JP3726756B2 - 冷蔵庫 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、冷蔵庫における凝縮器の放熱効率向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
冷凍サイクルを構成する凝縮器を冷蔵庫本体の底部に設置した従来の冷蔵庫として、特開2000−310473号公報に掲載されたものがある。 図29は従来の冷蔵庫の構造を示す要部の横断平面図で、図30は要部の縦断側面図である。冷蔵庫本体の下部奥側に機械室4が、仕切壁18と背面カバー19で設けられている。前記機械室4には、圧縮機1と、蒸発皿20と、冷却ファン2が設置されている。
【0003】
吸気ダクト21は、冷蔵庫本体の底面,両側面,仕切壁18とに囲まれた空間により形成されており、冷蔵庫本体前面部には吸込口22、機械室4側には吐出口26を開口している。吸気ダクト21内には、スパイラルチューブ式である凝縮器24を設置しており、吸気ダクト21と凝縮器24の隙間25a,25bは、凝縮器24のフィンピッチより狭くしている。
冷却ファン2を運転することで吸込口22から取り入れた外気は、吸気ダクト21内の凝縮器24を冷却し、吐出口26から機械室4に流入し、蒸発皿20上部,冷却ファン2を経て圧縮機1を冷却し排出口23より冷蔵庫外へ吐出される。
吸気ダクト21内の外気の流れは、凝縮器24との隙間25a,25bが、凝縮器24のフィンピッチより狭くしているので、隙間25a,25bに偏流することなく凝縮器24内を流れる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の冷蔵庫は以上のように構成されており、前面からの外気が凝縮器24のほぼ全ての冷媒配管と交差するように流れる構成なので、外気が凝縮器24を流れる時の流動抵抗が大きくなる。このため、凝縮器24にあたる風の風速を十分に確保できなくなり、凝縮器24の熱交換量を低下させてしまうという問題点があった。また、凝縮器24の機械室側の部分では、前部の凝縮器24で熱交換され暖められた空気が流れるので、冷媒配管を流れる冷媒の温度との温度差が小さくなり、やはり凝縮器24の熱交換量を低下させてしまうという問題があった。
【0005】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、凝縮器で効率良く熱交換できるように外気の風路を構成して凝縮器の放熱性能を向上し、使用エネルギーを省力化できる冷蔵庫を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1に係る冷蔵庫は、機械室に設置され冷蔵庫本体の底部周囲から外気を吸込む冷却ファンと、前記冷蔵庫本体の後面に2箇所設けられ、前記外気の出口である排気口と、吹出面が前記機械室に連通し吸込面が床面に向くように設けた凝縮器と、前記冷却ファンによって前記冷蔵庫本体の底面と床面の間から吸込まれる外気を前記凝縮器の吸込面から吸込むように、前記凝縮器の吹出面から前記機械室の入口までを前記周囲と仕切る仕切手段と、前記機械室内に格納され、前記2箇所の排気口の間に配置された圧縮機と、を備え、前記冷却ファンは、前記外気が前記凝縮器と熱交換するように気体吸込面が前記機械室の入口側に向き、前記外気が前記圧縮機を冷却するように気体吹出面が前記圧縮機側に向くように前記機械室内に配設されると共に、前記気体吹出面と前記冷蔵庫本体の前面とのなす角度(Θ)が、ほぼ45度となるように配設されることを特徴とする。
【0007】
また、この発明の請求項2に係る冷蔵庫の凝縮器は、プレートフィン熱交換器であることを特徴とするものである。
【0008】
また、この発明の請求項3に係る冷蔵庫の仕切手段は、前記凝縮器の側面からも外気を吸込むように構成されていることを特徴とするものである。
【0009】
また、この発明の請求項4に係る冷蔵庫は、凝縮器を、前記冷却ファンの気体吸込面に近い部分が下方になるように傾けて設置したことを特徴とするものである。
【0011】
また、この発明の請求項に係る冷蔵庫は、前記機械室の入口に近い部分の前記凝縮器の吸込面に吸込まれる外気に抵抗を付加する抵抗体を備えたことを特徴とするものである。
【0012】
また、この発明の請求項に係る冷蔵庫は、前記凝縮器の吸込面の下側に、前記凝縮器の下側を流れる外気を前記凝縮器の吸込面に導く整流板を備えたことを特徴とするものである。
【0013】
また、この発明の請求項に係る冷蔵庫は、少なくとも前記機械室の入口側の前記凝縮器を、複数段に重ねて構成したことを特徴とするものである。
【0014】
また、この発明の請求項に係る冷蔵庫は、前記凝縮器の吹出面から吹出す気体を複数の風路に分割して前記機械室の入口へ導く仕切板を備えたことを特徴とするものである。
【0015】
また、この発明の請求項に係る冷蔵庫は、前記機械室の入口に近い部分の前記凝縮器のフィンピッチを、前記機械室の入口から遠い部分のフィンピッチよりも狭くしたことを特徴とするものである。
【0016】
また、この発明の請求項10に係る冷蔵庫は、前記凝縮器を複数に分割し、隣りあう前記凝縮器の冷媒配管の積み方向が異なるように配設したことを特徴とするものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1、図2は実施の形態1による冷蔵庫に係り、図1は冷蔵庫底部の平面構成図、図2は冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。図において、1は圧縮機、2は冷却ファン、2aは冷却ファン2の気体吸込面、2bは冷却ファン2の気体吹出面、3はファンダクトであり、これらは機械室4内に格納されている。4aは機械室4の気体の出口で例えば排気口、5は仕切手段、6は凝縮器、6aは凝縮器6の冷媒配管、6bは凝縮器6の吸込面でここでは気体吸込面、6cは凝縮器6の吹出面でここでは気体吹出面、7は冷蔵庫周囲の外気の吸込口、7aは冷蔵庫の下面開口、8はダクト天板、9は吸込んだ外気の風路であるダクト、10は凝縮器の気体吹出面6cとダクト天板8との間で構成される風路、11は機械室4の気体の入口で例えば吐出口、15aは下面開口7aと床面の間の隙間、16aは冷蔵庫本体の前面、16bは冷蔵庫本体の下面である。
