JP3737183B2 - 吸収性物品の包装構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、生理用ナプキン、失禁パッド、母乳パッド等の吸収性物品を、帯状の包装シートに支持させて収納体に収納した吸収性物品の包装構造に関し、更に詳しくは、極めて簡易な構造で、複数の吸収性物品を容易に且つコンパクトに包装でき、保管や携帯に便利で、吸収性物品を簡単に取り出すことのできる吸収性物品の包装構造に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
一般に、生理用ナプキン、失禁パッド、母乳パッド等の吸収性物品は、個別に折りたたまれてフィルム等により密封包装され、更に、複数個をまとめて全体包装が施されている。
またこの様な吸収性物品としては、装着時におけるずれを防止するために裏面シートに粘着剤の塗布されたものが汎用されており、この様な吸収性物品を包装する場合には、折りたたむ前に予め粘着剤塗布部に剥離シートを付着させておくことが行われている。
【0003】
しかし、上述のような従来技術の吸収性物品の包装構造では、吸収性物品に個別包装と全体包装との二重包装を要し、更に必要に応じて粘着部に剥離シートを付着させる必要があった。そして、使用時には個別に包装を開封する必要があった。
【0004】
従って、本発明の目的は、極めて簡易な構造で、複数の吸収性物品を容易に且つコンパクトに包装でき、保管や携帯に便利で、吸収性物品を簡単に取り出すことのできる吸収性物品の包装構造を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも液保持性の吸収層および液不透過性の防漏層を有する複数の吸収性物品を、帯状の包装シートに支持させて収納体に収納した吸収性物品の包装構造であって、上記帯状の包装シートの片面に剥離処理部を設け、上記吸収性物品を、粘着剤を介して上記剥離処理部に付着させて上記包装シートに間歇的に直列に配置し、上記吸収性物品の粘着された上記包装シートの各吸収性物品間に切り離し部を設け、上記吸収性物品の粘着された上記包装シートを各吸収性物品間で折り畳み、折り畳まれた上記包装シートを、その先端から引き出し可能に上記収納体に収納してあり、上記収納体は、取り出し口を有しており、該取り出し口から上記包装シートの一端が露出され、該包装シートを上記吸収性物品と共に引き出し得るようになっていることを特徴とする吸収性物品の包装構造を提供することにより、上記目的を達成したものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の吸収性物品の包装構造の第1の実施形態を図面を参照しながら具体的に説明する。尚、本実施形態は、吸収性物品である生理用ナプキンを包装した吸収性物品の包装構造である。
図1は本発明の吸収性物品の包装構造の第1の実施形態を示す斜視図、図2は図1の吸収性物品の包装構造の包装シート及び吸収性物品を示す平面図、図3は図1の吸収性物品の包装構造の縦断面図、図4は図1の吸収性物品の包装構造によって吸収性物品を包装する工程を示す概略図である。
【0007】
本実施形態の吸収性物品の包装構造10は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート、及びこれらの両シート間に介在する吸収体を有する吸収性物品11を、図1に示す様に、帯状の包装シート12に支持させて収納体15に収納した吸収性物品の包装構造10である。そして、図2にも示す様に、上記帯状の包装シート12の片面に剥離処理部(図示せず)を設け、上記吸収性物品11を、粘着剤13を介して上記剥離処理部(図示せず)に付着させて上記包装シート12に間歇的に直列に配置しており、上記吸収性物品1の粘着された上記包装シート12の各吸収性物品11間に切り離し部としてのミシン目14を設けている。更に、図3に示す様に、上記吸収性物品11の粘着された上記包装シート12を各吸収性物品11間で折り畳み、折り畳まれた上記包装シート12を、その先端から引き出し可能に上記収納体15に収納してある。
【0008】
