JP3730746B2 - 蝶番 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は蝶番に関する。さらに詳しくは扉、窓その他の開閉されるものを静止部材に取り付けるための蝶番に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
従来より、図5に示されるような蝶番150が一般的に使用されている。この蝶番150は、それぞれの端縁に略円筒状のナックル153、154が形成されている2枚の取付板151、152と、それぞれのナックル153、154を貫いて挿入され、その両端頭部156がかしめられて2枚の取付板151、152を回転自在に支持する軸ピン155とからなる。157は取付孔である。
【0003】
この蝶番150を用いて、図6および図7に示されるように扉Dを建具枠Fなどに取りつけたばあい、扉Dが建具枠Fの内部にきちんと納まらず、建具枠Fとのあいだの心合せが狂うことがある。
【0004】
このばあい、図7に示されるように建具枠Fとのあいだの隙間が不ぞろいになり不体裁であるばかりでなく、扉Dの開閉に支障が生ずるという問題がある。
【0005】
しかも、前述のような従来の蝶番150では、心合せの狂いを調節できないので、いったん扉Dを取りつけた後は、心合せの修正ができないという問題がある。
【0006】
そこで、図8に示されるような、蝶番160が提案されている。この蝶番160は、矢印161および矢印162方向の心合わせの修正が可能である。
【0007】
すなわち、図8において、一方の取付板171のナックル173の底端には、擬宝珠176がピン177で固定されている。このナックル173には、2本のねじ棒178、179がナックル173の軸方向に間隔をおき、かつ半径方向に貫通するように取りつけられている。そして、各ねじ棒178、179は、ナックル173から抜けることなく、しかも回転自在に取り付けられている。
【0008】
軸ピン180は下端部181と上端部182とからなり、下端部181はナックル173に挿入されている。この下端部181は、その外径がナックル173の内径よりも細く、ナックル173の内部で半径方向に動く余地がある。そして、この下端部181は、前記ねじ棒178、179に螺合されて、支持されている。
【0009】
軸ピン180の上端部182には、他方の取付板172のナックル174が挿入されている。このナックル174の上端には、擬宝珠183が固定されており、その内部には雌ねじ部184が形成されている。そして、雌ねじ部184には調節ねじ185が螺合されている。この調節ねじ185は、ねじ込めばナックル174内へ進入し、ねじ戻せばナックル174内から上昇する。そして、調節ねじ185の先端は、滑り板186を介して軸ピン180の上端に当接している。
【0010】
この蝶番160は、取付孔175にビスを通して建具枠と扉に固定した後で、心合せを行うことができる。
【0011】
すなわち、ねじ棒178、179を回転させれば、軸ピン180の下端部181をナックル173内で、そして、中心位置から偏寄させたり、また中心位置に戻したりすることができる。そして、ねじ棒178、179を互いに反対向きに回転させて、軸ピン180の軸心をナックル173に対して傾斜させることもできる。この操作により、建具枠Fに取りつけられた扉Dの上端部または下端部(図7参照)の横方向(図8の矢印162の方向)の心ズレを修正しうる。
【0012】
つぎに、調整ねじ185をねじ込めば、調整ねじ185の先端が軸ピン180の上端に当接しているので、ナックル174が上昇する。逆に調整ねじ185をねじ戻せば、ナックル174が下降する。これにより、取付板172が上昇および下降するので、扉Dの高さ方向の心ズレを修正することができる。
【0013】
この蝶番160によれば、扉などを建具枠に取りつけたのちに、扉と建具枠間の心合せを調整しうるので、不体裁な隙間の狂いなどを解消することができる。
【0014】
