JP3728711B2

JP3728711B2 - 着座検出装置

Info

Publication number: JP3728711B2
Application number: JP04809597A
Authority: JP
Inventors: 田尚司岡; 俊光岡; 江直文藤; 中和也田; 柳均高
Original assignee: Aisin Seiki Co Ltd; Aisin Corp
Current assignee: Aisin Corp
Priority date: 1996-11-29
Filing date: 1997-03-03
Publication date: 2005-12-21
Anticipated expiration: 2017-03-03
Also published as: DE19752976C2; JPH10211836A; DE19752976A1

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シ−ト（座席）への人の着座を検出する押圧応答型の感圧スイッチを用いる着座検出装置に関し、特に、これに限定する意図ではないが、車両上のシ−トに人が居るか否かを自動検知する車両上シ−トの着座検出装置に関する。
【０００２】
【従来の技術】
例えば、車両の座席に人が着席していることを感知するセンサーとして、従来より知られているものでは、シートに磁気発生体を設けるとともに、シートの上下動に伴い上下移動する磁気発生体による移動磁界の変化を検出する磁気検出装置を車両フロアに設けて、磁気検出装置が磁界の変化に基づいてシートの下降を検出することより着座検知を行うものがある。また、特許登録第２５３５１２０号に開示される方法においては、人の着席により変化する座席の圧力を、圧電フィルムの抵抗値の変化に基づいて検出している。
【０００３】
なお、上記した座席の着座状態を感知する以外の目的で使用されている感圧センサとしては、特公平２−４９０２９号公報に開示されているような、楽音を発生させる為の電気的装置の鍵盤の感圧スイッチとして、半導電体を挟んで対向する２枚の導体板間の抵抗値の変化により、加えられた圧力を検出する感圧センサがある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、磁気手段の上下移動による磁界の変化を磁気検出手段により検出する方法においては、シートの車両フロアに対する上下動から着座検知を行うこととなるため、確実な着座検知を行うためには、シートへの着座がなされた場合に確実にシートが車両フロアに対して上下動することを保証しなければならず、結果的に検出精度を上げるために装置自体が複雑なものとなってコストアップを招く。また、特許登録第２５３５１２０号公報に開示される方法においても、圧電フィルムが高価であり、しかも、圧電フィルムを常に発振させておく為のフィードバックループや、圧電フィルムの発振信号を検出する為のフィルタを設ける必要があり、装置が複雑になるので、やはりコスト高となる。
【０００５】
さらに、特公平２−４９０２９号公報に開示される感圧センサは、演奏者が指で叩く鍵盤の圧力を感知する為に設けられるものであり、人の体重による圧力を感知する感圧スイッチとして用いるには、対衝撃性に問題がある。しかも、導体板に銀や銅を使用する等、スイッチそのものが高価となる。また、半導電体を挟んで対向する２枚の導体板間の抵抗値の変化により、加えられた圧力を検出する感圧センサは、物体の載置等に起因するピンポイントの押し力にも反応してしまうので、着座センサとして用いる場合には、人の体重以外の圧力による誤検出が問題となる。
【０００６】
