JP3725725B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は交流型プラズマディスプレイパネル(以下、AC型プラズマディスプレイパネルと称する)、特に面放電型のAC型プラズマディスプレイパネルに設ける蛍光膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
AC型プラズマディスプレイパネルはガス放電で発生した紫外線を特定色に発光する蛍光体に照射して励起発光させることにより、カラー表示(多色及びフルカラー)を形成している。以下、例を挙げてAC型プラズマディスプレイパネルについて説明する。プラズマディスプレイパネルは、周知のように2枚のガラス板の間に微少な放電セル(画素)を作り込んだ構造で、薄型のテレビジョンまたはディスプレイモニタとして種々研究されており、その中の一つにメモリ機能を有するAC型プラズマディスプレイパネルが知られている。AC型の一つとして面放電型がある。図1は面放電型のAC型プラズマディスプレイパネルの構造を示す斜視図で、このような構造のAC型プラズマディスプレイパネルは例えば特開平7−140922号公報や特開平7−287548号公報あるいはジャパンディスプレイ’92に示されている。図において1は面放電型プラズマディスプレイパネル、2は表示面である前面ガラス基板、3は前面ガラス基板2と放電空間を挟んで対向配置された背面ガラス基板である。4及び5は前面ガラス基板上に互いに対となるように形成された第1の行電極X及び第2の行電極Y、6はこれら行電極上に被覆された誘電体層、7は誘電体層上に蒸着などの方法で形成されたMgO(酸化マグネシウム)である。8は背面ガラス基板上に行電極と直交するように形成された列電極W、9は列電極上に形成された蛍光体層で、列電極毎にそれぞれ赤、緑、青に発光する蛍光体層が順序よくストライプ状に設けられている。10は各列電極間に形成された隔壁で、隔壁は放電セルを分離する役割の他にプラズマディスプレイを大気圧により潰れないようにする支柱の役割もある。ガラス基板間の空間にはNe−Xe混合ガスやHe−Xe混合ガスなどの放電用ガスが大気圧以下で封入され、互いに対となる行電極と直交する列電極の交点の放電セルが画素となる。以下、第1の行電極をX電極、第2の行電極をY電極、列電極をW電極と呼ぶ。
【0003】
従来、プラズマディスプレイパネルの蛍光膜に使用される蛍光体の粒子表面には耐イオン衝撃特性の向上を目的とした処理が施されており、従来例としては特開昭52−22579号公報に記されているようにZn2SiO4:Mn、Y2SiO6:Ce、YVO4:Eu、ZnO:Zn等の蛍光体に対し、SiO2、Al23、MgO等の酸化物やMgF2、CaF2、BaF2等の弗化物を蛍光体表面に静電吸着させるものや、特開昭52−1556188号公報に記されているように赤色蛍光体としてY23:EuまたはGd23:Eu、緑色蛍光体としてZn2SiO4:Mn、青色蛍光体としてCaWO4:CeまたはY2SiO5:Ceを用い、これらに対してLiF、NaF、KF、MgF2、CaF2、SrF2等の弗化物を蛍光体粒子表面に吸着させて蛍光体を保護するものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図3は、横軸にスキャン電圧、縦軸に維持電圧とした時の赤色、緑色、青色セルの動作マージン(開始電圧と維持電圧の差)を示している。放電の制御は図の網線で示した各セルの重なるマージン範囲内におけるある特定の電圧値で行われ、実際の製品においてはスキャン電圧−170V、維持電圧170Vで制御を行っている。この制御電圧を動作点と呼び、図中では二重丸で示している。赤色セルの動作マージン電圧は他の色よりマージン範囲が低いため、W電極への電圧印加が無くても放電が起きる誤放電が最も起こりやすく、パネルの歩留まりや画質の低下の原因となっていた。さらに各色のセルとも放電の繰り返しにより放電開始電圧が経時的に低下して動作マージンが狭くなる傾向があり、3色のうちで最も放電開始電圧の低い赤色セルでは、動作マージンが動作点を下回って放電制御が行えなくなる経時的な劣化という問題点があった。
【0005】
