JP3729091B2 - 車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両における窓ガラスあるいは、サンルーフ、ドア等の開閉体の閉じ忘れ防止装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来、自動車における窓ガラスあるいはサンルーフ等の開閉体に駆動手段を設け、スイッチの操作で自動的に開閉させる装置は広く使用されている。
【0003】
このような装置によると、搭乗者が自動車を離れる際に、上述したスイッチの操作を忘れた場合には、閉じ忘れられた窓から施解錠ノブが操作され、ドアが開けられ盗難にあったり、またサンルーフを閉じ忘れた場合には、雨水によつてシートが濡れてしまう等のおそれがある。
【0004】
このようなおそれを防止するための装置として、例えば実開昭60−148115号公報に開示されているように、自動車に設けられた開閉体を開閉させる駆動手段と、車外からの施錠操作を検知する施錠操作検知手段と、該施錠操作検知手段が作動させられることにより、前記駆動手段を作動させ、前記開閉体を閉止させる制御装置とを備える自動車における開閉体の閉じ忘れ防止装置がある。
【0005】
さらに閉止中に人や物が挟み込まれた場合に簡単に閉駆動を停止したり、強制的に開駆動をするような装置も特公平4―22727号公報に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の技術では、開閉体の駆動部の故障や、駆動抵抗の過大などの不具合により開閉体の閉止が不充分であった場合に搭乗者が、閉止が完了していないことを認識し難いことがあり、閉じ忘れたままに放置される可能性がある。また、挟み込み防止機能より、途中で閉止操作が中断された場合においても同様の閉じ忘れが発生する。
【0007】
そこで、本発明の目的は閉じ忘れ防止装置の機能が完全に達成されずに閉じ忘れが発生した場合に搭乗者が容易に閉じ忘れの発生を認識可能な車両用開閉体閉じ忘れ防止装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明においては、車両に設けられた複数の開閉体を各々個別に開閉させる駆動手段と、車外からの施錠操作を検知する施錠操作検知手段と、前記開閉体が閉止されたことを検知する閉止検知手段と、前記施錠操作検知手段が施錠操作を検知した時に、前記駆動手段を作動させ、前記開閉体を閉駆動させる際に、所定の開閉体のみを他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止させる制御手段とを備え、前記制御手段は、前記他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止させるべき前記所定の開閉体が、前記施錠操作検知手段が施錠操作を検知した時点で既に閉止状態であった場合には、当該所定の開閉体を所定量だけ開状態とし、その後、前記他の全ての開閉体の閉止を検出した後に再度、閉止させることを特徴とする車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置とした。
【0009】
請求項2に記載の発明においては、施錠操作が行われた地点を特定する施錠操作地点特定手段を有し、前記制御手段は、前記施錠操作地点特定手段により特定された地点に最寄りの開閉体を他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止させることとした。
【0010】
請求項3に記載の発明においては、前記開閉体は窓ガラスまたはサンルーフであることとした。
【0011】
請求項4に記載の発明においては、前記開閉体はドアであることとした。
【0012】
請求項5に記載の発明においては、前記開閉体は窓ガラスまたはサンルーフであり、前記他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止される前記所定の開閉体は運転席の窓ガラスであることとした。
【0013】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、所定の開閉体が閉止していた場合においても一度開駆動してから閉止することにより、搭乗者は所定の開閉体の閉止のみを確認すれば、他の全ての開閉体の閉止が保証されるので、閉じ忘れを防止できる。
【0014】
請求項2の発明によれば、搭乗者がリモートキー等により、運転席近傍以外から施錠した場合においても搭乗者から近い開閉体で閉止の確認が可能となる。
【0015】
請求項3の発明によれば、窓ガラスまたはサンルーフの閉止の確認が可能となる。
【0016】
請求項4の発明によれば、ドアの閉止の確認が可能となる。
【0017】
請求項5の発明によれば、搭乗者の内、車両の施錠操作を行う頻度の高い運転者に近い運転席の窓ガラスを最後に閉止するようにしたので、運転者による閉止の確認が容易である。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明を車両用の窓ガラスに適用した例を以下に説明する。
