JP3724432B2 - 薄膜弾性構造体及びその製造方法並びにこれを用いたミラーデバイス及び光スイッチ - Google Patents

薄膜弾性構造体及びその製造方法並びにこれを用いたミラーデバイス及び光スイッチ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜弾性構造体及びその製造方法並びにこれを用いたミラーデバイス及び光スイッチに関するものである。この光スイッチは、例えば、光通信装置や光伝送装置等で用いることができるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の光通信技術の進展に伴い、光路を切り換えるための光スイッチの重要性が高まっている。光スイッチには、ミラー等の可動部を持つ機械式光スイッチと電気光学効果等を利用した電子式光スイッチとがある。機械式光スイッチは、電子式光スイッチに比べて、挿入損失やクロストークなどの光学特性に優れており、本質的な基本特性に優れている。しかし、機械式光スイッチは、電子式光スイッチに比べて、小型化や量産性の点で著しく劣るとされてきた。
【0003】
ところが、近年のMEMS(Micro-Electro-Mechanical System)技術の発達に伴い、これを利用して集積度や量産性の向上を図った機械式光スイッチが提案されるに至っている。
【0004】
このようなMEMS技術を利用した従来の機械式光スイッチは、光路切り換えの原理として特公昭56−36401号公報に開示されたものと同様の原理を採用し、光路に進出及び退出可能に直線移動し得るミラーを2次元マトリクス状に配置したものであった。すなわち、この光スイッチは、M×N個のミラーを配置した基板と、基板の一辺に沿って配置されたM本の光入力用光ファイバと、基板の前記一辺と直交する他の一辺に沿って配置されたN本の光出力用光ファイバとから構成されている。M×N個のミラーは、M本の光入力用光ファイバの出射光路と光出力用光ファイバの入射光路との交差点に対してそれぞれ進出及び退出可能に基板の法線方向に直線移動し得るように、2次元マトリクス状に基板上に配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前述したMEMS技術を利用した従来の機械式光スイッチでは、M本の光入力用光ファイバからの光をN本の光出力用光ファイバへ切り換えるために、2次元マトリクス配置されたM×N個のミラーが必要となり、ミラーの数が増大していた。例えば、1000本の光入力用光ファイバからの光を1000本の光出力用光ファイバへ切り換えようとすると、基板上に1000000個ものミラーを2次元マトリクス配置する必要がある。したがって、前記従来の機械式光スイッチでは、MEMS技術を利用しており、旧来の機械式スイッチに比べれば小型化や量産性が向上しているものの、必ずしも十分なものではなかった。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、ミラーを利用して光路を切り換えることにより優れた光学特性を保ちながら、前述した従来の光スイッチに比べて、小型化及び量産性をより一層向上させることができる光スイッチを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、このような光スイッチなどに適したミラーデバイス並びに薄膜弾性構造体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の第1の態様によるミラーデバイスは、基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された1つ以上の板ばね部を有し、前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、前記ミラーは、前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部を介してのみ、前記基体に対して支持されたものである。
【0009】
この第1の態様によれば、ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構が、薄膜で構成された板ばね部を利用した前述した構造を有しているので、構造が簡単となり、半導体製造工程の膜形成技術等を用いて簡単に製造することができる。そして、少なくとも1つの板ばね部の一端部が立ち上がり部を持つ脚部を介して基体に機械的に接続されているので、脚部によってミラーの高さ(ミラーと基板との間の距離)を稼ぐことができる。このため、ミラーが比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度を比較的大きくすることが可能となる。
【0010】
第1に、前記第1の態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記脚部が1層以上の薄膜で構成されてもよい。この場合、脚部が薄膜で構成されているので、製造が容易となるとともに、わずかであっても脚部付近においても弾性変形の自由度を持つようになって、各部分同士の機械的な接続箇所にかかる応力を低減することができる。
【0011】
第2に、前記第1の態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して、前記ミラーに機械的に接続されてもよい。この場合、少なくとも1つの板ばね部の一端部が当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介してミラーに機械的に接続されているので、この接続部によってもミラーの高さを稼ぐことができる。このため、ミラーが比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度をより大きくすることができる。この第2の場合、前記接続部が1層以上の薄膜で構成されてもよい。この場合、立ち上がり部を持つ接続部(ミラーとの接続部)が薄膜で構成されているので、製造が容易となるとともに、わずかであっても当該接続部付近においても弾性変形の自由度を持つようになって、各部分同士の機械的な接続箇所にかかる応力を低減することができる。
【0012】
第3に、前記第1の態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、一端部が前記脚部を介して前記基体に機械的に接続された前記板ばね部は、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、前記基体と反対側へ反ってもよい。この場合、脚部を介して基体に機械的に接続された前記板ばね部が基体と反対側へ反っているので、この反りによってもミラーの高さを稼ぐことができる。このため、ミラーが比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度をより大きくすることができる。
【0013】
第4に、前記第1の態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部の各々は、前記基体の面の法線方向から見た平面視で直線状又は曲線状に構成されてもよい。このように、板ばね部は平面視で直線状及び曲線状のいずれに構成してもよい。
【0014】
なお、前記第1の態様において、前述した第1乃至第4の事項は任意に組み合わせてもよい。
【0015】
本発明の第2の態様によるミラーデバイスは、基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、前記各支持部の前記複数の板ばね部のうちの2つ以上の板ばね部は、互いに機械的に直列に接続され、前記各支持部の前記2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続されたものである。
【0016】
この第2の態様によれば、前記第1の態様と同様の利点が得られる。また、この第2の態様によれば、支持部における2つ以上の板ばね部が互いに機械的に直列に接続されているので、2つ以上の板ばねの端部が順次接続されて全体として1つの機械的な接続ルートをなす構造が実現され、全体として各板ばねの特性を適宜組み合わせた弾性支持特性を得ることができ、所望の弾性支持特性を得るに際して設計の自由度が高まる。なお、機械的に直列に接続された板ばね部に対して、適宜他の板ばね部を機械的に並列に接続してもよい。
【0017】
本発明の第3の態様によるミラーデバイスは、前記第2の態様において、前記ミラーは、前記各支持部の前記複数の板ばね部を介してのみ、前記基体に対して支持されたものである。
【0018】
この第3の態様によれば、ミラーが板ばね部を介してのみ基体に対して支持されているので、板ばね部が介在したミラーと基体との間の機械的な接続ルート以外に、ミラーを基体に対して支持する別個の支持手段が不要となり、好ましい。
【0019】
本発明の第4の態様によるミラーデバイスは、前記第2又は第3の態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記脚部が1層以上の薄膜で構成されたものである。
【0020】
この第4の態様によれば、脚部が薄膜で構成されているので、製造が容易となるとともに、わずかであっても脚部付近においても弾性変形の自由度を持つようになって、各部分同士の機械的な接続箇所にかかる応力を低減することができる。
【0021】
本発明の第5の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第4のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの他端部に相当する板ばね部の一端部は、当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して、前記ミラーに機械的に接続されたものである。
【0022】
この第5の態様によれば、少なくとも1つの板ばね部の一端部が当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介してミラーに機械的に接続されているので、この接続部によってもミラーの高さを稼ぐことができる。このため、ミラーが比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度をより大きくすることができる。
【0023】
本発明の第6の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第5のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部の端部同士の機械的な接続のうち、少なくとも一対の板ばね部の端部同士の機械的な接続は、前記基体側の板ばね部の端部がこの端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して前記ミラー側の板ばね部の端部に機械的に接続されることにより行われたものである。
【0024】
この第6の態様によれば、少なくとも一対の板ばね部の端部同士の機械的な接続が、基体側の板ばね部の端部がこの端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介してミラー側の板ばね部の端部に機械的に接続されてることにより行われているので、この接続部によってもミラーの高さを稼ぐことができる。このため、ミラーが比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度をより大きくすることができる。
【0025】
本発明の第7の態様によるミラーデバイスは、前記第5又は第6の態様において、前記接続部が1層以上の薄膜で構成されたものである。
【0026】
この第7の態様によれば、立ち上がり部を持つ接続部(ミラーとの接続部及び/又は板ばね部同士の接続部)が薄膜で構成されているので、製造が容易となるとともに、わずかであっても当該接続部付近においても弾性変形の自由度を持つようになって、各部分同士の機械的な接続箇所にかかる応力を低減することができる。
【0027】
本発明の第8の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第7のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、一端部が前記脚部を介して前記基体に機械的に接続された前記板ばね部は、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、前記基体と反対側へ反るものである。
【0028】
この第8の態様によれば、脚部を介して基体に機械的に接続された前記板ばね部が基体と反対側へ反っているので、この反りによってもミラーの高さを稼ぐことができる。このため、ミラーが比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度をより大きくすることができる。
【0029】
本発明の第9の態様によるミラーデバイスは、前記第8の態様において、前記少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部は、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、前記基体側へ反るものである。
【0030】
前記第8の態様では、脚部を介して基体に機械的に接続された前記板ばね部が基体と反対側へ反っているので、例えば、この板ばね部に直列に接続された他の板ばね部の全てがが反っていないかあるいは基体と反対側に反っているとすれば、ミラーと接続されるべき板ばね部の端部が基体の面に対して大きく傾くことになる。この場合、当該板ばね部の端部とミラーとの機械的な接続箇所にかかる応力が増大し、好ましくない。これに対し、少なくとも1つの板ばね部が基体側へ反っていれば、ミラーと接続されるべき板ばね部の端部を基体の面と平行又はこれに近づけることができ、前記応力を低減することができる。
【0031】
本発明の第10の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第9のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部が全体としてなす形状が、全体を同じ方向から見た側面視であるいは各部分ごとに適宜の所定方向から見た側面視で、「く」の字状、「く」の字状の連続形状又はジグザグ状であるものである。
【0032】
この第10の態様によれば、いわばパンタグラフの如き構造が実現され、各部分同士の機械的な接続箇所にかかる応力を低減することができる。
【0033】
本発明の第11の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第9のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部の各々が、前記基体の面の法線方向から見た平面視で直線状に構成され、前記少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部が全体としてなす形状が、全体を同じ方向から見た側面視であるいは各部分ごとに適宜の所定方向から見た側面視で、「く」の字状又は「く」の字状の連続形状であり、前記少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部における前記側面視で「く」の字状をなす各部分が、前記基体の面の法線方向から見た平面視でそれぞれ一直線状をなすものである。
【0034】
この第11の態様は、前記第10の態様による構造を、平面視で直線状の板ばね部を用いて実現する場合の一例を挙げたものである。
【0035】
本発明の第12の態様によるミラーデバイスは、前記第10又は第11の態様において、前記少なくとも1つの支持部において、一端部が前記ミラーに機械的に接続された板ばね部の当該一端部、及び、前記少なくとも1つの支持部において前記2つ以上の板ばね部がなす前記側面視の形状の折り返し点部に相当する板ばね部の端部が、前記基体の面と略々平行となるように、前記2つ以上の板ばね部の各々の反り方向及び長さが設定されたものである。
【0036】
この第12の態様のように2つ以上の板ばね部の各々の反り方向及び長さを設定すると、各部分同士の機械的な接続箇所にかかる応力をより低減することができる。
【0037】
本発明の第13の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第9のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部が全体としてなす形状が、前記基体の面の法線方向から見た平面視で任意形状となる螺旋状であるものである。この第13の態様は、機械的に直列に接続された板ばね部がなす全体形状の一例を挙げたものである。
【0038】
本発明の第14の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第13のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、一端部が前記脚部を介して前記基体に機械的に接続された板ばね部の当該一端部と、一端部が前記ミラーに機械的に接続された板ばね部の当該一端部とが、前記基体の面の法線方向から見た平面視で、略々同じ位置に位置するものである。
【0039】
前記第14の態様によれば、機械的に直列に接続された2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの一端部と他端部とが平面視で略同じ位置に位置するので、各部分同士の機械的な接続箇所にかかる応力をより低減することができる。
【0040】
本発明の第15の態様によるミラーデバイスは、前記第2乃至第14のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、一端部が前記ミラーに機械的に接続された板ばね部の当該一端部が、前記基体の面と略々平行となるように、前記2つ以上の板ばね部の各々の反り方向及び長さが設定されたものである。
【0041】
この第15の態様によれば、一端部が前記ミラーに機械的に接続された板ばね部の当該一端部が前記基体の面と略々平行となるので、当該板ばね部の端部とミラーとの機械的な接続箇所にかかる応力を低減することができる。
【0042】
本発明の第16の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第15のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部は、前記ミラーの前記基体側を支持するものである。
【0043】
この第16の態様によれば、支持部がミラーの基体側を支持するので、構造が簡単となるとともに、ミラーの高さを稼ぐことができる。もっとも、前記第1乃至第15の態様では、支持部がミラーの基体と反対側を支持してもよい。この場合、支持部はミラーを吊り状態で支持することになる。
【0044】
本発明の第17の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第16のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部は、前記ミラーの側から前記基体を見た平面視で当該支持機構の少なくとも大部分が前記ミラーに隠れる位置に、配置されたものである。
【0045】
この第17の態様によれば、平面視で支持機構の大部分がミラーに隠れる位置に配置されているので、支持機構及びミラーが占める基体上の面積を低減することができ、当該ミラーデバイスの小型化を図ることができる。特に、後述する第20の態様のようにミラー及び支持機構からなる素子を複数個1次元状又は2次元状に配列する場合には、それらの素子の集積度を高めることができ、当該ミラーデバイスをより小型化することができる。
【0046】