AC型プラズマディスプレイパネルにおいて、粒子表面に何も処理を施していない蛍光体を用いて蛍光面を形成した場合、放電空間にさらされた蛍光膜の蛍光体粒子表面は電荷が蓄積する。例えばZn2SiO4:Mnより形成された緑色蛍光膜およびBaMgAl1017:Euで形成された青色蛍光膜表面には負電荷が蓄積され、(Y,Gd)BO3:Euで形成された赤色蛍光膜表面には正電荷が蓄積される。電荷の蓄積はAC型プラズマディスプレイパネルの放電開始電圧に大きな影響を与えるため、安定な放電制御を行うためには蛍光膜表面に蓄積する電荷量が均一であることが好ましい。
【0006】
従って、各色の蛍光膜の蛍光体粒子表面に蓄積する電荷量の不均一さが、上述した誤放電や経時的な動作マージンの変動によって起こる放電制御の不能状態を引き起こし易くしていた。
【0007】
特開昭52−22579号公報および特開昭52−156188号公報に記されている従来パネルの蛍光面に用いている蛍光体の表面処理はイオン衝撃からの保護が主目的であり、各色蛍光体のそれぞれに共通の保護材料を被覆させている。従って、放電空間にさらされた際の各蛍光体粒子に蓄積する電荷量の均一化は考慮していないので前記問題は解決できない。
【0008】
本発明は上述のような問題点を解決するためになされたもので、第1の目的は、赤色および緑色、青色セル内の誤放電を無くして画像表示の制御を安定にするものである。
【0009】
さらに、第2の目的は、放電の繰り返しにより起こる経時的な開始電圧低下が起きた場合においても、初期の赤色、緑色、青色セルのマージン範囲を同等にすることにより誤放電を無くすものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかわるAC型プラズマディスプレイパネルは、誘電体で覆われた第1及び第2の電極と、蛍光膜で覆われた第3の電極とを各セルに備え、所定の色に発光するセルをマトリクス的に配置したプラズマディスプレイに対し、前記第1及び第2の電極の誘電体上に電荷を蓄積させ、前記第1及び第2の電極間に交流電圧を印加し、前記誘電体上に蓄積した電荷を利用して放電させて画像表示を行うものである。
【0011】
課題を解決するため、第1発明の蛍光膜は、蓄積する電荷量が均一であり、帯電特性の極性が異なる複数の物質を混合し、蓄積する電荷の極性を同一にし蓄積する電荷の極性が負であり、膜表面に蓄積する電荷量が均一となる赤色蛍光膜および緑色蛍光膜、青色蛍光膜により形成し、ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体により形成される蛍光膜と、珪酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体あるいはアルミン酸塩蛍光体のうちの少なくとも1種により形成される蛍光膜において、前記ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体が負電荷を帯びる酸化物を含んでいることを特徴とするものである
【0014】
また、第発明の蛍光膜は、前記第の発明においてホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体により形成される蛍光膜と、珪酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体あるいはアルミン酸塩蛍光体のうちの少なくとも1種により形成される蛍光膜において、前記ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体の粒子表面に負電荷を帯びる酸化物を被覆したことを特徴とするものである。
【0015】
また、第の発明は、前記第1または2の発明において、前記酸化物がSiO2、V25、MoO3、Ta25、Nb23、TiO2、SnO2、GeO2、Fe23、Fe34、B23、As23のうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とするものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1
