JP3732114B2 - 駐車場管理システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、駐車場管理システムに係わり、特に、駐車場からの車両盗難検知、又は車両盗難検知時の通報や措置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の駐車場管理システムとして、駐車場の空きスペースを検知し、それを表示することによって、駐車し易い便宜をはかるものがある。例えば、特開平6−223299号公報に示された駐車場管理装置では、複数の駐車エリアに対して1台の車両検出手段が設置され、車両の有無を監視して、その有無を表示している。この装置で車両スペースの車両の有無を検知するセンサは管理する4台分の駐車エリアに対応して各方向に向けた4つのセンサを備え、超音波や赤外線などを利用したものである。即ち、超音波や赤外線を車両で遮断されたことで駐車車両を検知している。
【0003】
また、特開平10−40430号公報に示されるような駐車料金自動課金収受決済システムもある。このシステムでは、車または運転者の識別情報を車上通信装置が読み取り、入口装置と出口装置において車上通信装置と路上通信装置が通信することにより、路上通信装置が車の入庫、出庫時刻を把握でき、駐車料金を計算し、課金するものである。
【0004】
また、特開平9−240431号公報に示される車両盗難防止装置のように、車両の機器の破壊を検出し、車両の盗難を防ぐものもある。
図9は特開平9−240431号公報に示された従来の車両盗難防止装置を示すブロック図であり、図において、71がエンジンコントローラ(ECCS)、72がイモビライザユニット(IMMC/U)、73が車載通信装置(IVCS:In Vehicle CommunicationSystem )、74が自車位置をモニターするGPS(Global Positioning System )、75がオペレーションセンター、76が自動車電話である。
【0005】
GPS74がモニターしている自車位置情報を車載通信装置73が自動車電話76によってオペレーションセンター75に自動通報する。エンジンの始動は車両のキーから発信されるキーID番号の照合が成立した場合に行うことで、不正なキーによる盗難を防止している。また、イモビライザユニット72がGPS74と車載通信装置73との異常有無の診断を行い、異常診断した時に車内にウォーニングを行う。さらにウォーニングの後、所定時間が経過するまでの間に所定の解除コードを受信しない時には、イモビライザユニット72がエンジンコントローラ71にエンジン停止指令を与えて車両のエンジンを強制的に停止させる。こうして、GPS74や車載通信装置73が不正に取外されたり破壊された時には、本来の車両利用者なら当然知っているはずの解除コードを受信しない限り車両の自走ができないようにして盗難防止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来の駐車場管理システムでは、駐車場からの車両の盗難を検出するものはなく、また、車両の有無の判定だけでは、車両が盗難されたのか利用者が自分で出庫したのかの区別がつかないという問題点もあった。
【0007】
また、従来の車両盗難防止装置においては、車両内の装置で盗難を検出していたため、車両本体ごと盗難される場合や、診断を行っているイモビライザユニットなどの検出装置自体が解除された場合や、検出装置自体が破壊された場合には、盗難を防止できないという問題点があった。
【0008】
この発明は、駐車場からの車両の盗難を確実に検出し、検出手段の不正な解除も確実に検出できる駐車場管理システムを得ることを目的としたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明に係わる駐車場管理システムは、車両利用者の識別情報記録媒体に記録されている個人識別情報を入力する識別情報入力手段とこの個人識別情報を無線送信する無線通信手段とを有する車載通信手段と、上記車載通信手段との間で無線通信することにより、管轄する駐車エリアの車両の有無とその車両の個人識別情報を検知する路上通信手段と、複数の上記路上通信手段が検知した情報を受信して駐車場の管理を行うセンター制御手段とを備え、上記車載通信手段は上記識別情報記録媒体の着脱情報を上記路上通信手段に送信し、上記路上通信手段は上記着脱情報を受信し、上記識別情報記録媒体が離脱されてから同一の上記識別情報記録媒体が装着されるまでの間に、上記識別情報記録媒体が装着されていない状態で、上記車載通信手段との通信が遮断された場合に、上記車両の盗難を検知し、上記センター制御手段へ通報するように構成したものである。
