JP3734906B2 - エポキシ樹脂組成物 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の高温下での長期信頼性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、セラミックパッケージ或いはプラスチックパッケージ等により封止された半導体装置が主流である。前記セラミックパッケージは、構成材料自体が耐熱性を有し、又、透湿性が小さく、中空パッケージであるため、耐熱性、耐湿性に優れている。しかし、構成材料がプラスチックス等より高価であることと、半導体パッケージの生産時に量産性に劣るという欠点を有している。そこで、半導体パッケージの中でもコスト、量産性に優れるプラスチックパッケージが、一部の特別な信頼性を必要とする高級品を除いて主流となっている。このようなプラスチックパッケージには、従来からエポキシ樹脂組成物(以下、樹脂組成物という)が使用されているが、開発当初からの改良、改善等による信頼性の向上により、半導体業界で良好な評価を受けている。しかしながら、半導体分野での技術革新はとどまるところを知らず、集積度の向上とともに設計ルールの微細化や素子サイズの大型化が進み、反面、実装密度向上のためパッケージサイズの小型化と薄型化が進んでいることから、樹脂組成物には益々信頼性の向上が要求されてきている。又、半導体パッケージの実装方法も、従来の挿入実装より更に実装密度の高い表面実装へ移行していることから、実装時や半田付け時の熱衝撃による半田クラック、及び耐湿性等の信頼性の低下が問題になっている。
【0003】
一方、半導体装置は、車載でのエンジン周りや、半導体素子自体の高速化による発熱により、高温に長時間さらされる場合があり、このような状態を想定した高温下での長期信頼性も要求されている。高温下での長期信頼性を低下させる原因としては、半導体装置中のアルミパッド部と金ワイヤーとの接合部の合金部分の腐食であると推定されている。又、樹脂組成物により封止された場合は、更に腐食が促進され、最近の研究では、半導体パッケージの難燃化のために配合する三酸化アンチモンが原因であるとする報告(1993、IEEE、Anthony A. Gallo)もされている。この三酸化アンチモンは、高温下で容易にアンチモンイオンに変わり、半導体装置中のアルミパッド部と金ワイヤーとの接合部の合金部分の腐食に関わると推定されるため、よりアンチモンの酸化数の高い酸化アンチモンを使用する方法(特公昭58−54505、特開昭63−245947、特開昭63−252451、特開昭63−307763、特開平1−64243、特開平4−300951、特表平6−508857各号公報等)が提案されている。しかしこれらの方法は、いずれも高温下での長期信頼性、特に200℃近辺での長期信頼性が不充分であり、更に改善される必要がある。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、この様な問題に対し、半導体装置の高温下での長期信頼性を著しく向上させた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)1分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂、(C)ランタノイドの内から選択される1種以上の金属を三酸化アンチモン結晶100重量部に対し0.1〜10重量部添加しドーピングした三酸化アンチモン組成物、(D)無機充填材、及び(E)硬化促進剤からなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物であり、従来の半導体封止用エポキシ樹脂組成物に比べ、優れた高温下での長期信頼性を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明で用いるエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であればいかなるものであっても良く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ化合物及びスチルベン型エポキシ化合物等の結晶性エポキシ化合物が挙げられる。特に、樹脂組成物の低吸水性や、半導体パッケージ内のリードフレーム等との接着性を向上させ、耐半田クラック性も具備させるためには、式(1)に示されるエポキシ化合物を用いるのが好ましい。
【化2】
【0007】
本発明で用いるフェノール樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂であればいかなるものであっても良く、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、キシリレン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂等が挙げられ、特に、硬化成形時の離型性と樹脂組成物の封入時の流動性を具備させるためには、フェノールノボラック樹脂を用いるのが好ましい。