しかしながら、図8に示されるような蝶番160であっても、調整しうる方向が矢印161、162を含む平面内に限られており、矢印163方向の調整はできず、微妙な調整をすることができないという問題を残していた。
【0015】
また、他の従来の蝶番として、実願昭57−176293号(実開昭59−80064号)において開示される蝶番がある。
【0016】
この蝶番は、図9〜10に示されるように、2枚の板体201、202と、当該両板体201、202を回転可能に結合するために下側の板体201に取り付けられた軸203と、前記上側の板体202に取り付けられ、かつ前記軸203を下方より回転自在に嵌合させるための孔204を有する金具205とからなっている。なお、206はボール、207はガイドピンである。また、板体201の張り出し部201aは、軸203の下端に連結された2枚の板部210のあいだに遊嵌され、ボルト208に螺合されている。
【0017】
図9〜10の蝶番のばあい、ボルト208を回転させることにより、板体201を前後方向(図10の矢印221の方向)に移動させて前後方向における蝶番の調整をすることができる。また、金具205上部の雌ネジ孔211に螺入された雄ネジ軸209をねじ回すことにより、板体202を上下方向(図9の矢印222の方向)に移動させて上下方向における蝶番の調整をすることができる。しかしながら、板体201または202を左右方向(図9の矢印223の方向)に移動させて左右方向における蝶番の調整をすることができないため、正確な扉の心合せを達成することができない。
【0018】
本発明はかかる事情に鑑み、扉を取り付けたのちに取り付けの心合せを、3次元方向に自在に調整することができ、かつ扉のぐらつきを解消することができる蝶番を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明の蝶番は、(a)中央ナックルがその端縁に形成される中央取付板と、
(b)一対の上ナックルおよび下ナックルが前記中央ナックルの上下両端であって、その端縁に形成される周辺取付板と、
(c)上部軸案内ピンによって案内されながら、前記中央ナックルに対して相対的に左右方向に水平移動しうるように前記中央ナックルの内部に配設される上部軸と、
(d)前記上部軸が回転自在に嵌合する上向きの釣鐘状の上端軸受部を有するとともに、下部軸案内ピンによって案内されながら、前記下ナックルに対して相対的に前後方向に水平移動しうるように前記下ナックルの内部に配設される下部軸と、
(e)前記下ナックルの内部において、前記下部軸が遊嵌されるとともに、前記下ナックルに対して相対的に上下動可能に配設されてなる内部ケースと、
(f)前記上部軸において、当該上部軸の移動可能な方向に貫通するよう穿設されたネジ孔に螺入される左右位置調整ネジと、
(g)前記下部軸において、当該下部軸の移動可能な方向に貫通するよう穿設されたネジ孔に螺入される前後位置調整ネジと、
(h)前記下部軸において、前記内部ケースを上下動可能に支持するとともに、内部ケースを上方向に押圧しうるよう設けられる上下位置調整ネジと、
(i)前記上ナックルの内部において、前記上部軸が回転自在に嵌合される下向きの下端軸受部を有するとともに、前記上ナックルに対して相対的に上下動可能に配設されてなる内部キャップと、
(j)前記内部キャップを上下移動可能に支持するとともに内部キャップを下方向に押圧しうるスプリングとからなり、
前記上部軸案内ピンが前記中央ナックルに固着され、前記下部軸案内ピンが前記内部ケースに固着され、
前記左右位置調整ネジが軸方向に移動できないように前記中央ナックルに回転自在に支持され、前記前後位置調整ネジが軸方向に移動できないように前記内部ケースに回転自在に支持されてなる
ことを特徴としている。
【0020】
前記上ナックルにおいて、前記内部キャップの上下動の上限を規制するための規制ネジが配設されてなるのが好ましい。
【0021】
少なくとも前記中央ナックルを、その内部で移動可能に収納しうるキャップを、少なくとも前記中央ナックルの外周に設けてなるのが好ましい。
