JP3732608B2 - 画像形成装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザプリンタ、複写機、ファクシミリなどの画像形成装置に係り、特に、給紙トレイのトレイ底板上に載置された用紙を、給紙コロに圧接して給紙を行う型式の給紙装置を備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図5は従来例に係る画像形成装置としてのレーザプリンタの構成図である。
レーザプリンタ100は給紙トレイ1を有しており、用紙2は給紙トレイ1のトレイ底板3に積載された状態で画像形成装置本体内に収納されている。
トレイ底板3は後端部を中心に先端が揺動自在に設けられており、トレイ底板3の下部に設けられたスプリング4によりトレイ底板3は上側に押圧されており(2点鎖線で示す位置)、これにより、用紙2は給紙コロ5に押圧されている。
用紙2は、給紙コロ5の回転により図の左方向に送られ、給紙コロ5に押圧された分離部材6(押圧手段は図示せず)により1枚に分離されて搬送され、レジストローラ7まで送られる。
レジストローラ7でスキューを補正された用紙2は、感光体8上に書き込まれた画像とタイミングを合わせて送られ、転写ローラ9により感光体8上に書き込まれた画像を転写され、定着部10に送られ用紙上の画像を定着させられる。
定着部10を通過した用紙2は、排紙コロ11に送られ、排紙トレイ部12にスタックされる。なお、13はプロセスカートリッジ、14は排紙センサ、15は光学ユニットである。
【0003】
用紙2を給紙トレイ1にセットする場合、トレイ底板3が給紙コロ5に押圧された状態を一度解除して、トレイ底板3が下がった状態にする必要がある。これは、トレイ底板3が給紙コロ5に押圧されたままの状態では、給紙コロ5とトレイ底板3の間に用紙2をセットするのが難しいためである。
また、このときトレイ底板3は、トレイ底板3に用紙2を給紙トレイ1の仕様上の最大積載枚数セットとしても、用紙2の最上面が給紙コロ5に当たらない量だけ下がっている。
【0004】
図6は給紙トレイのトレイ底板を下げる機構を示す構成図である。
この機構は、特開平62−83932号公報に記載されたものであり、用紙セット時、手動でレバー16を移動させることにより、コイルスプリング28の付勢力をトレイ底板3に付与しているリンク29を実線で示す位置に回動させて強制的にトレイ底板3を押し下げ保持し、用紙2をセットしたらレバー16を戻して、トレイ底板3をフリーの状態に戻す(この例ではレバー16の動きに連動させて摩擦分離部材6の給紙コロ5に対する押圧も解除している)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら上記従来技術においては、手動でレバー16を移動させなければトレイ底板3を下げられず、また用紙セット後にレバー16を戻す必要があり、操作性が悪いという問題がある。特に、用紙セットという目的に対してレバー16を移動させるという動作の関連が不自然であり、ユーザが誤った操作(例えばレバー16を下げないで用紙をセットしようとする、用紙をセットした後でレバー16を戻すのを忘れるなど)をするおそれがある。
【0006】
また従来技術では、用紙を1枚給紙する度に、給紙動作終了後に毎回トレイ底板を用紙セット可能な位置まで下げるようにしている。
しかし、トレイ底板を給紙動作終了後に毎回下げるための機構が必要で、コスト、スペースが必要である。
また、給紙動作終了後に毎回トレイ底板を下げ、給紙開始時には底板を上げるため、給紙動作を開始してから底板が上がり、用紙が給紙コロに押圧されるまでに時間を要するため、実際に用紙が送られるまでにタイムラグが生じてしまう。
特に、積載される用紙の枚数が多く設定されている場合、トレイ底板が上下する量が大きいため、このタイムラグが大きくなってしまう。このタイムラグが大きいと、給紙命令を受けてから用紙が実際に給紙される時間が大きくなり、プリントスピードが遅くなるという不具合がある。
【0007】
