JP3731041B2 - 高耐食性マグネシウム合金および高耐食性マグネシウム材料の作製方法 - Google Patents

高耐食性マグネシウム合金および高耐食性マグネシウム材料の作製方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性を向上させたマグネシウム合金の組成およびその作製方法に関するものであり、更に詳しくは、特定の成分配合の材料粉末を用いて機械的合金化法により作製したMg−Ni−Siアモルファス合金粉末と、このアモルファス合金粉末を焼結してMg基のアモルファスバルクを作製する方法に関するものである。
本発明は、優れたリサイクル性と、軽量性を有し、かつ高耐食性のマグネシウム合金を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、マグネシウム合金は、実用合金中最も軽量であり、リサイクルに優れた材料であることから、環境に優しい材料としてその利用が拡大している。しかし、マグネシウム合金は、耐食性が低く、人体から発生する汗などの少量の塩分を含む水によっても腐食される。多くのマグネシウム合金の場合、腐食によって水酸化物を形成し、この水酸化物がもろく、合金から剥離するため、腐食が進行する。マグネシウム合金の耐食性は、合金中に含まれる鉄、ニッケル、銅などの不純物によって著しく低下する。このことは、現在、工業的に多く使用されている低不純物化したマグネシウム合金であるAZ91Dにおいてもまだ食塩水に対して抵抗を持たない。そのため、マグネシウム合金を最終製品とする場合には、表面に塗装やコーティングをして腐食を防ぐ必要があった。マグネシウム合金の耐食性は、アモルファス状態にすることで向上することが報告されている。しかしながら、従来の合金は、液体急冷法などの溶解法によって製造するため、アモルファス状態にするためにイットリウムやジルコニウムなどの希土類元素を添加元素として使用しているため、軽量合金とは呼べないものであった。また、希土類元素を使用しているため、高価であった。
【0003】
前述の如く、腐食を防ぐための塗装やコーティングは、マグネシウム合金の利点であるリサイクル性を損なうものであるため、できるだけ避けるべきである。したがって、塗装やコーティングを必要としない高耐食性のマグネシウム合金を作製する必要がある。また、合金をアモルファス状態にすることによって、耐食性は向上するものの、従来の手法(溶解法)で作製した合金は、マグネシウム含有量が少なく、あるいは重い希土類元素を構成元素としており、軽量化に対するメリットが少ないため、マグネシウム含有量を増加させた、あるいは希土類元素を使用しない軽量アモルファス合金を作製する必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、高耐食性を有し、軽量性を維持したマグネシウム合金の開発を試みる過程で、構成元素としてシリコンを使用することで、軽量化を達成することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の目的は、軽量であることを維持しながら高耐食性のマグネシウム合金および材料を作製するための手法を提供しようとするものである。
また、本発明は、塗装やコーティングを必要としない、リサイクル性に優れた、高耐食性マグネシウム合金を製造し、提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)アモルファス相あるいはナノ結晶相を母相とすることで高耐食性能を付与した高耐食性Mg−Ni−Si合金粉末であって、
(a)機械的合金化法により各成分元素粉末を溶解せず固体のまま合金化した合金粉末であること、
(b)構成元素にシリコンを添加することで、結晶化温度を高めたこと、
(c)合金中に66%(原子率)以上85%以下の割合でマグネシウムを含みかつ5%(原子率)から20%の割合でシリコンを含み、残りの割合をニッケルで構成される合金であること、
(d)アモルファス相あるいはナノ結晶相を母相として含むこと、
を特徴とする高耐食性マグネシウム合金粉末。
(2)前記(1)記載の高耐食性マグネシウム合金粉末を製造する方法であって、
(a)マグネシウム粉末、ニッケル粉末、シリコン粉末あるいはこれらを構成元素とする化合物粉末をMgx Ni(100-x-y) Siy (ただしx=66−85,y=5−20)の合金組成になるように混合すること、
(b)各成分元素粉末を溶解せず固体のまま合金化する機械的合金化法によりアモルファス相あるいはナノ結晶相を母相として含む合金を作製すること、
(c)構成元素にシリコンを添加することで、結晶化温度を高めること、
を特徴とするアモルファス相あるいはナノ結晶相を母相として含む高耐食性マグネシウム合金粉末の製造方法。
