JP3726497B2 - コンピュータゲーム装置、ゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及びゲーム処理方法 - Google Patents

コンピュータゲーム装置、ゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及びゲーム処理方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はコンピュータでの将棋、囲碁、チェス、オセロ、麻雀、テレビゲームなどのコンピュータゲーム装置ゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及びゲーム処理方法に関し、特に利用者への質問処理方式を改善したコンピュータゲーム装置質問処理方式を改善したゲームをコンピュータに実行させるためのゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及びゲーム処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述のコンピュータゲームにおいて、コンピュータ側から利用者アクションのYes/Noが求められるケースが多々ある。例えば、将棋の場合では、駒が成るか否かの選択を、コンピュータが問い合わせてくる。通常この場合は、別ウィンドウを開いて、そこにコンピュータからの問い合わせの内容を記述するとともに、YesボタンおよびNoボタンを配置し、利用者に決定させる。このようにして質問を処理し、ゲームを遂行している。
【0003】
図10は、従来の質問処理方式の例を示す図である。これは、コンピュータによる将棋ゲームの表示画面110の例である。将棋では、画面中央に盤面表示部111が設けられており、この盤面表示部111に将棋盤と、将棋盤上に配置された駒が表示されている。そして、利用者が駒を進め、自分の駒が相手陣の1段目から3段目の間に進むと、その駒は成ることができる。このとき成らないという選択も可能であるため、コンピュータから利用者へ、その駒を成らせるか否かの問い合わせが行われる。そこで、コンピュータにより「成りますか?」の質問画面112が表示される。この質問画面112の中には、「Yes」、「No」の2つのボタン112a,112bが表示されている。利用者は、ポインタ113を2つのボタン112a,112bのいずれかの位置へ移動し、マウスのボタンを押す。これにより、利用者の差し手が確定する。このような質問処理方式を第1の従来例と呼ぶこととする。
【0004】
また、あらかじめの約束事で、マウスの左ボタン、右ボタンをそれぞれ問い合わせに対するYesボタン、Noボタンにしているゲームもある。これは、インターネット上の将棋対戦ソフトなどに用いられている。このような質問処理方式を第2の従来例と呼ぶこととする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記第1の従来例の方式では、別ウィンドウを開くと、ゲーム画面そのものが隠れてしまい、ゲーム画面を参照することができなくなってしまう。そのため、非常に不便な操作を、利用者が強いられていた。
【0006】
例えば、将棋では、全ての駒の配置を確認した上でなければ、成り/不成りの判断がつかない場合がある。ところが、図10に示したように、第1の従来例では質問画面112の下にどのような駒が隠れているのかが分からない。この場合、全ての駒の配置を確認するには、質問画面112を別の場所に移動しなければならない。それには、ポインタ113を質問用のウィンドウ112上へ移動し、別の場所へ移動させる必要がある。これらの操作は、非常に煩わしい作業である。
【0007】
また、盤面を参照する必要がない場合であっても、最低限、ポインタ113をウィンドウ112のボタン112a,112bまで移動する操作は必要となる。そのための労力と時間の負担が利用者にかかる。
【0008】
しかも、時間制限が設けられている場合には、成り/不成りの確定をしなければ持ち時間を示す時計が止まらないため、少しでも速く自分の差し手を確定する必要がある。このような場合においては、差し手の決定手順を少しでも簡略化することが望まれる。
【0009】