【0018】
ダクト9は、例えば仕切手段5とダクト天板8で囲まれて構成される風路である。凝縮器6は冷蔵庫本体の底部に形成されたダクト9内に設置されており、例えば冷蔵庫本体の下面16bの機械室4を除いた部分の面積のほぼ全体に広がり、冷媒配管6aの積み方向が、例えば冷蔵庫の前方から後方になるように設置されている。このため、冷媒は、主に冷蔵庫本体の下面16bに沿う方向に流れ、冷蔵庫本体の前面側から見ると、左右に流れながら前方から後方へ流れる。
そして、床面に向くように配置される凝縮器6の面6bを吸込面、ここでは気体吸込面6bと称し、吐出口11を介して機械室4と連通する面6cを吹出面、ここでは気体吹出面6cと称する。
【0019】
仕切手段5の斜視図の一例を図3に示す。仕切手段5はプラスチックや金属などで構成され、冷却ファン2によって冷蔵庫本体の底部周囲から吸込まれる外気と凝縮器6とを熱交換させるように導くものである。即ち、仕切手段5によって凝縮器の気体吹出面6cから吐出口11までの風路10と冷蔵庫本体の底部周囲とを仕切ることにより、冷蔵庫本体と床面との間の吸込口7から吸込まれる外気は、凝縮器の気体吸込面6bから吸込まれるように導かれ、さらに気体吹出面6cから機械室4へと流れる。具体的には、冷蔵庫本体の下面16bから凝縮器の気体吸込面6b以外の部分に流れる外気を阻止する仕切手段5として、機械室側仕切手段5a、側部仕切手段5b,5d、前部仕切手段5cを備え、凝縮器の気体吸込面6bの部分には開口7aが形成されている。さらに、冷蔵庫本体の前面16aから凝縮器の気体吸込面6b以外の部分に流れる外気を阻止する仕切手段5としては、凝縮器前面仕切手段5fを備え、冷蔵庫本体の側面から凝縮器の気体吸込面6b以外の部分に流れる外気を阻止する仕切手段5としては、凝縮器側面仕切手段5e、5gを備える。従って、実際には図2に示した側面図の凝縮器6は凝縮器側面仕切手段5eに覆われる。
【0020】
凝縮器6が設けられているダクト9は、吐出口11を介して機械室4と連通している。凝縮器の気体吹出面6cから機械室4への連通路となる風路10は、ダクト天板8が上側に設けられ、冷蔵庫の冷蔵室や冷凍室を構成する部分と仕切られている。
ここで、凝縮器6の下で冷蔵庫本体の下面16bに開口する下面開口7aの大きさは、対面して設置されている凝縮器の気体吸込面6bとほぼ同程度である
【0021】
さらに、冷蔵庫本体の下面16bと、冷蔵庫を設置する場所の床面との間には、周囲の吸込口7から外気を吸込むため、外気の通路となる隙間15aが必要であるが、通常、冷蔵庫本体底部にはキャスターなどの移動手段や固定用の脚がある。このため、冷蔵庫本体の下面16bと床面の間には数cm程度隙間があり、この程度の隙間で十分である。冷蔵庫本体の下部の前面16aは、前からの見た目などから内部構造を覆う前面カバーが床面に当たらない範囲で設けられている。同様に、冷蔵庫本体下部の側面は例えば冷蔵庫本体の下面16bまで側壁面に覆われており、冷蔵庫本体の下面16bと床面との間に形成されるキャスター分の隙間15aを通って周囲の外気が下面開口7aへ導入される。
【0022】
また、凝縮器6は水平、または冷却ファン2の気体吸込面2aに近い部分である吐出口11側が冷蔵庫前面16a側よりも下になるように角度をつけて設置されている。
【0023】
また、冷却ファン2は機械室4内に設置され、冷却ファン2の気体吸込面2aが機械室4の入口である吐出口11側に向き、気体吹出面2bが圧縮機1側に向くように固定されている。さらに、冷蔵庫本体の前面16aに対して、冷却ファン2の気体吹出面2bが圧縮機1の方向に45°から90°の間の角度を成す位置に配設する。即ち、この構成では機械室4の横方向が冷蔵庫本体の前面16aと平行なので、図1に示すように、45°≦Θ≦90°である。また、吐出口11はダクト9から冷却ファン2が設けられている機械室4へ外気が流れる通路であり、凝縮器6との間に障害物がないように最大限の高さが取れるように配置する。
【0024】
次に動作について説明する。圧縮機1から出た高圧ガス冷媒は凝縮器6に入る。そして凝縮器6の冷媒配管6a内を流れる間に下面開口7aから吸込まれた外気と熱交換し、熱が放熱される。この後、冷凍サイクルを循環する冷媒は蒸発器(図示せず)で蒸発して冷蔵庫内を冷却し、圧縮機1に戻る。
一方、冷却ファン2によって、冷蔵庫本体の底部周囲にある外気が、冷蔵庫本体の前面カバーまたは仕切手段5と床面との間の隙間で形成される吸込口7を通って冷蔵庫本体の下面16bの下側に取り込まれる。さらに下面開口7aのみが開口し他の部分は仕切手段5で仕切られているため、ここからダクト9内に取り込まれ、凝縮器6を冷却した後、吐出口11から機械室4へ流れる。さらにその気体は圧縮機1に吹き付けられ、圧縮機1を冷やすことで温度は上昇した状態で排気口4aから排出される。
【0025】
凝縮器6は、冷媒が冷蔵庫本体の下面16bに沿う方向に流れるように冷媒配管6aが積まれている。下面開口7aは凝縮器の気体吸込面6bに対面するように冷蔵庫本体の下面16bに開口し、その大きさは、凝縮器6の面の熱交換に寄与する部分の大きさとほぼ同程度である。具体的には、中央部に下面開口7aとなる開口が形成された周囲のみの四角い枠板5a〜5dに凝縮器6を固定し、これを冷蔵庫の下面に、風路10が存在するように隙間をあけてダクト天板8に固定している。
冷蔵庫本体の周囲から吸込んだ外気の全ては下面開口7aからダクト9に導かれる。この下面開口7aは凝縮器の気体吸込面6bと対面するように位置をほぼ一致させて開口しているため、下面開口7aからダクト9に流入した外気は、凝縮器の気体吸込面6bから冷媒の流れる方向と交わる方向に通過して凝縮器の気体吹出面6cに通りぬける。外気が凝縮器の気体吸込面6bから凝縮器の気体吹出面6cへ流れる間に、凝縮器の冷媒配管6aやフィンと熱交換することで凝縮器6を冷却し、少し温度が上昇して凝縮器6とダクト天板8に囲まれた風路10を流れ、吐出口11へと流れる。このように、外気は凝縮器の気体吸込面6bから気体吹出面6cへ流れるので、冷蔵庫本体の前面に吸込口を設けた従来装置に比べ、外気の流動抵抗が少なくなり、凝縮器6を通過する外気の速度が速くなり、凝縮器6の熱交換効率を上げることができる。
