JP3733506B2 - エンジン発電設備制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は商用電力系統などの他の電力系統と連系するように接続されたエンジン発電設備制御装置に関し、特に、エンジン回転数指令の変更頻度をなるべく少なくして長寿命化と高燃費化を図るエンジン発電設備制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保護の必要性が喧伝され、自家発電設備としてのエンジン発電装置やコジェネレーション装置などの分散型電源装置が注目されている。これらの分散型電源を有効に活用するためには、商用電力系統や他の大規模な発電系統(以下総合的に、「商用電力系統」と言う)との連系が不可欠である。このような連系のためには、例えば特開平6−311652号公報に記載されるように、商用電力系統に連系投入する際に、分散型電源の周波数、位相、電圧などを正確に商用電力系統に整合させることが必要である。また、分散型電源の運転状態が商用電力系統に悪影響を与えるのを防止するための保護装置も必要となる。さらに、両電源間の負荷分担を調整したり、分散型電源の負荷が増減したりする場合は、負荷を分散電源と商用電源との間で切り換えるための装置も必要になる(特開平5−328615号公報)。
【0003】
上述のように、商用電力系統に分散型電源を連系投入する際に、分散型電源の周波数、位相、電圧などを正確に商用電力系統に整合させたり、分散型電源の運転状態が商用電力系統に悪影響を与えないようにしたりするためには、相当複雑な制御装置が必要になり、コスト高をもたらすという問題がある。また多くの法的規制があり、これをクリアするのは容易なことではない。
【0004】
このような問題に対応するために、本出願人は先に、特別な切換え手段や連系のための付加装置を使用することなしに、しかも法的規制の制約も受けずに、商用電力系統(一般的には、自家発電設備などをも含む他の電力系統)と連系でき、商用電力系統の出力よりもエンジン発電装置のそれの方が優先的に負荷に供給され、エンジン発電設備を効率よく作動させることのできるエンジン発電設備制御装置を提案した(平成10年3月4日出願、A98−204)。
【0005】
前記提案の装置では、負荷が変動した場合、負荷の大きさがエンジン発電装置の定格出力限度以内であれば優先的にエンジン発電装置から負荷電流が供給される。具体的には、エンジン発電機の交流電流を直流電流に変換するAC/DCコンバータの出力電圧の設定(目標)値に対する偏差が零になるように、まず前記AC/DCコンバータを構成するサイリスタの導通角を制御し、その制御範囲を超えたときは駆動用エンジンのへの燃料供給量やその回転数を制御してエンジンの運転状態を変更するようにしている。また、エンジン発電装置の定格を超える負荷電流は自動的に商用電源から供給されるように制御される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、負荷の変動に応じてエンジンの回転数などの運転状態を変更する場合、その変更が頻繁に行われると、運転効率が低下して燃費が悪くなったり、Nox ガス排出量が増えたりする問題があった。さらに内燃エンジンは一般に制御に対する応答遅れを有するため、運転状態の頻繁な変更は、オーバーシュートやハンチングの原因となり、その対策が必要であるという問題があった。またエンジン回転数の変動は雑音や低周波振動発生の原因にもなり、エンジンの寿命を短くする要因にもなる。
【0007】
本発明の目的は、商用電力系統などの他の電力系統と連系するように接続されたエンジン発電設備制御装置の特徴を巧みに利用し、負荷変動が生じた場合のエンジン回転数指令値の更新頻度をなるべく少なくして上記の問題を解決するエンジン発電設備の制御装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明のエンジン発電設備制御装置は、エンジン発電機の発電電力を優先的に負荷に供給し、不足分を商用電源などの他の交流電力系統から供給する手段と、電気負荷に相応する、エンジン発電機の回転数指令値を予定時間ごとに発生する手段と、前記回転数指令値に基づいて前記エンジン発電機駆動用エンジンの回転数目標値を、前記予定時間より短い時間間隔で演算する目標値演算手段と、前記エンジンの回転数の前記目標値に対する偏差が小さくなるように、前記エンジンへの燃料供給を制御する手段とを具備する。
【0009】