また、上記第2の従来例の方式では、第1の従来例と比べてゲーム画面を妨げることがなく、かつマウスを移動する必要もないため、操作手順のみを考えれば利用者への負担は少ない。しかしながら、第2の従来例の方式では、あらかじめ、マウスの左右のボタンがそれぞれ「Yes」、「No」に対応していることを利用者に知らしめる必要がある。従って、利用者があらかじめ操作手順を学習しなければならない。初めての利用者であってもすぐに操作できるようにするためには、マニュアルや操作方法説明書を読まなくても利用者が操作できるようになっていることが好ましい。また、マウスボタンが2つではなく、1つあるいは3つの場合どうするかを、別途考慮しなければならない。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、予備知識がなくても利用者が迅速に質問に応答できるような質問処理を行うことができるコンピュータゲーム装置を提供することを目的とする。
【0011】
また、本発明の他の目的は、予備知識がなくても利用者が迅速に質問に応答できるような質問処理をコンピュータに行わせることができるゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することである。
さらに、本発明の他の目的は、予備知識がなくても利用者が迅速に質問に応答できるような質問処理を行うことができるゲーム処理方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、質問に対する応答の内容に応じてゲームの進行状況を変化させるコンピュータゲーム装置において、画面に表示された複数のます目領域に対する利用者からの入力内容に基づいてゲームを進行させており、利用者への質問が必要となった場合には質問処理要求を出力し、前記質問処理要求に対する回答の内容に応じてゲームを進行させるゲーム進行手段と、前記ゲーム進行手段によって進行されているゲームの状況を表示装置の画面に表示するゲーム進行状況表示手段と、前記ゲーム進行手段により前記質問処理要求が出力されると、利用者に許される回答候補を定め、選択された回答候補を前記質問処理要求への回答として前記ゲーム進行手段に通知する質問管理手段と、前記表示装置の画面における利用者の最終ポインティング位置を含む1つのます目領域に、回答候補の内容を示す質問画面を表示する質問表示手段と、ポインティングデバイスにより前記質問画面内の回答候補のいずれかが指定されると、指定された回答候補を前記質問管理手段へ通知するポインティングデバイスイベント処理手段と、を有することを特徴とするコンピュータゲーム装置が提供される。
【0013】
このようなコンピュータゲーム装置によれば、画面に表示された複数のます目領域に対する利用者の入力に応じてゲーム進行手段によりゲームが進行され、その状況がゲーム進行状況表示手段により表示される。利用者が入力を行った際に利用者への質問が必要となると、ゲーム進行手段により質問処理要求が出力される。すると、質問管理手段により、利用者に許される回答候補が定められる。次に、質問表示手段により、利用者の最終ポインティング位置を含む1つのます目領域に、回答候補の内容を示す質問画面が表示される。そこで、利用者がポインティングデバイスにより任意の回答候補を指定すると、ポインティングデバイスイベント処理手段により、指定された回答候補が質問管理手段へ通知される。その通知を受け取った質問管理手段は、選択された回答候補を質問処理要求への回答としてゲーム進行手段に通知する。ゲーム進行手段は、通知された回答に応じてゲームを進行させる。
【0014】
また、上記課題を解決するために、質問に対する応答の内容に応じてゲームの進行状況を変化させるゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、画面に表示された複数のます目領域に対する利用者からの入力内容に基づいてゲームを進行させており、利用者への質問が必要となった場合には質問処理要求を出力し、前記質問処理要求に対する回答の内容に応じてゲームを進行させるゲーム進行手段、前記ゲーム進行手段によって進行されているゲームの状況を表示装置の画面に表示するゲーム進行状況表示手段、前記ゲーム進行手段により前記質問処理要求が出力されると、利用者に許される回答候補を定め、選択された回答候補を前記質問処理要求への回答として前記ゲーム進行手段に通知する質問管理手段、前記表示装置の画面における利用者の最終ポインティング位置を含む1つのます目領域に、回答候補の内容を示す質問画面を表示する質問表示手段、ポインティングデバイスにより前記質問画面内の回答候補のいずれかが指定されると、指定された回答候補を前記質問管理手段へ通知するポインティングデバイスイベント処理手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0015】