【0010】
また、この発明に係わる駐車場管理システムは、上記車載通信手段は、盗難監視設定手段を有し、車両利用者が上記盗難監視設定手段で盗難監視を設定した場合、その設定情報を上記路上通信手段に送信し、上記路上通信手段は盗難監視設定時に車両盗難の検知を行うように構成したものである
【0011】
また、この発明に係わる駐車場管理システムは、上記センター制御手段を、上記路上通信手段から車両盗難が通報されたとき、駐車場のゲートを閉鎖すると共に、通信回線を介して外部に連絡するように構成したものである。
【0012】
また、この発明に係わる駐車場管理システムは、上記センター制御手段は、上記路上通信手段と通信することにより上記路上通信手段の動作を確認し、上記路上通信手段が正常に動作しなくなったことで車両の盗難を検知し、通信回線を通して外部に連絡するように構成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1における駐車場管理システムの概要を示す平面図である。
図において、1a、1bは車両で、車両1aは駐車しており、車両1bはこれから駐車場へ入ろうとしている状態である。33は駐車場の出入口に設けられているゲート手段、34は例えば駐車場の管理室などに設置されているセンター制御手段、35はそれぞれの車両に搭載されている車載通信手段、36は路上通信手段でこの駐車場管理システムには例えば2台設置されており、それぞれ4箇所の駐車エリアを管轄している。2台の路上通信手段36、ゲート手段33、センター制御手段34は相互に有線または無線の通信回線で接続されている。車両1a、1bには車載通信手段35が搭載されており、路上通信手段36と無線通信を行うことができる。
【0014】
図2は実施の形態1における駐車場管理システムの構成を示すブロック図である。図において、21〜27は車載通信手段35を構成するもので、20は識別情報記録媒体で、車両利用者の個人識別情報(ID)が例えば磁気的に所定のフォーマットに従って記録されているカード(以下、IDカードと記す)である。21は識別情報入力手段で例えばカード読取手段、22はカード着脱検知手段、23は盗難監視設定手段、24は制御手段、25は機器識別情報(以下、機器IDと記す)、26は無線通信手段、27はアンテナである。
また、28〜32は路上通信手段36を構成するもので、28はネットワーク通信手段、29はID照合手段、30は制御手段、31は無線通信手段、32はアンテナである。
【0015】
以下、各機器について、詳しく説明する。車載通信手段35におけるカード読取手段21は、装着されているIDカード20の個人情報を読み取り、制御手段24に送る。カード着脱検知手段22はIDカードの着脱の状態を制御手段24に知らせる。盗難監視設定手段23は例えばスイッチで構成され、このスイッチを車両利用者がON/OFF操作することで、駐車している間に盗難監視機能を稼動させるかどうかを選択することができる。機器ID25はそれぞれの車載通信手段35の識別コードを記憶している。無線通信手段26は無線通信する際の通信相互間におけるデータと内部処理データとの変換を行う。制御手段24は車載通信手段35の全制御を包括的に担うものである。
また、路上通信手段36におけるネットワーク通信手段28は、センター制御手段34との通信データ変換をおこなう。ID照合手段29は車載通信手段35から送信される機器ID25の内容の変化を監視する。制御手段30は路上通信手段36の全制御を包括的に担うものである。無線通信手段31は無線通信する際の通信相互間におけるデータと内部処理データとの変換を行う。