本実施形態について詳述すると、上記包装シート12は、その片面が全面に亘って剥離処理を施されて剥離処理面(図示せず)となっている。粘着剤13はこの剥離処理面(図示せず)に、包装シート12の幅方向に沿って平行に2本ずつ間歇的に塗布されており、この粘着剤13を介して吸収性物品11が付着されている。吸収性物品11は、その長手方向を上記包装シート12の幅方向に向け且つ裏面シートを包装シート12側にした状態で包装シート12に付着されており、その結果、複数の吸収性物品11が、包装シート12の剥離処理面(図示せず)上に、ほぼ吸収性物品11の幅と同じ間隔をあけて直列に配置されている。
【0009】
上記包装シート12としては、ポリエチレンフィルム、ポリエチレンラミネート加工を施した紙や不織布等を用いることができる。
上記剥離処理面(図示せず)は、包装シート12に剥離処理剤を塗布又は吹きつけ形成することができる。上記剥離処理剤としては、剥離剤成分がシリコーン樹脂系、フッ素樹脂系、オクタデシルイソシアネート系のもの等が好ましい。
上記粘着剤13には、ゴム系粘着剤、シリコーン含有ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン含有アクリル系粘着剤、及びシリコーン系粘着剤等を用いることができる。
【0010】
上記ミシン目14は包装シート12の幅方向に亘って形成されており、このミシン目14によって、包装シート12が複数の包装シート片12aに区画され、吸収性物品11はそれぞれの包装シート片12aの後端側に配置されている。そして上記包装シート12は、上記ミシン目14間と、ミシン目14とにおいて折り曲げられ重ねられ、各吸収性物品11の表面シートが包装シート12に面接している。
上記ミシン目14の長さ等は特に制限されるものではないが、包装シート片12aが2〜5箇所において0.5〜3mmの長さで連結されるように形成されていることが、包装シート片12aどうしをミシン目14において容易に切り離せるためには望ましい。
上記収納体15は、上面に取り出し口15aを有する箱形状をしており、この取り出し口15aから包装シート12の一端が露出され、包装シート12を吸収性物品11と共に引き出し得るようになっている。
【0011】
次に、上述の構成を有する吸収性物品の包装構造10を得るための吸収性物品11の包装工程の一例について説明する。まず、図4に示す様に、片面に剥離処理の施された包装シートの包装シートロール22から包装シート12を引き出して粘着剤塗布装置23により間歇的に粘着剤13を塗布してゆき(工程▲1▼)、粘着剤13塗布部分に吸収性物品11を裏面シート側から重ね(工程▲2▼)、ミシン目形成装置24により吸収性物品11間にミシン目14を形成する(工程▲3▼)。続いてミシン目14の形成された包装シート12を、折り畳み装置25によりミシン目14とミシン目14との中間及びミシン目14を折曲部として蛇腹状に折り畳み(工程▲4▼)、その後これらを収納体15に収納し、図1に示す包装構造を得る。
【0012】
上述の包装工程により得た本実施形態の吸収性物品の包装構造10では、図1に示す如く、収納体15の取り出し口15aから包装シート12を摘んで吸収性物品11を該包装シート12と共に引き出し、該吸収性物品11の後方のミシン目14よりやや後ろまで包装シート12を露出させ、引き出された包装シート片12aに粘着する吸収性物品11を剥離して使用する。そして、該吸収性物品11の剥離された包装シート片12aをミシン目14から切り離すと、本実施形態の吸収性物品の包装構造10は再び吸収性物品11を使用する前と同様の状態となり、以下、同様な操作を繰り返すことにより吸収性物品11を包装構造から取り出し使用することができる。
【0013】
この様に、本実施形態の吸収性物品の包装構造10では、吸収性物品11が個別に包装されず且つ剥離紙が不要であり、包装構造が極めて簡易である。従って、本実施形態の吸収性物品の包装構造10によれば、包装のために必要な原材料や工程を少なく抑えることができ、安価に且つ容易に複数の吸収性物品11を包装することが可能である。
また、本実施形態の吸収性物品の包装構造10によれば、吸収性物品11が、個別に包装されず、コンパクトに包装されるので、優れた収納性が発揮され、保管等に便利である。
【0014】
更に、本実施形態の吸収性物品の包装構造10によれば、吸収性物品11が個別に包装されておらず、粘着部は包装シート12により保護されているため、包装材を開封したり剥離紙を剥離する必要がなく、吸収性物品11を個別に簡単に取り出し装着することができる。
