JP3730128B2

JP3730128B2 - 複数供給経路用ガスバーナ装置

Info

Publication number: JP3730128B2
Application number: JP2001028038A
Authority: JP
Inventors: 匡順猪股
Original assignee: Rinnai Corp
Current assignee: Rinnai Corp
Priority date: 2001-02-05
Filing date: 2001-02-05
Publication date: 2005-12-21
Anticipated expiration: 2021-02-05
Also published as: JP2002228118A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のガス供給経路を備えたガステーブルなどに適用される複数供給経路用ガスバーナ装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来、大火炎と小火炎を生成する親子バーナなどの複数のガス供給経路を持つガスバーナ装置が知られており、各ガス供給経路のガス量を個別に調節することで広範囲の熱量制御を行える。この複数供給経路を得るためのガスバーナの構造として、例えば図１に示すような上下２段構造の板金製のバーナボディａに鍛造物製のバーナヘッドｂを取り付けたものが提案されている（特開平９−３０３７１９号公報）。該バーナボディａの内部は、その下流側の断面積が増大したベンチュリ通路ｃに構成され、該ベンチュリ通路ｃの中間に仕切板ｄを介在させて上下２経路のベンチュリ通路ｃに区分している。また、該バーナボディａの端部には、上方に向けて開口した２重の環状の開口部ｅ、ｅを設け、これに上下に区分された炎口ｆ、ｇを有するバーナヘッドｂを嵌着し、各ベンチュリ通路ｃからのガスが前記各炎口ｆ、ｇにおいて燃焼する。上方の炎口ｆの開口面積を下方の炎口ｇのそれよりも大きく形成しておくことで、上下の炎口ｆ、ｇの炎による最大火力と下方の炎口ｇの小さな炎のみによる最小火力との広い火力調節範囲を得ることが出来る。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の板金製のバーナ装置は、ベンチュリ通路ｃの断面は半円状で真円にすることができないため、半円状の該通路ｃの内部を真円状の噴流が流れるとき、その噴流から外れる断面部分において渦が発生し、この渦のために負圧力が減少してエゼクタ効果が減少するようになり、その結果、一次空気の吸引が妨げられて燃焼性が悪くなるという不都合があった。また、上記板金製のバーナ装置は、鋳物で製造するよりも軽量で製作性が良いが、中間に介在した仕切板ｄによりベンチュリ通路ｃを上下の２本に分離するものであるから、上下方向の寸法が大きくなって、上下方向に取付け空間が必要になり、調理器の設計上の制限をもたらす不都合がある。
【０００４】
本発明は、複数の経路のベンチュリ通路を備えた燃焼性能に優れ、軽量で上下方向の寸法の短いバーナ装置を提供することを目的とするものである。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
本発明では、バーナヘッドに形成した炎口を複数に区分し、各区分の炎口へ板金製のバーナボディに形成した経路の異なる複数のベンチュリ通路を介してそれぞれ燃焼一次空気混合ガスを供給するバーナ装置に於いて、該バーナボディは上下の分割体及び分流板で構成され、上方の分割体に各ベンチュリ通路の上方の半円形壁面を形成させ、かつ下方の分割体に各ベンチュリ通路の下方の半円形壁面を形成させて、断面円形の各ベンチュリ通路が水平方向に並設されると共に、各ベンチュリ通路の燃焼一次空気混合ガスを該区分された炎口へ個別に供給する分流板が上下の分割体の中間に介在され、該分流板は、下方の分割体に形成された下方の壁面とで複数のベンチュリ通路のうちの一部のベンチュリ通路を区画形成する半円上壁と、上方の分割体に形成された上方の壁面とで残りのベンチュリ通路を区画形成する半円下壁とを備えていて、半円上壁の上流側端部と上方の壁面の下流側部分とが重合され、かつ半円下壁の上流側端部と下方の壁面の下流側部分とが重合されており、更に、上記上下の分割体及び分流板に隆起した環状のバーナヘッド取付け部を設けることにより、上記の燃焼性能に優れ軽量で上下方向の寸法の短いバーナ装置を提供する目的を達成するようにした。しかも、上下の分割体及び分流板に隆起した環状のバーナヘッド取付け部を設けているので、バーナ装置の組立が容易になる。また、各ベンチュリ通路の通路面積を互いに相違させることで、ガス供給性が良好になり、該分流板を該分割体にカシメ止めすることで製作性が向上する。
【０００６】
【発明の実施の形態】
図面に基づき本発明の実施の形態を説明すると、図２乃至図４に於いて、符号１は板金製のバーナボディ２と鍛造物製のバーナヘッド３を備えたバーナ装置を示す。該バーナヘッド３は、図３に示すような複数の上段の大炎口４と複数の下段の小炎口５の２つに区分された炎口を有し、各区分の炎口へ該バーナボディ２に形成した経路の異なる２つのベンチュリ通路６、７を介して燃焼一次空気混合ガスが供給される。一方のベンチュリ通路６の断面積は、他方のベンチュリ通路７の断面積よりも大きく形成し、各通路６、７のガス流入口８、９には吸入される燃焼一次空気量を調節するためのダンパー（図示しない）が取付けされる。