また、ゲート手段33はセンター制御手段34からの指令によりゲートの開閉駆動を行う。センター制御手段34は路上通信手段36が検知した情報を受信して全体的な駐車場の管理を行っており、具体的には例えば車載通信手段35と路上通信手段36とゲート手段33の状態監視、ゲート手段33への指示及び通信回線を通じて外部、例えば警察や警備会社への通報、駐車料金の計算などを行う。
【0016】
以下、実施の形態1による駐車場管理システムの動作について説明する。今、車両1aが駐車場エリアに駐車したとする。図3は車両が駐車エリアに入って来てから車両盗難監視開始または駐車開始までの手順の一例を示すフローチャートである。この動作は主に車載通信手段35と路上通信手段36によって行われる。車両1aが駐車エリアに入った時点では車両利用者のIDカード20は車載通信手段35に装着されている。カード読取手段21はIDカード20の個人IDを読み取り、制御手段24に通知する。図3において、S31で路上通信手段36が管轄している駐車エリアの車載通信手段35を捕捉したかどうかを判断し、路上通信手段36と車載通信手段35との通信が確立した場合(S31の判断でYとなった場合)、S32でその車両の車載通信手段35に対して個人IDと機器ID25を送信するように要求する。その結果、車載通信手段35から路上通信手段36に個人IDと機器IDが送信される。S33では、この送信された個人IDと機器ID25を路上通信手段36が記憶し、S34で路上通信手段36が車両盗難監視機能稼動可能であることを車載通信手段35へ通知する。車両利用者は車両盗難監視機能稼動可能であることを、例えば盗難監視設定手段23に表示されることにより知る。そして、車両利用者は盗難監視設定手段23のスイッチをON/OFF操作することで、駐車している間に車両盗難監視機能を稼動させるかどうかを選択する(S35)。S36では車両盗難監視設定の有無を車載通信手段35から路上通信手段36に送信する。S37で車両利用者が車載通信手段35からIDカード20を抜き出し、このS38でIDカードが離脱したことをカード着脱検知手段22が検出して路上通信手段36に送信する。この時点で車両1aが駐車開始となり、さらに車両盗難監視設定をありとした車両に対しては、車両盗難監視を開始する。この駐車エリアの駐車開始または車両盗難監視開始と、駐車した車両に関する個人IDおよび機器IDの情報は、路上通信手段36からセンター制御手段34に通知されて状態監視される。
【0017】
図4は車両盗難監視開始または駐車開始の後の動作を示すフローチャートである。S41で車両盗難監視の設定の有無を判断し、設定されている場合はS42で車両盗難監視を行う。車両盗難監視の動作については後で図5に基いて詳しく説明する。S41の判断で車両盗難監視が設定されていない場合には、S43で車両利用者が再びIDカード20を車載通信手段35に装着するまで待機状態となる。IDカードが装着されたことをカード着脱検知手段22で検知し、車載通信手段35はIDカードの装着を路上通信手段36に通知して(S44)、駐車終了であることを認識する。この駐車終了の情報がセンター制御手段34に送信され、駐車料金の計算(S45)や、ゲートの開閉などの出庫処理(S46)を行い、車両1aに関する一連の駐車処理が終了する。この実施の形態では車両利用者が駐車中の車両盗難監視機能の稼動の有無を選択でき、車両利用者の都合に応じて対応ができる。
【0018】
図5は車両利用者が車両盗難監視を設定した時の車両盗難監視の動作を示すフローチャートである。盗難監視機能が稼動開始となると、車載通信手段35と路上通信手段36は定期的、例えば数秒毎に機器IDなどを通信する。この状態で車両窃盗のため車両をアンテナ32の通信エリアの範囲外に移動すると、車載通信手段35と路上通信手段36の通信が遮断されるので、路上通信手段36で盗難を検出できる。このため、S51で車載通信手段35と路上通信手段36の通信が遮断されたかどうかを判断し、遮断された場合にはS57の車両盗難措置を行う。車載通信手段35を破壊して車両の窃盗を試みようとした場合にも、車載通信手段35と路上通信手段36の通信が遮断されるので、S51の判断でYとなり、車両盗難措置を行う。
【0019】