本発明の第18の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第17のいずれかの態様において、Nを3以上の整数として、前記1つ以上の支持部の数がNであり、当該N個の支持部は、前記ミラーの中心を中心とする所定半径の円上において360゜/Nの角度をなす前記ミラーのN個の箇所の付近をそれぞれ支持するものである。
【0047】
この第18の態様のように支持部の数を3以上としてそれらによるミラーの支持箇所を設定すると、ミラーをより安定して任意の方向に傾動可能に支持することができ、好ましい。
【0048】
本発明の第19の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第17のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部の数が1又は2であり、当該1個又は2個の支持部の前記板ばね部の撓み及び捻れによって、前記ミラーが任意の方向に傾動可能であるものである。
【0049】
この第19の態様によれば、支持部の数が少ないので、構造がより簡単となる。
【0050】
前記第1乃至第19のいずれかの態様において、前記ミラーは、例えば、前記駆動信号により生ずる静電力、磁気力又はローレンツ力によって駆動されてもよい。また、他の駆動方式を採用してもよい。例えば、異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層の、熱膨張による変形を利用した駆動方式を採用してもよい。この場合、例えば、光の吸収や電気抵抗部への通電などによって、前記変形のための熱を与えることができ、照射光量や通電量を駆動信号として用いることができる。
【0051】
本発明の第20の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第19のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部又は前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有するものである。
【0052】
この第20の態様によれば、ミラーを駆動する駆動力として、板ばね部に作用する静電力を用いることができる。
【0053】
本発明の第21の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第20のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部又は前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有し、前記少なくとも1つの板ばね部が有する前記電極部との間に前記静電力を生じさせる電極部が、前記ミラーと兼用されるかあるいは前記ミラーに設けられたものである。
【0054】
この第21の態様によれば、ミラーを駆動する駆動力として、板ばね部とミラーとの間に作用する静電力を用いることができる。
【0055】
本発明の第22の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第21のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部又は前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有し、前記少なくとも1つの板ばね部が有する前記電極部との間に前記静電力を生じさせる電極部が、前記基体と兼用されるかあるいは前記基体に対して固定されたものである。
【0056】
この第22の態様によれば、ミラーを駆動する駆動力として、板ばね部と基体等との間に作用する静電力を用いることができる。
【0057】
本発明の第23の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第22のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部又は前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極と前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に、前記駆動信号に応じた静電力が作用するものである。
【0058】
この第23の態様によれば、ミラーを駆動する駆動力として、板ばね部間に作用する静電力を用いることができる。
【0059】
本発明の第24の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第23のいずれかの態様において、前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部又は前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部の互いに機械的に接続された端部に対して機械的に接続されて、当該一方の板ばね部と当該他方の板ばね部との間に介在し、前記板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるとともに、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を、有するものである。
【0060】
この第24の態様によれば、板ばね部間に作用する静電力を用いることができ、しかも、板状部を介在させることにより、対向する一対の板ばね部にそれぞれ作用する静電力を高めることができる。
【0061】
本発明の第25の態様によるミラーデバイスは、前記第1乃至第24のいずれかの態様において、前記ミラー及び前記支持機構を1個の素子として当該素子を複数個有し、当該素子が1次元状又は2次元状に配列されたものである。
【0062】
この第25の態様によれば、複数の光信号又は光ビームをそれぞれ独立して所望の方向に所望の量だけ偏向させることができる。
【0063】
本発明の第26の態様による光スイッチは、1つ以上の光入力部から出射された光を複数の光出力部のいずれかに入射させる光スイッチにおいて、前記第1乃至第25のいずれかの態様によるミラーデバイスを含み、前記1つ以上の光入力部から出射された光が、前記ミラーデバイスの前記ミラーで反射された後に、前記複数の光出力部のいずれかに入射するものである。
【0064】
この第26の態様によれば、前記第1乃至第25のいずれかの態様によるミラーデバイスが用いられているので、入力光路と同数のミラーで多くの出力光路に切り換えることができ、例えば、1000個のミラーで1000個の入力光路を1000個の出力光路に切り換えることができる。したがって、前記第21の態様によれば、ミラーの数が少なくてすむため、前述した従来のMEMS技術を利用した機械式光スイッチに比べて、小型化及び量産性が大幅に向上する。勿論、ミラーを利用して光路を切り換えるので、電子式光スイッチに比べて、挿入損失やクロストークなどの光学特性に優れている。
【0065】
本発明の第27の態様による薄膜弾性構造体は、1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、前記複数の板ばねが全体として1つの弾性体をなすように機械的に接続された薄膜弾性構造体であって、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して、他の少なくとも1つの板ばね部の一端部に機械的に接続され、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部が前記基体と反対側に反り、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部が前記基体側に反ったものである。
【0066】
本発明の第28の態様による薄膜弾性構造体は、前記第27の態様において、前記複数の板ばね部が全体としてなす形状が、全体を同じ方向から見た側面視であるいは各部分ごとに適宜の所定方向から見た側面視で、「く」の字状、「く」の字状の連続形状又はジグザグ状であるものである。
【0067】
本発明の第29の態様による薄膜弾性構造体は、前記第27又は第28の態様において、前記複数の板ばね部が全体としてなす形状が、前記基体の面の法線方向から見た平面視で任意形状となる螺旋状であるものである。
【0068】
前記第27乃至第29の態様による薄膜弾性構造体は、前述した本発明によるミラーデバイスに好適に用いることができる。もっとも、前記第27乃至第29の態様による薄膜弾性構造体の用途はこれに限定されるものではなく、他の種々のMEMSにおいて用いることができる。
【0069】
本発明の第30の態様による製造方法は、前記第27乃至第29のいずれかの態様による薄膜弾性構造体を製造する製造方法であって、基体上に形成された犠牲層上に、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部となるべき1層以上の薄膜を形成する工程であって、当該薄膜の周囲の犠牲層を除去した際に当該薄膜が反る条件で、当該薄膜を形成する工程と、前記犠牲層を除去する工程とを備えたものである。
【0070】
この第30の態様によれば、反った板ばね部を容易に作製することができ、ひいては前記第27乃至第29の態様による薄膜弾性構造体を容易に製造することができる。
【0071】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による薄膜弾性構造体及びその製造方法並びにこれを用いたミラーデバイス及び光スイッチについて、図面を参照して説明する。
【0072】
[第1の実施の形態]
【0073】
図1は、本発明の第1の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。図1において、本来破線(隠れ線)となるべき線も実線で示している。この点は、後述する各平面図についても同様である。図2は、図1中のO−A線に沿った概略断面図である。図3は、図1中のO−D線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図1中のO−B線に沿った概略断面図及び図1中のO−C線に沿った概略断面図は、図2と同様となる。なお、以下の説明において、上下は、図2に従うものとする。
【0074】
本実施の形態によるミラーデバイスは、基体としてのSi基板やガラス基板等の基板1(その面は図1中の紙面と平行である。)と、ミラー2と、ミラー2を基板1に対して基板1から浮いた状態かつ任意方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量でミラー2が基板1に対して傾くように構成されている。なお、本実施の形態では、基板1は電気的な絶縁性を有するものとする。もっとも、基板1が導電性を有する場合には、その上面に絶縁膜を形成しておけばよい。
【0075】
本実施の形態では、ミラー2は、1層のAl膜で円板状に構成され、その平板状の円板部2aの全周に渡って立ち下がり部2bが形成されている。図1中のOはミラー2の中心を示している。この立ち下がり部2bによって円板部2aの強度が補強されるので、円板部2aの平坦性を確保しつつ、円板部2aの厚みを薄くして軽量化を図ることができる。立ち下がり部2bに代えて立ち上がりを形成しても同様である。もっとも、本発明では、立ち下がり部2bや立ち上がりを必ずしも形成する必要はない。また、ミラー2の材料もAl膜に限定されるものではなく他の材料でもよいし、異なる材料の2層以上の膜で構成してもよい。さらに、ミラー2の形状は円形に限定されるものではなく、例えば、矩形としてもよい。
【0076】
本実施の形態では、ミラー2は、ミラー2を傾動させるための駆動力として静電力を加える可動側の共通電極を兼用している。もっとも、例えば、ミラー2を下側の絶縁膜(SiN膜等)と上側のAl膜とで構成したような場合には、その下面に3つの電極を、互いに独立して、後述する基板1上の電極4a,4b,4cとそれぞれ対向するように形成してもよい。
【0077】
本実施の形態では、前記支持機構は、それぞれが基板1とミラー2との間を機械的に接続する3つの支持部3A,3B,3Cで構成されている。これらの支持部3A〜3Cは同じ構造を有しているので、ここでは、支持部3Aについてのみ説明する。
【0078】
支持部3Aは、1つの板ばね部5を有している。板ばね部5は、下側のSiN膜6と上側のAl膜7とが積層された2層の薄膜で構成されている。板ばね部5の材料や層数はこれに限定されるものではなく、層数は1つ以上であればよい。板ばね部5は、図1に示すように、基板1の面の法線方向から見た平面視で直線状に構成されている。また、板ばね部5は、図2に示すように、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、上方(基板1と反対側)に反っている。なお、図2及び図3は、駆動信号が供給されていない状態を示している。板ばね部5は必ずしも上方に反る必要はないが、本実施の形態のように板ばね部5が上方に反っていると、ミラー2の高さを稼ぐことができ、好ましい。
【0079】
図1及び図2に示すように、板ばね部5の一端部は、基板1上に形成されたAl膜からなる配線パターン8(図1では図示省略)を介して基板1から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部9を介して、基板1に機械的に接続されている。本実施の形態では、脚部9は、板ばね部5を構成するSiN膜6及びAl膜7がそのまま延びることによって構成されている。Al膜7は、電極として兼用されたミラー2を配線パターン8に電気的に接続する配線としても兼用され、脚部9においてSiN膜6に形成された開口を介して配線パターン8に電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、各支持部3A〜3Cの配線パターン8は電気的に共通に接続されている。
【0080】
また、図1及び図2に示すように、板ばね部5の他端部は、当該他端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部10を介して、ミラー2の下側(基板1側)に機械的に接続されている。本実施の形態では、接続部10は、ミラー2を構成するAl膜がそのまま延びることにより構成されている。したがって、電極を兼用するミラー2は、接続部10→板ばね部5のAl膜7→脚部9のAl膜7の経路で、配線パターン8に電気的に接続されている。なお、接続部10をミラー2とは別の材料で構成してもよいことは、言うまでもない。
【0081】
以上の説明からわかるように、本実施の形態では、ミラー2は、各支持部3A〜3Cの板ばね部5を介してのみ、基板1に対して支持されている。また、各支持部3A〜3Cは、ミラー2の下側(基板1側)を支持している。支持部3A〜3Cの各々は、薄膜弾性構造体を構成している。
【0082】
本実施の形態では、図1に示すように、支持部3A〜3Cの全てが、ミラー2の側から基板1を見た平面視でミラー2に隠れる位置に配置されている。また、支持部3A〜3Cは、それらの各板ばね部5が、平面視でミラー2の半径方向に延びるように配置されている。また、3つの支持部3A〜3Cの各接続部10は、ミラー2の中心Oを中心とする所定半径の円上において120゜(=360゜/3)の角度をなす3つの位置にそれぞれ配置されている。すなわち、3つの支持部3A〜3Cは、ミラー2の中心Oを中心とする所定半径の円上において120゜(=360゜/3)の角度をなすミラー2の3箇所をそれぞれ支持している。したがって、ミラー2は、安定して、任意の方向に傾動可能に弾性支持される。支持部3A〜3Cは、本実施の形態では、脚部9がミラー2の中心O側で接続部10がミラー2の外周側となるように配置されているが、脚部9の位置と接続部10の位置とが逆になるように配置してもよい。
【0083】
基板1上には、ミラー2の下方において、中心Oを通る基板1の面の法線の回りに、Al膜からなる3つの電極4a,4b,4cが互いに電気的に絶縁された状態で形成されている。これらの電極4a〜4cには、それぞれ図示しない各配線パターンを介して、それぞれ互いに独立して、配線パターン8(すなわち、電極としてのミラー2)との間に、任意のレベルの電圧を印加できるようになっている。本実施の形態では、配線パターン8を介してミラー2が接地され、各電極4a〜4cにそれぞれ独立して、ミラー2を基準とした任意の電位を印加できるようになっている。各電極4a〜4cに印加される電位のレベルに応じた大きさの静電力が、各電極4a〜4cとミラー2の電極対向部分との間に作用する。したがって、各電極4a〜4cに印加されるミラー2を基準とした電位レベルが、ミラー2の傾きの方向及び傾き量を決定する前記駆動信号となっている。基板1には、外部からの制御信号に応じてこの駆動信号を生成する駆動回路を、搭載しておいてもよい。
【0084】
このように、本実施の形態では、ミラー2は、駆動信号によって生ずる静電力によって駆動される。もっとも、本発明では、ミラー2が磁気力やローレンツ力により駆動されるように構成することもできる。また、本実施の形態では、板ばね部5が異なる膨張係数を有する異なる物質の互いに重なった少なくとも2つの層(具体的には、SiN膜6及びAl膜7)を有しており、SiN膜6は可視光や赤外光を吸収して熱を生ずる。このため、赤外光や可視光を板ばね部5に照射すれば、その照射量に応じて、基板1を介して(例えば、基板1がSi基板であれば赤外光は基板1を透過し、基板1がガラス基板であれば可視光は基板1を透過する。)、その照射量に応じて板ばね部5が撓むことになる。したがって、この赤外光や可視光を駆動信号として用い、各板ばね部5を、ミラー2を傾動させるためのアクチュエータとして用いることも可能である。これらの点は、後述する各実施の形態やその変形例についても同様である。
【0085】
図面には示していないが、本実施の形態によるミラーデバイスでは、ミラー2、前記支持機構(支持部3A〜3C)及び電極4a〜4cを1個の素子として当該素子を複数個有し、当該素子が2次元状に配列されている。もっとも、当該素子を1次元状に配置してもよいし、当該素子は1つのみでもよい。これらの点は、後述する各実施の形態やその変形例についても同様である。
【0086】
次に、本実施の形態によるミラーデバイスの製造方法の一例について、図4を参照して説明する。図4は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図であり、図2に対応している。
【0087】
まず、図4(a)に示すように、Si基板、ガラス基板等の基板1上に、電極4a〜4c、配線パターン8及びその他の配線パターンとなるべきAl膜11を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、それらの形状とする。次に、この状態の基板上の全面に犠牲層となるレジスト12を塗布し、このレジスト12に、脚部9のコンタクト部に応じた開口12aをフォトリソグラフィーにより形成する(図4(a))。
【0088】
次いで、板ばね部5及び脚部9の1つの層となるべきSiN膜6をP−CVD法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、板ばね部5及び脚部9の形状とする。このとき、脚部9におけるコンタクト部には開口を形成しておく。次に、板ばね部5及び脚部9のもう1つの層となるべきAl膜7を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、板ばね部5及び脚部9の形状とする(図4(b))。
【0089】
この状態の基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜13を被着させ、接続部10のコンタクト部に応じた開口をフォトリソエッチング法により形成する。次いで、この状態の基板上に犠牲層となるレジスト14を塗布し、ミラー2の円板部2aに応じた部分のみのレジスト14を島状に残すように、レジスト14の他の部分(接続部10のコンタクト部に応じた開口の部分を含む)をフォトリソグラフィーにより除去する。その後、ミラー2及び接続部10となるべきAl膜15を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、ミラー2の形状とする(図4(c))。このとき、Al膜15のパターニングによって残す領域を、レジスト14と重なりかつレジスト14の大きさよりも大きくすることによって、ミラー2の立ち下がり部2bが形成されることとなる。