【0026】
下面開口7aと凝縮器6の面の大きさに関し、この実施の形態では下面開口7aの大きさは、仕切手段5を構成する枠板5a〜5dに凝縮器6を固定する場合には、実際には凝縮器の気体吸込面6bよりも周囲の分だけ小さいことになる。このように、凝縮器6の熱交換に寄与する部分の面と下面開口7aをほぼ同程度の大きさにすることで、下面開口7aから導入した外気によって凝縮器6が十分に冷却される。ただし、下面開口7aの大きさを凝縮器6の面よりも大きく構成することもできる。例えば、凝縮器6を側面の三辺で枠板に固定し、一辺の方向には下面開口7aを広げると、下面開口7aを凝縮器6の面よりも大きくすることができる。この時、大きくする方向は、冷却ファン2から遠い部分、例えば下面の前部仕切手段5cの部分へ伸ばすようにすると、外気を吸込みにくい方向からの外気の吸込量が増えるので、凝縮器6の熱交換効率を上げることができる。
凝縮器6の固定方法の一例として、凝縮器6の下側に配置される仕切手段5に固着したが、凝縮器6の横に配置される仕切手段5や、凝縮器6の後側に配置される機械室4との隔壁面などに固着されていてもよい。また、凝縮器6の上側に配置されるダクト天板8に治具等で釣り下げるように固定されていてもよい。
【0027】
また、例えば凝縮器6はプレートフィン熱交換器を使用すると、伝熱面積が多くとれ、凝縮器6の放熱性能が向上でき、効率がよく使用エネルギーを省力化できる冷蔵庫が得られる。プレートフィンの一例としては、アルミニウム、アルミニウム合金、または銅製のフィン、フィン厚を0.1mmから0.2mm、フィンピッチを2〜10mmとし、パイプは銅、アルミニウム、またはアルミニウム合金製であり、外径をφ3からφ7mmを使用し、1列あるいはそれ以上を使用する。
【0028】
また、冷却ファン2の気体吹出面2bが、例えば冷蔵庫本体の前面16aに対して、圧縮機1の方向、45°から90°の間の角度で設置することにより、外気を下面開口7aから吸込んで凝縮器6および圧縮機1に順次スムーズに流すことができる。このため、凝縮器6および圧縮機1を通過する外気の速度が上がり、凝縮器6および圧縮機1を効率よく冷却できる。
【0029】
図4は横軸に冷却ファン2の取付角度(°)、縦軸に凝縮器6が設けられているダクト9内を流れる風量を示すグラフであり、実験による測定値を示している。図で明らかなように、ほぼ45°で風量が最大を示し、さらに取付角度を増加して90°に向かうにつれて風量は減少する。冷却ファン2は外気を取り込んで凝縮器6と熱交換させる作用を有すると共に、圧縮機1にその気体を送って圧縮機1を冷却する作用を有する。このため、冷却ファン2の取付角度は気体吹出面2bが圧縮機1になるべく対向することが必要になる。このことから、冷蔵庫本体の前面16aを基準とし、圧縮機1側への傾き角(Θ)を、45°≦Θ≦90°の間の角度で冷却ファン2を取り付けるとよい。図4に示したグラフから、45°に近い値である方が好ましい。
【0030】
また、凝縮器6の機械室4側を冷蔵庫前面16a側よりも下になるように、凝縮器6を傾けることにより、凝縮器6を水平に配置した時に比べて、凝縮器の気体吹出面6cと冷却ファン2の気体吸込面2aとの角度が平行に近づく。このため、凝縮器6で熱交換された外気が風路10を通って冷却ファン2に吸込まれやすくなる。特に凝縮器6の冷却ファン2から離れている部分でも外気がスムーズに吸込まれやすくなるため、凝縮器6に均一に外気を通過させることができ、凝縮器の熱交換効率を向上できる。
また、機械室4への入口である吐出口11に最も近い凝縮器6の部分の隅を下側に傾け、その対角線側の隅を上側に傾けて、傾斜させてもよい。凝縮器6の一辺を下側、これに対向する辺を上側に傾ける構成に比べ、さらに冷却ファン2の気体吸込面2aと凝縮器の気体吹出面6cが対向することになり、外気の流れをスムーズにでき、凝縮器6の熱交換効率を向上できる。
【0031】
この仕切手段5の材質は特に制限されず、外気を通過させないものならなんでもよいが、凝縮器側面仕切手段5e,5gを金属板などの強度のある材質を使用すれば、冷蔵庫の移動の時などの振動や衝撃から凝縮器6を保護できる。図3に示した仕切手段5は、凝縮器6の傾きに合わせ、気体吸込面6bと平行になるように下面開口7aを床面に傾斜させたが、これに限るものではない。例えば下面開口7aを床面に平行になるように構成してもよい。
【0032】
冷却ファン2の気体吸込面2aと凝縮器6とが図1、図2に示すように配置されている場合、基本的には凝縮器6の下側が気体吸込面となり、凝縮器6の上側が気体吹出面となる。ただし、気体吸込面を大きくとることを考慮すると、凝縮器6の厚み分である側面も気体吸込部分とすることができる。即ち、図1、図2の構成では、冷蔵庫本体の前面16aに対面する凝縮器側面および冷蔵庫本体の両側面に対面する凝縮器側面は、気体吸込部分として構成でき、冷却ファン4の気体吸込口2aに近い機械室4側に対面する凝縮器側面は気体吹出部分を構成する。
【0033】
そこで、凝縮器側面仕切手段5e、5gは、例えば、凝縮器の気体吹出面6c側の風路10に外気が流れ込まない範囲で、凝縮器側面に当る部分には設けずに開口させ、冷蔵庫本体の底部周囲の外部と連通する様に構成してもよい。この構成では、凝縮器6は凝縮器側面から流入する外気とも熱交換することができ、さらに凝縮器6を冷却する効果は増して凝縮器6の熱交換効率を向上できる。
【0034】
また、図5、図6に示す様に冷蔵庫本体の前面16aに下面開口7aを通さずにダクト9に接続する開口17を設けてもよい。実際には、凝縮器6の厚み分である側面から吸込んだ外気は、凝縮器の冷媒配管6aの周囲をある程度流れた後、流動抵抗の小さい部分である風路10に流れる。この冷媒配管6aの周囲を流れる間に熱交換可能である。このため、凝縮器前面仕切手段5fおよび前面カバーの全部、あるいはその一部を開口17とすることで、凝縮器6の前面の厚み部分、即ち冷蔵庫本体の前面16aに対向する凝縮器6の側面からも外気を吸込んで、凝縮器6と熱交換するように構成できる。
【0035】
