JP3725977B2 - 縁取り文字作成方法及びその装置並びにその処理を実行するためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、予め設定された図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、新聞の見出し文字などには縁取りした文字が使われる場合が多い。このような縁取り文字を作成する場合、従来では、まず、図形枠を設定した後、その図形枠内に文字を入れ、次に、オペレータが、手動によって、その文字を拡大したり、その文字の縁を太らせたり、ずらしたり、或いは彩色を施したりして、縁取りした文字を作成していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように、従来ではオペレータが手動で縁取り文字を作成していたため、作成に多くの手間がかかるため、新聞作成の場合に多くある期日直前の変更や修正などに対しては、十分な対応が困難であるという問題があった。
【0004】
また、図形枠に対し縁取り文字を美しく配置しようとするには、オペレータが縁取り文字を作成する際に、図形枠の大きさと縁取り文字の大きさのバランスを考慮しながら作成しなければならず、オペレータの負担が重くなるという問題があった。
【0005】
従って、本発明の目的は、上記した従来技術の問題点を解決し、縁取り文字を容易に作成することができ、オペレータに負担をかけることなく、図形枠に対し美しく配置された縁取り文字を作成することができる縁取り文字作成技術を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上記した目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の縁取り文字作成方法は、コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成方法であって、
(a)縁取りすべき文字を、前記図形枠にほぼ適合させるように、配置して変形する工程と、
(b)変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける工程と、
(c)前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する工程と、
(d)前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさが前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を所定方向に拡大または縮小する工程と、
を備えることを要旨とする。
【0007】
また、本発明の縁取り文字作成装置は、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成装置であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する手段と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける手段と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する手段と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさが前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を所定方向に拡大または縮小する手段と、
を備えることを要旨とする。
【0008】
このように、本発明の縁取り文字作成方法または装置では、縁取りすべき文字を、図形枠にほぼフィットさせるように配置して変形し、その変形した文字に、予め設定されたn重の縁取りを付けるようにしている。
【0009】
従って、本発明の縁取り文字作成方法または装置によれば、縁取り文字を容易に作成することができるため、期日直前の変更や修正に対しても十分に対応することができる。また、初めに縁取りすべき文字を図形枠にほぼフィットさせているため、オペレータに負担をかけることなく、図形枠に対し縁取りした文字を美しく配置することができる。さらに、設定された上記縁がほぼ図形枠に外接するように、図形枠に対して縁取りした文字を配置することができるので、より美しい配置を実現することができる。
【0010】
ここで、縁取りすべき文字としては、ひらがな,カタカナ,漢字,アルファベット,数字,記号,マークなど一般的な文字の他、絵文字や図形文字なども含まれる。
【0015】
本発明の縁取り文字作成方法において、
前記工程(d)は、
前記外接枠の縦方向の大きさが前記図形枠の縦方向の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を縦方向に拡大または縮小する工程と、
前記外接枠の横方向の大きさが前記図形枠の横方向の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を横方向に拡大または縮小する工程と、
を備えることが好ましい。
【0016】
このような工程を備えることによって、縁取りの付けられた文字を縦方向と横方向とで独立して拡大または縮小できるので、図形枠に対して縁取りした文字をさらにより美しく配置することができる。
【0018】
本発明の縁取り文字作成方法において、
前記工程(c)における予め設定された前記縁は、前記n重の縁のうち、最も外側の縁であることが好ましい。
【0019】
このように外接枠の基準を最も外側の縁にすることによって、縁取りした文字が図形枠の外側に飛び出すがほとんどなく、図形枠に対して縁取りした文字をさらにより美しく配置することができる。
【0020】
本発明の縁取り文字作成方法は、コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成方法であって、
(a)縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する工程と、
(b)変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける工程と、
(c)前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する工程と、
(d)前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさと前記図形枠の大きさとの比を求め、その比に従って仮想枠を作成する工程と、
(e)縁取りすべき前記文字を、前記仮想枠にほぼ適合させるように、配置して変形する工程と、
