JP3734625B2 - ナビゲーション装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、GPS( Global Positioning System)衛星から送られてくる信号により現在位置を検出するナビゲーション装置に関し、特に、DGPS(Differential Global Positioning System)を使用して位置検出精度を向上させたナビゲーション装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
車載用ナビゲーション装置は、地図データを記録したCD−ROM又はDVD−ROM(以下、単に「CD−ROM」という)等の地図データ記憶装置と、ディスプレイ装置と、GPS受信機、ジャイロ及び車速センサ等の車両の現在位置及び現在方位を検出するセンサ等を有し、車両の現在位置を含む地図データを地図データ記憶装置から読み出し、該地図データに基づいて車両位置の周囲の地図画像をディスプレイ画面に描画すると共に、車両位置マーク(ロケーション)をディスプレイ画面に重ね合わせて表示し、車両の移動に応じて地図画像をスクロール表示したり、地図画像を画面に固定し車両位置マークを移動させたりして、車両が現在どこを走行しているのかを一目で判るようにしている。
【0003】
また、通常、車載用ナビゲーション装置には、ユーザが所望の目的地に向けて道路を間違うことなく容易に走行できるようにした経路誘導機能が搭載されている。この経路誘導機能によれば、地図データを用いて出発地から目的地までを結ぶ最もコストが低い経路を横型探索法又はダイクストラ法等のシミュレーション計算を行って自動探索し、その探索した経路を誘導経路として記憶しておき、走行中、地図画像上に誘導経路を他の道路とは色を変えて太く描画して画面表示したり、車両が誘導経路上の進路を変更すべき交差点に一定距離内に近づいたときに、地図画像上の進路を変更すべき交差点に進路を示す矢印を描画して画面表示したりすることで、ユーザを目的地まで案内する。
【0004】
ところで、民生用として一般に公開されているC/Aコードを用いたGPSによる車両位置検出では100m程度の検出誤差が生じる。この検出誤差を小さくできる技術として、近年、DGPSが開発され、実用化されている。DGPSでは、正確な経度及び緯度が既知の基地局によりGPS衛星からの信号を受信してその時点での誤差を検出し、位置を補正するための位置補正情報(以下、DGPS情報という)をFM多重放送によって送信するものであり、これを受信した車載用ナビゲーション装置では、GPSにより測位した車両位置を基地局からのDGPS情報を用いて補正することにより、位置検出誤差が約10m以下にまで改善される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、DGPSでは、基地局と車載用ナビゲーション装置との共通の誤差原因(例えば、電離層遅延、対流圏遅延及びSA(Selective Availability) 誤差等)による誤差は除去されるが、マルチパスのように基地局と車載用ナビゲーション装置とで共通でない誤差原因は除去することができない。従って、車載用ナビゲーション装置のGPS受信機にマルチパスの影響があると、DGPSによる位置検出精度が低下する。
【0006】
また、DGPSでは、DGPS情報を入力した時点での誤差は補正されるが、その後時間の経過に伴って誤差が大きくなる。現在、DGPS情報はFM多重放送により5秒毎に送信されるが、例えば車両がビルの谷間等のように電波が届きにくいところを走行すると、DGPS情報を受信できず、時間の経過に伴って誤差が大きくなる。
【0007】
本発明の目的は、DGPSを利用したナビゲーション装置において、マルチパスの影響による位置検出誤差の増大を抑制できるナビゲーション装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、DGPSを利用したナビゲーション装置において、DGPS情報を一時的に入力できないときに位置検出誤差の増大を抑制できるナビゲーション装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記した課題は、FM放送に多重したDGPS情報を受信するFM多重受信手段と、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するとともに前記DGPS情報を入力し、カルマンフィルタにより演算処理して位置情報を出力するGPS受信手段とを有するナビゲーション装置において、前記GPS受信手段は、前記DGPS情報を入力すると前記カルマンフィルタの強度を第1の強度とし、一定時間後に前記カルマンフィルタの強度を前記第1の強度よりも強い第2の強度とすることを特徴とする本願第1発明のナビゲーション装置により解決する。