マイクロスイッチを用いる場合には、マイクロスイッチ本体には人の荷重が掛からないようにマイクロスイッチを剛性が高い筐体（金属ケ−ス又はプラスチックケ−ス）で保護する必要があり、これが着座者に異物感を与え、シ−ト（座席）の着座快適性を損なう。
【０００７】
本発明は、シ−ト（座席）の快適性を損わない着座検出装置を提供することを第１の目的とし、着座有無検知の信頼性が高い着座検出装置を提供することを第２の目的とし、耐久性が高い着座検出装置を提供することを第３の目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
（１）本発明の着座検出装置(SEAT)は、着座面の下方に底面があって着座面の裏側に開いた窪み(C1a)を有するシ−トクッション(C1)；
上下の可撓性フィルム(1,3)，該上下の可撓性フィルムの間にあって対向する上下の導電層 (1a,3a) 、および、該上下の導電層の間にあり複数の穴 (2a) が前記導電層に沿って２次元分布する絶縁スペーサ (2) を含み、前記可撓性フィルムの撓みの有無に応じて前記スペーサの前記穴の位置で前記上下の導電層が接離する可撓性シ−ト状の、前記窪みに前記底面に上面を接して収納された感圧スイッチ(PSS/PSS2)；および、
前記窪み(C1a)に前記感圧スイッチ(PSS/PSS2)の下面に接して収納され、前記窪み(C1a)を閉じた弾力性がある閉止体(C2)；
を備える。なお、理解を容易にするためにカッコ内には、図面に示し後述する実施例の対応要素の記号を、参考までに付記した。
【０００９】
これによれば、感圧スイッチ(PSS/PSS2)が可撓性シ−ト（薄板）状であって、シ−トクッション(C1)と弾力性がある閉止体(C2)で挟まれているので、感圧スイッチ(PSS/PSS2)は着座者に違和感(固いものがシ−ト内にある感触)を与えず、着座は快適である。
【００１０】
可撓性シ−ト状の感圧スイッチは、格別な押し力が作用していないときには、穴 (2a) において、相対向する導電層 (1a,3a) は各フィルムの弾性により離れている。すなわち感圧スイッチ (PSS/PSS2) はスイッチ開 ( スイッチオフ ) である。ところが、第１フィルム (1) と第２フィルム (3) を撓ませる強い押し力が作用すると、穴 (2a) に、第１フィルム (1) と第２フィルム (3) が落ち込んで、それらの導電層 (1a,3a) が接触する。すなわちスイッチ閉 ( スイッチオン ) となる。シ−トクッション(C1)が一点に加わる荷重を分散させるので、感圧スイッチに局部的に（ピンポイントの）強い荷重が加わらないので、感圧スイッチに弾性限界を越えるような局所的な変形を生じない。したがって感圧スイッチの耐久性が高い。
【００１１】
シ−トクッション(C1)に物が置かれた場合、その荷重がシ−トクッション(C1)で分散されるので、該物の荷重が人の体重と比較してかなり軽いものであると、感圧スイッチ(PSS/PSS2)は反応せず、人の体重よりもかなり軽いものに対して誤反応することはなく、着座者検出の信頼性が高い。すなわち、安価で簡易な構造でありながら、着座者に違和感を与えず、耐久性が高く、しかも着座者検出の信頼性が高い。
【００１２】
シ−トクッションを上下方向に２分割してそれらの間に感圧スイッチ(PSS/PSS 2)を介挿する構造であるので、各種シート（座席）の形状のいずれにも適合し、しかも、感圧スイッチ(PSS/PSS2)は同一規格のものを用い得るので、本発明の着座検出装置は汎用性が高い。
【００１３】
【発明の実施の形態】