【0022】
前記上部軸の少なくとも下端部が略球面状であるのが好ましい。
【0023】
前記周辺取付板に前記中央取付板よりも大きい開口が形成され、取付板同士が干渉することなく全回転することができるのが好ましい。
【0024】
前記前後位置調整ネジが、両端にそれらを操作するための器具用の穴または溝を有しており、どちらの端部からでも操作することができるのが好ましい。
【0025】
前記中央取付板に扉を位置合わせするためのガイド部が設けられてなるのが好ましい。
【0026】
本発明の蝶番によれば、3つの調整ネジを順逆いずれかに回すことにより、上部取付板および下部取付板を互いに相対的に3方向(左右、前後、上下)に移動させ、その結果、蝶番の調整をすることができる。そのため、扉を建具枠に取り付けたのちに正確に心合せすることができる。
【0027】
具体的には、上部軸と中央ナックルとのあいだ、および下部軸と下ナックルとのあいだの相対的移動によって蝶番の3方向の調整をすることができる。
【0028】
左右方向の調整は、左右位置調整ネジの回転によって、上部軸が上部軸案内ピンによって正確に案内されながら前記中央ナックルに対して相対的に左右方向に水平移動することにより達成される。
【0029】
また、前後方向の調整は、前後位置調整ネジの回転によって、下部軸が下部軸案内ピンによって正確に案内されながら前記下ナックルに対して相対的に前後方向に水平移動することにより達成される。
【0030】
さらに、上下方向の調整は、上下位置調整ネジの回転によって、前記下ナックルに内蔵された内部ケースが上方向に押圧され、それにより、下ナックルと下部軸とのあいだで相対的な上下移動が行なわれることにより達成される。
【0031】
しかも、スプリングの付勢力によって、前記上ナックルに内蔵された内部キャップが常時、下方向に押圧されているため、上部軸を常時下部軸および内部キャップによって上下から挟みながら回転自在に支持することができる。それにより、上部軸の下部軸に対する相対的なずれやぐらつきは解消される。その結果、扉の3次元方向の心合せができ、しかも扉のぐらつきも発生しない。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の蝶番を詳細に説明する。図1は本発明の蝶番の一実施例である蝶番を扉に取り付けた一例を示す斜視説明図、図2は図1の蝶番の斜視説明図、図3は図2の蝶番の縦断面説明図、図4は図3の蝶番のIV−IV線断面図である。
【0033】
図1において、一対の3方向の調整が可能な蝶番1を用いて扉Dを建具枠Fに取り付けた状態が示されている。なお、図1では、わかり易くするために蝶番を誇張して描いている。
【0034】
図2はキャップ30を蝶番1に取り付けた状態を示す。キャップ30は、図3に示されるように、上ナックル26および下ナックル6の外周に回転自在に設けられ、中央ナックル7を内包するものである。中央取付板5は、扉D側に取り付けられ、周辺取付板4は、建具枠F側に取り付けられる。キャップ30の側面には、軸方向に沿ってスリット30aが形成され、当該スリット30aには中央取付板5が嵌合している。したがって、キャップ30は、中央取付板5の回動に従って回動する。なお、本実施例では、上ナックル26および下ナックル6がキャップ30から露出した例をあげて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、中央ナックル7をキャップ30の内部で移動可能であれば、中央ナックル7、上ナックル26および下ナックル6を内包するキャップを採用してもよい。
【0035】
蝶番1は、図3および図4に示されるように、周辺部2および中央部3からなる。また、周辺部2は、周辺取付板4と、周辺取付板4の下側の端縁に設けられた下ナックル6と、下ナックル6内部の下部軸8、前後位置調整ネジ9、下部軸案内ピン10、内部ケース18、上下位置調整ネジ13、下部擬宝珠14と、周辺取付板4の上側の端縁に設けられた上ナックル26と、上ナックル26内部の内部キャップ28およびスプリング41とからなる。中央部3は、中央取付板5とその端縁に設けられた中央ナックル7と、中央ナックル7内に配設された、左右位置調整ネジ12、上部軸案内ピン15および上部軸16とから構成されている。
