JP3736950B2 - 廃水の処理法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、性状が相互に異なり、単独では技術的に処理の難しい2種類の廃水の処理法に関し、更に詳細には、処理の難しい廃水を環境上の問題を発生させないような形に効率的に転化することにより、経済的に廃水を処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体装置の製造工程では、種々の薬剤を使用してウエハの微細加工を行っているので、使用済みの種々の薬剤を含む溶液が廃液として排出されている。
例えば、ウエハのフォトリソグラフィ工程で行う現像作業等のウエハの処理作業では、(CH3 4 NOH(以下、TMAHと言う)を含む処理液でウエハを処理しているので、主溶質成分として0.4〜1.0重量%のTMAHを含む有機系のアルカリ性廃水が排出される。また、ウエハの洗浄工程では、NH4 OH(30%)、H2 2 (30%)及びH2 Oからなる洗浄水でウエハを洗浄することが多いので、洗浄廃水としてNH4 OHとH2 2 とをそれぞれ0.4〜1.0重量%程度含む洗浄廃水が排出される。
これらの廃水の処理は、技術的に難しく、専門的な知識と専門的処理装置を必要とするために、半導体装置の個々の製造工場で個別に対応することは現実的でなく、通常、処理専門業者により回収されて、集中的に処理されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、環境問題の高まりと共に産業廃棄物の処理が注目されるに伴い、TMAHを含む処理廃水(以下、含TMAH廃水と言う)及びアンモニアを含む洗浄廃水等の上述した廃水の処理を専門処理業者に委ねることなく、廃水の排出元で排出元の十分な管理下で廃水を確実にかつ効率良く処理したいと言う要望が強くなっている。
そこで、廃水を濃縮して減容する方法が試みられているが、廃水の組成によっては、濃縮が難しいという問題がある。例えば、アンモニアを含む洗浄廃水のような廃水では、加熱濃縮の際にアンモニアが発生するために、その濃縮処理が煩雑で、コストが嵩むという問題である。尚、膜濃縮により濃縮する方法もあるものの、コストが加熱濃縮に比べて高いと言う難点がある。
従来の他の廃水処理法にも適当な方法が無く、結論的に言って、従来の技術には、生産工場から排出される、主溶質成分として水より沸点の高い有機化合物を低濃度で含む処理廃水、例えばTMAHを含む処理廃水(以下、含TMAH廃水と言う)、及びアンモニアを含む無機系洗浄廃水を簡易にかつ確実に処理できる方法が見当たらないというのが実状で、その開発が求められていた。
以上の説明では、半導体装置の製造過程で生じる廃水を例にして説明したが、同じような問題は他の工場から排出される廃水についても同様である。
【0004】
そこで、本発明の目的は、主溶質成分として水より沸点の高い有機化合物を低濃度で含む処理廃水、及びアンモニアを低濃度で含む無機系洗浄廃水を効率良く処理する方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、第1には、先ず、無機系洗浄廃水からアンモニアを回収し、次いで処理廃水と混合し、混合濃縮して廃水量を大幅に減容すること着眼して、第1の発明方法を完成した。
また、第2には、混合濃縮した廃水の完全処理を図るために、超臨界水反応の適用に注目した。ところで、前述の含TMAH廃水及び洗浄廃水等の廃水の処理に超臨界水反応を直接適用するには、廃水の発熱量が低いという問題あった。即ち、含TMAH廃水中の有機物は、主としてTMAHであり、洗浄廃水中には主としてアンモニアが含まれているが、双方ともに濃度が低いために、超臨界水反応装置の超臨界水領域に廃水を送入するだけでは、超臨界水反応を維持するための熱量を十分に自給することが難しく、別途、熱量を補充して超臨界水反応を維持するために燃料を超臨界水反応装置に注入する必要がある。これでは、超臨界水反応の利点を十分に活かすことができず、燃料費が嵩むという結果を招き、前述の含TMAH廃水及び洗浄廃水等の廃水の処理に超臨界水反応を適用しようとしても、コストが嵩み、経済的に引き合わないので、実用化が難しかった。以上のように、原廃水に直接超臨界水反応を適用するには熱量の問題があるものの、第1発明方法により混合濃縮した濃縮廃水は比較的高い濃度で有機物を含んでいるので、逆に言えば、超臨界水反応を適用できる有機物濃度にまで第1発明方法により濃縮することにより、超臨界水反応を濃縮廃水に適用できることを見い出した。即ち、第1発明方法により濃縮した濃縮廃水を超臨界水反応により完全処理する第2の発明方法を完成するに到った。