冷却ファン2の気体吸込面2aに近い部分では風量が大きく、凝縮器6の前面側と後方側で風量の差が生じていた。そこで風量の小さい前面側の凝縮器側面からも外気を吸込むことで、凝縮器6の前面側と後面側で風量の差を少なくでき凝縮器6の各部分に、より均一に外気を流すことができるので熱交換量が増す。この開口17はスリットで構成してもよい。
【0036】
また、冷蔵庫本体を室内の隅や壁面に沿って設置する場合、冷蔵庫本体の側面及び後面の吐出口11に近い部分に、機械室の出口である排気口4aから排出された気体が再び凝縮器の気体吸込面6bに入りこまないように、防止壁を設けてもよい。排気口4aから排出された気体は温められているので温度が高く、この気体が吸込口7から下面開口7aを通って凝縮器の気体吸込面6bに入ってくるのを防止することで、凝縮器6を冷却する機能が低下するのを防ぐことができる。
【0037】
また、従来装置では凝縮器6での放熱が十分でないため、冷蔵庫本体の側面内側に放熱パイプを設置し、側面からも放熱するように構成することもあった。しかしこの実施の形態のように構成することにより、冷蔵庫を構成している冷凍サイクルで必要な放熱を凝縮器6でまかなうことが可能なため、従来の冷蔵庫本体の側面内側に設けられた放熱パイプが不要となる。そのため、放熱パイプからの熱が冷蔵庫庫内に進入することがなくなり、冷蔵庫熱負荷が減り、少ない冷凍能力で冷蔵庫内を冷却することができる。従って、圧縮機1の容量(ストロークボリューム)を小さくすることができ、圧縮機1を駆動する電力を削減できるため、省エネルギーとなる。
また、夏場等の冷蔵庫の周囲温度が高い場合には凝縮器6の温度が上昇するため、冷蔵庫本体の側面内側に設置した放熱パイプでは、冷蔵庫庫内に進入する熱が多くなり、必要以上に熱負荷を与えることになる。これに対し、この実施の形態による冷蔵庫では放熱パイプを設ける必要がなく、庫内への熱負荷が必要以上に増加しないため、夏場等の気温が高い場合の高負荷時に、食品保存に対する信頼性も向上する。
【0038】
またこの実施の形態のように構成すると、従来の凝縮器及び冷蔵庫本体の側面内側に設置した放熱パイプと比較して、2倍以上の放熱性能を得ることができる。従来の凝縮器及び放熱パイプによる放熱を、この実施の形態による凝縮器6でまかなうように考慮すると、凝縮器6の冷媒配管6aである伝熱パイプを、少なくとも従来の凝縮器の伝熱パイプ及び放熱パイプの1/2程度とすることが可能となり、同一放熱性能を維持する場合、凝縮器の冷媒充填量を約1/2程度にすることが可能となる。具体的には伝熱パイプ6aの内径は従来と同じで、伝熱パイプ6aの長さを従来の1/2として、容積を1/2、伝熱面積を1/2としても、同一の放熱性能が得られる。また伝熱パイプ8aの長さは従来と同じで、伝熱パイプ6aの内径を従来の70%程度とし、凝縮器6のフィンピッチを倍にして、容積を1/2、伝熱面積を1/2としても、同一の放熱性能が得られる。
冷蔵庫の冷凍サイクルを構成する要素で、凝縮器6が全体に占める冷媒充填量の割合は20〜50%程度であるので、上記のように凝縮器6の容積を従来の1/2程度に小さくすることで、冷蔵庫全体の冷媒充填量を10〜25%程度に削減できる。特に可燃性冷媒であるHCを使用する場合、冷媒量を減らしても必要な性能がでるため、より安全性が増す。
【0039】
以下、この発明のさらに他の構成例について説明する。図7は冷蔵庫底部の平面構成図であり、図8は冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。図において、6dは主凝縮器、6eは補助凝縮器である。他の各部において、図1,図2と同一符号は、同一、または相当部分を示す。
風路となるダクト9の内部に凝縮器となる主凝縮器6dが設置されており、凝縮器の気体吸込口6bの下側には外気を吸込む下面開口7aを備え、上部にはダクト天板8との間に凝縮器の気体吹出面6cと機械室4とを連通する風路10を設ける。さらに風路10内で、冷却ファン2の気体吸込面2aに近い部分にある吐出口11の近くに補助凝縮器6eを設置し、凝縮器の一部としている。即ち、吐出口11側の凝縮器6を主凝縮器6dと補助凝縮器6eの複数段、例えば2段に重ねて構成する。
【0040】
次に動作について説明する。圧縮機1から出た高圧ガス冷媒は、主凝縮器6dおよび補助凝縮器6eに入る。そして凝縮器6d,6eの冷媒配管6a内を流れる間に下面開口7aから吸込まれた外気と熱交換し、熱が放熱される。
下面開口7aからダクト9に吸込む外気において、冷却ファン2の気体吸込面2aに近い部分は、外気が流れやすい傾向にある。このため、外気の流れやすい部分に補助凝縮器6eを設置して、伝熱面積を増やすことにより、凝縮器6d,6e全体の放熱量を増やすことができる。
【0041】
この場合、外気が流れにくい部分である冷却ファン2から離れた部分の熱交換器の一部を吐出口11の近くに配置して補助凝縮器6eとしてもよいし、主凝縮器6dの大きさをそのままにして、補助凝縮器6eを追加して構成してもよい。前者の場合は、補助凝縮器6e+主凝縮器6dが同じ大きさのため、材料費等コストを増やすことなく、凝縮器6d,6eの放熱量を増す効果がある。また後者の場合は、伝熱面積が大きくなるため、前者よりもより凝縮器6d,6eの放熱量を上げる効果がある。
【0042】
また、前者の場合、下面開口7aに対面する面の大きさは図1に示したものよりも小さくなるので、下面開口7aもこれに応じて小さくしてもよい。ただし、下面開口7aを図1のままの大きさにしておくと、小さくするよりも多くの外気を吸込むことができる。
また、主凝縮器6dと補助凝縮器6eの冷媒配管に並列に冷媒が流れるようにしてもよいし、直列に冷媒が流れるようにしてもよい。
【0043】
また、凝縮器の気体吸込面6bの大きさは、冷蔵庫本体の下面16bの機械室4を除いた部分のほぼ全体に広がっている構成について記載した。しかし、凝縮器6の大きさは、冷蔵庫に必要な冷凍サイクルを考慮して決定されるので、下面16bのほぼ全体に広がるような大きさでなくてもいい場合もある。その様な場合にも、下面開口7aの大きさは、それと対面する凝縮器の気体吸込面6bと同程度、または同程度よりも大きくなるように構成すればよい。
【0044】
実施の形態2.