(3)前記(2)記載の製造方法により作製した高耐食性マグネシウム合金粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で結晶化温度以下の温度で焼結することにより固化成形してアモルファス状態あるいはナノ結晶状態のバルクを得ることを特徴とする耐食性に優れた高耐食性マグネシウム基バルク材料の製造方法。
(4)焼結条件が、400K(約130℃)〜600K(約330℃)、加圧力400MPa〜500MPaである前記(3)記載の方法。
(5)シリコンの添加量を調整することで、結晶化温度を制御することを特徴とする前記(3)記載の方法。
【0006】
【発明の実施の形態】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、高耐食性マグネシウム合金の製造に係るものである。本発明のアモルファス合金あるいはナノ結晶合金は、Mgx Ni(100-x-y) Siy (ただしx=66−85,y=5−20)の組成を有する。本発明において、合金組成は、合金中に66%(原子率)以上85%以下の割合でマグネシウムを含み、5%から20%の割合でシリコンを含み、残りの割合がニッケルで構成され、マグネシウム、シリコンの割合は、上記範囲の任意の数値に設定することができる。合金を溶解することによってアモルファスを作製する手法では、合金組成が限られるため、本発明では、各成分元素粉末を溶解せずに固体のまま合金化する機械的合金化法によってアモルファス粉末あるいはナノ結晶粉末を作製する。また、本発明では、希土類元素を用いないためこれらを安価に作製でき、これを固化成形することによってバルク状にするものである。このとき、固化成形する温度を制御することで、アモルファス材料あるいはナノ結晶を維持した、あるいはアモルファス相からナノ結晶を析出させた材料を作製することができる。本発明では、好適な固化成形の温度は各組成によって異なるが、400K(約130℃)〜600K(約330℃)である。
【0007】
本発明における合金粉末の作製方法として、機械的合金化法(メカニカルアロイングあるいはメカニカルグライディングあるいはそれらを合わせてメカニカルミリングと呼ばれる)を用いた。この手法は、硬質Cr鋼容器にステンレス製ボールを入れ、更に、配合粉末を入れて容器を振動あるいは回転させることによって、容器内の粉末が混合あるいは粉砕され合金化されるものである。本手法によれば、合金を溶解せずに合金化できるので合金化過程で様々な状態の粉末を作製することができ、溶解法では得られない状態の粉末を作製することができる。本発明で使用できるMA(メカニカルアロイング)装置として、例えば、振動型ボールミル、遊星型ボールミル、転動型ボールミル、回転子挿入型ボールミルが例示されるがこれらに制限されない。
【0008】
アモルファス相およびナノ結晶は、X線回折および透過電子顕微鏡を用いて確認を行った。X線回折ではアモルファス相はブロードな曲線として、ナノ結晶は鈍いピークとして得られる。ナノ結晶の場合、その結晶粒径は最大ピーク強度の半分の値におけるピーク幅(半値幅または半価幅とばれる)から算出することができる。また、透過電子顕微鏡では、アモルファス相は制限視野電子線回折像においてハローパターンとして得られ、ナノ結晶は結晶そのものを観察することによって確認できる。
【0009】
アモルファス相およびナノ結晶は加熱することによって、結晶化温度と呼ばれる温度になると、結晶化あるいは再結晶化するに伴い発熱反応が見られる。この現象は示差走査熱量計によって測定することができ、結晶化温度を確認するとともに、焼結する場合の温度設定に重要な情報となり、その温度は合金の組成およびアモルファス相あるいはナノ結晶の状態に依存するため、作製した合金粉末の結晶化温度は測定しておく必要がある。合金粉末のアモルファス状態あるいはナノ結晶状態を維持したままの材料を焼結して得るためには、この結晶化温度を超えることの無いようにする必要がある。本発明では、好適な温度設定として、400K(約130℃)〜600K(約330℃)が例示される。
【0010】
作製した合金粉末を焼結してアモルファス材料あるいはナノ結晶材料を作製するが、焼結法としてパルス通電焼結法を用いた。本手法は、黒鉛あるいは超硬製の型に粉末を入れ、加圧し、電流を流すことによって、粉末の温度が上昇し焼結できる手法であり、従来の外熱式であるホットプレス等に比べ、高速に温度を上昇させることができるため、アモルファス相やナノ結晶などを有する材料の焼結には有効な手段である。一般的に、焼結温度を高くかつ加圧力を高くすることで、気孔率が減少し、緻密な焼結体が得られる。しかし、アモルファス相やナノ結晶は、温度の上限が結晶化温度であるため、温度を高くして焼結密度を上げることが困難である。したがって、加圧力を高くすることで緻密化を達成する。本発明では、好適な焼結条件として、焼結温度400K(約130℃)〜600K(約330℃)、加圧力400MPa〜500MPaが例示できる。
【0011】
耐食性は、40℃ないしは30℃の5重量%塩化ナトリウム水溶液中に焼結体を一定時間浸し、浸す前と後での重量変化を調べ、対象物の単位表面積あたり、単位時間あたりの重量変化を計算し、その値を比較することによって求めた。この値が大きいほど耐食性が低く、小さいほど高耐食性材料であることが言える。
