JP3727985B2 - 高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置 - Google Patents

高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3727985B2
JP3727985B2 JP31267095A JP31267095A JP3727985B2 JP 3727985 B2 JP3727985 B2 JP 3727985B2 JP 31267095 A JP31267095 A JP 31267095A JP 31267095 A JP31267095 A JP 31267095A JP 3727985 B2 JP3727985 B2 JP 3727985B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solenoid valve
pressure
holding
hydraulic equipment
detecting
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP31267095A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09151911A (ja
Inventor
昭司 榎
賢三 宮岡
芳仁 若菜
孝幸 松山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yaskawa Electric Corp, Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Yaskawa Electric Corp
Priority to JP31267095A priority Critical patent/JP3727985B2/ja
Publication of JPH09151911A publication Critical patent/JPH09151911A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3727985B2 publication Critical patent/JP3727985B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Magnetically Actuated Valves (AREA)
  • Blast Furnaces (AREA)
  • Indication Of The Valve Opening Or Closing Status (AREA)
  • Fluid-Pressure Circuits (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉の炉頂に設けられる油圧設備において、多く用いられている電磁弁のコイルの焼損などによる断線や、スプールの切換不良などに起因する異常状態を検出するための高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、高炉の炉頂には原料装入のための設備が設けられている。図8は、ベルレス装入装置の概略的な構成を示す。高炉1の上部の炉口2の上方には炉頂3が形成され、装入コンベア4によって原料が搬入される。原料は鉄鉱石として、焼結鉱やペレットの形で搬送され、還元材としてはコークスが搬送される。装入コンベア4の代わりに、スキップカーで搬送する方式もある。装入コンベア4によって搬送された原料は上部ホッパ5に一旦貯えられ、下部ホッパ6に落とされる。下部ホッパ6からは、分配シュート7を介して炉口2内に原料が装入される。
【0003】
装入コンベア4から供給された原料は、上部ホッパ5に一旦貯留されてホッパ内原料8となり、さらに下部ホッパ6内に貯留されてホッパ内原料9となった後、分配シュート7から原料流れ10に従って落下し、炉内原料11として炉口2に堆積される。このような原料の流れをコントロールするために、上部ホッパ5と下部ホッパ6との間には、上部ゲート弁12および上部シール弁13が設けられる。下部ホッパ6と分配シュート7との間には、下部シール弁14、フローコントロール上弁15およびフローコントロール下弁16が設けられる。分配シュート7は、分配シュート用駆動装置17によって、高炉1の中心軸線まわりの旋回と、高炉1の中心軸線に対する傾動とを行いながら、炉口2へ原料を装入する。
【0004】
