JP3724281B2 - 電子楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術の分野】
本発明は、鍵やパネルスイッチ等の操作子を備えた電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、鍵やインストルメンタルキーやパネルスイッチ等の操作子を備えた鍵盤装置等の電子楽器が知られている。この電子楽器では、可動部と固定部とで接点スイッチ等の操作検出部を構成し、操作子の操作で可動部を押下することにより接点がオンして押鍵動作等の操作子操作を検出するようにしている。この電子楽器では、これら操作子の操作感触を良好にするべく、各種工夫がなされている。
【0003】
例えば第1の従来の電子楽器では、膨出した可動部の下面に設けた可動接点とこれに対応する固定接点とでドーム型の接点スイッチを構成し、操作子が可動部を押下して可動部を座屈させることにより、適当なクリック感を得るようにしている。
【0004】
また、第2の従来の電子楽器では、押鍵操作に伴い鍵に当接する弾性椀状部材を設け、弾性椀状部材が押鍵によって押圧されて変形し、その押圧力(反力)がストロークに応じて変化することを利用し、クリック感等のピアノのタッチ感触を得るようにしている。
【0005】
また、第3の従来の電子楽器では、ローラ状のアクチュエータと、凹凸面を形成した弾性部材とを設け、上記ローラ状のアクチュエータが弾性部材上を押鍵に連動して圧接しながら転動することにより、ピアノの鍵タッチに似た感触を得るようにしている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記第1、第2の従来の電子楽器では、押鍵時の荷重特性が、主として可動部の座屈による反力変化や弾性椀状部材の変形による押圧力の変化に依存するため、押鍵反力を繊細に制御することは困難であるという問題があった。
【0007】
また、上記第3の従来の電子楽器では、転動面の形状の設定により押鍵時の荷重特性を詳細に規定することが可能であるが、転動部がローラ状であり、転動面との摩擦が小さいため、押鍵の復行程においても往行程とほぼ同じ方向の反力しか発生しない。従って、往復間にヒステリシスを考慮したものではなく、往復全行程に亘る適切な押鍵反力を設定する上で改善の余地があった。
【0008】
本発明は上記従来技術の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、操作子の操作行程において操作子に掛かる反力が操作検出部の摺動面の凹凸形状によって変化するようにして、簡単な構成で、操作子に適した荷重特性を設定することができ、良好な操作感触を得ることができる電子楽器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明の請求項1の電子楽器は、操作子と、該操作子に連動するアクチュエータ部と、弾性部材で構成された摺動面を有する可動部を備え該可動部が前記操作子に連動する前記アクチュエータ部によって押下されることにより前記操作子の操作を検出する操作検出部とを備えた電子楽器であって、前記アクチュエータ部及び前記操作検出部の前記可動部が互いに摺接した場合に摩擦力が発生するように構成されると共に、前記可動部の前記摺動面には凹凸が設けられ、前記アクチュエータ部は、前記操作子の押離操作によって、前記可動部の前記摺動面に対して往復摺動するように構成され、前記操作子の操作によって、前記可動部の前記摺動面上を、該摺動面の前記凹凸に沿って前記アクチュエータ部が摺動しながら前記可動部を押圧するとき、前記摺動面からの前記アクチュエータ部への抗力の向きが前記凹凸によって変化していくことで、前記アクチュエータ部を介して前記操作子に掛かる荷重が変化するように構成されたことを特徴とする。
【0010】