前記エンジン発電機装置は複数台並列に接続することができ、この場合、各エンジン発電機装置の整流器出力である直流出力電圧は相互に異ならせることができる。また前記エンジン発電機装置に熱回収装置を付設してコジェネレーションシステムとすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の1実施形態を詳細に説明する。図1は1台のエンジン発電機を商用電力系統に連系させる場合の本発明の1実施形態の構成を示すブロック図である。エンジン発電機10は、互いに機械的に連結された(内燃)エンジン11と発電機12を含み、エンジン11が発電機12を駆動してエンジン回転数に応じた周波数および電圧の交流電流を発生する。前記出力交流はコンバータ13で第1電圧Vegの直流に変換され、逆流防止ダイオード14を介してインバータ30の入力に供給される。
【0011】
ゲート制御部15は予め与えられた目標または設定電圧Veg0 (例えば、190V)と前記第1電圧Vegとを供給され、コンバータ13の計測された実出力電5圧Vegが前記設定電圧Veg0 に等しくなるように、公知の適宜の手法で、コンバータ12を構成するサイリスタの導通を制御する。このような構成により、コンバータ13のある予定の出力電流範囲においては、コンバータ13の出力電圧Vegが前記設定電圧Veg0 に保持される。
【0012】
一方、商用電力系統20からの交流もコンバータ23によって第2電圧Vac(例えば、180V)の直流に変換され、逆流防止ダイオード24を介してインバータ30の入力に供給される。インバータ30の入力には平滑コンデンサ31も接続される。インバータ30に入力された直流電流を所望周波数(例えば、50ヘルツ)の交流電流に変換し、その出力には電気負荷35が接続される。ゲート制御部25は、前記ゲート制御部15と同じようにして、整流直流電圧Vacが前記設定電圧Vac0 に等しくなるように、コンバータ23を構成するサイリスタの導通を制御する。
【0013】
電流計などの負荷電流検出器32で計測されたDC/ACコンバータ30の出力電流すなわち負荷電流信号Iはエンジン制御部16に供給され、後で詳述するように、エンジンの回転数信号Net すなわち燃料信号を発生するのに利用される。
【0014】
動作時に、負荷35が小さい間は、エンジン発電機10のエネルギ効率が比較的低いので、エンジン発電機10は作動させず、全ての電気負荷35を商用電源20から取るのが有利であり、実際上もそのように運用されることが多いが、負荷35が小さい段階からエンジン発電機10を作動させてもよいことは当然である。ここでは、負荷35が小さい間は、商用電源20から全負荷電流を供給するものとする。
【0015】
この状態から、エンジン発電機10の効率が高くなるような大きさ(例えば、定格出力の50%を超える大きさ)まで負荷が大きくなると、エンジン発電機が起動される。起動直後の過渡状態においてはエンジン発電機10の出力電圧は低く、したがってコンバータ13の直流出力電圧Vegが商用電源の出力Vacよりも低いので、ダイオード14は逆バイアス状態であり、エンジン発電機10は負荷を全く負担しない。
【0016】
前述のように、商用電源の直流出力電圧Vac0 よりもエンジン発電機の直流出力電圧Veg0 の方が高く、例えばそれぞれ180v、190vに設定されているとすると、エンジン回転数が通常運転状態まで十分に上昇したときには、コンバータ13の直流出力電圧Vegが商用電源の出力Vacよりも高くなり、商用電源側のダイオード24が逆バイアスになってその導通が阻止される一方、ダイオード14が順バイアスとなるので、インバータ30を介する負荷35への電力供給は専らエンジン発電機12から行なわれ、エンジン発電機10が全負荷電流をまかない、商用電源20は負荷電流を全く供給しなくなる。
【0017】
この状態から負荷35が徐々に大きくなると、負荷の増大に見合ってコンバータ13内のサイリスタの導通角が大きくなり、整流出力される電流成分が増加してその出力電流が増加し、しかも出力電圧VegはVeg0 に維持されるように、ゲート制御部15が前記サイリスタの導通を制御する。この状態では依然として、エンジン発電機12が全負荷をまかない、商用電源は負荷の負担をしていない。
【0018】
ここで図4のブロック図および図5のフローチャートを参照してエンジン制御部16の機能および動作を、詳細に説明する。負荷安定判断部60は、後述するような基準と手法にしたがって電気負荷35が安定しているかどうかを判断し(図5のステップS11)、負荷が安定しており、かつIタイマ61が設定された予定時間(例えば1秒であるが、状況に応じて適当に設定でき、また一定時間でなくてもよい)を計測し終っているときは、負荷電流サンプリング部62がタイマ61の出力でトリガされて負荷電流信号Ii が取り込まれる(ステップS12、13)。負荷が不安定の時は、タイマ61の状態とは無関係に(あるいは、より短い時間間隔で)、負荷電流信号Ii が取り込まれる。
【0019】