また、本実施形態の吸収性物品の包装構造10によれば、全ての吸収性物品11がミシン目14で区画された1枚の包装シート12に粘着されているので、所望の数の吸収性物品11の粘着された包装シート12を引き出してミシン目14において切り離し、一まとめの状態で携帯することができる。
特に、本実施形態の吸収性物品の包装構造10によれば、収納体15の取り出し口15aから包装シート12のみを露出しておけるので、吸収性物品11を清潔に収納しておくことができる。
【0015】
続いて、発明の吸収性物品の包装構造の第2の実施形態を図面を参照しながら具体的に説明する。尚、本実施形態において、上述の第1の実施形態と同一の部材については同一の符号を付し、説明は省略する。
図5は本発明の吸収性物品の包装構造の第2の実施形態を示す斜視図、図6は図5の吸収性物品の包装構造の包装シート及び吸収性物品を示す平面図、図7は図5の吸収性物品の包装構造の包装シート及び吸収性物品が収納体中において折り畳まれた状態を示す縦断面図である。
【0016】
本実施形態の吸収性物品の包装構造50では、図5に示す様に、収納体55は軟質のフィルムを袋状に形成したものであり、上面には取り出し口55aが形成されている。
包装シート52は上記第1の実施形態の包装シート12と同様の材料よりなり、図6に示す様に、ミシン目14により5つの包装シート片52aに区画されている。各包装シート片52aの同じ側の面の先端側には、上記第1の実施形態において包装シート12に剥離処理面を形成するのと同様の剥離処理が施された剥離紙が、包装シート片52a毎に固着されて剥離処理部52bが形成されており、この剥離処理部52bに、粘着剤13を介して吸収性物品11が付着されている。
吸収性物品11は、その長手方向を上記包装シート52の長手方向に揃えた状態で包装シート52に付着されている。
【0017】
そして、包装シート52の先端部及び該先端部に付着する吸収性物品11の一部は、取り出し口55aから収納体55の外部に露出されており、外部に露出された吸収性物品11の一部は、露出する包装シート52の先端部の下側に配置されている。また、包装シート52は、図7に示す様に、ミシン目14及び、各ミシン目14間を略4等分する各包装シート片52a当たり3つの折曲部において折り畳まれており、各包装シート片52aの後方部によって、後方に連接する包装シート片52aが一部巻き込まれた状態で、収納体55に収納されている。その結果、先端部が露出している包装シート片52aを収納体55から引き出すと、該包装シート片52aの後方に連接する包装シート片52aの先端部が収納体55から露出されるようになっている。
【0018】
この様に、本実施形態の吸収性物品の包装構造50では、吸収性物品11が個別に包装されず、包装構造が極めて簡易である。従って、本実施形態の吸収性物品の包装構造50によれば、包装のために必要な原材料や工程を少なく抑えることができ、安価に且つ容易に複数の吸収性物品11を包装することが可能である。
更に、本実施形態の吸収性物品の包装構造50によれば、吸収性物品11が個別に包装されず、且つ剥離紙が剥離処理部52bとして包装シート52に固着されているので、吸収性物品11を1つ1つ簡単に取り出し、装着することができる。
また、本実施形態の吸収性物品の包装構造50によれば、吸収性物品11が、個別に包装されずコンパクトに包装されるので、優れた収納性が発揮され、携帯等に便利である。
特に、本実施形態の吸収性物品の包装構造50によれば、収納体55がフィルムにより袋状に形成されているうえ、吸収性物品11を5枚のみ収納しているので、携帯に好適である。
【0019】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、折り畳み形態、各部材の具体的な形状、寸法等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更可能である。
例えば、図8に示す様に、吸収性物品11どうしを近接して配列させ、包装シートを吸収性物品を2つづつ対面させるように折り畳んでもよい。
第2の実施形態の包装シート12の折り畳み形態を、第1の実施形態と同様に、包装シート12をミシン目14間及びミシン目14において折り重ねたものとしてもよい。