図9、図10は、実施の形態2による冷蔵庫に係り、図9は冷蔵庫底部の平面構成図であり、図10は冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。図において、12は抵抗体で、例えばプラスチックまたは金属の板にスリットまたは穴を多数あけたものである。ここでは抵抗体12は、例えば一部分で機械室4側の仕切手段5を構成する枠板に固定され、冷却ファン2に近い部分の下面開口7aに、外気の流入を遮るような方向に取り付けられている。また、抵抗体12の大きさは、例えば下面開口7aの機械室4側である後ろ半分程度を覆うように設けている。これにより、冷蔵庫本体の下面16bの下側から下面開口7aを通って凝縮器の気体吸込面6bへ吸込まれる外気のうち、機械室の気体入口である吐出口11近傍で気体吸込面6bへ吸込まれる外気に抵抗が付加される。他の各部において、図1、図2と同一符号は、同一、または相当部分を示す。
【0045】
次に動作について説明する。圧縮機1から出た高圧ガス冷媒は凝縮器6に流入し、冷却ファン2によって下面開口7aからダクト9に吸込まれた外気と熱交換する。これにより凝縮器6の熱が外気に放熱されて凝縮器6は冷却される。
吸気口7からダクト9に吸込む外気の流れにおいて、冷却ファン2の気体吸込面2aから遠い部分と近い部分では凝縮器6を通過する風路損失が異なる。このため、冷却ファン2に近い部分で風速が速く、遠い部分では風速が遅いというように分布ができる。この実施の形態では抵抗体12を冷却ファン2に近い部分の下面開口7aに設置し、冷却ファン2から遠い部分と近い部分での風路損失を均一化する。このため、凝縮器6に均一に外気が流れるようになり、凝縮器6の放熱量を増加できる。
【0046】
なお、抵抗体12は、図9に向かって下側の冷却ファン2に近い部分だけに設けられていてもよい。このように構成することで、凝縮器6に均一に外気が流れるようになり、凝縮器6の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる。
また、抵抗体12の形や材質は上記にこだわるものではなく、冷却ファン2の気体吸込面2aに近い部分の下面開口7aに、即ち下面開口7aの吐出口11近傍に設けられ、この部分の凝縮器の気体吸込面6bに吸込まれる外気の流れに抵抗を付加するような作用をするものであれば、どのようなものでもよい。また、仕切手段5を構成する枠板5a〜5dと抵抗体12を一体で構成してもよい。
【0047】
実施の形態3.
図11、図12は、実施の形態3による冷蔵庫に係り、図11は冷蔵庫底部の平面構成図であり、図12は冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。図において、13は、例えばゴムなどの弾性体で構成した整流板で、下面開口7aと床面との間で、下面開口7aの前面側と後面側の中間部分に、冷蔵庫本体の前面16aに平行に設置する。ここでは、例えば板状で、その下端を前面側に傾斜させ、凝縮器の気体吸込面6bの下側を流れる外気を凝縮器の気体吸込面6bにスムーズに導くように構成している。この整流板13は例えばその一部分で仕切手段5に固定されている。他の各部において、図1,図2と同一符号は、同一、または相当部分を示す。
【0048】
次に動作について説明する。圧縮機1から出た高圧ガス冷媒は凝縮器6に流入し、冷却ファン2によって下面開口7aからダクト9に吸込まれた外気と熱交換する。これにより凝縮器6の熱が外気に放熱されて凝縮器6は冷却される。
下面開口7aからダクト9内に吸込む外気の流れにおいて、冷却ファン2の気体吸込面2aから遠い部分と近い部分では凝縮器6を通過する風路損失が異なる。この場合、外気は風路損失の小さい方に流れようとする。この流れの説明を図13に示す。即ち、冷却ファン2より遠い部分からの外気の一部は、凝縮器の気体吸込面6bに流入せずに、凝縮器6の下側と床15の間の隙間15aを這っていき、冷却ファン2に近い部分にきたときに気体吸込面6bに導入される。
【0049】
図11,図12に示す構成では、この外気の流れを遮るように下面開口7aの中間部分に整流板13を設置している。凝縮器6の下側と床15の間を這って流れる外気を整流板13によって強制的に凝縮器の気体吸込面6bに導くことで、外気の流れは図14に示すようになる。そのため、凝縮器6に均一に外気が流れるようになり、凝縮器6の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる効果がある。
【0050】
なお、整流板13の材質や構成は上記に限るものではないが、冷蔵庫の底部から、床面側に突出した構成になるため、設置場所に馴染みやすいように変形可能な材質であるのが好ましい。
【0051】
図11,図12に示した整流板13は、冷蔵庫本体の前面16a側の風路損失の高い部分で冷蔵庫の下側を流れてしまう外気を凝縮器6に導く構成である。
これに対し、図15,図16に示した整流板13は、冷蔵庫本体の前面に向かって冷却ファン2の気体吸込面2aから遠い部分である右側の風路損失の高い部分で、冷蔵庫の下側を流れてしまう外気を凝縮器の気体吸込面6bに導く構成である。整流板13を下面開口7aの中間部分に、機械室4の横方向に垂直に設けている。
【0052】
図17は、ダクト9における外気の流れを示す説明図である。A,Bで示した冷却ファン2の気体吸込面2aから遠い部分と、Cで示した近い部分では、凝縮器6を通過する風路損失が異なる。そのため図17で示す冷却ファン2より遠い部分(図17のA,B部分)から流入する外気の一部は、図13で示したように凝縮器の気体吸込面6bに導入されずに凝縮器6の下側と床15の間を這うように流れる。そして、冷却ファン2に近い部分にきたとき、凝縮器の気体吸込面6bに導入される。図15,図16では下面開口7aの中間部分に、機械室4の横方向に対して垂直に整流板13を設置しているので、凝縮器6の下側と床15の間を這って流れる外気を強制的に凝縮器の気体吸込面6bに導くことができる。このように整流板13を設けることで、凝縮器6に均一に外気が流れるようになり、凝縮器6の放熱量を増加することができる。
また、図18,図19に示すように、機械室4の横方向に対し、平行及び垂直に整流板13を設ければ、凝縮器6により均一に外気を通過させることができ、凝縮器6の熱交換効率をさらに向上できる。
このように、整流板13は1つに限るものではなく、複数設けてもよい。
【0053】
また、整流板13を直線的に設けなくてもよく、図20に示すように曲線的に設けてもよい。冷却ファン2の気体吸込面2aの位置や方向と、凝縮器6の構成から考慮して、風路損失の高い部分の風路で、凝縮器6を通らないで流れる外気を凝縮器の気体吸込面6cに導くように配置すればよい。
【0054】
図11,図12の構成では、冷蔵庫本体の下側の風路損失の低い部分を流れる外気を、整流板13で凝縮器の気体吸込面6bに導くことで凝縮器6の熱交換効率を向上した。これに対し、図21,図22では、整流板13によって凝縮器6の下側を流れる外気を凝縮器の気体吸込面6bに導くばかりでなく、風路10を第1風路10aと第2風路10bとに分割し、凝縮器6を通りぬけて気体吹出面6cから吹出す外気を、例えば2つに分けて流すように構成している。
図21は冷蔵庫底部の平面構成図であり、図22は冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。図において、14は、ダクト天板8と凝縮器の気体吹出面6cとの隙間で構成される風路10に設けた仕切板である。また、下面開口7aの中間部分に、機械室4の横方向に平行に整流板13を設置する。他の各部において、図1,図2と同一符号は、同一、または相当部分を示す。