請求項1の電子楽器によれば、可動部からアクチュエータ部に掛かる摩擦力と法線方向の抗力との合力の方向が、摺動面の凹凸形状によって随時変化する。従って、操作子の操作行程において操作子に掛かる反力が凹凸形状によって変化する。また、操作子の操作によって、アクチュエータ部が可動部を押下するので、操作子の操作が検出される。よって、凹凸形状の設定により荷重の変化態様を適当に設定することができるので、良好な操作感触を得ることができる。例えば鍵盤装置の鍵に応用すれば、レットオフを含む良好な押鍵感触を得ると共に良好な連打性を得ることが可能になる。
また、弾性部材で構成した可動部の摺動面は、アクチュエータ部が摺動する時において弾性変形し、凹凸による荷重変化が時間的に後方にずれる。よって、荷重のピーク位置を往/復でずらす等、荷重発生位置に適当なヒステリシスを設けることで、荷重特性をより適切に設定することができ、より良好な操作感触を得ることができる。例えば鍵盤装置の鍵に応用すれば、往/復に亘ってグランドピアノの場合等の複雑な押鍵荷重曲線に近づけることができ、より所望の押鍵感触を設定することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0014】
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る電子楽器における鍵及びスイッチ部近傍の部分断面図である。本装置は、電子鍵盤楽器として構成され、鍵1(操作子)と、鍵1の押鍵操作を検出するためのスイッチ部3(操作検出部)とを含む。
【0015】
鍵1は、鍵回動支点PKを中心として押離鍵方向(上下方向)に回動自在に支持される。鍵1にはアクチュエータ2が設けられる。アクチュエータ2は、例えば弾性の小さい合成樹脂で形成されている。
【0016】
アクチュエータ2の下方には、スイッチ部3が設けられる。スイッチ部3は、例えば1メイク式の接点スイッチであり、可動部3a及び固定部3bから成る。可動部3aは、押下されたとき、スカート部3eが撓んでスイッチ回動支点PSを中心として回動するように支持されている。可動部3aの下面には可動接点3fが設けられ、該可動接点3fに対応して固定部3bに固定接点3gが設けられる。可動接点3fが固定接点3gに当接することで、鍵1の押鍵動作が検出され、検出信号が楽音制御に供される。
【0017】
可動部3aは合成樹脂で形成され、可動部3aの上部には、凹部3dが設けられている。凹部3dは、可動部3aの鍵並び方向における全幅に亘ってU字溝状に形成されている。可動部3aの上部には、適当な摩擦係数及び弾性を有するラバー3arが凹部3dを含みほぼ全面を覆って貼着されており、このラバー3arの上面が、鍵1のアクチュエータ2と摺接する摺動面3cとなっている。
【0018】
スイッチ部3は、鍵1に対して所定の傾斜角をもって配置され、同図では右下がりに傾斜している。この傾斜角は、鍵1の押鍵によりアクチュエータ2がスイッチ部3の摺動面3cと摺接すると共に、可動部3aが下方に変位して接点がオンされるように設定されている。同図は、アクチュエータ2が可動部3aに対して摺動している状態を示しており、摺動時におけるアクチュエータ2と可動部3aとの当接点を当接点Oで表す。
【0019】
図2は、アクチュエータ2と可動部3aとの摺動による反力発生のメカニズムを示した図である。同図(a)は、アクチュエータ2と可動部3aとの当接点Oの変位を示す。同図(b)は、摺動摩擦力及び法線抗力とそれらの合力との関係を示す図である。同図(c)は、合力と分力との関係を示す図である。各図は、摺動面3cのうち凹部3d等を含まない平坦な部分をアクチュエータ2がトレースしている場合を示す。
【0020】