【0012】
【実施例】
次に、実施例を示して本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
実施例1
マグネシウム、ニッケル、シリコンの各元素粉末をMg75Ni15Si10になるように配合し、遊星型ボールミル装置によって機械的合金化を行い、合金粉末を作製した。
得られた粉末をX線回折測定すると、シリコンのピークとブロードな曲線が得られた。また、透過電子顕微鏡で観察すると、シリコンは点在しており、中心となる相の制限視野電子回折像がハローピークを示すため、アモルファスであることがわかった。従って、本合金は、アモルファス相を母相とし微細なSi結晶が混合している相であることがわかった。本組成の場合、400時間以上の処理でアモルファス相が現れ始める。また、示差走査熱量測定によってアモルファス相の結晶化温度を測定した結果、約570K(約330℃)であった.本合金粉末の硬度は270Hvであり、マグネシウム合金としては非常に硬いことがわかった。
【0013】
実施例2
マグネシウム、ニッケル、シリコンの各元素粉末をMg85Ni10Si5 になるように配合し、振動型ボールミル装置によって400時間の機械的合金化処理を行い、合金粉末を作製した。
得られた粉末をX線回折測定すると、マグネシウムを示す位置に鈍いピークが現れた。半値幅からその結晶粒径を求めたところ、サブミクロンサイズであり、ナノ結晶となっていることがわかった。
【0014】
実施例3
化合物ニッケル化マグネシウム(Mg2 Ni)およびケイ化マグネシウム(Mg2 Si)粉末をMg67Ni13Si20になるように配合し、振動型ボールミル装置によって200時間の機械的合金化処理を行い、合金粉末を作製した。
得られた粉末をX線回折測定すると、鈍いMg2 Siピークとブロードな曲線の混合した結果を得た。これは、アモルファス相とMg2 Siのナノ結晶が混在した状態にあることを示している。この材料の結晶化温度は、611K(338℃)であり、マグネシウムを同量含む従来のマグネシウムアモルファス合金に比べ、50K以上高温であった。
【0015】
実施例4
Mg2 Ni,Mg2 Siの各化合物粉末だけでは、Mg割合を増加させることができないため、これにMg粉末を加えることによってMg75Ni15Si10になるように配合し、遊星型ボールミルで200時間の機械的合金化処理を行い、合金粉末を作製した。
この粉末を調べたところ、母相がアモルファス相で微量のMg2 Si相が残留している混合相が得られた。
【0016】
更に、Mg2 Si相をなくすために、マグネシウム、Mg2 Ni,Mg2 Siおよびシリコン粉末をMg75Ni15Si10になるように配合した。この目的は、シリコン粉末を加えることによって、Mg2 Siを加える量を減ずることである。遊星型ボールミルで200時間の機械的合金化処理を行い、合金粉末を作製した。
この粉末を調べたところ、ほぼアモルファス単相の粉末であることがわかった。これらの粉末の結晶化温度は、実施例1で示した各元素粉末を機械的合金化処理して作製した場合と同じ温度であった。
【0017】
実施例5
Mgx Ni(100-x-y) Siy (ただしx=66−85,y=5−20)の組成で合金化を行った粉末について結晶化温度を調べた。図1に、従来のマグネシウムアモルファス合金と実施例で作製したマグネシウムアモルファス合金の結晶化温度の違いを示す。その結果、同じMg割合において、従来のアモルファス材料に比べ結晶化温度が高くなることがわかった。従来のアモルファス材料はシリコンを添加されていないことから、シリコン添加により結晶化温度が高くなったものと考えられる。一般的に、結晶化温度はマグネシウム量の増加とともに高くなるが、シリコンを添加することで更に高温に移行する。この結晶化温度は、シリコンの添加量に依存し、シリコン量の増加(例えば、5%から20%添加)とともに上昇する。これにより、この粉末を固化した材料の使用温度を高くすることができることがわかった。
【0018】
実施例6
Mg75Ni15Si10組成の合金化したアモルファス粉末を473K(200℃)、523K(250℃)、573K(300℃)でパルス通電焼結法(住友石炭(現イズミテック)製の装置を使用)にて焼結した。昇温速度20K/分、目的温度保持時間は5分で行った。その結果、473Kで焼結した材料はアモルファス相を保持していた。また、523Kで焼結した材料は、X線回折パターンに鈍いピークが現れており、ナノ結晶化していることが明らかとなった。一方、573Kで焼結した材料は、すべて結晶化していた。これは、結晶化温度以上の温度で焼結したためである。以上のことから、アモルファス粉末を出発として、ナノ結晶材料を作製することができることがわかった。なお、本合金の密度は2.5〜2.6g/cm3 と優れた軽量性を示した.
