JP3736167B2 - ホース用金具およびブレーキホース - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホース用金具およびブレーキホースに関する。
【0002】
【従来の技術】
図7に示すように、自動車用のブレーキホースに用いられるホース用金具aは、一端にホース接続部bを有し、他端にフレアナット螺合部cを有している。ホース接続部bは、円筒状に形成されたソケット部dと、その内方に形成されたニップル部eとを有し、フレアナット螺合部cは、メネジfが形成された有底円筒体gと、その底部に形成されたシール用の円錐体hとを有している。円錐体hおよびニップル部eの内部には、オイル通路iが形成されている。
【0003】
かかるホース用金具aのホース接続部bには、図8に示すように、ソケット部dとニップル部eとの間にホース本体jが挿入され、ソケット部dが加締られてブレーキホースkが製造される。他方、ホース用金具aのフレアナット螺合部cには、図9に示すように、フレア管lが挿通されたフレアナットmが螺合され、フレア管lのフレア部nが円錐体hに押し付けられることにより、シールが達成される。
【0004】
ところで、フレアナット螺合部cの有底円筒体gには、図9に示すように、メネジfの奥に位置させて、フレアナットmの先端に対する逃げ部oが形成されている(JASO F402-90 継手部A1種)。仮に図10に示すように逃げ部oがないとすると、フレアナットm(JASO F402-90 フレアナットA )を充分奥まで締め込むことができないため、フレア部nを円錐体hに押し付けることができず、シール不良となって液漏れが生じるからである。かかる逃げ部oをメネジfの奥に形成するには切削加工が必要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、逃げ部oはメネジfの奥に位置するため切削加工自体が困難である。その上、この切削加工はメネジfのネジ切り工程(タップ工程)の前に実施する必要があるため、その切削粉が除去されずにワークに付着していると、続くネジ切り工程において適正なネジ加工が行えない可能性がある。
【0006】
他方、逃げ部oを設けることなくメネジfを有底円筒体gの奥まで形成しようとしても、図11に示すようにタップpの先端が円錐体hに干渉し、しかもタップpの先端の2〜3山程度は食い付き部qであり正常なネジ形状になっていないため、現実には不可能である。
【0007】
そこで、図12に示すようにタップpの先端に円錐状の凹部r(円錐角75度程度)を形成し、円錐体hとの干渉を避けつつメネジfを有底円筒体gの奥まで形成しようとする試みがなされているが、この場合であっても、凹部rの下部と円錐体hの下部とが干渉し、この干渉が発生したままタップpを回転させてネジ切り加工を続けると、タップpの破損やタップユニットの破損が生じる。
【0008】
すなわち、図12において必要な有効ネジ長L1(例えば M10×1 のネジの場合:L1=7.5mm 以上)を得るためには、タップp先端の食い付き部q(不完全ネジ部)を考慮すると、ネジ下穴の必要長さL2は最低でも9.5mm 以上必要であるが、図12に示す従来タイプでは、タップpの凹部rと金具aの円錐体hとが干渉し、タップpの破損やタップユニットの破損が生じる可能性がある。
【0009】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、シール性能の確保と製造コストの低減とを両立したホース用金具およびブレーキホースを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成すべく本発明は、一端にホース接続部を他端にフレアナット螺合部を有し、該フレアナット螺合部はメネジが形成された有底円筒体とその底部に形成されたシール用の円錐体とを有するホース用金具において、上記円錐体を上部と下部とで角度を異ならせた二段円錐体とし、その上部円錐体によりフレアナット螺合時のシール性を確保すると共に下部円錐体とメネジ形成時のタップ先端との干渉を避けるべく、下部円錐体を上部円錐体よりも急傾斜としたものである。
【0011】
また、上記円錐体の直径7mmより上方を上部円錐体とし、それより下方を下部円錐体としてもよい。
【0012】
また、上記上部円錐体の円錐角が82度〜86度であり、下部円錐体の円錐角が82度以下としてもよい。
【0013】
また、上記上部円錐体および下部円錐体が、塑性加工によって成形されていてもよい。