同図(a)に示すように、可動部3aが、ある初期位置から角度θだけ回動するまで(摺動面3c1から摺動面3c2へと回動するまで)の当接点Oの変位を考える。可動部3a上の初期位置における当接点Oは、スイッチ回動支点PSを中心とした角度θの回動後、点OSに移動する。一方、アクチュエータ2上の初期位置における当接点Oは、鍵回動支点PKを中心とした回動後、点OKに移動する。従って、可動部3aが角度θ回動する間に、アクチュエータ2は可動部3aの摺動面3cをOS―OK間の距離だけ摺動することになる。
【0021】
上述したようにラバー3crは摩擦係数を有するから、アクチュエータ2が可動部3aに対して摺動するとき、同図(b)に示すように、接線方向における摩擦力Q(Q1、Q2)が発生する。摩擦力Qは、摺動を妨げる方向に発生する反力であり、摩擦力Q1は、押鍵の往行程(アクチュエータ2が同図右下方に摺動する行程)において同図左上方向に働き、摩擦力Q2は復行程(アクチュエータ2が同図左上方に摺動する行程)において同図右下方向働く。また、往復両行程において、当接点Oにおける法線方向には抗力Nが生じる。
【0022】
同図(b)に示すように、往行程では摩擦力Q1と抗力Nとの合力として合力F1が生じ、復行程では摩擦力Q2と抗力Nとの合力として合力F2が生じる。合力F1と合力F2とでは、方向が異なっている。
【0023】
次に、合力Fがアクチュエータ2を介して鍵1にどのように作用するかを考える。同図(c)に示すように、鍵回動支点PK方向への分力とこれと直交する方向への分力とに合力Fを分ける。往行程では、合力F1は鍵回動支点PK方向への分力F12とこれと直交する方向への分力F11とに分けられ、復行程では、合力F2は鍵回動支点PK方向への分力F22とこれと直交する方向への分力F21とに分けられる。ここで、鍵回動支点PK方向への分力F12、F22は鍵1の回動力に影響しないから、結局、鍵1の押離鍵方向への回動に関与する反力は分力F11、F21だけとなる。
【0024】
すなわち、押鍵行程(往行程)では、摩擦力Q1と抗力Nとに起因して、アクチュエータ2を介して分力F11が鍵1に掛かる一方、離鍵行程(復行程)では、摩擦力Q2と抗力Nとに起因して、アクチュエータ2を介して分力F21が鍵1に掛かり、これらが押離鍵反力に反映されることになる。
【0025】
なお、実際には、例えば加速度が加わるような態様で鍵1を押下したときのように、押鍵態様によって抗力Nの大きさは変化し得る。また、摺動面3cのうち凹部3dのように平坦でない面をトレースする場合は、摩擦力Qや抗力Nの大きさや方向が随時変化する。しかし、大きさや方向が異なるだけであって、各時点における摩擦力による作用は上記と基本的に変わりはない。
【0026】
図3は、アクチュエータ2が摺動面3c上を摺動するときの摺接状態の変化を示す図である。同図は押鍵の往行程の摺接状態を示す。
【0027】
まず、アクチュエータ2と摺動面3cとの摺接開始直後は、摺動方向(同図左右方向)における凹部3dの位置はほぼ初期位置にある(同図(a))。しかし、上述したように、摺動面3cはラバー3arの貼着により弾性を有すると共に、摺動面3cには摩擦力が発生するから、同図(b)に示すように、凹部3d手前までアクチュエータ2が摺動すると、摺動面3cの当接点O近傍が弾性変形して当接点Oの右方が僅かに盛り上がると共に、摺動面3c全体が弾性変形して凹部3dが右方(往行程における進行方向)に変位する。
【0028】
次いで、アクチュエータ2が凹部3dに入り込み、凹部3dの左斜面を摺動すると、摩擦力や抗力が変化して摺動面3cを弾性変形させる合力が小さくなるため、凹部3dの変位が少し戻る(同図(c))。次いで、同図(d)に示すように、アクチュエータ2が凹部3dの右斜面を摺動すると、摩擦力や抗力が変化して摺動面3cを弾性変形させる合力が最も大きくなるため、摺動面3cの当接点O近傍が弾性変形して当接点Oの右方が大きく盛り上がると共に、摺動面3c全体が弾性変形して凹部3dが最も右方に変位する。次いで、同図(e)に示すようにアクチュエータ2が凹部3dを通過すると、同図(b)の場合とほぼ同じ位置まで凹部3dの変位が戻り、同図(b)の場合と同様の反力状態となる。
