JP3729167B2 - レーザモジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーザモジュール内でレーザチップを搭載するレーザチップキャリアに関する。
【0002】
【従来の技術】
レーザモジュールは、光通信用の光源として一般的に使用されている。レーザモジュールは、外部からの電気信号を光信号に変換して出力する。レーザモジュールは、半導体レーザチップを内蔵している。レーザモジュールは、外部から電気信号を受け取る。この電気信号に応じた駆動電流信号がレーザチップに注入され、これによりレーザチップが発光する。レーザチップから発する光は、駆動電流信号に応じたパワーを有する。駆動電流信号が変調されていれば、レーザモジュールは、駆動電流信号と同じように変調された光信号を出力する(特許文献1および2参照)。
【0003】
図6は、従来のレーザモジュールの内部構造を示す概略斜視図である。レーザチップ10は、直方体形状のチップキャリア52の上面52aに搭載されている。上面52aには、導体パターン52bおよび52cも設けられている。レーザチップ10の底面は、導体パターン12bに接触している。レーザチップ10の底面に設けられた電極は、導体パターン12bに電気的に接続されている。一方、レーザチップ10の上面に設けられた電極は、ワイヤ14を介して導体パターン52cにワイヤボンディングされている。
【0004】
レーザモジュール内には、配線部材20がチップキャリア12に対向するようにして配置されている。配線部材20の上面には、導体パターン22aおよび22bが設けられている。これらの導体パターンは、レーザモジュールの外側へ延びる2本の信号入力ピン(図示せず)にそれぞれ電気的に接続されている。レーザモジュールは、これらの信号入力ピンを介して電気信号を受け取る。導体パターン22aは、ワイヤ24aによって導体パターン52bにワイヤボンディングされている。同様に、導体パターン22bは、ワイヤ24bによって導体パターン52cにワイヤボンディングされている。
【0005】
【特許文献1】
特開2000−240874号公報
【特許文献2】
特開2000−91695号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
図6に示されるように、配線部材20の上面20aとチップキャリア52の上面52aとの間に段差が生じることがある。チップキャリア52の高さと配線部材20の高さは、別個の設計要求に応じて決められるからである。チップキャリア52の高さは、レーザチップ10の光軸5の高さに反映する。このため、チップキャリア52の高さは、光軸5の高さの設計値に応じて決められる。一方、配線部材20の高さは、信号入力ピンの高さとほぼ同じであることが好ましい。これらの高さが異なると、導体パターン22aおよび22bが長く、複雑な形状となるからである。光軸5と信号入力ピンの高さは必ずしも一致しない。むしろ、光軸5を信号入力ピンよりも低い位置に配置すれば、レーザモジュールを小型化できる。
【0007】
チップキャリア52と配線部材20との段差のために、チップキャリア52の導体パターン52b、52cと配線部材20の導体パターン22a、22bとを結ぶボンディングワイヤ24a、24bは比較的長くなる。ボンディングワイヤ24a、24bが長いと、レーザチップ10の駆動電流経路のインダクタンスが大きくなる。このため、レーザモジュールに入力された駆動電流信号が劣化しやすく、それに応じて出力光信号も劣化しやすい。駆動電流信号の劣化は、その駆動電流信号が高周波信号のときに特に顕著である。
【0008】
そこで、この発明は、チップキャリアと配線部材とを接続するボンディングワイヤの短縮を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明のチップキャリアは、底面およびチップ搭載面を有している。チップ搭載面には、レーザチップが搭載されている。チップ搭載面は、底面に対して傾斜している。レーザチップの上面および下面には、駆動電流を注入するための上部電極および下部電極がそれぞれ設けられている。チップ搭載面には、レーザチップの付近からチップキャリアの一つのエッジ部まで延在する導体パターンが設けられている。レーザチップの下部電極は、この導体パターンに電気的に接続されている。