下部ホッパ6には、均圧弁18および排圧弁19がそれぞれ設けられている。高炉1の炉口2では、大気圧よりも高い圧力で操業が行われている。この炉内圧と大気圧との差を調整するために、上部シール弁13および下部シール弁14によって下部ホッパ6と上部ホッパ5および炉口2との間の気密封止を行う必要がある。下部ホッパ6へ上部ホッパ5から原料を落とす際には、下部シール弁14を閉じた状態で排圧弁19を開き、下部ホッパ6内を大気圧に戻して、上部シール弁13と上部ホッパ5の上部ゲート弁12および上部シール弁13を開き原料を落とす。原料が全て落ちてホッパ内原料9として堆積すると、上部ゲート弁12を閉じ、高炉1の炉内圧と均圧にするために、均圧弁18を開く。下部ホッパ6が炉内圧と均圧になると、均圧弁18を閉じて下部シール弁14を開く。フローコントロール下弁16およびフローコントロール上弁15を開くとホッパ内原料9は分配シュート7に落ちる。フローコントロール上弁15は開度調整可能で、原料の流量調整を行う。フローコントロール下弁16は開閉作動のみ行う。高炉1の半径方向に原料の装入物分布を制御して、炉内のガス流れを安定な状態に保って操業するために、分配シュート7は任意に定められた回転数と傾動角とで旋回しながら、鉄鉱石とコークスとを交互に装入して層状に堆積させる。
【0005】
以上のような高炉1の炉頂3に設けられる設備は、炉頂油圧装置20内の電磁弁21の制御に基づいて駆動されている。電磁弁21の制御は、システムコントローラであるPLC22から、ローカルI/O23、補助リレー盤24、電磁弁盤25を介して行われる。これらの油圧設備が故障すると、高炉1の操業に重大な影響を及ぼすので、特に故障しやすい電磁弁21などは2重に設けられて、一方が故障しても他方で操業を継続することが可能なように構成されている。炉頂油圧装置20に故障が発生した場合には、PLC22にリアルタイムバス26を介して接続される陰極線管(略称「CRT」)27などの画面表示や、ボイスアナンシェータなどの音声表示により、オペレータに故障を知らせる方法が一般的である。オペレータは、そのような表示に基づいて、電磁弁21の動作を予備として設けられている系統に切換え、操業を継続する。工場の保全部門の担当者は、故障の原因を追及するため、PLC22などの制御装置の出力や、リレーやタクタの作動状況についてのチェックを行う。これらに異常がない場合は、電磁弁21のコイルの断線調査を行う。コイルの断線の有無は、接続端子からコイルを取外した後、テスタを使用して直接導通を確認することによって行う。コイルに異常がない場合は、次にスプールの切換不良のチェックとなる。通常、電磁弁21の開閉は2〜3秒程度で行われ、電磁弁21の出入口配管に圧力計などを設置してその動きを目で追うとしても、確認は非常に困難である。CRT27の表示などは、電磁弁21の動作と圧力との間にタイムラグがあるので、確実にチェックすることは困難である。
【0006】
油圧設備の故障診断に関連する先行技術は、たとえば特開平3−260404や特開平5−106613などに開示されている。特開平3−260404では、油圧回路の圧力変動から故障を診断する方法が開示されている。特開平5−106613では、サーボ機構を備える油圧装置の動作の診断方法が開示されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、図8に示すような高炉炉頂の油圧設備において故障が発生すると、その原因を解明するために長時間を要し、高炉の操業に対し、減風、減圧あるいは休風など、多大な悪影響を及ぼす可能性がある。特に故障が生じやすい電磁弁については、
▲1▼電磁弁のコイル断線を、コイル毎に電流検出リレー等を設置し、その信号と動作指令とを組合せてチェックする方法があり、
▲2▼スプールの切換異常に対しては、油圧配管の主要部分に圧力検出器を設置し、常時圧力検出監視を行う方法がある。
【0008】
しかしながら、▲1▼の方法はコイル毎に検出器が必要となり、通常の電磁弁は複数のコイルを有するので回路が複雑になって多額の費用を要することになる。▲2▼の方法はオペレータが常時圧力計を監視していなければならず、瞬時の圧力変化を見つけることは困難であるとともに、作業負荷からも問題となる。
【0009】
本発明の目的は、高炉炉頂の油圧設備に故障等の異常が発生した場合に、異常発生箇所を確実に検出することができ、その原因追及を容易かつ迅速に行うことができる高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明は、高炉の炉頂に設けられ、原料を貯留装入するための油圧設備に備わるシリンダに、作動と保持とを連動して行うために組合せて接続される電磁弁の異常検出方法であって、
作動用の電磁弁への作動指令を取出し、
作動用の電磁弁および保持用の電磁弁に流れる励磁電流をそれぞれ検出し、
油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力と、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力とをそれぞれ検出し、
作動用の電磁弁への作動指令があり、作動用および保持用の電磁弁へ所定量の励磁電流がそれぞれ流れ、しかるに油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力が所定量に達し、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力が所定量に達してはならないにも関らず所定量に達しているとき、保持用の電磁弁がスプール切換不良であると判断することを特徴とする高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法である。