【0036】
下部軸8の上向きの釣鐘状の上端軸受部11には、上部軸16の下端軸部17が回転自在に嵌合され、それにより中央部3を回転自在に支持している。さらに、上部軸16と下部軸8とのあいだの接触面には、上部軸16の回転を円滑にするための金属製の滑り板33および樹脂製の滑り板37、38が配設されている。中央部3および周辺部2の各部材は、鉄、ステンレス、アルミニウム、真ちゅうなどの金属から製造されることが、強度が確保できるという点から好ましい。
【0037】
また、前記下端軸部17の先端が略球面状に形成されているため、嵌合が容易になる。しかも、図3の例では、上部軸16の上下の両端部が略球面状に形成されているため、下部軸8および内部キャップ28に対して滑りやすくなり、その結果、扉側の中央取付板5を円滑に回転することができる。
【0038】
左右位置調整ネジ12は、前記上部軸16において、左右方向に貫通するように穿設されたネジ孔16bに螺入されている。前記ネジ12の先端のくびれ部12aは中央ナックル7の開口7cに回転自在に支持されている。一方、ネジ12の後端のつば部12bは中央ナックル7の開口7dに回転自在に係止されている。これにより、ネジ12は、軸方向に移動できないように前記中央ナックル7に回転自在に支持されている。前記ネジ12の後端にはねじ回しまたは棒スパナなどを用いて回転できるように十字形などの溝または六角形などの穴12cが形成されている。前記後端の穴12cは、開口7dを通して中央ナックル7の外部に露出している。したがって、キャップ30を取り付ける前に外部から容易に左右位置調整ネジ12の回転操作を行なうことができる。
【0039】
なお、上部軸16において、少なくともネジ孔16bの周辺部分は、補強のために厚肉になるように形成するのが好ましい。たとえば、図4に示されるように、ネジ孔16bの軸に対して垂直方向へ上部軸16の直径が大きくなるような略楕円断面形状を呈するように形成すればよい。ただし、このばあい上部軸16が上ナックル7に対して相対的に矢印34の方向へ移動したときに上ナックル7に接触しないように、上部軸16と上ナックル7とのあいだに若干の隙間を確保する必要がある。
【0040】
前記くびれ部12aは、たとえば、ネジ12の先端をあらかじめ若干細く形成しておき、ネジ12を上ナックル7の開口7dから開口7cへ貫通させたのち、ネジ12の先端を開口7cの部位でかしめることにより形成すればよい。
【0041】
前後位置調整ネジ9は、前記下部軸8において、前後方向に貫通するように穿設されたネジ孔8bに螺入されている。前後位置調整ネジ9は、前記左右位置調整ネジ12と同様に、くびれ部およびつば部(図示せず)を有している。該くびれ部およびつば部により、ネジ9は、軸方向に移動できないように、内部ケース18に回転自在に支持されている。前記左右位置調整ネジ12と同様に、前後位置調整ネジ9の後端に形成された十字形の溝または六角形などの穴9cは、下ナックル6のスリット6a(図2参照)を通して外部に露出している。
【0042】
上下位置調整ネジ13は、下ナックル6の下端にピン29によって固着された下部擬宝珠14を上下方向に貫通するように穿設されたネジ孔14aに螺入されている。上下位置調整ネジ13の先端13aは、内部ケース18の下面に当接している。また、上下位置調整ネジ13の後端に形成された十字形の溝または六角形などの穴13bは、前記ネジ穴14aを通して外部に露出しているため、外部から上下位置調整ネジ13を回転操作して中央取付板5の高さ調整をすることができる。
【0043】
内部ケース18は、一方の開口が閉じられた筒体からなり、前記下ナックル6内部において、前記下部軸8の下端部に遊嵌されるとともに前記下ナックル6に対して相対的に上下動できるように配設されている。
【0044】