負荷電流信号Ii に基づいて、Ne0 設定テーブル63から前記電流Ii を発生するのに必要なエンジン回転数指令Ne0 が読出され(ステップS14)、Net 演算部65の演算機能65a〜cに供給される(ステップS16)。テーブルの代わりに、予め準備された公知の計算式で前記負荷電流信号を演算しても良い。予定時間が未だ経過せず、Iタイマ61がタイムアップしていないときは、ステップS13および14はスキップされ、負荷電流対応のエンジン回転数指令値Ne0 の読出、演算は行なわれない。したがって、後続のエンジン回転数目標値演算動作においては、前回得られたエンジン回転数指令値Ne0 がそのまま基準値として使用される。
【0020】
導通角サンプリング部64は、αタイマ75がカウントアップするごとに(ステップS15:前記のIタイマよりも短い時間、例えば、5m秒ごと)、導通角サンプリング部64をトリがして、ゲート制御部15から供給される導通角信号αをサンプリングさせ、検出値αi を取り込む(ステップS16)。検出値αi は比較部76に供給され、上下限値メモリ77から転送される導通角の上限値Yおよび下限値Xと比較される(ステップS17)。
【0021】
前記導通角は、AC/DCコンバータ13内の整流サイリスタ(図示せず)のオン時間デューティー比(%)で表わされる。導通角αi が上限値Y%(例えば、85%)よりも大きいことは、現在の電気負荷に対してエンジンが過負荷気味、すなわち発電電力が不足する可能性があることを意味するから、Net 演算部65の演算機能65aによって、設定テーブル63からの出力Ne0 に予定の補正値ΔNe2 を加算して新たなエンジン回転数目標値Net を発生する(ステップS18)。
【0022】
反対に、導通角αi が下限値X%(例えば、75%)よりも小さいことは、現在の電気負荷に対してエンジンからの電力供給が過剰気味であることを意味するから、Net 演算部65の演算機能65bによって、前記出力Ne0 から予定の補正値ΔNe1 を減算して新たなエンジン回転数目標値Net を発生する(ステップS19)。また導通角αi が下限値Xおよび上限値Yの間にあるときは、電気負荷に対して事実上適正な発電量が得られているから、演算機能65cは、得られたエンジン回転数指令Ne0 を、そのまま新たなエンジン回転数目標値Net とする(ステップS20)なお、前記△Ne1および△Ne2を等しい値としてもよいことは当然である。
【0023】
前述のようにして得られた新たなエンジン回転数目標値Net はNet 出力部66から燃料演算部67に供給され、そこで燃料信号に変換されてエンジン11に供給される(ステップS21)。前記Net 出力部66が新たなエンジン回転数目標値Metを出力するごとに、出力カウンタ68がカウントアップされる。前記カウンタ68が予定回数(例えば、3回)に達するまでは、αタイマ65による予定時間(例えば、5m秒)ごとの導通角検出値の取り込みと回転数目標値Net 出力の更新が繰返されるが、予定回数に達すると、再びIタイマが起動されて最初の状態へ復旧する(ステップS22、23)。
【0024】
以上の説明においては、エンジン回転数目標値Net を燃料信号に変換するものとしたが、その代わりにスロットル開度などの他のデ−タに変換して回転数制御を実行しても良いことは当然である。また、ステップS16〜20で演算したエンジン回転数目標値Net を、ステップS21でその都度出力する代わりに、ステップS22に決められた予定回数分の適当な代表値(例えば、単純平均値や加重平均値など)をステップS21で演算し、ステップS22の判定が肯定になった時点で前記代表値を回転数目標値Net として出力するようにしてもよい。
【0025】
上述のように、電気負荷の変動に応答するエンジン回転数指令値の更新制御は、比較的長いサイクルで行なわれるので、エンジンがほぼ一定回転数で運転する時間割合が長くなり、低Nox 化、エンジンの長寿命化、雑音発生の低減、燃費の改善などの効果が期待できる。しかしその反面、電気負荷の比較的緩やかな変動に応答するエンジン回転数の調整制御をリアルタイムで行なわないために、電気負荷をエンジン発電でまかない切れなくなることもある。
【0026】
そのような場合は、コンバータ13の出力電圧Vegが減少し始める。前記出力電圧Vegが商用電源のコンバータ23の出力電圧Vacを下回るようになると(事実上は、下回ることはなく、両者が等しい点でバランスする)、今度はダイオード24が導通し、ダイオード14が逆バイアスになって導通が阻止されるので、商用電源側のインバータ23およびダイオード24を介して負荷35への電力供給が行なわれるようになる。そうすると、エンジン発電機10は無負荷状態になるので、その端子電圧Vegが上昇し、コンバータ13の出力直流電圧も上昇して再び負荷を負担するようになる。
【0027】