更に、第3には、超臨界水反応により廃水を完全処理する別法として、処理廃水を濃縮する一方、洗浄廃水からアンモニアを回収し、次いで濃縮処理廃水とアンモニアとを超臨界水反応により完全処理することを着想し、本発明方法を完成するに到った。
【0006】
超臨界水反応とは、超臨界水の高い反応性を利用して有機物を分解する方法であって、例えば、難分解性の有害な有機物を分解して無害な二酸化炭素と水に転化したり、難分解性の高分子化合物を分解して有用な低分子化合物に転化したりするために、現在、その実用化が盛んに研究されている。
超臨界水とは、超臨界状態にある水、即ち、水の臨界点を越えた状態にある水を言い、詳しくは、臨界温度、即ち374.1℃以上の温度で、かつ水の臨界圧力、即ち22.04MPa以上の圧力下にある状態の水を言う。超臨界水は、有機物を溶解する溶解能が高く、有機化合物に多い非極性物質をも完全に溶解することができ、また、超臨界水は、酸素や窒素などの気体と任意の割合で混合して単一相を構成することができる。
【0007】
また、超臨界水反応は、超臨界水内の反応又は超臨界水を媒体とした反応を意味し、例えば塩素や硫黄などの塩生成物質を含む難分解性有機物を超臨界水領域内で酸化剤、例えば空気により酸化分解する酸化反応、或いは超臨界水内で高分子有機物を低分子化する分解反応等が例として挙げられる。
これらの超臨界水反応では、超臨界水が反応物、例えば有機物と酸素とを溶解する溶媒としてのみ、すなわち反応場としてのみ機能する場合もあり、また超臨界水が反応物と反応する場合もあり、超臨界水が反応に寄与する態様は、複雑でかつ様々である。
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る廃水の処理法(以下、第1の発明方法と言う)は、主溶質成分として水より沸点の高い有機化合物を含むアルカリ性処理廃水と、アンモニアを含む無機系洗浄廃水とを同一プロセスで処理する処理法であって、
処理廃水と洗浄廃水とを混合してなる混合廃水を蒸留してアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、
アンモニアを回収した混合廃水を濃縮して濃縮廃水を得る濃縮工程と
を有することを特徴としている。
【0009】
濃縮廃水を更に処理するために、本発明に係る廃水の処理法(以下、第2の発明方法と言う)は、濃縮工程に続いて、得た濃縮廃水とアンモニアとを超臨界水反応により主として窒素、炭酸ガス及び水に分解する超臨界水反応工程と
を有することを特徴としている。
【0010】
本発明に係る別の超臨界水反応による廃水の処理法(第3の発明方法と言う)は、主溶質成分として水より沸点の高い有機化合物を含む処理廃水、及びアンモニアを含む無機系洗浄廃水を処理する処理法であって、
処理廃水を濃縮して濃縮処理廃水を得る濃縮工程と、
洗浄廃水にアルカリを添加してpHを7以上に調整し、次いで蒸留してアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、
得た濃縮処理廃水及びアンモニアを超臨界水反応により主として窒素、炭酸ガス及び水に分解する超臨界水反応工程と
を有することを特徴としている。
【0011】
第1、第2及び第3の発明方法は、半導体装置の製造過程でウエハを処理した際に生じ、有機化合物として主に(CH3 4 NOHを低濃度で含む処理廃水、及び半導体装置の製造過程でウエハをNH4 OHとH2 2 とを低濃度で含む洗浄水で洗浄した際に生じる洗浄廃水の処理に好適に適用できる。ここで、半導体装置等とは、シリコン半導体基板又は化合物半導体基板上に形成されるトランジスタ、ダイオード、レーザ素子等の半導体素子及びその集積回路素子を言う。
【0012】
第1及び第3の発明方法で実施する蒸留操作は、アンモニアを高い回収率で回収できる限り、単蒸留方式でも、塔頂からアンモニアの一部を還流させる精留方式でも良い。
第3の発明方法で、洗浄廃水にアルカリを添加してpHを中性又はアルカリ性に調整するのは、塩化アンモニウムの生成を防止して、アンモニアを回収し易くするためであり、pH値は好適には7以上であり、さらに好適には10〜12である。
