JP3729290B2 - 共重合ポリイミド樹脂 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は新規なポリイミド樹脂に関する。更に詳しくは、溶剤溶解性、非着色性、透明性に優れ、しかもそれから得られる成形品における柔軟性においても改良された、光学用途などに好適なポリイミド樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】
本来、ポリイミド樹脂は、それから得られる成形品が耐熱性、耐薬品性や耐磨耗性、曲げ強度などの機械的特性において優れているため、摺動部材などの成型品、フィルム、絶縁塗料などに広く用いられている。例えば特開平3−7765、特開平4−285661、特開平4−261482、特開平5−5033等がある
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の芳香族ポリイミド樹脂は着色しており、硬く、有機溶剤に溶解しないために、ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸の状態で加工して、通常300℃以上の高温で熱処理をして閉環させる必要があった。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、溶剤溶解性、透明性に優れ、それから得られる成形品の柔軟性においても優れているようなポリイミド樹脂を得るべく鋭意研究した結果、特定のポリオキシアルキレン基含有化合物をポリイミド樹脂に共重合することによって、上記のような従来の欠点を改良した共重合ポリイミド樹脂が得られることを見出し、本発明に到達した。即ち本発明は、分子量が200以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールから選ばれた少なくとも1種が0.1モル%以上共重合された、対数粘度が0.1dl/g以上の共重合ポリイミド樹脂であって、該共重合ポリイミド樹脂をフィルムにしたときの破断伸度が100%以上であり、酸成分として、アルキレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテートを含有することを特徴とする共重合ポリイミド樹脂である。
【0005】
本発明のポリイミドを合成に用いられる多価カルボン酸無水物としては、たとえばピロメリット酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸無水物、4,4’−オキシジフタル酸無水物、トリメリット酸無水物、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート、プロピレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート、1,4−ブタンジオール−ビス−アンヒドロトリメリテート、ヘキサメチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート、ポリエチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート、ポリプロピレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート等が挙げられるが、これらの中ではエチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテートが可とう性、密着性、重合性及びコストの点から好ましい。また、溶剤に対する溶解性、重合性、更なる透明性などを付与するために、上記の多価カルボン酸無水物の一部を、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸、トリカルボン酸及びその酸塩化物等を、酸成分として更に用いることができる。
【0006】
脂肪族ジカルボン酸としては、たとえばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられ、好ましくはアジピン酸、セバシン酸である。
【0007】
また芳香族ジカルボン酸としては、たとえばイソフタル酸、5−tert−ブチル−1,3−ベンゼンジカルボン酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸、1,2−ジフェニルエタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルエタン−3,3’−ジカルボン酸、2,2’−ビス−(4−カルボキシフェニル)プロパン、2−(2−カルボキシフェニル)−2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、2−(3−カルボキシフェニル)−2−(4−カルボキシフェニル)プロパン、ジフェニルエーテル−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−2,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,4−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−3,3’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4’−ジカルボン酸、ベンゾフェノン−3,3’−ジカルボン酸、ピリジン−2,6−ジカルボン酸、ナフタレンジカルボン酸、ビス−[(4−カルボキシ)フタルイミド]−4,4’−ジフェニルエーテル、ビス−[(4−カルボキシ)フタルイミド]−α,α’−メタキシレン等が挙げられ、好ましくはイソフタル酸、テレフタル酸である。
【0008】
トリカルボン酸としては、たとえばブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタレン1,2,4−トリカルボン酸などが挙げられ、さらには、これらの無水物が挙げられる。
【0009】
テトラカルボン酸としては、たとえばブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノン−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ジフェニルエーテル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ナフタレン−2,3,6,7−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,4,5,8−テトラカルボン酸等が挙げられる。
【0010】
これらの酸成分は単独でもあるいは二種以上の混合物としても、上記の多価カルボン酸無水物と共に用いることが可能である。
【0011】