切り離し部は、上述したミシン目14に限られず、完全に切断した包装シート片どうしを剥離可能な粘着テープやホットメルト接着剤で、切り離し可能に連結したものとしてもよい。この場合、粘着テープやホットメルト接着剤は、切り離された包装シート片で使用済吸収性物品を包装して封止するために利用可能なものとすることができる。
切り離し部に、繰り返し剥離粘着可能な粘着テープを貼付したり感圧接着剤を塗布しておき、切り離された包装シート片で使用済吸収性物品を封止包装し廃棄できるようにしてもよい。
【0020】
包装される吸収性物品の数については特に限定されるものではないが、第2の実施形態において特に優れた携帯性を発揮させるためには、5つ前後が望ましい。
本発明の吸収性物品の包装構造により包装される吸収性物品は生理用ナプキンに限られず、おりものシートや失禁者用パッド等でもよいが、コンパクト且つ良好に包装できる点で、厚さが3mm以下であることが好ましく、2mm以下であることがより好ましい。
本発明の吸収性物品の包装構造により包装される吸収性物品は、液透過性の表面シート、液不透過性の裏面シート及びこれらの両シート間に介在する吸収体を有する構造の吸収性物品に限られず、少なくとも液保持性の吸収層及び液透過性の防漏層を有する構造のものであればよい。
【0021】
【発明の効果】
以上説明した様に、本発明の吸収性物品の包装構造によれば、極めて簡易な構造で、複数の吸収性物品を容易且つコンパクトに包装することが可能であり、包装構造の保管や携帯が容易で、吸収性物品を簡単に取り出すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の吸収性物品の包装構造の第1の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の吸収性物品の包装構造の包装シート及び吸収性物品を示す平面図である。
【図3】図1の吸収性物品の包装構造の縦断面図である。
【図4】図1の吸収性物品の包装構造によって吸収性物品を包装する工程を示す概略図である。
【図5】本発明の吸収性物品の包装構造の第2の実施形態を示す斜視図である。
【図6】図5の吸収性物品の包装構造の包装シート及び吸収性物品を示す平面図である。
【図7】図5の吸収性物品の包装構造の包装シート及び吸収性物品が包装体中において折り畳まれた状態を示す縦断面図である。
【図8】本発明の吸収性物品の包装構造の実施形態のその他の例の包装シート及び吸収性物品を示す平面図である。
【符号の説明】
10 吸収性物品の包装構造
11 吸収性物品
12 包装シート
12a 包装シート片
13 粘着剤
14 ミシン目
15 収納体
15a 取り出し口
22 包装シートロール
23 粘着剤塗布装置
24 ミシン目形成装置
25 折り畳み装置
50 吸収性物品の包装構造
52 包装シート
52a 包装シート片
52b 剥離処理部
55 収納体
55a 取り出し口
Claims (3)
- 少なくとも液保持性の吸収層および液不透過性の防漏層を有する複数の吸収性物品を、帯状の包装シートに支持させて収納体に収納した吸収性物品の包装構造であって、
上記帯状の包装シートの片面に剥離処理部を設け、
上記吸収性物品を、粘着剤を介して上記剥離処理部に付着させて上記包装シートに間歇的に直列に配置し、
上記吸収性物品の粘着された上記包装シートの各吸収性物品間に切り離し部を設け、
上記吸収性物品の粘着された上記包装シートを各吸収性物品間で折り畳み、
折り畳まれた上記包装シートを、その先端から引き出し可能に上記収納体に収納してあり、
上記収納体は、取り出し口を有しており、該取り出し口から上記包装シートの一端が露出され、該包装シートを上記吸収性物品と共に引き出し得るようになっていることを特徴とする吸収性物品の包装構造。 - 上記剥離処理部が、上記帯状の包装シートの片面に剥離処理を施して形成した剥離処理面であることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品の包装構造。
- 上記剥離処理部が、上記帯状の包装シートの片面に、剥離処理を施した剥離シートを貼付することにより形成されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品の包装構造。
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