このようなコンバータ13および23の各出力電圧Veg、Vacのバランスによって、電気負荷35がエンジン発電機10の現在の発電量を超える状態では、エンジン発電機10が現在の発電量に見合う負荷を負担し、不足分を商用電源が負担するようになるので、実用上の不都合は全く生じない。このような負荷分担は、何等の特別な制御なしに、装置本来の性質に基づいて自動的に行なわれる。前記電圧Vac0 とVeg0 の差をどの程度の大きさに設定するかは、それぞれの定格と用途に応じて適当に選定できる。または適当な系統切換えによって商用電力系統から電力供給を行なうようにしてもよい。
【0028】
つぎに負荷安定の判断手法について説明する。負荷安定の判断は次のような幾つかの手法で行なうことができるが、もちろんこれに限定されるものではなく、他の適当な方法で判断しても良いことは当然である。
1.図5のステップS17の判定において、導通角αがY以上になるルーチンとX以下になるルーチンとが交互に予定回数(例えば、3回)以上連続した場合。 2.設定テーブル63から読出された回転数指令値Ne0 の増加および減少が、一定回数中に予定回数以上交互に繰返された場合。
3.導通角αの上限値Yまたは下限値Xからのはみ出し量が予定値を超えた場合。
【0029】
図1のエンジン発電機10はエンジン排熱回収手段を備えたコジェネレーション装置を構成するものとして示されている。エンジン発電機10の液冷装置17は公知の適当なものでよく、ポンプP1 によって冷却液(例えば、水やエチレングリコール)が循環されてエンジンや発電機の発熱を吸収し、冷却する。これによって温度上昇した前記冷却液は熱交換器19に供給され、外部からポンプP2 によって供給される給水を加熱した後、再度エンジンや発電機の冷却に使用される。前記熱交換器によって暖められた給水は熱負荷33へ供給され、例えば温水として、または暖房用などの熱源として使用される。もちろん、コジェネレーション装置にすることは本発明の必須要件ではなく、単に、本発明がコジェネレーション装置にも適用できることを示すに過ぎない。
【0030】
以上では、1台のエンジン発電装置が商用電源と連系された例について述べたが、複数台のエンジン発電装置が連系された場合にも本発明が適用できることは容易に理解されるであろう。図2は4台のエンジン発電装置が商用電源と連系された例の概要を示すブロック図であり、図1と同じ符号は同一部分を表わす。ただし、簡略化のために、図1に符号10〜13、15、16で示したエンジン発電機装置は単なる個々のブロック100、200、300、400で示し、熱に関する部分は図示を省略した。
【0031】
作動時には、図1の実施態様と同様に、初めに商用電源から給電して負荷35を立上げた後、負荷の増大に伴なってエンジン発電機を順次または同時に起動する。この場合、負荷が増大する時の各エンジン発電機装置の負荷分担の移行を円滑かつ一義的にするために、各コンバータの出力直流電圧設定値Veg1 、Veg2 、Veg3 、Veg4 を同一にせず、相互間に差を持たせるのが望ましい。
【0032】
例えばVeg1 >Veg2 >Veg3 >Veg4 >Vacとすれば、前述の説明から容易に分かるように、まず初めはエンジン発電機装置100が負荷35を負担し、負荷35の増加に伴なってエンジン発電機装置200、300、400が順に負荷を負担し、電気負荷35が4台のエンジン発電機の発電電力量を超えると、その不足分は商用電源20が負担するようになる。負荷が変動した場合の各エンジン発電機装置による発電量の調整制御、すなわち各エンジンの回転数制御は上述と同様に行なわれる。
【0033】
このような装置では、各エンジン発電機および商用電源間の負荷分担割合が、何等の制御手段をも必要とせず各電源の特性にしたがって自動的に決定されるので、装置の構成および制御手法が格段に簡略化される。さらに、エンジン発電機の出力が経年変化や劣化によって低下しても、現在の発電応力に応じた負荷分担が自動的に行なわれるので、一部のエンジン発電機を系列から外して保守点検、修理することが可能になる。
【0034】
エンジン発電機の他の制御方法として、上述のように各発電機の目標出力電圧を、それらの発電能力または容量とは無関係に設定するのではなく、発電容量の大きい装置ほど目標出力電圧を高く設定して、優先的に負荷を負担させるようにしてもよい。
【0035】
さらに、図2に点線枠で囲って示すように、出力電圧値メモリ37、劣化判定部38、および表示警報部39を付加し、一定の回転数指令を与えたときの各発電装置の交流または直流出力電圧値を、適当な時間間隔でメモリ37に記憶しておき、劣化判定部38で前記出力電圧値の変化率および/または変化量を監視し、それらの値が予定の閾値を超えたときは、発電機の劣化または故障と判定して表示警報部39で劣化または故障の表示および/または警報を発生するようにしてもよい。