図1はこの発明の実施の形態の一例を示す囲で、AC型パネルのセルの斜視図である。図において1はAC型パネルのセル、2は表示面である前面ガラス基板、3は前面ガラス基板2と放電空間を挟んで対向配置された背面ガラス基板、4及び5は前面ガラス基板上に配置された第1及び第2の行電極Xi及びYi、6はこれら行電極上に形成された誘電体層、7は誘電体層上に形成されたMgO、8は背面ガラス基板上に行電極X、Yと直交するように設けられた列電極W、9は列電極上に形成された蛍光体層である。前面ガラス基板2と背面ガラス基板3の間の放電空間にはNe−Xe混合ガスあるいはHe−Xe混合ガスなどの放電用ガスが封入されている。
【0020】
図2はこの発明の一実施例である駆動方法を示す電圧波形で、図において電圧波形は上から順に、列電極W、第2の行電極Y、第1の行電極Xに印加される電圧波形である。Spは維持放電を行う維持パルス、Scpは走査用のスキャンパルス、Apは表示データ内容に応じて印加されるアドレスパルスである。実際の製品において、維持パルスSpは170V前後に、スキャンパルスScpは−170V前後に、アドレスパルスApは60V前後に設定されている。
【0021】
次に蛍光膜の形成方法について説明する。プラズマディスプレイの蛍光膜は厚膜印刷法によって形成される。蛍光膜形成に用いる印刷用ペーストの主な成分は蛍光体、セルロース樹脂、ブチルカルビトール、アセチルブチルカルビトールなどであり、それぞれの濃度は38wt%、8.68wt%、8.06wt%、45.26wt%である。この蛍光体ペーストを粘度40〜60Pa・Sに調整した後に印刷を行い、150〜200℃で1時間乾燥させた後、大気中にて480℃で30分間焼成して有機成分を除去し、蛍光膜を得る。赤色蛍光体には[Y,Gd]BO3:Eu、緑色蛍光体にはZn2SiO4:Mn、青色蛍光体にはBaMgAl1017:Euを用いる。
【0022】
なお、本実施の形態では、赤色蛍光体にY23:Eu、緑色蛍光体にBaAl1219:Mn、(Ba,Sr,Mg)O・aAl23:Mnを代わりに用いてもよい。
【0023】
高抵抗体である蛍光体粒子により形成された蛍光膜の表面は、放電空間にさらされるため帯電状態になる。表1はこの発明の一実施の形態であるプラズマディスプレイパネルの蛍光膜に用いているものを含む各種の蛍光体の粒子表面に蓄積する帯電量を示しており、測定には東芝ケミカル株式会社製 ブローオフ粉体帯電量測定装置(MODELTB−200)を使用した。各色の蛍光膜を構成する蛍光体は組成が異なるため蓄積する電荷量は異なる。この電荷はW電極を覆う蛍光膜表面に蓄積するために放電開始電圧に影響を与える。本実施の形態で使用した蛍光体のなかでは赤色の蛍光体が正に帯電しやすい結果を示したが、組成に着目してみるとホウ酸塩および酸化イットリウム蛍光体は正に帯電しやすく、珪酸塩、リン酸塩あるいはアルミン酸塩蛍光体は負に帯電しやすいと考えられる。ただし、マグネシウムのアルミン酸塩は正に帯電されており、MgOが単独では正に帯電しやすいこととの関連が推測される。
【0024】
【表1】
Figure 0003725725
【0025】
表2は表1に記載した蛍光体で構成した赤色、緑色、青色蛍光膜から成るパネルを本実施の形態の駆動条件により繰り返して点灯を行った際の誤放電の発生回数を示しており、正電荷を帯びる蛍光体については誤放電が起こり易いことが分かる。誤放電の発生回数は100回点灯を行ったうちの回数であり、100回のうち10回以上誤放電を発生したものを多いとしている。また各測定毎にセル内の残存する電荷および放電による余熱の影響が無いように十分なインターバルを設けて測定を行った。
【0026】
【表2】
Figure 0003725725
【0027】
次に誤放電発生のメカニズムについて説明する。図3はこの発明の一実施例であるプラズマディスプレイパネルのセル内に蓄積する電荷の状態を示すセル断面図である。セル内の放電を開始させるためにはW電極とY電極に電圧を印加して両電極間に220V以上の電位差を生じさせることが必要である。しかし、蛍光面の表面に蓄積する電荷量によって両電極間の電位差は変動する。例えば図3に示したように赤色蛍光膜の様に正電荷が蓄積するような場合にはW電極に電圧を印加していないにもかかわらず220V以上の電位差が発生してしまうため放電が発生してしまう。従って、赤色蛍光体に[Y,Gd]BO3:Euを用いたカラープラズマディスプレイの赤色セル内においては、W電極への印加が無くても放電が起こる誤放電が発生し易い。