【0090】
最後に、この状態の基板を、ダイシングなどによりチップ毎に分割し、全ての犠牲層、すなわち、レジスト12,14及びポリイミド膜13をアッシング法などにより除去する。これにより、図1乃至図3に示すミラーデバイスが完成する。
【0091】
ところで、前述したように膜6及び膜7の成膜は、レジスト12,14及びポリイミド膜13を除去した際に前記板ばね部5が成膜時のストレスによって上方に反るような条件で、行う。なお、板ばね部5を単層の薄膜で構成する場合であっても、同じ材料の膜を成膜条件を変えて2回成膜すれば、最終的に単層膜となるものの、板ばね部5を上方に反らせることができる。
【0092】
本実施の形態によれば、前記支持機構(支持部3A〜3C)が、薄膜で構成された板ばね部5を利用した前述した構造を有しているので、構造が簡単となり、前述したように、半導体製造工程の膜形成技術等を用いて簡単に製造することができる。
【0093】
また、本実施の形態によれば、板ばね部5の一端部が立ち上がり部を持つ脚部9を介して基板1に接続されているので、脚部9によってミラー2の高さを稼ぐことができる。また、板ばね部5の他端部が当該端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部10を介してミラー2に機械的に接続されているので、この接続部10によってもミラー2の高さを稼ぐことができる。さらに、板ばね部5が上方へ反っているので、この反りによってもミラー2の高さを稼ぐことができる。反りの程度は前述した膜6,7の成膜時の条件により設定することができる。この反りの程度と板ばね部5の長さとによって、ミラー2の高さを自在に設定することができる。以上の点から、ミラー2が比較的大きくても(例えば、直径1mm程度でも)、ミラー2の高さを例えば200μm程度に設定することができ、ミラー2の傾き可能な角度を比較的大きくすることが可能となる。
【0094】
また、本実施の形態によれば、支持部3A〜3Cの全てが、ミラー2の側から基板1を見た平面視でミラー2に隠れる位置に配置されているので、支持部3A〜3C及びミラーが占める基板上の面積を低減することができ、2次元配置された素子の集積度を高めることができ、当該ミラーデバイスの小型化を図ることができる。
【0095】
[第2の実施の形態]
【0096】
図5は、本発明の第2の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図であり、図1に対応している。図5において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0097】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、支持部3A〜3Cが、それらの一部がミラー2の側から基板1を見た平面視でミラー2に隠れる位置に、配置されている点のみである。本実施の形態では、前記第1の実施の形態に比べれば素子の集積度は若干低下するものの、他の点については、本実施の形態によっても前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0098】
[第3の実施の形態]
【0099】
図6は、本発明の第3の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図であり、図1に対応している。図6において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0100】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、支持部3A〜3Cが、それらの板ばね部5がミラー2の略々接線方向に延びるように、配置されている点のみである。本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0101】
[第4の実施の形態]
【0102】
図7は、本発明の第4の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図であり、図1に対応している。図7において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0103】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、支持部3A〜3Cの板ばね部5が、基板1の面の法線方向から見た平面視で曲線状に構成されている点と、支持部3A〜3Cが、それらの板ばね部5がミラー2の略々接点方向に延びるように、配置されている点のみである。本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0104】
[第5の実施の形態]
【0105】
図8は、本発明の第5の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図であり、図1に対応している。図8において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0106】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、支持部3B,3Cが取り除かれ、1つの支持部3Aのみで支持機構が構成され、支持部3Aがミラー2の中心付近を支持している点のみである。
【0107】
本実施の形態によれば、支持部3Aの板ばね部5の撓み及び捻れによって、ミラー2が任意の方向に傾動可能となっている。本実施の形態によっても、基本的に、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0108】
[第6の実施の形態]
【0109】
図9は、本発明の第6の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略断面図であり、図2に対応している。図9において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0110】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、図1中の支持部3Aが図9に示す支持部23Aで置き換えられ、図1中の支持部3B,3Cが図9に示す支持部23Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点のみである。支持部23Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0111】
図1及び図2に示す支持部3Aが1つの板ばね部5のみを有しているのに対し、図9に示す支持部23Aは、互いに機械的に直列に接続された2つの板ばね部24,25を有している。板ばね部24,25の各々は、基板1の面の法線方向から見た平面視で直線状に構成されている。
【0112】
2つの板ばね部24,25がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部24の一端部は、基板1上に形成された配線パターン8を介して基板1から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部9を介して、基板1に機械的に接続されている。2つの板ばね部24,25がなす機械的な接続ルートの他端部に相当する板ばね部25の一端部は、当該端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部10を介して、ミラー2に機械的に接続されている。本実施の形態では、板ばね部25の他端部は、板ばね部25が板ばね部24の長さ方向を一直線状に延長して継ぎ足すように、板ばね部24の他端部に機械的に接続されている。この板ばね部24,25の端部同士の機械的な接続は、基板1側の板ばね部24の端部がこの端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部26を介してミラー2側の板ばね部25の端部に機械的に接続されることにより、行われている。
【0113】
板ばね部24は、図2中の板ばね部5と同じく、下側のSiN膜6と上側のAl膜7とが積層された2層の薄膜で構成されている。脚部9は、板ばね部24を構成するSiN膜6及びAl膜7がそのまま延びることによって構成されている。
【0114】
一方、板ばね部25は、板ばね部24とは2層の上下が逆になっており、下側のAl膜27と上側のSiN膜28とが積層された2層の薄膜で構成されている。接続部26は、板ばね部25を構成するAl膜27及びSiN膜28がそのまま延びることによって構成されている。接続部10は膜28に形成された開口を介してAl膜27に電気的に接続されている。電極を兼用するミラー2は、接続部10→板ばね部25のAl膜27→接続部26のAl膜27→板ばね部24のAl膜7→脚部9のAl膜7の経路で、配線パターン8に電気的に接続されている。
【0115】
板ばね部24は、図9に示すように、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、上方(基板1と反対側)に反っている。なお、図9は、駆動信号が供給されていない状態を示している。一方、板ばね部25は、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、板ばね部24とは逆に、下方(基板1側)に反っている。本実施の形態では、板ばね部24,25の反りの程度及び長さが同一とされ、これにより、一端部が接続部10を介してミラー2に機械的に接続された板ばね部25の当該一端部が、基板1の面と略々平行となっている。もっとも、他の設定によっても、板ばね部25の当該一端部を基板1の面と略々平行にすることは可能である。
【0116】
次に、本実施の形態によるミラーデバイスの製造方法の一例について、図10を参照して説明する。図10は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図であり、図9に対応している。図10において、図4中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0117】
まず、図4を参照して説明した製造方法の図4(b)までの工程と同様の工程を経る(図10(a))。ただし、膜6,7をパターニングする際には、板ばね部24の形状とする。
【0118】
この状態の基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜31を被着させ、接続部26のコンタクト部に応じた開口をフォトリソエッチング法により形成する。次に、板ばね部25及び接続部26の1つの層となるべきAl膜27を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、板ばね部25及び接続部26の形状とする。次いで、板ばね部25及び接続部26のもう1つの層となるべきSiN膜28をP−CVD法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、板ばね部25及び接続部26の形状とする(図10(b))。このとき、SiN膜28には、接続部10におけるコンタクト部に対応する箇所において開口28aを形成しておく。
【0119】
次に、この状態の基板上の全面に犠牲層となるレジスト32を塗布し、このレジスト32に、接続部10のコンタクト部に応じた開口をフォトリソグラフィーにより形成する。次いで、この状態の基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜33を被着させ、ミラー2の円板部2aに応じた部分のみのポリイミド膜33を島状に残すように、ポリイミド膜33の他の部分(接続部10のコンタクト部に応じた開口の部分を含む)をフォトリソエッチング法により除去する。その後、ミラー2及び接続部10となるべきAl膜34を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、ミラー2の形状とする(図10(c))。このとき、Al膜34のパターニングによって残す領域を、ポリイミド膜33と重なりかつポリイミド膜33の大きさよりも大きくすることによって、ミラー2の立ち下がり部2bが形成されることとなる。
【0120】
最後に、この状態の基板を、ダイシングなどによりチップ毎に分割し、全ての犠牲層、すなわち、レジスト12,32及びポリイミド膜31,33をアッシング法などにより除去する。これにより、図9に示すミラーデバイスが完成する。
【0121】
ところで、前述したように膜6及び膜7の成膜は、レジスト12,32及びポリイミド膜31,33を除去した際に板ばね部24が成膜時のストレスによって上方に反るような条件で、行う。前述したように膜27及び膜28の成膜は、レジスト12,14及びポリイミド膜13を除去した際に板ばね部25が成膜時のストレスによって下方に反るような条件で、行う。前述したように、板ばね部24,25の長さが同じであるので、膜6と膜28とで成膜条件は同一とし、膜7と膜27とで成膜条件は同一とする。これにより、板ばね部24,25の反りの程度を同一にすることができる。
【0122】
本実施の形態によっても、基本的には、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。そして、本実施の形態によれば、板ばね部24,25の端部同士が、立ち上がり部を持つ接続部26を介して機械的に接続されているので、この接続によってもミラー2の高さを稼ぐことができる。このため、ミラー2が比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度をより大きくすることができる。また、本実施の形態によれば、接続部10を介してミラー2と接続されている板ばね部25の端部を基板1の面と略平行となっているので、接続部10にかかる応力を低減することができる。
【0123】
なお、図1中の支持部3Aを図9に示す支持部23Aで置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にし、同様に、図1中の支持部3B,3Cを図9に示す支持部23Aと同じ構造を持つ支持部でそれぞれ置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にしてもよい。また、図5中の支持部3A〜3Cや図6中の支持部3A〜3Cや図8中の支持部3Aを、図9に示す支持部23A又はこれと同じ構造を持つ支持部で置き換えてもよい。
【0124】
[第7の実施の形態]
【0125】
図11は、本発明の第7の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略断面図であり、図2及び図9に対応している。図12は、図11中のE−F矢視図である。図11及び図12において、図1乃至図3及び図9中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0126】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、図1中の支持部3Aが図11及び図12に示す支持部43Aで置き換えられ、図1中の支持部3B,3Cが図11及び図12に示す支持部43Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点のみである。支持部43Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0127】
図11及び図12に示す支持部43Aが図9に示す支持部23Aと異なる所は、板ばね部24,25の端部同士が、立ち上がりを持たない接続部46で接続されている点と、板ばね部24の下側のSiN膜6と板ばね部25の上側のSiN膜28が、連続した1つのSiN膜となっている点と、この連続した1つのSiN膜に接続部46においてAl膜7,27間を電気的に接続するための開口が形成されている点のみである。接続部46は、この開口の箇所及び前記連続したSiN膜及びAl膜7,27が重なり合った部分となっている。
【0128】
次に、本実施の形態によるミラーデバイスの製造方法の一例について、図13を参照して説明する。図13は、この製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図であり、図11に対応している。図13において、図4及び図10中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付している。
【0129】
まず、図13(a)に示すように、Si基板、ガラス基板等の基板1上に、電極4a〜4c、配線パターン8及びその他の配線パターンとなるべきAl膜11を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、それらの形状とする。次に、この状態の基板上の全面に犠牲層となるレジスト12を塗布し、このレジスト12に、脚部9のコンタクト部に応じた開口12aをフォトリソグラフィーにより形成する。その後、板ばね部25及び接続部46の下側の層となるべきAl膜27を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、板ばね部25及び接続部46の形状とする(図13(a))。
【0130】
次に、脚部9の1つの層、板ばね部24の下側の層、接続部46の中間層及び板ばね部25の上側の層となるべきSiN膜51を、P−CVD法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、これらの形状とする。このとき、SiN膜51には、前記開口47と、接続部10におけるコンタクト部に対応する箇所において開口51aとを、形成しておく。次いで、脚部9のもう1つの層、板ばね部24の上側の層及び接続部46の上側の層となるべきAl膜7を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、これらの形状とする(図13(b))。
【0131】
この状態の基板上の全面にスピンコート法等により犠牲層としてのポリイミド膜13を被着させ、接続部10のコンタクト部に応じた開口をフォトリソエッチング法により形成する。次いで、この状態の基板上に犠牲層となるレジスト14を塗布し、ミラー2の円板部2aに応じた部分のみのレジスト14を島状に残すように、レジスト14の他の部分(接続部10のコンタクト部に応じた開口の部分を含む)をフォトリソグラフィーにより除去する。その後、ミラー2及び接続部10となるべきAl膜15を蒸着法等によりデポした後、フォトリソエッチング法によりパターニングし、ミラー2の形状とする(図13(c))。このとき、Al膜15のパターニングによって残す領域を、レジスト14と重なりかつレジスト14の大きさよりも大きくすることによって、ミラー2の立ち下がり部2bが形成されることとなる。
【0132】
最後に、この状態の基板を、ダイシングなどによりチップ毎に分割し、全ての犠牲層、すなわち、レジスト12,14及びポリイミド膜13をアッシング法などにより除去する。これにより、図11及び図12に示すミラーデバイスが完成する。
【0133】
ところで、膜7、膜51及び膜27の成膜は、レジスト12,14及びポリイミド膜13を除去した際に、板ばね部24が成膜時のストレスによって上方に反るとともに板ばね部25が成膜時のストレスによって下方に反るような条件で、行う。本実施の形態では、板ばね部24,25の長さが同じであるので、膜7と膜27とで成膜条件は同一とする。これにより、板ばね部24,25の反りの程度を同一にすることができる。
【0134】
本実施の形態によっても、基本的には、前記第6の実施の形態と同様の利点が得られる。ただし、本実施の形態では、板ばね部24,25の端部同士が立ち上がり部を持たない接続部46で接続されているので、その分、板ばね部24,25の端部同士を立ち上がり部を持つ接続部26で接続する前記第6の実施の形態に比べて、ミラー2の高さを稼ぐことができない。しかし、本実施の形態によるミラーデバイスの製造工程は、前記第6の実施の形態によるミラーデバイスの製造工程に比べて大幅に簡略化される。