【0055】
風路10を第1,第2風路10a,10bに分割する仕切板14は、冷蔵庫下面16bにほぼ平行に風路10内に設けられ、整流板13を設けた位置から機械室への入口である吐出口11まで延びる構成である。
図11,図12に示す構成において、冷却ファン2の気体吸込面2aから遠い部分の凝縮器6を通過する風路損失は、冷却ファン2から近い部分の凝縮器6を通過する風路損失よりも大きい。このため、整流板13の上流側で凝縮器の気体吸込面6bに導かれる外気量が下流側の外気量よりも少なくなり、凝縮器6の熱交換効率をそれほど向上できない。
これに対し、図21,図22に示すように構成し、さらに凝縮器6の熱交換効率の向上を図る。この構成における外気の流れについて説明する。冷却ファン2による外気の流れにより整流板13の上流側で凝縮器の気体吸込面6bに導かれた外気の大部分は、そのまま凝縮器の気体吹出面6cに通りぬけて、第1風路10aを流れ、吐出口11から機械室4に流入する。一方、整流板13の下流側で凝縮器の気体吸込面6bに導かれた外気は、凝縮器の気体吹出面6cに通りぬけて第2風路10bを流れ、吐出口11から機械室4に流入する。
【0056】
仕切板14によって冷却ファン2から遠い部分の外気が凝縮器6と熱交換した後、第1風路10aへ流れるように風路を確保し、同時に冷却ファン2に近い部分の外気が凝縮器6と熱交換した後、第2風路10bへ流れるように風路を確保している。これにより、冷却ファン2の気体吸込面から遠い部分と近い部分とでの外気の流れの不均一を解消でき、熱交換器6に外気が均一に流れるようになり、凝縮器6の熱交換効率を向上できる。
【0057】
なお、仕切板14は2枚以上の複数枚設けて凝縮器の気体吹出面6cから吹出される外気が通る風路を3以上の複数に分割して確保してもよい。
また、ここでは仕切板14と整流板13を設けた構成例について説明したが、整流板13を設けずに仕切板14のみを設けても、外気の流れをある程度均一化でき、効果を奏する。
また、図21,図22に示した仕切板14の構成は、整流板13が図11,図12に示すように機械室4の横方向に平行に設けた場合であり、これに限るものではない。仕切板14は、整流板13が設けられたあたりの位置から、冷却ファン2が設けられている場所までの風路10を上下方向に分離するように設ければよい。また、仕切板14を水平に設けたが、これに限るものではなく、凝縮器6の傾きや外気の導入方向に合わせて斜めに設けてもよい。また、板状のものに限らず、湾曲した仕切壁で構成してもよい。凝縮器の気体吹出面6cから吹出した外気を吐出口11へ導く風路10を複数の風路に分割して、冷却ファン2からの距離に係らず、凝縮器6に外気が均一に流れるように構成すればよい。
【0058】
図15,図16,図18〜図20に示す構成の風路10にも仕切板14を設ければ、凝縮器6の熱交換効率をさらに向上できる。
さらに、整流板13が設けられていない構成にも仕切板14を設け、風路10を上下方向に複数に分割するように構成することで、凝縮器6に均一に外気を流すことができ、凝縮器6の熱交換効率を向上できる。
【0059】
実施の形態4.
図23、図24は、実施の形態4による冷蔵庫に係り、図23は冷蔵庫底部の平面構成図であり、図24は冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。この構成では、例えば、機械室4の入口である吐出口11に近い部分の凝縮器6のフィンピッチを遠い部分よりも狭く構成している。他の各部において、図1,図2と同一符号は、同一、または相当部分を示す。
【0060】
次に動作について説明する。圧縮機1から出た高圧ガス冷媒は凝縮器6に流入し、冷却ファン2によって下面開口7aから凝縮器の気体吸込面6bに吸込まれた外気と熱交換する。これにより凝縮器6の熱が外気に放熱されて冷却される。下面開口7aから凝縮器の気体吸込面6bに吸込む外気の流れにおいて、冷却ファン2の気体吸込面2aから遠い部分と近い部分では凝縮器6を通過する風路損失が異なる。このため、機械室4の入口である吐出口11に近い部分と遠い部分とでは風速に分布ができ、冷却ファン2に近い部分では風速が速く、遠い部分では風速が遅い。この構成では、吐出口11に近い部分の凝縮器6のフィンピッチを狭くして風路損失を高めることで、冷却ファン2から遠い部分と近い部分の風路損失を均一化する。これにより、凝縮器6に均一に外気が流れるようになり、凝縮器6の熱交換効率を向上できる。
【0061】
冷却ファン2からの距離に応じて凝縮器6のフィンピッチの幅を変更することで風路損失を均一化するため、図23に示した構成では、機械室4に近い後方の半分のフィンピッチを、前方のフィンピッチのほぼ半分にした。ただしこの構成に限るものではなく、ダクト9内の風路損失を高くしたい部分のフィンピッチを狭く構成すればよい。例えば、吐出口11の周囲だけ、フィンピッチの幅を狭くしてもよい。
【0062】
図25、図26は、この実施の形態の別の構成の冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図であり、図26は冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。この構成では、凝縮器6を2つの領域に分割し、例えば冷却ファン2の気体吸込面2aに近い部分の凝縮器6fとこの凝縮器6fに隣り合う冷蔵庫前面側の凝縮器6gの冷媒配管6aの積み方向の向きを変えて異なるように構成している。他の各部において、図1,図2と同一符号は、同一、または相当部分を示す。
【0063】
次に動作について説明する。凝縮器6f,6gの冷媒配管6a内を流れる高圧ガス冷媒は、冷却ファン2によって下面開口7aから凝縮器の気体吸込面6bに吸込まれた外気と熱交換する。これにより凝縮器6f,6gの熱が外気に放熱されて凝縮器6f,6gは冷却される。
下面開口7aから凝縮器の気体吸込面6bに流入した外気の流れにおいて、この構成では、冷却ファン2の気体吸込み面2aに近い部分の凝縮器6fの積み方向を、外気の流れに対してフィンの向きが交わるように配置している。これにより、凝縮器6fを流れる外気に対して抵抗をつける。この結果、冷却ファン2から遠い部分と近い部分の風路損失を均一化でき、凝縮器6f,6gに均一に外気が流れるようになり、凝縮器6f,6gの熱交換効率を向上できる。
ここで、凝縮器6f,6gとダクト天板8との間に形成されている風路10は冷蔵庫本体の底部周囲と仕切り、凝縮器6f,6gの側面は開放した構成にしてもよい。例えば、仕切手段5の一部を構成している凝縮機側面仕切手段5e,5gに開口を設ければよい。凝縮器6fの側面端部のプレートフィンは、冷蔵庫本体の前面16aに平行な方向であり、凝縮器側面も気体吸込部分として機能させると、フィン間からも外気を取り込むことができ、さらに凝縮器6f,6gの熱交換効率を向上できる。
【0064】
また、図27,図28のように、冷蔵庫本体の前面16aに対して、凝縮器6の面を左右の領域に分割して凝縮器6h,6iとし、凝縮器6h,6iで冷媒配管6aの積み方向を異なるように構成してもよく、同様の効果を奏する。この時も冷却ファン2に遠い方の凝縮器6hのフィンの向きを、外気が凝縮器の気体吸込面6bに導入しやすいように考慮すればよい。