本発明の課題は、用紙をセットする場合のみ、手動でトレイ底板を下げるようにして、操作性が良くユーザが誤操作することを防止することのできる画像形成装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題は、装置本体内に設けられ、一端側で軸支され、他端側である給紙方向先端が上下方向に揺動自在のトレイ底板及び、前記トレイ底板の先端部を上方の給紙コロに付勢する付勢手段を有する給紙トレイと、装置本体側面に開閉自在に設けられ、装置本体の外装カバーを兼ねている用紙カバーと、前記用紙カバーが開けられた状態で、前記付勢手段の付勢力に抗して前記トレイ底板先端部を非給紙位置に下げて保持すると共に、前記用紙カバーが閉じられた状態で、前記トレイ底板先端部を前記付勢手段の付勢力を受けて給紙可能なフリーの状態にするトレイ底板押圧機構とを備え、前記用紙カバーの開閉支点は用紙カバーの下端であって、かつ前記トレイ底板の軸支部分近傍に位置した第1の手段により解決される
上記課題は、第の手段において、前記トレイ底板押圧機構は、前記用紙カバーと一体的に設けたギヤと、このギヤと直接または間接的にかみ合うギヤ部を有し、前記トレイ底板に接離するカムとを備えた第の手段により解決される。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、図5に示す従来例と同一個所には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
図1は本発明の実施の形態の画像形成装置としてのレーザプリンタにおいて、用紙カバーが閉じられた状態を示す構成図、図2は同、用紙カバーが開かれる際の各部の動きを矢印で示す図、図3は同、開かれた状態の用紙カバーが再び閉じられる際の各部の動きを矢印で示す図、図4はトレイ底板が下がった状態の給紙トレイと用紙カバー部の斜視図である。
【0010】
図1において、レーザプリンタ100は、図5と同様、先端が上下揺動可能で、コイル状のスプリング4により上方に付勢されるトレイ底板3を有する給紙トレイ1を備えている。
また装置本体側面には、下端の軸支部を中心として上方が開閉可能になっている用紙カバー20が設けられ、この用紙カバー20は装置本体の外装カバーを兼ねている。給紙トレイ1に積載された用紙2は、用紙カバー20により装置本体の外部から遮断され、外部からの湿気や埃等からカバーされている。
用紙カバー20にはギヤ部21が一体に設けてあり、このギヤ部21はアイドラギヤ列22を介してカム23のギヤ部24にかみ合うように設けられている。
図1に示すように、用紙カバー20が閉じられた状態では、用紙カバー20と一体に設けられたギヤ部21がアイドラギヤ列22から離れた状態にあり、カム23とかみ合ってはいない。このため、カム23はフリーな状態にあり、自重により時計回り方向に回転する力を受け、ストッパ25に当たった状態で止まっている。
カム23のギヤ部24は、図4に示すように、トレイ底板3と当たらないよう、トレイ底板3の用紙積載領域の外側に配置されている。トレイ底板3は、カム23からの規制がないためフリーな状態にあり、用紙2を給紙コロ5に押圧しており、給紙可能状態にある。
【0011】
カム23は、回転によりトレイ底板3の用紙積載範囲より外側の面に当たり、トレイ底板3を押し下げる。カム23はトレイ底板3からFの力を受けるが、用紙カバー20が最大に開かれたときは、カム23の位置により力Fはカム23を矢印B方向に回転させるモーメントMを生じるように設けられている。
このため、カム23は矢印B方向に回転しようとするが、用紙カバー20がストッパ26によりそれ以上開くのを規制されているため、カム23もそれ以上の矢印B方向の回転を規制され、図の状態で保持される。これにより、トレイ底板3が下がった状態で保持される(図4も参照)。
【0012】
用紙カバー20が開かれた状態(図2)から閉じられる(矢印B方向に回転)ときに、図3に示すように、用紙カバー20の回転によりカム23は矢印A方向に回転する。カム23は回転によりトレイ底板3から離れ、トレイ底板3はフリーな状態(給紙コロ5に用紙2を押圧する状態)になる。
図の位置まで用紙カバー20が閉じられたとき、用紙カバー20と一体に設けられたギヤ部21がアイドラギヤ列22から外れる。このため、カム23は用紙カバー20と一体に設けられたギヤ部21に対してフリーになり、自重により矢印A方向に回転し、ストッパ25で回転を規制される位置で保持される。
