JP3727782B2 - 気相重合器のガス速度制御方法および気相重合方法 - Google Patents

気相重合器のガス速度制御方法および気相重合方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は気相重合器のガス速度制御方法および気相重合方法に関し、詳しくはオレフィンの気相重合を気相重合器で実施するにあたり、気相重合器に対して循環するようになっている循環ガスのガス速度制御方法およびこのガス速度制御方法を用いてオレフィンの気相重合を実施する気相重合方法に関する。
【0002】
尚、本明細書中で使用される「重合」および「重合体」なる用語は、特に断らない限り、それぞれ「単独重合」と「共重合」および「単独重合体」と「共重合体」を含む意味で用いる。
【0003】
【従来の技術】
ポリエチレン、エチレンとα−オレフィンとの共重合体である直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)などに代表されるオレフィン重合体は、例えばフィルム成形用材料として広く利用される。
【0004】
オレフィン重合体は、チーグラー型触媒またはメタロセン型触媒を用いて製造する。
【0005】
近年のオレフィン重合用の遷移金属触媒の改良によって、遷移金属の単位量当たりのオレフィン重合体生産能力が飛躍的に向上した。このため、重合後における触媒除去操作が省略されるようになった。
【0006】
このような高活性触媒を重合に用いる時には、重合操作が簡単に行えることから、一般にはオレフィン重合を気相で行う方法を採用する。かかる気相重合においては、気相重合を円滑に行うために、通常、多数の孔を有するガス分散板という部材を内部に備えた流動層型気相重合器(以下単に「重合器」という。)を用いる。
【0007】
ガス分散板を備えた重合器にあっては、一般にその下部からコンプレッサーまたはブロワーを備えた導入管を介してオレフィンまたはオレフィン含有ガス(以下総称して「オレフィン等」という。)を導入する。そして、重合器に入ったオレフィン等のガスは、ガス分散板によって均一に分散されながら重合器内を上昇する。この上昇したオレフィン等をガス分散板の上側に位置する流動層域で触媒粒子と接触させながら流動することで、重合器の中で気相重合が行われる。
【0008】
気相重合が行われると、触媒粒子の表面にオレフィン重合体ができる。したがって、流動層域には、触媒粒子とオレフィン重合体とから成る固体粒子が浮遊する。すなわち、重合体を粒子状で得られる。このため重合後に粒子を析出する工程や粒子を分離する工程などは不要であり、製造プロセスが簡略化する。
【0009】
また、重合器に導入したオレフィン等のガスの全部が重合反応に供されるわけではなく、重合反応に供されない、いわゆる未重合ガスができる。この未重合ガスは、重合器の上部から重合器の外部に重合成分含有ガスとして取り出し、これを冷却水やブライン等で冷却後、再度、コンプレッサーまたはブロワーによって重合器にその下部から送り込む。このようにすることで、未重合ガスの再使用、いわゆる循環使用を行う。なお、重合器に対して未重合ガスの再使用を行うための循環用の管を循環ラインということにする。
【0010】
このような構造の重合器を長期間にわたって安定しかつ効率よく稼働させるには、次のような対策が必要である。
(1)気相重合の重合域である流動層域においてヒートスポットの防止を行う。(2)流動層域でのポリマー粒子の融着の防止を行う。
(3)非流動或いは流動不良のポリマー粒子の発生を防止する。
【0011】
これらの対策を有効にしつつ、前記のように重合器を長期間にわたり安定させかつ効率よく稼働させるための重合器の主な操作因子の一つとして、流動層域におけるガス速度、いわゆるガスの線速(以下「ガス線速」という。)をうまく制御することが挙げられる。
【0012】
ガス線速とは、流動層域を流れるガスの体積速度を流動層域の断面積で割ったものである。そして、流動層域の温度,圧力および断面積が一定であれば、ガス線速は、重合器に外部から供給するガスと循環ガスの総量によって決まる。
【0013】
重合器の外からガスを供給するのは、重合器で消費する原料の補充が主たる目的である。また、流動層域を安定させるガス線速を制御するには、循環ガスの量(以下「循環ガス量」という。)の制御が重要な役割を果たす。
したがって、循環ガス量の測定を精度良く行うことが重要である。そして従来の技術では、循環ガス量の測定にあたり、循環ラインの配管中に絞りを設け、かつその両端の差圧を測定して循環ガスの流量を求める差圧型流量計を用いていた。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、重合系において成長不十分な微粉末状のポリマー粒子や、重合時の固体状触媒成分の崩壊によってできる微粉末状粒子が、どうしても循環ガスに混入してしまうため、差圧型流量計を用いての循環ガス量の測定には、次のような問題があった。
▲1▼差圧型流量計の型がオリフィス型またはベンチュリー型の場合は、循環ガス中に含まれる触媒やポリマー粒子がオリフィスやベンチュリーに付着するため、これらが閉塞し易く、よって、差圧型流量計を用いた長期間の安定した循環ガス量の測定が困難である。
▲2▼差圧型流量計の型がオリフィス型またはVコーン型の場合は、オリフィスまたはVコーン部での差圧が大きく、また循環ガスを循環させるブロアーの動力損失も大きくなりがちである。
【0015】
一方、前記オリフィス型またはベンチュリー型の差圧型流量計の場合において、ポリマー粒子等のオリフィスやベンチュリーへの付着によってそれらが閉塞した場合、これを解決するために差圧型流量計に対してバイパスラインを設けることが考えられる。この場合、差圧型流量計の測定ラインを通常閉じておき、流量測定が必要な時にのみ差圧型流量計の測定ラインを開きつつバイパスラインを閉じることで差圧型流量計を稼動させるという方法が知られている。
【0016】
逆に、差圧型流量計により循環ラインにおける流量測定を実施しつつ循環ガスを流通させておき、差圧型流量計が不安定になったときにバイパスラインを開くことで差圧型流量計の測定ラインへの循環ガスの流入を停止し、閉塞を取り除く方法が知られている。
【0017】
しかし、この方法であるとバイパスラインを開くためのバルブ切り換え操作が煩雑であったり、可燃物を含んだラインを開放して清掃する必要があるので、危険を予防するためにパージ等に長時間を要したり、開放作業を行うために多数の人員を配置させておく必要があり効率が悪い。
【0018】
また、差圧型流量計は、循環ガス流量が多くなる程値段が高くなる傾向にある。
さらには、ポリマー粒子などの付着による流量測定精度の低下を完全に防止することはできない。
【0019】
本発明は前記実情に鑑みて為されたものであって、循環ガス量を長期に亘って精度良く安定して測定し、かつガス線速を長期間安定して測定することができる気相重合器のガス速度制御方法を提供するとともに、このガス速度制御方法を利用して安定した状態の流動層域を形成して行うオレフィンの重合方法を提供することを技術的課題とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明の気相重合器のガス速制御方法および気相重合方法は、次のようにした。