(f)前記工程(e)で変形した前記文字に前記n重の縁取りを付ける工程と、
をさらに備えることを要旨とする。
また、本発明の縁取り文字作成装置は、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成装置であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する第1の手段と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける第2の手段と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する第3の手段と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさと前記図形枠の大きさとの比を求め、その比に従って仮想枠を作成する第4の手段と、
縁取りすべき前記文字を、前記仮想枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに適合させるように、配置して変形する第5の手段と、
前記第5の手段で変形を施した前記文字に前記n重の縁取りを付ける第6の手段と、
を備えることを要旨とする。
【0021】
従って、本発明の縁取り文字作成方法または装置によれば、縁取り文字を容易に作成することができるため、期日直前の変更や修正に対しても十分に対応することができる。また、初めに縁取りすべき文字を図形枠にほぼフィットさせているため、オペレータに負担をかけることなく、図形枠に対し縁取りした文字を美しく配置することができる。また、、1度、縁取りした文字を作成し、その縁取りした文字の大きさを基にして仮想枠を作成し、再度、その仮想枠に文字をフィットさせて、縁取り文字を作成することにより、図形枠に対して縁取りした文字をより美しく配置することができる。
【0023】
本発明の縁取り文字作成方法において、
前記工程(d)は、
前記外接枠の縦方向の大きさと前記図形枠の縦方向の大きさとの第1の比を求める工程と、
前記第1の比に基づいて、前記仮想枠の縦方向の大きさを求める工程と、
前記外接枠の横方向の大きさと前記図形枠の横方向の大きさとの第2の比を求める工程と、
前記第2の比に基づいて、前記仮想枠の横方向の大きさを求める工程と、
を備えることが好ましい。
【0024】
このような工程を備えることによって、より適切な大きさの仮想枠を作成することができる。
【0025】
本発明の縁取り文字作成方法において、
前記工程(d)は、
前記外接枠の縦方向の大きさをx1,前記図形枠の縦方向の大きさをX1とし、前記外接枠の横方向の大きさをy1,前記図形枠の横方向の大きさをY1としたとき、
前記仮想枠の縦方向の大きさX2及び前記仮想枠の横方向の大きさY2を、それぞれ、下式に従って求める工程
X2=X12/x1
Y2=Y12/y1
を備えることが好ましい。
【0026】
このような工程を備えることによって、より適切な大きさの仮想枠を作成することができる。
【0032】
本発明の記録媒体は、コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する機能と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける機能と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する機能と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさが前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を所定方向に拡大または縮小する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したこと要旨とする。
また、本発明の記録媒体は、コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する第1の機能と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける第2の機能と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する第3の機能と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさと前記図形枠の大きさとの比を求め、その比に従って仮想枠を作成する第4の機能と、
縁取りすべき前記文字を、前記仮想枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに適合させるように、配置して変形する第5の機能と、
前記第5の機能で変形を施した前記文字に前記n重の縁取りを付ける第6の機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録したこと要旨とする。
【0033】
このような記録媒体に記録されたコンピュータプログラムがコンピュータによって実行された場合には、上記した本発明の縁取り文字作成方法や装置と同様の作用・効果を奏し、縁取り文字を簡単に作成することができる。
【0035】
【発明の他の態様】
本発明は、以下のような他の態様を採ることも可能である。即ち、上記した各機能をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを、通信回線を介して前記コンピュータに供給するためのコンピュータプログラム供給装置としての態様である。
【0036】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施例としての縁取り文字作成装置を示すブロック図である。
【0037】
この縁取り文字作成装置は、図1に示すようなコンピュータシステムによって構成されている。即ち、このコンピュータシステムは、CPU110と、バスライン120と、を備えており、バスライン120には、CPU110によって実行されるコンピュータプログラムなどを記憶するためのメインメモリ130と、縁取り文字作成用データメモリ140と、が接続されている。なお、これらメモリは別々のメモリで構成する必要は必ずしもなく、1つのメモリにまとめて構成するようにしても良い。
【0038】
その他、バスライン120には、入力装置として、キーボード170と、マウス180が接続されており、出力装置としてカラーCRT190が接続されている。さらに、外部記憶装置として、磁気ディスク装置150が接続されており、情報読み取り装置として、CD−ROM165が装着されるCD−ROMドライブ装置160が接続されており、通信装置として、ネットワーク205に接続されたネットワークカード200が接続されている。
