JP3737467B2 - 微細穴の処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はφ5.0mm 以下の軸方向貫通ストレート穴、テーパ穴、曲がり穴などで構成された穴を有する部品の内面処理(研磨、洗浄、バリ取り、エッジのR取り・面取り、表面処理)を行う微細穴の処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の流体圧供給装置から加圧流体をスラリータンクに作用させ、かつスラリータンクの溶媒に砥粒を加えたスラリーを入れた下層部と配管で連結された一対のワーク保持具を有する微細穴の処理装置としては、精密工学会誌64.1(1998)、64.8(1998)、64.9(1998)の「 極細ステンレス鋼管内壁の高速流動研磨」 ではφ1mm 以下の内径を有する長尺のステンレス鋼製極細管の内面をスラリーを高速でその中を往復動させることによって研磨する方法:高速流動研磨法が報告されている。また、例えば非特許文献1では、ジルコニアセラミックフェルール微細穴内面( φ0.12mm) の加工精度( 形状精度と面精度) の向上をねらいに、高速流動研磨法が有効であることが報告されている。その論文での高速流動研磨装置は、図6、図7に示す。
【0003】
【非特許文献1】
精密工学会誌67.2(2001年)「 光コネクタ用セラミックフェルール微細穴内壁面の高速流動研磨」
【0004】
図6に示す従来の軸方向貫通微細穴の処理装置は、エアコンプレッサ51、直圧式増圧器 52、52、溶媒としてイオン交換水58が入れられたカートリッジB57、57 、溶媒としてのイオン交換水58と砥粒55としてアルミナとの混合物であるスラリーが入れられたカートリッジB56、56 及びフェルール保持具 53、54で構成されている。カートリッジB 57、57は直圧式増圧器 52、52に砥粒55が侵入することを防ぎ、装置の耐久性を向上させるためのトラップである。図7に図6のフェルール保持具 53、54の詳細図を示す。保持具53、54 は、2個のフランジ付ステンレス鋼円筒容器 66、66から成り、左右の容器には、中空の厚肉エポキシ樹脂円筒管 63、63が挿入され、その外側にグランドパッキン 64、64が密に詰め込まれ、砥粒55とイオン交換水58との混合物であるスラリーが回り込まないよう配慮している。セラミックフェルール 62、62を直列にエポキシ樹脂円筒管 63、63の中に入れ、左右の樹脂円筒管を仕切り板60を介して向き合わせ、フランジ部には高圧の流体圧に耐えスラリー55が洩れないように2重にOリング 61、61を挿入し、左右フランジ部をボルト 65、65で締め付ける。フェルール保持具 53、54とカートリッジA 56、56は配管用の継ぎ手 59、59で接続する。
【0005】
作動においては、エアコンプレッサ51を稼動し圧縮空気を図示しないフィルタレギュレータを介して所定の圧力(0.49MPa) に制御し、右(左)側の直圧式増圧器 52、52に送気する。直圧式増圧器 52、52と連通する右(左)側のカートリッジB 57、57内部のイオン交換水58を空気圧の25倍に増圧し、右(左)側のカートリッジB 57、57内のイオン交換水58に流体圧を加える。カートリッジB 57、57内のイオン交換水58は右(左)側のカートリッジA 56、56内に注送され、カートリッジA 56、56内のイオン交換水58に流体圧を加えることになる。このことにより、カートリッジA 56、56内のフェルール保持具 53、54に接続してある管を通ってスラリーがフェルール 62、62内面に注送されることになる。研磨はスラリーがフェルール 62、62内面を流動することにより行われる。右(左)側のカートリッジA 56、56のスラリーが左(右)側のカートリッジA 56、56に注送されて移動し終わった(1パス目) 後、左(右)側の直圧式増圧器 52、52内部のイオン交換水58を増圧し、スラリーは逆向きに注送される(2パス目で1 往復) 。この流動動作を繰り返してフェルールの微細穴内を研磨する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6、図7に示す従来の軸方向貫通微細穴の処理装置では、長時間の連続加工運転時に、カートリッジA内のスラリー添加物が拡散し、カートリッジBに移動して、スラリー添加物の分布状態が安定せず、軸方向貫通微細穴の表面処理に作用するスラリー添加物の量にばらつきが発生し、表面処理品質が安定しないという課題があった。さらに上記従来の処理装置では、スラリーが直圧式増圧器などの流体圧供給装置に侵入し、流体圧供給装置の耐久性を低下させるという課題があった。又、上記従来の処理装置では、スラリー量が減少しても、スラリーを補充できる構造にはなっておらず、ボルト締めのカートリッジの蓋を外し、スラリー全部を入れ替えなければならず、スラリーの浪費となり、作業性が悪かった。