上部軸案内ピン15は、上部軸16を左右方向に案内するために、上部軸16の孔16aに挿通されたピンであり、前記左右位置調整ネジ12の上方および下方において当該ネジ12と平行に1本づつのびている。上部軸案内ピン15は、その両端部が中央ナックル7に固着されている。
【0045】
下部軸案内ピン10は、下部軸8を前後方向に案内するために下部軸8の孔8aに挿通されたピンであり、前記前後位置調整ネジ9の上方および下方において当該ネジ9と平行に1本づつのびている。下部軸案内ピン10は、その両端部が内部ケース18に固着されているが、下ナックル6に対しては固着されていない。
【0046】
なお、図示されていないが、下部軸案内ピン10の少なくとも1本のうちの一端が延長して延長部が形成され、該延長部が下ナックル6に形成された上下方向にのびるスリットに挿入されていれば、内部ケース18が下ナックル6に対して相対的に回転したり、傾いたりしない。
【0047】
さらに、周辺取付板4の上側の端縁に形成された上ナックル26の内部において、内部キャップ28が前記上ナックル26に対して相対的に上下動可能に配設されている。しかも、内部キャップ28の下部には、前記上部軸16の上端が回転自在に嵌合される下向きの下端軸受部28aが形成されている。下端軸受部28aは、図3のようにたとえば下方に開いた凹部であればよい。
【0048】
また、上ナックル26の内部には、前記内部キャップ28を上下移動可能に支持するとともに内部キャップ28を下方に押圧しうるスプリング41が設けられている。スプリング41は、内部キャップ28と上部擬宝珠42とのあいだで伸縮する。上部擬宝珠42は、ピン43によって上ナックル26に固定されている。
【0049】
さらに、上部擬宝珠42を上下方向に貫通するように穿設されたネジ孔42aには、前記内部キャップ28の上下動の上限を規制するための規制ネジ44が螺入されている。
【0050】
以上のように構成された蝶番1は以下のようにして蝶番の調整を行なう。
【0051】
左右方向の調整を行なうばあい、図3〜4に示されるように、キャップ30を外した状態でネジ回しなどを用いて左右位置調整ネジ12を回転させる。このとき、左右位置調整ネジ12は、両端が中央ナックル7によって拘束されているため回転するのみで移動できない。上部軸16は、上部軸案内ピン15によって正確に案内されながら前記中央ナックル7に対して相対的に左右方向(図3〜4の矢印34参照)に水平移動する。その結果、蝶番は正確に左右方向の調整をすることができる。
【0052】
前後方向の調整を行なうばあい、図3に示されるように、前述と同様に前後位置調整ネジ9を回転させる。このとき、前後位置調整ネジ9は、両端が内部ケース18によって拘束されているため、回転するのみで移動できない。下部軸8は下部軸案内ピン10によって、正確に案内されながら、前記下ナックル6に対して相対的に前後方向(図4の矢印35参照)に水平移動する。その結果、蝶番は、正確に前後方向の調整をすることができる。
【0053】
上下方向の調整を行なうばあい、図3に示されるように、ねじ回しなどを用いて上下位置調整ネジ13を回転させ、下部擬宝珠14から所望の量だけ上方へ出没させる。このとき、内部ケース18が上下位置調整ネジ13の先端13aによって上方向に押圧される。それにより、下ナックル6と下部軸8とのあいだで相対的な上下移動が行なわれる。
【0054】
しかも、スプリング41の付勢力によって、内部キャップ28が、常時、下方向に押圧されているため、上部軸16を常時下部軸8および内部キャップ28によって上下から挟みながら回転自在に支持することができる。それにより、上部軸16の下部軸8に対する相対的なずれやぐらつきは解消される。
【0055】
さらに、上下方向の調整後、規制ネジ44をねじ回しなどを用いて上ナックル26内部に螺入すれば、ネジ44の先端44aによって、前記内部キャップ28の上下動の上限が規制され、その結果、上部軸16の下部軸8に対する相対的なずれやぐらつき(とくに上下方向)がほぼ完全になくなる。