また、異なる車載通信手段35を持ってきて路上通信手段36との通信を継続させた状態で、車両を盗難しようとした場合、車載通信手段35が固有の値として機器IDを持たせることで盗難を検知できる。そこで、定期的に通信している際に車載通信手段35から送信された機器IDが、駐車開始時に路上通信手段36が記憶した機器IDと異なるかどうかをID照合手段29で判断し(S52)、異なる機器IDを確認した場合にはS57の車両盗難措置を行う。
【0020】
また、異なるIDカード20を用いて車両の盗難を試みようとした場合には、S53〜S55で検出できる。即ち、S53で車載通信手段35に再度IDカード20が装着されたかどうか判断する。IDカードが装着された場合、カード着脱検知手段22でIDカードの装着を検知し、車載通信手段35はIDカードの装着情報とそのカードの個人IDを路上通信手段36に通知する(S54)。S53の判断でIDカードが装着されるまではS51,S52を繰り返すことで、車両の盗難を監視している。
【0021】
S55の判断で駐車開始時に記憶した個人IDと再度装着された個人IDが一致しない場合には、車両の盗難であると認識してS57の車両盗難措置を行う。S55の判断で駐車開始時と同じ個人IDの場合には、正規の車両利用者による駐車終了であると認識する。そして、路上通信手段36は車両盗難監視機能を解除し、これを車載通信手段35に通知し(S56)、車両利用者がこの解除を確認してから発車させる。その後、図4のS45の処理に移る。車両盗難措置(S57)は、具体的には例えばセンター制御手段34によってゲート手段33に指令することで駐車場のゲートを閉鎖して車両が出庫できなくしたり、警報を鳴らしたり、通信回線を介して警察などの外部への通報するなどである。
【0022】
この実施の形態では、車両利用者がIDカードを着脱することで駐車開始、終了を認識するので、超音波センサや赤外線センサで車両の駐車を認識するのに比べ、駐車開始及び駐車終了を確実に検知できる。
また、駐車車両の鍵をこじ開けてIDカードを装着せずに窃盗しようとする場合、不正な車載通信手段を用いたり車載通信手段を破壊して窃盗しようとする場合、及び不正なIDカードを用いて窃盗しようとする場合に、確実に車両の盗難を検出できる。特に盗難検知を車両だけで行うのではなく、車両の外の路上通信手段でも行っているので、車両内の盗難検知部分を破壊するような盗難に対しても確実に盗難検知を行うことができる。
【0023】
また、センター制御手段34は、路上通信手段36と定期的、例えば数秒毎に通信することで路上通信手段36の動作を確認している。路上通信手段36が破壊された場合、路上通信手段36が正常に動作しなくなるのでこれを検知することで車両の盗難を検知できる。また、路上通信手段36が破壊されるような盗難は周囲の目がある白昼よりも夜間に発生しやすいので、夜間に限って路上通信手段36を定期的に監視するように構成してもよい。
【0024】
実施の形態2.
図6(a)〜(c)は、この発明の実施の形態2における路上通信手段36のアンテナの通信エリアを示す説明図である。なお、駐車場管理システムの他の各部及び動作は、実施の形態1と同様である。
実施の形態1で説明したように、路上通信手段36は車両の車載通信手段35と無線通信することで情報の送受を行っている。この際の路上通信手段36の無線通信手段としては狭域無線通信を使う。狭域無線通信では、管轄する駐車エリアに対応してビームパターンが考えられる。図6(a)、(b)、(c)はそれぞれ路上通信手段36のアンテナ32とそのアンテナから放射するビームで通信できる通信エリア2、2a〜2dを示している。
【0025】
図6(a)では1つの路上通信手段36は複数、例えば4箇所の駐車エリアを管轄しており、アンテナ32を駐車エリアの隣接する4箇所の中心に敷設する。そして複数本、例えば4本のビームを周囲4箇所2a〜2dに向けて放射する。車両が駐車し、その車両に搭載されている車載通信手段35と通信する場合には、駐車した車両の車載通信手段35の位置に応じて最適なビームを選択して受信する。例えば、図に示す様に車両1aが駐車エリアに入ってきたとする。この時アンテナ32の通信エリア2aに向けて放射していたビームによって車載通信手段35を捕捉する。この後、路上通信手段36は車両1aの車載通信手段35と通信する場合には通信エリア2aのビームを選択する。
このような複数のビームを持つアンテナ32を有する路上通信手段36を用いると、1つの駐車エリア毎にアンテナを敷設することに比べ、駐車場システムの設備費用を低減できる。