（２）感圧スイッチ(PSS/PSS2)は、裏面に第１導電層(1a)を有する絶縁体の第１フィルム(1)；第１導電層に対向する第２導電層(3a)を有する第２フィルム(3)；複数の穴が前記導電層に沿って２次元分布した、第１および第２導電層(1a,3a)の間にある絶縁スペーサ (2)；および、第１フィルム(1)および第２フィルム(3)の導電層に接続した第１および第２リ−ド線(4b,4a)；を有するものである。
【００１４】
これによれば、格別な押し力が作用していないときには、穴(2a)において、相対向する導電層(1a,3a)は各フィルムの弾性により離れている。すなわち感圧スイッチ(PSS/PSS2)はスイッチ開(スイッチオフ)である。ところが、第１フィルム(1)と第２フィルム(3)を撓ませる強い押し力が作用すると、穴(2a)に、第１フィルム(1)と第２フィルム(3)が落ち込んで、それらの導電層(1a,3a)が接触する。すなわちスイッチ閉(スイッチオン)となる。第１フィルム(1)および第２フィルム(3)は、例えば公知のフレキシブルプリント基板製造技術で、簡易に製造することができ、この実施形態の着座検出装置は、要素数が少いことと相伴って低コストで製造しうる。
（３）前記シ−トクッション(C1)および閉止体(C2)は、ポリウレタンホ−ムである。ポリウレタンホ−ムは従来よりクッション材として多く用いられているものであり、弾力性が高く断熱性が高いので、その中の感圧スイッチ(PSS/PSS2)が、衝撃荷重ならびに強い直射日光による高熱から保護され、耐久性および信頼性が高い。本発明の他の目的および特徴は、図面を参照した以下の実施例の説明より明らかになろう。
【００１５】
【実施例】
図１に、本発明の一実施例の着座検出装置を示す。図１に示すシ−ト（座席）ＳＥＡＴは、例えば図５に示すように、車両上のドライバシ−トＳＥＡＴである。シ−トクッションの全体（Ｃ１＋ＰＳＳ＋Ｃ２）が、着座検出装置となっている。
【００１６】
シ−トクッションは、大略で、裏側に略立方体形状の穴Ｃ１ａが開いたポリウレタンホ−ム製のクッション本体Ｃ１と、該穴Ｃ１ａに挿入され穴底に密着した方形のシ−ト状（薄板状）の可撓性感圧スイッチＰＳＳと、感圧スイッチＰＳＳに密着して穴Ｃ１ａを閉じたポリウレタンホ−ム製の底クッションＣ２で構成され、金属板のプレス加工で作られたカ−ブドアジャスタ６で支持されている。なお、本実施例において底クッションＣ２は、２５０mm×２５０mmの正方形で厚みは５０mmであるが、所望により厚みを１００mm程度まで増やしてもよい。
【００１７】
穴Ｃ１ａの、感圧スイッチＰＳＳの上面が接する底面と、底クッションＣ２の上面は実質上平行な平面であり、これらの平面に感圧スイッチＰＳＳの上，下面が密着している。
【００１８】
図２に、感圧スイッチＰＳＳの外観を示す。感圧スイッチＰＳＳは、カバ−フィルム１（第１フィルム），絶縁スペーサ２および支持フィルム３（第２フィルム）を、サンドイッチ状に積層し一体に接合したものである。これら３者１〜３を、分解して図３に示す。図２および図３を参照されたい。
【００１９】
感圧スイッチＰＳＳは、材質がポリエチレンナフタレートである支持フィルム３（本実施例においては厚さ１００μｍ）と、同じく材質がポリエチレンナフタレートであり、支持フィルム３の裏面と平行に対向するカバーフィルム１（本実施例においては厚さ１００μｍ）および、支持フィルム３とカバーフィルム１の間に挟まれた絶縁体（本実施例においてはポリエチレンテレフタレートを使用している）のスペーサ２（本実施例においては厚さ１２５μｍ）により構成されている。
【００２０】
支持フィルム３の１つの角部付近には方形の穴である端子窓３ｂが開けられている。支持フィルム３の裏面（上面）には導電層３ａ（本実施例においてはプリント配線技術で形成した銅箔）が、端子窓３ｂ及び支持フィルム３の端縁部を避けて形成されている。導電層３ａは、支持フィルム３の端から一定の幅をとって内側に形成されているが、端子窓３ｂ近くの一部３ｃが、端部近くまで突出している。これを以下タブ３ｃと称す。
