bのその他の構成、作用は、上述の「原理」で説明した光干渉測定ユニット1000や、本第1実施例の光干渉測定ユニット1000aと同様であるから説明を省略する。
【0066】
参照ミラー駆動手段850は、光干渉測定ユニット1000bの参照ミラー160を直線的に移動させるためのものである。本第2実施例のフレア光検出装置20000の参照ミラー駆動手段850は、第1実施例のフレア光検出装置10000の反射鏡駆動手段800と対応するものである。
【0067】
本第2実施例のフレア光検出装置20000の参照ミラー駆動手段850以外のその他の構成は、第1実施例のフレア光検出装置10000と同様であるから説明を省略する。
【0068】
以上の様に構成された本第2実施例のフレア光検出装置20000は、参照ミラー駆動手段850により参照ミラー160を移動させ、基準光K1と参照光K2との光路長が一致した時には、比較的強い干渉縞が発生する。更に、参照ミラー駆動手段850により参照ミラー160を基準位置から移動させ、参照ミラー160の移動による参照光路の増加光路長△と、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fとが、等しくなった場合には、やや弱い干渉縞が発生する。従って、参照ミラー160の基準位置から、干渉縞発生までの移動量を計測すれば、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fを求めることができる。この△Fに基づいて、被測定光学系2000のレンズ群の中から、フレアが生じているレンズ面を特定することができる。
【0069】
なお、被測定光学系2000を載置している回転台4000を回転させることにより、斜めに入射する光に対するフレア光を検出することができる。
【0070】
更に、回転台4000による被測定光学系2000の回転に代えて、光干渉測定ユニット1000bの射出光用光ファイバー182の射出端182aを走査させることも可能である。
【0071】
「第3実施例」
【0072】
次に本発明の第3実施例を図4に基づいて説明する。
【0073】
図4に示す様に、本第3実施例のフレア光検出装置30000は、光干渉測定ユニット1000cと、この光干渉測定ユニット1000cにより生じた干渉縞を検出するための干渉縞検出装置とから構成されている。
【0074】
本第3実施例のフレア光検出装置30000は、本第1実施例のフレア光検出装置10000の光源部100と受光手段200の位置を入れ換えたものに相当する。
【0075】
光干渉測定ユニット1000cは、第1の投影レンズ110と、ハーフミラー120と、第1の反射鏡130と、第2の反射鏡140と、第2の投影レンズ150とから構成されている。
【0076】
干渉縞検出装置の電気的構成は、受光手段200と、検波手段300と、A/D変換器400と、演算処理手段500と、入力手段600と、出力手段700と、反射鏡駆動手段800とから構成されている。
【0077】
光源100からのショートコヒーレント光は、回転台4000に載置された被測定光学系2000に入射される。そして被測定光学系2000からの結像光は、光干渉測定ユニット1000cに入射する様に構成されている。
【0078】
第2の投影レンズ150を介して入射された結像光の一部は、ハーフミラー120で透過され、第1の反射鏡130に向かう様になっており、第1の反射鏡130で反射された光は、ハーフミラー120で反射した後、第1の投影レンズ110を介して受光素子200に入射される基準光K1となる。
【0079】
また入射された結像光の内、ハーフミラー120を反射した光は、第2の反射鏡140に向かう様になっており、第2の反射鏡140で反射された光は、ハーフミラー120で透過し、第1の投影レンズ110を介して受光素子200に入射される参照光K2となる。
【0080】
本第3実施例の光干渉測定ユニット1000cのその他の構成、作用は、上述の「原理」で説明した光干渉測定ユニット1000や、本第1実施例の光干渉測定ユニット1000aと同様であるから説明を省略する。
【0081】
本第3実施例のフレア光検出装置30000の干渉縞検出装置の電気的構成は、第1実施例のフレア光検出装置10000と同様であるから説明を省略する。
【0082】
以上の様に構成された本第3実施例のフレア光検出装置30000は、反射鏡駆動手段800により第2の反射鏡140を移動させ、基準光K1と参照光K2との光路長が一致した時には、比較的強い干渉縞が発生する。更に、反射鏡駆動手段800により第2の反射鏡140を基準位置から移動させ、第2の反射鏡140の移動による参照光路の増加光路長△と、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fとが、等しくなった場合には、やや弱い干渉縞が発生する。従って、第2の反射鏡140の基準位置から、干渉縞発生までの移動量を計測すれば、レンズ面の多重反射(フレア)により増加する光路長△Fを求めることができる。この△Fに基づいて、被測定光学系2000のレンズ群の中から、フレアが生じているレンズ面を特定することができる。
【0083】