【0010】
チップ搭載面がチップキャリアの底面に対して傾斜しているので、チップキャリアのエッジ部とレーザチップの光軸とで底面からの高さが異なるようにレーザチップを配置できる。光軸と異なる高さのエッジ部に導体パターンが延在していれば、光軸と異なる高さでチップキャリアを他の部品にワイヤボンディングできる。このチップキャリアをレーザモジュール内に設置する場合、配線部材の上面の高さとチップキャリアのエッジ部の高さを揃えれば、そのエッジ部まで延在する導体パターンを短いワイヤによって配線部材にワイヤボンディングできる。
【0011】
この発明のレーザモジュールは、(a)チップ搭載面を有し、このチップ搭載面にレーザチップが搭載されたチップキャリアと、(b)チップキャリアに対向し、第1および第2の導体パターンを有する配線部材と、(c)チップキャリアおよび配線部材を収容する筐体と、(d)第1および第2の導体パターンにそれぞれ電気的に接続され、筐体の外側に延びる第1および第2の信号入力ピンと、を備えている。チップキャリアのチップ搭載面は、配線部材の上面に対して傾斜している。レーザチップの上面には、駆動電流を注入するための上部電極が設けられている。レーザチップの下面には、駆動電流を注入するための下部電極が設けられている。チップキャリアのチップ搭載面には、第3の導体パターンが設けられている。第3導体パターンは、レーザチップの付近からチップキャリアの配線部材と対向するエッジ部まで延在している。レーザチップの下部電極は、第3導体パターンに電気的に接続されている。配線部材の第1および第2導体パターンは、配線部材のチップキャリに対向するエッジ部まで延在している。配線部材の第1導体パターンは、チップキャリアの第3導体パターンにワイヤボンディングされている。配線部材の第2導体パターンは、レーザチップの上部電極に電気的に接続されている。
【0012】
チップ搭載面が配線部材の上面に対して傾斜しているので、配線部材の上面とレーザチップの光軸とで筐体の底面からの高さが異なるようにレーザチップを配置できる。配線部材の上面の高さとチップキャリアのエッジ部の高さを揃えれば、そのエッジ部まで延在する導体パターンを短いワイヤによって配線部材にワイヤボンディングできる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図示の便宜上、図面の寸法比率は説明のものと必ずしも一致しない。
【0014】
(第1実施形態)
図1〜図3を参照しながら、第1の実施形態に係る半導体レーザモジュール1の構成を説明する。図1は、このレーザモジュール1の構成を示す部分破断斜視図である。図2は、レーザモジュール1の部分破断側面図である。図3は、レーザモジュール1の内部構造を示す斜視図である。図1および図2では、レーザモジュール1の筐体8の上壁は図示されていない。
【0015】
レーザモジュール1は、バタフライ型のモジュールである。レーザモジュール1の筐体8内には、チップキャリア12が収容されている。チップキャリア12は、絶縁性または半絶縁性である。チップキャリア12は、台形柱形状を有している。チップキャリア12の上面12aは、実質的に平坦であり、筐体8の底面に対して傾斜している。チップキャリア12の底面は、実質的に平坦であり、筐体8の底面と実質的に平行である。チップキャリア12は、搭載部材16上に搭載されている。チップキャリア12の底面は、搭載部材16の上面に接している。搭載部材16は、ペルチェ素子18の上に固定されている。ペルチェ素子18は、筐体8の底面に固定されている。
【0016】
チップキャリア12の上面12aには、半導体レーザチップ10が搭載されている。以下では、上面12aを「チップ搭載面」と呼ぶことにする。レーザチップ10は、駆動電流を注入するための二つの電極、すなわち上部電極および下部電極(図示せず)を有している。上部電極は、レーザチップ10の上面に設けられ、下部電極は、レーザチップ10の底面に設けられている。チップ搭載面12aには、導体パターン12bおよび12cも設けられている。レーザチップ10は、導体パターン12b上に設置されている。レーザチップ10の下部電極は、導体パターン12bに電気的に接続されている。レーザチップ10の上部電極は、ワイヤ14によって導体パターン12cにワイヤボンディングされている。したがって、レーザチップ10の上部電極は、導体パターン12cに電気的に接続されている。導体パターン12bおよび12cは、レーザチップ10の付近からチップキャリア12の同じエッジ部12dまで延在している。エッジ部12dは、チップ搭載面12aの傾斜方向に沿ってレーザチップ10の上方に配置されている。