本発明に従えば、油圧装置の作動と保持とを連動して行うための保持用電磁弁のスプールの切換不良を、作動用の電磁弁への作動指令があって、作動用および保持用の電磁弁へ所定量の励磁電流が流れているとき、油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力が所定量に達し、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力が所定量に達してはならないにも関らず所定量に達していることによって、保持状態が不充分で、保持用の電磁弁のスプール切換不良であると判断することができる。
【0013】
また本発明は、高炉の炉頂に設けられ、原料を貯留装入するための油圧設備に備わるシリンダに、作動と保持とを連動して行うために組合せて接続される電磁弁の異常検出装置であって、
作動用の電磁弁への作動指令を取出す指令取出手段と、
作動用の電磁弁への励磁電流を検出する作動用電流検出手段と、
保持用の電磁弁への励磁電流を検出する保持用電流検出手段と、
油圧設備に備わるシリンダに供給される圧油の圧力を検出する供給圧力検出手段と、
油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力を検出する排出圧力検出手段と、
指令取出手段と作動用電流検出手段および保持用電流検出手段とからの出力に応答し、作動指令があっても所定量の励磁電流が作動用の電磁弁または保持用の電磁弁に流れないとき、作動用の電磁弁または保持用の電磁弁のコイルがそれぞれ断線状態であると判断する断線異常検出手段と、
指令取出手段、作動用電流検出手段、保持用電流検出手段、供給圧力検出手段および排出圧力検出手段からの出力に応答し、作動指令があり、作動用の電磁弁および保持用の電磁弁にそれぞれ所定量の励磁電流が流れても、油圧設備に備わるシリンダに供給される圧油の圧力が所定量に達しないとき、作動用の電磁弁のスプールが切換不良と判断し、または油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力が所定量に達し、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力が所定量に達してはならないにも関らず所定量に達しているとき、保持用の電磁弁のスプールが切換不良であると判断するスプール異常検出手段とを含むことを特徴とする高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出装置である。
本発明に従えば、指令取出手段によって作動用の電磁弁への作動指令が検出され、作動用電流検出手段または保持用電流検出手段によって、いずれかの電磁弁に所定量の励磁電流が流れていないと判断されるときには、断線異常検出手段によって作動用または保持用の電磁弁のコイルが断線状態であると判断される。作動指令があり、作動用の電磁弁および保持用の電磁弁にそれぞれ所定量の励磁電流が流れているときに、油圧設備に備わるシリンダに供給される圧油の圧力が所定量に達しないとき、作動用の電磁弁のスプールが切換不良と判断し、または油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力が所定量に達し、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力が所定量に達してはならないにも関らず所定量に達しているとき、保持用の電磁弁のスプールが切換不良であるとスプール異常検出手段によって判断される。コイルの断線やスプールの切換不良を電磁弁を取外さないでも容易かつ確実に検出することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施の一形態として、異常検出装置30の論理的構成を示す。このような構成は、シーケンスコントローラやコンピュータによって実現される。作動指令出力31は、PLCなどの油圧設備の制御装置から、異常検出の対象となるシリンダなどへの作動用指令信号として入力される。保持用電流検出リレー32および作動用電流検出リレー33は、後述する保持用電磁弁および作動用電磁弁のコイルに流れる励磁電流を検出する。作動用油圧検出器34と供給圧力検出器35と排出圧力検出器36とは、後述する作動用圧油ラインとシリンダの両側とにそれぞれ設けられる。異常検出装置30の出力側には、保持用コイル断線出力37、作動用コイル断線出力38、作動用スプール切換不良出力39および保持用スプール切換不良出力40が設けられている。保持用電流検出リレー32および作動用電流検出リレー33の出力は、第1AND回路41にそれぞれ入力される。第1AND回路41の出力と、作動指令出力31と、作動用油圧検出器34の出力とは、第2AND回路42にそれぞれ入力される。