(1)固体状触媒成分を用いて気相重合を行なう流動層型気相重合器を用いたオレフィンの重合設備と、前記流動層型気相重合器の上部に位置する減速域から取り出した重合成分含有ガスを前記流動層型気相重合器に戻して循環し、これを循環ガスとするための循環ラインと、前記流動層型気相重合器に新たに供給するオレフィンを前記流動層型気相重合器に供給する供給ラインと、を有するオレフィンの気相重合設備において、前記循環ライン上に超音波流量計を設けるとともに、この超音波流量計により前記重合成分含有ガスの循環ガス流量Vcを測定し、その測定結果に基づいて前記流動層型気相重合器内に流動層域を形成するガス流のガス速度を制御することを特徴とする。
(2)前記(1)において、供給ラインに、さらに流量計を設けて新たに供給されるオレフィンの流量Viを測定し、その流量を前記循環ガス流量Vcの前記測定結果に加算した値に基づいて、前記流動層型気相重合器内に流動層域を形成するガス流のガス速度を制御することもできる。
(3)前記(2)において、前記流動層域内部の温度Tpと圧力Ppを測定し、前記循環ガスの流量Vc,前記新たに供給されるオレフィンの流量Vi、前記温度Tp、前記圧力Ppおよび前記流動層域の断面積Afとによって前記流動層域内部のガス速度を算出し、この算出したガス速度と予め設定してある重合条件の1つであるガス速度許容範囲(ガス線速許容範囲)からのずれを求め、このずれにより流動層域を形成するガス流の前記ガス速度を制御するとよい。
【0021】
また、前記流動層域内部の温度Tp,圧力Pp,循環ガスの流量Vc,新たに供給されるオレフィンの流量Viおよび流動層域の断面積Afをパラメータとして、流動層域内部のガス線速xは、次式で求められる。
【0022】
Figure 0003727782
但し、Vi’=Vi・(Pp/P)1/2・(T/Tp)1/2
P:重合反応の設計値
T:〃
B:大気圧
Z:ガスの圧縮係数
(4)前記(1)において、前記流動層域を形成するガス流のガス速度を制御する方法として、前記循環ガスの体積速度を制御するようにしてもよい。
(5)前記(2)または(3)において、前記流動層域を形成するガス流のガス速度を制御する方法として、前記循環ガスの体積速度を制御するようにしてもよい。
(6)前記(5)において、前記流動層域を形成するガス流のガス速度を制御する方法として、さらに前記新たに供給するオレフィンの体積速度を制御することを特徴とすることもできる。
(7)気相重合方法として、(1)〜(6)の制御方法を用いて前記オレフィンの気相重合を実施することが好適である。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付した図面にづいて説明する。
(重合器1)
図1に示すように、重合器1は、試験管状に下方に延びる直胴部1aを有する。直胴部1aの下方にはガス分散板2を設けてある。このガス分散板2によって重合器1はその内部空間が上下に仕切られる。そして、このようにすることで、重合器1の内部は、ガス分散板2を境にしてその上部および下部にそれぞれ気相重合を行うための流動層域3およびガス導入域4ができる。
【0024】
重合器1のうち流動層域3の上部は重合器1に入っているガスの流れ速度を下げて重合器1からの粒子の飛び出しを防止する減速域7としてある。
【0025】
重合器1において、流動層域3にあたる部分のほぼ中央部および下方部には、それぞれ重合器1に触媒を供給する触媒供給管5および生成した重合体を重合器1の外に取り出すための生成重合体取出用配管6を接続してある。また、重合器1の最上部には排出口11を設け、重合器1からガスを循環させるためのガス循環配管8を排出口11に接続してある。
【0026】
なお、触媒供給管5は、これが分散板2の近傍に位置するように配置しても良い。
【0027】
重合器1へは、触媒供給管5を介して重合器1の外部から固体状触媒および有機金属化合物触媒成分を、または必要に応じて電子供与体などの各化合物を供給する。
【0028】
固体状触媒成分は、乾燥した固体粉末の状態で、または炭化水素に懸濁した状態で、重合器に供給する。
【0029】
オレフィンを予備重合する場合は、有機金属化合物触媒成分を、または必要に応じて電子供与体を用いて行う。これら各化合物も予備重合触媒と共に重合器1に供給する。
【0030】
ガス分散板2を境にした重合器1の下部にあるガス導入域4には、重合すべきオレフィンを、または必要に応じて、低沸点非重合性炭化水素や不活性ガスをオレフィンと共に含有するガスを重合器1に供給するガス供給管9を接続してある。よってガス導入域4はこれをガス室とも言う。このガス導入域4にガス供給管9を介して導入した前記ガスは、その後ガス分散板2を通って流動層域3に流れ込み、流動層域3内で流動しながら気相重合する。なお、流動層域3はこれを図示しない機械的な手段を用いて攪拌することもできる。攪拌手段には、イカリ型攪拌機,スクリュウ型攪拌機,リボン型攪拌機など種々の攪拌機を適用できる。
【0031】
循環配管8には、その途中に超音波流量計13と、熱交換器10と、ブロアー12とをこの順で配してあり、これらを経由してガス排出口11から循環配管8に入った循環ガスがガス供給管9を経由してガス導入域4に循環する。少なくとも超音波流量計13を途中に備えた循環配管8とガス供給管9の一部とが循環ラインを構成する。
【0032】
重合器1からの循環ガスは、これがガス循環配管8を通って熱交換器10で冷やされる。そして、この冷却によって排出ガスに含まれる重合熱を除去する。このとき、流動層域3の安定性を損なわない範囲で、排出ガスをその一部に凝縮液ができるまで冷却しても良い。なお、熱交換器10によって冷却をした後の循環ガスは、必要に応じて凝縮液と気体に分離する。この分離の後は、凝縮液は図示しないポンプを用いて、また気体はブロアー12を介して循環配管8からガス供給管9を経由してガス導入域4に循環する。
【0033】
熱交換器10によって冷却した循環ガスは、供給ラインを構成するガス供給管9により重合器1の外部から新規に供給する新たなガスと共に、ガス導入域4に導かれて流動層域3を形成する。なお、凝縮液を循環配管8から重合器1に供給する以外に、図示しない他の配管から供給してもよい。この際、オレフィンおよび/または低沸点非重合性炭化水素は通常ガス状であり、これらは重合層域3を流動状態に保持できる流量で重合器1に供給される。具体的には、オレフィンおよび/または低沸点非重合性炭化水素は、それらの最小流動化速度をUmfとするときに、約3Umf〜50Umfの流量とするのがよい。
【0034】
なお、Umfは流動層域3を通過するガスの体積速度を流動層域3の断面積で割ったガス線速で表される。そして、前記超音波流量計13で測定した循環ガスのガス線速、またはこの循環ガスのガス線速に新たに供給するオレフィンのガス線速を加えた値に基づいて、流動層域3でのガス線速を10cm/sec〜200cm/secの範囲に制御することが好ましい。ガス線速がこの範囲にあることで流動層域3が安定して形成されるので、超音波流量計13で循環ガスの流速を安定した状態で測定して流動層域3のガス流を制御することと相俟って、より安定したオレフィンの重合ができる。
【0035】
流動層域3の温度,圧力および断面積が一定であれば、ガス線速は、ガス導入域4からの吹き込みガスのガス体積、すなわちガス供給管9から新たに供給されるガス流の体積速度と循環配管8から重合器1に循環供給するガス流の体積速度の総和によって決まる。ガス供給管9から新たに供給するガス流のガス成分は、主に重合器1で消費するオレフィン類の補給に用いる。この供給ガスの量は循環ガスの量にくらべて小さい。したがって、循環ラインからガス導入域4に供給するガスの体積速度を制御することが重要となる。