【0029】
図4は、アクチュエータ2が摺動面3c上を摺動するときの摺動面3cの変形と生ずる反力との関係を示した図である。同図(a)は摺動面3cの変形を表しており、曲線Mは非摺動時、曲線GOは往行程における最大変形時(図3(d)の場合)、曲線REは復行程における最大変形時の摺動面3cの断面形状をそれぞれ示す。なお、復行程における最大変形は、復行程においてアクチュエータ2が凹部3dの左斜面を摺動するときに生じ、凹部3dの左方が盛り上がる(摺動面3c(RE))。
【0030】
図4(b)は、アクチュエータ2のストローク位置を横軸にとり、アクチュエータ2がスイッチ部3から鍵1の離鍵方向に受ける反力を縦軸にとって表した図である。反力曲線F(GO)は往行程、反力曲線F(RE)は復行程における反力変化をそれぞれ示す。なお、反力F(GO)、F(RE)は、図2(c)でいう分力F11、F21に対応するものであり、これらの反力の変化は、鍵1を押鍵する演奏者が指に感じる押鍵反力の変化に反映されるものである。
【0031】
反力曲線F(GO)におけるF(b)、F(c)、F(d)、F(e)はそれぞれ、図3(b)、(c)、(d)、(e)に示す状態における反力を示す。すなわち、往行程では、摺接開始から反力は漸増し、アクチュエータ2が凹部3dに沈み始めたとき、反力曲線F(GO)は急激に下降し(F(c))、アクチュエータ2が凹部3dを上るとき、反力曲線F(GO)は急激に上昇してピークに達し(F(d))、その後一旦復帰してレットオフに近似した曲線を描いた後、再び漸増していく。
【0032】
一方、復行程では、往行程とは逆の態様となり、離鍵開始から反力曲線F(RE)は漸減し、一旦下降してから(F(c’))、上昇してピークに達し(F(d’))、その後一旦復帰して再び漸減していく。
【0033】
ここで、往行程と復行程では平坦面を摺動するときの反力の大きさが異なり、静荷重ヒステリシスHS1が生じる。これは、図2(b)、(c)で説明したように、発生する摩擦力(Q1、Q2)の方向が逆であることに起因して反力の大きさが異なる(F11、F21)ことによって生じる。
【0034】
また、往行程と復行程では反力ピーク位置がずれ、荷重位置ヒステリシスHS2が生じる。すなわち、往行程ではストローク位置Y2でピークとなるが、復行程ではストローク位置Y1でピークとなる。この荷重位置ヒステリシスHS2の主な発生要因は、上述した摺動面3cの弾性変形によって凹部3dが左右方向に変位し(図4(a)に示す凹部3d(GO)と凹部3d(RE))、往/復間で摺動面3cの形状に差異が生じることである。これら反力や各ヒステリシスHS1、HS2が鍵1への反力状態に反映される。
【0035】
なお、実際には、当接点Oが、往行程では凹部3dの右斜面に位置し、復行程では左斜面に位置するため、アクチュエータ2と凹部3dとの相対的位置が往/復で僅かに異なり、それが荷重位置ヒステリシスHS2に加算される(例えば図4(a)に示すアクチュエータ2(GO)は凹部3d(GO)より中心位置が右方にずれ、アクチュエータ2(RE)は凹部3d(GO)より中心位置が左方にずれている)。なお、静荷重ヒステリシスHS1の存在によって、復行程では、往行程に比し摺動面3cの変形や盛り上がりは小さく、反力ピーク値も小さい。
【0036】
本実施の形態によれば、鍵1の押鍵によりアクチュエータ2がスイッチ部3の摺動面3cを摺動し、凹部3dをアクチュエータ2がトレースするように構成したので、鍵1に掛かる反力をストローク位置によって可変にでき、凹部3dの形状によって押鍵行程における適当な押鍵反力曲線を設定することができる。
【0037】