第2AND回路42の出力は、供給圧力検出器35の出力とともに、第3AND回路43にそれぞれ入力される。保持用電流検出リレー32の出力は、反転されて第4AND回路44に入力される。作動用電流検出リレー33の出力は、反転されて第5AND回路45に入力される。供給圧力検出器35の出力は、反転されて第6AND回路46に入力される。排出圧力検出器36の出力は、第7AND回路47に入力される。作動指令出力31は、第1オンディレータイマ51を介して第4AND回路44および第5AND回路45に入力される。第2AND回路42の出力は、第2オンディレータイマ52を介して第6AND回路46に入力される。第3AND回路43の出力は、第3オンディレータイマ53を介して第7AND回路47に入力される。第4AND回路44、第5AND回路45、第6AND回路46および第7AND回路47の出力は、第1メモリ54、第2メモリ55、第3メモリ56および第4メモリ57にそれぞれ入力される。第1メモリ54、第2メモリ55、第3メモリ56および第4メモリ57には、リセットスイッチ58からの出力がそれぞれ共通に接続されている。
【0015】
図2は、図1の異常検出装置30による異常検出の対象の一例として、炉頂油圧設備のうちの下部シール弁駆動用の下部シール弁用シリンダ59を開閉制御する下部シール弁用油圧回路60の概略的な構成を示す。他の油圧設備にも同様な異常検出のための構成が組み込まれている。いずれも、原理は同一であるので、下部シール弁に関連する構成を代表例として説明する。
【0016】
下部シール弁用シリンダ59は、作動用電磁弁61および保持用電磁弁62の出力側に、パイロットチェック弁63,64;65,66をそれぞれ介して接続される。下部シール弁を閉じる側には、パイロットチェック弁63,65を介して作動用電磁弁61および保持用電磁弁62のAポートがそれぞれ接続されるとともに、リリーフ弁67も接続されている。下部シール弁を開く側には、パイロットチェック弁64,66を介して作動用電磁弁61および保持用電磁弁62のBポートがそれぞれ接続されるとともに、リリーフ弁68も接続されている。これらの油圧機器は、主回路を構成する。下部シール弁用シリンダ59に供給される圧油の流量は、絞り弁70によって調整される。予備回路として、作動用電磁弁71、保持用電磁弁72、パイロットチェック弁73,74;75,76、およびリリーフ弁77,78が主回路にそれぞれ対応して設けられている。このように、下部シール弁用油圧回路60はユニット化されており、通常は主回路が動作し、異常が検出されると予備回路に切換えられる。
【0017】
作動用電磁弁61,71は、ソレノイドコイルとしてaコイルおよびbコイルを含む電磁パイロット型の3位置切換弁であり、中立位置ではPポートブロックとなる。bコイルを励磁すると下部シール弁用シリンダ59は開方向に駆動され、aコイルを励磁すると下部シール弁用シリンダ59は閉方向に駆動される。Pポートには作動用圧油ライン80から低圧大流量の圧油が供給される。保持用電磁弁62,72は、2位置切換弁であり、aコイルを励磁したときのみ、保持用圧油ライン81からPポートに供給される圧油をAポートから下部シール弁用シリンダ59に供給する。各電磁弁のRポートからは、タンクライン82に圧油が戻される。
【0018】
図1の供給圧力検出器35および排出圧力検出器36は、下部シール弁用シリンダ59が閉方向に作動するときの圧油の供給側および排出側にそれぞれ設けられる。圧力検出は、たとえば水晶振動子型圧力センサを使用して行う。下部シール弁は、ラックピニオン機構を介して下部シール弁用シリンダ59のシリンダロッドと連結される。下部シール弁のシール構造は、弁座とゴムパッキンとの圧着によるガスシールであるため、弁座にゴムパッキンを圧着するときの衝撃を吸収するようにシリンダ速度を減速し、緩やかに閉じるようにしてある。また、閉保持を確実に継続するため、保持用圧油ライン81には後述するようにアキュムレータが設けられている。さらに、各電磁弁は停電時に手動で操作可能である。
【0019】
図3は、下部シール弁の動作と、作動用電磁弁61,71および保持用電磁弁62,72の各コイルへの励磁との関係を示す。図2の主回路と予備回路とは、基本的に同等の動作を行うので、以下、主回路について説明する。開作動指令に従って、作動用電磁弁61のbコイルを励磁すると、弁開度は閉から開の方に変化し、リミットスイッチ(以下、「LS」と略称する。)が開状態を検知すると励磁は停止する。閉作動指令に従って、作動用電磁弁61のaコイルを励磁すると、弁開度は開から閉の方に変化し、LSが閉状態を検知すると励磁は停止する。保持用電磁弁62は、この間、bコイルを励磁し、Pポートブロックの状態を続けるので、出力側の油圧は大きくならず、パイロットチェック弁65,66は閉じている。閉保持の状態で、保持用電磁弁62のaコイルが励磁され、保持用圧油ライン81からの圧油がPポートからAポートに供給され、パイロットチェック弁65が開いて下部シール弁用シリンダ59に閉保持用の圧油が供給される。