【００２１】
カバーフィルム１にも、支持フィルム３の導電層３ａのタブ３ｃと対向する位置に、方形の穴である端子窓１ｂが開けられている。また、カバーフィルム１の裏面（下面）には導電層１ａ（本実施例においてはプリント配線技術で形成した銅箔）が、端子窓１ｂ及びカバーフィルム１の端縁部を避けて均一に形成されている。導電層１ａは、カバーフィルム１の端から一定の幅をとって内側に形成されているが、支持フィルム３の端子窓３ｂと対向する位置にタブ１ｃがある。カバーフィルム１に形成されている導電層１ａの、タブ１ｃを除く部分の領域および位置は、図２に示すように支持フィルム３，スペ−サ２およびカバーフィルム１を一体に積層したときに、支持フィルム３の導電層３ａの、タブ３ｃを除く部分の領域および位置と重なる（互いに対向する）。しかし、タブ１ｃと３ｃとは対向せず、相対的にずれている。支持フィルム３のタブ３ｃにはカバーフィルム１の端子窓１ｂが対向し、カバーフィルム１のタブ１ｃには支持フィルム３の端子窓３ｂが対向する。
【００２２】
絶縁スペーサ２には、図２に示すように支持フィルム３およびカバーフィルム１と一体に接合するときに、支持フィルム３の端子窓３ｂと重なる端子窓２ｃ、ならびに、カバーフィルム１の端子窓１ｂと重なる端子窓２ｂがある。また絶縁スペーサ２には、支持フィルム３とカバーフィルム１の導電層３ａ，１ａの、タブ３ｃ，１ｃは除く領域に対向する範囲内に、本実施例においては円形の、スペ−サ２を厚み方向に貫通する穴２ａ（直径１０mm）が２次元分布で、それぞれ５個×４列＝２０個開いている。スペ−サ２の厚みが１２５μｍ、穴の直径が１０ mmであるので、スペ−サ厚に対して穴２ａは大開口であり、スペ−サ厚に対する穴直径の比（倍率）は、この穴部に、カバーフィルム１を支持フィルム３に又はその逆に押す方向の力を加えたときフィルムが撓んで、設定値以上の力で導電層１ａと３ａが接触し、設定値未満ではフィルムの弾性により両フィルムが離れて導電層１ａと３ａが離れるように定めている。
【００２３】
支持フィルム３，絶縁スペーサ２およびカバーフィルム１の順（図３）で重ね合わせて３者が一体に接合される。すると、カバーフィルム１の端子窓１ｂからは、絶縁スペーサ２の端子窓２ｂを通して、支持フィルム３の導電層タブ３ｃが露出する。また、支持フィルム３の端子窓３ｂには、絶縁スペーサ２の端子窓２ｃを通して、カバーフィルム１の導電層タブ１ｃが露出する。露出したタブ１ｃには、端子窓３ｂ，２ｃを通して、電気コ−ド４ｃの絶縁被覆があるリード線４ｂの心線導体がハンダ付けで接続され、タブ３ｃには、端子窓１ｂ，２ｂを通して、絶縁被覆があるリード線４ａの心線導体がハンダ付けで接続される。そして端子窓３ｂ，２ｃおよびその周縁に絶縁被覆５ｂが、また端子窓１ｂ，２ｂおよびその周縁に絶縁被覆５ａが施される。以上により、図２に示す感圧スイッチＰＳＳが出来上る。
【００２４】
図４に、図２の４Ａ−４Ａ線断面を拡大して示す。例えばこの感圧スイッチＰＳＳを、図１及び図５に示すように車両上のＳＥＡＴ（座席）の底クッションＣ２の上面と、クッション本体Ｃ１の丸穴ｃ１ａの天井面の間に挾み込み固定する形で装備すると、人が着座していないときには、クッション本体Ｃ１には押え力が加わらないので、その内部に固定された感圧スイッチＰＳＳにも押え力は実質上加わらず、穴２ａ部において導電層３ａと１ａは接触しない。従って、リ−ド線４ａ，４ｂ間は断（スイッチオフ）である。着座すると、クッション本体Ｃ１が着座者の重み（押し力）により変形するので、この変形により感圧スイッチＰＳＳのカバーフィルム１がたわみ、絶縁スペーサ２の穴２ａに突出し、カバーフィルム１の下面の導電層１ａが、支持フィルム３の上面の導電層３ａに接触する。これにより、リ−ド線４ａ，４ｂ間が接（スイッチオン）となる。