このような記録媒体に記録されたゲームプログラムをコンピュータに実行させれば、上記本発明に係るコンピュータゲーム装置の機能が、ゲームプログラムを実行したコンピュータ上で実現される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の原理構成図である。本発明に係るコンピュータゲーム装置は、以下のような要素で構成されている。
【0017】
ゲーム進行手段1は、利用者からの入力内容に基づいてゲームを進行させている。そして、利用者への質問が必要となった場合には質問処理要求を出力し、その質問処理要求に対する回答の内容に応じてゲームを進行させる。ゲーム進行状況表示手段2は、ゲーム進行手段1によって進行されているゲームの状況を表示装置3のゲーム状況表示画面3aに表示する。質問管理手段4は、ゲーム進行手段1により質問処理要求が出力されると、利用者に許される回答候補を定め、選択された回答候補を質問処理要求への回答としてゲーム進行手段1に通知する。質問表示手段5は、表示装置3の画面における利用者の最終ポインティング位置の周辺に、回答候補の内容を表示した質問画面3bを表示する。ポインティングデバイスイベント処理手段7は、ポインティングデバイス6により質問画面3b内の回答候補のいずれかが指定されると、指定された回答候補を質問管理手段4へ通知する。
【0018】
このようなコンピュータゲーム装置によれば、利用者の入力に応じてゲーム進行手段1によりゲームが進行され、そのゲームの状況がゲーム進行状況表示手段2により表示装置3の画面に表示される。ここで、利用者が入力を行った際に利用者への質問が必要となると、ゲーム進行手段1により質問処理要求が出力される。すると、質問管理手段4により、利用者に許される回答候補が定められる。次に、質問表示手段5により、利用者の最終ポインティング位置の周辺に、回答候補の内容を表示した質問画面3bが表示される。そこで、利用者がポインティングデバイス6により任意の回答候補を指定すると、ポインティングデバイスイベント処理手段7により、指定された回答候補が質問管理手段4へ通知される。その通知を受け取った質問管理手段4は、選択された回答候補を質問処理要求への回答としてゲーム進行手段1に通知する。ゲーム進行手段1は、通知された回答に応じてゲームを進行させる。
【0019】
このようにして利用者への質問処理を行うことにより、利用者は最終ポインティング位置からほとんどポインタを移動することなく、質問に対する回答を選択することができる。その結果、質問に対する回答を迅速に行うことがきる。
【0020】
また、最終ポインティング位置に質問画面3bを表示するため、質問画面3bの下に、ゲーム上の他の要素が隠れてしまうことがない。したがって、質問画面3bの表示中であっても、ゲーム状況表示画面3aの全体を一目で認識することができる。
【0021】
さらに、回答候補が質問画面3bに表示され、回答候補の中から所望の回答を選択するだけでよいため、利用者があらかじめ操作方法を学習しておく必要もない。
【0022】
以下に、本発明を将棋ゲームに適用した場合を例にとり、本発明の実施の形態を説明する。
図2は、コンピュータゲーム装置の例を示す図である。これは、パーソナルコンピュータ(以下、PCという)を用いてコンピュータゲーム装置を構成した場合の例である。この例では、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置と一体となったコンピュータ本体10に、入力装置としてマウス20とキーボード30とが接続されている。
【0023】
以下に、コンピュータ本体のハードウェア構成について簡単に説明する。
図3は、コンピュータ本体のハードウェア構成を示す図である。このコンピュータゲーム装置は、CPU(Central Processing Unit) 11を中心に構成されている。CPU11は、メモリ12に記憶されたプログラムに基づいて将棋ゲームを進行させるとともに、バス17を介して接続された各種機器を制御する。バス17に接続された周辺機器は、次のようなものである。
【0024】
ディスプレイコントローラ13は、CPU11から送られてくる描画命令に従って表示画像を生成し、表示装置13aに送る。ディスプレイコントローラ13に接続された表示装置13aは、ディスプレイコントローラ13から送られた表示画像情報に従い、その画像を画面に表示する。
【0025】
入力機器インタフェース14は、キーボード30やマウス20が接続されており、キーボード30やマウス20からの入力信号をCPU11へ転送する。