第1及び第3の発明方法の濃縮処理廃水又は濃縮廃水を得る工程では、出来るだけ高い濃縮率で濃縮するのが好ましいが、実用的には60〜70倍に濃縮する。濃縮する方法は、濃縮処理廃水又は濃縮廃水を得ることができる限り、濃縮の方法には制約はなく、例えば水分を蒸発させる加熱濃縮法でも、逆浸透膜等を使用した膜濃縮法でも良い。加熱濃縮法による場合には、有機化合物の分解程度以下の温度に加熱して濃縮し、必要に応じて減圧下で加熱する。
第2及び第3の発明方法において超臨界水反応を実施する超臨界水反応装置は、既知の超臨界水反応装置で良く、超臨界水反応により濃縮処理廃水又は濃縮廃水を主として窒素、炭酸ガス及び水に分解できる限り、形式及び構成には制約はない。
【0013】
第1の発明方法は、相互に異なる性状の2種類の処理廃水と洗浄廃水とを混合して、同一プロセスで処理して廃水量を大幅に減容できる効果を有し、更に、アンモニアを回収するために蒸留する際、アルカリ性の処理廃水と洗浄廃水とを混合して得た混合液を蒸留しているので、第の発明方法のように、別途、アルカリを添加してpH調整をする必要がないという利点を有する。濃縮工程で得た濃縮廃水は、蒸発乾固、或いは湿式燃焼等により更に処理することができる。
第2の発明方法は、超臨界水反応により濃縮廃水を完全に無害な物質に転化できる利点を有する。
第3の発明方法は、第2の発明方法と同様に、超臨界水反応により濃縮処理廃水を完全に無害な物質に転化できる利点を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下に、添付図面を参照し、実施形態例を挙げて本発明の実施の形態を具体的かつ詳細に説明する。
実施形態例1
本実施形態例は、第1の発明方法の実施の形態の一つの例であって、図1は本実施形態例の廃水の処理法の工程の流れを示すフローチャートである。
本方法を適用する含TMAH廃水は、半導体装置の製造過程でウエハを処理水で処理した際に生じた、TMAHを0.4〜1.0重量%の濃度で含む処理廃水である。またAPMは、半導体装置の製造過程でウエハを洗浄した際に生じた、アンモニア(NH3 )及び過酸化水素(H2 2 )をそれぞれ0.4〜1.0%程度含む洗浄廃水である。
本例では、図1に示すように、含TMAH廃水とAPMとを混合し得た混合廃水を蒸留塔に送入し、連続的に蒸留してアンモニアをアンモニア蒸気又はアンモニア水溶液として回収する。蒸留の条件例を以下に示す。
混合廃水の供給温度 :常温
蒸留塔の圧力 :0.12MPa
蒸留塔の塔底温度 :103℃
蒸留塔の塔頂温度 :48℃
還流比 :2.4
【0015】
次いで、蒸留塔の塔底から得たアンモニアを含まない混合廃水を多段式蒸発缶装置に送入し、TMAHが分解しない程度の温度で連続的に蒸発濃縮する。蒸発濃縮の条件例を以下に示す。
蒸発缶の段数 :2段
蒸発缶の圧力 :150〜200Trr
蒸発缶の温度 :60℃〜70℃
濃縮した含TMAH廃水中のTMAHの濃度:18重量%
【0016】
本実施形態例では、含TMAH廃水とAPMとを混合し得た混合廃水を以上のように処理して、濃縮廃水として元の廃水量の約2%に減容することができた。
得た濃縮廃水は、更に、蒸発乾固して減容することができ、或いは湿式燃焼することにより完全処理することもできる。
【0017】
実施形態例2
本実施形態例は、実施形態例1と同じ廃水、即ち含TMAH廃水とAPMの処理に第2の発明方法を適用する実施の形態の一つの例であって、図2は本実施形態例の廃水の処理法の工程の流れを示すフローチャートである。
本例では、図2に示すように、先ず、実施形態例1と同様にして、含TMAH廃水とAPMとを混合し得た混合廃水を蒸留塔に送入し、連続的に蒸留してアンモニアをアンモニア蒸気として回収する。次いで、蒸留塔の塔底から得たアンモニアを含まない混合廃水を多段式蒸発缶装置に送入し、TMAHが分解しない程度の温度で連続的に蒸発濃縮する。
【0018】
次いで、回収したアンモニアと濃縮した混合廃水を超臨界水反応装置に移送し、超臨界水反応により、窒素、炭酸ガス及び水に分解する。超臨界水反応の条件例を以下に示す。
反応器の温度 :600℃
反応器の圧力 :25MPa
一方、蒸発濃縮する過程で蒸発した水蒸気を凝縮回収して、例えば半導体装置の製造過程で必要とする純水を製造する原水として利用するために、純水製造装置に送水する。
【0019】
超臨界水反応は、種々の形式の超臨界水反応装置により実施されるが、図3を参照して、本実施形態例で使用する超臨界水反応装置10を説明する。