【０００７】
該板金プレス製のバーナボディ２は、図５の分解図に見られるように、上下の分割体２ａ、２ｂと分流板１４で構成され、その上方の分割体２ａに各ベンチュリ通路６、７の上方の壁面６ａ、７ａを形成させると共に、下方の分割体２ｂには各ベンチュリ通路６、７の下方の壁面６ｂ、７ｂを形成させ、各分割体２ａ、２ｂの一方の端部に丸孔１０、１１を開口してその周囲を隆起させることで環状のバーナヘッド取付け部１２、１３を形成した。該丸孔１０、１１は、上方の分割体２ａの直径が下方の分割体２ｂのものより大きく形成され、これら分割体２ａ、２ｂを重合することで、２本のベンチュリ通路６、７が形成され、同時にバーナヘッド取付け部１２、１３間に各ベンチュリ通路６、７と連通する開口部が形成される。
【０００８】
大断面積のベンチュリ通路６は大炎口４の区分に連なり、小断面積のベンチュリ通路７は小炎口５の区分へ連なることが、該混合ガスの流量と流速に応じた良好な燃焼性を得るためには好ましく、これを可能にするため、両分割体２ａ、２ｂの中間に分流板１４を介在させるようにした。該分流板１４は、一方のベンチュリ通路６を区画形成する半円上壁１５と、他方のベンチュリ通路７を区画形成する半円下壁１６を一体に備え、前記丸孔１０、１１の中間の直径寸法に形成した丸孔１７を設けてその周囲をバーナヘッド取付け部１８として隆起させたもので、該分流板１４を分割体２ａ、２ｂ間に介在させてカシメ止めすることで、バーナヘッド取付け部１２、１３間の開口部が分流板１４の隆起したバーナヘッド取付け部１８により内外２重の環状の開口部１９、２０に区分され、図２乃至図４のバーナボディ２が得られる。該開口部１９、２０に円筒状のバーナヘッド３を載置することで、小断面積のベンチュリ通路７からバーナヘッド取付け部１８の外周面に沿い、外側の開口部１９を介して小炎口５へ至る供給経路と、大断面積のベンチュリ通路６からバーナヘッド取付け部１３とバーナヘッド取付け部１８の間を通過し、内側の開口部２０から大炎口４へ至る供給経路とが確立される。該下方の分割体２ｂに該分流板１４の肉厚に相当する段差２１を設け、分流板１４の半円上壁１５の上流側端部と上方の分割体２ａに形成された半円形の壁面６ａの下流側端部とが重合されると共に、分流板１４の半円下壁１６の上流側端部と下方の分割体２ｂに形成された半円形の壁面７ｂの下流側部分とが重合され、分流板１４を介在させたとき隙間なく上下の分割体２ａ、２ｂをカシメ止めできるようにした。
【０００９】
該分割体２ａ、２ｂ及び分流板１４のバーナヘッド取付け部の形状は任意であり、図６に示したように、上方の分割体２ａに開口部１９に相当する孔２２と分流板１４の丸孔１７に圧入する段部２３を形成しておき、下方の分割体２ｂの丸孔１１の内部でこれら分割体２ａ、２ｂをカシメ止めし、或いは、図７に示したように、分流板１４に丸孔１７の周辺に開口部２０に相当する孔２４を形成し、該周辺を下方の分割体２ｂにカシメ止めしてもよい。
【００１０】
該バーナボディ２は、炎口の各区分に連なるベンチュリ通路６、７の上方の壁面を形成した上方の分割体２ａと、これらベンチュリ通路６、７の下方の壁面を形成した下方の分割体２ｂ、及び分流板１４で構成し、２つのベンチュリ通路６、７を水平方向に併設するもので、板金によって上下方向の寸法を小さく軽量に製作でき、各ベンチュリ通路の断面積はその供給系統の流通ガス量に応じた大きさにプレスで簡単に製作できる。尚、炎口の区分が３以上の場合、ベンチュリ通路の本数を３本以上として各区分に燃焼一次空気混合ガスを個別に供給するように変更することができる。
【００１１】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、複数に区分された炎口へ燃焼一次空気混合ガスを供給する複数のベンチュリ通路を備えたバーナボディを、各ベンチュリ通路の上方の壁面を形成した上方の分割体と、各ベンチュリ通路の下方の壁面を形成する下方の分割体、及び両分割体間に介在する各ベンチュリ通路の燃焼一次空気混合ガスを該区分へ個別に供給する分流板とで構成したので、各ベンチュリ通路を真円に形成できて該混合ガスの真円状の噴流形状に一致させることができ、ベンチュリ通路内に渦流を生じるような隙間がなくなり、噴流に伴う負圧の発生が確実になってエゼクタ効果による一次空気の吸引を確実に行えて燃焼性が良好になり、また、複数経路のベンチュリ通路を備えた軽量で上下方向の寸法の短いバーナ装置が得られ、各経路のベンチュリ通路の断面積が異なる燃焼性の良いガスバーナを簡単に製作できる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図１】従来のバーナ装置の截断側面図
【図２】本発明の実施の形態を示す截断側面図
【図３】図２の３−３線部分の側面図
【図４】図３の４−４線部分の断面図
【図５】図２のバーナボディの分解斜視図
【図６】バーナボディの変形例の截断側面図
【図７】バーナボディの他の変形例の截断側面図
【符号の説明】
１バーナ装置、２バーナボディ、２ａ上方の分割体、２ｂ下方の分割体、３バーナヘッド、４大炎口、５小炎口、６・７ベンチュリ通路、６ａ・７ａ上方の壁面、６ｂ・７ｂ下方の壁面、１０・１１・１７丸孔、１２・１３・１８バーナヘッド取付け部、１４分流板、１５半円上壁、１６半円下壁、