【0017】
筐体8内には、2個の配線部材20、21がさらに収容されている。これらの配線部材20、21は、筐体8の互いに対向する二つの側壁にそれぞれ取り付けられている。配線部材20、21は、チップキャリア12の両側方に配置されている。配線部材20、21の各上面は、筐体8の底面と実質的に平行である。配線部材20、21は、それぞれ絶縁体であるセラミックから構成されている。配線部材20、21の上面には、それぞれ複数の導体パターン22が設けられている。これらの導体パターン22は、配線部材20、21のチップキャリア12に対向するエッジ部まで延在している。各導体パターン22には、信号入力ピン26が接続されている。これらの信号入力ピン26は、筐体8の側壁から外側にほぼ垂直に延びている。
【0018】
チップキャリア12のエッジ部12dと対向する配線部材20は、チップキャリア12とワイヤボンディングされている。具体的には、チップキャリア12上の導体パターン12bと配線部材20上の導体パターン22aが、ワイヤ24aによってワイヤボンディングされている。また、チップキャリア12上の導体パターン12cと配線部材20上の導体パターン22bが、ワイヤ24bによってワイヤボンディングされている。
【0019】
筐体8内には、レンズ40も収容されている。レンズ40は、レーザチップ10の光出射面に対向させて配置されている。レンズ40は、レーザチップ10が発するレーザ光を集光する。筐体8の前壁には、フェルール42が取り付けられている。フェルール42は、光ファイバ(図示せず)を内蔵している。この光ファイバは、レンズ40を介してレーザチップ10に光学的に接続されている。レーザチップ10からのレーザ光は、レンズ40によって集光され、フェルール42内の光ファイバに送られる。レーザ光は、この光ファイバによってレーザモジュール1の外部へ出力される。
【0020】
この実施形態の特徴は、チップキャリア12のチップ搭載面12aがチップキャリア12の底面および配線部材20の上面20aに対して一定の角度で傾斜していることにある。この結果、チップ搭載面12aは、その部位によって筐体8の底面から様々な高さを有する。チップキャリア12の配線部材20に対向するエッジ部12dは最も高く、配線部材21に対向するエッジ部12eは最も低い。エッジ部12dは、配線部材20の上面20aと実質的に同じ高さを有している。レーザチップ10は、チップ搭載面12aの中腹に位置している。このため、レーザチップ10の光軸5は、エッジ部12dよりも低い位置にある。このように、チップ搭載面12aを傾斜させることにより、エッジ部12dと光軸5とを異なる高さに配置できる。
【0021】
この実施形態では、導体パターン22a、ワイヤ24a、導体パターン12b、レーザチップ10、ワイヤ14、導体パターン12c、ワイヤ24bおよび導体パターン22bからなる電流経路が形成されている。導体パターン22a、22bには、それぞれ信号入力ピン26a、26bが接続されている。レーザモジュール1の動作時には、外部駆動回路が信号入力ピン26aおよび26bに接続される。外部駆動回路は、レーザチップ10の駆動電流を生成し、信号入力ピン26aおよび26bの一方から他方に流す。この駆動電流は、上記の電流経路を流れて、レーザチップ10に注入される 。これにより、レーザチップ10はレーザ光を発する。
【0022】
以下では、この実施形態の利点を説明する。図3と図6を比較すれば明らかなように、この実施形態のレーザモジュール1では、チップキャリア12と配線部材20を接続するボンディングワイヤ22a、22bが従来技術に比べて短い。これは、チップキャリア12のエッジ12dと配線部材20の上面20aとの間に段差がないからである。ワイヤ22a、22bが短縮されるので、駆動電流経路のインダクタンスを抑え、出力光信号の劣化を防止できる。この効果は、高周波の光信号を出力する場合に特に顕著である。