【0009】
上記した課題は、FM放送に多重したDGPS情報を受信するFM多重受信手段と、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するとともに前記DGPS情報を入力し、カルマンフィルタにより演算処理して位置情報を出力するGPS受信手段とを有するナビゲーション装置において、前記GPS受信手段は、前記DGPS情報が一定のタイミングで入力されているときは前記カルマンフィルタの強度を第1の強度とし、前記一定のタイミングで受信されないときは前記カルマンフィルタの強度を前記第1の強度よりも強い第2の強度とすることを特徴とする本願第2発明のナビゲーション装置により解決する。
【0010】
上記した課題は、主要建築物の位置及び高さ情報を含む地図データを記憶した地図データ記憶手段と、FM放送に多重したDGPS情報を受信するFM多重受信手段と、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するとともに前記DGPS情報を入力し、カルマンフィルタにより演算処理して位置情報を出力するGPS受信手段と、前記地図データを使用して前記GPS受信手段と前記GPS衛星との間の建築物の有無を調べ、その結果建築物がないと判定したときは前記GPS受信手段を制御して前記カルマンフィルタのフィルタ強度を第1の強度とし、前記建築物があると判定したときは前記GPS受信手段を制御して前記カルマンフィルタのフィルタ強度を前記第1の強度よりも強い第2の強度とする制御手段とを有することを特徴とする本願第3発明のナビゲーション装置により解決する。
【0011】
以下、本発明の作用について説明する。
DGPSを用いたナビゲーション装置では、DGPS情報を入力すると所定の時定数で誤差が減少して最小値になり、その後時間の経過とともに誤差が大きくなる。そして、次にDGPS情報を入力すると、再び誤差が減少し始める。このように、DGPSを用いたナビゲーション装置では、DGPS情報を入力する毎に、誤差の減少及び増加を繰り返す。また、カルマンフィルタのフィルタ強度が「弱」の場合は誤差の変化する割合が大きくなり、フィルタ強度が「強」の場合は誤差の変化する割合が小さくなる。
【0012】
本願第1発明においては、通常、カルマンフィルタのフィルタ強度を第2の強度(フィルタ強度「強」)に設定しておき、DGPS受信手段がDGPS情報を入力すると、一定時間だけカルマンフィルタのフィルタ強度を第1の強度(フィルタ強度「弱」)に設定する。従って、誤差が小さくなるときの誤差の変化する割合が大きく、誤差が大きくなるときの誤差の変化する割合が小さくなる。これにより、位置検出誤差を小さく維持することができる。
【0013】
また、本願第2発明においては、GPS受信手段にDGPS情報が一定のタイミングで入力されているときはカルマンフィルタのフィルタ強度を第1のフィルタ強度(フィルタ強度「弱」)とし、一定のタイミングで入力されていないときは第2のフィルタ強度(フィルタ強度「強」)に設定する。これにより、FM多重されたDGPS情報の受信状態が悪く一定のタイミングでDGPS情報が入力できないときは、カルマンフィルタのフィルタ強度が強くなり、位置検出誤差の変化する割合が小さくなって、誤差の増大が抑制される。
【0014】
更に、本願第3発明においては、地図データ記憶手段に主要建築物の位置及び高さ情報が含まれており、制御手段はGPS衛星との間に建築物が存在しているか否かを調べる。そして、GPS衛星との間に建築物が存在していないと判断したときは、マルチパスの影響がないと考えられるので、GPS受信手段を制御してカルマンフィルタのフィルタ強度を第1の強度(フィルタ強度「弱」)とする。一方、衛星との間に建築物が存在しないと判断したときは、マルチパスの影響が考えられるので、カルマンフィルタのフィルタ強度を第2の強度(フィルタ強度「強」)とする。このように、本発明では、周囲の状態によりカルマンフィルタのフィルタ強度を適宜変更するので、位置検出誤差の増大が抑制される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、添付の図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本発明の第1の実施の形態の車載用ナビゲーション装置を示すブロック図である。