【0007】
本発明の課題は、かかる従来の軸方向貫通微細穴の処理装置の課題を解決した、長時間の連続加工運転時に、スラリータンクであるカートリッジA内のスラリー添加物が拡散し、カートリッジBに移動することを防止し、スラリー添加物の分布状態が安定し、軸方向貫通微細穴の表面処理に作用するスラリー添加物の量がばらつかず、表面処理品質が安定した装置を提供することにある。さらに上記従来の処理装置では、スラリーが直圧式増圧器などの流体圧供給装置に侵入し流体圧供給装置の耐久性を低下させることがない装置を提供することにある。
本発明の別の課題は、スラリー量が減少しても、スラリーを補充でき、ボルト締めのカートリッジの蓋を外す必要がなく、スラリーの一部のみ補充でき、スラリーの浪費をなくし、作業性を改善した装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
このため本発明の第1発明は、流体圧供給装置から加圧流体をスラリータンクに作用させ、かつ前記スラリータンクの溶媒に砥粒を加えたスラリーを入れた下層部と配管で連結された一対のワーク保持具を有する微細穴の処理装置において、前記スラリータンクは、その上蓋に一端を固定した戻しばねの他端に連結された仕切板により、前記スラリーを入れた下層部と前記加圧流体が導かれる加圧室とに区画され、前記スラリータンクには、上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、が設けられ、前記スラリー受け口は前記一対のワーク保持具の下方に配置されていることを特徴とする微細穴の処理装置を提供することにより、上述した課題を解決した。
本発明の第2発明は、流体圧供給装置から加圧流体をスラリータンクに作用させ、かつ前記スラリータンクの溶媒に砥粒を加えたスラリーを入れた下層部と配管で連結された一対のワーク保持具を有する微細穴の処理装置において、前記スラリータンク内に前記スラリーを入れた下層部と前記加圧流体が導かれる加圧室とに区画する仕切板が配置され、前記仕切板はスラリータンクの上蓋を貫通するロッドの一端に固定され、前記ロッドの他端にはスプリング受けが設けられ、前記上蓋とスプリング受けとの間に戻しばねが配置され、前記スラリータンクには、上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、が設けられ、前記スラリー受け口は前記一対のワーク保持具の下方に配置されていることを特徴とする微細穴の処理装置を提供することにより、上述した課題を解決した。
本発明の第3発明は、流体圧供給装置から加圧流体をスラリータンクに作用させ、かつ前記スラリータンクの溶媒に砥粒を加えたスラリーを入れた下層部と配管で連結された一対のワーク保持具を有する微細穴の処理装置において、前記スラリータンク内に前記スラリーを入れた下層部と大気と連通する上層室とを区画する仕切板が配置され、前記流体圧供給装置はピストンとロッドを有し、前記仕切板は前記流体圧供給装置のロッドと固定され、前記スラリータンクには、上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、が設けられ、前記スラリー受け口は前記一対のワーク保持具の下方に配置されていることを特徴とする微細穴の処理装置を提供することにより、上述した課題を解決した。
【0009】
【発明の効果】
かかる構成によると、スラリータンク内は仕切板により、スラリーを入れた下層部と加圧流体が導かれる加圧室とに密閉区画され、スラリーを入れたスラリータンク内のスラリー添加物が拡散することがなく、スラリー添加物の分布状態が安定し、軸方向貫通微細穴の表面処理に作用するスラリー添加物の量にばらつきが発生しなくなり、表面処理品質が安定し、又、スラリー添加物が加圧室又は流体圧供給装置に侵入し流体圧供給装置の耐久性を低下させることがなく、耐久性の高い装置を提供するものとなり、さらに前記スラリータンクには、上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、が設けられるようにしてもよい。これにより、スラリータンクの下層部に混入したエアーは、仕切板が上昇端位置にあるときに、エアー抜き穴からエアー抜き管を通って大気中に排出される。