【0026】
図6(b)は1つの広い範囲のビームを放射するアンテナ32によって、複数箇所、この場合は4箇所の駐車エリアを管轄する。このアンテナ32は、管轄する駐車エリアに駐車する車両の車載通信手段の位置に依存しないくらい広い通信エリアをもつアンテナ32である。
このようなアンテナ32を有する路上通信手段36を用いると、図6(a)のアンテナ32を用いるのに比べ、より一層、費用を節約できる。
【0027】
図6(c)において、路上通信手段36は、1つの駐車エリアに複数、例えば2本のアンテナ32a、32bを設置し、駐車した車両の車載通信手段35の位置によって最適なアンテナを選択して通信するように構成している。1本のアンテナ32a、32bの通信エリアは狭い範囲のものであり、駐車エリアの車両位置の前側と後側に向けて放射する。例えば車両1aが存在する駐車エリアへの通信エリアは、アンテナ32aでは通信エリア2aとし、アンテナ32bでは通信エリア2bとなるように放射する。車両1aが図のように駐車してある場合には、車載通信手段35の設置位置は通信エリア2aの範囲にあるので、路上通信手段36は車両1aとの通信にはアンテナ32aを選択する。このように構成すれば、より狭域の通信エリアを持つアンテナを用いることもできる。
なお、路上通信手段36はアンテナ2本を有し、1箇所の駐車エリアを管轄するものとしているが、複数箇所の駐車エリアを管轄するように構成することもできる。例えば4箇所の駐車エリアを管轄するように構成する場合には、2本で1箇所の駐車エリアで、計8本のアンテナを有するように構成してもよい。
【0028】
上記(a)〜(c)ではさまざまな通信エリアのアンテナ32を用いて路上通信手段36を構成しているが、いずれの場合にも車載通信手段35の車両内の設置位置によらずに、常に最適な通信状態のビームにより通信することができる。
【0029】
実施の形態3.
図7はこの発明の実施の形態3における車載通信手段35と車両1との構成を示すブロック図である。図において、車載通信手段35はカード読取手段21、カード着脱検知手段22、盗難監視設定手段23、制御手段24、機器ID25、無線通信手段26、アンテナ27、盗難監視手段55、勘合部51aで構成される。車両1は、車両識別情報送信手段(以下、車両ID送信手段)52、警報報知手段53、車両不動作手段54、勘合部51bで構成される。なお、路上通信手段36や他の各部の構成や動作は、実施の形態1または実施の形態2と同様である。
【0030】
車載通信手段35の勘合部51aは車両の勘合部51bと機械的に勘合し、勘合部51a、51bの接続状態は電気信号に変換されて盗難監視手段55に伝達される。車両ID送信手段52は車両固有のIDをデータ通信にて盗難監視手段55に定期的に送信する。盗難監視手段55は、車両1の状態を定期的に監視しており、車両1が異常状態となった場合に車両盗難が発生したとする。具体的には車両の状態を勘合部51a、51bの勘合と車両IDを監視しており、勘合部51a、51bの離脱及び車両IDの受信不能で車両が異常状態になったと認識している。即ち車両IDが受信不能になった場合及び勘合部51a、51bからの離脱信号を得た場合、またこれに加えて制御手段24を介して駐車場側からの盗難検出信号を得た場合に、警報報知手段53及び車両不動作手段54へ動作指示信号を送出して作動指令を行う。警報報知手段53は車内・車外へ音や光で発信する手段を有する。車両不動作手段54はエンジン停止信号を車両1のエンジン制御ユニットへ送信する。
【0031】
次に実施の形態3に係る駐車場管理システムの動作について説明する。図8は盗難監視手段55の動作を示すフローチャートである。この動作は、車両1が駐車中で、盗難監視設定手段23の車両盗難監視設定をONとした場合のものである。
盗難監視手段55は勘合部51a、51bの着脱情報を定期的、例えば数秒毎に監視しており、車載通信手段35の勘合部51aと車両の勘合部51bが離脱した場合、車両1の盗難を認識する。そこでS81で勘合部の離脱信号を検出し、S83で制御手段24、無線通信手段26を介して路上通信手段36へ車両盗難の発生を通知する。さらにS85の車両側での車両盗難措置を行う。また、盗難監視手段55は車両ID送信手段52から車両固有のIDをデータ通信にて定期的、例えば数秒毎に受信しており、S82で車両IDの受信が不能な状態になった場合(S82のY)、S83で路上通信手段36へ通知し、S85の車両側での車両盗難措置を行う。