Claims

バーナヘッドに形成した炎口を複数に区分し、各区分の炎口へ板金製のバーナボディに形成した経路の異なる複数のベンチュリ通路を介してそれぞれ燃焼一次空気混合ガスを供給するバーナ装置に於いて、該バーナボディは上下の分割体及び分流板で構成され、上方の分割体に各ベンチュリ通路の上方の半円形壁面を形成させ、かつ下方の分割体に各ベンチュリ通路の下方の半円形壁面を形成させて、断面円形の各ベンチュリ通路が水平方向に並設されると共に、各ベンチュリ通路の燃焼一次空気混合ガスを該区分された炎口へ個別に供給する分流板が上下の分割体の中間に介在され、該分流板は、下方の分割体に形成された下方の壁面とで複数のベンチュリ通路のうちの一部のベンチュリ通路を区画形成する半円上壁と、上方の分割体に形成された上方の壁面とで残りのベンチュリ通路を区画形成する半円下壁とを備えていて、半円上壁の上流側端部と上方の壁面の下流側部分とが重合され、かつ半円下壁の上流側端部と下方の壁面の下流側部分とが重合されており、更に、上記上下の分割体及び分流板に隆起した環状のバーナヘッド取付け部を設けたことを特徴とする複数供給経路用ガスバーナ装置。
上記ベンチュリ通路の通路面積を相違させたことを特徴とする請求項１に記載の複数供給経路用ガスバーナ装置。
上記分流板を上記分割体へカシメ止めしたことを特徴とする請求項１に記載の複数供給経路用ガスバーナ装置。