【0020】
図4は、図2の下部シール弁用油圧回路60に圧油を供給するための油圧系統を簡略化して示す。タンクライン82からタンク83に戻された作動油は、低圧ポンプ84および高圧ポンプ85によってそれぞれ加圧され、圧油として作動用圧油ライン80および保持用圧油ライン81にそれぞれ供給される。低圧ポンプ84は大容量であり、作動用圧油ライン80の油圧は図1の作動用油圧検出器34によって検出される。この圧力検出にも水晶振動子型圧力センサを用いる。高圧ポンプ85は、低圧ポンプ84よりも低容量であり、アキュムレータ86に高圧の圧油を蓄えておく。作動用圧油ライン80、保持用圧油ライン81、およびタンクライン82には、コントロール上弁用油圧回路87など、他の炉頂油圧設備に使用する制御弁のための油圧回路が接続される。図1の異常検出装置30では、作動用圧油ライン80に圧油が供給されていることが、正常な動作の前提となる。このため、スプールの切換不良と判断するために、作動用油圧検出器34が検出する圧力が正常な動作が保証される範囲内であることを、第2AND回路42によって確認している。
【0021】
図5は、電磁弁のコイルへの励磁電流を検出するための構成を示す。作動用電磁弁61は、電源ライン90に、下部シール弁を開く開指令スイッチ91および閉じる閉指令スイッチ92をそれぞれ介して接続されるbコイルとしての開コイル93およびaコイルとしての閉コイル94を含む。開指令スイッチ91および閉指令スイッチ92の電源側は共通接続され、ブレーカ95を介して電源ライン90から電流が流れる。この電流が開コイル93または閉コイル94の励磁電流としての所定値であるか否かを作動用電流検出リレー33で検出する。作動用電流検出リレー33は、作動用電磁弁61のソレノイドコイル毎に設けられるのではなく、電磁弁単位で設けられている。保持用電磁弁62についても、作動用電磁弁61と同様に、開指令スイッチ101、閉指令スイッチ102、開コイル103、閉コイル104、およびブレーカ105がそれぞれ対応して設けられ、保持用電流検出リレー32で励磁電流の検出を行う。
【0022】
図6は、図1の異常検出装置30がコンピュータのプログラムに従って動作する場合のフローチャートを示す。異常検出装置30は、図6(a)、図6(b)および図6(c)に示す動作を、作動指令毎の周期で繰り返す。
【0023】
図6(a)は保持用電磁弁62および作動用電磁弁61のコイルの断線状態検出のための動作を示し、ステップa1で下部シール弁を開く作動指令が作動指令出力31に取出されることによって開始される。ステップa2では、第1オンディレータイマ51が作動してクロックパルスのカウントが開始される。一定の時間、たとえば数秒程度が経過すると、ステップa3で保持用電流検出リレー32の出力を第4AND回路44に反転して入力し、励磁電流が検出されていないか否かを判断する。励磁電流が検出されなければ、ステップa4で保持用コイル断線と判断する。保持用コイル、すなわち開コイル103または閉コイル104の励磁電流が検出されるときには、ステップa5で作動用電流検出リレー33の出力を第5AND回路45に反転して入力し、励磁電流が検出されていないか否かを判断する。作動用コイル、すなわち開コイル93および閉コイル94の励磁電流が検出されなければ、ステップa6で作動用コイル断線と判断する。作動用コイルの励磁電流が検出されるときにはステップa7で1回分の動作を終了する。
【0024】
図6(b)は、作動用電磁弁61のスプール切換不良検出のための動作を示し、ステップb1で下部シール弁を開く作動指令が作動指令出力31に取出されることによって開始される。ステップb2およびステップb3では、第1AND回路41によって、保持用電流検出リレー32および作動用電流検出リレー33の出力を確認する。励磁電流が流れていることが確認されれば、ステップb4で、第2AND回路42に作動用油圧検出器34の出力を入力する。作動用油圧が所定範囲であれば、ステップb5で第2オンディレータイマ52がたとえば数秒の一定時間を計時する。一定時間経過中に31,32,33,34がオフ状態に変わらないならば、オンディレータイマ52からはONの信号が出力される。次にステップb6で、第6AND回路46に供給圧力検出器35からの出力を反転して入力し、下部シール弁用シリンダ59を開方向に作動させるために供給する圧油の圧力が所定値に達していないか否かを判断する。所定値に達していないときには、ステップb7で作動用電磁弁61のスプール切換不良と判断される。ステップb2,b3,b4で励磁電流または油圧が検出されないとき、またはステップb6で油圧が検出されたときは、ステップb8で1回分の動作を終了する。
【0025】