【0016】
1は地図データを記憶したCD−ROM、2は後述するナビゲーション装置本体10を操作するための各種操作ボタンが設けられた操作部である。3はFM多重されたDGPS情報を受信するFM多重受信機、4はGPS衛星から送られてくるGPS信号を受信して車両の現在位置の経度及び緯度を検出するGPS受信機である。このGPS受信機4は、DGPS情報を入力して検出位置を補正する機能を有している。
【0017】
5は自立航法センサであり、この自立航法センサ5は、車両回転角度を検出するジャイロ等の角度センサ5aと、一定の走行距離毎にパルスを発生する走行距離センサ5bとにより構成されている。7は液晶ディスプレイ装置であり、ナビゲーション装置本体10は、このディスプレイ装置7に車両の現在位置の周囲の地図を表示したり、出発地から目的地までの誘導経路や車両位置マーク及びその他の案内情報を表示する。8はスピーカーであり、ナビゲーション装置本体10はユーザにスピーカー8を介して各種案内情報を音声で伝達する。
【0018】
ナビゲーション装置本体10は以下のものから構成されている。11はCD−ROM1から読み出された地図データを一時的に記憶するバッファメモリである。12は操作部2と接続されるインターフェース、13はFM多重受信機3と接続されるインターフェース、14はGPS受信機4と接続されるインターフェース、15は自立航法センサ5に接続されるインターフェースである。16は制御部であり、この制御部16は、インターフェース14,15から入力される情報を基に車両の現在位置を検出したり、CD−ROM1から所定の領域の地図データをバッファメモリ11に読み出したり、バッファメモリ11に読み出された地図データを用いて出発地から目的地までの誘導経路を探索する。また、制御部16は、後述するように、FM多重受信機3から入力したDGPS情報をGPS受信機4に伝達する。
【0019】
18はバッファメモリ11に読み出された地図データを用いて地図画像を生成する地図描画部である。20は制御部16で探索した誘導経路を記憶する誘導経路記憶部、21は誘導経路を描画する誘導経路描画部である。誘導経路記憶部20には、制御部16によって探索された誘導経路の全ノードが出発地から目的地まで記録される。誘導経路描画部21は、地図を表示する際に、誘導経路記憶部20から誘導経路情報(ノード列)を読み出して、誘導経路を他の道路とは異なる色及び線幅で描画する。
【0020】
19は制御部16からの信号に応じて各種メニュー画面(操作画面)や車両位置マーク及びカーソル等の各種マークを生成する操作画面・マーク発生部である。22は音声信号発生部である。この音声信号発生部22には予め複数の音声メッセージが記録されており、制御部16からの信号に応じて所定の音声メッセージをスピーカー8に出力する。23は画像合成部であり、地図描画部18で描画された地図画像に、操作画面・マーク発生部19で生成した各種マークや操作画面、及び誘導経路描画部21で描画した誘導経路などを重ね合わせてディスプレイ装置7に表示させる。
【0021】
このように構成されたナビゲーション装置において、制御部16は、GPS受信機4で受信したGPS信号と、自立航法センサ5から入力した信号とから車両の現在位置を検出する。そして、CD−ROM1から車両周囲の地図データを読み出してバッファメモリ11に格納する。地図描画部18は、バッファメモリ11に読み出された地図データに基づいて地図画像を生成し、ディスプレイ装置7に車両周囲の地図画像を表示する。
【0022】
また、制御部16は、車両の移動に伴ってGPS受信機4及び自立航法センサ5から入力した信号により自車位置を検出し、その結果に応じて、ディスプレイ装置7に表示された地図画像に車両位置マークを重ね合わせて表示し、車両の移動に伴って車両位置マークを移動させたり、地図画像をスクロール表示する。
更に、ユーザが操作部2を操作して目的地を設定すると、制御部16は車両の現在位置を出発地とし、出発地から目的地までの最もコストが低い経路をCD−ROM1の地図データを使用して探索する。そして、探索により得られた経路を誘導経路として誘導経路記憶部20に記憶し、地図画像に誘導経路を重ね合わせて表示させる。また、制御部16は車両の走行に伴って適宜案内情報を出力し、車両を目的地まで誘導経路に沿って走行するように案内する。