さらに、S83で車両盗難の発生が路上通信手段36に送信された後、駐車場側の車両盗難措置(S57)で、外部への通報やゲート閉鎖などを行う。
【0032】
さらに、実施の形態1で示したように、車両盗難監視時に路上通信手段36やセンター制御手段34で車両盗難を検出し、その盗難検出結果が通知された場合、または車載通信手段35と路上通信手段36との通信が遮断された場合、車載通信手段35はこれを盗難と判断し、その盗難検出結果を制御手段24を経由して盗難監視手段55に通知する。S84の判定で車両盗難検出信号ありとなった場合(S84のY)、S85で車両側での車両盗難措置へ移行する。なお、ここで盗難検出の判断を車載通信手段35で行なうように述べているが、これに限るものではなく、制御手段24で行なってもよい。
ここで、車両盗難措置としては、車両内の警報報知手段53、例えば光や音による外部への通知、及び車両不動作手段54によるエンジン停止などを行う。
【0033】
この実施の形態では、車載通信手段35に盗難監視手段55を設けて盗難を監視することにより、車載通信手段35を車両の勘合部51a、51bの勘合を離脱することで取り外したり、車載通信手段35を別に設けたバッテリー駆動により取り外して、その場に置いて車両のみの盗難を試みようとした場合にも、その盗難を検知して対処することができる。また、車両内に警報報知手段53と車両不動作手段54を設けることで、車両側でも盗難時の対処ができ、盗難を未然に防ぐことができる。
【0034】
なお、実施の形態1、実施の形態2において、盗難の検出を路上通信手段36で行っているが、センター制御手段34で行なってもよい。
また、車載通信手段35と路上通信手段36の無線通信手段として狭域無線通信の場合を説明したが、これに限るものではなく、車両と路上間の通信を行う他の車載通信手段、例えばBluetooth通信などでもまったく同様である。
【0035】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように、車両利用者の識別情報記録媒体に記録されている個人識別情報を入力する識別情報入力手段とこの個人識別情報を無線送信する無線通信手段とを有する車載通信手段と、上記車載通信手段との間で無線通信することにより、管轄する駐車エリアの車両の有無とその車両の個人識別情報を検知する路上通信手段と、複数の上記路上通信手段が検知した情報を受信して駐車場の管理を行うセンター制御手段とを備え、上記車載通信手段は上記識別情報記録媒体の着脱情報を上記路上通信手段に送信し、上記路上通信手段は上記着脱情報を受信し、上記識別情報記録媒体が離脱されてから同一の上記識別情報記録媒体が装着されるまでの間に、上記識別情報記録媒体が装着されていない状態で、上記車載通信手段との通信が遮断された場合に、上記車両の盗難を検知し、上記センター制御手段へ通報するように構成したものである。そのため、路上通信手段は、車載通信手段の識別情報記録媒体の着脱情報を受信し、上記識別情報記録媒体が離脱されてから同一の上記識別情報記録媒体が装着されるまでの間に、つまり駐車している間に、上記識別情報記録媒体が装着されていない状態で、かつ、上記車載通信手段との通信が 遮断された場合に、上記車両の盗難を検知し、センター制御手段へ通報することにより、駐車している間に、上記識別情報記録媒体を使用しなかったり、車載通信手段を破壊したりし、かつ、車載通信手段との通信が遮断された場合に車両の盗難を確実に検知できる。
【0036】
また、上記車載通信手段を、盗難監視設定手段を有し、車両利用者が上記盗難監視設定手段で盗難監視を設定した場合、その設定情報を上記路上通信手段に送信し、上記路上通信手段は盗難監視設定時に車両盗難の検知を行うように構成したことにより、車両利用者が車両盗難監視機能の稼動の有無を選択でき、車両利用者の都合に応じた処理ができる駐車場管理システムが得られる。
【0037】