【0036】
図3には、図2の実施形態をコジェネレーションシステムに適用した場合の全装置の構造の概念図を示す。同図において、図1、2と同一の符号は同一または同等部分を示す。各発電機装置の構成は同じであるので、1つの発電機装置100にのみ説明符号を付している。
【0037】
発電機装置は前面または側面に保守用のパネル41を有し、内部には各構成部品を制御するためのECU、空冷用ファンやフィン、液冷用細管(共に図示せず)などを含む。エンジン排ガスは排気口49から放出される。冷却用空気は取入れ口42から取り入れられ、内部で暖められた空気は吹出し口43から放出される。前記液冷用細管は冷却液供給配管45および同戻り配管46の各一方端に連結され、これら配管内にはポンプP1 によって水やエチレングリコールなどの熱媒体液が循環される。
【0038】
前記配管45、46の他端は熱交換器19に連結される。前記熱交換器19には、配管46を通して給送される高温熱媒体液との熱交換のために給水管47および温水管48の各1端が連結され、ポンプP2 によって給水される。給水管47および温水管48の他端は熱負荷33に連結され、熱交換器19で得られた温水の熱を熱負荷(暖房機や給湯器など)33に供給する。熱負荷が給湯などのように温水を消費する場合は、給水が外部から行なわれることはもちろんである。
【0039】
各エンジン発電機装置100、200、300、400で発生された交流電流はそれぞれに対応したコンバータ13A、13B、13C、13Dに供給されて予定電圧の直流に変換される。自動電圧調整装置50はインバータ30の出力交流電圧が設定値(この例では、100V)になるように、インバータ30への直流電流を制御する。自動電圧調整装置50はまた、各エンジン発電装置内のECUのための動作電圧を供給する。総合制御装置51は前記自動電圧調整装置50および各ECUなどと通信線52を介して交信し、それぞれの動作を適正に制御する。54はオペレータが利用できる操作パネルである。
【0040】
以上では、エンジン発電設備を商用電力系統に連系する場合について説明したが、これにかぎらず、比較的小容量のエンジン発電設備を大規模な自家発電設備などに連系する場合にも本発明が適用できることは明らかである。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば次のような効果が期待できる。 (1)エンジン発電機に優先的に負荷を負担させ、負荷が増加して発電機の出力電圧が低下し、商用電力系統(一般的には、連系されている他の電力系統)の電圧にまで下降した後は、不足分を商用電力系統から供給するので、エンジン発電設備の発電能力を有効に活用することができる。
【0042】
(2)エンジン発電機の回転数指令が予定時間一定に保たれる結果、エンジンの定速回転時間の割合が増え、エンジンの長寿命化、低Nox 化や燃費の改善を図ることができ、さらに回転数変動に起因する雑音(うなり)や低周波振動の発生を低減することができる。その反面、電気負荷の変動が著しいときには、回転数目標値を短い時間間隔で更新して負荷に追従させることもできる。
【0043】
(3)複数台のエンジン発電機を並列運転することも簡単にでき、一部の発電機を停止して保守点検することが容易であり、このようにしても、負荷への電力供給には何等支障を生じない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明の他の実施形態を示すブロック図である。
【図3】図2の実施形態をコジェネレーションシステムに適用した場合の全装置の構造を示す概念図である。
【図4】本発明によるエンジン回転数指令値および目標値演算のための機能ブロックである。
【図5】本発明によるエンジン回転数指令値および目標値演算のための手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10…エンジン発電機、 13、23…コンバータ、 15、25…ゲート制御部、 16…エンジン制御部、 30…インバータ、 35…電気負荷、 61…Iタイマ、 62…負荷電流サンプリング部、 63…Neo テーブル、 64…導通角サンプリング部、 65…Net 演算部、 66… Net 出力部、 67…燃料演算部
Claims (11)
- エンジンによって駆動されるエンジン発電機を含み、他の交流電力系統と連系されるエンジン発電設備制御装置において、
エンジン発電機の発電電力を優先的に負荷に供給し、不足分を前記他の交流電力系統から供給する手段と、
電気負荷に相応する、エンジン発電機駆動用エンジンの回転数指令値を予定時間ごとに発生する手段と、