【0036】
しかし、循環ラインのガスには、微量ではあるが、パウダー状の重合体を含むことがあり、差圧型流量計のような流量計を用いては、安定した測定をすることが難しい。
【0037】
本発明の実施の形態ではこのようなパウダー状の重合体を含むガス体の流量を長期間安定して精度よく測定し、その測定結果に基づいて循環ガスを好適に制御する。
【0038】
本発明の実施の形態では、循環ラインの循環配管8に設置した超音波流量計13により循環ガス流量Vcを測定し、流動層域3を形成するガス速度を制御する。
【0039】
また、流動層域3を形成するガス速度の制御を循環ガスの体積速度を制御することにより行う。
【0040】
更に新たに供給するオレフィンの体積速度をも制御することにより気相重合器1のガス線速を好適に制御する。
【0041】
更に詳細に説明すれば、超音波流量計13による前記循環ガス流量Vcの測定結果を出力信号として記憶する循環ガス流量記憶手段と、供給ライン9の供給ガス流量(オレフィンの流量のこと)Viに相当する信号を出力し、前記供給ガス流量Viを記憶する供給ガス流量記憶手段と、前記流動層域3内部の流動層域内温度Tpを測定しその測定結果を出力する温度測定出力手段と、前記流動層域内部の圧力Ppを測定してその測定結果を出力する圧力測定出力手段と、前記循環ガス流量Vc,前記供給ガス流量Vi,前記流動層域内温度Tp,前記流動層域内圧力Ppおよび前記流動層域3の断面積Afとによって前記流動層域3内部のガス線速を算出し、この算出したガス線速と予め設定してある重合条件の一つであるガス線速許容範囲とのずれを検出するガス線速ずれ検出手段と、を有し、前記ガス線速ずれ検出手段の検出結果を信号として出力することで前記循環配管8での循環ガス量を制御する。
【0042】
このようにすることにより、ガス供給管9を通って流動層域3に入って来るガス流量を正確に補正できるだけでなく循環配管8を通って流動層域3に入って来るガスの流量が超音波流量計13によって正確に測定できるので、超音波流量計13によって流動層域3でのガス線速を正確に知ることができる。
【0043】
また、ガス線速の具体的な求め方としては、前記流動層域内部の温度Tp,圧力Pp,循環ガスの流量Vc,新たに供給されるオレフィンの流量Viおよび流動層域の断面積Afをパラメータとしてこれらを次の(1)式に当てはめるとよい。
【0044】
Figure 0003727782
但し、Vi’=Vi・(Pp/P)1/2・(T/Tp)1/2
P:重合反応の設計値
T:〃
B:大気圧
Z:ガスの圧縮係数
(ガス流速の制御方法)
流動層域3でのガス線速を制御するためには、流動層域3に入るガスの大部分を占める循環ガスの流量を制御すればよく、そのために循環配管8に設けたブロア12の回転数を変える方法,流路の一部、例えばブロア12の入り口近傍に流路の断面の大きさを可変にする図示しないオリフィスなどを設けてこれを調整する方法またはこの2つの方法を同時に行う方法がある。この場合、超音波流量計13で求めたガス線速が適宜設けた設定速度に近づくように、ブロアの回転数やオリフィスの調整をすればよい。
【0045】
この時ガス線速の計算精度を向上させる為に循環配管8からガスをサンプリングし、ガスクロマトグラフを用いてガス組成を自動または手動で測定し、その結果を前記計算手段に入力しても良く、この操作を全て自動または一部自動で実施してもよい。
【0046】
また、循環ガスのみならず新たに供給するガス量も制御する場合もガス供給管9に設けたブロアまたはオリフィス(図示せず)を上記と同じように制御すればよい。
(超音波流量計13)
超音波流量計13としては、流量を5%以内の誤差で測定できるものであればよい。超音波流量計は、通常、位相差法、伝播速度法によって流量を測定するようになっているが、なかでも伝播速度法を採用する超音波流量計は、測定精度も良く安価であるので、これを例示する。
【0047】
超音波の伝播速度は超音波が伝播する流体の流速により影響を受ける。流体が静止状態の時の流体中の音速をCとし、流体が流速Vで流れていた場合に超音波の伝播方向が流体の流れに沿った方向であったとする。そしてこの方向のことを順方向ということにすると、その場合の伝播速度はC+Vとなり、順方向に対して図2のように循環配管8中に超音波の伝播方向が逆方向であった場合は伝播速度はC−Vとなる。
【0048】
今、一定距離Lを隔てて、2組の送受信器S1,J1,S2,J2を設置し、送信器S1は順方向に、また送信器S2は逆方向に音波を発射したとする。そしてその場合に送信器S1および送信器S2にそれぞれ対応する受信機J1およびJ2が音波を受信するまでに要する所用時間をそれぞれt1およびt2とすれば、所用時間t1およびt2は、それぞれt1=L/(C+V)およびt2=L/(C−V)で示すことができる。
【0049】
前記音速Cおよび距離Lは一定値であるから、所用時間t1およびt2の差からVを求めることが可能となる。このVがガス線速であり、このVと循環ガスラインの断面積から流体である循環ガスの体積速度を算出できる。この体積速度を適当な時間幅で積分することで、その時間幅での循環ガス流量となる。
【0050】
なお、超音波流量計13は冷却器である熱交換器10の上流側に設ける方がよい。これは、熱交換器10で循環ガスに凝縮が生じそこにミストが発生しても、超音波流量計13はその影響を受けないからである。
(ガス分散板2)
上記の流動層域重合器1に用いられるガス分散板2には、同心円状に図示しない多数のガス通過孔を形成してあり、これら多数のガス通過孔を通って、ガス導入域4から流動層域3にガスが流れる。
(ガス分散板2のオーバーキャップ)
ガス分散板2のガス通過孔上には、ガス通過孔を上から覆ういわゆるオーバキャップを設けることが一般的である。オーバーキャップの図示は省略するが、オーバーキャップをガス通過孔の上に設けることで、流動層域3から落下するパウダー状重合体等のガス通過孔内への侵入を防止できる。
【0051】
オーバーキャップは、オーバーキャップからのガス流の流出側に向かって広がった形状(例えばV字形)で、ガス通過孔の同心円に沿って同方向を指向して旋回流が形成されるように配置されている。
(重合条件)
ガス分散板2を備えた重合器1でのオレフィンの気相重合に用いるオレフィンとしては、炭素数2〜18のα−オレフィンが好ましい。
【0052】
そのようなオレフィンとしては、例えば、エチレン,プロピレン,1-ブテン,1-ペンテン,1-ヘキセン,4-メチル-1-ペンテン,3-メチル-1-ペンテン,1-ヘプテン,1-オクテン,1-ノネン,1-デセン,1-ウンデセン,1-ドデセン,1-テトラデセン,1-ヘキサデセン,1-オクタデセン,イソプレン,1,4−ヘキサジエン,ブタジエンなどが挙げられる。
【0053】
さらに,シクロペンテン,シクロヘプテン,ノルボルネン,5-メチル-2-ノルボルネン,ジシクロペンタジエン,5−エチリデン−2−ノルボルネン,テトラシクロドデセン,2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン,スチレン,ビニルシクロヘキサンなども挙げられる。
【0054】
これらオレフィンは,気相重合が可能な範囲で単独で或いは組み合わせて使用する。
【0055】