【0039】
また、CPU110は、メインメモリ130に記憶されているコンピュータプログラムを実行することによって、後述するようなフィット処理部111,縁取り付加部112,外接矩形枠取得部113,比較・計算部114,縁取り文字拡大・縮小部115,表示制御部116として機能する。
【0040】
本実施例では、上記コンピュータプログラム(即ち、アプリケーションプログラム)は、記録媒体であるCD−ROM165に記録された形態で提供され、CD−ROMドライブ装置160により読み取られることによって、コンピュータシステム内に取り込まれる。取り込まれたコンピュータプログラムは、磁気ディスク装置150に転送され、その後、コンピュータシステムの起動時などにメインメモリ130に転送される。
【0041】
なお、本実施例では、コンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能に記録する「記録媒体」としてCD−ROMを利用することを述べたが、その他にも、フレキシブルディスクや光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読取り可能な種々の媒体を利用できる。
【0042】
また、コンピュータプログラムは、このような記録媒体に記録された形態での提供の他、ネットワーク205を介して、コンピュータプログラムを供給するプログラムサーバ(図示せず)にアクセスし、プログラムサーバからネットワークカード200によってコンピュータシステム内に取り込むようにしても良い。
【0043】
また、上記コンピュータプログラムの一部は、オペレーティングシステムプログラムによって構成するようにしても良い。
【0044】
さらにまた、本実施例においては、フィット処理部111,縁取り付加部112,外接矩形枠取得部113,比較・計算部114,縁取り文字拡大・縮小部115,表示制御部116をソフトウェアによって実現しているが、これらはハードフェアによって実現するようにしても良い。
【0045】
では、図1の縁取り文字作成装置によって実行される縁取り文字作成方法の処理手順について説明する。図2は図1の縁取り文字作成装置によって実行される縁取り文字作成方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0046】
図2に示す処理が開始されると、まず、図1に示すCPU110における表示制御部116が、カラーCRT190の画面195上に図3に示すような設定画面500を表示させる(ステップS10)。図3は図1のカラーCRT190の画面上に表示された設定画面の一例を示す説明図である。
【0047】
そこで、図1の縁取り文字作成装置を操作するオペレータは、縁取りしたい文字を入力するために、図3に示す設定画面500において、キーボード170などを用いて、見出しの欄501に所望の見出し文字を入力すると共に、マウス180などを用いて、スタイルの欄502に見出し文字のスタイルを、フォントの欄503に見出し文字の書体を、カラーの欄504に見出し文字の色を、組方向の欄505に見出し文字の組方向を、それぞれ、指定する(ステップS20)。
【0048】
次に、オペレータは、縁取り文字を作成する際の基準になる図形枠を設定するために、キーボード170などを用いて、枠サイズの欄505,506に、設定したい図形枠の枠サイズとして、その枠の横方向の長さX,縦方向の長さYの、各々の値を入力する(ステップS30)。ここで、横方向はカラーCRT190の画面195における横方向を指し、縦方向は同じく画面195における縦方向を指す。
【0049】
なお、設定すべき図形枠は後述するように矩形であるため、上記した横方向及び縦方向の長さX,Yは矩形における横方向及び縦方向の辺の長さに相当する。
【0050】
また、このとき、オペレータは、マウス180を用いて、単位の欄507に所望の単位を指定し、この指定した単位が、図形枠の長さや後述する太らせ幅,ずらし量の各数値の単位となる。図3に示す例では、単位の欄507に「倍」という単位が指定されているが、これは次のような単位である。即ち、1倍=8unitであり、1unit=11/1000inchであり、1inch=25.4mmである。
【0051】
続いて、オペレータは、見出し文字に付けたい縁取りの具体的な内容を設定するために、キーボード170などを用いて、各縁の欄521〜554に、それぞれ、所望の値やデータを入力する(ステップS40)。本実施例では、見出し文字に付けることが可能な縁の数は5つとなっており、文字に近い方(即ち、内側の方)から順番に1重縁,2重縁,…,5重縁と呼ぶ。
【0052】
また、各縁の欄は、それぞれ、左側から順番に、太幅の欄511,521,…、△xの欄512,522,…、△yの欄513,523,…、カラーの欄514,524,…となっており、太幅の欄には、対応する縁の幅に相当する太らせ幅を、△xの欄には、対応する縁の横方向へのずらし量を、△yの欄には、対応する縁の縦方向へのずらし量を、カラーの欄には、対応する縁に彩色する色を、それぞれ入力する。なお、横方向へのずらし量は後述するよう右向きへのずらしを正の値,左向きへのずらしを負の値とし、縦方向へのずらし量は上向きへのずらしを正の値,下向きへのずらしを負の値としている。
【0053】
図3に示す例では、1重縁,2重縁,3重縁の3つの縁について、値やデータを入力しており、従って、この場合には、見出し文字について3重の縁が作成されることになり、そのうち、3重縁が最も外側の縁となる。
【0054】
また、オペレータは、マウス180などを用いて、フィット縁の欄561に、フィット縁を指定する。フィット縁とは、作成する縁のうち、最終的に図形枠にほぼ外接するようにさせたい縁のことである。図3に示す例では、フィット縁の欄561に「3重」と入力しており、最も外側の縁となる3重縁をフィット縁として指定している。
【0055】
なお、図3に示す設定画面500には、以上の他、グループ化の欄571があるが、これは縁取り文字を作成した際に、本来、別々の図形データとなる文字本体と各縁をグループ化して、1つの図形データとして扱えるようにするか否かを設定するためのものである。従って、オペレータがグループ化を希望する場合には、この欄571をチェックする。
【0056】
さて、以上のようにして、オペレータによりキーボード170やマウス180を介して入力された情報は、表示制御部116によって、縁取り文字作成用データメモリ140に順次格納され、図4に示すような縁取り文字作成用データ600となる。
【0057】