また、アクチュエータ2と摺動面3cとの間に摺動による摩擦力Qが発生するようにしたので、押鍵の往/復間に静荷重ヒステリシスHS1を設けることができる。さらに、摺動面3cを弾性のあるラバー3crで構成したので、アクチュエータ2が摺動面3cを摺動するとき、摩擦力Qと抗力Nとによって摺動面3cが弾性変形して凹部3dが変位し、荷重位置ヒステリシスHS2を設けることができる。
【0038】
従って、押鍵反力の変化態様の設定や、押鍵反力の大きさ及び反力ピーク位置に押鍵操作の往/復間でヒステリシスを設ける等、鍵1に適した荷重特性を押鍵操作の往/復毎に個別に設定することができる。よって、レットオフ感を得る等、良好な押鍵感触を得ることができる。また、静荷重ヒステリシスHS1を設定したことで、良好な連打性を得ることが可能になる。しかも、スイッチ部3は鍵1の押鍵動作を検出する役割をも果たすので、構成の複雑化を回避することができる。
【0039】
また、本実施の形態では、スイッチ部3の可動部3aがスイッチ回動支点PSを中心に回動するように構成したので、可動部3aの回転自由度を保ちながら必要な支持力を発生させることができ、摩擦力Qや抗力Nによって可動部3aが逃げたりすることがなく、意図した反力が正確に得られる。なお、荷重特性を押鍵操作の往/復毎に個別に設定するだけならば、可動部3aをスイッチ回動支点PSでなくスカート部で支持する構成にしてもよいが、正確な再現が困難となるため、スイッチ回動支点PSのような回転支点で支持する構成が好ましい。
【0040】
なお、摺動面3cを適当に設定すれば、押鍵感触向上に関して広く応用が可能である。
【0041】
図5は、グランドピアノにおける鍵ストローク位置に対する押鍵反力の変化を概略的に示す図である。同図において、曲線GPF(GO)は押鍵の往行程の反力変化を示し、曲線GPF(GO)は離鍵、すなわち復行程の反力変化を示す。
【0042】
同図に示すように、鍵ストローク位置Z1ではダンパ当接により反力が少し上昇し、鍵ストローク位置Z2ではハンマ当接により反力が少し上昇する。その後、鍵ストローク位置Z3では、ローラパットとジャックとの摩擦が発生して反力が急上昇する。その直後、反力が急に下降し、いわゆるレットオフ感が生じる。鍵ストローク位置Z4では鍵ストッパ当接により反力が急上昇する。
【0043】
このような曲線を本電子鍵盤楽器で疑似的に得る場合、鍵ストローク位置Z1、Z2近傍での反力変化は、摺動面3cに段差部を設けることで得られ、鍵ストローク位置Z3近傍での反力変化は、凸部を設けることで得られる。さらに、押鍵行程及び離鍵行程間の反力の大きさのヒステリシスは、上述したように摺動摩擦が発生するように構成することで得られる。このように、摺動面3cの傾斜角、凹凸形状、弾性係数、摩擦係数等の組み合わせを適当に設定すれば、往/復に亘ってヒステリシスを含む複雑な押鍵荷重曲線を設定でき、グランドピアノの場合の押鍵感触に近づけることが可能になる。
【0044】
なお、本実施の形態では、可動部3aに凹部3dを設け、アクチュエータ2は凸状に形成したが、これに限るものでなく、少なくとも一方に凹部、凸部または凹部凸部の双方を設け、その面を他方が相対的にトレースするように構成すればよい。例えば図6に示すように、アクチュエータ12に凹部12dを設けると共にスイッチ部3に凸部13dを設ける。この場合は、アクチュエータ12にラバーを貼着し、凸部13dは弾性の小さい部材で形成する。
【0045】
アクチュエータ12が同図右方に移動すると、凸部13dが凹部12dを相対的にトレースするので、上記実施の形態とは関係が逆であるが同様の作用が生じ、所望のヒステリシスや反力変化を得ることができる。
【0046】
なお、凹部等は複数設けてもよく、アクチュエータ2とスイッチ部3の双方に複数の凹凸を設けた場合でも、複数のアクチュエータがトレースの役割を順次バトンタッチしていくと考えることができ、各瞬間の作用は変わらないので、同様の効果を生じさせることができる。