通常は、エチレンまたはプロピレンの単独重合、エチレンまたはプロピレンと他のオレフィンとの共重合である。
【0056】
また、上記のオレフィンと共に、分子量等を調整する目的で水素ガスを併用することもできる。
【0057】
本重合工程における重合条件は、重合するオレフィンおよび重合系(流動層域)3の流動状態によっても異なるが、通常は、重合温度が20〜200℃で、重合圧力が、1〜100Kg/cm2である。
(重合用触媒)
用いる触媒は、特に限定しないが、遷移金属化合物触媒成分を含有するものが好適である。この遷移金属化合物触媒成分は、チタン,バナジウム,クロム,ジルコニウムなどの遷移金属の化合物であり、使用条件によっては液状のものでも固体状のものでも使用できる。また、これらの触媒は単一化合物である必要はなく、他の化合物に担持されていてもよいし、他の化合物との均質混合物であってもよく、さらには他の化合物との錯化合物や複化合物であってもよい。
【0058】
このような遷移金属化合物触媒成分を含有するものには、それ自体公知のチーグラーナッタ型触媒やメタロセン触媒がある。
【0059】
まず、チーグラーナッタ型触媒について説明する。
【0060】
高活性チタン触媒成分(A)は、チタン,マグネシウムおよびハロゲンを必須成分として含む。該チタン触媒成分は、他に各種の電子供与体,アルミニウム,ケイ素,スズ,ホウ素,ゲルマニウム,カルシウム,亜鉛,リン,バナジウム,マンガンなどの金属や元素,アルコシキル基,アリロキシル基,アシロキシル基のような官能基などを更に含むものであってもよい。これらはマグネシウム化合物(また、はマグネシウム金属)およびチタン化合物を、例えば、直接に、あるいは電子供与体や前記他の金属や元素の化合物の一種以上の存在下で反応させるか、もしくは電子供与体や前記他の金属や元素の化合物の一種以上で予備処理した後反応させることによって得ることができる。
【0061】
該成分中に含有されるハロゲン/チタン原子比は好ましくは約4を超え、マグネシウム/チタン原子比は好ましくは約2以上、特には約3ないしは約50であるのがよい。
【0062】
このようなチタン触媒成分(A)においては、通常は室温におけるヘキサン洗浄などの簡単な手段では、チタン化合物を実質的に脱離しない。その化学構造は不明であるが、マグネシウム原子とチタン原子はハロゲンを共有するなどして強固に結合していると考えられる。チタン触媒成分はまた有機または無機の不活性希釈剤,例えばLiCl,CaCO3,BaCl2,Na2CO3,SrCl2,B2O3,NaSO4,Al2O3,SiO2,NaB4O7,CO3(PO4)2,CaSO4,Al2(SO4)3,CaCl2,ZnCl2,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレンなどを含んでいてもよい。
【0063】
良好なる固体状チタン触媒成分は,ハロゲン/チタン(原子比)が約4を超え、
好ましくは約6ないし約100,マグネシウム/チタン(原子比)が約2以上、好ましくは約3ないし約50,電子供与体を含有するものにあっては、電子供与体/チタン(チタン1グラム原子に対するモル比)が約10以下、好ましくは約6以下、例えば約0.2ないし約6であって、その比表面積が約40m2/g以上、一層好ましくは100ないし約800m2/gである。また、チタン触媒成分のX線スペクトルが、出発マグネシウム化合物の如何にかかわらず非晶性を示すか、またはマグネシウムジハライドの通常の市販品のそれに比べ、非常に非晶化された状態にあることが望ましい。
【0064】
前記チタン触媒成分に含有されてよい電子供与体としては、例えば有機酸エステル,酸ハライド,酸無水物,酸アミド,第三アミン,ケイ酸エステル,リン酸エステル,亜リン酸エステル,エーテルなどを挙げられる。
【0065】
これらチタン触媒成分についてはすでに数多く提案され、また広く知られている。その製法の数例を以下に述べる。
(1)含酸素マグネシウム化合物またはマグネシウム化合物と電子供与体の錯化合物を、電子供与体および/または有機アルミニウム化合物やハロゲン含有ケイ素化合物のような反応助剤で予備処理し、または予備処理せずに、反応条件下に液相をなすハロゲン化チタン化合物、好ましくは四塩化チタンと反応させる。
(2)還元能を有しないマグネシウム化合物の液状物と液状のチタン化合物を、電子供与体の存在下または不存在下で反応させて、固体状のチタン触媒成分を析出する。
(3)上記(2)で得られるものに、チタン化合物を更に反応させる。
(4)上記(1)や(2)で得られるものに電子供与体及びチタン化合物を更に反応させる。
(5)上記(1)や(2)で得られるものに、電子供与体、チタン化合物及び有機アルミニウム化合物を更に反応させる。
【0066】
本発明の実施の形態において、チタン触媒成分(A)の調製に用いるマグネシウム化合物としては、種々の方法で製造する酸化マグネシウム,水酸化マグネシウム,ハイドロタルサイト,マグネシウムのカルボン酸塩,アルコキシマグネシウム,アリロキシマグネシウム,アルコキシマグネシウムハライド,アリロキシマグネシウムハライド,マグネシウムジハライド等を、または有機マグネシウム化合物とシラノール,シロキサン等の反応物等を例示できる。
【0067】
上記チタン触媒成分(A)の調製に用いることのできる有機アルミニウム化合物としては、オレフィン重合に用いることができる後記有機アルミニウム化合物の中から適宜に選ぶことができる。さらに、チタン触媒成分(A)の調製に用いることのできるハロゲン含有ケイ素化合物としては、テトラハロゲン化ケイ素,アルコキシハロゲン化ケイ素,アルキルハロゲン化ケイ素,ハロポリシロキサンなどを例示できる。
【0068】
チタン触媒成分(A)の調製に用いられるチタン化合物の例としては、テトラハロゲン化チタン,アルコキシチタンハライド,アリロキシチタンハライド,アルコキシチタン,アリロキシチタンなどを例示でき、とくにテトラハロゲン化チタン,中でも四塩化チタンが好ましい。
【0069】
また、チタン触媒成分(A)の製造に利用できる電子供与体としては、アルコール,フェノール類,ケトン,アルデヒド,カルボン酸,エステル,エーテル,酸アミド,酸無水物の如き含酸素電子供与体,アンモニア,アミン,ニトリル,イソシアネートの如き含窒素電子供与体などを例示できる。
【0070】
有機アルミニウム化合物触媒成分(B)としては、少なくとも分子内に1個のAl−炭素結合を有する化合物を利用でき、例えば、次の(i)(ii)などを挙げることができる。
(i)一般式R1mAl(OR2)nHpXqで表わされる有機アルミニウム化合物
ここで、R1およびR2は、炭素原子を通常1ないし15個、好ましくは1ないし4個を含む炭化水素基であって、互いに同一でも異なっていてもよい。Xはハロゲン,mは0<m≦3,nは0≦n<3,pは0≦p<3,qは0≦q<3の数であって、しかもm+n+p+q=3である。
(ii) 一般式M1AlR14で表わされる第I族金属とアルミニウムとの錯アルキル化物
ここでM1はLi,Na,Kであり、R1は前記と同じである。
【0071】
前記式(i)に属する有機アルミニウム化合物としては、次のものを例示できる。
一般式 R1mAl(OR2)3-m
ここでR1よびR2は前記と同じ。mは好ましくは1.5≦m≦3の数である。
一般式 R1mAlX3-m
ここでR1は前記と同じ。Xはハロゲン,mは好ましくは0<m<3である。
一般式 R1mAlH3-m