【0135】
なお、図1中の支持部3Aを図11及び図12に示す支持部43Aで置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にし、同様に、図1中の支持部3B,3Cを図11及び図12に示す支持部43Aと同じ構造を持つ支持部でそれぞれ置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にしてもよい。また、図5中の支持部3A〜3Cや図6中の支持部3A〜3Cや図8中の支持部3Aを、図11及び図12に示す支持部43A又はこれと同じ構造を持つ支持部で置き換えてもよい。
【0136】
[第8の実施の形態]
【0137】
図14は、本発明の第8の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部63Aを模式的に示す概略平面図である。図14において、図1乃至図3の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0138】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、図1中の支持部3Aが図14に示す支持部63Aで置き換えられ、図1中の支持部3B,3Cが図14に示す支持部63Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点のみである。支持部63Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0139】
図1及び図2に示す支持部3Aが1つの板ばね部5のみを有しているのに対し、図14に示す支持部63Aは、互いに機械的に直列に接続された3つの板ばね部64,65,66を有している。板ばね部64〜66の各々は、図14に示すように、基板1の面の法線方向から見た平面視で直線状に構成されている。
【0140】
3つの板ばね部64〜66がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部64の一端部は、基板1上に形成された配線パターン8を介して基板1から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部9を介して、基板1に機械的に接続されている。3つの板ばね部64〜66がなす機械的な接続ルートの他端部に相当する板ばね部66の一端部は、当該端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部10を介して、ミラー2に機械的に接続されている。
【0141】
本実施の形態では、板ばね部65の一端部は、板ばね部64の他端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部67を介して板ばね部64の当該他端部に機械的に接続されている。板ばね部66の他端部は、板ばね部65の他端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部68を介して板ばね部65の当該他端部に機械的に接続されている。本実施の形態では、図14に示すように、板ばね部64〜66は、平面視でコ字状をなすように接続されている。板ばね部64〜66はいずれも、図2中の支持部3Aと同じ構造を持ち、上方へ反っている。接続部67,68はいずれも図2中の脚部9と同じ構造を持っている。
【0142】
本実施の形態によるミラーデバイスが、前記第6の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法に準じた方法により製造することができることは、言うまでもない。
【0143】
本実施の形態によっても、基本的には、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。そして、本実施の形態によれば、板ばね部64〜66の端部同士が、立ち上がり部を持つ接続部67,68を介して機械的に接続されているので、この接続によってもミラー2の高さを稼ぐことができる。このため、ミラー2が比較的大きくても、ミラーの傾き可能な角度をより大きくすることができる。また、本実施の形態によれば、板ばね部64〜66が平面視でコ字状をなしているので、板ばね部64〜66が占める基板1上の長さを抑えることができる。
【0144】
本実施の形態では、全ての板ばね部64〜66が上方に反っているので、一端部が接続部10を介してミラー2に機械的に接続された板ばね部66の当該一端部が、基板1の面から比較的大きく傾く。そのため、接続部10にかかる応力が比較的大きい。
【0145】
そこで、本実施の形態を、例えば、次のように変形することが好ましい。すなわち、図14中の脚部9から接続部67に至る構造(ただし、接続部67は除く)、として図9又は図10中の脚部9から接続部10までの構造(ただし、接続部10は除く)を採用し、図14中の接続部67から接続部68までの構造(ただし、接続部68は除く)として図9又は図10中の脚部9から接続部10までの構造(ただし、接続部10は除く)を採用し、図14中の接続部68から接続部10までの構造として図9又は図10中の脚部9から接続部10までの構造を採用する。この場合には、接続部10付近の板ばね部が基板1の面と略平行となるので、接続部10にかかる応力を低減することができる。
【0146】
なお、図1中の支持部3Aを図14に示す支持部63Aで置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にし、同様に、図1中の支持部3B,3Cを図14に示す支持部63Aと同じ構造を持つ支持部でそれぞれ置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にしてもよい。また、図5中の支持部3A〜3Cや図6中の支持部3A〜3Cや図8中の支持部3Aを、図14に示す支持部63A又はこれと同じ構造を持つ支持部で置き換えてもよい。
【0147】
[第9の実施の形態]
【0148】
図15は、本発明の第9の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部73Aを模式的に示す概略平面図である。図15において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0149】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、図1中の支持部3Aが図15に示す支持部73Aで置き換えられ、図1中の支持部3B,3Cが図15に示す支持部73Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点のみである。支持部73Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0150】
図1及び図2に示す支持部3Aが1つの板ばね部5のみを有しているのに対し、図15に示す支持部73Aは、互いに機械的に直列に接続された2つの板ばね部74,75を有している。板ばね部74,75の各々は、図15に示すように、基板1の面の法線方向から見た平面視で曲線状に(具体的には、C字状)に構成されている。
【0151】
2つの板ばね部74,75がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部74の一端部は、基板1上に形成された配線パターン8を介して基板1から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部9を介して、基板1に機械的に接続されている。2つの板ばね部74,75がなす機械的な接続ルートの他端部に相当する板ばね部75の一端部は、当該端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部10を介して、ミラー2に機械的に接続されている。
【0152】
本実施の形態では、板ばね部75の他端部は、板ばね部75が板ばね部74の長さ方向を円状に延長して継ぎ足すように、板ばね部74の他端部に機械的に接続されている。板ばね部74,75はいずれも、上方へ反っている。したがって、板ばね部74,75が全体としてなす形状は、基板1の面の法線方向から見た平面視で円形状となる螺旋状である。
【0153】
本実施の形態によるミラーデバイスが、前記第6の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法に準じた方法により製造することができることは、言うまでもない。本実施の形態によっても、前記第8の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0154】
なお、図1中の支持部3Aを図15に示す支持部73Aで置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にし、同様に、図1中の支持部3B,3Cを図15に示す支持部73Aと同じ構造を持つ支持部でそれぞれ置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を逆にしてもよい。また、図5中の支持部3A〜3Cや図6中の支持部3A〜3Cや図8中の支持部3Aを、図15に示す支持部73A又はこれと同じ構造を持つ支持部で置き換えてもよい。
【0155】
[第10の実施の形態]
【0156】
図16は、本発明の第10の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部83Aを模式的に示す概略断面図である。図16において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0157】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、図1中の支持部3Aが図16に示す支持部83Aで置き換えられ、図1中の支持部3B,3Cが図16に示す支持部83Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点のみである。支持部83Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0158】
図1及び図2に示す支持部3Aが1つの板ばね部5のみを有しているのに対し、図16に示す支持部83Aは、互いに機械的に直列に接続された4つの板ばね部84,85,94,95を有している。図16に示すように、これらの板ばね部の所定の端部同士が立ち上がり部を持つ接続部86,99,96を介して機械的に接続されている。図16中の脚部9、板ばね部84、接続部86及び板ばね部85からなる部分の構造、及び図16中の接続部99、板ばね部94、接続部96及び板ばね部95からなる部分の構造はそれぞれ、図9中の脚部9、板ばね部24、接続部26、板ばね部25からなる部分の構造と全く同一である。板ばね部84,85,94,95が全体としてなす形状は、全体を図16中の紙面に垂直な方向から見た側面視で、「く」の字状となっている。この部分を平面視すると一直線状をなす。
【0159】
本実施の形態では、ミラー2の高さHが変化しても、一端部が脚部9を介して基板1に機械的に接続された板ばね部84の当該一端部と、一端部がミラー2に機械的に接続された板ばね部95の当該一端部とが、常に、基板1の面の法線方向から見た平面視で略々同じ位置に位置する。換言すると、本実施の形態では、「く」の字状の構造によって、ミラー2の高さHの変化が板ばね部84,85,94,95の撓みの変化のみに変換されている。また、本実施の形態では、一端部がミラー2に機械的に接続された板ばね部95の当該一端部(接続部10付近の端部)、及び、板ばね部84,85,94,95がなす前記側面視の形状の折り返し点部に相当する板ばね部85の端部(接続部99付近の端部)が、基板1の面と略々平行となる。本実施の形態ではこのように略々平行となるように、板ばね部84,85,94,95の各々の反り方向及び長さが設定されているのである。
【0160】
したがって、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られるのみならず、接続部10に対する負担がほとんどなくなるという利点も得られる。
【0161】
なお、図1中の支持部3Aを図16に示す支持部83Aで置き換える際に、脚部9及び接続部10の位置を図1中の符号9の位置及び符号10の位置のいずれにしてもよいし、図1中の支持部3B,3Cを図16に示す支持部83Aと同じ構造を持つ支持部でそれぞれ置き換える際にも同様である。また、図5中の支持部3A〜3Cや図6中の支持部3A〜3Cや図8中の支持部3Aを、図16に示す支持部83A又はこれと同じ構造を持つ支持部で置き換えてもよい。これらの点は、後述する第11の実施の形態についても同様である。
【0162】
[第11の実施の形態]
【0163】
図17は、本発明の第11の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部93Aを模式的に示す概略断面図である。図17において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0164】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、図1中の支持部3Aが図17に示す支持部93Aで置き換えられ、図1中の支持部3B,3Cが図17に示す支持部93Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点のみである。支持部93Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0165】
図1及び図2に示す支持部3Aが1つの板ばね部5のみを有しているのに対し、図17に示す支持部93Aは、互いに機械的に直列に接続された4つの板ばね部184,185,194,195を有している。図17に示すように、これらの板ばね部の所定の端部同士が立ち上がり部を持つ接続部186,199,196を介して機械的に接続されている。図17中の脚部9、板ばね部184、接続部186及び板ばね部185からなる部分の構造、及び、図17中の接続部199、板ばね部194、接続部196及び板ばね部195からなる部分の構造は、それぞれ、図11中の脚部9、板ばね部24、接続部46、板ばね部25からなる部分の構造と全く同一である。板ばね部184,185,194,195が全体としてなす形状は、全体を図17中の紙面に垂直な方向から見た側面視で、「く」の字状となっている。この部分を平面視すると一直線状をなす。
【0166】
本実施の形態によっても、前記第10の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0167】
ところで、前記第10及び第11の実施の形態では、板ばね部が全体としてなす形状は、側面視で1つの「く」の字状をなすものであった。本発明では、図16又は図17中の「く」の字状部分の構造を機械的に直列に2つ以上連続させてもよい。例えば、2つ連続させる場合には、図16又は図17において、ミラー2の高さを上げ、脚部9から板ばね部までに至る構造と同じ構造を、接続部10と図16又は図17中の板ばね部95又は195との間に接続すればよい。この場合、挿入する「く」の字状の構造部分は、図16又は図17の脚部9及び接続部10を通る基板1の面の法線回りに、任意の角度回転させた位置に配置してもよい。このような場合には、板ばね部が全体としてなす形状は、各部分ごとに適宜の所定方向から見た側面視で「くの字状」の連続形状となる。
【0168】
[第12の実施の形態]
【0169】
図18は、本発明の第12の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部103Aを模式的に示す概略平面図である。図18において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。図18において、脚部9は、接続部10と重なって見えているが、接続部10より紙面奥側に存在する。
【0170】
本実施の形態が、前記第1の実施の形態と異なる所は、図1中の支持部3Aが図18に示す支持部103Aで置き換えられ、図1中の支持部3B,3Cが図18に示す支持部103Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点のみである。支持部103Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0171】
図1及び図2に示す支持部3Aが1つの板ばね部5のみを有しているのに対し、図18に示す支持部103Aは、互いに機械的に直列に接続された8つの板ばね部104,106,108,110,112,114,116,118を有している。図18に示すように、これらの板ばね部の所定の端部同士が立ち上がり部を持つ接続部107,111,115及び立ち上がり部を持たない接続部105,109,113,117を介して機械的に接続されている。図18中の脚部9、板ばね部104、接続部105及び板ばね部106からなる部分の構造、図18中の接続部107、板ばね部108、接続部109及び板ばね部110からなる部分の構造、図18中の接続部111、板ばね部112、接続部113及び板ばね部114からなる部分の構造、図18中の接続部115、板ばね部116、接続部117及び板ばね部118からなる部分の構造は、それぞれ、図11中の脚部9、板ばね部24、接続部46、板ばね部25からなる部分の構造と全く同一である(図9中の対応構造と同一にしてもよい。)。前記8つの板ばね部が全体としてなす形状は、基板1の面の法線方向から見た平面視で正方形となる螺旋状である。本発明では、前記8つの板ばね部がなす機械的な接続ルートは、この法線方向の回りに1周しているだけであるが、1周以上周回するようにしてもよい。
【0172】
本実施の形態では、ミラー2の高さが変化しても、一端部が脚部9を介して基板1に機械的に接続された板ばね部104の当該一端部と、一端部がミラー2に機械的に接続された板ばね部118の当該一端部とが、常に、基板1の面の法線方向から見た平面視で略々同じ位置に位置する。また、本実施の形態では、一端部がミラー2に機械的に接続された板ばね部118の当該一端部(接続部10付近の端部)が、基板1の面と略々平行となる。本実施の形態ではこのように略々平行となるように、各板ばね部の反り方向及び長さが設定されているのである。
【0173】
したがって、本実施の形態によっても、前記第10及び第11の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0174】
[第13の実施の形態]
【0175】
図20は、本発明の第13の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。図21は、図20中のO−A線に沿った概略断面図である。図面には示していないが、図20中のO−B線に沿った概略断面図及び図20中のO−C線に沿った概略断面図は、図21と同様となる。図20及び図21において、図1乃至図3中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。なお、以下の説明において、上下は、図21に従うものとする。
【0176】
本実施の形態が前記第1の実施の形態と異なる所は、以下に説明する点のみである。
【0177】
前記第1の実施の形態は、ミラー2を傾動させるための駆動力としての静電力を、ミラー2と基板1上の電極4a,4b,4cとの間で作用させるように構成されていたのに対し、本実施の形態では、前記駆動力としての静電力を各支持部3A〜3Cの板ばね部5と基板1との間で作用させるように構成されている。
【0178】