【0056】
なお、図2〜4に示される蝶番1は、上下位置調整ネジ13および内部ケース18が下ナックル6に取り付けられ、一方、内部キャップ28およびスプリング41が上ナックル26に取り付けられているが、本発明はこれに限定されるものではなく、上下を反対にしたばあいでも前述と同様の作用で上下位置調整をすることができる。
【0057】
また、本実施例では、前記周辺取付板4に前記中央取付板5よりも大きい開口4aが形成されているため、取付板同士が干渉することなく全回転することができる。しかも、図1の扉Dが建具枠Fに嵌まり込んだとき、図4のごとく、開口4a内部にある中央取付板5は周辺取付板4からほとんど突出しなくなる。それにより、図1の扉Dと建具枠Fとのあいだの隙間をより狭くすることができる。
【0058】
本実施例では、下部軸案内ピン10および上部軸案内ピン15がそれぞれ2本ずつ設けられた例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、それぞれ少なくとも1本のピンがあれば、前述のガイド効果を奏することができる。また、3本以上のピンをそれぞれ設けてもよい。
【0059】
また、左右位置調整ネジ12または前後位置調整ネジ9を両端のいずれからでも回転操作できるように、それぞれのネジの両端面に十字形の溝または六角形の穴などを形成するとともに中央ナックル7または下ナックル6の両側面にスリットを形成するのが好ましい。
【0060】
また、図示しないが、スリット6a(図2参照)などのねじ回しを差し込む部分のまわりに、それぞれ、矢印のようなものを刻印などの方法により設けておくことが好ましい。この矢印は、各調整ネジ9、12、13を回動させるねじ回し(図示せず)の回転方向と、中央取付板5および周辺取付板4の調整方向との関係を示すものであり、それぞれのネジに対応して、スリット6aなどのまわりに設けられる矢印には、「前」および「後」、「左」および「右」、「上」および「下」をそれぞれ付しておくことが好ましい。
【0061】
さらに、本実施例の蝶番では、図2に示されているように、ゲージの代わりに、中央取付板5の上ナックル7側の側端縁において、中央取付板5に対して略垂直にのびるガイド部36が設けられている。このガイド部36に扉D(図1参照)を当接することにより、扉Dを中央取付板5に対して傾斜やずれが生じることなく、位置合わせをすることができる。
【0062】
【発明の効果】
本発明の蝶番は、3つの調整ネジによって3方向に調整が可能である。したがって、扉を取り付けたあとに、取付の心合わせを3次元方向に行うことができ、正確な調整を行うことができる。そして、取付後の見た目が綺麗であるとともに、扉の開閉をスムーズにすることができる。左右および前後の調整は軸案内ピンに沿って水平ないし平行に行なわれるので、上部軸と下部軸とが常時ほぼ一直線上にあり、安定した回転操作を行なうことができる。
【0063】
しかも、上部軸を常時下部軸および内部キャップによって上下から挟みながら回転自在に支持することにより、上部軸の下部軸に対する相対的なずれやぐらつきは解消され、その結果、扉の3次元方向の心合せができ、しかも扉のぐらつきも発生しない。
【0064】
また、3方向の調整のうちの2方向(前後および上下)の調整については、ネジによる2方向からの付勢力を1個の内部ケースを介して下部軸に伝達するように構成されている。したがって、部品点数が少なくてすみ、かつ蝶番全体の小型化を達成することができる。
【0065】
しかも中央ナックルなどにキャップを被せることにより、中央ナックル部分に異物が挟まるのを防ぐことができ、仕上がりも美しくなる。
【0066】
なお、本発明の蝶番の上部取付板および下部取付板は、建具枠(柱など)および扉のいずれにも取り付け可能であり、現場の状況に応じて選定することができるものであって、本発明においてその取付部位がとくに限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蝶番の一実施例である蝶番を扉に取り付けた一例を示す斜視説明図である。