【0013】
次に、前記実施の形態の動作について説明する。
図1は用紙カバー20が閉じられた状態を示すものであり、用紙カバー20と一体に設けられたギヤ部21がアイドラギヤ列22から離れた状態にあり、カム23とかみ合ってはいない。このため、カム23はフリーな状態にあり、自重により時計回り方向に回転する力を受け、ストッパ25に当たった状態で止まっている。トレイ底板3は、カム23からの規制がないためフリーな状態にあり、用紙2を給紙コロ5に押圧しており、給紙可能状態にある。
【0014】
この図1の用紙カバー20が閉じられた状態から用紙カバー20が開かれる(矢印A方向;時計回り方向に回転する)ときに、用紙カバー20と一体に設けられたギヤ部21も矢印A方向に回転してアイドラギヤ列22とかみ合い、これによりアイドラギヤ列22とかみ合うカム23のギヤ部24を矢印B方向、つまり反時計回り方向に回転させる。
そして、図2及び図4に示すように、カム23は、回転によりトレイ底板3の用紙積載範囲より外側の面に当たり、トレイ底板3を押し下げる。カム23はトレイ底板3からFの力を受けるが、用紙カバー20が最大に開かれたときは(図2の状態)、カム23の位置により力Fはカム23を矢印B方向に回転させるモーメントMを生じるように設けられている。
このため、カム23は矢印B方向に回転しようとするが、用紙カバー20がストッパ26によりそれ以上開くのを規制されているため、カム23もそれ以上の矢印B方向の回転を規制され、図2の状態で保持される。これにより、トレイ底板3が下がった状態で保持される(図4も参照)。
【0015】
図2の用紙カバー20が開かれた状態から用紙カバー20が閉じられる(矢印B方向に回転)ときに、図3に示すように、用紙カバー20の回転によりカム23は矢印A方向に回転する。カム23は回転によりトレイ底板3から離れ、トレイ底板3はフリーな状態(給紙コロ5に用紙2を押圧する状態)になる。
そして、図3の位置まで用紙カバー20が閉じられたとき、用紙カバー20と一体に設けられたギヤ部21がアイドラギヤ列22から外れる。このため、カム23は用紙カバー20と一体に設けられたギヤ部21に対してフリーになり、自重により矢印A方向に回転し、ストッパ25で回転を規制される位置で保持される。
図3の状態から更にこのまま用紙カバー20を閉じると、用紙カバー20を完全に閉めた状態(図1)となり、給紙可能になる。
【0016】
このような前記実施の形態にあっては、装置本体内に設けられ、給紙方向先端が上下方向に揺動自在のトレイ底板3及び、トレイ底板3の先端部を上方の給紙コロ5に付勢する付勢手段を有する給紙トレイ1と、装置本体側面に開閉自在に設けられ、装置本体の外装カバーを兼ねている用紙カバー20と、用紙カバー20が開けられた状態で、付勢手段の付勢力に抗してトレイ底板先端部を非給紙位置に下げて保持すると共に、用紙カバー20が閉じられた状態で、トレイ底板先端部を付勢手段の付勢力を受けて給紙可能なフリーの状態にするトレイ底板押圧機構(21,22,23,24)とを備えたため、外装カバーを兼ねた用紙カバー20を有し、用紙カバー20を開けないと給紙トレイ1が見えない構成のため、用紙をセットするときは用紙カバー20を開けるという動作は自然なものとなる。そして用紙カバー20を開けたときに用紙カバー20の動きに連動してトレイ底板3を下げるため、用紙2をセットするときは常にトレイ底板3が下がっている状態になる。
このため、ユーザがトレイ底板3を下げないで用紙セットをするという誤操作を防止でき、また自然な動作でトレイ底板3を下げることができるので、操作性を向上させることができる。
また、用紙カバー20が外装カバーを兼ねているため、用紙2をセットした後は用紙カバー20を閉じるということが、用紙2のセットに対して関連性のない特別な動作ではなく自然な動作となり、用紙セット後にトレイ底板3が下がった状態を解除することを忘れるというユーザの誤操作を改善することができる。
従って、全体としてユーザの操作性を損ねることがなく、簡単な機構で用紙セット時にトレイ底板3を下げ、また用紙セット後にトレイ底板3を使用可能な状態に戻すことができる。
【0017】
【発明の効果】