すなわち、本実施の形態では、基板1上の電極4a,4b,4c(図1参照)が除去されている。基板1としてSi基板が用いられ、基板1が前記静電力を発生させるための固定側の共通電極となっている。一方、各支持部3A〜3Cの板ばね部5の上側のAl膜7が、基板1との間に静電力を作用させるための電極となっている。本実施の形態では、ミラー2の接続部10とAl膜7との間にはSiN膜等の絶縁膜303が形成されており、ミラー2は静電力の発生に寄与しない。
【0179】
基板1上にはSiN等の絶縁膜301が形成されているが、各支持部3A〜3Cの板ばね部5のAl膜7の下側には、絶縁膜301は形成されていない。基板1における板ばね部5のAl膜7の下側部分が、一方の電極であるAl膜7と対向する他方の電極となっている。なお、基板1としてSi基板の代わりにガラス基板を用いて、Al膜7の下の対向するガラス基板の部分に固定側の電極を形成してもよい。本実施の形態では、板ばね部5の下側のSiN膜6は、Al膜7と基板1とが電気的に接触しないようにするための絶縁層としての機能も担う。
【0180】
Al膜7は、脚部9においてSiN膜6に形成された開口を介して配線パターン302(図20では図示省略)に電気的に接続されている。配線パターン302は、絶縁膜301上に形成されており、基板1に対して電気的に絶縁されている。各支持部3A〜3Cの配線パターン302は互いに絶縁されており、各支持部3A〜3Cの板ばね部5のAl膜(電極)7には、各支持部3A〜3Cの配線パターン302を介して、それぞれ互いに独立して、基板1との間に、任意のレベルの電圧を印加できるようになっている。
【0181】
本実施の形態では、基板1が接地され、支持部3A〜3Cの板ばね部5のAl膜7にそれぞれ独立して、基板1を基準とした任意の電位を印加できるようになっている。各支持部3A〜3CのAl膜7の電極に印加される電位のレベルに応じた大きさの静電力が、各支持部3A〜3Cの板ばね部5のAl膜7と、当該Al膜7との基板1の対向部分との間に、作用する。
【0182】
静電力の大きさは、電極間の距離の2乗に反比例するので、図21において板ばね部5のAl膜7と基板1との間隔は脚部9に近い方が狭いことから、脚部9により近い方が静電力もより大きく、板バネ部5のうち脚部9に近い部分から、順次基板1へ引き寄せられていき、板バネ部5が変形していく。そして、板バネ部5のバネ力(復元力)と静電力が平衡した状態で板バネ部5の変形も停止して、ミラー2が傾く。当該板ばね部5には、ミラー2を介して他の支持部の2つの板バネ部5が接続されているので、当然、静電力と当該板バネ部5との平衡状態には他の2つの板バネ部5のバネ力(復元力)も影響する。したがって、各支持部3A〜3Cの板ばね部5のAl膜7(電極)に印加される基板1を基準とした電位レベルが、ミラー2の傾きの方向及び傾き量を決定する駆動信号となっている。
【0183】
本実施の形態によるミラーデバイスが、前記第1の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法に準じた方法により製造することができることは、言うまでもない。
【0184】
本実施の形態によっても、前記第1の実施の形態と同様の利点が得られる。また、本実施の形態では、板ばね部5のAl膜7と基板1との間で静電力が作用するので、基板1上の電極4a〜4cとミラー2との間で静電力が作用する前記第1の実施の形態に比べて、電極間距離を狭くすることができる。したがって、本実施の形態では、低電力でミラー2を駆動する(すなわち、傾ける)ことができる。
【0185】
[第14の実施の形態]
【0186】
図22は、本発明の第14の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、中間板310及びそれより下側(基板1側)の部分を模式的に示す概略平面図であり、図24乃至図26中のG−J矢視図に相当している。図面表記の便宜上、図22において、一部の要素については想像線で示している。図23は、本発明の第14の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、中間板310より上側(基板1と反対側)の部分(ミラー2を除く)を模式的に示す概略平面図であり、図24乃至図26中のK−L矢視図に相当している。図24は、図22及び図23中のX1−X2線に沿った概略断面図である。図25は、図22及び図23中のO−A線(図20中のO−A線に対応)に沿った概略断面図である。図26は、図22及び図23中のX3−X4線に沿った概略断面図である。
【0187】
図22乃至図26において、図20及び図21中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0188】
本実施の形態が、前記第13の実施の形態と異なる所は、図20中の支持部3Aが図22乃至図26に示す支持部313Aで置き換えられ、図20中の支持部3B,3Cが図22乃至図26に示す支持部313Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点と、基板1上の全面に渡りSiN等の絶縁膜311が形成され、絶縁膜311上に互いに電気的に絶縁された配線パターン312a〜312c及び基板1側の電極としてのAl膜320a,320cなどが形成されている点のみである。支持部313Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0189】
支持部313Aは、基本的に図17に示す前記第11の実施の形態によるミラーデバイスの支持部93Aと同様の構造を持ち、この構造を、ミラー2を傾動させるための駆動力としての静電力を各板ばね部314,315,324,325に作用させるように、変形したものである。
【0190】
板ばね部314,315,324,325は、図17中の板ばね部184,185,194,195にそれぞれ対応しており、機械的な接続関係、Al膜とSiN膜との上下関係、反り具合、長さの設定などは同様である。Al膜は導電性薄膜である。両者が主として異なる所は、各板ばね部314,315,324,325の各一部を構成する各Al膜が幅方向に3分割されている点と、これに伴い、図17中の脚部9に対応する3つの脚部9a〜9c、図17中の接続部186に対応する3つの接続部346a〜346c、図17中の接続部199に対応する3つの接続部319a〜319c、図17中の接続部196に対応する3つの接続部356a〜356c、及び、図17中の接続部10に対応する3つの接続部10a〜10cが設けられている点である。
【0191】
板ばね部314は、下側のSiN膜361と上側の3分割されたAl膜362a〜362cとが積層された2層(ただし、Al膜362a〜362cが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。
【0192】
脚部9aは、板ばね部314を構成するSiN膜361及びAl膜362aがそのまま延びることによって構成されている。Al膜362aは、脚部9aにおいてSiN膜361に形成された開口を介して配線パターン312aに電気的に接続されている。脚部9bは、板ばね部314を構成するSiN膜361及びAl膜362bがそのまま延びることによって構成されている。Al膜362bは、脚部9bにおいてSiN膜361に形成された開口を介して配線パターン312bに電気的に接続されている。脚部9cは、板ばね部314を構成するSiN膜361及びAl膜362cがそのまま延びることによって構成されている。Al膜362cは、脚部9cにおいてSiN膜361に形成された開口を介して配線パターン312cに電気的に接続されている。
【0193】
Al膜362a,362cは、これらを有する板ばね部314に静電力を作用させるための電極となっている。Al膜362bは、ミラー2及び後述する中間板310の電位を所定電位にするための単なる配線パターンとなっており、Al膜362a,362cに比べて幅狭に形成されている。
【0194】
なお、板ばね部314のSiN膜361と後述する板ばね部315のSiN膜364は、連続した1つのSiN膜となっているので、図22ではその連続した1つのSiN膜を符号305で示している。
【0195】
板ばね部315は、下側の3分割されたAl膜363a〜363cと上側のSiN膜364とが積層された2層(ただし、Al膜363a〜363cが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。接続部346aはAl膜362a,363aが重なり合った部分となっており、接続部346aにおいてSiN膜305に形成された開口347aを介して、Al膜362a,363a間が電気的に接続されている。接続部346bはAl膜362b,363bが重なり合った部分となっており、接続部346bにおいてSiN膜305に形成された開口347bを介して、Al膜362b,363b間が電気的に接続されている。接続部346cはAl膜362c,363cが重なり合った部分となっており、接続部346cにおいてSiN膜305に形成された開口347cを介して、Al膜362c,363c間が電気的に接続されている。
【0196】
Al膜363a,363cは、これらを有する板ばね部315に静電力を作用させるための電極となっている。Al膜363bは、ミラー2及び後述する中間板310の電位を所定電位にするための単なる配線パターンとなっており、Al膜363a,363cに比べて幅狭に形成されている。
【0197】
板ばね部324は、下側のSiN膜365と上側の3分割されたAl膜366a〜366cとが積層された2層(ただし、Al膜366a〜366cが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。Al膜366a,366cは、これらを有する板ばね部324に静電力を作用させるための電極となっている。Al膜366bは、ミラー2の電位を所定電位にするための単なる配線パターンとなっており、Al膜366a,366cに比べて幅狭に形成されている。
【0198】
前述した説明からわかるように、一対の板ばね部315,324は、それらの端部同士が接続部319a〜319cにより機械的に接続されて、互いに対向している。これらの板ばね部315,324は、当該板ばね部315,324にそれぞれ駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部としての、Al膜363a,366aを、それぞれ有している。そして、本実施の形態では、電極部を有する板状部として中間板310が、前記一対の板ばね部315,324の互いに機械的に接続された端部に対して機械的に接続されて、前記一対の板ばね部315,324間に介在している。具体的には、本実施の形態では、中間板310は、接続部319bに対応する一端側の箇所に、カップ状に立ち下がった基部310aを有し、この基部310aが、接続部319bとAl膜363の板ばね部315から延びた部分との間に固定されている。中間板310は、基部310aも含めて全体が導電性薄膜としてのAl膜で構成されており、板ばね部315との間及び板ばね部324との間に駆動信号に応じた静電力を作用させる電極部となっている。また、本実施の形態では、中間板310は板ばね部315,324間のちょうど真ん中付近に配置されている。もっとも、中間板310の構成や配置は、必ずしも前述した構成や配置に限定されるものではない。中間板310は、先の説明からもわかるように、板ばね部315のAl膜363bと電気的に接続されている。なお、本実施の形態では、中間板310には、接続部319a及び接続部319cを逃げる逃げ孔310b,310cがそれぞれ形成されている。
【0199】
接続部319aは、板ばね部324を構成するSiN膜365及びAl膜366aがそのまま延びることによって構成されている。Al膜366aは、接続部319aにおいてSiN膜365に形成された開口を介して板ばね部315のAl膜363aに電気的に接続されている。接続部319bは、板ばね部324を構成するSiN膜365及びAl膜366bがそのまま延びることによって構成されている。接続部319bは、後述するAl膜からなる中間板310の基部310aを介して、板ばね部315の一端部に固定されている。Al膜366bは、接続部319bにおいてSiN膜365に形成された開口を介して中間板310の基部310aに電気的に接続され、この基部310aを介して、Al膜363bに電気的に接続されている。接続部319cは、板ばね部324を構成するSiN膜365及びAl膜366cがそのまま延びることによって構成されている。Al膜366cは、接続部319cにおいてSiN膜365に形成された開口を介して板ばね部315のAl膜363cに電気的に接続されている。
【0200】
板ばね部324のSiN膜365と後述する板ばね部325のSiN膜368は、連続した1つのSiN膜となっているので、図23ではその連続した1つのSiN膜を符号306で示している。
【0201】
板ばね部325は、下側の3分割されたAl膜367a〜367cと上側のSiN膜368とが積層された2層(ただし、Al膜367a〜367cが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。接続部356aはAl膜366a,367aが重なり合った部分となっており、接続部356aにおいてSiN膜306に形成された開口357aを介して、Al膜366a,367a間が電気的に接続されている。接続部356bはAl膜366b,367bが重なり合った部分となっており、接続部356bにおいてSiN膜306に形成された開口357bを介して、Al膜366b,367b間が電気的に接続されている。接続部356cはAl膜366c,367cが重なり合った部分となっており、接続部356cにおいてSiN膜306に形成された開口357cを介して、Al膜366c,367c間が電気的に接続されている。
【0202】
接続部10a,10cは、板ばね部325のSiN膜368上にそれぞれ固定されており、ミラー2は、SiN膜368によって、板ばね部325のAl膜367a,367cに対してそれぞれ電気的に絶縁されている。一方、接続部10bは、SiN膜368に形成した開口を介して、板ばね部325のAl膜367b上に固定され、ミラー2は、Al膜367bに電気的に接続されている。これにより、ミラー2は、板ばね部325が有する電極としてのAl膜367a,367cとの間に静電力を生じさせる電極として、兼用されている。
【0203】
また、板ばね部314の電極としてのAl膜362a,362cの下方における対向箇所には、基板1上の絶縁膜311上に、Al膜362a,362cとの間にそれぞれ静電力を生じさせる電極部としての、Al膜320a,320bがそれぞれ形成されている。Al膜320a,320cは、図示しない配線パターンを介して、配線パターン312bに対して電気的に接続されている。なお、Al膜320a,320cは分離せずに連続的に形成してもよい。
【0204】
以上の説明からわかるように、配線パターン312aに対して、Al膜362a,363a,366a,367aが電気的に接続されており、これらが同電位となる。これとは電気的に独立して、配線パターン312bに対して、Al膜362b,363b,366b,367b,320a,320c、中間板310及びミラー2が電気的に接続されており、これらが同電位となる。さらに、これらとは電気的に独立して、配線パターン312cに対して、Al膜362c,363c,366c,367cが電気的に接続されており、これらが同電位となる。なお、配線パターン312a,312c間は電気的に接続しておいてもよい。
【0205】
各支持部313A〜313Cの配線パターン312bと配線パターン312a,312cとの間には、それぞれ互いに独立して、任意のレベルの電圧(すなわち、駆動信号)を印加できるようになっている。
【0206】
本実施の形態では、例えば、各支持部313A〜313Cの配線パターン312bが接地され、各支持部313A〜313C毎に独立して、配線パターン312a,312cに同電位であるが任意のレベルの電位を印加できるようになっている。
【0207】
今、支持部313Aにおいて、配線パターン312bの電位を0V、配線パターン312a,312cの電位を+V1にしたとすると、前述した電気的な接続関係が構築されていることから、板ばね部314の電極としてのAl膜362a,362c(+V1)と基板1上の電極としてのAl膜320a,320c(0V)との間、板ばね部315の電極としてのAl膜363a,363c(+V1)と中間板310(0V)との間、中間板310(0V)と板ばね部324の電極としてのAl膜366a,366c(+V1)との間、及び、板ばね部325の電極としてのAl膜367a,367c(+V1)とミラー(0V)との間には、それぞれ電位差(電圧)+V1が印加される。したがって、板ばね部314と基板1との間に第1の静電力が作用し、板ばね部315と中間板310との間に第2の静電力が作用し、中間板310と板ばね部324との間に第3の静電力が作用し、板ばね部325とミラー2との間に第4の静電力が作用する。なお、図24及び図26において、静電力が作用する箇所を示す黒い矢印を付している。
【0208】
これらの静電力により、前記第13の実施の形態の場合と同様に各板ばね部314,315,324,325が間隔の狭い部分から順次引き寄せられていき、支持部313Aが変形していき、静電力と板ばね部314,315,324,325のバネ力(復元力)が均衡すると、支持部313Aの変形が停止する。なお、本実施の形態では、前述した各対向電極となる部分間の位置関係及び面積がほぼ同一に設定されているので、前記第1乃至第4の静電力の大きさはほぼ同じである。したがって、間隔の狭い部分から順次引き寄せられていく様子も4ヶ所でほぼ同様になる。
【0209】
本実施の形態によるミラーデバイスが、前記第7の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法に準じた方法により製造することができることは、言うまでもない。
【0210】
本実施の形態によっても、前記第11の態様と同様の利点が得られる。また、本実施の形態では、前述した第1乃至第4の静電力が作用するので、基板1上の電極4a〜4cとミラー2との間で静電力が作用する前記第11の実施の形態に比べて、電極間距離を狭くすることができる。したがって、本実施の形態では、低電力でミラー2を駆動する(すなわち、傾ける)ことができる。さらに、本実施の形態によれば、前記第1乃至第4の静電力の大きさはほぼ同じであるので、間隔の狭い部分から順次引き寄せられていく様子も4ヶ所でほぼ同様になることから、接続部10a,10b,10cに対する負担がほとんどなくなる。
【0211】
なお、本実施の形態のような支持部の構造を採用する場合、図8に示す第5の実施の形態のようにミラー2を1つの支持部で支持すると、駆動信号を供給しても、ミラー2が上下動するのみで、傾かない。このため、ミラー2を傾かせる場合、ミラー2を1次元的に傾かせるときには支持部を2つ以上、ミラー2を3次元的に傾かせるときには支持部を3つ以上、設けることが好ましい。
【0212】
[第15の実施の形態]
【0213】
図27は、本発明の第15の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、下側(基板1側)の部分を模式的に示す概略平面図であり、図29乃至図31中のM−N矢視図に相当している。図面表記の便宜上、図27において、一部の要素については想像線で示している。図28は、本発明の第15の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、上側(基板1と反対側)の部分(ミラー2を除く)を模式的に示す概略平面図であり、図29乃至図31中のP−Q矢視図に相当している。図29は、図27及び図28中のX5−X6線に沿った概略断面図である。図30は、図27及び図28中のO−A線(図20中のO−A線に対応)に沿った概略断面図である。図31は、図27及び図28中のX7−X8線に沿った概略断面図である。
【0214】
図27乃至図31において、図20及び図21中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0215】