【００２５】
ＳＥＡＴに人ではなく物体が載置されたような場合には、クッション本体Ｃ１に加えられる圧力の範囲は物体が載置された場所のみとなる。このような一部分に加えられた圧力は、クッション本体Ｃ１内に分散し、結果的に感圧スイッチＰＳＳのカバーフィルム１に加えられる圧力は小さい。一般的にＳＥＡＴに一時的に載せられる物は人よりも軽いので、感圧スイッチＰＳＳに加わる押え力は設定値（人の着座検知用の押え力閾値）に達しないので、感圧スイッチＰＳＳは断（スイッチオフ）である。つまり、荷物の載置を着座と誤検知する可能性は低い。安価で簡易な構造でありながら着座検知の信頼性が高い。
【００２６】
感圧スイッチＰＳＳは可撓性があるので、底クッションＣ２と共にクッション本体Ｃ１の変形に相応する形に弾性変形し、ＰＳＳが底クッションＣ２で下支えされているので、着座者は、異物（固い物）がクッション内にあるときのような違和感（不快感）を生じない。
【００２７】
なお、上述の実施例において、フィルム１および３の一方又は両方をポリエチレンテレフタレート（例えば厚さ１００μｍ）としてもよい。また、カバーフィルム１，スペ−サ２および支持フィルム３を、実質上同一の方形としているが、タブ１ｃ，３ｃを更に長くして、その分フィルム１，３およびスペ−サ２を、タブ部で長くして、リ−ド接続部を方形部より突出したものとしてもよい。すなわちリ−ド接続点を方形の外に出してもよい。更には、感圧スイッチＰＳＳ，ＰＳＳ２は方形であるが、これを円形，楕円形，帯形，渦巻き形等々、その他の形状にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の一実施例を装備した車両上のドライバシ−トの側面図であり、シ−トクッションは断面を示す。
【図２】図１に示す感圧スイッチＰＳＳの外観を表す拡大斜視図である。
【図３】図２に示す感圧スイッチＰＳＳの、カバーフィルム１，スペ−サ２および支持フィルム３の分解斜視図である。
【図４】図２の４Ａ−４Ａ線拡大断面図である。
【図５】図１に示すシ−トＳＥＡＴを車両に搭載した状態を示す側面図である。
【符号の説明】
ＳＥＡＴ：座席Ｃ１：クッション本体
ｃ１ａ：立方体形状の穴Ｃ２：底クッション
PSS,PSS2：感圧スイッチ１：カバーフィルム
１ａ：導電層１ｂ：端子窓
１ｃ：導電層タブ２：絶縁スペーサ
２ａ：穴２ｂ，２ｃ：端子窓
３：支持フィルム３ａ：導電層
３ｂ：端子窓３ｃ：導電層タブ
４ａ，４ｂ：電気リ−ド４ｃ：電気コ−ド

Claims

着座面の下方に底面があって着座面の裏側に開いた窪みを有するシ−トクッション；
上下の可撓性フィルム，該上下の可撓性フィルムの間にあって対向する上下の導電層、および、該上下の導電層の間にあり複数の穴が前記導電層に沿って２次元分布する絶縁スペーサを含み、前記可撓性フィルムの撓みの有無に応じて前記スペーサの前記穴の位置で前記上下の導電層が接離する可撓性シ−ト状の、前記窪みに前記底面に上面を接して収納された感圧スイッチ；および、
前記窪みに前記感圧スイッチの下面に接して収納され、前記窪みを閉じた弾力性がある閉止体；
を備える着座検出装置。
感圧スイッチは、裏面に第１導電層を有する絶縁体の第１フィルム；第１導電層に対向する第２導電層を有する第２フィルム；複数の穴が前記導電層に沿って２次元分布した、第１および第２導電層の間にある絶縁スペーサ；および、第１フィルムおよび第２フィルムの導電層に接続した第１および第２リ−ド線；を有する、請求項１記載の着座検出装置。
前記シ−トクッションおよび閉止体は、ポリウレタンホ−ムである、請求項１又は請求項２記載の着座検出装置。