発明によれば、一端側で軸支され、他端側である給紙方向先端が上下方向に揺動自在のトレイ底板及び、トレイ底板の先端部を上方の給紙コロに付勢する付勢手段を有する給紙トレイと、装置本体側面に開閉自在に設けられ、装置本体の外装カバーを兼ねた用紙カバーを有し、トレイ底板押圧機構により、用紙カバーが開けられた状態で、トレイ底板先端部を非給紙位置に下げて保持すると共に、用紙カバーが閉じられた状態で、トレイ底板先端部を給紙可能なフリーの状態にし、かつ用紙カバーの開閉支点は用紙カバーの下端であって、かつ前記トレイ底板の軸支部分近傍に位置したため、用紙カバーの下端の軸支点分を中心にして用紙カバーを下げる方向に開けることにより、用紙カバーを開け始めると用紙カバーはその自重によって開く方向へ力が作用し、開いた状態で保持される。したがって、用紙を補給する際は片手で用紙カバーを押さえつづける必要はなく、操作性の向上をが図ることができ、また、用紙カバーの開動作の途中で用紙カバーから手が外れて、用紙カバーが勝手に閉じる方向に動くことはなく、閉まる用紙カバーによって手を挟むことはなく、安全性の向上を図ることができる。
また、用紙カバーを開けたときに用紙カバーの動きに連動してトレイ底板を下げるため、用紙をセットするときは常にトレイ底板が下がっている状態になる。このため、ユーザがトレイ底板を下げないで用紙セットをするという誤操作を防止でき、また自然な動作でトレイ底板を下げることができるので、操作性を向上させることができる。
また、用紙カバーが外装カバーを兼ねているため、用紙をセットした後は用紙カバーを閉じるということが、用紙のセットに対して関連性のない特別な動作ではなく自然な動作となり、用紙セット後にトレイ底板が下がった状態を解除することを忘れるというユーザの誤操作を改善することができる。
従って、全体としてユーザの操作性を損ねることがなく、簡単な機構で用紙セット時にトレイ底板を下げ、また用紙セット後にトレイ底板を使用可能な状態に戻すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の画像形成装置としてのレーザプリンタにおいて、用紙カバーが閉じられた状態を示す構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の画像形成装置としてのレーザプリンタにおいて、用紙カバーが開かれる際の各部の動きを矢印で示す図である。
【図3】本発明の実施の形態の画像形成装置としてのレーザプリンタにおいて、開かれた状態の用紙カバーが再び閉じられる際の各部の動きを矢印で示す図である。
【図4】トレイ底板が下がった状態の給紙トレイと用紙カバー部の斜視図である。
【図5】従来例に係る画像形成装置としてのレーザプリンタの構成図である。
【図6】従来の給紙トレイのトレイ底板を下げる機構を示す構成図である。
【符号の説明】
1 給紙トレイ
2 用紙
3 トレイ底板
4 スプリング
5 給紙コロ
20 用紙カバー
21 ギヤ部
22 ギヤ列
23 カム
24 ギヤ部
25,26 ストッパ

Claims (2)

  1. 装置本体内に設けられ、一端側で軸支され、他端側である給紙方向先端が上下方向に揺動自在のトレイ底板及び、前記トレイ底板の先端部を上方の給紙コロに付勢する付勢手段を有する給紙トレイと、
    装置本体側面に開閉自在に設けられ、装置本体の外装カバーを兼ねている用紙カバーと、
    前記用紙カバーが開けられた状態で、前記付勢手段の付勢力に抗して前記トレイ底板先端部を非給紙位置に下げて保持すると共に、前記用紙カバーが閉じられた状態で、前記トレイ底板先端部を前記付勢手段の付勢力を受けて給紙可能なフリーの状態にするトレイ底板押圧機構とを備え
    前記用紙カバーの開閉支点は用紙カバーの下端であって、かつ前記トレイ底板の軸支部分近傍に位置したことを特徴とする画像形成装置。
  2. 請求項記載において、前記トレイ底板押圧機構は、前記用紙カバーと一体的に設けたギヤと、このギヤと直接または間接的にかみ合うギヤ部を有し、前記トレイ底板に接離するカムとを備えたことを特徴とする画像形成装置。
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