本実施の形態が、前記第13の実施の形態と異なる所は、図20中の支持部3Aが図27乃至図31に示す支持部413Aで置き換えられ、図20中の支持部3B,3Cが図27乃至図31に示す支持部413Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点と、基板1上の全面に渡りSiN等の絶縁膜411が形成され、絶縁膜411上に互いに電気的に絶縁された配線パターン412a,412b及び基板1側の電極としてのAl膜420などが形成されている点のみである。支持部413Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0216】
本実施の形態も前記第14の実施の形態も、ミラー2を傾動させるための駆動力としての静電力を板ばね部に作用させる点で共通するが、前記第14の実施の形態では中間板310を用いているのに対し、本実施の形態は中間板310を用いないものである。
【0217】
支持部413Aは、図17に示す前記第11の実施の形態によるミラーデバイスの支持部93Aと同様の構造を基本構造とし、これに板ばね部の並列的な機械的接続構造も取り入れ、この構造を、ミラー2を傾動させるための駆動力としての静電力を各板ばね部401〜408のうちの所定のものに作用させるように、構成したものである。
【0218】
2つの板ばね部401,402と2つの板ばね部403,404とは機械的に並列的に接続され、2つの板ばね部405,406と2つの板ばね部407,408とは機械的に並列的に接続されているが、2つの板ばね部401,402及び2つの板ばね部403,404は図17中の板ばね部184,185にそれぞれ対応し、2つの板ばね部405,406及び2つの板ばね部407,408は図17中の板ばね部194,195にそれぞれ対応し、並列的な機械的接続関係を除くその他の機械的な接続関係、Al膜とSiN膜との上下関係、反り具合、長さの設定などは同様である。脚部431,432はそれぞれ図17中の脚部9に対応し、接続部433,435はそれぞれ図17中の接続部186に対応し、接続部437,439はそれぞれ図17中の接続部196に対応し、接続部10d,10eはそれぞれ図17中の接続部10に対応している。
【0219】
板ばね部401は、下側のSiN膜451と上側のAl膜452とが積層された2層の薄膜で構成されている。Al膜452は、これを有する板ばね部401に静電力を作用させるための電極となっている。脚部431は、板ばね部401を構成するSiN膜451及びAl膜452がそのまま延びることによって構成されている。Al膜452は、脚部431においてSiN膜451に形成された開口を介して配線パターン412aに電気的に接続されている。
【0220】
なお、板ばね部401のSiN膜451と、後述する板ばね部402,403,404のSiN膜454,455,458と、後述する接続部441を構成するSiN膜は、連続した1つのSiN膜となっているので、図27ではその連続した1つのSiN膜を符号498で示している。
【0221】
板ばね部402は、下側のAl膜453と上側のSiN膜454とが積層された2層の薄膜で構成されている。Al膜453は、これを有する板ばね部402に静電力を作用させるための電極となっている。接続部433はAl膜452,453が重なり合った部分となっており、接続部433においてSiN膜498に形成された開口434を介して、Al膜452,453間が電気的に接続されている。
【0222】
板ばね部403は、下側のSiN膜455と上側のAl膜456とが積層された2層の薄膜で構成されている。脚部432は、板ばね部403を構成するSiN膜455及びAl膜456がそのまま延びることによって構成されている。Al膜456は、脚部432においてSiN膜455に形成された開口を介して配線パターン412bに電気的に接続されている。
【0223】
板ばね部404は、下側のAl膜457と上側のSiN膜458とが積層された2層の薄膜で構成されている。Al膜457は、これを有する板ばね部404に静電力を作用させるための電極となっている。接続部435はAl膜456,457が重なり合った部分となっており、接続部435においてSiN膜498に形成された開口436を介して、Al膜456,457間が電気的に接続されている。
【0224】
板ばね部402における接続部433と反対側の端部と、板ばね部404における接続部435と反対側の端部とは、接続部441により機械的に接続されている。接続部441は、板ばね部402を構成するSiN膜454及び板ばね部404を構成するSiN膜458がそのまま延びることによって、平板状に構成されている。接続部441の全周に渡って立ち下がり部441aが形成され、これにより接続部441の剛性が高められている。
【0225】
板ばね部405は、下側のSiN膜461と上側のAl膜462とが積層された2層の薄膜で構成されている。Al膜462は、これを有する板ばね部405に静電力を作用させるための電極となっている。
【0226】
なお、板ばね部405のSiN膜461と、後述する板ばね部406,407,408のSiN膜464,465,468と、接続部442を構成するSiN膜は、連続した1つのSiN膜となっているので、図28ではその連続した1つのSiN膜を符号499で示している。
【0227】
板ばね部406は、下側のAl膜463と上側のSiN膜464とが積層された2層の薄膜で構成されている。接続部437はAl膜462,463が重なり合った部分となっており、接続部437においてSiN膜499に形成された開口438を介して、Al膜462,463間が電気的に接続されている。
【0228】
接続部10dは、SiN膜464に形成した開口を介して、板ばね部406のAl膜463上に固定され、ミラー2は、Al膜463に電気的に接続されている。これにより、ミラー2は、後述する板ばね部408が有する電極としてのAl膜467との間に静電力を生じさせる電極として、兼用されている。
【0229】
板ばね部407は、下側のSiN膜465と上側のAl膜466とが積層された2層の薄膜で構成されている。Al膜466は、これを有する板ばね部407に静電力を作用させるための電極となっている。
【0230】
板ばね部408は、下側のAl膜467と上側のSiN膜468とが積層された2層の薄膜で構成されている。Al膜467は、これを有する板ばね部408に静電力を作用させるための電極となっている。接続部439はAl膜466,467が重なり合った部分となっており、接続部439においてSiN膜499に形成された開口440を介して、Al膜466,467間が電気的に接続されている。
【0231】
接続部10eは、板ばね部408のSiN膜468上に固定されており、ミラー2は、SiN膜468によって、板ばね部408のAl膜467に対して電気的に絶縁されている。
【0232】
板ばね部405における接続部437と反対側の端部と、板ばね部407における接続部439と反対側の端部とは、接続部442により機械的に接続されている。接続部442は、板ばね部405を構成するSiN膜461及び板ばね部407を構成するSiN膜465がそのまま延びることによって、平板状に構成されている。接続部442の全周に渡って立ち下がり部442aが形成され、これにより接続部442の剛性が高められている。
【0233】
接続部441と接続部442とが間隔をあけて対向するように、接続部441と接続部442との間は、接続部443,444により機械的に接続されている。接続部443は、接続部442を構成するSiN膜及び板ばね部407を構成するAl膜466がそのまま延びることによって、構成されている。接続部441における接続部443の箇所には、板ばね部402を構成するAl膜453が延在している。接続部443においてSiN膜に形成された開口を介して、Al膜466,453間が電気的に接続されている。接続部444は、接続部442を構成するSiN膜及び板ばね部406を構成するAl膜462がそのまま延びることによって、構成されている。接続部441における接続部444の箇所には、板ばね部404を構成するAl膜457が延在している。接続部444においてSiN膜に形成された開口を介して、Al膜462,457間が電気的に接続されている。
【0234】
また、板ばね部401の電極としてのAl膜452の下方における対向箇所には、基板1上の絶縁膜411上に、Al膜452との間にそれぞれ静電力を生じさせる電極部としての、Al膜420が形成されている。Al膜420は、図示しない配線パターンを介して、配線パターン412bに対して電気的に接続されている。
【0235】
以上の説明からわかるように、配線パターン412aに対して、Al膜452,453,466,467が電気的に接続されており、これらが同電位となる。これとは電気的に独立して、配線パターン412bに対して、Al膜456,457,462,463、ミラー2及びAl膜420が電気的に接続されており、これらが同電位となる。
【0236】
各支持部413A〜413Cの配線パターン412aと配線パターン412bとの間には、それぞれ互いに独立して、任意のレベルの電圧(すなわち、駆動信号)を印加できるようになっている。
【0237】
本実施の形態では、例えば、各支持部413A〜413Cの配線パターン412bが接地され、各支持部413A〜413C毎に独立して、配線パターン412aに任意のレベルの電位を印加できるようになっている。
【0238】
今、支持部413Aにおいて、配線パターン412bの電位を0V、配線パターン412aの電位を+V2にしたとすると、前述した電気的な接続関係が構築されていることから、板ばね部401の電極としてのAl膜452(+V2)と基板1上の電極としてのAl膜420(0V)との間、板ばね部402の電極としてのAl膜453(+V2)と板ばね部405の電極としてのAl膜462(0V)との間、板ばね部404の電極としてのAl膜457(0V)と板ばね部407の電極としてのAl膜466(+V2)との間、及び、板ばね部408の電極としてのAl膜467(+V2)とミラー(0V)との間には、それぞれ電位差(電圧)+V2が印加される。
【0239】
したがって、板ばね部401と基板1との間に第1の静電力が作用し、板ばね部402と板ばね部405との間に第2の静電力が作用し、板ばね部404と板ばね部407との間に第3の静電力が作用し、板ばね部408とミラー2との間に第4の静電力が作用する。なお、図29及び図30において、静電力が作用する箇所を示す黒い矢印を付している。
【0240】
これらの静電力により、前記第13の実施の形態の場合と同様に各板ばね部401,402,404,405,407,408が間隔の狭い部分から順次引き寄せられていき、支持部413Aが変形していき、静電力と板ばね部401〜408のバネ力(復元力)が均衡すると、支持部413Aの変形が停止する。このとき、前述した機械的な接続関係から、同じ階層において互いに並列な関係にある一対の板ばね部(例えば、板ばね部401と板ばね部403、板ばね部405と板ばね部407など)は、同じように変形するので、支持部413Aが大きく捻れたり歪んだりするようなことはない。
【0241】
本実施の形態では、前述した各対向電極となる部分間の位置関係が必ずしも同一ではない(例えば、電極部453と電極部462の位置関係と電極部452と基板1上の電極420との位置関係は異なる)が、各板ばね部の幅を調整して対向電極となる部分の面積を適宜調整すれば、前記第14の実施の形態の場合と同様に、静電力による接続部付近での板ばね部の変形の状態をほぼ同じにすることは可能である。
【0242】
本実施の形態によるミラーデバイスが、前記第7の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法に準じた方法により製造することができることは、言うまでもない。
【0243】
本実施の形態によっても、前記第11の態様と同様の利点が得られる。また、本実施の形態では、前述した第1乃至第4の静電力が作用するので、基板1上の電極4a〜4cとミラー2との間で静電力が作用する前記第11の実施の形態に比べて、電極間距離を狭くすることができる。したがって、本実施の形態では、低電力でミラー2を駆動する(すなわち、傾ける)ことができる。
【0244】
さらに、本実施の形態によれば、静電力による接続部付近での板ばね部の変形の状態をほぼ同じにすることも可能であるので、接続部10d,10eに対する負担をほとんどなくすことも可能である。
【0245】
[第16の実施の形態]
【0246】
図32は、本発明の第16の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、下側(基板1側)の部分を模式的に示す概略平面図であり、図27に対応している。図33は、本発明の第16の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、上側(基板1と反対側)の部分(ミラー2を除く)を模式的に示す概略平面図であり、図28に対応している。図32及び図33中のX9−X10に沿った概略断面図及び図32及び図33中のX15−X16線に沿った概略断面図は、図29と同一となる。。図32及び図33中のX11−X12に沿った概略断面図及び図32及び図33中のX13−X14線に沿った概略断面図は、図30と同一となる。図32及び図33中のO−A線(図20中のO−A線に対応)に沿った概略断面図は、図31と同一となる。
【0247】
図32及び図33において、図27乃至図31中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0248】
本実施の形態が、前記第13の実施の形態と異なる所は、図20中の支持部3Aが図32及び図33に示す支持部513Aで置き換えられ、図20中の支持部3B,3Cが図32及び図33に示す支持部513Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点と、前記第15の実施の形態と同様に、基板1上の全面に渡りSiN等の絶縁膜411が形成され、絶縁膜411上に互いに電気的に絶縁された配線パターン412a,412b及び基板1側の電極としてのAl膜420などが形成されている点のみである。支持部513Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0249】
本実施の形態では、支持部513Aは、図32及び図33中のO−A線に沿って切断したときその一方側部分が、図27乃至図31に示す支持部413Aと実質的に同一の構造を持ち、他方側部分が、図27乃至図31に示す支持部413Aの鏡像体と実質的に同一の構造を持っている。
【0250】
本実施の形態によっても、前記第15の実施の形態と同様の利点を得ることができる。また、前記第15の実施の形態では、変形時に板ばね部401〜408に捻れ等が生ずる可能性を否めないが、本実施の形態では、対称性を持っているので、その捻れ等が生ずる可能性を払拭することができる。さらに、本実施の形態では、真ん中の板ばね部403,404,408,407の幅を、両側の板ばね部401,402,405,406の幅に対して相対的に適宜調整することによって、静電力による接続部付近での板ばね部の変形の状態をほぼ同じにすることができ、接続部10d,10eに対する負担をほとんどなくすことができる。
【0251】
[第17の実施の形態]
【0252】
図34は、本発明の第17の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、下側(基板1側)の部分を模式的に示す概略平面図であり、図36乃至図39中のR−S矢視図に相当している。図面表記の便宜上、図34において、一部の要素については想像線で示している。図35は、本発明の第17の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、上側(基板1と反対側)の部分(ミラー2を除く)を模式的に示す概略平面図であり、図36乃至図39中のT−U矢視図に相当している。図36は、図34及び図35中のX21−X22線に沿った概略断面図である。図37は、図34及び図35中のX23−X24線に沿った概略断面図である。図38は、図34及び図35中のX25−X26線に沿った概略断面図である。図39は、図34及び図35中のX27−X28線に沿った概略断面図である。図40は、図34及び図35中のY1−Y2線に沿った概略断面図である。
【0253】
図34乃至図40において、図20及び図21中の要素と同一又は対応する要素には同一符号を付し、その重複する説明は省略する。
【0254】
本実施の形態が、前記第13の実施の形態と異なる所は、図20中の支持部3Aが図34乃至図40に示す支持部613Aで置き換えられ、図20中の支持部3B,3Cが図34乃至図40に示す支持部613Aと同じ構造を持つ支持部(図示せず)でそれぞれ置き換えられている点と、基板1上の全面に渡りSiN等の絶縁膜611が形成され、絶縁膜611上に互いに電気的に絶縁された配線パターン612a〜612d及び基板1側の電極としてのAl膜620a,620b,620dなどが形成されている点のみである。支持部613Aは薄膜弾性構造体を構成している。
【0255】
支持部613Aは、基本的に図17に示す前記第11の実施の形態によるミラーデバイスの支持部93Aと同様の構造を持ち、この構造を、ミラー2を傾動させるための駆動力としての静電力を各板ばね部614,615,624,625に作用させるように、変形したものである。
【0256】
板ばね部614,615,624,625は、図17中の板ばね部184,185,194,195にそれぞれ対応しており、機械的な接続関係、Al膜とSiN膜との上下関係、反り具合、長さの設定などは同様である。Al膜は導電性薄膜である。両者が主として異なる所は、各板ばね部614,615,624,625の各一部を構成する各Al膜が幅方向に4分割されている点と、これに伴い、図17中の脚部9に対応する4つの脚部9a〜9d、図17中の接続部186に対応する4つの接続部646a〜646d、図17中の接続部196に対応する4つの接続部656a〜656d、及び、図17中の接続部10に対応する4つの接続部10a〜10dが設けられている点と、板ばね部615,624の端部同士の接続の点である。
【0257】
板ばね部614は、下側のSiN膜661と上側の4分割されたAl膜662a〜662dとが積層された2層(ただし、Al膜662a〜662dが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。
【0258】
脚部9aは、板ばね部614を構成するSiN膜661及びAl膜662aがそのまま延びることによって構成されている。Al膜662aは、脚部9aにおいてSiN膜661に形成された開口を介して配線パターン612aに電気的に接続されている。脚部9bは、板ばね部614を構成するSiN膜661及びAl膜662bがそのまま延びることによって構成されている。Al膜662bは、脚部9bにおいてSiN膜661に形成された開口を介して配線パターン612bに電気的に接続されている。脚部9cは、板ばね部614を構成するSiN膜661及びAl膜662cがそのまま延びることによって構成されている。Al膜662cは、脚部9cにおいてSiN膜661に形成された開口を介して配線パターン612cに電気的に接続されている。脚部9dは、板ばね部614を構成するSiN膜661及びAl膜662dがそのまま延びることによって構成されている。Al膜662dは、脚部9dにおいてSiN膜661に形成された開口を介して配線パターン612dに電気的に接続されている。
【0259】
Al膜662a,662b,662dは、これらを有する板ばね部614に静電力を作用させるための電極となっている。Al膜662cは、ミラー2の電位を所定電位にするための単なる配線パターンとなっている。
【0260】
なお、板ばね部614のSiN膜661と、後述する板ばね部615のSiN膜664と、後述する接続部696を構成するSiN膜は、連続した1つのSiN膜となっているので、図34ではその連続した1つのSiN膜を符号605で示している。
【0261】