【0028】
従って、画質劣化の一要因である誤放電の発生を低減させるためには各色の蛍光膜表面に蓄積する電荷量を均一にすることが極めて効果的である。
【0029】
次に各蛍光膜表面に蓄積する電荷量を均一にする方法について説明する。
表3は赤色蛍光体粉末に[Y,Gd]BO3:Eu、緑色蛍光体粉末にZn2SiO4:Mn、青色蛍光体粉末にBaMgAl1017:Euを用いて作製したカラープラズマディスプレイを実施の形態の駆動条件で点灯させた時の動作マージンを示している。この時、正電荷が蓄積する赤色蛍光体については、粒子表面に負電荷を蓄積するSiO2粉末を赤色蛍光膜中に混合した場合についても同様に測定した。この結果、SiO2粉末を混合しない赤色蛍光膜のセルは青色蛍光膜や緑色蛍光膜のセルよりマージン電圧範囲は低くなるが、一方、SiO2粉末を混合した場合には青色蛍光膜や緑色蛍光膜と同等のマージン範囲となった。
【0030】
従って、正電価を帯電しやすい赤色蛍光膜中に負電荷に帯びる酸化物を混合させることによって赤色蛍光膜表面に蓄積する電荷量を緑色蛍光膜や青色蛍光膜と同等にし、これにより動作マージン範囲が緑色蛍光膜や青色蛍光膜と同等にすることができたため、誤放電の発生確率を大幅に減少することができた。
【0031】
【表3】
Figure 0003725725
【0032】
表4は赤色蛍光体膜中に各種酸化物を混合した時の蓄積する電荷の極性と、この蛍光体粒子を用いて作製したパネルの赤色セル内の本実施の形態の駆動条件における誤放電の発生回数を示している。SiO2以外に負電荷を帯びる酸化物はV25、MoO3、Ta25、Nb23、TiO2、SnO2、GeO2、Fe23、Fe34、B23、As23であり、上述の測定ではSiO2を用いたが、V25、MoO3、Ta25、Nb23、TiO2、SnO2、GeO2、Fe23、Fe34、B23、As23を用いても同様な効果が得られた。
【0033】
従って、上述した粒子表面に蓄積する電荷量が負である酸化物のうちの少なくとも1種類以上を用いることによって赤色蛍光膜表面に蓄積する電荷量を青色および緑色蛍光膜と同等にすることができる。
【0034】
また、本実施の形態では電荷量を均一にするために赤色蛍光膜中に酸化物を混合することを手段としたが、赤色蛍光体粒子表面の全体あるいは一部に酸化物を被覆させても同様の効果が得られた。
【0035】
なお、赤色蛍光体粒子表面を覆う酸化物の被覆方法については静電吸着法、あるいは陰極スパッタリングや真空蒸着、気相成長法、CVD法などの蒸着法のいずれを用いても同様の効果が得られた。
【0036】
【表4】
Figure 0003725725
【0037】
実施の形態2
本実施の形態では、実施の形態1に記載のパネルと同様の構造のカラープラズマディスプレイにおいて、赤色、緑色、青色蛍光膜表面の蓄積する電荷量を均一にするための別の方法について説明する。表5は赤色蛍光体に[Y,Gd]BO3:Eu、緑色蛍光体にZn2SiO4:Mn、青色蛍光体にBaMgAl1017:Euを用いて作製したパネルを、本実施の形態の駆動条件で点灯させた時の動作マージンを示している。また、負電荷が蓄積する青色および緑色蛍光膜については、蛍光体粒子表面に正電荷が蓄積するMgO粉末を蛍光膜中に混合した場合についても同様に測定を行った。この結果、MgO粉末を混合した青色および緑色蛍光膜のセルは赤色蛍光膜のセルと同等のマージン範囲まで低下した。
【0038】
従って、負電荷を帯電しやすい青色および緑色蛍光膜中に正電荷を帯びる酸化物を混合させることによって動作マージンの範囲を赤色蛍光膜のセルと同等にすることができるため、誤放電の発生を大幅に低減することができた。
【0039】
また、マージン範囲が低くなると動作点を低く設定することができるため、低電力化が可能になる。
【0040】
【表5】
Figure 0003725725
【0041】