【0023】
ところで、FM多重放送局は、DGPS情報を5秒間隔で送信している。制御部16は、FM多重受信機3でDGPS情報を受信すると、該DGPS情報をGPS受信機4に出力する。
図2はGPS受信機4の構成を示すブロック図である。
31は衛星から送られてくるGPS信号を受信するアンテナ、32はアンテナ31で受信したGPS信号を高周波増幅する高周波増幅器、38は一定周期の基準クロックを発生する基準水晶発振器、39は基準クロックをもとに所定の周波数の信号を生成する周波数てい倍回路である。33は、高周波増幅器32から出力された信号と周波数てい倍回路39から出力された信号を積算して中間周波信号を出力する積算回路、34は中間周波信号を増幅及び検波する中間周波増幅器、35は中間周波増幅器34から出力された信号をA/D(アナログ/デジタル)変換するA/D変換器である。
【0024】
36はデジタル処理回路であり、A/D変換器35から入力した信号を基に、PRNコードの逆拡散、搬送波の位相同期の確立及び航法メッセージの抽出を行う。37はデジタル処理回路36から出力されるこれらのデータを基に現在位置を算出して位置情報を出力する制御部である。制御部37にはナビゲーション装置本体10からDGPS情報が入力されるようになっており、該DGPS情報を用いて検出位置の補正を行う。37aは制御部37内でソフトウェアより実現されるカルマンフィルタであり、該カルマンフィルタ37aを使用して位置情報の推定を行う。すなわち、GPS信号には多くの誤差因子が含まれており、統計的な処理を行って検出位置を推定する必要がある。この統計的な処理による検出位置の推定にカルマンフィルタが使用される。
【0025】
GPSにおけるカルマンフィルタの詳細については、例えば航空宇宙における誘導と制御(西村等;計測自動制御学会発行)等に記載されているが、簡単にいうとカルマンフィルタは、観測量y0 ,y1 ,…,yk を用いて、時刻tk'のときのシステムの状態xk'に関する最適な推定量を求める逐次的なアルゴリズムである。車載用ナビゲーション装置のGPS受信機4のカルマンフィルタでは時定数(パラメータ)を有しており、図3に示すように時定数が大きい場合、すなわちフィルタ強度が強い場合は位置検出誤差eの変化が緩慢であり、時間の経過とともに増大する誤差eの割合は少ないものの、DGPS情報を入力した後の誤差eが小さくなる割合も小さい。一方、時定数が小さい場合、すなわち、フィルタ強度が弱い場合は誤差eの変化が急であり、誤差eが増大する割合は大きいが、DGPS情報を入力してから誤差eが小さくなるまでの時間が短い。従来は、用途(車載用又は船舶用等)に合わせてフィルタ強度が決められていた。本実施の形態においては、制御部37により、カルマンフィルタ37aのフィルタ強度を適宜2段階(フィルタ強及び弱)に変更可能となっている。
【0026】
なお、GPSにより位置を検出するためには3個以上の衛星から同時にGPS信号を受信する必要がある。従って、GPS受信機4は3個以上の衛星からのGPS信号を同時に受信し、それらの信号を同時に処理することができるようになっている。
以下、本実施の形態の車載用ナビゲーション装置のDGPS情報入力時の動作について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。また、図5は、横軸に時間をTをとり、縦軸に位置検出誤差eをとって、DGPS情報の入力タイミングとフィルタ強度の制御及び誤差の関係を示す図である。
【0027】
GPS受信機4の制御部37は、電源オンにより以下の処理を開始する。なお、初期状態ではカルマンフィルタ37aのフィルタ強度は「強」に設定されているとする。
制御部37は、ステップS11において、ナビゲーション装置本体10からDGPS情報を入力するとステップS12に移行する。そして、カルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「弱」に設定する。これにより、図5に示すように、誤差eが減少するときの速度が速くなる。その後、ステップS13に移行し、制御部37は一定時間tが経過するのを待つ。この時間tは、誤差eが最小値になるまでに必要な時間であり、予め設定されている。時間tが経過すると、ステップS14に移行して、制御部37はカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「強」に設定する。これにより、誤差eの増大する速度が遅くなる。その後、ステップS11に戻り、次のDGPS情報が入力されるまでカルマンフィルタ37のフィルタ強度を「強」に維持する。上記の処理は、ナビゲーション装置の電源オフにより終了する。