また、この構成でも、凝縮器6h,6iとダクト天板8との間に形成されている風路10は冷蔵庫本体の底部周囲と仕切り、凝縮器6h,6iの側面は開放した構成にしてもよい。凝縮器6hの側面からはフィン間を通って外気をダクト9に取り込むことができ、凝縮器6iの側面からはフィンに遮られて外気はダクト9に流れ込まない。このため、冷却ファン2から遠いところの凝縮器6hに外気を多く導入でき、さらに凝縮器6h,6iの熱交換効率を向上できる。
【0065】
また、以下の点においては実施の形態2〜実施の形態4のそれぞれでは説明を省略したが、記載以外の構成、動作は実施の形態1と同様であり、実施の形態1と同様の作用効果を奏する。
即ち、凝縮器の吹出面6cから機械室4の入口である吐出口11へ連通する風路10と冷蔵庫本体の底部周囲との間を仕切るように仕切手段5を備えている。このため、冷蔵庫本体と床面との間の吸込口7から吸込まれる外気は、凝縮器の気体吸込面6bから吸込まれ、気体吹出面6cから吹出される。従って吸込む外気を有効に利用して凝縮器6を放熱させることができ、凝縮器の放熱性能を向上でき、効率がよく省エネルギーの冷蔵庫が得られる。
また、凝縮器6と外気との熱交換において、下面開口7aはほぼ凝縮器6と同程度以上の大きさであり、多量の外気を凝縮器6の平面に対して交わる方向に通過させる。このため、外気の流動抵抗が少なく、従来装置に比べ、凝縮器6を通過する外気の速度が速くなり、凝縮器6の熱交換効率を上げることができる。
【0066】
さらにまた、例えば冷却ファン2の吹出し方向を、冷蔵庫本体の前面に対して、圧縮機1の方向に45°から90°の間の角度で設置する。これにより、下面開口7aから吸込まれた空気が凝縮器6および圧縮機1に順次スムーズに流れるため、凝縮器6を通過する外気の速度が速くなり、凝縮器6の熱交換効率を向上できる。熱交換効率を向上することで、省エネルギーの冷蔵庫を得ることができる。
【0067】
さらにまた、例えば冷却ファン2の気体吸込面2aに近い部分の凝縮器6を下に傾けることにより、水平に配置するよりも冷却ファン2の気体吸込面2aと凝縮器の気体吹出面6cとが対向するように構成できる。このため、ダクト9の冷却ファン2から離れている部分からも外気がスムーズに導入され、凝縮器6にさらに均一に外気を通過させることができ、凝縮器の熱交換効率を向上できる。
【0068】
さらにまた、例えば凝縮器にプレートフィン熱交換器を使用する。これにより凝縮器6の放熱性能があがり、効率がよく省エネルギーの冷蔵庫を得ることができる。プレートフィンの一例としては、アルミニウム、アルミニウム合金、または銅製のフィン、フィン厚を0.1mmから0.2mm、フィンピッチを2〜10mm、とし、パイプは銅、アルミニウム、またはアルミニウム合金製であり、外径をφ3からφ7mmを使用し、1列あるいはそれ以上を使用する。
【0069】
さらにまた、例えば冷蔵庫本体の前面16aまたは側面の少なくとも一部の仕切手段5に開口を設け、凝縮器の側面に外気を吸込むように構成する。これにより、外気をより多く凝縮器6に導入でき、凝縮器6の放熱性能を向上でき、効率がよく省エネルギーの冷蔵庫を得ることができる。
【0070】
さらにまた、例えば風路10の吐出口11側の凝縮器6を、複数段に重ねて構成する。これにより、外気の流れやすい部分の伝熱面積を増やして凝縮器6の放熱量を増やすことができ、効率がよく省エネルギーの冷蔵庫を得ることができる。
【0071】
なお、実施の形態1〜実施の形態4では、冷媒が1パスで流れる凝縮器6を用いて説明したが、これに限るものではない。凝縮器6の冷媒入口で、複数に分岐して冷媒配管6aを流れ、凝縮器6の冷媒出口で再び冷媒を合流して、冷凍サイクルを循環するように構成しても、上記と同様の効果がある。
【0072】
【発明の効果】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、機械室に設置され冷蔵庫本体の底部周囲から外気を吸込む冷却ファンと、前記冷蔵庫本体の後面に2箇所設けられ、前記外気の出口である排気口と、吹出面が前記機械室に連通し吸込面が床面に向くように設けた凝縮器と、前記冷却ファンによって前記冷蔵庫本体の底面と床面の間から吸込まれる外気を前記凝縮器の吸込面から吸込むように、前記凝縮器の吹出面から前記機械室の入口までを前記周囲と仕切る仕切手段と、前記機械室内に格納され、前記2箇所の排気口の間に配置された圧縮機と、を備え、前記冷却ファンは、前記外気が前記凝縮器と熱交換するように気体吸込面が前記機械室の入口側に向き、前記外気が前記圧縮機を冷却するように気体吹出面が前記圧縮機側に向くように前記機械室内に配設されると共に、前記気体吹出面と前記冷蔵庫本体の前面とのなす角度(Θ)が、ほぼ45度となるように配設されることにより、凝縮器の放熱性能を向上でき、効率がよく省エネルギーの冷蔵庫が得られる。 また、凝縮器及び圧縮機を通過する外気の速度が上がり、凝縮器および圧縮機を効率よく冷却できる。
【0073】
また、請求項2に係る発明によれば、凝縮器はプレートフィン熱交換器であることにより、凝縮器の放熱性能を向上でき、効率がよく省エネルギーの冷蔵庫が得られる。
【0074】
また、請求項3に係る発明によれば、仕切手段は、前記凝縮器の側面からも外気を吸込むように構成されていることにより、外気をより多くダクトに導入でき、凝縮器の放熱性能を向上でき、効率がよく省エネルギーの冷蔵庫が得られる。
【0075】
また、請求項4に係る発明によれば、前記凝縮器を、前記冷却ファンの気体吸込面に近い部分が下方になるように傾けて設置したことにより、冷却ファンから離れている部分の吸込口からも外気をダクトにスムーズに導入でき、凝縮器に均一に外気を通過させることができ、凝縮器の熱交換効率を向上できる冷蔵庫が得られる。
【0077】
また、請求項に係る発明によれば、前記機械室の入口に近い部分の前記凝縮器の吸込面に吸込まれる外気に抵抗を付加する抵抗体を備えたので、冷却ファンから遠い部分と近い部分での風路損失を均一化し、凝縮器の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる冷蔵庫が得られる。
【0078】
また、請求項に係る発明によれば、前記凝縮器の吸込面の下側に、前記凝縮器の下側を流れる外気を前記凝縮器の吸込面に導く整流板を備えたので、凝縮器の下側を流れる外気を凝縮器に導き、凝縮器の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる冷蔵庫が得られる。
【0079】
また、請求項に係る発明によれば、少なくとも前記機械室の入口側の前記凝縮器を、複数段に重ねて構成したので、外気の流れやすい部分の凝縮器の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる冷蔵庫が得られる。
【0080】
また、請求項に係る発明によれば、前記凝縮器の吹出面から吹出す気体を複数の風路に分割して前記機械室の気体入口へ導く仕切板を備えたので、風路損失を均一化でき、凝縮器の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる冷蔵庫が得られる。
【0081】
また、請求項に係る発明によれば、前記機械室の入口に近い部分の前記凝縮器のフィンピッチを、前記機械室の入口から遠い部分のフィンピッチよりも狭くしたので、風路損失を均一化でき、凝縮器の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる冷蔵庫が得られる。