超臨界水反応装置10は、超臨界水反応装置の基本的な形式の一つであるモダープロセス方式の超臨界水反応装置の一例であって、縦型反応容器12を備え、反応容器12の上部には、水の臨界点以上の条件、即ち超臨界条件が維持されている超臨界水領域14が存在していて、被処理流体が超臨界水領域14に導入される。本実施形態例では、被処理流体はアンモニアと濃縮廃水との混合流体である。
被処理流体に含まれる有機物中に塩素化合物、硫黄化合物等の酸形成物質が含まれている場合には、超臨界水反応により酸が生成して、反応容器12を腐食するので、中和剤により中和して塩に転化する。この場合には、通常、超臨界水領域14との界面16を介して反応容器12の下部に水の臨界温度より低い温度に維持されている亜臨界水領域18を形成し、生成した塩を超臨界水領域14から亜臨界水領域に移行させて再溶解し、後述するように亜臨界排水と共に排出している。
反応容器12の超臨界水領域14には超臨界水が、亜臨界水領域18には亜臨界水が、それぞれ界面16を介して滞留している。
【0020】
反応容器12の上部には、流入管20が接続され、超臨界水反応を行う流体が超臨界水領域14に流入する。流入管20には、超臨界水反応により処理する有機物を有する被処理流体を送入する被処理流体ライン22、有機物を酸化させる酸化剤として空気を送入する空気ライン24、及び、超臨界水領域に超臨界水を供給する超臨界水ライン26が合流している。
反応容器12の上部には、更に、処理流体ライン30が接続され、被処理流体中の有機物が、超臨界水反応により、主として水と二酸化炭素になって処理流体と共に超臨界水領域14から処理流体ライン30を通って流出する。
有機物が酸を生成する塩素系化合物等を有する場合には、生成する酸を中和するために、被処理流体にアルカリ中和剤を添加する中和剤ライン28が被処理流体ライン22に接続されており、また、中和により生じた塩を移行させる亜臨界水領域18が形成されている。
亜臨界水領域18を形成する際には、亜臨界水ライン32及び亜臨界排水ライン34が反応容器12の下部に接続され、亜臨界水ライン32は亜臨界水領域18に亜臨界水を供給し、また亜臨界排水ライン34は超臨界水反応及び中和反応により生成した塩を溶解ないし懸濁している亜臨界水を亜臨界水領域18から亜臨界排水として排出する。
【0021】
超臨界水反応を安定に維持するためには、反応容器12の超臨界水領域14を600℃程度の温度及び25MPa程度の圧力に維持する必要がある。そこで、温度、圧力条件を維持するために、処理流体ライン30には、図3に示すように、冷却器36、減圧弁38及び気液分離槽40が順次設けてあって、減圧弁38は、圧力制御装置42により弁開度が調整されつつ、処理流体を減圧しつつ流量調節する。
更には、図示しないが、被処理流体ライン22、空気ライン24及び超臨界水ライン26には、供給する被処理流体、空気及び超臨界水を所定の温度に昇温し、所定の圧力に昇圧する加熱装置、圧縮機及び昇圧ポンプがそれぞれ設けてある。
【0022】
実施形態例3
本実施形態例は、実施形態例1と同じ廃水、即ち含TMAH廃水とAPMの処理に第3の発明方法を適用する実施の形態の一つの例であって、図4は本実施形態例の超臨界水反応による廃水処理法の工程の流れを示すフローチャートである。
本方法では、APMにアルカリ、例えばNaOH水溶液を添加してpH調整し、pH調整したAPMを蒸留塔に送入し、連続的に蒸留してアンモニアをアンモニア蒸気として回収する。蒸留の条件例を以下に示す。
APMのpH値 :11〜12
APMの供給温度 :常温
蒸留塔の圧力 :0.12MPa
蒸留塔の塔底温度 :103℃
蒸留塔の塔頂温度 :48℃
還流比 :2.4
アンモニアを回収した残りは、無機系不純物を含む水として、蒸留塔の塔底から流出し、通常の排水処理装置で処理する。
【0023】
一方、含TMAH廃水を多段蒸発缶式濃縮装置に送入し、TMAHが分解しない程度の温度で連続的に蒸発濃縮する。蒸発濃縮の条件例を以下に示す。
蒸発缶の段数 :2段
蒸発缶の圧力 :150〜200Trr
蒸発缶の温度 :60℃〜70℃
濃縮した含TMAH廃水中のTMAHの濃度:18重量%
【0024】
次いで、回収したアンモニアと濃縮した含TMAH廃水とを混合して、実施形態例2と同じ構成の超臨界水反応装置10に移送し、超臨界水反応により、窒素、炭酸ガス及び水に分解する。超臨界水反応の条件例を以下に示す。