【0028】
このように、本実施の形態においては、GPS受信機4にDGPS情報が入力されると一定時間tだけカルマンフィルタ37のフィルタ強度を「弱」にして誤差eが減少する速度を速くし、その後フィルタ強度を「強」にして誤差eが増大する速度を遅くするので、カルマンフィルタのフィルタ強度が常に一定である従来のナビゲーション装置に比べて、誤差eの変化量が小さくなる。これにより、位置検出精度が向上するという効果が得られる。
【0029】
(第2の実施の形態)
以下、本発明の第2の実施の形態のナビゲーション装置について説明する。なお、本実施の形態においても、ナビゲーション装置本体及びGPS受信機の基本的な構成は第1の実施の形態と同様であるので、図1及び図2を参照する。
図6は、本実施の形態におけるナビゲーション装置のGPS受信機4のDGPS情報受信時の動作を示すフローチャートである。また、図7は、横軸に時間をとり、縦軸に位置検出誤差をとって、DGPS情報の入力タイミングとフィルタ強度の制御及び位置検出誤差との関係を示す図である。
【0030】
GPS受信機3の制御部37は、電源オンにより以下の処理を開始する。なお、初期状態ではカルマンフィルタ37aのフィルタ強度は「弱」に設定されているとする。
制御部37は、ステップS21において、DGPS情報の入力タイミングを設定する。前述したようにFM多重放送の受信状態が良好な場合は、DGPS情報は5秒毎に入力される。従って、制御部37は、最初にDGPS情報を入力した時点を基準として5秒毎の時間をDGPS情報の入力タイミングとする。
【0031】
その後、ステップS22において、制御部37はDGPS情報の入力タイミングまで待つ。そして、入力タイミングになると、ステップS23に移行し、DGPS情報が入力されたか否かを調べる。DGPS情報が入力された場合は、ステップS24に移行し、制御部37はカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「弱」に設定する。この場合、誤差eの増加及び減少速度はいずれも大きいが、DGPS情報が一定の時間間隔で入力されているので、DGPS情報が入力される毎に誤差eが補正され、誤差eを低く抑えることができる。その後、ステップS22に戻り、次のDGPS情報の入力タイミングを待つ。
【0032】
一方、ステップS23においてDGPS情報の入力タイミングにもかかわらずDGPS情報が入力されない場合、例えば車両がビルの谷間等のようにFMの受信状態が悪い場所を走行しているときは、ステップS25に移行して、制御部37はカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「強」に設定する。この場合、DGPS情報は定期的に入力されないが、誤差eの変化する速度が小さくなるので、誤差eの増大が抑制される。その後、ステップS22に戻り、次のDGPS情報の入力タイミングを待つ。
【0033】
上記の処理は、ナビゲーション装置の電源オフにより終了する。
本実施の形態においては、5秒毎にDGPS情報が入力されている場合、すなわちFM多重放送の受信状態がよいときは、カルマンフィルタ37aのフィルタ強度が「弱」に設定される。これにより、5秒毎に検出位置が補正されて、検出誤差eが大きくなることが回避される。一方、5秒毎にDGPS情報が入力されない場合、すなわちFM多重放送の受信状態が悪いときは、カルマンフィルタ37aのフィルタ強度が「強」に設定される。これにより、検出誤差eの増大する速度が小さくなり、位置検出誤差の増大が抑制される。
【0034】
(第3の実施の形態)
以下、本発明の第3の実施の形態のナビゲーション装置について説明する。なお、本実施に形態においては、ナビゲーション装置本体及びGPS受信機の基本的な構造は第1の実施の形態と同様であるので、図1及び図3を参照する。
本実施の形態においては、CD−ROM1に市街地の各種店舗や駐車場及び主要な建築物等の位置及び形状を詳細に示す市街地詳細地図情報が記録されており、この市街地詳細地図情報には、主要な建築物の高さを示す情報も記録されている。また、本実施の形態においては、GPS受信機4内は、GPS信号に含まれるGPS衛星自身の位置情報を用いて各衛星の位置を検出し、この衛星の位置情報をナビゲーション装置本体10に出力する。