ここでR1は前記と同じ、mは好ましくは2≦m<3である。
一般式 R1mAl(OR2)nXq
ここでR1およびR2は前記と同じ、Xはハロゲン,0<m≦3,0≦n<3,0≦q<3で、m+n+q=3である。
(i)に属するアルミニウム化合物において、より具体的にはトリエチルアルミニウム,トリブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム;トリイソプレニルアルミニウムのようなトリアルケニルアルミニウム;ジエチルアルミニウムエトキシド,ジブチルアルミニウムブトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド;エチルアルミニウムセスキエトキシド,ブチルアルミニウムセスキブトキシドなどのアルキルアルミニウムセスキアルコキシドのほかに,
一般式 R12.5Al(OR2)0.5
などで表わされる平均組成を部分的にアルコキシ化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロリド,ジブチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムブロミドのようなジアルキルアルミニウムハライド;エチルアルミニウムセスキクロリド,ブチルアルミニウムセスキクロリド,エチルアルミニウムセスキブロミドのようなアルキルアルミニウムセスキハライド;エチルアルミニウムジクロリド,プロピルアルミニウムジクロリド,ブチルアルミニウムジブロミドなどのようなアルキルアルミニウムジハライドなどの部分的にハロゲン化されたアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムヒドリド,ジブチルアルミニウムヒドリドなどのジアルキルアルミニウムヒドリド;エチルアルミニウムジヒドリド,プロピルアルミニウムジヒドリドなどのアルキルアルミニウムジヒドリドなどの部分的に水素化されたアルキルアルミニウム;エチルアルミニウムエトキシクロリド,ブチルアルミニウムブトキシクロリド,エチルアルミニウムエトキシブロミドなどの部分的にアルコキシ化およびハロゲン化されたアルキルアルミニウムである。
【0072】
また(i)に類似する化合物として,酸素原子や窒素原子を介して2以上のアルミニウムが結合した有機アルミニウム化合物であってもよい。
【0073】
このような化合物として、例えば、(C2H5)2Al-O-Al-(C2H5)2,(C4H9)2Al-O-Al-(C4H9)2,(C2H5)2AlN(C6H5)Al(C2H5)2などを例示できる。
【0074】
前記(ii)に属する化合物としては,LiAl(C2H5)4,LiAl(C7H15)4などを例示できる。これらの中ではとくにトリアルキルアルミニウムまたはトリアルキルアルミニウムとアルキルアルミニウムハライドの混合物を用いるのが好ましい。
【0075】
好適には前記高活性チタン触媒成分(A)と前記有機アルミニウム化合物触媒成分(B)とを易揮発性液状炭化水素中で接触させる。該有機アルミニウム化合物触媒成分(B)の使用量は適宜に選択できるが、アルミニウム原子として該チタン触媒成分(A)中のチタン1グラム原子当り約1ないし約1000グラム原子、特には約5ないし約100グラム原子となる割合とするのがよい。また易揮発性液状炭化水素中での該チタン触媒成分(A)の濃度は、チタン原子に換算して約0.01ないし約10ミリグラム原子/l、特には約0.05ないし約1ミリグラム原子/lとするのが有利である。両者の接触の温度は、該易揮発性液状炭化水素を液状に保つ温度であれば任意であるが、約−20℃ないし約100℃、特には約60℃程度の範囲が好適である。
【0076】
なお、有機アルミニウム化合物触媒成分(B)の使用量がチタン触媒成分(A)の使用量に対して過剰にすぎる場合、例えばAl/Ti(原子比)が10を超えるような場合には、一度に両成分を混合すると、触媒成分に悪影響を及ぼす場合があるので、最初に有機アルミニウム化合物触媒成分(B)の一部とチタン触媒成分(A)を、例えばAl/Ti(原子比)が10以下の割合で混合し、次いで残余の有機アルミニウム化合物触媒成分(B)を混合するという多段階混合方法を採用するのがよい。またこの場合には、触媒の経時劣化を防止するために、全部の有機アルミニウム化合物触媒成分(B)を混合した後は、速やかに易揮発性液状炭化水素を気化させ、重合に供することが望ましい。
【0077】
前記(A)(B)両触媒成分の接触に際し、該触媒工程から、該触媒工程後、該工程中の易揮発性液状炭化水素の気化前の任意の時期に於て、少量のオレフィン類を存在させ、該少量のオレフィン類の予備重合を行ってもよい。オレフィン類としては、重合に用いるのと同一のものでも異なるものでもよい。
【0078】
この予備重合すべき量は、チタン1ミリグラム原子当り約1000g以下、特には約1ないし約200gの範囲とし、気相重合で重合させる量の約1/10以下、特には約1/50以下に抑えるのがよい。
【0079】
易揮発性液状炭化水素は、加熱によって容易に気化するものであって、例えばプロパン、ブタンなどの炭素数3ないし4の炭化水素がもっとも好適である。しかしながら炭素数5ないし6程度の炭化水素も使用し得る。これらは単独でも複数種併用してでも利用できる。
【0080】
次いでメタロセン型触媒について説明する。
【0081】
本発明で用いられる固体状IVB族メタロセン系触媒は、[A]シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むIVB族の遷移金属化合物と、[B]有機アルミニウムオキシ化合物と、[C]粒子状担体とから形成される。本発明で用いる[A]シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むIVB族の遷移金属化合物(以下メタロセン化合物[A]と記載することがある。)は、下記式[I]で表わされる。
MLx …[I]
[式中、MはIVB族の遷移金属原子であるが、具体的には、ジルコニウム、チタンまたはハフニウムであり、Lは遷移金属原子に配位する配位子であり、少なくとも1個のLはシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む配位子であり、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む配位子以外のLは、炭素数1〜12の炭化水素基,アルコキシ基,アリーロキシ基,トリアルキルシリル基,SO3R3基(ただしR3はハロゲンなどの置換基を有していてもよい炭素数1〜8の炭化水素基),ハロゲン原子または水素原子であり、xは遷移金属原子の原子価である。)
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む配位子としては、例えば、シクロペンタジエニル基,メチルシクロペンタジエニル基,ジメチルシクロペンタジエニル基,トリメチルシクロペンタジエニル基,テトラメチルシクロペンタジエニル基,ペンタメチルシクロペンタジエニル基,エチルシクロペンタジエニル基,メチルエチルシクロペンタジエニル基,プロピルシクロペンタジエニル基,メチルプロピルシクロペンタジエニル基,ブチルシクロペンタジエニル基,メチルブチルシクロペンタジエニル基,ヘキシルシクロペンタジエニル基などのアルキル置換シクロペンタジエニル基あるいはインデニル基,4,5,6,7-テトラヒドロインデニル基,フルオレニル基などを例示することができる。これらの基は,ハロゲン原子,トリアルキルシリル基などで置換されていてもよい。