【図2】図1の蝶番の斜視説明図である。
【図3】図2の蝶番の縦断面説明図である。
【図4】図3の蝶番のIV−IV線断面図である。
【図5】従来の蝶番の正面図である。
【図6】従来の蝶番の取付状態を示す扉の上面図である。
【図7】従来の蝶番の取付状態を示す正面図である。
【図8】従来の他の蝶番の一部断面斜視図である。
【図9】従来のさらに他の蝶番の縦断面図である。
【図10】図9の蝶番のX−X線断面図である。
【符号の説明】
1 蝶番
4 周辺取付板
5 中央取付板
6 下ナックル
7 中央ナックル
8 下部軸
9 前後位置調整ネジ
10 下部軸案内ピン
11 上端軸受部
12 左右位置調整ネジ
13 上下位置調整ネジ
15 上部軸案内ピン
16 上部軸
17 下端軸部
18 内部ケース
26 上ナックル
28 内部キャップ
28a 下端軸受部
41 スプリング

Claims (7)

  1. (a)中央ナックルがその端縁に形成される中央取付板と、
    (b)一対の上ナックルおよび下ナックルが前記中央ナックルの上下両端であって、その端縁に形成される周辺取付板と、
    (c)上部軸案内ピンによって案内されながら、前記中央ナックルに対して相対的に左右方向に水平移動しうるように前記中央ナックルの内部に配設される上部軸と、
    (d)前記上部軸が回転自在に嵌合する上向きの釣鐘状の上端軸受部を有するとともに、下部軸案内ピンによって案内されながら、前記下ナックルに対して相対的に前後方向に水平移動しうるように前記下ナックルの内部に配設される下部軸と、
    (e)前記下ナックルの内部において、前記下部軸が遊嵌されるとともに、前記下ナックルに対して相対的に上下動可能に配設されてなる内部ケースと、
    (f)前記上部軸において、当該上部軸の移動可能な方向に貫通するよう穿設されたネジ孔に螺入される左右位置調整ネジと、
    (g)前記下部軸において、当該下部軸の移動可能な方向に貫通するよう穿設されたネジ孔に螺入される前後位置調整ネジと、
    (h)前記下部軸において、前記内部ケースを上下動可能に支持するとともに、内部ケースを上方向に押圧しうるよう設けられる上下位置調整ネジと、
    (i)前記上ナックルの内部において、前記上部軸が回転自在に嵌合される下向きの下端軸受部を有するとともに、前記上ナックルに対して相対的に上下動可能に配設されてなる内部キャップと、
    (j)前記内部キャップを上下移動可能に支持するとともに内部キャップを下方向に押圧しうるスプリングとからなり、
    前記上部軸案内ピンが前記中央ナックルに固着され、前記下部軸案内ピンが前記内部ケースに固着され、
    前記左右位置調整ネジが軸方向に移動できないように前記中央ナックルに回転自在に支持され、前記前後位置調整ネジが軸方向に移動できないように前記内部ケースに回転自在に支持されてなる
    ことを特徴とする蝶番。
  2. 前記上ナックルにおいて、前記内部キャップの上下動の上限を規制するための規制ネジが配設されてなる請求項1記載の蝶番。
  3. 少なくとも前記中央ナックルを、その内部で移動可能に収納しうるキャップを、少なくとも前記中央ナックルの外周に設けてなる請求項1または2記載の蝶番。
  4. 前記上部軸の少なくとも下端部が略球面状である請求項1、2または3記載の蝶番。
  5. 前記周辺取付板に前記中央取付板よりも大きい開口が形成され、取付板同士が干渉することなく全回転することができる請求項1、2、3または4記載の蝶番。
  6. 前記前後位置調整ネジが、両端にそれらを操作するための器具用の穴または溝を有しており、どちらの端部からでも操作することができる請求項1、2、3、4または5記載の蝶番。
  7. 前記中央取付板に扉を位置合わせするためのガイド部が設けられてなる請求項1、2、3、4、5または6記載の蝶番。
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