【0023】
チップ搭載面12aが配線部材20の上面20aに対して傾斜しているため、レーザチップ10の光軸5は、配線部材20の上面20aおよび信号入力ピン26と異なる高さを有する。光軸5の高さは、チップ搭載面12aの傾斜に応じて定まる。チップ搭載面12aに適切な傾斜を与えれば、光軸5の高さの設計要求と信号入力ピン26の高さの設計要求を同時に満たすことができる。特に、光軸5を信号入力ピン26よりも低く配置すれば、レーザモジュール1を小型化できる。
【0024】
(第2実施形態)
以下では、図4を参照しながら、この発明の第2の実施形態を説明する。図4は、この実施形態のレーザモジュールの内部構造を示す斜視図である。第2実施形態では、配線部材20の代わりに、集積回路(IC)基板30および搭載部材34が設置されている。他の構成は、第1実施形態と同様である。IC基板30は、信号入力ピン26a、26bとレーザチップ10とを電気的に接続するための導体パターンを有する点において配線部材の一種である。ただし、IC基板30は、配線部材20のように導体パターンを有するだけでなく、電気回路を有している。
【0025】
図4に示されるように、IC基板30は、搭載部材34上に搭載されている。IC基板30は、信号入力ピン26に電気的に接続されている。IC基板30は、その内部に回路パターンおよび複数の導体パターンを有している。IC基板30の上面30aは、チップキャリア12のエッジ部12dと実質的に等しい高さを有している。IC基板30のチップキャリア12と対向するエッジ部30bには、複数のボンディングパッド32が設けられている。各ボンディングパッド32は、IC基板30内の導体パターンに電気的に接続されている。
【0026】
ボンディングパッド32aは、ワイヤ24aによってチップキャリア12の導体パターン12bにワイヤボンディングされている。また、ボンディングパッド32bは、ワイヤ24bによってチップキャリア12の導体パターン12cにワイヤボンディングされている。ボンディングパッド32a、32bに接続された導体パターンは、信号入力ピン26a、26bにそれぞれ接続されている。したがって、ボンディングパッド32a、32bは、それぞれ信号入力ピン26a、26bに電気的に接続されている。
【0027】
IC基板30に設けられた回路パターンは、例えば、レーザチップ10の駆動電流信号を生成する回路であってもよい。レーザモジュール1の動作時には、外部駆動回路が信号入力ピン26aおよび26bに接続される。外部駆動回路は、電圧信号を生成し、信号入力ピン26aおよび26bを介してIC基板30に送る。IC基板30は、この電圧信号に応じて、レーザチップ10の駆動電流信号を生成する。この駆動電流信号は、ワイヤ24a、導体パターン12b、レーザチップ10、ワイヤ14、導体パターン12cおよびワイヤ24bからなる電流経路を流れ、レーザチップ10に注入される 。これにより、レーザチップ10はレーザ光を発する。
【0028】
この実施形態のレーザモジュールは、第1実施形態のレーザモジュール1と同じ利点を有する。つまり、チップキャリア12のエッジ12dとIC基板30の上面30aとの間に段差がないので、ボンディングワイヤ24a、24bを短縮できる。これにより、出力光信号の劣化を抑えられる。また、チップ搭載面12aに適切な傾斜を与えれば、光軸5の高さの設計要求と信号入力ピン26の高さの設計要求を同時に満たすことができる。
【0029】
(第3実施形態)
以下では、図5を参照しながら、この発明の第3の実施形態を説明する。図5は、この実施形態のレーザモジュールの内部構造を示す斜視図である。第3実施形態は、チップキャリアの構造が第1実施形態と異なっている。他の構成は、第1実施形態と同様である。
【0030】