また、スラリー量が減少しても、スラリーを補充でき、ボルト締めのカートリッジの蓋を外す必要がなく、スラリーの一部のみ補充でき、スラリーの浪費をなくし、作業性を改善した装置を提供するものとなった。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の第1発明の実施の形態を示す軸方向貫通微細穴処理装置の概略側面断面図で、(a) は仕切板2が上昇端位置にある状態(スラリーを加圧していない状態)を示し、(b) は仕切板2が下方に移動しはじめた状態(スラリーを加圧し、吐出しはじめた状態)を示す。図1の微細穴処理装置は、図示しない流体圧供給装置から加圧流体7が配管15を介してスラリータンク5の加圧室17に導かれ、溶媒に砥粒を加えたスラリー8を入れたスラリータンク5の下層部18は配管16で図示しない一対のワーク保持具と連結されている。スラリータンク5は、その上蓋21に一端を固定した戻しばね9の他端に連結された仕切板2により、スラリー8を入れた下層部18と加圧流体7が導かれる加圧室17とに区画される。戻しばね9は、スラリータンク5の加圧室17に内蔵されており、(a) の位置では仕切板2は上昇端の位置まで戻しばね9で戻されている。溶媒は、水性溶媒、油、アルコールを含み、加圧流体7は溶媒又はエアーを含む。これにより、スラリータンク5内部はシール13、14を介して移動する仕切板2によって、加圧室17と下層部18とに密封区画される。シール13、14を介さなくて仕切板2を移動するものでもよい。
【0012】
作動においては、図1(a) の位置で図示しない流体圧供給装置から加圧流体7が配管15を介してスラリータンク5の加圧室17に導かれると、(b) の仕切板2が下方に移動しはじめた状態となり、仕切板2が下方に移動され、下層部18のスラリー8を加圧し、下層部18と連結された配管16を通り、スラリー8が図示しない一対のワーク保持具に吐出される。仕切板2が下降端に到達すると、図示しない流体圧供給装置からの加圧流体7が止められ、仕切板2は戻しばね9の戻し方向の収縮力により(a) に示す上昇端の位置まで戻される。
【0013】
かかる構成によると、スラリータンク5内は仕切板2により、スラリー8を入れた下層部18と加圧流体7が導かれる加圧室17とに密閉区画され、スラリーを入れたスラリータンク内のスラリー添加物が拡散することをなく、スラリー添加物の分布状態が安定し、軸方向貫通微細穴の表面処理に作用するスラリー添加物の量にばらつきが発生しなくなり、表面処理品質が安定し、又、スラリー添加物が加圧室又は流体圧供給装置に侵入し、流体圧供給装置の耐久性を低下させることがなく、耐久性の高い装置を提供するものとなった。
【0014】
図1の実施の形態の微細穴処理装置では、スラリータンク5には、(a) に示す上昇端位置にある仕切板2の下面に整合する位置に、エアー抜き穴12と、エアー抜き穴12と連通するエアー抜き管6と、エアー抜き管6と連通するスラリー受け口11と、が設けられている。これにより、スラリータンク5の下層部18に混入したエアーは、仕切板2が(a) に示す上昇端位置にあるときに、エアー抜き穴12からエアー抜き管6を通って大気中に排出される。スラリー8の量が減少しても、仕切板2が上昇端位置にあるときに、スラリー8をスラリー受け口11から補充でき、上述した従来の微細穴処理装置のようにボルト締めのカートリッジの蓋を外す必要がなくスラリーの一部のみ補充でき、スラリーの浪費をなくし、作業性を改善した装置を提供するものとなった。
【0015】
図2は本発明の第2発明の実施の形態を示す微細穴処理装置の概略側面断面図で、仕切板2が上昇端位置にある状態(スラリーを加圧していない状態)を示す。スラリータンク5内にスラリー8を入れた下層部18と加圧流体7が導かれる加圧室17とに区画する仕切板2が配置され、仕切板2はスラリータンク5の上蓋21を貫通するロッド20の一端に固定され、ロッド20の他端にはスプリング受け22が設けられ、上蓋21とスプリング受け22との間に戻しばね19が配置されている以外は、図1の微細穴処理装置と同じであり図1の微細穴処理装置と同様なやり方で作動し、同様な効果を奏する。
【0016】
図3は本発明の第3発明の実施の形態を示す微細穴処理装置の概略側面断面図で、仕切板2が上昇端位置にある状態(スラリーを加圧していない状態)を示す。スラリータンク5内にスラリー8を入れた下層部18と上層室27とを区画する仕切板2が配置され、流体圧供給装置1はピストン23とロッド24とを有し、仕切板2はスラリータンク5の上蓋21を貫通する流体圧供給装置1のロッド24の下端に固定されている以外は、図1の微細穴処理装置と同じであり、図1の微細穴処理装置と同様なやり方で作動し、同様な効果を奏する。上層室27には加圧流体7が導かれないので、上端に大気と連通するエアー連通孔25が設けられている。仕切板2が下降端に到達すると、流体圧供給装置1によりピストン23とロッド24が止められ、その後、流体圧供給装置1はロッド24を介し仕切板2をピストン23の図示の上昇端の位置まで引き上げる。