【0082】
これらの遷移金属原子に配位する配位子の中では、アルキル置換シクロペンタジエニル基が特に好ましい。
【0083】
上記一般式[I]で表される化合物がシクロペンタジエニル骨格を有する基を2個以上含む場合には、そのうち2個のシクロペンタジエニル骨格を有する基同士は、エチレン,プロピレンなどのアルキレン基,イソプロピリデン,ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基,シリレン基またはジメチルシリレン基,ジフェニルシリレン基,メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合していてもよい。
【0084】
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子Lとしては、具体的に下記のようなものが挙げられる。
【0085】
炭素数1〜12の炭化水素基としては、アルキル基,シクロアルキル基,アリール基,アラルキル基などが挙げられ,より具体的には、アルキル基としては、メチル基,エチル基,プロピル基,イソプロピル基,ブチル基などを例示でき、シクロアルキル基としては、シクロペンチル基,シクロヘキシル基などを例示できる。また、アリール基としては、フェニル基,トリル基などを例示でき、アラルキル基としては、ベンジル基,ネオフィル基などを例示できる。
【0086】
また、アルコキシ基としては、メトキシ基,エトキシ基,ブトキシ基などを例示でき、アリーロキシ基としては、フェノキシ基などを例示できる。また、ハロゲンとしては、フッ素,塩素,臭素,ヨウ素を例示できる。
【0087】
SO3R3で表される配位子としては、p-トルエンスルホナト基,メタンスルホナト基,トリフルオロメタンスルホナト基などを例示できる。
【0088】
このようなシクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含むメタロセン化合物[A]は、たとえば遷移金属原子の原子価が4である場合、より具体的には下記式[I‘]で示される。
R4aR5bR6cR7dM …[I‘]
式[I‘]中、Mは式[I]と同じ遷移金属原子であり、R4 はシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であり、R5 ,R6 およびR7 はシクロペンタジエニル骨格を有する基,アルキル基,シクロアルキル基,アリール基,アラルキル基,アルコキシ基,アリーロキシ基,トリアルキルシリル基,SO3R3基,ハロゲン原子または水素原子である。また、aは1以上の整数であり、a+b+c+d=4である。
【0089】
上記式[I‘]において、R4,R5,R6およびR7 のうち少なくとも2個たとえばR4 およびR5がシクロペンタジエニル骨格を有する基(配位子)であるメタロセン化合物が好ましく用いられる。
【0090】
これらのシクロペンタジエニル骨格を有する基は、エチレン,プロピレンなどのアルキレン基,イソプロピリデン,ジフェニルメチレンなどの置換アルキレン基,シリレン基またはジメチルシリレン,ジフェニルシリレン,メチルフェニルシリレン基などの置換シリレン基などを介して結合されていてもよい。
【0091】
また、R6およびR7は、シクロペンタジエニル骨格を有する基,アルキル基,シクロアルキル基,アリール基,アラルキル基,アルコキシ基,アリーロキシ基,トリアルキルシリル基,SO3R3,ハロゲン原子または水素原子である。
【0092】
以下に、Mがジルコニウムであるメタロセン化合物について具体的な化合物を複数例示する。
【0093】
ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド,
ビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト)
ビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムジブロミド,
エチレンビス(インデニル)ジメチルジルコニウム,
エチレンビス(インデニル)ジフェニルジルコニウム,
エチレンビス(インデニル)メチルジルコニウムモノクロリド,
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト),
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト),
エチレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト),
エチレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,
イソプロピリデン(シクロペンタジエニル-メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ジメチルシリレンビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ジメチルシリレンビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ジメチルシリレンビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ジメチルシリレンビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
ジメチルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト),
ジメチルシリレンビス(4,5,6,7-テトラヒドロインデニル)ジルコニウムジクロリド,
ジメチルシリレン(シクロペンタジエニル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリド,
ジフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
メチルフェニルシリレンビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジブロミド,
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)エチルジルコニウムモノクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)シクロヘキシルジルコニウムモノクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)フェニルジルコニウムモノクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)ベンジルジルコニウムモノクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムモノクロリドモノハイドライド,
ビス(シクロペンタジエニル)メチルジルコニウムモノハイドライド,
ビス(シクロペンタジエニル)ジメチルジルコニウム,
ビス(シクロペンタジエニル)ジフェニルジルコニウム,
ビス(シクロペンタジエニル)ジベンジルジルコニウム,