一方、アミン成分としてはジアミンおよびジイソシアネートが挙げられ、本発明では特に制限はないが、具体的にはたとえばm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、オキシジアニリン、メチレンジアミン、ヘキサフルオロイソプロピリデンジアミン、ジアミノ−m−キシリレン、ジアミノ−p−キシリレン、1,4−ナフタレンジアミン、1,5−ナフタレンジアミン、2,6−ナフタレンジアミン、2,7−ナフタレンジアミン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)プロパン、2,2’−ビス−(4−アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、3,3’−ジアミノジフェニルエーテル、3,4−ジアミノビフェニル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、3,4−ジアミノジフェニルエーテル、イソプロピリデンジアニリン、3,3’−ジアミノベンゾフェノン、o−トリジン、2,4−トリレンジアミン、1,3−ビス−(3−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス−(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、4,4’−ビス−(4−アミノフェノキシ)ビフェニル、2,2’−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’−ジアミノジフェニルスルフィド等の芳香族ジアミン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、等の脂肪族ジアミン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン等の脂環族ジアミン等が挙げられる。また、上記ジアミンのアミノ基を−N=C=O基で置き換えたイソシアネートも挙げられる。これらの中では、イソホロンジアミン(イソホロンジイソシアネート)又は/及び4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート)が溶解性や柔軟性、反応性、コストの点から好ましい。
【0012】
上記アミン成分は、単独で使用してもよいし、あるいは二種以上を混合して用いてもよい。
【0013】
上記酸成分及びアミン成分は、通常は等モル混合で合成されるが、必要に応じて、一方の成分を多少増減させることも可能である。
【0014】
本発明の共重合ポリイミド樹脂の柔軟性を更に改良するために、酸成分またはアミン成分の一部を、ポリオキシアルキレン基含有化合物で置き換えることを特徴としている。
【0015】
ポリオキシアルキレン基含有化合物の一例としてのポリアルキレングリコールとしては、たとえばポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトレメチレングリコール等が挙げられる。またポリオキシアルキレン基含有化合物の一例としてのポリアルキレンエーテルジアミンとしては、たとえばポリオキシエチレンジアミン、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシテトラメチレンエーテルジアミン等が挙げられる。
これらの中では、反応性、コストの点から、ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンジアミンが好ましい。また、得られる共重合ポリイミド樹脂の柔軟性や溶剤溶解性の点から、これらの分子量が200以上であり、好ましくは400以上である。またその共重合割合は0.1モル%以上であり、好ましくは0.5モル%以上である。分子量が200以下であったり、共重合割合が0.1モル%以下であったりすると、可とう性や溶剤溶解性が不十分である。
【0016】
本発明の共重合ポリイミド樹脂は、多価カルボン酸無水物とジアミンまたはジイソシアネートとから合成され、工業的に有利なジイソシアネート法の場合、多価カルボン酸無水物とジイソシアネートを有機溶剤中で加熱、攪拌することによって容易に得られる。
【0017】
重合温度は、通常は50℃〜220℃であり、好ましくは80℃〜200℃の範囲で行われる。
【0018】
ジイソシアネート法で合成する場合、イソシアネートと活性水素との反応を促進するために、たとえばトリエチルアミンやルチジン、ピコリン、トリエチレンジアミン等のアミン類、リチウムメトキサイド、ナトリウムメトキサイド、カリウムブトキサイド、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムなどのアルカリ金属、アルカリ土類金属化合物、或いはコバルト、チタニウム、スズ、亜鉛などの金属、半金族化合物の触媒の存在下に行ってもよい。
【0019】
本発明の共重合ポリイミド樹脂の重合に使用される溶剤としては、たとえばN−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン等のアミド系溶剤、ジメチルスルホキシド、スルホラン等の硫黄系溶剤、ニトロメタン、ニトロエタン等のニトロ系溶剤、ジグライム、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶剤、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶剤の他、γ−ブチロラクトンやテトラメチルウレア等の比較的誘電率の高い溶剤などが挙げられ、これらの中では、重合性の点から、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルイミダゾリジノン、γ−ブチロラクトンが好ましい。
これらは、単独でも、混合溶剤としても使用でき、さらにキシレン、トルエン等の比較的誘電率の低い溶剤を混合して用いることも可能である。
【0020】
ポリイミド樹脂中に上記ポリオキシアルキレン基を導入する方法としては、原料を一括仕込みにするか、分割仕込みにするかによってランダム共重合体、ブロック共重合体、或いは分岐状に重合させるなどいずれでも可能である。
【0021】
このようにして得られた、強靱性、柔軟性等の点で優れたポリイミド樹脂の対数粘度は0.1dl/g以上であり、好ましくは0.2dl/g以上である。対数粘度が0.1dl/g以下では、樹脂は柔軟であっても脆く、強靱性が不足する。また対数粘度が高いほど、得られるフィルムの破断伸度は高い値を示すが、加工性を考慮すると、通常2.0dl/g以下であり、好ましくは1.0dl/g以下である。
本発明の共重合ポリイミド樹脂は溶液キャスティング、溶融キャスティングなど、従来公知の方法でフィルム成形できる。特に溶液キャスティングする場合には、使用する溶剤の沸点が低く、吸湿性も低いため、取扱い性に優れ、得られるフィルムの物性も、従来のポリイミドに比べ格段に優れている。