ネットワークインタフェース15は、LAN(Local Area Network)に接続されており、LANを介したデータ通信を制御する。すなわち、CPU11から送られたデータをLAN上の他の装置へ転送するとともに、LANを介して送られてきたデータを受け取りCPU11に渡す。このネットワークインタフェース15を介して他のコンピュータゲーム装置と通信することにより、ネットワーク対戦型のゲームを実行することもできる。
【0026】
HDD(Hard Disk Drive) コントローラ16は、接続されたハードディスク装置(HDD)16aへのデータの入出力を制御する。HDD16aには、システムプログラムや、将棋ゲームを実行する際の処理内容が記述された将棋ゲームプログラム等が格納されている。
【0027】
このような構成のコンピュータゲーム装置において、将棋ゲームを実行する場合には、まず利用者がマウス20、もしくはキーボード30を用いてHDD16a内の将棋ゲームプログラムの実行命令を入力する。すると、CPU11の制御により、将棋ゲームプログラムがHDD16aからメモリ12に読み込まれ、そのプログラムがCPU11で実行される。
【0028】
CPU11が将棋ゲームプログラムを実行すると、将棋ゲーム用のウィンドウが表示装置13aの画面に表示される。そして、利用者は、マウス20を用いて表示装置13aに表示された駒を移動することで、自分の差し手を入力する。その入力内容は入力機器インタフェース14によりCPU11に送られる。CPU11は、送られた差し手に応じてゲームを進行するとともに、対局相手側(コンピュータが対局相手を受けもっているものとする)の次の差し手を計算し、その計算結果に基づいてさらにゲームを進行させる。対局相手の差し手が確定したら、CPU11は、利用者からの次の差し手の入力を待つ。このような処理を繰り返すことで、将棋ゲームが進められていく。
【0029】
以下に、将棋ゲームを進行させるにあたってCPU11の有する処理機能の内容を説明する。なお、以下の例は、本発明に係るコンピュータゲームの利用者とコンピュータとが対戦する場合を想定している。
【0030】
図4は、ゲーム処理機能を示すブロック図である。CPU11の有するゲーム処理機能は、ゲーム進行部11a、質問管理部11b、表示画面管理部11c及びポインティングデバイスイベント処理部11dから成る。
【0031】
ゲーム進行部11aは、ポインティングデバイスイベント処理部11dからの入力に基づいてゲームを進行させる。例えば、盤面上の駒がポインタによって指定されると、その駒を移動対象とする。次に、指定された駒の移動可能範囲内のます目が指定されると、その駒を指定されたます目へ移動する。このとき、移動すべきます目に相手側の駒があれば、その駒を差し手側の持ち駒の位置へ移動する。また、王将(もしくは玉将)や金将以外の駒が相手陣の1段目から3段目内のます目へ移動した際には、「成り」、「不成り」の質問の必要ありと判断する。ただし、「歩兵」と「香車」とのいずれかが相手陣の1段目に進んだ場合、及び「桂馬」が相手陣の1段目もしくは2段目に進んだ場合には、必ず成らなくてはならないため質問は不要である。
【0032】
ゲーム進行部11aは質問の必要ありと判断した場合には、質問管理部11bを起動する。そして、質問管理部11bからの応答を待つ。質問管理部11bから、「成り」が選択された旨の応答を受け取ると、ゲーム進行部11aは移動した駒を成らせる。
【0033】
質問が不要と判断された場合、もしくは「成り」、「不成り」の応答を質問管理部11bから受け取った際に、利用者の差し手が確定する。ゲーム進行部11aは、利用者の差し手が確定した時点で、表示画面管理部11cへ盤面の更新命令を出す。ここで、対局が詰みでなければ、対局相手の差し手を計算してさらに1手進め、その差し手による盤面の更新指令を表示画面管理部11cへ出力する。対局相手の差し手が確定したら、ゲーム進行部11aは利用者の差し手の入力を待つ。ただし、利用者の差し手と、対局相手の差し手とのいずれかによって、ゲームの勝敗が確定した場合(詰みとなった場合)には、その旨の画面表示要求を表示画面管理部11cへ出力し、対局処理を終了する。
【0034】
質問管理部11bは、ゲーム進行部11aによって起動されると、利用者の最終ポインティング位置、すなわち駒の移動先のます目に「成り」、「不成り」を選択肢とした質問画面の表示要求を表示画面管理部11cへ伝える。その後、ポインティングデバイスイベント処理部11dからポインタにより、選択肢のどちらかが選択され旨の情報を受け取ると、その選択内容をゲーム進行部11aへ伝える。
【0035】