図6(c)は、保持用電磁弁62のスプール切換不良検出のための動作を示し、ステップc1〜c4は図6(b)で説明したステップb1〜b4と同等である。ステップc5で、第3AND回路43に供給圧力検出器35の出力が入力され、下部シール弁用シリンダ59を開方向に作動させるために供給する圧油の圧力が所定値に達しているか否かを判断する。達していれば、ステップc6で、第3オンディレータイマ53によるたとえば数秒の一定時間経過の後、ステップc7で第7AND回路47に油圧排出圧力検出器36の出力が入力され、下部シール弁用シリンダ59を開方向に作動させる際に排出される圧油の圧力が所定値に達しているか否かを判断する。保持状態ではシリンダのピストンは一端に押し付けられており、本来排出側には圧力は出ないはずである。したがって排出側に圧力が出ていれば、ステップc8で保持用電磁弁62のスプールの切換不良であると判断される。ステップc2,c3,c4,c5,c7で励磁電流または油圧が検出されないときは、ステップc8で1回分の動作を終了する。
【0026】
以上で説明した、ステップa4,a6,b7,c8の判断結果は、図1の第1〜第4メモリ54〜57にそれぞれ入力され、リセットスイッチ58がONになるまで記憶される。第1〜第4メモリ54〜57の出力は、保持用コイル断線出力37、作動用コイル断線出力38、作動用スプール切換不良出力39および保持用スプール切換不良出力40としてそれぞれ導出され、オペレータに対する警報表示となる。警報表示の解除は、リセットスイッチ58をONに操作して行う。なお、下部シール弁に対して、閉じる指令が行われる場合は、供給側と排出側とが入れ替わることを除いて、同様の動作で異常検出が可能である。
【0027】
図7は、図4のコントロール上弁用油圧回路87に含まれる電磁弁の作動と、コントロール上弁の開度との関係を示す。作動用の電磁弁は、高速用および低速用として別個に動作する。LSも減速用および停止用として別個に設けられ、減速LSがONになると高速用電磁弁のみ励磁が停止し、弁開度の変化速度が小さくなり、衝撃を避けることができる。停止LSがONになると高速用電磁弁および低速用電磁弁の両方への励磁が停止する。保持用電磁弁の作動状態は、図3に示す下部シール弁の場合と同様である。このような、油圧回路の電磁弁のコイルの断線は、作動指令の取出しと励磁電流の検出とから、同様に判断可能である。スプールの切換不良も、シリンダに供給される油圧または排出される油圧を検出することによって、同様に判断可能である 。
【0028】
以上説明した油圧回路では、電磁弁のソレノイドコイルに連続的に励磁電流を流す形式のものを用いているけれども、パルス状に流す形式のものを用いてもよい。この場合は、パルス信号をラッチすればよい。
【0031】
【発明の効果】
発明によれば、作動用および保持用の電磁弁所定量の励磁電流が流れていても、油圧設備に備わるシリンダに供給する圧油の圧力が所定量に達し油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力が所定量に達してはならないにも関らず所定量に達していることによって、保持用の電磁弁のスプール切換異常を迅速かつ確実に検出することができる。
【0032】
また本発明によれば、高炉炉頂の油圧設備に使用されている電磁弁のコイルの断線またはスプールの切換不良を、自動的に検出することができる。電磁弁を取外さなくても、異常が発生している電磁弁を特定し、しかも異常発生場所がコイルかスプールかを容易に判別して、迅速な補修が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態による異常検出装置の論理的構成を示すブロック図である。
【図2】図1の異常検出装置30による異常検出の対象となる油圧回路を示す系統図である。
【図3】図2の油圧回路の動作を示すタイムチャートである。
【図4】図2の油圧回路に圧油を供給する油圧系統図である。
【図5】図2の油圧回路から図1の異常検出装置30に出力を取出すための電気回路図である。
【図6】図1の異常検出装置30が図2の油圧回路60の異常を検出する動作を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の形態による異常検出の対象となる他の電磁弁の動作を示すタイムチャートである。
【図8】従来からの炉頂油圧設備の概略的な構成を示す簡略化したブロック図である。
【符号の説明】
30 異常検出装置
31 作動指令出力
32 保持用電流検出リレー
33 作動用電流検出リレー
34 作動用油圧検出器
35 供給圧力検出器
36 排出圧力検出器
37 保持用コイル断線出力
38 作動用コイル断線出力
39 作動用スプール切換不良出力
40 保持用スプール切換不良出力
41〜47 AND回路
51〜53 オンディレータイマ
54〜57 メモリ
58 リセットスイッチ
59 下部シール弁用シリンダ
60 下部シール弁用油圧回路
61,71 作動用電磁弁
62,72 保持用電磁弁
80 作動用圧油ライン
81 保持用圧油ライン
82 タンクライン
83 タンク
84 低圧ポンプ
85 高圧ポンプ
86 アキュムレータ
90 電源ライン
91,101 開指令スイッチ
92,102 閉指令スイッチ
93,103 開コイル
94,104 閉コイル