【0019】
次に、これらの焼結体の耐食性を調べた。耐食性は5質量%の塩化ナトリウム水溶液(食塩水)に焼結体を24時間浸し、耐食性を調べた。図2に、焼結温度と耐食性の関係を示す。焼結温度473Kおよび523Kで作製した試料、すなわちアモルファス試料とナノ結晶試料は、重量減少がほとんどなく、良好な耐食性を示した。一方、焼結温度573Kで作製した試料、すなわち結晶化した試料は、1000gm-2-1以上と著しい重量減少を示し、耐食性がほとんどないことがわかった。このことは、同じ組成においても、アモルファス状態あるいはナノ結晶状態である方が結晶体よりも耐食性が良いことを示している。現在、一般的に用いられているマグネシウム合金であるAZ91Dは、同条件で試験を行うと約30gm-2-1であり、本合金が高耐食性を有していることがわかる。
【0020】
更に、長時間の浸漬実験を行うと、アモルファス材は、わずかに重量減少が見られ、72時間でAZ91D合金の約1/5の減少量であった(図3)。このことより、本アモルファス合金は、従来のマグネシウム合金のおよそ5倍の耐食性を示すことがわかった。
【0021】
尚、本発明は、上述の実施例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0022】
【発明の効果】
以上詳述したとおり、本発明は、軽量性を維持したまま耐食性を有したMg合金およびその材料の作製方法に係り、本発明によって奏される効果は、次の通りである。
(1)塗装やコーティングを必要としない高耐食性マグネシウム合金を作製し、提供することができる。
(2)従来材に比べ5倍の耐食性を有する軽量マグネシウム合金・材料を作製することができる。
(3)希土類元素を使用しないため、安価で軽量性を維持したアモルファス合金を作製し、提供することができる。
(4)構成元素にシリコンを採用したことで、結晶化温度を高くすることができ、それにより、アモルファス状態やナノ結晶を維持したまま、比較的高温での使用が可能となる。
(5)シリコンの添加量を調整することで、結晶化温度を制御することができる。
(6)シリコンを分散したマグネシウムアモルファス材料を作製できるため、軽量でかつ高硬度な材料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のマグネシウムアモルファス合金と本発明の新しいマグネシウムアモルファス合金の結晶化温度の違いを示す説明図である。
【図2】焼結温度と耐食性の関係を示す説明図である。
【図3】AZ91Dマグネシウム合金と本発明の新しいアモルファス合金の耐食性の違いを示す説明図である。

Claims (5)

  1. アモルファス相あるいはナノ結晶相を母相とすることで高耐食性能を付与した高耐食性Mg−Ni−Si合金粉末であって、
    (1)機械的合金化法により各成分元素粉末を溶解せず固体のまま合金化した合金粉末であること、
    (2)構成元素にシリコンを添加することで、結晶化温度を高めたこと、
    (3)合金中に66%(原子率)以上85%以下の割合でマグネシウムを含みかつ5%(原子率)から20%の割合でシリコンを含み、残りの割合をニッケルで構成される合金であること、
    (4)アモルファス相あるいはナノ結晶相を母相として含むこと、
    を特徴とする高耐食性マグネシウム合金粉末。
  2. 請求項1記載の高耐食性マグネシウム合金粉末を製造する方法であって、
    (1)マグネシウム粉末、ニッケル粉末、シリコン粉末あるいはこれらを構成元素とする化合物粉末をMgx Ni(100-x-y) Siy (ただしx=66−85,y=5−20)の合金組成になるように混合すること、
    (2)各成分元素粉末を溶解せず固体のまま合金化する機械的合金化法によりアモルファス相あるいはナノ結晶相を母相として含む合金を作製すること、
    (3)構成元素にシリコンを添加することで、結晶化温度を高めること、
    を特徴とするアモルファス相あるいはナノ結晶相を母相として含む高耐食性マグネシウム合金粉末の製造方法。
  3. 請求項2記載の製造方法により作製した高耐食性マグネシウム合金粉末を、真空または不活性ガス雰囲気中で結晶化温度以下の温度で焼結することにより固化成形してアモルファス状態あるいはナノ結晶状態のバルクを得ることを特徴とする耐食性に優れた高耐食性マグネシウム基バルク材料の製造方法。
  4. 焼結条件が、400K(約130℃)〜600K(約330℃)、加圧力400MPa〜500MPaである請求項3記載の方法。
  5. シリコンの添加量を調整することで、結晶化温度を制御することを特徴とする請求項3記載の方法。
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