表6に、各種酸化物の粒子表面に蓄積する電荷の極性と本実施の形態の駆動条件における誤放電の発生回数を示す。MgO以外に正電荷を帯びる酸化物はZnO、PbO、Eu23、Nd23、TmO3、Dy23、Y23、La23、Al23、Tl23、In23、Bi23、HfO2、CoO、CuO、NiO、Ga23、MnO2、CeO2、Cr23、Sc23であり、上述の測定ではMgOを用いたが、ZnO、PbO、Eu23、Nd23、TmO3、Dy23、Y23、La23、Al23、Tl23、In23、Bi23、HfO2、CoO、CuO、NiO、Ga23、MnO2、CeO2、Cr23、Sc23を用いても同様な効果が得られた。
【0042】
【表6】
Figure 0003725725
【0043】
従って、上述した粒子表面に蓄積する電荷量が正である酸化物のうちの少なくとも1種類以上を用いることによって青色および緑色蛍光膜表面に蓄積する電荷量を赤色蛍光膜と同等にすることができる。
【0044】
また、本実施の形態では帯電量を均一にするために青色および緑色蛍光膜中に酸化物を混合することを手段としたが、青色および緑色蛍光体粒子表面の全体あるいは一部に酸化物を被覆させても同様の効果が得られた。
【0045】
なお、青色および緑色蛍光体粒子表面を覆う酸化物の被覆方法は、静電吸着法、あるいは陰極スパッタリングや真空蒸着、気相成長法、CVD法などの蒸着法のいずれを用いても同様の効果が得られた。
【0046】
実施の形態3
なお、実施の形態1、2では青色蛍光体、緑色蛍光体、赤色蛍光体を用いたカラープラズマディスプレイについて述べたが、青色蛍光体と赤色蛍光体、あるいは緑色蛍光体と赤色蛍光体との組み合わせによる単色に発光するセルが2色で構成され且つマトリクス的に配置されたマルチスクリーン用途のプラズマディスプレイについても同様である。
【0047】
【発明の効果】
以上のように、本発明の請求項1にかかわるプラズマディスプレイパネルによれば、誘電体で覆われた第1及び第2の電極と、蛍光膜で覆われた第3の電極とを各セルに備え、所定の色に発光するセルをマトリクス的に配置したプラズマディスプレイに対し、前記第1及び第2の電極の誘電体上に電荷を蓄積させ、前記第1及び第2の電極間に交流電圧を印加し、前記誘電体上に蓄積した電荷を利用して放電させて画像表示を行うプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光膜は蓄積する電荷量が均一であり、帯電特性の極性が異なる複数の物質を混合し、蓄積する電荷の極性を同一にし前記蓄積する電荷の極性が負であり、前記蛍光膜を膜表面に蓄積する電荷量が均一である赤色蛍光膜および緑色蛍光膜、青色蛍光膜により形成し、ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体により形成される蛍光膜と、珪酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体あるいはアルミン酸塩蛍光体のうちの少なくとも1種により形成される蛍光膜において、前記ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体が負電荷を帯びる酸化物を含んでいるので、安定した動作が可能になり、良好な画像表示が行える
【0050】
本発明の請求項にかかわるプラズマディスプレイパネルによれば、前記蛍光膜は、ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体により形成される蛍光膜と、珪酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体あるいはアルミン酸塩蛍光体のうちの少なくとも1種により形成される蛍光膜において、前記ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体の粒子表面に負電荷を帯びる酸化物を被覆したので、安定した動作が可能になり、良好な画像表示が行える。
【0051】
本発明の請求項にかかわるプラズマディスプレイパネルによれば、前記酸化物は、SiO2、V25、MoO3、Ta25、Nb23、TiO2、SnO2、GeO2、Fe23、Fe34、B23、As23のうちの少なくとも1種類以上であるので、安定した動作が可能になり、良好な画像表示が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイパネルの蛍光膜が適用される面放電型AC型パネルのセルの斜視図を示す図である。