【0035】
図8は、本実施の形態のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
まず、ナビゲーション装置本体10の制御部16は、ステップS31において、GPS受信機4から入力した位置情報と自立航法センサ5から入力した信号とから車両の現在位置を検出する。そして、ステップS32に移行し、制御部16は車両の現在位置を含む地図データをバッファメモリ11に読み出す。
【0036】
次に、ステップS33に移行し、ナビゲーション装置本体10はGPS受信機4から入力したGPS衛星の位置情報を調べる。
次に、ステップS34に移行し、ナビゲーション装置本体10の制御部16は、車両の現在位置の周囲に存在する主要な建築物を検索する。そして、車両の現在位置と衛星とを結ぶ線の方向及び仰角を求め、更に主要な建築物の高さ情報を用いて、車両と各衛星との結ぶ線上に建築物が存在するか否かを調べる。その結果、図9(a)に示すように、車両41と衛星42との間に建築物43が存在すると判断した場合は、マルチパスの影響を受けているおそれがあるとして、ステップS34からステップS35に移行し、GPS受信機4のカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「強」とする信号を出力する。GPS受信機4の制御部37は、ナビゲーション装置本体から該信号を受信すると、カルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「強」に設定する。その後、ステップS31に戻る。
【0037】
一方、ステップS34において、図9(b)に示すように、車両41と衛星42とを結ぶ線上に建築物43が存在しないと判断した場合は、マルチパスの影響がないと判断して、ステップS34からステップS36に移行し、ナビゲーション装置本体10の制御部16はGPS受信機4のカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「弱」とする信号を出力する。GPS受信機4の制御部37は、ナビゲーション装置本体10から該信号を受信すると、カルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「弱」に設定する。その後ステップS31に戻る。
【0038】
上記の処理は、ナビゲーション装置の電源がオフになるまで繰り返される。
本実施の形態においては、CD−ROM1の地図データに含まれる主要建築物の位置及び高さ情報を使用してマルチパスの有無を判断し、マルチパスの影響のおそれがあるときはカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「強」に設定し、マルチパスのおそれがないときはカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「弱」に設定するので、検出誤差eを小さくすることができる。
【0039】
なお、マルチパスの影響は主に高層建築物が多い市街地で発生しやすいので、上述の第3の実施の形態では車両が市街地を走行しているときのみ、建築物によるマルチパスの影響の有無を調べるようにしたが、地図データに市街地以外の主要建築物の高さ情報を含め、郊外を走行中に建築物によるマルチパスの影響を調べて、カルマンフィルタのフィルタ強度を変更するようにしてもよい。
【0040】
また、上記した第1〜第3の実施の形態を適宜組み合わせてカルマンフィルタのフィルタ強度を制御してもよい。例えば、第3の実施の形態では、マルチパスの影響の有無によりカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を制御する場合について説明したが、第1の実施の形態と組み合わせて、更にDGPS情報が入力された後の一定時間だけフィルタ強度を「弱」としてもよく、第2の実施の形態と組み合わせて、更にDGPS情報の入力タイミングでDGPS情報を入力しなかった場合もカルマンフィルタ37aのフィルタ強度を「強」としてもよい。
【0041】
【発明の効果】
以上説明したように、本願第1発明によれば、DGPS情報受信手段がDGPS情報を入力すると一定時間だけカルマンフィルタのフィルタ強度を弱く設定するので、位置検出誤差を小さく維持することができる。
