JP3733076B2 - 畳表の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は泥染め工程を省いた畳表の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
住宅の和室に敷かれる畳は、植物であるイ草の持つ自然な色合や香りにより室内の雰囲気を和らげて安心感を与えるだけでなく、弾力性や吸音性に富み、しかも天然の植物による湿度調整作用により健康的であるなど種々の効果があり、昔から日本住宅には欠かせないものである。
【0003】
この畳の表面を覆う畳表は、イ草をシート状に織り上げたものである。近年、行なわれている畳表の製造方法は、6月から7月にかけて収穫したイ草に、天然の粘土を混合する泥染めが行なわれる。この泥染めしたイ草を乾燥させてから、シート状に織り上げて畳表を製造している。
【0004】
この泥染めにより、イ草の表面を泥でコーティングすることにより、乾燥工程で表面だけが乾くのを防止し、芯から水分が均一に抜けるようにすると共に、表面の酸化を防止して、緑色の状態を長く保つ効果があると言われている。しかしながらイ草を泥染めすると白っぽくなるため、現在は、合成着色剤を泥に混入して淡緑色に仕上げることが多くなってきた。
【0005】
しかしながら、この泥染めしたイ草で製造した畳表は、乾燥したイ草の表面のヒダの間に泥が挟まったままの状態であるため、畳職人が畳表を移動するたびに服が埃まみれとなり、部屋に畳を敷いてから表面を拭いて泥を除去するのに手間がかかる問題があった。またイ草に付着している泥は、水分を吸収してカビが発生する原因にもなっている。このため数年経ってから畳表を裏返ししようとすると、畳表の裏側は泥とカビで白く変色しており、裏返しができない問題が出てきた。また合成着色剤を添加したものは、色は鮮やかであるが人体に対して有害であり、使用上の問題があった。
【0006】
このため本発明者は、昔の畳は泥染めされておらず、年月の経過と共に艶のある飴色に変色していき、裏返しすると新品と同様な鮮やかな色が甦ったが、泥染めした最近の畳表では、最初は淡緑色できれいであるが数年経つと、畳の裏返しができない程、劣化する原因について調査した。
【0007】
この結果、昭和37年頃から日本の高度成長が始まり、工業社会とモーターリゼーションの急速な進展のため、生育環境が煤煙で汚染され、産地の岡山県産の畳表は、次第に鮮明な色合いや弾力性のある手ざわりがなくなり、畳表の産地は徐々に熊本県八代郡近辺に移行しはじめてきた。このため、岡山近辺のイ草生産農家は、土埃で汚染され、不生育な枯れ草が混じった「テレ」を隠すために、泥で表面をコーティングして均一にする、泥染めが行われるようになったことが判明した。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点を改善し、イ草から泥を除去することにより、自然の風合いを持ち、ダニやカビの発生を防止して、年月の経過と共に艶のある飴色に変色していき、裏返しすると新品と同様な鮮やかな色が甦る畳表の製造方法を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の畳表の製造方法は、収穫したイ草を水シャワーで洗浄して十分に水分を含ませた後、水切りし、次いで松ヤニを溶した竹酢液をイ草表面に噴霧した後、これを急速乾燥させ、しかる後、乾燥させたイ草を畳表に織り上げることを特徴とするものである。
【0010】
本発明の請求項2記載の畳表の製造方法は、松ヤニを溶した竹酢液が、竹酢液の原液100重量部に対して松ヤニ5〜20重量部を混合して溶解した液を、50〜300倍に薄めた液であることを特徴とするものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の工程を図1を参照して詳細に説明する。先ず栽培農家で収穫したイ草を水シャワーで洗浄する。この水シャワーは3時間以上連続して行なうと、イ草が十分に水分を含んで膨れ、表面のヒダの間が広がって、ここに付着していた土埃がほぼ完全に除去される。この後、水切りを行なってから、松ヤニを溶した竹酢液をイ草にスプレー噴霧して、表面に含浸させる。
【0012】
この場合、竹酢液の原液100重量部に対して松ヤニ5〜20重量部を混合して溶解した液を、約50〜300倍程度に薄めて噴霧する。松ヤニを溶かした竹酢液は、イ草の表面に含浸され、長期間にわたる防虫防カビ効果を維持することができる。竹酢液単独でも防虫防カビ効果はある程度発揮できるが、松ヤニを添加することにより持続して効果を維持することができる。なお松ヤニの添加量が5重量部未満であると防虫防カビ効果が少なく、また20重量部を超えて添加しても効果の向上は認められない。