【図2】 この発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイパネルの駆動方法を示す電圧波形である。
【図3】 この発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイパネルの赤色および緑色、青色発光セルの動作マージンを示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1によるプラズマディスプレイパネルのセル内に蓄積する電荷の状態を示すセル断面図である。
【符号の説明】
1 プラズマディスプレイパネルまたはセル、2 前面ガラス基板、3 背面ガラス基板、4 第1の行電極、5 第2の行電極、6 誘電体層、7 MgO(酸化マグネシウム)、8 列電極、9 蛍光体層、10 隔壁、Ap アドレスパルス、 Sp 維持パルス、Scp スキャンパルス。

Claims (3)

  1. 誘電体で覆われた第1及び第2の電極と、蛍光膜で覆われた第3の電極とを各セルに備え、所定の色に発光するセルをマトリクス的に配置したプラズマディスプレイに対し、前記第1及び第2の電極の誘電体上に電荷を蓄積させ、前記第1及び第2の電極間に交流電圧を印加し、前記誘電体上に蓄積した電荷を利用して放電させて画像表示を行うプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光膜は蓄積する電荷量が均一であり、帯電特性の極性が異なる複数の物質を混合し、前記蓄積する荷電の極性を同一にし前記蓄積する電荷の極性が負であり、前記蛍光膜は、膜表面に蓄積する電荷量が均一である赤色蛍光膜および緑色蛍光膜、青色蛍光膜により形成し前記蛍光膜は、ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体により形成される蛍光膜と、珪酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体あるいはアルミン酸塩蛍光体のうちの少なくとも1種により形成される蛍光膜において、前記ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体が負電荷を帯びる酸化物を含んでいることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 誘電体で覆われた第1及び第2の電極と、蛍光膜で覆われた第3の電極とを各セルに備え、所定の色に発光するセルをマトリクス的に配置したプラズマディスプレイに対し、前記第1及び第2の電極の誘電体上に電荷を蓄積させ、前記第1及び第2の電極間に交流電圧を印加し、前記誘電体上に蓄積した電荷を利用して放電させて画像表示を行うプラズマディスプレイパネルにおいて、前記蛍光膜は蓄積する電荷量が均一であり、帯電特性の極性が異なる複数の物質を混合し、前記蓄積する荷電の極性を同一にし、前記蓄積する電荷の極性が負であり、前記蛍光膜は、膜表面に蓄積する電荷量が均一である赤色蛍光膜および緑色蛍光膜、青色蛍光膜により形成し、前記蛍光膜は、ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体により形成される蛍光膜と、珪酸塩蛍光体、リン酸塩蛍光体あるいはアルミン酸塩蛍光体のうちの少なくとも1種により形成される蛍光膜において、前記ホウ酸塩蛍光体あるいは酸化イットリウム蛍光体の粒子表面に負電荷を帯びる酸化物を被覆したことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記酸化物は、SiO2、V25、MoO3、Ta25、Nb23、TiO2、SnO2、GeO2、Fe23、Fe34、B23、As23のうちの少なくとも1種類以上であることを特徴とする請求項1または2に記載のプラズマディスプレイパネル。
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