表示画面管理部11cは、将棋ゲームのウィンドウの表示内容を管理する。表示内容は、将棋の盤面や持ち駒の表示などである。ゲーム進行部11aから盤面の更新要求を受け取ると、その要求に従って表示すべき画面の内容を更新し、その画面の表示指令をディスプレイコントローラ13へ出力する。また、質問管理部11bから質問画面の表示要求を受けとると、利用者によって進められた駒の位置を取得する。そして、その位置のます目を上下に2分割し、上段を「成り」の領域、下段を「不成り」の領域とした質問画面の表示指令をディスプレイコントローラ13へ出力する。
【0036】
ポインティングデバイスイベント処理部11dは、質問管理部11bが起動されていないときに入力機器インタフェース14からマウス20のボタンが押された旨の情報を受け取ると、そのときのポインタの位置にある駒を特定し、その駒が選択された旨をゲーム進行部11aへ伝える。また、駒が選択されている状態でマウス20のボタンが押されると、そのときのポインタが盤面のどのます目上にあるのかを検出し、そのます目が移動先として選択された旨をゲーム進行部11aへ伝える。さらに、質問管理部11bが起動されているときにマウス20のボタンが押されると、ポインタが質問内容のどちらを指し示しているのかを判断し、指し示されている選択肢が選択された旨の情報を、質問管理部11bへ伝える。
【0037】
ここで、図4の処理機能と、図1の原理構成との対応関係を説明する。図1のゲーム進行手段1は、図4のゲーム進行部11aに対応する。図1のゲーム進行状況表示手段2と質問表示手段5とは、図4の表示画面管理部11cに対応する。図1の表示装置3は、図4の表示装置13aに対応する。図1の質問管理手段4は、図4の質問管理部11bに対応する。図1のポインティングデバイス6は、図4のマウス20に対応する。図1のポインティングデバイスイベント処理手段7は、図4のポインティングデバイスイベント処理部14に対応する。
【0038】
以下に、対局の際の処理手順を説明する。
図5は、ゲーム対局の際のコンピュータゲーム装置の処理手順を示す図である。以下の処理をステップ番号に沿って説明する。この処理は、ゲーム進行部11aに対して対局開始指令が入力された際に開始される処理である。
[S1]ゲーム進行部11aは、利用者からの差し手入力の有無を判断する。差し手入力があったらステップS2に進み、差し手入力がなければこのステップS1を繰り返すことで、差し手入力を待つ。
[S2]ゲーム進行部11aは、入力された差し手に従って駒を進めた場合に、利用者に対する質問を行う必要があるか否かを判断する。質問の必要があればステップS3に進み、質問の必要がなければステップS9に進む。
[S3]ゲーム進行部11aは、質問管理部11bを起動する。
[S4]質問管理部11bは、差し手の対象となる位置(ます目)に対する質問の表示要求を表示画面管理部11cへ出力する。これに応じて、表示画面管理部11cは、質問画面を指定されたます目に表示する。
[S5]ポインティングデバイスイベント処理部11dは、利用者が質問に対する応答を選択したか否かを判断する。選択された場合にはステップS6に進み、選択されていない場合にはこのステップの処理を繰り返すことで、選択されるのを待つ。
[S6]ポインティングデバイスイベント処理部11dは、選択内容を判定する。すなわち、「成り」か「不成り」かを判定する。
[S7]ポインティングデバイスイベント処理部11dは、質問管理部11bへ選択内容を通知する。
[S8]質問管理部11bは、利用者の選択内容をゲーム進行部11aに通知し、質問画像の消去要求を表示画面管理部11cへ出力する。消去要求に応じて、表示画面管理部11cは、質問画像を消去する。
[S9]ゲーム進行部11aは、質問管理部11bからの応答内容に応じて差し手を確定し、ゲームを進行させる。
[S10]ゲーム進行部11aは、ゲームの勝敗が確定したか否かを判断する。ゲームの勝敗が確定したのであれば、その旨の表示要求を表示画面管理部11cへ出力し処理を終了する。ゲームの勝敗が確定していなければステップS11に進む。
[S11]ゲーム進行部11aは、対局相手の差し手を計算し、その差し手に基づいてゲームを進行させる。
[S12]ゲーム進行部11aは、ゲームの勝敗が確定したか否かを判断する。ゲームの勝敗が確定したのであれば、その旨の表示要求を表示画面管理部11cへ出力し処理を終了する。ゲームの勝敗が確定していなければステップS1に進み、次の差し手の入力を待つ。
【0039】
このようにして、ゲーム進行中に利用者への質問が発生した場合には、最終ポインティング位置において質問画面が表示される。ここで、マウスでポインティングされた位置の選択肢を認識する方法はいくつかあるが、その代表的な判定方法を以下に示す。
【0040】