図4は図1の縁取り文字作成用データメモリ140に格納される縁取り文字作成用データの一例を示す説明図である。図4に示すように、縁取り文字作成用データ600には、図3に示した枠サイズの欄505,506に入力された値が図形枠情報601として取り込まれ、見出し,スタイル,フォント,カラー,組方向の各欄501〜505に入力されたデータが見出し文字情報602として取り込まれる。また、各縁毎に、太幅の欄511,521,…、△xの欄512,522,…、△yの欄513,523,…、カラーの欄514,524,…に入力された値やデータが、それぞれ、各縁情報603〜605における太らせ幅,ずらし量△x,ずらし量△y,縁カラーとして取り込まれる。なお、フィット縁の欄561に入力されたデータは、各縁情報603〜605におけるフィット縁フラグに反映される。即ち、フィット縁として指定された縁(図3及び図4の例の場合、3重縁)のフィット縁フラグは「1」となり、それ以外の縁のフィット縁フラグは「0」となる。
【0058】
ところで、本実施例においては、図形枠の設定や見出し文字の入力は図3に示すような設定画面を用いて行なっているが、例えば、カラーCRT190の画面195上に、予め、図形枠や見出し文字列が表示されている場合には、オペレータが、マウス180などを用いて、設定したい図形枠や縁取りしたい見出し文字を選択指定することによって、図形枠の設定や見出し文字の入力を行なうようにしても良い。
【0059】
例えば、画面195上に表示されている或る図形枠を選択指定した場合には、その図形枠の枠サイズが縁取り文字作成用データ600における見出し文字情報602として自動的に取り込まれる。同様に、画面195上に表示されている或る見出し文字を選択指定した場合には、その見出し文字が、スタイルやフォントなどの属性情報と共に、見出し文字情報602として自動的に取り込まれる。
の図形枠の枠サイズが縁取り文字作成用データ600における見出し文字情報602として自動的に取り込まれる。
【0060】
また、本実施例においては、オペレータが見出し文字の入力や図形枠,縁取り文字の設定を行なうことによって、縁取り文字作成用データ600を得ているが、予め、縁取り文字作成用データ600が作成されて、磁気ディスク装置150に格納されている場合や、ネットワーク205を介して入力され得る場合には、それらのデータを利用するようにしても良い。
【0061】
さて、以上のようにして、縁取り文字作成用データ600が得られたら、次に、オペレータは、図3に示す設定画面500において、マウス180などを用いて、実行ボタン581をクリックする。すると、その指示を受けて、CPU110は、得られた縁取り文字作成用データ600に基づいて、一連の縁取り付け処理(ステップS50)を開始する。なお、縁取り付け処理については、後ほど詳しく説明する。
【0062】
その後、縁取り付け処理が終了すると、CPU110における表示制御部116は、その処理した結果、即ち、作成された縁取り文字をカラーCRT190の画面195上に表示する(ステップS60)。このとき、縁取り文字の文字本体や各縁は、それぞれ、縁取り文字作成用データ600における見出し文字情報602のカラーの情報や、各縁情報603〜605の縁カラーの情報に従って、彩色されて表示される。
【0063】
図5は図4の縁取り文字作成用データ600に基づいて作成され、画面195上に表示された縁取り文字の一例を示す説明図である。図4に示すように、画面195上に表示された文書画面701上に、「優勝」の縁取り文字702が作成されて表示されている。文字を取り巻く3つ縁のうち、図3及び図4で示したように、1重縁と3重縁には白が彩色されているが、文書画面701の地色も白となっているため、図5では、3重縁は視認できない。なお、図5では縁取り文字702の基準となっている図形枠も表示されていない。
【0064】
こうして、カラーCRT190の画面195上に作成されて縁取り文字が表示されると、オペレータは、それを見て、希望通りの縁取り文字が得られたかどうかを確認する。希望通りのものが得られた場合には、一連の作業を終了させ、得られていなければ、再び、図3に示す設定画面500を表示させ、設定をやり直す(ステップS70)。
【0065】
では、本実施例の主要部である縁取り付け処理について、図6を用いて、詳しく説明する。図6は図2における縁取り付け処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0066】
図6に示す縁取り付け処理が開始されると、まず、縁取り文字作成用データ600における図形枠情報601と見出し文字情報602に基づいて、図1に示すCPU110におけるフィット処理部111が、入力された見出し文字に対して、設定された図形枠を基準としたフィット処理を施して(ステップS110)、見出し文字を図形枠内にフィットさせる。
【0067】
図7及び図8はそれぞれ図6に示す縁取り付け処理の処理内容を説明するための説明図である。なお、説明を簡略化するために、図7及び図8の内容は、図4に示した縁取り文字作成用データ600の設定内容と対応してはいない。
【0068】
例えば、今、図形枠800として、図7(a)に示すように、横方向(即ち、x方向)の長さがX1,縦方向(即ち、y方向)の長さがY1の枠が設定されており、見出し文字802として、図7(b)に示すような、縦組みされた「■」が2文字入力されているものとする。また、図7(b)において、804は見出し文字の文字本体を示しており、806は見出し文字の文字枠を示している。なお、図7及び図8においては、図面を見やすくするために、文字本体及び各縁の彩色される部分についても、全て白で描いている。
【0069】
そこで、フィット処理部111が、フィット処理として、見出し文字802を図形枠800に、いわゆる「フィットテキスト」組版すると、図7(c)に示すように、見出し文字802の文字枠806が図形枠800に一致するように、見出し文字802全体が拡大変形される。
【0070】
次に、縁取り付加部112が、縁取り文字作成用データ600における縁情報603〜605(フィット縁フラグの情報を除く)に基づいて、フィット処理された見出し文字に縁取りを付ける(ステップS120)。
【0071】
具体的には、1重縁(即ち、内側の縁)から順番に縁取りを付けていく。1つの縁を縁取る場合、いわゆる太らせ処理によって、その縁に隣接する内側の縁(1重縁の場合は文字本体)の外周から、設定された太らせ幅分だけ外側に太らせ、さらに、いわゆるずらし処理によって、その縁全体を、設定されたずらし量△xだけx方向に、ずらし量△yだけy方向に平行移動させる。このとき、前述したとおり、ずらし量△xが正の値の場合は右向きにずらし、負の値の場合は左向きにずらす。また、ずらし量△yが正の値の場合は上向きにずらし、負の値の場合は下向きにずらす。
【0072】