【0082】
また、請求項10に係る発明によれば、前記凝縮器を複数に分割し、隣りあう前記凝縮器の冷媒配管の積み方向が異なるように配設したので、凝縮器の放熱量を増加して熱交換効率を向上できる冷蔵庫が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図2】 実施の形態1による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図3】 実施の形態1による仕切手段を示す斜視図である。
【図4】 実施の形態1による冷蔵庫の冷却ファンの角度とこれに対するダクトの風量を示すグラフである。
【図5】 実施の形態1による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図6】 実施の形態1による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図7】 実施の形態1による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図8】 実施の形態1による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図10】 実施の形態2による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図12】 実施の形態3による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図13】 実施の形態3に係る冷蔵庫底部における外気の流れを示す説明図である。
【図14】 実施の形態3に係る冷蔵庫底部における外気の流れを示す説明図である。
【図15】 実施の形態3による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図16】 実施の形態3による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図17】 実施の形態3による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図18】 実施の形態3による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図19】 実施の形態3による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図20】 実施の形態3による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図21】 この発明の実施の形態4による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図22】 実施の形態4による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図23】 実施の形態4による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図24】 実施の形態4による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図25】 実施の形態4による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図26】 実施の形態4による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図27】 実施の形態4による冷蔵庫に係り、冷蔵庫底部の平面構成図である。
【図28】 実施の形態4による冷蔵庫底部の凝縮器側面を開放して示す側面図である。
【図29】 従来の冷蔵庫の構造を示す要部の横断平面図である。
【図30】 従来の冷蔵庫の構造を示す要部の縦断側面図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、2 冷却ファン、2a 気体吸込面、2b 気体吹出面、3 ファンダクト、4 機械室、4a 機械室の気体出口、5 仕切手段、6 凝縮器、6b 凝縮器の気体吸込面、6c 凝縮器の気体吹出面、7 吸込口、7a 下面開口、9 ダクト、11 吐出口、12 抵抗体、13 整流板、14 仕切板、15a 隙間、16a 冷蔵庫本体の前面、16b 冷蔵庫本体の下面。

Claims (10)

  1. 機械室に設置され冷蔵庫本体の底部周囲から外気を吸込む冷却ファンと、前記冷蔵庫本体の後面に2箇所設けられ、前記外気の出口である排気口と、吹出面が前記機械室に連通し吸込面が床面に向くように設けた凝縮器と、前記冷却ファンによって前記冷蔵庫本体の底面と床面の間から吸込まれる外気を前記凝縮器の吸込面から吸込むように、前記凝縮器の吹出面から前記機械室の入口までを前記周囲と仕切る仕切手段と、前記機械室内に格納され、前記2箇所の排気口の間に配置された圧縮機と、を備え、前記冷却ファンは、前記外気が前記凝縮器と熱交換するように気体吸込面が前記機械室の入口側に向き、前記外気が前記圧縮機を冷却するように気体吹出面が前記圧縮機側に向くように前記機械室内に配設されると共に、前記気体吹出面と前記冷蔵庫本体の前面とのなす角度(Θ)が、ほぼ45度となるように配設されることを特徴とする冷蔵庫。
  2. 前記凝縮器は、プレートフィン熱交換器であることを特徴とする請求項1記載の冷蔵庫。
  3. 前記仕切手段は、前記凝縮器の側面からも外気を吸込むように構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項2のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  4. 前記凝縮器を、前記冷却ファンの気体吸込面に近い部分が下方になるように傾けて設置したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  5. 前記機械室の入口に近い部分の前記凝縮器の吸込面に吸込まれる外気に抵抗を付加する抵抗体を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  6. 前記凝縮器の吸込面の下側に、前記凝縮器の下側を流れる外気を前記凝縮器の吸込面に導く整流板を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  7. 少なくとも前記機械室の入口側の前記凝縮器を、複数段に重ねて構成したことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  8. 前記凝縮器の吹出面から吹出す気体を複数の風路に分割して前記機械室の入口へ導く仕切板を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  9. 前記機械室の入口に近い部分の前記凝縮器のフィンピッチを、前記機械室の入口から遠い部分のフィンピッチよりも狭くしたことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
  10. 前記凝縮器を複数に分割し、隣りあう前記凝縮器の冷媒配管の積み方向が異なるように配設したことを特徴とする請求項1ないし請求項のいずれか1項に記載の冷蔵庫。
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