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムメトキシクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド,
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト),
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(p-トルエンスルホナト),
ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト),
ビス(メチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムエトキシクロリド,
ビス(ジメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(トリフルオロメタンスルホナト),
ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(メチルエチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(プロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(メチルプロピルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(ブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(メチルブチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムビス(メタンスルホナト),
ビス(トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(テトラメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(ヘキシルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド,
ビス(トリメチルシリルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド。
【0094】
なお,上記例示において、シクロペンタジエニル環の二置換体は1,2-および1,3-置換体を含み、三置換体は1,2,3-および1,2,4-置換体を含む。またプロピル,ブチルなどのアルキル基は、n-,i-,sec-,tert-などの異性体を含む。
【0095】
メタロセン化合物[A]として、上記のようなジルコニウム化合物
中のジルコニウムを、チタンまたはハフニウムに置換えた化合物を用いることもできる。
【0096】
これらの化合物は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、炭化水素あるいはハロゲン化炭化水素に希釈して用いてもよい。
本発明の実施の形態では、メタロセン化合物[A]として、中心の金属原子がジルコニウムであり、少なくとも2個のシクロペンタジエニル骨格を含む配位子を有するジルコノセン化合物が好ましく用いられる。
【0097】
有機アルミニウムオキシ化合物[B]としては、具体的に、従来公知のアルミノオキサンおよび特開平2−276807号公報に開示されているようなベンゼン不溶性アルミニウムオキシ化合物が挙げられる。
【0098】
このような従来公知のアルミノオキサンは、後述するような[B-2]有機アルミニウム化合物からたとえば下記のような方法によって製造することができる。(1)吸着水を含有する化合物あるいは結晶水を含有する塩類、たとえば塩化マグネシウム水和物、硫酸銅水和物,硫酸アルミニウム水和物,硫酸ニッケル水和物,塩化第1セリウム水和物などを懸濁した炭化水素媒体に、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物を添加して反応させ炭化水素の溶液として回収する方法。
(2)ベンゼン,トルエン,エチルエーテル,テトラヒドロフランなどの媒体中で,トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物に直接水(水以外に氷または水蒸気)を作用させ上記媒体の溶液として回収する方法。
(3)デカン,ベンゼン,トルエンなどの媒体中で、トリアルキルアルミニウムなどの有機アルミニウム化合物にジメチルスズオキシド,ジブチルスズオキシドなどの有機スズ酸化物を反応させる方法。
【0099】
なお、回収されたアルミノオキサンの溶液から溶媒あるいは未反応有機アルミニウム化合物を蒸留して除去した後、溶媒に再溶解してもよい。
【0100】
[B]有機アルミニウムオキシ化合物は、少量のアルミニウム以外の金属成分を含有していてもよい。
【0101】
上記のような[B]有機アルミニウムオキシ化合物は、固体状メタロセン系触媒(遷移金属原子換算)1モルに対して、通常5〜1000モル,好ましくは10〜400モルの量で用いられることが望ましい。
【0102】
粒子状担体[C]としては、具体的に、SiO2,Al2O3,B2O3,MgO,ZrO2,CaO,TiO2,ZnO,Zn2O,SnO2,BaO,ThOなどの無機担体,ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリ-1-ブテン,ポリ4-メチル-1-ペンテン,スチレン-ジビニルベンゼン共重合体などの樹脂を用いることができる。これらの樹脂のうちSiO2が好ましい。また、これらの樹脂は,2種以上組合せて用いることもできる。
【0103】
固体状IVB族メタロセン系触媒は、従来公知の方法により、上記のような[A]メタロセン化合物および[B]有機アルミニウムオキシ化合物を[C]粒子状担体に担持させて形成される。
【0104】
また、固体状IVB族メタロセン系触媒は、[A]メタロセン化合物および[B]有機アルミニウムオキシ化合物とともに、下記のような[B−2]有機アルミニウム化合物を[C]粒子状担体に担持させて形成しても良い。
【0105】
固体状IVB族メタロセン系触媒を調製するに際して、[A]メタロセン化合物(遷移金属原子換算)は、[C]粒子状担体1g当り、通常0.001〜1.0ミリモル,好ましくは0.01〜0.5ミリモルの量で、[B]有機アルミニウムオキシ化合物は、通常0.1〜100ミリモル,好ましくは0.5〜20ミリモルの量で用いられる。
【0106】
用いられる固体状メタロセン系触媒粒子では、粒径が1〜300μm,好ましくは10〜100μmであることが望ましい。
【0107】
また、固体状メタロセン系触媒は、上記のような触媒成分とともに、必要に応じて電子供与体,反応助剤などのオレフィン重合に有用な他の成分を含んでいてもよい。
【0108】
なお、固体状メタロセン系触媒は、上記のような固体状メタロセン系触媒に、オレフィンが予備重合されていてもよい。
【0109】
固体状IVB族メタロセン系触媒は、オレフィンを優れた重合活性で(共)重合させることができる。
【0110】
上記のような固体状メタロセン系触媒を用いて、オレフィンの重合を行うが、重合に際しては、この固体状IVB族メタロセン系触媒とともに、下記のような[B-2]有機アルミニウム化合物を用いることもできる。
【0111】