また、上記センター制御手段を、上記路上通信手段から車両盗難が通報されたとき、駐車場のゲートを閉鎖すると共に、通信回線を介して外部に連絡するように構成したことにより、車両が盗難されるのを未然に防ぐと共に車両盗難時にスムーズに対処できる駐車場管理システムが得られる。
【0038】
また、上記センター制御手段を、上記路上通信手段と通信することにより上記路上通信手段の動作を確認し、上記路上通信手段が正常に動作しなくなったことで車両の盗難を検知し、通信回線を通して外部に連絡するように構成したことにより、路上通信手段の破壊行為についても車両盗難と判断でき、車両盗難時にスムーズに対処できる駐車場管理システムが得られる。
【0039】
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による駐車場管理システムの概要を示す平面図である。
【図2】 実施の形態1による駐車場管理システムの構成を示すブロック図である。
【図3】 実施の形態1における駐車開始または車両盗難監視開始までの動作を示すフローチャートである。
【図4】 実施の形態1における駐車開始から駐車終了までの動作を示すフローチャートである。
【図5】 実施の形態1における車両盗難監視動作を示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態2による駐車場管理システムのアンテナの通信エリアを示す説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態3による駐車場管理システムの一部の構成を示すブロック図である。
【図8】 実施の形態3における車両側の車両盗難監視動作を示すフローチャートである。
【図9】 従来の車両盗難防止装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 車両、20 IDカード、21 カード読取手段、22 カード着脱検知手段、23 盗難監視設定手段、25 機器ID、26 無線通信手段、29 ID照合手段、33 ゲート手段、32 アンテナ、34 センター制御手段、35 車載通信手段、36 路上通信手段、51a、51b 勘合部、52 車両ID送信手段、53 警報報知手段、54 車両不動作手段、55 盗難監視手段。
Claims (4)
- 車両利用者の識別情報記録媒体に記録されている個人識別情報を入力する識別情報入力手段とこの個人識別情報を無線送信する無線通信手段とを有する車載通信手段と、上記車載通信手段との間で無線通信することにより、管轄する駐車エリアの車両の有無とその車両の個人識別情報を検知する路上通信手段と、複数の上記路上通信手段が検知した情報を受信して駐車場の管理を行うセンター制御手段とを備え、上記車載通信手段は上記識別情報記録媒体の着脱情報を上記路上通信手段に送信し、上記路上通信手段は上記着脱情報を受信し、上記識別情報記録媒体が離脱されてから同一の上記識別情報記録媒体が装着されるまでの間に、上記識別情報記録媒体が装着されていない状態で、上記車載通信手段との通信が遮断された場合に、上記車両の盗難を検知し、上記センター制御手段へ通報するように構成したことを特徴とする駐車場管理システム。
- 上記車載通信手段は、盗難監視設定手段を有し、車両利用者が上記盗難監視設定手段で盗難監視を設定した場合、その設定情報を上記路上通信手段に送信し、上記路上通信手段は盗難監視設定時に車両盗難の検知を行うように構成したことを特徴とする請求項1記載の駐車場管理システム。
- 上記センター制御手段は、上記路上通信手段から車両盗難が通報されたとき、駐車場のゲートを閉鎖すると共に、通信回線を介して外部に連絡するように構成したことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の駐車場管理システム。
- 上記センター制御手段は、上記路上通信手段と通信することにより上記路上通信手段の動作を確認し、上記路上通信手段が正常に動作しなくなったことで車両の盗難を検知し、通信回線を通して外部に連絡するように構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の駐車場管理システム。
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