【0008】
本発明で用いる三酸化アンチモン組成物とは、ランタノイドを予め三酸化アンチモン結晶と混合してから、150〜250℃で焼成することにより得られる。このときの焼成雰囲気は酸化、又は還元雰囲気のどちらでも良い。ランタノイドは、周期律表の57番元素のランタンから、71番元素のルテチウムまでの元素を表すものである。ランタノイドはいずれでも良く、単独でも混合して用いても良い。三酸化アンチモン結晶100重量部に対するランタノイドの添加量は0.1〜10重量部が好ましい。添加量が0.1重量部未満だと高温下での長期信頼性に対して効果が小さく、一方、10重量部を越えると難燃性の作用が低下してしまう。又、処理温度は150〜250℃が好ましい。この三酸化アンチモン組成物を樹脂組成物に用いると、三酸化アンチモンに較べ、高温に保管された場合の半導体装置中のアルミパッドと金ワイヤーの接合部の合金部分の腐食が抑えられ、長期信頼性が向上する。この三酸化アンチモン組成物の使用量は、全樹脂組成物中に0.05〜3.0重量%、より好ましくは0.5〜2.0重量%での使用が望ましい。0.05重量%未満だと難燃性に乏しく、一方、3.0重量%を越えると高温下での長期信頼性が低下してしまう。
【0009】
本発明で用いるハロゲン化エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するものであればいかなるものであっても良く、例えば、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が一般的であり、これらの中から必要に応じて最適なものを選択すれば良い。樹脂組成物の硬化性を良好に保持させる場合は、官能基密度の高い臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂を選択することが好ましく、一方、成形時の流動性が必要な場合は、粘度の比較的低い臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を選択すれば良い。又、ハロゲン化エポキシ樹脂の配合量は、全樹脂組成物中に0.3〜5.0重量%が好ましく、0.3重量%未満だと難燃性が得られず、一方、5.0重量%を越えると成形性が低下し好ましくない。
【0010】
本発明で用いる無機充填材としては、溶融シリカ粉末の中での破砕シリカ粉末、或いは溶射等により球形化した球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、窒化珪素粉末、窒化アルミ粉末、アルミナ粉末、炭酸カルシウム粉末、凝集化シリカ粉末、多孔質化シリカ粉末等が挙げられ、特に、溶融破砕シリカ粉末、球状シリカ粉末、或いは破砕シリカ粉末と球状シリカ粉末との混合物が好ましい。又、無機充填材の配合量は、耐半田クラック性を考慮すると、全樹脂組成物中に70〜90重量%が好ましい。70重量%未満だと、半導体パッケージとして硬化した樹脂組成物の低吸水特性が悪化し、耐半田クラック性が不充分となる。一方、90重量%を越えると、樹脂組成物の封入時に高粘度化し、半導体装置中のダイパッド、金線ワイヤーずれ等の不都合が生じる。
【0011】
本発明で用いる硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであれば良く、一般的に封止材料で用いられているものを広く用いることができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、ジメチルベンジルアミン、2−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
【0012】
本発明の樹脂組成物は、(A)〜(F)成分の他、必要に応じて、シランカップリング剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、各種ワックス等の離型剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム、ポリエチレンゴム等の低応力化添加剤等を適宜配合しても差し支えない。
又、本発明の樹脂組成物は、(A)〜(F)成分及びその他の添加剤をスーパーミキサー等の混合機を用いて充分に均一に混合した後、熱ロール、又はニーダー等の溶融混練機で混練し、冷却後粉砕して得られる。この樹脂組成物は、一般的には粉末状、又はタブレットとして使用される。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示し、具体的に説明する。実施例及び比較例で用いた三酸化アンチモン組成物の種類を表1に示す。表1中の三酸化アンチモン組成物A〜Cのプラセオジウムのドーピング時の処理は200℃、大気中で行った。又、各成分の配合量を表2に示す。単位は重量部とする。
実施例1
下記組成物
を常温でスーパーミキサーを用いて混合し、70〜100℃でロール混練し、冷却後粉砕して樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物をタブレット化し、以下に示す方法で評価した。結果を表2に示す。