図6は、選択結果取得方法の例を示す図である。この例では、駒の移動先のます目40を上下に分割する。そして、ます目の上半分の領域41に「成り?」と表示し、下半分の領域42に「不成?」と表示する。
【0041】
このとき、ます目40の左下を原点としたX−Y座標を定義することで、上半分の領域41と下半分の領域42とをX−Y座標系で認識する。図の例では、ます目の大きさが、X軸方向へ「Sx 」、Y軸方向へ「Sy 」である。したがって、ポインタでポインティングされた位置のY座標が「Sy /2」以上の場合には、上半分の領域41が選択されたことになり、Y座標が「Sy /2」以下の場合には、下半分の領域42が選択されたことになる。
【0042】
上半分の領域41がポインティングされた場合には「成り」と判定され、下半分の領域42がポインティングされた場合には「不成り」と判定される。判定の結果は、ポインティングデバイスイベント処理部11dから質問管理部11bへ通知される。
【0043】
なお、この例では、簡単のためます目の左下を座標の原点としているが、盤面の角や、表示画面の角などを原点とした座標系によって、各領域の範囲を認識するようにしてもよい。
【0044】
以下に、対局中に利用者が「成り」、「不成り」の選択をする際の表示画面の例を説明する。
図7は、将棋ゲームの画面を示す図である。画面中央には、盤面表示部51がある。この盤面表示部51に、9×9のます目が設けられ、ます目の中に両者の駒が配置されている。
【0045】
盤面表示部51の右側には、持ち駒表示部52,53が設けられている。この持ち駒表示部52,53に相手側と利用者自身との持ち駒が表示されている。盤面表示部51の左側には、残り時間表示部54,55が設けられている。残り時間表示部54,55は、それぞれ相手側と利用者自身との残り時間が表示されている。
【0046】
利用者は、このような画面上の任意の位置へポインタ56を移動し、自分の差し手を入力することができる。それには、移動したい駒の上にポインタ56を移動し、マウス20のボタンを押す。次に、その駒を移動すべきます目にポインタ56を移動し、再度マウス20のボタンを押す。これにより、駒を移動すべき旨の指令が入力される。ここで、駒の移動指令だけでは差し手が確定せず、利用者の判断が求められる場合がある。
【0047】
将棋ゲームの場合、ゲーム中、利用者の判断が求められる場面とは、駒が敵陣に入った時、その駒を成るか成らないかという場面である。例えば、図7に示した局面において、自陣にいる「角」が相手陣の3段目に移動し、相手陣の「角」を取る場合には、移動した「角」を成らせるか否かの判断が求められる。この場合の利用者の操作手順を以下に説明する。
【0048】
まず、利用者のポインタ56を自陣の「角」の置いてあるます目57へ移動し、マウスのボタンを押す。次に敵陣の「角」の置いてあるます目58へポインタ56を移動し、マウスのボタンを押す。すると、ます目58に質問画像が表示される。
【0049】
図8は、質問表示中の画面を示す図である。このように、ます目58が上下に2分割され、上側には「成り?」と表示され、下側には「不成?」と表示されている。コンピュータゲーム装置は、この状態で、利用者の選択を待つ。利用者がどちらかを選択したら、その結果にしたがって盤面が更新される。例えば、「成り」が選択されると、以下のような画面が表示される。
【0050】
図9は、差し手確定後の画面を示す図である。「成り」が選択されたことにより、ます目58に移動された「角」が成り、「龍馬」となる。また、ます目58に置かれていた相手の「角」は、利用者側の持ち駒として、持ち駒表示部53に表示される。
【0051】
以上のようにして、質問内容を画面に表示し、利用者がその質問に応答することができる。これにより以下のような改善効果が得られる。
第1の効果は、1つのます目内に質問を表示するようにしたことで、質問の表示部がゲーム画面の障害物とはならないことである。これにより、いつもゲーム画面を参照することができ、他の駒の配置を確認するために余分操作を強いられることがなくなる。
【0052】
第2の効果は、マウスを利用者が最後にポインティングした場所から別の場所へ動かす必要がないため、利用者の労力および時間の負担がないことである。
第3の効果は、質問が画面に表示されるため、あらかじめ、操作説明書などをみなくても操作できることである。
【0053】
第4の効果は、マウスは質問の画面の一部を選択するだけであるため、マウスボタンの数に依存せずに質問に対する応答を入力できることである。
以上、説明したように、本発明は、コンピュータゲームにて利用者への質問を処理する方式を示した。これは、コンピュータゲーム以外のアプリケーションに応用することも可能である。例えば、図面作成のアプリケーションにて、ある図形を削除する場合、その「Yes/No」をその図形のところに表示することで、同様な利点が得られる。