【0014】
また、本発明に係るブレーキホースは、ホース本体に上述したいずれかのホース用金具を接続してなるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を添付図面に基いて説明する。
【0016】
図1に示すように、本実施形態に係るホース用金具1は、一端にホース接続部2を有し、他端にフレアナット螺合部3を有する。ホース接続部2は、円筒状に形成されたソケット部4と、その内方に形成されたニップル部5とを有し、フレアナット螺合部3は、メネジ6が形成された有底円筒体7と、その底部に形成されたシール用の円錐体8とを有する。円錐体8およびニップル部5の内部には、オイル通路9が形成されている。
【0017】
かかるホース用金具1のホース接続部2には、図5および図8に示すように、ソケット部4とニップル部5との間にホース本体10が挿入され、ソケット部4が加締られてブレーキホース11が製造される。他方、ホース用金具1のフレアナット螺合部3には、図4に示すように、フレア管12が挿通されたフレアナット13(JASO F402-90 フレアナットA : M10×1 )が螺合され、フレア管12のフレア部14が円錐体8(詳しくは後述する上部円錐体8a)に押し付けられることにより、シールが達成される。
【0018】
本実施形態の特徴とするところは、上記円錐体8を上部と下部とで角度を異ならせた二段円錐体とし、その下部円錐体8bを上部円錐体8aよりも急傾斜とすることにより、図4に示すようにフレアナット13の螺合時のシール性を上部円錐体8aによって確保すると共に、図3に示すようにメネジ6の形成時におけるタップ15と下部円錐体8bとの干渉を避けるようにした点にある。
【0019】
詳しくは、本実施形態では、図2に示すように、円錐体8の直径D=7mmより上方を上部円錐体8aと定義し、それより下方を下部円錐体8bと定義している。そして、上部円錐体8aの円錐角θ1が84度に設定され、下部円錐体8bの円錐角θ2が50度に設定されている。これにより、図4に示すようにフレアナット13の螺合時に上部円錐体8aの表面(円錐面)がフレア管12のフレア部14(フレア面)に密着し、図3に示すようにメネジ6の形成時に下部円錐体8bの表面(円錐面)がタップ15の先端と干渉しないことになる。
【0020】
また、上部円錐体8aおよび下部円錐体8bは、冷間鍛造等の塑性加工によって成形されており、図7および図9に示す従来タイプ(JASO F402-90 継手部A1種)では必要な逃げ部oは設けていない。また、本実施形態では、ホース接続部2も冷間鍛造等の塑性加工によって成形されている。すなわち、上記ホース用金具1は、冷間鍛造加工によりホース接続部2およびフレアナット螺合部3を含めた全体が一体成形されており、材質にはSWCH12A が用いられている。
【0021】
以上の構成からなる本実施形態の作用を述べる。
【0022】
上記形状のホース用金具1は、前述したように上部円錐体8aおよび下部円錐体8bを冷間鍛造等の塑性加工によって成形した後、図3に示すようにタップ15を用いてメネジ6のネジ切り加工が施される。
【0023】
この際、上部円錐体8aの円錐角θ1が84度に設定され下部円錐体8bの円錐角θ2が50度に設定されているので、図3に示すように、必要な有効ネジ長L1( M10×1 のネジの場合:L=7.5mm 以上)を得るべくネジ下穴の長さL2を9.5mm 以上としても、タップ15の先端に形成された円錐状の凹部16(円錐角75度程度)と下部円錐体8bとが干渉することはなく、メネジ6を必要な有効ネジ長L1だけ適正に成形することができる。
【0024】
すなわち、本実施形態のホース用金具1によれば、必要な有効ネジ長L1を得るべくタップ15を長さL2までネジ込んだとしてもタップ15と円錐体8とが干渉しないので、図12に示す従来タイプのようにタップpの凹部rと金具aの円錐体hとが干渉した状態で無理にタップpを回転させることにより生じるタップpやタップユニットの破損を回避できると共に、フレア部14に対するシート面となる円錐体8の表面に傷が付くことを防止できる。
【0025】
また、メネジ6の成形後,ホース用金具1には、図4に示すようにフレア管12が挿通されたフレアナット13が螺合されるが、その際、フレア管12のフレア部14(フレア面)が上部円錐体8aの表面に密着するため、所定のシール力が得られる。すなわち、上部円錐体8aの表面が実質的なシート面となり、下部円錐体8bがタップ15に対する実質上の逃げ部となる。この結果、本実施形態のホース用金具1は、シール性能の確保とメネジ6の有効ネジ長L1の確保とを低コストで両立できる。