この実施形態のチップキャリア13は、チップ搭載面13a上に配線用ブロック45が設置されている点、およびチップ搭載面13a上に一つの導体パターン13bしか設けられていない点で、第1実施形態のチップキャリア12と異なる。チップキャリア13の他の構成は、チップキャリア12と同じである。すなわち、チップキャリア13は、絶縁性または半絶縁性で、台形柱形状を有している。チップキャリア13のチップ搭載面13aは、実質的に平坦であり、筐体8の底面に対して傾斜している。チップキャリア13の底面は、実質的に平坦であり、筐体8の底面と実質的に平行である。導体パターン13bは、レーザチップ10の付近からチップキャリア13の一つのエッジ13dまで延在している。レーザチップ10は、導体パターン13b上に設置されている。レーザチップ10の下部電極は、導体パターン13bに電気的に接続されている。
【0031】
配線用ブロック45は、その全体が金属から構成されている。ブロック45は、直角三角柱形状を有している。ブロック45は、その斜面45aを上に向けて設置されている。斜面45aは、チップ搭載面13aに対して一定の角度で傾斜している。この結果、斜面45aは、筐体8の底面と実質的に平行である。斜面45aは、レーザチップ10の上面の付近からチップ搭載面13aの付近まで延在している。ブロック45は、互いに直交する二つの側面45bおよび45cを有している。側面45bは、チップ搭載面13aに接している。側面45cは、レーザチップ10と対向している。斜面45aと側面45bとが交差するエッジ部は、チップキャリア13のエッジ部13dに位置合わせされている。チップ搭載面13aに垂直な方向に沿ったブロック45の高さは、同じ方向に沿ったレーザチップ10の高さとほぼ同じである。
【0032】
ブロック45は、ワイヤ14によってレーザチップ10にワイヤボンディングされている。ボンディングワイヤ14は、レーザチップ10の上部電極とブロック45の斜面45aとの間に接続されている。また、ブロック45は、ワイヤ24bによって配線部材20にワイヤボンディングされている。ボンディングワイヤ24bは、配線部材20の導体パターン22bとブロック45の斜面45aとの間に接続されている。この結果、導体パターン22bとレーザチップ10の上部電極とが電気的に接続される。一方、レーザチップ10の下部電極は、チップキャリア12の導体パターン12bに電気的に接続されており、導体パターン12bは配線部材20の導体パターン22aとワイヤボンディングされている。この結果、レーザチップ10の下部電極は、導体パターン22aと電気的に接続されている。このようにして、導体パターン22a、ワイヤ24a、導体パターン12b、レーザチップ10、ワイヤ14、ブロック45、ワイヤ24bおよび導体パターン22bからなる電流経路が形成される。なお、表皮効果により、大部分の電流は、メタルブロック45のうち斜面45aを含む表層部を流れる。
【0033】
この実施形態は、第1実施形態と同じ利点に加えて、以下の利点を有する。図5と図3を比較すれば明らかなように、この実施形態では、レーザチップ10に接続されるボンディングワイヤ14が第1実施形態に比べて短い。これは、レーザチップ10の上面とチップキャリア13のチップ搭載面13aとの段差が、ブロック45によって埋められているからである。この結果、駆動電流経路のインダクタンスをいっそう抑え、出力光信号の劣化を防止できる。
【0034】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【0035】
第3実施形態のブロック45は、その全体が金属製でなくてもよい。例えば、メタルブロックの代わりに、同じ三角柱形状のセラミック基体の斜面に導体パターンを設けたブロックを使用してもよい。この場合、ブロック上の導体パターンがレーザチップの上部電極および配線部材の導体パターンとワイヤボンディングされる。
【0036】
【発明の効果】
この発明のチップキャリアは、その底面に対して傾斜したチップ搭載面を有している。このチップキャリアは、そのチップ搭載面が配線部材の上面に対して傾斜するようにレーザモジュール内に設置できる。このため、レーザモジュール内で配線部材とレーザチップの光軸を異なる高さに配置しなければならないときにも、配線部材とチップキャリアとを短いワイヤによってワイヤボンディングできる。したがって、この発明のチップキャリアを備えるレーザモジュールは、劣化の少ない光信号を出力でき、高周波性能にも優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態のレーザモジュールの構成を示す部分破断斜視図である。