従って、縁取り付加部112が、図7(c)に示すフィット処理された見出し文字802に対し、例えば、太らせ幅をw,ずらし量△x,△yをそれぞれゼロとして、3つの縁を付けるように、縁取りを行なうと、図7(d)に示すように、1重縁810,2重縁812,3重縁814の3つの縁取りを付けた見出し文字808が作成される。
【0073】
続いて、外接矩形枠取得部113が、縁取り文字作成用データ600における縁情報603〜605のうち、フィット縁フラグの情報に基づいて、縁取りを付けた見出し文字から、フィット縁についての外接矩形枠を取得する(ステップS130)。外接矩形枠とは、フィット縁が外接する、矩形を成した枠のことである。
【0074】
従って、例えば、設定されたフィット縁が「3重縁」であるとすると、外接矩形枠取得部113は、図7(d)に示す縁取りを付けた見出し文字808から、図8(a)に示すように、フィット縁である3重縁814の外接する矩形枠816を取得する。
【0075】
なお、このように、縁取りを付けた見出し文字808からフィット縁についての外接矩形枠を直接的に取得しても良いが、予め、先のステップS120において、各縁をそれぞれ付ける際に、各縁毎に外接矩形枠をそれぞれ取得しておき、その後、フィット縁についての外接矩形枠のみを取り出すようにしても良い。
【0076】
ところで、図7(d)に示す例では、説明を簡素化するために、各縁のずらし量△x,△yをそれぞれゼロとして縁取りを行なっている。しかし、各縁のずらし量△x,△yがゼロ以外の値であったとしても、各縁はそれぞれ別個に所定の方向に平行移動するだけであり、各縁についてのそれぞれの外接矩形枠の大きさは、ずらし量△x,△yの値に関わらず(言い換えれば、ゼロであってもなくても)、変化しない。従って、フィット縁である3重縁814の外接する矩形枠816を取得した場合、取得した外接矩形枠816は、3重縁814についてのずらし量△x,△yの値分ずれてはいるが、その大きさ自体は、ずらし量△x,△yがゼロである場合と変わらない。
【0077】
次に、比較・計算部114が、取得した外接矩形枠の大きさと先に設定された図形枠の大きさとを比較し(ステップS140)、図形枠のx方向及びy方向の長さが外接矩形枠のx方向及びy方向の長さのそれぞれ何倍になっているかを算出する。
【0078】
具体的には、図8(b)に示すように、取得された外接矩形枠816のx方向の長さがx1で、y方向の長さがy1であるとすると、図形枠800のx方向の長さがX1、y方向の長さがY1であるので、図形枠800の外接矩形枠816に対するx方向の倍率αx、y方向の倍率αyは、それぞれ、式(1)のようになる。
【0079】
αx=X1/x1,αy=Y1/y1 …(1)
【0080】
次に、縁取り文字拡大・縮小部115が、縁取りの付けた見出し文字全体を、x方向及びy方向に、それぞれ、算出した倍率だけ拡大または縮小(即ち、変倍)して(ステップS150)、フィット縁の外接矩形枠の大きさが図形枠の大きさと等しくなるような縁取り文字を得る。
【0081】
即ち、上記した例においては、縁取り文字拡大・縮小部115が、図7(d)に示す縁取りの付いた見出し文字808全体を、x方向にαx倍拡大し、y方向にαy倍拡大することによって、図8(c)に示すような縁取り文字818が作成される。即ち、この縁取り文字818においては、フィット縁である3重縁814についての外接矩形枠816の大きさが図形枠800の大きさに等しくなっている。
【0082】
こうして、所望の縁取り文字が作成されたら、図6に示す縁取り付け処理は終了して、図2のステップS60に示す処理に移る。
【0083】
以上のような縁取り付け処理を実行することによって、設定された図形枠に、フィット縁が外接するような縁取り文字を作成することができる。
【0084】
従って、本実施例では、オペレータが、見出し文字の入力や図形枠,縁取り文字の設定などを行なうだけで、後は自動的に縁取り文字が作成されるので、オペレータの負担が少なくて済む。また、縁取り文字を容易に作成することができるため、新聞作成時に、見出し文字について、期日直前の変更や修正が生じても、十分に対応することができる。また、最終的に、図形枠にフィット縁が外接するような縁取り文字を作成することができるため、図形枠に対し縁取り文字を美しく配置することができる。さらにまた、処理工程も少なく、計算処理も複雑でないため、高い処理速度で縁取り文字を作成することができる。
【0085】
さて、上記した実施例においては、図6のステップS120において、見出し文字に縁取りを付けた後、外接矩形枠の取得(ステップS130)、外接矩形枠と図形枠との比較(ステップS140)、見出し文字の拡大・縮小(ステップS150)などの各処理を行なって、図形枠にフィット縁が外接するような縁取り文字を作成していた。しかしながら、見出し文字への縁取り付け(ステップS120)の処理まででも、十分に、図形枠に対し縁取り文字を美しく配置することができる。従って、本発明の他の実施例として、見出し文字への縁取り付け(ステップS120)の処理までで、縁取り付け処理を打ち切った実施例を構築するようにしても良い。
【0086】
また、上記した実施例においては、見出し文字の拡大・縮小(ステップS150)の処理において、縁取りの付いた文字全体をx方向及びy方向に算出された倍率で拡大,縮小していたが、このとき、各縁についても、それぞれ、拡大,縮小されるため、最終的に作成される縁取り文字の各縁は、太らせ幅やずらし量が縁取り文字作成用データ600に規定されている太らせ幅やずらし量(即ち、オペレータの設定した太らせ幅やずらし量)と必ずしも一致しない。
【0087】
そこで、次に、本発明の第2の実施例として、最終的に各縁がオペレータの設定した太らせ幅やずらし量に一致するような、縁取り文字を作成することが可能な実施例について説明する。
【0088】
本実施例の縁取り文字作成装置の構成は、図1に示した文字作成装置の構成と、CPU110における機能部の内容を除いて、同じであり、実行される縁取り文字作成方法の処理手順も、図2に示した縁取り文字作成方法の処理手順と、ステップS50の縁取り付け処理の内容を除いて、同じであるので、それらについては説明を省略する。
【0089】
本実施例の縁取り文字作成装置において、CPU110は、フィット処理部111,縁取り付加部112,外接矩形枠取得部113,比較・計算部114,表示制御部116として機能する他、縁取り文字拡大・縮小部115の代わりとして、仮想枠作成部や長体・平体変形部(これらについては図示せず)が追加される。
【0090】
また、図9は本発明の第2の実施例としての縁取り文字作成装置によって実行される縁取り文字作成方法の処理手順を示すフローチャートである。
【0091】