前記回転数指令値に基づいて前記エンジン発電機駆動用エンジンの回転数目標値を、前記予定時間より短い時間間隔で演算する目標値演算手段と、
前記エンジンの回転数の前記目標値に対する偏差が小さくなるように、前記エンジンへの燃料供給を制御する手段とを具備したことを特徴とするエンジン発電設備制御装置。 - 前記エンジン発電機から発生される交流電流を直流に変換する整流手段と、
前記整流手段の導通角を、前記電気負荷の変動に応答して調整する手段をさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン発電設備制御装置。 - 前記エンジン発電機から発生される交流電流を直流に変換する第1整流手段と、
前記他の交流電力系統からの交流電流を直流に変換する第2整流手段と、
前記第1および第2整流手段の直流出力を入力とし、これを交流に変換するインバータ手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1に記載のエンジン発電設備制御装置。 - 前記第1整流手段の導通角を、前記電気負荷の変動に応答して調整する手段をさらに具備したことを特徴とする請求項3に記載のエンジン発電設備制御装置。
- 前記予定時間は、前記電気負荷が安定な時には長く、前記電気負荷が不安定な時には短くなるように調整されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のエンジン発電設備制御装置。
- 整流手段の導通角がその上限値または下限値をから予定量以上はみ出したとき、前記導通角の上限値超過および下限値未満状態が交互に第1予定回数発生したとき、ならびに電気負荷に応答して得られた回転数指令値Ne0 が、第2予定回数以上交互に増加および減少を繰返したときのいずれかの場合に、負荷が不安定であるとする請求項5に記載のエンジン発電設備制御装置。
- 前記第1および第2整流手段の直流出力端子はそれぞれ順方向直列接続ダイオードを介して前記インバータ手段の入力端子に接続され、
前記第1整流手段の直流出力電圧が前記第2整流手段の直流出力電圧よりも低くないように設定されたことを特徴とする請求項3ないし6のいずれかに記載のエンジン発電設備制御装置。 - 前記エンジン発電機は排熱回収装置を具備したことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のエンジン発電設備制御装置。
- それぞれがエンジンによって駆動されるエンジン発電機、および前記エンジン発電機の交流出力を直流に変換する整流手段を含む複数台のエンジン発電機装置と、
前記各エンジン発電装置と連系される他の交流系統の交流電流を直流に変換する第2整流手段と、
前記複数のエンジン発電装置の整流手段の直流出力端子が共通に接続された入力端子、および負荷が接続される出力端子を有し、入力直流電流を予定周波数の交流電流に変換するインバータ手段と、
電気負荷に相応する、各エンジン発電機駆動用エンジンの回転数指令値を予定時間ごとに発生する手段と、
前記回転数指令値に基づいて前記各エンジン発電機駆動用エンジンの回転数目標値を、前記予定時間より短い時間間隔で演算する目標値演算手段と、
前記各エンジンの回転数の前記目標値に対する偏差が小さくなるように、前記各エンジンへの燃料供給を制御する手段とを具備し、
前記複数のエンジン発電装置の整流手段の各直流出力電圧が前記第2整流手段の直流出力電圧よりも低くないように設定されたことを特徴とするエンジン発電設備制御装置。 - 前記複数のエンジン発電装置の整流手段の各直流出力端子がそれぞれ順方向直列接続ダイオードを介して前記インバータ手段の入力端子に接続され、かつ前記各直流出力電圧が互いに異なるように設定されたことを特徴とする請求項9に記載のエンジン発電設備制御装置。
- 前記他の交流系統は商用電力系統であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のエンジン発電設備制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07829398A JP3733506B2 (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | エンジン発電設備制御装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP07829398A JP3733506B2 (ja) | 1998-03-11 | 1998-03-11 | エンジン発電設備制御装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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