【図2】第1実施形態のレーザモジュールの構成を示す部分破断側面図である。
【図3】第1実施形態のレーザモジュールの内部構造を示す斜視図である。
【図4】第2実施形態のチップモジュールの内部構造を示す斜視図である。
【図5】第3実施形態のチップモジュールの内部構造を示す斜視図である。
【図6】従来技術のチップキャリアの構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…レーザモジュール、8…筐体、10…レーザチップ、12…チップキャリア、12a…チップ搭載面、12bおよび12c…導体パターン、14、24aおよび24b…ボンディングワイヤ、16…搭載部材、18…温度調節手段としてのペルチェ素子、20および21…配線部材、22…導体パターン、26…信号入力ピン、45…配線用ブロック、40…レンズ、42…フェルール。
Claims (6)
- チップ搭載面を有し、このチップ搭載面にレーザチップが搭載されたチップキャリアと、
前記チップキャリアに対向し、第1および第2の導体パターンを有する配線部材と、
前記チップキャリアおよび前記配線部材を収容する筐体と、
前記第1および第2の導体パターンにそれぞれ電気的に接続され、前記筐体の外側に延びる第1および第2の信号入力ピンと、
を備えるレーザモジュールであって、
前記チップキャリアのチップ搭載面は、前記配線部材の上面に対して傾斜しており、
前記レーザチップの上面および下面には、駆動電流を注入するための上部電極および下部電極がそれぞれ設けられており、
前記チップキャリアのチップ搭載面には、第3の導体パターンが設けられており、
前記第3導体パターンは、前記レーザチップの付近から前記チップキャリアの前記配線部材と対向するエッジ部まで延在しており、
前記レーザチップの下部電極は、前記第3導体パターンに電気的に接続されており、
前記配線部材の第1および第2導体パターンは、前記配線部材の前記チップキャリアに対向するエッジ部まで延在しており、
前記配線部材の第1導体パターンは、前記チップキャリアの第3導体パターンにワイヤボンディングされており、
前記配線部材の第2導体パターンは、前記レーザチップの上部電極に電気的に接続されており、
前記配線部材の前記チップキャリアに対向する前記エッジ部と、前記チップキャリアの前記配線部材に対向する前記エッジ部とは、ほぼ同じ高さを有している、
レーザモジュール。 - 前記チップキャリアのチップ搭載面には、第4の導体パターンがさらに設けられており、
前記第3および第4導体パターンは、前記レーザチップの付近から前記チップキャリアの同じエッジ部まで延在しており、
前記レーザチップの上部電極は、前記第4導体パターンにワイヤボンディングされており、
前記第4導体パターンは、前記配線部材の第2導体パターンにワイヤボンディングされている
請求項1記載のレーザモジュール。 - 前記レーザチップの上部電極の付近から前記チップ搭載面付近まで延在する導電性部材をさらに備える請求項1記載のレーザモジュールであって、
前記導電性部材は、前記チップ搭載面に対して傾斜した傾斜部を有しており、
前記レーザチップの上部電極は、前記導電性部材にワイヤボンディングされており、
前記導電性部材は、前記配線部材の第2導体パターンにワイヤボンディングされている
請求項1記載のレーザモジュール。 - 前記導電性部材は、前記レーザチップの上部電極とほぼ等しい高さの部分を含んでおり、この部分と前記レーザチップの上部電極とがワイヤボンディングされている
請求項3記載のレーザモジュール。 - 前記導電性部材は、導電性の多角形ブロックであり、
前記ブロックは、前記チップ搭載面に対して傾斜した斜面を有しており、
前記ブロックの前記斜面は、前記レーザチップの上部電極の付近から前記チップキャリアのチップ搭載面の付近まで延在している
請求項3記載のレーザモジュール。 - 前記チップキャリアのチップ搭載面に設置された多角形基体をさらに備える請求項3記載のレーザモジュールであって、
前記導電性部材は、前記多角形基体の一側面上に設けられた導体パターンである
請求項3記載のレーザモジュール。
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