また、本願第2発明によれば、GPS受信手段にDGPS情報が一定のタイミングで入力されているときはカルマンフィルタのフィルタ強度を弱く設定し、前記一定のタイミングで入力されていないときはカルマンフィルタのフィルタ強度を強く設定するので、位置検出誤差の増大が抑制される。
【0042】
更に、本願第3発明によれば、地図データ記憶手段に主要建築物の位置及び高さ情報が含まれており、制御手段はGPS衛星との間に建築物が存在していない場合は、GPS受信手段のカルマンフィルタのフィルタ強度を弱くし、建築物が存在する場合はフィルタ強度を強くするので、マルチパスによる誤差の増大が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の車載用ナビゲーション装置を示すブロック図である。
【図2】同じくそのナビゲーション装置のGPS受信機の構成を示すブロック図である。
【図3】カルマンフィルタのフィルタ強度と位置検出誤差との関係を示す図である。
【図4】第1の実施の形態におけるGPS受信機の動作を示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態におけるカルマンフィルタのフィルタ強度の制御と位置検出誤差の変化との関係を示す図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態におけるナビゲーション装置のGPS受信機の動作を示すフローチャートである。
【図7】第2の実施の形態におけるカルマンフィルタのフィルタ強度の制御と位置検出誤差の変化との関係を示す図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態のナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図9】マルチパスの有無の検出方法を示す模式図である。
【符号の説明】
1 CD−ROM、
3 FM多重受信機、
4 GPS受信機、
5 自立航法センサ、
10 ナビゲーション装置本体、
11 バッファメモリ、
12〜15 インターフェース、
16,37 制御部、
31 GPSアンテナ、
32 高周波増幅器、
33 積算回路、
34 中間周波増幅器、
35 A/D変換器、
36 デジタル処理回路、
37a カルマンフィルタ。
Claims (3)
- FM放送に多重したDGPS情報を受信するFM多重受信手段と、
GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するとともに前記DGPS情報を入力し、カルマンフィルタにより演算処理して位置情報を出力するGPS受信手段とを有するナビゲーション装置において、
前記GPS受信手段は、前記DGPS情報を入力すると前記カルマンフィルタの強度を第1の強度とし、一定時間後に前記カルマンフィルタの強度を前記第1の強度よりも強い第2の強度とすることを特徴とするナビゲーション装置。 - FM放送に多重したDGPS情報を受信するFM多重受信手段と、
GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するとともに前記DGPS情報を入力し、カルマンフィルタにより演算処理して位置情報を出力するGPS受信手段とを有するナビゲーション装置において、
前記GPS受信手段は、前記DGPS情報が一定のタイミングで入力されているときは前記カルマンフィルタの強度を第1の強度とし、前記一定のタイミングで受信されないときは前記カルマンフィルタの強度を前記第1の強度よりも強い第2の強度とすることを特徴とするナビゲーション装置。 - 主要建築物の位置及び高さ情報を含む地図データを記憶した地図データ記憶手段と、
FM放送に多重したDGPS情報を受信するFM多重受信手段と、
GPS衛星から送信されるGPS信号を受信するとともに前記DGPS情報を入力し、カルマンフィルタにより演算処理して位置情報を出力するGPS受信手段と、
前記地図データを使用して前記GPS受信手段と前記GPS衛星との間の建築物の有無を調べ、その結果建築物がないと判定したときは前記GPS受信手段を制御して前記カルマンフィルタのフィルタ強度を第1の強度とし、前記建築物があると判定したときは前記GPS受信手段を制御して前記カルマンフィルタのフィルタ強度を前記第1の強度よりも強い第2の強度とする制御手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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