【0014】
評価方法
難燃性:低圧トランスファー成形機を用いて175℃、70kg/cm2、120秒の条件で難燃性測定用サンプルを成形した。サンプルの寸法は、127mm×12.7mm×1.6mmとした。測定方法は、UL94垂直法に準じた。
高温下での長期信頼性:低圧トランスファー成形機を用いて175℃、70kg/cm2、120秒の条件で、3.0mm×3.2mmのテスト用チップ素子を16pDIPに封止した。このテスト用半導体装置を175℃の大気中に保管し、一定時間ごとに常温で電気抵抗値を測定した。テスト用半導体装置の数は10個、電気抵抗値が初期値の1.2倍となったものを不良とみなし、不良個数が全体の半数を越えた時間を、不良発生時間とした。
【0015】
実施例2、比較例1,2
表2の配合に従い、実施例1と同様にして樹脂組成物を作成し評価した。結果を表2に示す。
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置は、高温下での長期信頼性に優れている。
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置の高温下での長期信頼性に優れる半導体封止用エポキシ樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、トランジスタ、IC、LSI等の半導体素子は、セラミックパッケージ或いはプラスチックパッケージ等により封止された半導体装置が主流である。前記セラミックパッケージは、構成材料自体が耐熱性を有し、又、透湿性が小さく、中空パッケージであるため、耐熱性、耐湿性に優れている。しかし、構成材料がプラスチックス等より高価であることと、半導体パッケージの生産時に量産性に劣るという欠点を有している。そこで、半導体パッケージの中でもコスト、量産性に優れるプラスチックパッケージが、一部の特別な信頼性を必要とする高級品を除いて主流となっている。このようなプラスチックパッケージには、従来からエポキシ樹脂組成物(以下、樹脂組成物という)が使用されているが、開発当初からの改良、改善等による信頼性の向上により、半導体業界で良好な評価を受けている。しかしながら、半導体分野での技術革新はとどまるところを知らず、集積度の向上とともに設計ルールの微細化や素子サイズの大型化が進み、反面、実装密度向上のためパッケージサイズの小型化と薄型化が進んでいることから、樹脂組成物には益々信頼性の向上が要求されてきている。又、半導体パッケージの実装方法も、従来の挿入実装より更に実装密度の高い表面実装へ移行していることから、実装時や半田付け時の熱衝撃による半田クラック、及び耐湿性等の信頼性の低下が問題になっている。
【0003】
一方、半導体装置は、車載でのエンジン周りや、半導体素子自体の高速化による発熱により、高温に長時間さらされる場合があり、このような状態を想定した高温下での長期信頼性も要求されている。高温下での長期信頼性を低下させる原因としては、半導体装置中のアルミパッド部と金ワイヤーとの接合部の合金部分の腐食であると推定されている。又、樹脂組成物により封止された場合は、更に腐食が促進され、最近の研究では、半導体パッケージの難燃化のために配合する三酸化アンチモンが原因であるとする報告(1993、IEEE、Anthony A. Gallo)もされている。この三酸化アンチモンは、高温下で容易にアンチモンイオンに変わり、半導体装置中のアルミパッド部と金ワイヤーとの接合部の合金部分の腐食に関わると推定されるため、よりアンチモンの酸化数の高い酸化アンチモンを使用する方法(特公昭58−54505、特開昭63−245947、特開昭63−252451、特開昭63−307763、特開平1−64243、特開平4−300951、特表平6−508857各号公報等)が提案されている。しかしこれらの方法は、いずれも高温下での長期信頼性、特に200℃近辺での長期信頼性が不充分であり、更に改善される必要がある。
【0004】
【発明の実施の形態】
本発明の目的は、この様な問題に対し、半導体装置の高温下での長期信頼性を著しく向上させた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)1分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂、(C)ランタノイドの内から選択される1種以上の金属を三酸化アンチモン結晶100重量部に対し0.1〜10重量部添加しドーピングした三酸化アンチモン組成物、(D)無機充填材、及び(E)硬化促進剤からなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物であり、従来の半導体封止用エポキシ樹脂組成物に比べ、優れた高温下での長期信頼性を有する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明で用いるエポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂であればいかなるものであっても良く、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ化合物及びスチルベン型エポキシ化合物等の結晶性エポキシ化合物が挙げられる。特に、樹脂組成物の低吸水性や、半導体パッケージ内のリードフレーム等との接着性を向上させ、耐半田クラック性も具備させるためには、式(1)に示されるエポキシ化合物を用いるのが好ましい。