板ばね部615は、下側の4分割されたAl膜663a〜663dと上側のSiN膜664とが積層された2層(ただし、Al膜663a〜663dが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。接続部646aはAl膜662a,663aが重なり合った部分となっており、接続部646aにおいてSiN膜605に形成された開口647aを介して、Al膜662a,663a間が電気的に接続されている。接続部646bはAl膜662b,663bが重なり合った部分となっており、接続部646bにおいてSiN膜605に形成された開口647bを介して、Al膜662b,663b間が電気的に接続されている。接続部646cはAl膜662c,663cが重なり合った部分となっており、接続部646cにおいてSiN膜605に形成された開口647cを介して、Al膜662c,663c間が電気的に接続されている。接続部646dはAl膜662d,663dが重なり合った部分となっており、接続部646dにおいてSiN膜605に形成された開口647dを介して、Al膜662d,663d間が電気的に接続されている。
【0262】
Al膜663a,663b,663dは、これらを有する板ばね部615に静電力を作用させるための電極となっている。Al膜663cは、ミラー2を所定電位にするための単なる配線パターンとなっている。
【0263】
板ばね部615における接続部646a〜646dと反対側の端部には、接続部696が機械的に接続されている。接続部696は、板ばね部615を構成するSiN膜664がそのまま延びることによって、平板状に構成されている。接続部696の全周に渡って立ち下がり部696aが形成され、これにより接続部696の剛性が高められている。
【0264】
板ばね部624は、下側のSiN膜665と上側の4分割されたAl膜666a〜666dとが積層された2層(ただし、Al膜666a〜666dが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。Al膜666a,666b,666dは、これらを有する板ばね部624に静電力を作用させるための電極となっている。Al膜666cは、ミラー2の電位を所定電位にするための単なる配線パターンとなっている。
【0265】
板ばね部625は、下側の4分割されたAl膜667a〜667dと上側のSiN膜668とが積層された2層(ただし、Al膜667a〜667dが形成されていない箇所は1層)の薄膜で構成されている。Al膜667a,667b,667dは、これらを有する板ばね部625に静電力を作用させるための電極となっている。Al膜667cは、ミラー2の電位を所定電位にするための単なる配線パターンとなっている。
【0266】
接続部656aはAl膜666a,667aが重なり合った部分となっており、接続部656aにおいてSiN膜605に形成された開口657aを介して、Al膜666a,667a間が電気的に接続されている。接続部656bはAl膜666b,667bが重なり合った部分となっており、接続部656bにおいてSiN膜605に形成された開口657bを介して、Al膜666b,667b間が電気的に接続されている。接続部656cはAl膜666c,667cが重なり合った部分となっており、接続部656cにおいてSiN膜605に形成された開口657cを介して、Al膜666c,667c間が電気的に接続されている。接続部656dはAl膜666d,667dが重なり合った部分となっており、接続部656dにおいてSiN膜605に形成された開口657dを介して、Al膜666d,667d間が電気的に接続されている。
【0267】
接続部10a,10b,10dは、板ばね部625のSiN膜668上にそれぞれ固定されており、ミラー2は、SiN膜668によって、板ばね部625のAl膜667a,667b,667dに対してそれぞれ電気的に絶縁されている。一方、接続部10cは、SiN膜668に形成した開口を介して、板ばね部625のAl膜667c上に固定され、ミラー2は、Al膜667cに電気的に接続されている。これにより、ミラー2は、板ばね部625が有する電極としてのAl膜667a,667b,667dとの間に静電力を生じさせる電極として、兼用されている。
【0268】
板ばね部624における接続部656a〜656dと反対側の端部には、接続部697が機械的に接続されている。接続部697は、板ばね部624を構成するSiN膜665がそのまま延びることによって、平板状に構成されている。接続部697の全周に渡って立ち下がり部697aが形成され、これにより接続部697の剛性が高められている。
【0269】
接続部696と接続部697とが間隔をあけて対向するように、接続部696と接続部697との間は、接続部681〜684により機械的に接続されている。接続部681は、接続部697を構成するSiN膜及び板ばね部624を構成するAl膜666aがそのまま延びることによって、構成されている。接続部696における接続部681の箇所には、板ばね部615を構成するAl膜663bが延在している。接続部681においてSiN膜に形成された開口を介して、Al膜666a,663b間が電気的に接続されている。
【0270】
接続部682は、接続部697を構成するSiN膜及び板ばね部624を構成するAl膜666cがそのまま延びることによって、構成されている。接続部696における接続部682の箇所には、板ばね部615を構成するAl膜663cが延在している。接続部682においてSiN膜に形成された開口を介して、Al膜666c,663c間が電気的に接続されている。
【0271】
接続部683は、接続部697を構成するSiN膜及び板ばね部624を構成するAl膜666bがそのまま延びることによって、構成されている。接続部696における接続部683の箇所には、板ばね部615を構成するAl膜663a,663dが延在している。接続部683においてSiN膜に形成された開口を介して、Al膜666b,663a,663d間が電気的に接続されている。
【0272】
接続部684は、接続部697を構成するSiN膜及び板ばね部624を構成するAl膜666dがそのまま延びることによって、構成されている。接続部696における接続部684の箇所には、板ばね部615を構成するAl膜663bが延在している。接続部684においてSiN膜に形成された開口を介して、Al膜666d,663b間が電気的に接続されている。
【0273】
また、板ばね部614の電極としてのAl膜662a,662b,662dの下方における対向箇所には、基板1上の絶縁膜611上に、Al膜662a,662b,662dとの間にそれぞれ静電力を生じさせる電極部としての、Al膜620a,620b,620dがそれぞれ形成されている。Al膜620a,620b,620dは、図示しない配線パターンを介して、配線パターン612cに対して電気的に接続されている。
【0274】
以上の説明からわかるように、配線パターン612a,612dに対して、Al膜662a,663a,662d,663d,667b,666bが電気的に接続されており、これらが同電位となる。これとは電気的に独立して、配線パターン612bに対して、Al膜662b,663b,666a,667a,666d,667dが電気的に接続されており、これらが同電位となる。これらとは電気的に独立して、配線パターン612cに対して、Al膜662c,663c,666c,667c、ミラー2及び基板1上のAl膜620a,620b,620dが電気的に接続されており、これらが同電位となる。
【0275】
各支持部613A〜613Cの配線パターン612a(及び612d)と配線パターン612bには、支持部613A〜613C毎に互いに独立して、配線パターン612cを基準(0V)として、それぞれ正負の任意のレベルの電位を印加することができるようになっている。
【0276】
今、支持部613Aにおいて、配線パターン612cの電位を0V、配線パターン612a,612dの電位を+V3、配線パターン612bの電位を−V3にしたとすると、前述した電気的な接続関係が構築されていることから、板ばね部614のAl膜662a,662b,662dと基板1上のAl膜620a,620b,620dとの間にそれぞれ電位差V3が印加されて、板ばね部614と基板1との間に第1の静電力が作用する。また、板ばね部615のAl膜663a,663b,663dと板ばね部624のAl膜666a,666b,666dとの間にそれぞれ電位差2V3が印加されて、板ばね部615と板ばね部624との間に第2の静電力が作用する。さらに、板ばね部625のAl膜667a,667b,667dとミラー2との間にそれぞれ電位差V3が印加されて、板ばね部625とミラー2との間に第3の静電力が作用する。
【0277】
ところで、図36乃至図38からもわかるように、板ばね部614の電極としてのAl膜662a,662b,662dと基板1上の電極としてのAl膜620a,620b,620dとの間の距離と、板ばね部625の電極としてのAl膜667a,667b,667dとミラー2との間の距離とは、ほぼ等しい。そして、板ばね部615の電極としてのAl膜663a,663b,663dと板ばね部624の電極としてのAl膜666a,666b,666dとの間の距離は、前記距離のほぼ2倍である。ところが、前記第1及び第3の静電力が電位差V3によるものであるのに対し、前記第2の静電力がその2倍の電位差2V3によるものであるため、距離の効果と電位差による効果とが相殺され、第1乃至第3の静電力はほぼ等しくなる。したがって、各板ばね部614,615,624,625に作用する静電力はほぼ等しくなり、その結果、ミラー2の接続部10a〜10dに対する負担はほとんどなくなる。
【0278】
したがって、本実施の形態によれば、前記第14の実施の形態と同様の利点が得られる。
【0279】
[第18の実施の形態]
【0280】
図19は、本発明の第18の実施の形態による光スイッチを示す概略構成図である。
【0281】
本実施の形態による光スイッチは、前述した第1乃至第17の実施の形態のいずれかであるミラーデバイス200を含み、2次元配置された複数の光入力用光ファイバ201から出射された光を複数の光出力用光ファイバ202のいずれかに入射させる。
【0282】
複数の光入力用光ファイバ201から出射された光は、ミラーデバイス200の各素子のミラー2へそれぞれ入射される。その入射のために、必要に応じて、複数の光入力用光ファイバ201とミラーデバイス200との間にレンズ等の光学系を配置してもよい。
【0283】
ミラーデバイス200は、光路切り換え状態を指令する制御信号に応じて、各素子の電極としてのミラー2と電極4a,4b,4cとの間に駆動信号(本実施の形態では、電位差)が与えられ、この駆動信号により応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾く。その結果、ミラー2で反射された後の光の進行方向が偏向され、該当する個所の光出力用光ファイバ202へ入射される。図19において、P1はある光入力用光ファイバ201からある素子のミラー2へ入射される入力光、P2は当該ミラー2で反射されてある光出力用光ファイバ202へ入射される出力光を示してる。
【0284】
本実施の形態によれば、前述した第1乃至第12の実施の形態のいずれかであるミラーデバイス200が用いられているので、入力光路と同数のミラー2で多くの出力光路に切り換えることができ、例えば、1000個のミラー2で1000個の入力光路を1000個の出力光路に切り換えることができる。したがって、本実施の形態によれば、ミラー2の数が少なくてすむため、前述した従来のMEMS技術を利用した機械式光スイッチに比べて、小型化及び量産性が大幅に向上する。勿論、ミラー2を利用して光路を切り換えるので、電子式光スイッチに比べて、挿入損失やクロストークなどの光学特性に優れている。
【0285】
以上、本発明の各実施の形態について説明したが、本発明はこれらの実施の形態に限定されるものではない。
【0286】
例えば、前述した各実施の形態では、支持機構が複数の支持部を有する場合、これらの支持部が全て同じ構造を有していたが、各支持部は必ずしも同じ構造を有している必要はない。
【0287】
また、本発明による薄膜弾性構造体の用途は、ミラーデバイスに限定されるものではない。さらに、本発明によるミラーデバイスの用途は、光スイッチに限定されるものではない。
【0288】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ミラーを利用して光路を切り換えることにより優れた光学特性を保ちながら、小型化及び量産性をより一層向上させることができる光スイッチを提供することができる。
【0289】
また、本発明は、このような光スイッチなどに適したミラーデバイス並びに薄膜弾性構造体及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。
【図2】図1中のO−A線に沿った概略断面図である。
【図3】図1中のO−D線に沿った概略断面図である。
【図4】図4は、本発明の第1の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略断面図である。
【図10】本発明の第6の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図である。
【図11】本発明の第7の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略断面図である。
【図12】図11中のE−F矢視図である。
【図13】本発明の第7の実施の形態によるミラーデバイスの製造方法の各工程をそれぞれ模式的に示す概略断面図である。
【図14】本発明の第8の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部を模式的に示す概略平面図である。
【図15】本発明の第9の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部を模式的に示す概略平面図である。
【図16】図16は、本発明の第10の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部を模式的に示す概略断面図である。
【図17】本発明の第11の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部を模式的に示す概略断面図である。
【図18】本発明の第12の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の支持部を模式的に示す概略平面図である。
【図19】本発明の第13の実施の形態による光スイッチを示す概略構成図である。
【図20】本発明の第13の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子を模式的に示す概略平面図である。
【図21】図20中のO−A線に沿った概略断面図である。
【図22】本発明の第14の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、中間板及びそれより下側の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図23】本発明の第14の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、中間板より上側の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図24】図22及び図23中のX1−X2線に沿った概略断面図である。
【図25】図22及び図23中のO−A線に沿った概略断面図である。
【図26】図22及び図23中のX3−X4線に沿った概略断面図である。
【図27】本発明の第15の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、下側の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図28】本発明の第15の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、上側の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図29】図27及び図28中のX5−X6線に沿った概略断面図である。
【図30】図27及び図28中のO−A線(図20中のO−A線に対応)に沿った概略断面図である。
【図31】図27及び図28中のX7−X8線に沿った概略断面図である。
【図32】本発明の第16の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、下側(基板1側)の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図33】本発明の第16の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、上側の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図34】本発明の第17の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、下側の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図35】本発明の第17の実施の形態によるミラーデバイスの単位素子の、上側の部分を模式的に示す概略平面図である。
【図36】図34及び図35中のX21−X22線に沿った概略断面図である。
【図37】図34及び図35中のX23−X24線に沿った概略断面図である。
【図38】図34及び図35中のX25−X26線に沿った概略断面図である。
【図39】図34及び図35中のX27−X28線に沿った概略断面図である。
【図40】図34及び図35中のY1−Y2線に沿った概略断面図である。
【符号の説明】
1 基板
2 ミラー
3A,3B,3C 支持部
4A,4B,4C 電極
5 板ばね部
9 脚部
10 接続部
200 ミラーデバイス
201 光入力用光ファイバ

Claims (36)

  1. 基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、
    前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、
    前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、
    前記各支持部の前記複数の板ばね部のうちの2つ以上の板ばね部は、互いに機械的に直列に接続され、
    前記各支持部の前記2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、一端部が前記脚部を介して前記基体に機械的に接続された前記板ばね部は、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、前記基体と反対側へ反ることを特徴とするミラーデバイス。
  2. 前記少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部は、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、前記基体側へ反ることを特徴とする請求項記載のミラーデバイス。
  3. 前記ミラーは、前記各支持部の前記複数の板ばね部を介してのみ、前記基体に対して支持されたことを特徴とする請求項1又は2記載のミラーデバイス。
  4. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記脚部が1層以上の薄膜で構成されたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のミラーデバイス。
  5. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの他端部に相当する板ばね部の一端部は、当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して、前記ミラーに機械的に接続されたことを特徴とする請求項乃至4のいずれかに記載のミラーデバイス。