【0017】
図4は図1の微細穴処理装置を使用した第1の微細穴処理装置全体の概略側面断面図を示す。それぞれれ一対の、流体圧供給装置1、1、スラリータンク5、5及びワーク保持具3a,3b が設けられ、ワーク保持具の少なくとも一方3a(両方であってもよい)は軸方向貫通微細穴4を有するワーク10(フェルール)を保持し、図示の上昇端位置にある仕切板2、2の下面に整合する位置にエアー抜き穴12、12と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管6、6と、エアー抜き管6、6の合流管60と連通するスラリー受け口11とが設けられている。スラリー受け口11は一対のワーク保持具3a,3b の下方に配置されている。流体圧供給装置1、1の一方である右(又は左)のスラリータンク5を加圧してスラリー8を配管16よりワーク保持具3a,3b が保持するワーク10の軸方向貫通微細穴4を通して配管16で他方左(又は右)のスラリータンク5に移動させるが、このとき同時に他方左(右)のスラリータンク5側の流体圧供給装置1の加圧は解除されている。微細穴4の内面処理(研磨、洗浄、バリ取り、エッジのR取り面取り、表面処理)はスラリー8がワーク10の微細穴4を流動して通過することにより行われる。右(左)側のスラリータンク5のスラリー8が左(右)のスラリータンク5に注送されて移動が終わった(1パス目)後、逆に他方の左(右)の流体圧供給装置1を加圧し一方を解除しスラリー8を逆向きに注送する(2パス目で1往復)。この流動動作を所定回数繰り返して微細穴4の内面処理が完了する。ワーク10の着脱時に配管16内に入り込みスラリータンク5内に混入したエアーは、右(左)側のスラリータンク5の仕切板2が上昇端位置にあるときに、エアー抜き穴12、エアー抜き管6を通りスラリー受け口11から大気中に排出される。ワーク10の着脱時などに漏れたスラリー8は一対のワーク保持具3a,3b の下方に配置されたスラリー受け口11で回収しスラリータンク5に戻される。図1の微細穴処理装置の代わりに図2又は図3の微細穴処理装置を使用しても、図4の微細穴処理装置と同様なやり方で作動し同様な効果を奏する。
【0018】
図5は図1の微細穴処理装置を使用した第2の微細穴処理装置全体の概略側面断面図を示す。ワーク保持具3a,3b は一対設けられ、ワーク保持具の少なくとも一方3a(両方であってもよい)は軸方向貫通微細穴4を有するワーク10を保持し、流体圧供給装置1、スラリータンク5が設けられ、スラリータンク5には上昇端位置にある仕切板2の下面に整合する位置にエアー抜き穴12、エアー抜き穴12と連通するエアー抜き管6、エアー抜き管6と連通するスラリー受け口11及びワーク保持具3a,3b の他方3bから排出されるスラリー8をスラリー受け口11に導くスラリー排出管28、が設けられ、スラリー受け口11は一対のワーク保持具3a,3b 及びスラリー排出管28の下方に配置されている。微細穴4の内面処理はスラリー8がワーク10の微細穴4を流動して通過することにより行われる。スラリータンク5のスラリー8が微細穴4を流動して通過するスラリー注送が終わり(1パス目)、スラリー8がスラリー排出管28を通りスラリー受け口11に排出された後、流体圧供給装置1の加圧を解除し、仕切板2を上昇端位置に移動し、スラリー8はスラリータンク5内に回収される。この流動動作を所定回数繰り返して微細穴4の内面処理が完了する。エアー抜き、ワーク10の着脱時などに漏れたスラリー8の回収は図4の微細穴処理装置と同様に行なわれる。図1の微細穴処理装置の代わりに図2又は図3の微細穴処理装置を使用しても、図4の微細穴処理装置と同様なやり方で作動し同様な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1発明の実施の形態を示す軸方向貫通微細穴処理装置の概略側面断面図で、(a) は仕切板2が上昇端位置にある状態(スラリーを加圧していない状態)を示し、(b) は仕切板2が下方に移動しはじめた状態(スラリーを加圧し、吐出しはじめた状態)を示す。
【図2】本発明の第2発明の実施の形態を示す微細穴処理装置の概略側面断面図で、仕切板2が上昇端位置にある状態を示す。
【図3】本発明の第3発明の実施の形態を示す微細穴処理装置の概略側面断面図で、仕切板2が上昇端位置にある状態を示す。