なお、図9に示す処理のうち、ステップS210〜S230の処理は、図6に示したステップS110〜S130の処理と同じであるので、説明は省略する。
【0092】
それでは、ステップS240の処理から説明する。ステップS240では、比較・計算部114が、ステップS230で取得した外接矩形枠の大きさと先に設定された図形枠の大きさとを比較し、外接矩形枠のx方向の長さと図形枠のx方向の長さの比、及び外接矩形枠のy方向の長さと図形枠のy方向の長さの比をそれぞれ算出する。
【0093】
そして、仮想枠作成部が、その算出された比に従って、新たに仮想枠を作成する(ステップS250)。この仮想枠は、外接矩形枠を図形枠と同じ大きさにした場合の外接矩形枠(以下、仮想外接矩形枠と呼ぶ)に対する仮想枠の比(即ち、実際には図形枠に対する仮想枠の比)が、ステップS240で算出された外接矩形枠に対する図形枠の比と、等しくなるような枠である。
【0094】
図10及び図11はそれぞれ図9に示す縁取り付け処理の処理内容を説明するための説明図である。なお、図10及び図11においては、図7及び図8と同様に、説明を簡略化するために、図4に示した縁取り文字作成用データ600の設定内容と対応しておらず、また、図面を見やすくするために、文字本体及び各縁の彩色される部分についても、全て白で描いている。
【0095】
例えば、図7及び図8に示した例と同様に、図形枠800として、図10(a)に示すように、x方向の長さがX1,y方向の長さがY1の枠が設定され、外接矩形枠816として、x方向の長さがx1,y方向の長さがy1の枠が取得されたとすると、比較・計算部114は、x方向の長さの比としてX1:x1、y方向の長さの比としてY1:y1をそれぞれ算出する。
【0096】
そして、外接矩形枠816を図形枠800と同じ大きさにしたと仮定すると、図10(b)に示すような仮想外接矩形枠822が得られる。ここで、仮想外接矩形枠822は図形枠800と同じ大きさであるので、仮想外接矩形枠822のx方向の長さはX1,y方向の長さはY1となる。従って、求めるべき仮想枠820のx方向の長さをX2,y方向の長さをY2とすると、仮想枠820と仮想外接矩形枠822との比は、x方向においてX2:X1、y方向においてY2:Y1となる。よって、先に算出した図形枠800と外接矩形枠816の比と今回算出した仮想枠820と仮想外接矩形枠822の比とを等しいとすると、式(2)に示すような関係が得られる。
【0097】
X1:x1=X2:X1,Y1:y1=Y2:Y1 …(2)
【0098】
従って、式(2)から仮想枠820のx方向及びy方向の長さX2,Y2を求めると、式(3)のようになる。
【0099】
X2=X12/x1 …(3)
Y2=Y12/y1
【0100】
仮想枠作成部は、式(3)によって得られる大きさの仮想枠820を、図10(b)に示すように作成する。
【0101】
次に、フィット処理部111が、再度、入力された見出し文字に対して、作成された仮想枠を基準としたフィット処理を施して(ステップS260)、見出し文字を仮想枠内にフィットさせる。
【0102】
即ち、フィット処理部111は、フィット処理として、図7(b)に示した見出し文字802を、図10(b)に示す仮想枠820に、「フィットテキスト」組版すると、図10(c)に示すように、見出し文字802の文字枠806が仮想枠820に一致するように、見出し文字802全体が拡大変形される。
【0103】
次に、縁取り付加部112が、ステップS260でフィット処理された見出し文字に対し、再度縁取りを付ける(ステップS270)。なお、縁情報としては、当然ながら、ステップS220で用いたのと同じ縁情報を用いる。
【0104】
従って、縁取り付加部112が、図10(c)に示すフィット処理された見出し文字802に対し、ステップS220と同様に、太らせ幅をw,ずらし量△x,△yをそれぞれゼロとして、3つの縁を付けるように、縁取りを行なうと、図10(d)に示すように、1重縁826,2重縁828,3重縁830の3つの縁取りを付けた見出し文字824が作成される。
【0105】
次に、外接矩形枠取得部113が、ステップS270で縁取りを付けた見出し文字から、フィット縁についての外接矩形枠を再度取得する(ステップS280)。
【0106】
従って、外接矩形枠取得部113は、フィット縁が「3重縁」であるので、図10(d)に示す縁取りを付けた見出し文字824から、図11(a)に示すように、フィット縁である3重縁830の外接する矩形枠832を取得する。
【0107】
続いて、比較・計算部114が、ステップS280で取得した外接矩形枠の大きさと先に設定された図形枠の大きさとを再度比較し、外接矩形枠のx方向の長さと図形枠のx方向の長さの比、及び外接矩形枠のy方向の長さと図形枠のy方向の長さの比をそれぞれ算出する(ステップS290)。
【0108】
例えば、外接矩形枠832として、図11(b)に示すように、x方向の長さがx2,y方向の長さがy2の枠が取得されたとすると、図形枠800のx方向の長さはX1,y方向の長さはY1であるので、比較・計算部114は、x方向の長さの比としてX1:x2、y方向の長さの比としてY1:y2をそれぞれ算出する。
【0109】
そして、長体・平体変形部が、その算出された比に基づいて、ステップS260でフィット処理された見出し文字に、長体変形または平体変形を施す(ステップS300)。
【0110】
従って、上記した例では、長体・平体変形部は、図10(c)に示すフィット処理された見出し文字802に対して、ステップS290で算出された比に基づき平体変形を行なって、図11(c)に示すような平体の文字834を得ている。
【0111】
最後に、縁取り付加部112が、長体変形または平体変形された見出し文字に対して、縁取りを付ける(ステップS310)。縁情報としては、ステップS220やS270で用いたのと同じ縁情報を用いる。
【0112】
即ち、上記した例では、縁取り付加部112が、図11(c)に示す平体の文字834に対し、ステップS220やS270と同様に、太らせ幅をw,ずらし量△x,△yをそれぞれゼロとして、3つの縁を付けるように、縁取りを行ない、図11(d)に示すように、1重縁838,2重縁840,3重縁842の3つの縁取りを付けた縁取り文字836が作成される。即ち、この縁取り文字836においては、フィット縁である3重縁842についての外接矩形枠の大きさが図形枠800の大きさに等しくなっており、しかも、各縁の太らせ幅やずらし量は、縁取り文字作成用データ600に規定されている太らせ幅やずらし量(即ち、オペレータの設定した太らせ幅やずらし量)と一致している。
【0113】
こうして、所望の縁取り文字が作成されたら、図9に示す縁取り付け処理は終了して、図2のステップS60に示す処理に移る。