Claims (2)

  1. 高炉の炉頂に設けられ、原料を貯留装入するための油圧設備に備わるシリンダに、作動と保持とを連動して行うために組合せて接続される電磁弁の異常検出方法であって、
    作動用の電磁弁への作動指令を取出し、
    作動用の電磁弁および保持用の電磁弁に流れる励磁電流をそれぞれ検出し、
    油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力と、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力とをそれぞれ検出し、
    作動用の電磁弁への作動指令があり、作動用および保持用の電磁弁へ所定量の励磁電流がそれぞれ流れ、しかるに油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力が所定量に達し、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力が所定量に達してはならないにも関らず所定量に達しているとき、保持用の電磁弁がスプール切換不良であると判断することを特徴とする高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法。
  2. 高炉の炉頂に設けられ、原料を貯留装入するための油圧設備に備わるシリンダに、作動と保持とを連動して行うために組合せて接続される電磁弁の異常検出装置であって、
    作動用の電磁弁への作動指令を取出す指令取出手段と、
    作動用の電磁弁への励磁電流を検出する作動用電流検出手段と、
    保持用の電磁弁への励磁電流を検出する保持用電流検出手段と、
    油圧設備に備わるシリンダに供給される圧油の圧力を検出する供給圧力検出手段と、
    油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力を検出する排出圧力検出手段と、
    指令取出手段と作動用電流検出手段および保持用電流検出手段とからの出力に応答し、作動指令があっても所定量の励磁電流が作動用の電磁弁または保持用の電磁弁に流れないとき、作動用の電磁弁または保持用の電磁弁のコイルがそれぞれ断線状態であると判断する断線異常検出手段と、
    指令取出手段、作動用電流検出手段、保持用電流検出手段、供給圧力検出手段および排出圧力検出手段からの出力に応答し、作動指令があり、作動用の電磁弁および保持用の電磁弁にそれぞれ所定量の励磁電流が流れても、油圧設備に備わるシリンダに供給される圧油の圧力が所定量に達しないとき、作動用の電磁弁のスプールが切換不良と判断し、または油圧設備に備わるシリンダへ供給する圧油の圧力が所定量に達し、油圧設備に備わるシリンダから排出される圧油の圧力が所定量に達してはならないにも関らず所定量に達しているとき、保持用の電磁弁のスプールが切換不良であると判断するスプール異常検出手段とを含むことを特徴とする高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出装置
JP31267095A 1995-11-30 1995-11-30 高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置 Expired - Lifetime JP3727985B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31267095A JP3727985B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31267095A JP3727985B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09151911A JPH09151911A (ja) 1997-06-10
JP3727985B2 true JP3727985B2 (ja) 2005-12-21