とりわけ、対数粘度が0.1dl/g以上のポリイミドの場合は、フィルムの破断伸度が100%以上となり、従来適用が困難であった金属用塗料のプライマーや光記録体などへの使用が可能となる。
【0022】
【発明の実施形態】
本発明のポリイミド樹脂は、重合状態で既に閉環しており重合溶液をそのまま、例えば絶縁塗料や金属コーテイング剤として用いることができるが、溶剤置換を行って、比較的汎用で低沸点の溶剤溶液として、透明性や耐熱性を生かしてプラスチックやフィルムのコーテイング剤、特に液晶表示体や光記録体、感熱記録体等の光学部材として用いることもできる。
【0023】
溶剤置換を行う方法は特に限定されるものではなく、乾式紡糸法や湿式紡糸法など公知の技術を応用すればよい。例えば、湿式法の場合、ポリイミド樹脂の非溶剤で、上記重合溶剤と混和する溶剤、好ましくは水からなる凝固浴中にポリイミド樹脂溶液をノズルから押し出して、凝固、脱溶剤、乾燥して、低沸点汎用溶剤に再溶解すればよい。
上記低沸点汎用溶剤としては、ポリイミド樹脂の組成によっても異なるが、たとえばシクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール類、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの炭化水素類の一種又は、二種以上の混合溶剤が挙げられ、目的に応じて選択することが可能である。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。尚、実施例中の特性は以下の方法によって測定した。
1,対数粘度:ポリマー0.5gを100mlのN−メチル−2−ピロリドンに溶解し、25℃にてウベローデ粘度管によって測定した。
2,光線透過率:分光光度計によって、フィルムにしたときの500nmでの光線透過率を測定した。
3、フィルムの破断伸度:JIS−C−2318により、テンシロンを用いて測定した。
【0025】
<実施例1>
反応容器に、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート194.8g、ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量が1000のポリエチレングリコール25g(共重合割合5モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は0.76dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は168%、光線透過率は82%であった。このポリマー溶液を1ozの圧延銅箔に乾燥膜厚が30μになるように重ね、250℃のヒートプレスで3分間圧着したところ、T剥離強度が0.8kg/cmの両面フレキシブル回路板用の銅張り積層板が得られた。
【0026】
<実施例2>
反応容器に、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート225.5g、ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量が3000のポリエチレングリコール150g(共重合割合10モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は0.18dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は103%、光線透過率は80%であった。このポリマー溶液を1ozの圧延銅箔に乾燥膜厚が30μになるように重ね、250℃のヒートプレスで3分間圧着したところ、T剥離強度が0.9kg/cmの両面フレキシブル回路板用の銅張り積層板が得られた。
【0027】
<実施例3>
反応容器に、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート194.8g,ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量200のポリエチレングリコール5g(共重合割合5モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は0.88dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は125%、光線透過率は88%であった。このポリマー溶液を1ozの圧延銅箔に乾燥膜厚が30μになるように重ね、250℃のヒートプレスで3分間圧着したところ、T剥離強度が0.6kg/cmの両面フレキシブル回路板用の銅張り積層板が得られた。
【0028】
<実施例4>
反応容器に、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート194.8g,ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量500のポリエチレングリコール12.5g(共重合割合5モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は0.91dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は140%、光線透過率は82%であった。このポリマー溶液を1ozの圧延銅箔に乾燥膜厚が30μになるように重ね、250℃のヒートプレスで3分間圧着したところ、T剥離強度が1.2kg/cmの両面フレキシブル回路板用の銅張り積層板が得られた。
【0029】
<実施例5>
反応容器に、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート205.0g,ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量3000のポリエチレングリコール3g(共重合割合0.2モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は0.99dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は121%、光線透過率は88%であった。このポリマー溶液を1ozの圧延銅箔に乾燥膜厚が30μになるように重ね、250℃のヒートプレスで3分間圧着したところ、T剥離強度が0.8kg/cmの両面フレキシブル回路板用の銅張り積層板が得られた。
【0030】
<実施例6>
反応容器に、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート205.0g,ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量3000のポリエチレングリコール9g(共重合割合0.6モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は1.03dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は159%、光線透過率は82%であった。このポリマー溶液を1ozの圧延銅箔に乾燥膜厚が30μになるように重ね、250℃のヒートプレスで3分間圧着したところ、T剥離強度が0.8kg/cmの両面フレキシブル回路板用の銅張り積層板が得られた。