【0114】
以上のような縁取り付け処理を実行することによって、最終的に、設定された図形枠にフィット縁が外接し、かつ、各縁の太らせ幅やずらし量がオペレータの設定した太らせ幅やずらし量と一致する縁取り文字を作成することができる。
【0115】
本実施例では、オペレータが、見出し文字の入力や図形枠,縁取り文字の設定などを行なうだけで、後は自動的に縁取り文字が作成されるので、オペレータの負担が少なくて済む。また、縁取り文字を容易に作成することができるため、新聞作成時に、見出し文字について、期日直前の変更や修正が生じても、十分に対応することができる。また、最終的に、図形枠にフィット縁が外接し、かつ、各縁の太らせ幅やずらし量がオペレータの設定した太らせ幅やずらし量と一致する縁取り文字を作成することができるため、図形枠に対し縁取り文字を美しく配置することができると共に、オペレータの意図した縁取り文字を得ることができる。
【0116】
さて、上記した実施例においては、図9のステップS270において、見出し文字に縁取りを付けた後、外接矩形枠の取得(ステップS280)、外接矩形枠と図形枠との比較(ステップS290)、長体・平体変形(ステップS300)、縁取り付け(ステップS310)などの各処理を行なって、図形枠にフィット縁が外接するような縁取り文字を作成していた。しかしながら、ステップS270における縁取り付けの処理まででも、十分に、図形枠に対し縁取り文字を美しく配置することができる。従って、本発明の別の実施例として、ステップS270における縁取り付けの処理までで、縁取り付け処理を打ち切った実施例を構築するようにしても良い。
【0117】
なお、本発明は上記した実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様にて実施することが可能である。
【0118】
例えば、上記した各実施例においては、設定する図形枠は矩形であったが、本発明はこれに限定されるものではなく、図形枠の形状は、円、楕円、多角形などの他、どの様な形状であっても構わない。例えば、図12に示すような図形枠の形状であっても良い。
【0119】
このような図形枠に対しても、上述したと同様な処理を行なうことによって、同様な効果を奏することができる。
【0120】
また、上記した各本実施例では、見出し文字に付けることが可能な縁の数を5つとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、1以上の整数であれば、いくつでも構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例としての縁取り文字作成装置を示すブロック図である。
【図2】図1の縁取り文字作成装置によって実行される縁取り文字作成方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図3】図1のカラーCRT190の画面上に表示された設定画面の一例を示す説明図である。
【図4】図1の縁取り文字作成用データメモリ140に格納される縁取り文字作成用データの一例を示す説明図である。
【図5】図4の縁取り文字作成用データ600に基づいて作成され、画面195上に表示された縁取り文字の一例を示す説明図である。
【図6】図2における縁取り付け処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図6に示す縁取り付け処理の処理内容を説明するための説明図である。
【図8】図6に示す縁取り付け処理の処理内容を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第2の実施例としての縁取り文字作成装置によって実行される縁取り文字作成方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】図9に示す縁取り付け処理の処理内容を説明するための説明図である。
【図11】図9に示す縁取り付け処理の処理内容を説明するための説明図である。
【図12】図形枠の他の例を示す説明図である。
【符号の説明】
110…CPU
111…フィット処理部
112…縁取り付加部
113…外接矩形枠取得部
114…比較・計算部
115…縁取り文字拡大・縮小部
116…表示制御部
120…バスライン
130…メインメモリ
140…縁取り文字作成用データメモリ
150…磁気ディスク装置
160…CD−ROMドライブ装置
165…CD−ROM
170…キーボード
180…マウス
190…カラーCRT
195…画面
200…ネットワークカード
205…ネットワーク
500…設定画面
Claims (15)
- コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成方法であって、
(a)縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する工程と、
(b)変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける工程と、
(c)前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する工程と、
(d)前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさが前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を所定方向に拡大または縮小する工程と、
を備える縁取り文字作成方法。 - 請求項1に記載の縁取り文字作成方法において、
前記工程(b)は、
各縁毎に、予め設定された幅だけ縁を太らせる工程と、
各縁毎に、予め設定されたずれ量だけ縁をずらす工程と、
を備える縁取り文字作成方法。 - 請求項1または請求項2に記載の縁取り文字作成方法において、
前記図形枠は、矩形であることを特徴とする縁取り文字作成方法。 - 請求項1に記載の縁取り文字作成方法において、
前記工程(d)は、
前記外接枠の縦方向の大きさが前記図形枠の縦方向の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を縦方向に拡大または縮小する工程と、
前記外接枠の横方向の大きさが前記図形枠の横方向の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を横方向に拡大または縮小する工程と、
を備える縁取り文字作成方法。 - 請求項1または請求項4に記載の縁取り文字作成方法において、
前記工程(c)における予め設定された前記縁は、前記n重の縁のうち、最も外側の縁であることを特徴とする縁取り文字作成方法。 - 請求項1ないし請求項5のうちの任意の一つに記載の縁取り文字作成方法において、