【化2】
【0007】
本発明で用いるフェノール樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂であればいかなるものであっても良く、例えば、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、キシリレン変性フェノール樹脂、テルペン変性フェノール樹脂、トリフェノールメタン型フェノール樹脂等が挙げられ、特に、硬化成形時の離型性と樹脂組成物の封入時の流動性を具備させるためには、フェノールノボラック樹脂を用いるのが好ましい。
【0008】
本発明で用いる三酸化アンチモン組成物とは、ランタノイドを予め三酸化アンチモン結晶と混合してから、150〜250℃で焼成することにより得られる。このときの焼成雰囲気は酸化、又は還元雰囲気のどちらでも良い。ランタノイドは、周期律表の57番元素のランタンから、71番元素のルテチウムまでの元素を表すものである。ランタノイドはいずれでも良く、単独でも混合して用いても良い。三酸化アンチモン結晶100重量部に対するランタノイドの添加量は0.1〜10重量部が好ましい。添加量が0.1重量部未満だと高温下での長期信頼性に対して効果が小さく、一方、10重量部を越えると難燃性の作用が低下してしまう。又、処理温度は150〜250℃が好ましい。この三酸化アンチモン組成物を樹脂組成物に用いると、三酸化アンチモンに較べ、高温に保管された場合の半導体装置中のアルミパッドと金ワイヤーの接合部の合金部分の腐食が抑えられ、長期信頼性が向上する。この三酸化アンチモン組成物の使用量は、全樹脂組成物中に0.05〜3.0重量%、より好ましくは0.5〜2.0重量%での使用が望ましい。0.05重量%未満だと難燃性に乏しく、一方、3.0重量%を越えると高温下での長期信頼性が低下してしまう。
【0009】
本発明で用いるハロゲン化エポキシ樹脂は、1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するものであればいかなるものであっても良く、例えば、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂等が一般的であり、これらの中から必要に応じて最適なものを選択すれば良い。樹脂組成物の硬化性を良好に保持させる場合は、官能基密度の高い臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂を選択することが好ましく、一方、成形時の流動性が必要な場合は、粘度の比較的低い臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂を選択すれば良い。又、ハロゲン化エポキシ樹脂の配合量は、全樹脂組成物中に0.3〜5.0重量%が好ましく、0.3重量%未満だと難燃性が得られず、一方、5.0重量%を越えると成形性が低下し好ましくない。
【0010】
本発明で用いる無機充填材としては、溶融シリカ粉末の中での破砕シリカ粉末、或いは溶射等により球形化した球状シリカ粉末、結晶シリカ粉末、窒化珪素粉末、窒化アルミ粉末、アルミナ粉末、炭酸カルシウム粉末、凝集化シリカ粉末、多孔質化シリカ粉末等が挙げられ、特に、溶融破砕シリカ粉末、球状シリカ粉末、或いは破砕シリカ粉末と球状シリカ粉末との混合物が好ましい。又、無機充填材の配合量は、耐半田クラック性を考慮すると、全樹脂組成物中に70〜90重量%が好ましい。70重量%未満だと、半導体パッケージとして硬化した樹脂組成物の低吸水特性が悪化し、耐半田クラック性が不充分となる。一方、90重量%を越えると、樹脂組成物の封入時に高粘度化し、半導体装置中のダイパッド、金線ワイヤーずれ等の不都合が生じる。
【0011】
本発明で用いる硬化促進剤としては、エポキシ基とフェノール性水酸基との硬化反応を促進させるものであれば良く、一般的に封止材料で用いられているものを広く用いることができる。例えば、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウム・テトラナフトイルオキシボレート、ジメチルベンジルアミン、2−メチルイミダゾール等が挙げられ、これらは単独でも混合して用いても良い。
【0012】
本発明の樹脂組成物は、(A)〜(F)成分の他、必要に応じて、シランカップリング剤、カーボンブラック、ベンガラ等の着色剤、各種ワックス等の離型剤、シリコーンオイル、シリコーンゴム、ポリエチレンゴム等の低応力化添加剤等を適宜配合しても差し支えない。