図1を用いてシステムブロックを説明する。
図示しない各席の窓ガラスは各席に設けられたパワーウインドモータ(以下PWモータ)により開閉動作を行う。パワーウインドコントロールユニット(以下PWC/U)10、20、30、40はPW モータ11、21、31、41を制御する。すなわち各パワーウインド操作スイッチ13、23、33、43からの開閉入力を検知し、PWモータを駆動し、窓ガラスの開閉を行う。
【0019】
また、ウィンドウ状態スイッチ12、22、32、42からの入力により窓ガラスの全閉状態を検知する。
【0020】
リモートキー&ドアロックコントロールユニット50(以下リモートキー&ドアロックC/U)はリモコンキー55からの電波を受信し、図示しないドアロックの施錠、解錠を行う。また、図示しないドアのキーシリンダに取付けられたドアキーシリンダスイッチ51、53により車両外からキーによりドアが施錠または解錠されたことを検知する。施錠の検知はリモートキー&ドアロックC/U内の施錠検知部150で行われる。
【0021】
各PW C/U10、20、30、40及びリモートキー&ドアロックC/U50は車内LAN(ローカルエリアネットワーク)で接続されており、各コントロールユニットが検知した情報を互いに通信で交換することが可能である。例えば、リモートキー&ドアロックC/U50が検知した車両外から施錠したという情報は車内LANを通じて運転席のPW C/U10内にある制御部110に送られる。
【0022】
次に図2を用いてウィンドウ状態スイッチについて説明する。ウィンドウ状態スイッチは、窓枠61に取付けられた感圧スイッチ60あるいは、PWモータに取付けられたポテンショメータ70などである。
【0023】
窓枠に取付けられた感圧スイッチ60は窓ガラス80が全閉の際に窓ガラス80からの圧力によりスイイチがONとなる。
【0024】
ポテンショメータ70は減速機71を介してPWモータに接続され、全閉となったときのモータの位置によりポテンショメータ70が所定の抵抗値を示す。この抵抗値により窓ガラス80の全閉を検知出来る。
次に、図3を用いて制御部110で行われる制御のシステムフローを説明する。
【0025】
ステップS20に置いて、車外からの施錠操作を待つ。施錠操作検知部150が車外からの施錠操作を検知するとその情報は車内LANを経由して制御部110に送られるので、ステップS30に進む。ステップS30では、ウィンドウ状態スイッチ12、22、32、42により開いたままの窓がないかを確認する。開いた窓がなければ、ステップS80に進み操作が終了する。
【0026】
開いた窓が有った場合には、ステップS40に進み、運転席以外の窓が開いているかを確認する。開いている窓が運転席のみの場合は、ステップS50に進み運転席窓の閉駆動を行う。
【0027】
ステップS40において、運転席以外の窓が開いていた場合には、ステップS60に進む。ステップS60では運転席以外の窓を全て閉駆動する。
引き続きステップS70に進み運転席以外の窓が全閉止したかを確認する。全閉止していれば、ステップS50に進み運転席の窓を閉止させる。
S70において、全閉止しない場合には、ステップS80に進み処理を終了させる。
【0028】
本実施の形態により、運転席の閉止を確認すれば全ての窓の閉止を確認出来る。
【0029】
第二の実施の形態
図4を用いて、第二の実施の形態のシステムブロックを説明する。
ここでは、第一の実施の形態と異なる点のみを説明し、第一の実施の形態と同機能のものについては、同一の番号を付け、説明を省略する。
【0030】
PW C/U210は第一の実施の形態のPW C/U10を第二の実施の形態に適応させたものである。同様に制御部220、リモートキー&ドアロック C/U230も第一の実施の形態の同部品を第二の実施の形態に適応させたものである。
【0031】
リモートキー&ドアロックC/U230はドアの図示しないキーシリンダに取付けられたドアキーシリンダスイッチ51、53により車両外からキーによりドアが施錠または解錠されたことを検知する。
【0032】
この際に施錠操作地点特定部160により、ドアキーシリンダスイッチ51、53からの入力が運転席側ドアキーシリンダスイッチ51であるか、助手席側ドアキーシリンダスイッチ53であるかを区別することが出来る。
【0033】
また、複数のリモートキーの信号受信用のアンテナ57、58を持ち、各アンテナの受信信号の強度から、リモートキーの位置を推定することにより、ドアロックの操作位置を検出することも可能で有る。
【0034】
次に、図5を用いて第二の実施の形態の処理フローを説明する。
ステップS120に置いて、車外からの施錠操作を待つ。施錠操作検知部150が車外からの施錠操作を検知するとステップS125に進む。
ステップS125では施錠操作地点特定部160がキー操作位置を推定し、操作位置に最寄りの窓を特定する。