前記図形枠及び外接枠は、それぞれ、矩形であることを特徴とする縁取り文字作成方法。 - コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成方法であって、
(a)縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する工程と、
(b)変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける工程と、
(c)前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する工程と、
(d)前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさと前記図形枠の大きさとの比を求め、その比に従って仮想枠を作成する工程と、
(e)縁取りすべき前記文字を、前記仮想枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに適合させるように、配置して変形する工程と、
(f)前記工程(e)で変形を施した前記文字に前記n重の縁取りを付ける工程と、
を備える縁取り文字作成方法。 - 請求項7に記載の縁取り文字作成方法において、
前記工程(d)は、
前記外接枠の縦方向の大きさと前記図形枠の縦方向の大きさとの第1の比を求める工程と、
前記第1の比に基づいて、前記仮想枠の縦方向の大きさを求める工程と、
前記外接枠の横方向の大きさと前記図形枠の横方向の大きさとの第2の比を求める工程と、
前記第2の比に基づいて、前記仮想枠の横方向の大きさを求める工程と、
を備える縁取り文字作成方法。 - 請求項7に記載の縁取り文字作成方法において、
前記工程(d)は、
前記外接枠の縦方向の大きさをx1,前記図形枠の縦方向の大きさをX1とし、前記外接枠の横方向の大きさをy1,前記図形枠の横方向の大きさをY1としたとき、
前記仮想枠の縦方向の大きさX2及び前記仮想枠の横方向の大きさY2を、それぞれ、下式に従って求める工程
X2=X12/x1
Y2=Y12/y1
を備える縁取り文字作成方法。 - 請求項7ないし請求項9のうちの任意の一つに記載の縁取り文字作成方法において、
前記工程(b)及び工程(f)は、それぞれ、
各縁毎に、予め設定された幅だけ縁を太らせる工程と、
各縁毎に、予め設定されたずれ量だけ縁をずらす工程と、
を備える縁取り文字作成方法。 - 請求項7ないし請求項9のうちの任意の一つに記載の縁取り文字作成方法において、
前記図形枠,外接枠及び仮想枠は、それぞれ、矩形であることを特徴とする縁取り文字作成方法。 - 所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成装置であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する手段と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける手段と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する手段と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさが前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を所定方向に拡大または縮小する手段と、
を備える縁取り文字作成装置。 - 所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するための縁取り文字作成装置であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する第1の手段と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける第2の手段と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する第3の手段と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさと前記図形枠の大きさとの比を求め、その比に従って仮想枠を作成する第4の手段と、
縁取りすべき前記文字を、前記仮想枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに適合させるように、配置して変形する第5の手段と、
前記第5の手段で変形を施した前記文字に前記n重の縁取りを付ける第6の手段と、
を備える縁取り文字作成装置。 - コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する機能と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける機能と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する機能と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさが前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに等しくなるように、前記縁取りの付けられた文字を所定方向に拡大または縮小する機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。 - コンピュータにおいて、所定の図形枠を基準にして縁取りした文字を作成するためのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
縁取りすべき文字を、前記図形枠の0.8倍〜1.2倍の大きさの枠に適合させるように、配置して変形する第1の機能と、
変形した前記文字に、予め設定されたn重(但し、nは1以上の整数)の縁取りを付ける第2の機能と、
前記文字に付けられた前記n重の縁のうち、予め設定された縁が外接する外接枠を取得する第3の機能と、
前記外接枠と前記図形枠とを比較して、前記外接枠の大きさと前記図形枠の大きさとの比を求め、その比に従って仮想枠を作成する第4の機能と、
縁取りすべき前記文字を、前記仮想枠の0.8倍〜1.2倍の大きさに適合させるように、配置して変形する第5の機能と、
前記第5の機能で変形を施した前記文字に前記n重の縁取りを付ける第6の機能と、
をコンピュータに実現させるためのコンピュータプログラムを記録した記録媒体。
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