【0031】
<実施例7>
反応容器に、エチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート147.6g,シクロヘキサンジカルボン酸15.5g,イソホロンジイソシアネート55.6g,ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート63g,平均分子量1000のポリエチレングリコール50g(共重合割合10%)をジメチルイミダゾリジノン331.7gとともに仕込み、200℃に昇温して5時間反応させた後、冷却した。得られた共重合ポリイミド樹脂の対数粘度は0.66dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は190%、光線透過率は88%であった。
【0032】
<実施例8>
実施例7で合成した共重合ポリイミド樹脂溶液をジメチルイミダゾリジノンで3倍に希釈した溶液を、攪拌している水中に投入してポリマーを凝固、脱溶剤、乾燥し、テトラヒドロフランとトルエンの等量混合溶剤に固形分が20重量%となるように溶解した。この溶液を光記録層が形成された100μのポリカーボネートフィルムの記録層の裏面に乾燥膜厚が10μとなるように塗布し100℃で3分間乾燥した。このポリイミド樹脂層の鉛筆硬度はFで、折り曲げても割れず、透明で耐磨耗性に優れた保護層が形成された。
【0033】
<比較例1>
反応容器にエチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート194.8g、ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量100のポリエチレングリコール2.5g(共重合割合5モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は0.59dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は91%であった。
【0034】
<比較例2>
反応容器にエチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート205.0g、ジフェニルメタンジイソシアネート125.1g、平均分子量3000のポリエチレングリコール1.2g(共重合割合0.08モル%)をγ−ブチロラクトン301gと共に仕込み、180℃に昇温して5時間反応させた後、冷却しながらシクロヘキサノンを加えて、固形分濃度が30%のポリマー溶液を得た。このポリマーの対数粘度は0.61dl/gであった。また、このポリマー溶液を100μのポリエステルフィルム上に乾燥の厚みが30μとなるように流延塗布し、100℃で5分乾燥後、ポリエステルフィルムから剥離し、さらに180℃真空下で3時間乾燥したフィルムの破断伸度は90%であった。
【0035】
<比較例3>
反応容器にエチレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテート196.8g、シクロヘキサンジカルボン酸20.6g、イソホロンジイソシアネート55.6g,ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート63g、平均分子量が1000のポリエチレングリコール50g(共重合割合10%)をγ−ブチロラクトン292gと共に仕込み、180℃で5時間反応させた後、冷却した。得られた共重合ポリイミドの対数粘度は0.08dl/gであった。このポリマーは脆く、フィルムを形成しなかった。このポリマー溶液を実施例8と同じ条件で溶剤置換して、同じ条件で100μのポリカーボネートフィルムに塗布、乾燥したが折り曲げると簡単にクラックが入り使用不可能であった。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】
本発明の共重合ポリイミド樹脂は、溶剤溶解性、非着色性、透明性に優れており、しかも成形品にした場合においても、本来の耐熱性や耐薬品性は損なわれることなく柔軟性についても改良されたものである。液晶表示体や光記録体、感熱記録体の部材として有用なものである。
Claims (4)
- 分子量が200以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールから選ばれた少なくとも1種が0.1モル%以上共重合された、対数粘度が0.1dl/g以上の共重合ポリイミド樹脂であって、該共重合ポリイミド樹脂をフィルムにしたときの破断伸度が100%以上であり、酸成分として、アルキレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテートを含有することを特徴とする共重合ポリイミド樹脂。
- アミン残基として、イソホロン及び/又はジシクロヘキシルメタン基が含まれていることを特徴とする請求項1に記載の共重合ポリイミド樹脂。
- 分子量が200以上のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールから選ばれた少なくとも1種が0.1モル%以上共重合された、対数粘度が0.1dl/g以上の共重合ポリイミド樹脂であって、該共重合ポリイミド樹脂をフィルムにしたときの破断伸度が100%以上であり、酸成分として、アルキレングリコール−ビス−アンヒドロトリメリテートを含有する共重合ポリイミド樹脂と、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジメチルイミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、ニトロエタン、ジグライム、テトラヒドロフラン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、γ−ブチロラクトン、テトラメチルウレア、シクロペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジオキサ、メチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンゼン、トルエン、キシレンのうち一種又は二種以上の溶剤からなる組成物
- アミン残基として、イソホロン及び/又はジシクロヘキシルメタン基が含まれていることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
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