【0013】
このように松ヤニを溶した竹酢液をイ草に噴霧して、表面に含浸させた後、乾燥機に入れて加熱し、急速乾燥させる。この急速乾燥によりイ草の含水率は10%程度にする。この後、袋詰めして、工場に搬送し、ここでイ草をシート状の畳表に織り上げる。この様に製造した畳表を、畳床の表面に張り付け、縁を付けて畳を完成する。
【0014】
【実施例】
(実施例1) 収穫したイ草を洗浄タンクに入れて水シャワーで5時間洗浄する。この後、水切りを行なってから、竹酢液の原液100重量部に対して松ヤニ10重量部を混合して溶解した液を、洗浄を終えたイ草の表面に噴霧した。この後、イ草を乾燥機に入れて13時間加熱して急速乾燥させ、イ草の含水率を12%にした。この後、袋詰めして、工場に搬送し、ここでイ草を畳表に織り上げた。この畳表を、畳床の表面に張り付け、縁を付け、完成した畳を部屋に敷いた。
【0015】
畳表は土埃が除去されているので、作業工程で衣服に土が付着することがなく、また色は天然のままの深緑色でイ草の自然な香りがした。この畳を敷いた部屋で生活をしながら、畳表の変化を見たところ、泥染めした畳表に比べて茶色に変化するのはやや早いが、ダニやカビの発生が全くなかった。
【0016】
また5年後に畳表を裏返したところ、新品同様の鮮やかな状態に保持されていた。これに対して、泥染めした畳表は、表面が次第に白っぽく変化していき、5年後に畳表を裏返したところ、粉を吹いたような状態となり、裏返して使うことができなかった。
【0017】
(実施例2) 収穫したイ草を洗浄タンクに入れて水シャワーで3時間洗浄する。この後、イ草を乾燥機に入れて14時間加熱して急速乾燥させ、イ草の含水率を11%にした。この後、袋詰めして、工場に搬送し、ここでイ草を畳表に織り上げた。
【0018】
この畳表と従来の泥染めしたイ草で織り上げた畳表に紫外線を照射して経年加速試験を行ない畳表の表面状態を比較した。この結果、本発明品は、深緑色から淡緑色に変化するのが早く、照射5時間後(5年間に相当)には、飴色に変色し、照射6時間後(6年間に相当)を経過すると更に深い飴色になった。
【0019】
これに対して、泥染めした畳表は、最初は淡緑色であったが照射2時間後(2年間に相当)には白っぽく変化し、照射6時間後(6年間に相当)に淡茶色になった。従って本発明品は、色の変化は速いが年月の経過と共に、艶のある飴色に変色して落ち着いた感じになったが、泥染めした畳表は、最初のうちは淡緑色の明るい感じがするが、すぐに白っぽくなり、最後に艶のない白っぽい茶色に変色した。
【0020】
【発明の効果】
以上説明した如く本発明に係る請求項1記載の畳表の製造方法によれば、畳の制作工程で衣服に土が付着することがなく、天然のままの深緑色でイ草の自然な香りが豊富でリラックス効果のある落ち着いた雰囲気の和室にすることができ。また従来の泥染めしたイ草を用いた畳表に比べて少し変色が早いが、ダニやカビの発生源となる土埃を除去しているので、防虫防カビ効果に優れ、有害な着色剤も添加していないので、近年問題となっている喘息などのシックハウスに対して効果的である。更に飴色に変色して畳表を裏返しても新品同様の鮮やかな状態を保持しているので、裏返しが可能であり経済的である。更に松ヤニを溶した竹酢液をイ草表面に噴霧して含浸させてあるので、長期間にわたって防虫防カビ効果を保持することができる
【0021】
また請求項2記載の畳表の製造方法によれば、竹酢液の原液に対して松ヤニの混合割合を規定したので、イ草の表面に含浸され易く、長期間にわたる防虫防カビ効果を維持することができる
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の畳表の製造工程を示す説明図である。

Claims (2)

  1. 収穫したイ草を水シャワーで洗浄して十分に水分を含ませた後、水切りし、次いで松ヤニを溶した竹酢液をイ草表面に噴霧した後、これを急速乾燥させ、しかる後、乾燥させたイ草を畳表に織り上げることを特徴とする畳表の製造方法
  2. 松ヤニを溶した竹酢液が、竹酢液の原液100重量部に対して松ヤニ5〜20重量部を混合して溶解した液を、50〜300倍に薄めた液であることを特徴とする請求項1記載の畳表の製造方法
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