なお、被測定光学系2000を載置している回転台4000を回転させることにより、斜めに入射する光に対するフレア光を検出することができる。
【0084】
【効果】
以上の様に構成された本発明は、ショートコヒーレントな光を出射するための光源部と、この光源部からの光束を基準光と参照光との2光束に分離するための光束分離手段と、この参照光の光路内に配置され、参照光路の光路長を変化させるための光路長変換手段と、前記基準光と前記参照光を被測定光学系に向けて投影し、該被測定光学系を通過した前記基準光と前記参照光とを受光するための受光手段と、前記光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する該受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出する構成となっており、微弱であるフレア光を検出すると共に、フレア光の発生するレンズ面を容易に特定することのできると共に、フレア光の強度も検出できるという卓越した効果がある。
【0085】
更に本発明は、ショートコヒーレントな光を出射するための光源部と、この光源部からの光束を被測定光学系に向けて投影し、被測定光学系を通過した基準光と参照光との2光束に分離するための光束分離手段と、この参照光の光路内に配置され、参照光路の光路長を変化させるための光路長変換手段と、前記基準光と前記参照光とを受光するための受光手段と、前記光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する該受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出する構成となっているので、被測定光学系を通過した光の光路長を変化させることができ、斜め方向から入射した光により生じるフレア光を検出することができるという効果がある。
【0086】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の構成を示す図である。
【図2】受光手段200の出力信号を示す図である。
【図3】本発明の第2実施例の構成を示す図である。
【図4】本発明の第3実施例の構成を示す図である。
【図5】本発明の原理を説明する図である。
【符号の説明】
10000 第1実施例のフレア光検出装置
20000 第2実施例のフレア光検出装置
30000 第3実施例のフレア光検出装置
1000a 第1実施例の光干渉測定ユニット
1000b 第2実施例の光干渉測定ユニット
1000c 第3実施例の光干渉測定ユニット
2000 被測定光学系
4000 回転台
100 光源部
110 第1の投影レンズ
120 ハーフミラー
130 第1の反射鏡
140 第2の反射鏡
150 第2の投影レンズ
160 参照ミラー
165 集光レンズ
170 分波器
180 光ファイバー
181 第1のファイバー
182 射出光用光ファイバー
183 参照用光ファイバー
184 反射端用光ファイバー
190 ファイバー反射端
200 受光手段
210 受光用光ファイバー
211 第1の受光用光ファイバー
212 第2の受光用光ファイバー
220 受光用分波器
230 受光素子用光ファイバー
300 検波手段
400 A/D変換器
500 演算処理手段
600 入力手段
700 出力手段
800 反射鏡駆動手段
850 参照ミラー駆動手段

Claims (4)

  1. ショートコヒーレントな光を出射するための光源部と、この光源部からの光束を基準光と参照光との2光束に分離するための光束分離手段と、この参照光の光路内に配置され、参照光路の光路長を変化させるための光路長変換手段と、前記基準光と前記参照光を被測定光学系に向けて投影し、該被測定光学系を通過した前記基準光と前記参照光とを受光するための受光手段と、前記光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する該受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出することを特徴とする光学系のフレア光検出装置。
  2. ショートコヒーレントな光を出射するための光源部と、この光源部からの光束を被測定光学系に向けて投影し、被測定光学系を通過した基準光と参照光との2光束に分離するための光束分離手段と、この参照光の光路内に配置され、参照光路の光路長を変化させるための光路長変換手段と、前記基準光と前記参照光とを受光するための受光手段と、前記光路長変換手段による光路長の変換により生じた干渉縞に対応する該受光手段からの受光信号に基づき、被測定光学系により生じたフレア光を検出することを特徴とする光学系のフレア光検出装置。
  3. 前記干渉縞は、結像に寄与する結像光の参照光と、レンズ面反射によるフレア光の基準光との干渉により形成される請求項1又は2記載の光学系のフレア光検出装置。
  4. 光路長変換手段は、参照光路の光軸に沿って移動可能に構成された反射鏡である請求項1又は2記載の光学系のフレア光検出装置。
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