【0035】
次に、ステップS130では、開いたままの窓がないかを確認する。開いた窓がなければ、ステップS180に進み操作が終了する。
開いた窓が有った場合には、ステップS140に進み、最寄りの窓以外の窓が開いているかを確認する。開いている窓が最寄りの窓のみの場合は、ステップS150に進み最寄りの窓の閉駆動を行う。
【0036】
ステップS140において、最寄りの窓以外の窓が開いていた場合には、ステップS160に進む。ステップS160では最寄りの窓以外の窓を全て閉駆動する。引き続きステップS170に進み最寄りの窓以外の窓が全閉止したかを確認する。全閉止していれば、ステップS150に進み最寄りの窓を閉止させる。
【0037】
ステップS170において、全閉止しない場合には、ステップS180に進み処理を終了させる。
【0038】
本実施の形態により、施錠操作が行われた地点に最寄りの窓を確認することで全ての窓の閉止を確認出来る。
【0039】
第三の実施の形態
第三の実施の形態は第一の実施の形態の処理フローだけが異なるものであるので、図6を用いて処理フローの相違点のみを説明する。
【0040】
ステップS40で運転席以外の窓が開いていた場合には、ステップS41に進み、運転席の窓があいているかを確認する。運転席の窓が空いていればステップS60に進む。運転席の窓が空いていなければ、ステップS42において、運転席の窓を視認出来る程度開駆動した後、ステップ60に進む。
【0041】
本実施の形態により、運転席の窓が閉じていて、他の窓が開いていた場合においても、運転席の窓の閉動作により、他の窓の閉止を確認することが出来る。
【0042】
以上、本願の発明を窓に適用した例を説明したが、本願は窓だけでなくドアについても適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施の形態のシステム構成図
【図2】ウィンドウ状態スイッチ
【図3】第一の実施の形態の処理フロー
【図4】第二の実施の形態のシステム構成図
【図5】第二の実施の形態の処理フロー
【図6】第三の実施の形態の処理フロー
Claims (5)
- 車両に設けられた複数の開閉体を各々個別に開閉させる駆動手段と、
車外からの施錠操作を検知する施錠操作検出手段と、
前記開閉体が閉止されたことを検知する閉止検知手段と、
前記施錠操作検知手段が施錠操作を検知した時に、前記駆動手段を作動させ、前記開閉体を閉駆動させる際に、所定の開閉体のみを他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止させる制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止される前記所定の開閉体が、前記施錠操作検知手段が施錠操作を検知した時点で既に閉止状態であった場合には、当該所定の開閉体を所定量だけ開状態とし、その後、前記他の全ての開閉体の閉止を検出した後に再度、閉止させることを特徴とする車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置。 - 請求項1に記載の車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置において、
施錠操作が行われた地点を特定する施錠操作地点特定手段をさらに有し、
前記制御手段は、前記施錠操作地点特定手段により特定された地点に最寄りの開閉体を前記所定の開閉体として、この所定の開閉体を前記他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止させることを特徴とする車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置。 - 請求項1または2に記載の車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置において、
前記開閉体は窓ガラスまたはサンルーフであることを特徴とする車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置。 - 請求項1または2に記載の車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置において、
前記開閉体はドアであることを特徴とする車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置。 - 請求項1に記載の車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置において、
前記開閉体は窓ガラスまたはサンルーフであり、
前記他の全ての開閉体の閉止検出後に閉止させる前記所定の開閉体は運転席側の窓ガラスであることを特徴とする車両用開閉体の閉じ忘れ防止装置。
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