又、本発明の樹脂組成物は、(A)〜(F)成分及びその他の添加剤をスーパーミキサー等の混合機を用いて充分に均一に混合した後、熱ロール、又はニーダー等の溶融混練機で混練し、冷却後粉砕して得られる。この樹脂組成物は、一般的には粉末状、又はタブレットとして使用される。
【0013】
【実施例】
以下に、本発明の実施例及び比較例を示し、具体的に説明する。実施例及び比較例で用いた三酸化アンチモン組成物の種類を表1に示す。表1中の三酸化アンチモン組成物A〜Cのプラセオジウムのドーピング時の処理は200℃、大気中で行った。又、各成分の配合量を表2に示す。単位は重量部とする。
実施例1
下記組成物
を常温でスーパーミキサーを用いて混合し、70〜100℃でロール混練し、冷却後粉砕して樹脂組成物とした。得られた樹脂組成物をタブレット化し、以下に示す方法で評価した。結果を表2に示す。
【0014】
評価方法
難燃性:低圧トランスファー成形機を用いて175℃、70kg/cm2、120秒の条件で難燃性測定用サンプルを成形した。サンプルの寸法は、127mm×12.7mm×1.6mmとした。測定方法は、UL94垂直法に準じた。
高温下での長期信頼性:低圧トランスファー成形機を用いて175℃、70kg/cm2、120秒の条件で、3.0mm×3.2mmのテスト用チップ素子を16pDIPに封止した。このテスト用半導体装置を175℃の大気中に保管し、一定時間ごとに常温で電気抵抗値を測定した。テスト用半導体装置の数は10個、電気抵抗値が初期値の1.2倍となったものを不良とみなし、不良個数が全体の半数を越えた時間を、不良発生時間とした。
【0015】
実施例2、比較例1,2
表2の配合に従い、実施例1と同様にして樹脂組成物を作成し評価した。結果を表2に示す。
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いた半導体装置は、高温下での長期信頼性に優れている。
Claims (3)
- (A)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(B)1分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂、(C)ランタノイドの内から選択される1種以上の金属を三酸化アンチモン結晶100重量部に対し0.1〜10重量部添加しドーピングした三酸化アンチモン組成物、(D)1分子中に少なくとも2個以上のエポキシ基を有するハロゲン化エポキシ樹脂、(E)無機充填材、及び(F)硬化促進剤からなる半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
- 1分子中に少なくとも2個以上のフェノール性水酸基を有するフェノール樹脂が、フェノールノボラック樹脂を全フェノール樹脂中に30〜100重量%含む請求項1、又は2記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
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JP33970696A JP3734906B2 (ja) | 1996-12-19 | 1996-12-19 | エポキシ樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP33970696A JP3734906B2 (ja) | 1996-12-19 | 1996-12-19 | エポキシ樹脂組成物 |
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Publication Number | Publication Date |
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JPH10176033A JPH10176033A (ja) | 1998-06-30 |
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Family Applications (1)
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- 1996-12-19 JP JP33970696A patent/JP3734906B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10176033A (ja) | 1998-06-30 |
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Date | Code | Title | Description |
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A977 | Report on retrieval |
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