【0026】
また、本実施形態では、上部円錐体8aおよび下部円錐体8bが冷間鍛造等の塑性加工によって成形されており、図7および図9に示す従来タイプでは必要な逃げ部o(前述したように切削加工により形成する)が不要であるので、メネジ6の形成前のホース金具を塑性加工(冷間鍛造)のみで形成できることになり、製造コストが低下する。
【0027】
また、逃げ部oの切削加工が不要となるので、メネジ6の下穴(有底円筒体7)に切削粉が付着する心配がなく、タップ15により安定したメネジ6の形成が可能となる。すなわち、切削粉がワークに付着したままの状態でネジ切り加工することによって生じるメネジ6の加工不良を回避できる。
【0028】
なお、本実施形態では、円錐体8の直径D=7mmより上方を上部円錐体8aとし、それより下方を下部円錐体8bとし、上部円錐体8aの円錐角θ1を84度とし、下部円錐体8bの円錐角θ2を50度としたが、本発明はこれらの数値に限られるものではなく、フレア部14と上部円錐体8aとの接触面積を所定のシール力を発揮できる面積にでき、且つタップ15の凹部16が下部円錐体8bと干渉しない範囲であれば、直径Dおよび円錐角θ1(82度〜86度)、θ2(82度未満)を適宜変更してもよい。また、図6に示すように、上部円錐体8aおよび下部円錐体8bを切削加工によって形成してもよい。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、次のような優れた効果を発揮できる。
【0030】
(1)請求項1乃至3記載のホース用金具によれば、シール性能の確保と製造コストの低減とを両立できる。
【0031】
(2)請求項4記載のホース用金具によれば、さらに製造コストが低下する。
【0032】
(3)請求項5記載のブレーキホースによれば、シール性能の確保と製造コストの低減とを両立できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るホース用金具の断面図である。
【図2】上記ホース用金具の要部拡大図である。
【図3】上記ホース用金具のメネジをタップで加工する様子を示す説明図である。
【図4】上記ホース用金具にフレアナットを螺合させた様子を示す説明図である。
【図5】上記ホース用金具を備えたブレーキホースの側面図である。
【図6】別の実施形態を示すホース用金具の要部断面図である。
【図7】従来例を示すホース用金具の断面図である。
【図8】上記ホース用金具を備えたブレーキホースの側断面図である。
【図9】上記ホース用金具にフレアナット(逃げ部有り)を螺合させた様子を示す説明図である。
【図10】上記ホース用金具にフレアナット(逃げ部無し)を螺合させた様子を示す説明図である。
【図11】上記ホース用金具のメネジをタップ(凹部無し)で加工する様子を示す説明図である。
【図12】上記ホース用金具のメネジをタップ(凹部有り)で加工する様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ホース用金具
2 ホース接続部
3 フレアナット螺合部
6 メネジ
7 有底円筒体
8 円錐体
8a 上部円錐体
8b 下部円錐体
11 ブレーキホース
13 フレアナット
15 タップ
θ1 上部円錐体の円錐角
θ2 下部円錐体の円錐角
Claims (5)
- 一端にホース接続部を他端にフレアナット螺合部を有し、該フレアナット螺合部はメネジが形成された有底円筒体とその底部に形成されたシール用の円錐体とを有するホース用金具において、上記円錐体を上部と下部とで角度を異ならせた二段円錐体とし、その上部円錐体によりフレアナット螺合時のシール性を確保すると共に下部円錐体とメネジ形成時のタップ先端との干渉を避けるべく、下部円錐体を上部円錐体よりも急傾斜としたことを特徴とするホース用金具。
- 上記円錐体の直径7mmより上方を上部円錐体とし、それより下方を下部円錐体とした請求項1記載のホース用金具。
- 上記上部円錐体の円錐角が82度〜86度であり、下部円錐体の円錐角が82度未満である請求項1乃至2記載のホース用金具。
- 上記上部円錐体および下部円錐体が、塑性加工によって成形された請求項1乃至3記載のホース用金具。
- ホース本体に、上記請求項1乃至4記載のいずれかのホース用金具を接続してなるブレーキホース。
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