  6. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部の端部同士の機械的な接続のうち、少なくとも一対の板ばね部の端部同士の機械的な接続は、前記基体側の板ばね部の端部がこの端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して前記ミラー側の板ばね部の端部に機械的に接続されることにより行われたことを特徴とする請求項乃至5のいずれかに記載のミラーデバイス。
  7. 前記接続部が1層以上の薄膜で構成されたことを特徴とする請求項5又は6記載のミラーデバイス。
  8. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部が全体としてなす形状が、全体を同じ方向から見た側面視であるいは各部分ごとに適宜の所定方向から見た側面視で、「く」の字状、「く」の字状の連続形状又はジグザグ状であることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載のミラーデバイス。
  9. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部の各々が、前記基体の面の法線方向から見た平面視で直線状に構成され、
    前記少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部が全体としてなす形状が、全体を同じ方向から見た側面視であるいは各部分ごとに適宜の所定方向から見た側面視で、「く」の字状又は「く」の字状の連続形状であり、
    前記少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部における前記側面視で「く」の字状をなす各部分が、前記基体の面の法線方向から見た平面視でそれぞれ一直線状をなすことを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載のミラーデバイス。
  10. 前記少なくとも1つの支持部において、一端部が前記ミラーに機械的に接続された板ばね部の当該一端部、及び、前記少なくとも1つの支持部において前記2つ以上の板ばね部がなす前記側面視の形状の折り返し点部に相当する板ばね部の端部が、前記基体の面と略々平行となるように、前記2つ以上の板ばね部の各々の反り方向及び長さが設定されたことを特徴とする請求項又は記載のミラーデバイス。
  11. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記2つ以上の板ばね部が全体としてなす形状が、前記基体の面の法線方向から見た平面視で任意形状となる螺旋状であることを特徴とする請求項乃至のいずれかに記載のミラーデバイス。
  12. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、一端部が前記脚部を介して前記基体に機械的に接続された板ばね部の当該一端部と、一端部が前記ミラーに機械的に接続された板ばね部の当該一端部とが、前記基体の面の法線方向から見た平面視で、略々同じ位置に位置することを特徴とする請求項乃至11のいずれかに記載のミラーデバイス。
  13. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、一端部が前記ミラーに機械的に接続された板ばね部の当該一端部が、前記基体の面と略々平行となるように、前記2つ以上の板ばね部の各々の反り方向及び長さが設定されたことを特徴とする請求項乃至12のいずれかに記載のミラーデバイス。
  14. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部は、前記ミラーの前記基体側を支持することを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載のミラーデバイス。
  15. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部は、前記ミラーの側から前記基体を見た平面視で当該支持機構の少なくとも大部分が前記ミラーに隠れる位置に、配置されたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれかに記載のミラーデバイス。
  16. Nを3以上の整数として、前記1つ以上の支持部の数がNであり、当該N個の支持部は、前記ミラーの中心を中心とする所定半径の円上において360゜/Nの角度をなす前記ミラーのN個の箇所の付近をそれぞれ支持することを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のミラーデバイス。
  17. 前記1つ以上の支持部の数が1又は2であり、当該1個又は2個の支持部の前記板ばね部の撓み及び捻れによって、前記ミラーが任意の方向に傾動可能であることを特徴とする請求項1乃至15のいずれかに記載のミラーデバイス。
  18. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有することを特徴とする請求項1乃至17のいずれかに記載のミラーデバイス。
  19. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有し、
    前記少なくとも1つの板ばね部が有する前記電極部との間に前記静電力を生じさせる電極部が、前記ミラーと兼用されるかあるいは前記ミラーに設けられたことを特徴とする請求項1乃至18のいずれかに記載のミラーデバイス。
  20. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有し、
    前記少なくとも1つの板ばね部が有する前記電極部との間に前記静電力を生じさせる電極部が、前記基体と兼用されるかあるいは前記基体に対して固定されたことを特徴とする請求項1乃至19のいずれかに記載のミラーデバイス。
  21. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、
    前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、
    前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極と前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に、前記駆動信号に応じた静電力が作用することを特徴とする請求項1乃至20のいずれかに記載のミラーデバイス。
  22. 前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの、少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、
    前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、
    板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部の互いに機械的に接続された端部に対して機械的に接続されて、当該一方の板ばね部と当該他方の板ばね部との間に介在し、
    前記板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるとともに、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を、有することを特徴とする請求項1乃至21のいずれかに記載のミラーデバイス。
  23. 前記ミラー及び前記支持機構を1個の素子として当該素子を複数個有し、当該素子が1次元状又は2次元状に配列されたことを特徴とする請求項1乃至22のいずれかに記載のミラーデバイス。
  24. 基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、
    前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、
    前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された1つ以上の板ばね部を有し、
    前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記ミラーは、前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部を介してのみ、前記基体に対して支持され、
    前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有し、
    前記少なくとも1つの板ばね部が有する前記電極部との間に前記静電力を生じさせる電極部が、前記ミラーと兼用されるかあるいは前記ミラーに設けられたことを特徴とするミラーデバイス。
  25. 基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、
    前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、
    前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された1つ以上の板ばね部を有し、
    前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記ミラーは、前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部を介してのみ、前記基体に対して支持され、
    前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、
    前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、
    前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極と前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に、前記駆動信号に応じた静電力が作用することを特徴とするミラーデバイス。
  26. 基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、
    前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、
    前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された1つ以上の板ばね部を有し、
    前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記ミラーは、前記各支持部の前記1つ以上の板ばね部を介してのみ、前記基体に対して支持され、
    前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記1つ以上の板ばね部のうちの少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、
    前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、
    板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部の互いに機械的に接続された端部に対して機械的に接続されて、当該一方の板ばね部と当該他方の板ばね部との間に介在し、
    前記板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるとともに、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を、有することを特徴とするミラーデバイス。
  27. 基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、
    前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、
    前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、
    前記各支持部の前記複数の板ばね部のうちの2つ以上の板ばね部は、互いに機械的に直列に接続され、
    前記各支持部の前記2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を有し、
    前記少なくとも1つの板ばね部が有する前記電極部との間に前記静電力を生じさせる電極部が、前記ミラーと兼用されるかあるいは前記ミラーに設けられたことを特徴とするミラーデバイス。
  28. 基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮 いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、
    前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、
    前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、
    前記各支持部の前記複数の板ばね部のうちの2つ以上の板ばね部は、互いに機械的に直列に接続され、
    前記各支持部の前記2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、
    前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、
    前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極と前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に、前記駆動信号に応じた静電力が作用することを特徴とするミラーデバイス。
  29. 基体と、ミラーと、該ミラーを前記基体に対して前記基体から浮いた状態にかつ任意の方向に傾動可能に弾性支持する支持機構とを備え、供給される駆動信号に応じた方向及び傾き量で前記ミラーが前記基体に対して傾くミラーデバイスであって、
    前記支持機構は、前記基体と前記ミラーとの間を機械的に接続する1つ以上の支持部を有し、
    前記各支持部は、1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、
    前記各支持部の前記複数の板ばね部のうちの2つ以上の板ばね部は、互いに機械的に直列に接続され、
    前記各支持部の前記2つ以上の板ばね部がなす機械的な接続ルートの一端部に相当する板ばね部の一端部は、前記基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記1つ以上の支持部のうちの少なくとも1つの支持部において、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも一対の板ばね部は、端部同士が機械的に接続されて、互いに対向し、
    前記少なくとも一対の板ばね部は、当該板ばね部に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部をそれぞれ有し、
    板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部の互いに機械的に接続された端部に対して機械的に接続されて、当該一方の板ばね部と当該他方の板ばね部との間に介在し、
    前記板状部が、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの一方の板ばね部の前記電極との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるとともに、前記少なくとも一対の板ばね部のうちの他方の板ばね部の前記電極部との間に前記駆動信号に応じた静電力を作用させるための電極部を、有することを特徴とするミラーデバイス。
  30. 1つ以上の光入力部から出射された光を複数の光出力部のいずれかに入射させる光スイッチにおいて、
    請求項1乃至29のいずれかに記載のミラーデバイスを含み、
    前記1つ以上の光入力部から出射された光が、前記ミラーデバイスの前記ミラーで反射された後に、前記複数の光出力部のいずれかに入射することを特徴とする光スイッチ。
  31. 1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、前記複数の板ばねが全体として1つの弾性体をなすように機械的に接続された薄膜弾性構造体であって、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して、他の少なくとも1つの板ばね部の一端部に機械的に接続され、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部が前記基体と反対側に反り、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部が前記基体側に反り、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部は駆動信号が供給されることにより変形し、
    一端部が前記脚部を介して前記基体に機械的に接続された前記板ばね部は、少なくとも前記駆動信号が供給されていない状態において、前記基体と反対側へ反ることを特徴とする薄膜弾性構造体。
  32. 1層以上の薄膜で構成された複数の板ばね部を有し、前記複数の板ばねが全体として1つの弾性体をなすように機械的に接続された薄膜弾性構造体であって、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、基体から立ち上がる立ち上がり部を持つ脚部を介して前記基体に機械的に接続され、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部の一端部は、当該一端部から立ち上がる立ち上がり部を持つ接続部を介して、他の少なくとも1つの板ばね部の一端部に機械的に接続され、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部が前記基体と反対側に反り、
    前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部が前記基体側に反り、
    一端部が前記脚部を介して前記基体に機械的に接続された前記板ばね部は、前記薄膜の成膜時のストレスによって前記基体と反対側へ反ったことを特徴とする薄膜弾性構造体。
  33. 前記複数の板ばね部は、2層以上の薄膜で構成されたことを特徴とする請求項31又は32記載の薄膜弾性構造体。
  34. 前記複数の板ばね部が全体としてなす形状が、全体を同じ方向から見た側面視であるいは各部分ごとに適宜の所定方向から見た側面視で、「く」の字状、「く」の字状の連続形状又はジグザグ状であることを特徴とする請求項31乃至33のいずれかに記載の薄膜弾性構造体。
  35. 前記複数の板ばね部が全体としてなす形状が、前記基体の面の法線方向から見た平面視で任意形状となる螺旋状であることを特徴とする請求項31乃至34のいずれかに記載の薄膜弾性構造体。
  36. 請求項31乃至35のいずれかに記載の薄膜弾性構造体を製造する製造方法であって、
    基体上に形成された犠牲層上に、前記複数の板ばね部のうちの少なくとも1つの板ばね部となるべき薄膜を形成する工程であって、当該薄膜の周囲の犠牲層を除去した際に当該薄膜が反る条件で、当該薄膜を形成する工程と、
    前記犠牲層を除去する工程とを備えたことを特徴とする製造方法。
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