【0054】
また、本実施の形態は、将棋の例を用いて説明したため、「成り?」「不成?」の2つの選択肢しかなかったが、さらに多数の選択肢が存在する場合もある。この場合、ます目を多数に分割することで、同様に本発明を適用できる。
【0055】
なお、チェスおいてポーンが相手陣の1段目に移動した場合には、キング以外の任意の駒になることができる。このときの選択肢は多数あるが、実際にはクイーンになるのがほとんどである。したがって、ポーンが相手陣の1段目に移動したら、そのます目にクイーンに変わるか否かの質問を表示し、ここで、クイーン以外の駒に変わる旨の選択が成された場合にのみ、キングとポーン以外の全ての駒を選択肢として表示すればよい。
【0056】
なお、上記の例では、PCにおいて最も使用例が多いポインティングデバイスとしてのマウスを用いた例を説明したが、他のポインティングデバイスでも、同様のことが実現できる。例えば、ゲーム専用機では、十字型のコントローラによりポインタを操作する場合もある。
【0057】
また、上記のコンピュータゲーム装置が有すべき機能の処理内容は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムに記述しておくことができる。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理がコンピュータで実現される。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、磁気記録装置や半導体メモリ等がある。市場に流通させる場合には、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory) やフロッピーディスク等の可搬型記録媒体にプログラムを格納して流通させたり、ネットワークを介して接続されたコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを通じて他のコンピュータに転送することもできる。コンピュータで実行する際には、コンピュータ内のハードディスク装置等にプログラムを格納しておき、メインメモリにロードして実行する。
【0058】
【発明の効果】
以上のように本発明のコンピュータゲーム装置では、利用者の最終ポインティング位置に質問画面を表示するようにしたため、最後にポインティングした場所からポインタを別の場所へ動かす必要がないため、利用者の労力および時間の負担がない。しかも、質問が画面に表示されるため、あらかじめ、操作説明書などをみなくても操作できる。
【0059】
また、本発明のゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体では、利用者の最終ポインティング位置に質問画面を表示するようなゲームプログラムを記録媒体に格納したため、そのゲームプログラムをコンピュータで実行することにより、予備知識がなくても利用者が迅速に質問に応答できるような質問処理をコンピュータに行わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原理構成図である。
【図2】コンピュータゲーム装置の例を示す図である。
【図3】コンピュータ本体のハードウェア構成を示す図である。
【図4】ゲーム処理機能を示すブロック図である。
【図5】ゲーム対局の際のコンピュータゲーム装置の処理手順を示す図である。
【図6】選択結果取得方法の例を示す図である。
【図7】将棋ゲームの画面を示す図である。
【図8】質問表示中の画面を示す図である。
【図9】差し手確定後の画面を示す図である。
【図10】従来の質問処理方式の例を示す図である。
【符号の説明】
1 ゲーム進行手段
2 ゲーム進行状況表示手段
3 表示装置
3a ゲーム状況表示画面
3b 質問画面
4 質問管理手段
5 質問表示手段
6 ポインティングデバイス
7 ポインティングデバイスイベント処理手段

Claims (6)

  1. 質問に対する応答の内容に応じてゲームの進行状況を変化させるコンピュータゲーム装置において、
    画面に表示された複数のます目領域に対する利用者からの入力内容に基づいてゲームを進行させており、利用者への質問が必要となった場合には質問処理要求を出力し、前記質問処理要求に対する回答の内容に応じてゲームを進行させるゲーム進行手段と、
    前記ゲーム進行手段によって進行されているゲームの状況を表示装置の画面に表示するゲーム進行状況表示手段と、