[B-2]有機アルミニウム化合物として用いられ、また上記のような[B]アルミノオキサンの溶液を製造する際にも用いられる有機アルミニウム化合物としては、具体的には、トリメチルアルミニウム,トリエチルアルミニウム,トリプロピルアルミニウム,トリイソプロピルアルミニウム,トリn-ブチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウム,トリsec-ブチルアルミニウム,トリtert- ブチルアルミニウム,トリペンチルアルミニウム,トリヘキシルアルミニウム,トリオクチルアルミニウム,トリデシルアルミニウム,トリシクロヘキシルアルミニウム,トリシクロオクチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム,ジメチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムクロリド,ジエチルアルミニウムブロミド,ジイソブチルアルミニウムクロリドなどのジアルキルアルミニウムハライド,ジエチルアルミニウムハイドライド,ジイソブチルアルミニウムハイドライドなどのジアルキルアルミニウムハイドライド,ジメチルアルミニウムメトキシド,ジエチルアルミニウムエトキシドなどのジアルキルアルミニウムアルコキシド,ジエチルアルミニウムフェノキシドなどのジアルキルアルミニウムアリーロキシドなどが挙げられる。
【0112】
これらのうち,トリアルキルアルミニウムが好ましく、特にはトリエチルアルミニウム,トリイソブチルアルミニウムが好ましい。
【0113】
また有機アルミニウム化合物として、下記一般式で表わされるイソプレニルアルミニウムを用いることもできる。
(i-C4H9)wAly(C5H10)z
但し、w,y,zは正の数であり、z≧2wである。
【0114】
これら列記した有機アルミニウム化合物は、2種以上の組合せであってもよい。
【0115】
[B-2]有機アルミニウム化合物は、少量のアルミニウム以外の金属成分を含有していてもよい。
【0116】
上記のような[B−2]有機アルミニウム化合物は、固体状メタロセン触媒と別途反応系に供給する場合には、固体状メタロセン系触媒(遷移金属原子換算)1モルに対して、通常1〜1000モル、好ましくは2〜300モルの量で用いることが望ましい。
【0117】
また、[B−2]有機アルミウニム化合物を[A]メタロセン化合物および[B]有機アルミニウムオキシ化合物とともに[C]粒子状担体に担持させる場合には、固体状メタロセン系触媒(遷移金属原子換算)1モルに対して、通常1〜200モル、好ましくは2〜300モルの量で用いられる。
【0118】
【発明の効果】
本発明に係るガス速度制御方法では、超音波流量計を用いて循環ガス流量を測定すると共に、その測定結果に基づき気相重合器から排出された循環ガスの速度を制御することにより簡便で安価な装置で制御する効果を発現する。また、微粒子を含有するガス体、特に粒子が活性を有し、さらにその粒子を含むガス体そのものがその粒子と反応する化合物であるガス流においても長期間安定して、且つ動力損失を少なく保ちつつ効果的に制御することができる。
【0119】
また、超音波を用いて測定するため、ガスの体積速度が直接測定することができる。
【0120】
さらに、循環ガス量の制御の際に必要な計算工程を省略することが可能となり、より簡便に精度良く制御できる。
【0121】
さらにまた、超音波流量計を用いることにより、ポリマー粒子などの微粉があっても流量測定部で詰まることがないので、ポリマー粒子などの微粉を含む循環ガスの循環部分に設けることによって、正確で長期にわたる安定な測定が可能である。
【0122】
そして、差圧がほとんど生じないので、動力を大きくしないで済む。さらに配管口径が大きくなっても、流量測定装置の大型化やコストアップをもたらすことなく上記の効果を得られる。
【0123】
また、本発明に係る気相重合方法では安定した状態の流動層域を形成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に関する気相重合装置を示す概要図
【図2】超音波流量計測定原理図
【符号の説明】
1 重合器
1a 直胴部
2 ガス分散板
3 流動層域
4 ガス導入域
5 触媒供給管
6 生成重合体取出用配管
7 減速域
8 ガス循環配管
9 ガス供給管
10 熱交換器
11 排出口
12 ブロア
13 超音波流量計
S1 順方向超音波発信機
S2 逆方向超音波発信機
J1 順方向超音波受信機
J2 逆方向超音波受信機
V 流体の流れ方向

Claims (6)

  1. 固体状触媒成分を用いて気相重合を行なう流動層型気相重合器と、
    前記流動層型気相重合器の上部に位置する減速域から取り出した重合成分含有ガスを前記流動層型気相重合器に戻して循環し、これを循環ガスとするための循環ラインと、
    オレフィンを前記流動層型気相重合器に新たに供給する供給ラインと、
    を有するオレフィンの気相重合設備の中で、
    前記循環ライン上に超音波流量計を設けるとともに、
    この超音波流量計により前記重合成分含有ガスの循環ガス流量を測定し、
    前記供給ラインに、さらに流量計を設けて新たに供給されるオレフィンの流量を測定し、
    前記流動層型気相重合器の流動層域内部の温度と圧力を測定し、
    前記循環ガス流量、前記新たに供給されるオレフィンの流量、前記温度、前記圧力および前記流動層域の断面積によって前記流動層域内部のガス速度を算出し、
    この算出したガス速度と予め設定してある重合条件の1つであるガス速度許容範囲からのずれを求め、
    このずれにより前記流動層域を形成するガス流の前記ガス速度を制御することを特徴とする気相重合器のガス速度制御方法。
  2. 前記算出したガス速度を(1式)により求めることを特徴とする請求項1に記載の気相重合器のガス速度制御方法。
    x=( Vi ’+ Vc )・ Z ・( Tp 273 )・ B /( 273 ・( Pp B )・ Af ・・・(1式)
    但し、
    x:ガス速度
    Vi ’= Vi ・( Pp P 1/2 ・( T Tp 1/2
    Vi :供給ラインの供給ガス流量(新たに供給されるオレフィンの流量)
    Pp :流動層域内部の圧力
    P :重合反応の設計値
    T :重合反応の設計値
    Tp :流動層域内部の温度
    Vc :循環ガスの流量
    Z :ガスの圧縮係数
    B :大気圧
    Af :流動層域の断面積
  3. 前記流動層域を形成するガス流のガス速度を制御する方法として、前記循環ガスの体積速度を制御することを特徴とする請求項または請求項に記載の気相重合器のガス速度制御方法。
  4. 前記流動層域を形成するガス流のガス速度を制御する方法として、さらに前記新たに供給するオレフィンの体積速度を制御することを特徴とする請求項に記載の気相重合器のガス速度制御方法。
  5. 前記体積速度は、ガス速度と循環ガスラインの断面積から算出することを特徴とする請求項3又は4に記載の気相重合器のガス速度制御方法。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の制御方法を用いてオレフィンの気相重合を実施することを特徴とする気相重合方法。
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