Family

ID=18032021

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31267095A Expired - Lifetime JP3727985B2 (ja) 1995-11-30 1995-11-30 高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3727985B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001342968A (ja) * 2000-05-30 2001-12-14 Hitachi Chem Co Ltd エアポンプの電気回路、エアポンプ及び汚水浄化槽、並びにエアポンプの異常検知法
KR101007268B1 (ko) * 2008-08-11 2011-01-13 주식회사 포스코 유압설비 진단장치 및 유압설비 진단방법
WO2010140930A1 (en) * 2009-06-02 2010-12-09 Linde Ag Diagnostic system for a flow valve in an industrial furnace
JP7365597B2 (ja) * 2020-04-02 2023-10-20 パナソニックIpマネジメント株式会社 アクチュエータ診断システムおよび部品装着装置
CN115144683B (zh) * 2022-09-06 2022-11-08 万向钱潮股份公司 一种电磁阀故障检测方法及系统
CN115183042B (zh) * 2022-09-13 2022-11-25 常州华立阀门控制设备有限公司 多回转电动阀门执行器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09151911A (ja) 1997-06-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10717147B2 (en) Resistance welding machine pinch point safety sensor
JPS61501266A (ja) 容器特に塵芥容器を空ける装置
JP3727985B2 (ja) 高炉炉頂油圧設備用電磁弁の異常検出方法および装置
KR20150066250A (ko) 산업용 고압가스장치의 자동 밸브절체 및 제어시스템
JP2723713B2 (ja) 射出成形機の制御方法
JPH04194385A (ja) 故障診断装置を備えた給水装置の故障診断方法
CN113555585A (zh) 燃料电池汽车的燃料气体置换系统及其控制方法
JPS62157626A (ja) ガス遮断器の液圧操作装置
KR102185340B1 (ko) 공압 밸브 장치 및 공압 밸브 모니터링 방법
CN100400960C (zh) 用于惰性气体的阀系统
JPS5891386A (ja) 圧縮機の台数制御装置
US5804787A (en) Gas circuit breaker and liquid pressure-driving system to be used therefor
CN110925485A (zh) 一种全面恢复保税库电动阀远程电脑操作方法
JP3304184B2 (ja) 給水制御装置
JPH04277184A (ja) 油圧エレベータの油圧制御装置
CN102434542A (zh) 一种自动化炉前液压控制系统
JPH08219119A (ja) 機器動作監視装置
JP2592194B2 (ja) 消火設備の自動点検装置
JP3221758B2 (ja) エレベータの点検運転装置
GB2619823A (en) Method, system, computer device, and storage medium for cleaning photovoltaic glass panel
JPH04285573A (ja) 消火設備の自動点検装置
CN114914875A (zh) 继电器故障自动解除方法、系统及电炉
JPH09202554A (ja) 油圧式エレベータの制御弁異常診断装置
JPH11336936A (ja) 空気操作式開閉弁の開閉装置
JP5971920B2 (ja) 充電バースと充電バースを備える機械式立体駐車装置、及びそれらの制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040106

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040305

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040903

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050705

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050927

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050930

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091007

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101007

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111007

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121007

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131007

Year of fee payment: 8

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term