【図4】図1の微細穴処理装置を使用した第1の微細穴処理装置全体の概略側面断面図を示す。
【図5】図1の微細穴処理装置を使用した第2の微細穴処理装置全体の概略側面断面図を示す。
【図6】従来の微細穴処理装置の概略縦断面図を示す。
【図7】図6のフェルール保持具の詳細図を示す。
【符号の説明】
1・・流体圧供給装置 2・・仕切板 3a,3b ・・ワーク保持具
4・・軸方向貫通微細穴 5・・スラリータンク 6・・エアー抜き管
7・・加圧流体 8・・スラリー 9、19・・戻しばね 10・・ワーク
11・・スラリー受け口 12・・エアー抜き穴 13、14・・シール
15、16・・配管 17・・加圧室 18・・下層部 20、24・・ロッド
21・・上蓋 22・・スプリング受け 23・・ピストン 27・・上層室
25・・エアー連通孔 28・・スラリー排出管 60・・合流管

Claims (5)

  1. 流体圧供給装置から加圧流体をスラリータンクに作用させ、かつ前記スラリータンクの溶媒に砥粒を加えたスラリーを入れた下層部と配管で連結された一対のワーク保持具を有する微細穴の処理装置において、前記スラリータンクは、その上蓋に一端を固定した戻しばねの他端に連結された仕切板により、前記スラリーを入れた下層部と前記加圧流体が導かれる加圧室とに区画され、前記スラリータンクには、上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、が設けられ、前記スラリー受け口は前記一対のワーク保持具の下方に配置されていることを特徴とする微細穴の処理装置。
  2. 流体圧供給装置から加圧流体をスラリータンクに作用させ、かつ前記スラリータンクの溶媒に砥粒を加えたスラリーを入れた下層部と配管で連結された一対のワーク保持具を有する微細穴の処理装置において、前記スラリータンク内に前記スラリーを入れた下層部と前記加圧流体が導かれる加圧室とに区画する仕切板が配置され、前記仕切板はスラリータンクの上蓋を貫通するロッドの一端に固定され、前記ロッドの他端にはスプリング受けが設けられ、前記上蓋とスプリング受けとの間に戻しばねが配置され、前記スラリータンクには、上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、が設けられ、前記スラリー受け口は前記一対のワーク保持具の下方に配置されていることを特徴とする微細穴の処理装置。
  3. 流体圧供給装置から加圧流体をスラリータンクに作用させ、かつ前記スラリータンクの溶媒に砥粒を加えたスラリーを入れた下層部と配管で連結された一対のワーク保持具を有する微細穴の処理装置において、前記スラリータンク内に前記スラリーを入れた下層部と大気と連通する上層室とを区画する仕切板が配置され、前記流体圧供給装置はピストンとロッドを有し、前記仕切板は前記流体圧供給装置のロッドと固定され、前記スラリータンクには、上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、が設けられ、前記スラリー受け口は前記一対のワーク保持具の下方に配置されていることを特徴とする微細穴の処理装置。
  4. 前記流体圧供給装置、前記スラリータンク及びワーク保持具は、それぞれ一対設けられ、前記ワーク保持具の少なくとも一方は軸方向貫通微細穴を有するワークを保持し、上昇端位置にある各前記仕切板の下面に整合する位置に各エアー抜き穴と、各エアー抜き穴と連通する各エアー抜き管と、各エアー抜き管の合流管と連通するスラリー受け口と、が設けられ、前記スラリー受け口は一対の前記ワーク保持具の下方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の微細穴の処理装置。
  5. 前記ワーク保持具は一対設けられ、前記ワーク保持具の一方は軸方向貫通微細穴を有するワークを保持し、前記流体圧供給装置、前記スラリータンク及び前記戻しばねが戻された原位置又は前記ピストンとロッドがもどされた原位置において、前記スラリータンクには上昇端位置にある前記仕切板の下面に整合する位置にエアー抜き穴と、各エアー抜き穴と連通するエアー抜き管と、エアー抜き管と連通するスラリー受け口と、前記ワーク保持具の他方から排出されるスラリーを前記スラリー受け口に導くスラリー排出管と、が設けられ、前記スラリー受け口は一対の前記ワーク保持具及びスラリー排出管の下方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1に記載の微細穴の処理装置。
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