反応器の温度 :600℃
反応器の圧力 :25MPa
一方、蒸発濃縮する過程で蒸発した水蒸気を凝縮回収して、例えば半導体装置の製造過程で必要とする純水を製造するための原水として利用するために、純水製造装置に送水する。
【0025】
【発明の効果】
第1発明方法によれば、主溶質成分としてTMAH等の水より沸点の高い有機化合物を低濃度で含む処理廃水とアンモニアを低濃度で含む洗浄廃水とを混合し、アンモニアを回収し、更に濃縮することにより、性状の異なる2種類の廃水を同一プロセスで処理して大幅に減容でき、またアンモニアを含む廃水を安全かつ容易に処理することができる。
また、第2発明方法によれば、第1発明方法により濃縮して得た濃縮廃水を超臨界水反応により効率的に完全処理して、環境汚染の問題を生じない安全な物質に転化することができる。
更に、第3発明方法によれば、主溶質成分としてTMAH等の水より沸点の高い有機化合物を低濃度で含む処理廃水及びアンモニアを低濃度で含む洗浄廃水をそれぞれ別途に前処理することにより超臨界水反応により効率的に廃水を完全処理して、環境汚染の問題を生じない安全な物質に転化することができる。
半導体装置の製造過程でそれぞれ排出される、低濃度で有機性溶質成分を溶解しているウエハ処理廃水及びウエハ洗浄廃水に、本発明方法を適用することにより、二次廃棄物処理を必要としないレベルにまで、廃水を効率的に処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃水の処理法の実施形態例1の工程の流れを示すフローチャートである。
【図2】本発明に係る廃水の処理法の実施形態例2の工程の流れを示すフローチャートである。
【図3】超臨界水反応装置の一例の構成を示すフローシートである。
【図4】本発明に係る廃水の処理法の実施形態例3の工程の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 超臨界水反応装置
12 縦型反応容器
14 超臨界水領域
16 界面
18 亜臨界水領域
20 流入管
22 被処理流体ライン
24 空気ライン
26 超臨界水ライン
28 中和剤ライン
30 処理流体ライン
32 亜臨界水ライン
34 亜臨界排水ライン
36 冷却器
38 減圧弁
40 気液分離槽
42 圧力制御装置

Claims (5)

  1. 主溶質成分として水より沸点の高い有機化合物を含むアルカリ性処理廃水と、アンモニアを含む無機系洗浄廃水とを同一プロセスで処理する処理法であって、
    処理廃水と洗浄廃水とを混合してなる混合廃水を蒸留してアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、
    アンモニアを回収した混合廃水を濃縮して濃縮廃水を得る濃縮工程と
    を有することを特徴とする廃水の処理法。
  2. 濃縮工程に続いて、得た濃縮廃水とアンモニアとを超臨界水反応により主として窒素、炭酸ガス及び水に分解する超臨界水反応工程を有することを特徴とする請求項1に記載の廃水の処理法。
  3. 主溶質成分として水より沸点の高い有機化合物を含む処理廃水、及びアンモニアを含む無機系洗浄廃水を処理する処理法であって、
    処理廃水を濃縮して濃縮処理廃水を得る濃縮工程と、
    洗浄廃水にアルカリを添加してpHを7以上に調整し、次いで蒸留してアンモニアを回収するアンモニア回収工程と、
    得た濃縮処理廃水及びアンモニアを超臨界水反応により主として窒素、炭酸ガス及び水に分解する超臨界水反応工程と
    を有することを特徴とする廃水の処理法。
  4. 処理廃水が、半導体装置の製造過程でウエハを処理した際に生じる、有機化合物として主に(CH3 4 NOHを含む廃水であり、無機系洗浄廃水が、半導体装置の製造過程でウエハをNH4 OHとH2 2 とを含む洗浄水で洗浄した際に生じる廃水であることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項に記載の廃水の処理法。
  5. 濃縮処理廃水又は濃縮廃水を得る濃縮工程では、それぞれ処理廃水又はアンモニアを回収した混合廃水を蒸発法により濃縮し、蒸発した水を回収することを特徴とする請求項1から4のうちのいずれか1項に記載の廃水の処理法。
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