    前記ゲーム進行手段により前記質問処理要求が出力されると、利用者に許される回答候補を定め、選択された回答候補を前記質問処理要求への回答として前記ゲーム進行手段に通知する質問管理手段と、
    前記表示装置の画面における利用者の最終ポインティング位置を含む1つのます目領域に、回答候補の内容を示す質問画面を表示する質問表示手段と、
    ポインティングデバイスにより前記質問画面内の回答候補のいずれかが指定されると、指定された回答候補を前記質問管理手段へ通知するポインティングデバイスイベント処理手段と、
    を有することを特徴とするコンピュータゲーム装置。
  2. 前記質問表示手段は、前記利用者の最終ポインティング位置を含む1つのます目領域に回答候補ごとの選択領域を表示し、
    前記ポインティングデバイスイベント処理手段は、前記選択領域の座標を認識しており、前記ポインティングデバイスのボタンが押された際に画面上のポインタがどの前記選択領域を指しているかによって、指定された回答候補を特定する、
    ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータゲーム装置。
  3. 前記ゲーム進行手段は、ます目状に分割された盤面上の任意のます目領域に駒を移動することで対戦するゲームを進行させており、
    前記質問表示手段は、駒が進められたます目領域内を分割し、分割された領域を選択領域とする、
    ことを特徴とする請求項2記載のコンピュータゲーム装置。
  4. 前記ゲーム進行手段は、将棋ゲームを進行させており、利用者の駒が成ることが可能な位置に移動した場合に前記質問処理要求を出力し、
    前記質問管理手段は、駒を成らせるか否かの選択肢を回答候補とする、
    ことを特徴とする請求項1記載のコンピュータゲーム装置。
  5. 質問に対する応答の内容に応じてゲームの進行状況を変化させるゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体において、
    画面に表示された複数のます目領域に対する利用者からの入力内容に基づいてゲームを進行させており、利用者への質問が必要となった場合には質問処理要求を出力し、前記質問処理要求に対する回答の内容に応じてゲームを進行させるゲーム進行手段、
    前記ゲーム進行手段によって進行されているゲームの状況を表示装置の画面に表示するゲーム進行状況表示手段、
    前記ゲーム進行手段により前記質問処理要求が出力されると、利用者に許される回答候補を定め、選択された回答候補を前記質問処理要求への回答として前記ゲーム進行手段に通知する質問管理手段、
    前記表示装置の画面における利用者の最終ポインティング位置を含む1つのます目領域に、回答候補の内容を示す質問画面を表示する質問表示手段、
    ポインティングデバイスにより前記質問画面内の回答候補のいずれかが指定されると、指定された回答候補を前記質問管理手段へ通知するポインティングデバイスイベント処理手段、
    としてコンピュータを機能させることを特徴とするゲームプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  6. 質問に対する応答の内容に応じてゲームの進行状況を変化させるコンピュータゲーム装置におけるゲーム処理方法において、
    ゲーム進行手段が、画面に表示された複数のます目領域に対する利用者からの入力内容に基づいてゲームを進行させ、
    ゲーム進行状況表示手段が、前記ゲーム進行手段によって進行されているゲームの状況を表示装置の画面に表示し、
    利用者への質問が必要となった場合には、前記ゲーム進行手段が質問処理要求を出力し、
    前記ゲーム進行手段により前記質問処理要求が出力されると、質問管理手段が、利用者に許される回答候補を定め、
    質問表示手段が、前記表示装置の画面における利用者の最終ポインティング位置を含む1つのます目領域に、回答候補の内容を示す質問画面を表示し、
    ポインティングデバイスにより前記質問画面内の回答候補のいずれかが指定されると、ポインティングデバイスイベント処理手段が、指定された回答候補を前記質問管理手段へ通知し、
    前記質問管理手段が、選択された回答候補を前記質問処理要求への回答として前記ゲーム進行手段に通知し、
    前記ゲーム進行手段が、前記質問処理要求に対する回答の内容に応じてゲームを進行させる、
    ことを特徴とするゲーム処理方法。
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