【0047】
なお、凹部3dは、アクチュエータ2によるトレース方向に凹形状であればよく、必ずしもU字溝状に形成する必要はない。
【0048】
なお、摺動摩擦力と弾性変形を生じさせるものであれば、摺動面3cはラバー以外の材料で構成してもよい。また、摩擦力は往/復行程間で異ならせるようにしてもよい。
【0049】
なお、荷重位置ヒステリシスHS2を得るためには、弾性変形すれば足りるので、トレースする側(アクチュエータ2)とされる側(摺動面3c)の少なくとも一方を弾性部材で構成すればよい。また、静荷重ヒステリシスHS1だけを得るためには、摺動摩擦が発生すれば足りるので、トレースされる側(摺動面3c)の形状を平坦面にしてもよい。
【0050】
なお、本実施の形態では鍵1に適用する場合を例示したが、電子楽器におけるスイッチ部を有するあらゆる操作子、例えばインストルパネルの音場効果用操作子等に広く適用可能である。また、鍵盤楽器以外の各種電子楽器にも広く適用可能である。また、鍵1にアクチュエータ2が備えられる例を示したが、アクチュエータ2は鍵1の操作に連動するように構成すればよく、すなわち鍵1とアクチュエータ2との間に他の部材が介在する構成でもよい。例えばアクチュエータ2をハンマ部材に設け、鍵1の操作により質量部材(ハンマ部材)が回動してアクチュエータ2が連動駆動されるようにしてもよい。
【0051】
なお、スイッチ部3は接点スイッチとしたが、フォトリフレクタ等、他のスイッチでもよい。
【0052】
(第2の実施の形態)
本第2の実施の形態では、スイッチ部に設けた凹凸を押鍵動作の検出に利用した場合を例示する。
【0053】
従来、例えばタッチレスポンススイッチを実現する場合、固定接点との距離が相違する2つの可動接点を設け、両者の接点タイミングの時間的ずれに基づいてオンベロシティを検出するように構成するのが通常であった。少なくとも、各可動接点はキーオン検出のために固定接点とは1回当接するだけであった。
【0054】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る電子楽器のスイッチ部近傍の部分断面図に接点オンオフ状態を併せて示した図である。
【0055】
同図(a)に示すように、スイッチ部23は、可動部23aと固定部23bとから成るドーム型の接点スイッチであり、可動接点23fと固定接点23gの対を1つだけ有する。非押下状態において、可動接点23fは固定接点23gと距離CSだけ離間しており、可動部23aが押下され可動接点23fが固定接点23gに当接すると、接点がオンとなる。摺動面23cには凸部23d1、23d2が設けられる。凸部23d1、23d2の高さHは距離CSより大きい値に設定されている。摺動面23cがラバーの貼着により弾性及び摩擦を有する点は第1の実施の形態と同様である。
【0056】
アクチュエータ22は不図示の鍵に設けられ、スイッチ部23は、押鍵に伴いアクチュエータ22が固定部23bと略平行に移動し、摺動面23cを摺動していくように配置されている。アクチュエータ22は往行程では同図(a)右方に摺動する。
【0057】
かかる構成において、押鍵の往行程では、アクチュエータ22が摺動面23cを摺動し、アクチュエータ22が凸部23d1を上ると、凸部23d1を押し込むように作用するので、可動部23aが押下され、トレース位置X1で可動接点23fが固定接点23gに当接する。これにより1回目の接点のオンが検出される。さらに摺動し、アクチュエータ22が凸部23d1を下ると、凸部23d1の押し込み作用が消失していくので、可動部23aが上昇し、トレース位置X2で可動接点23fが固定接点23gから離間する。これにより1回目の接点のオフが検出される。同様にして、アクチュエータ22が凸部23d2上を通過するとき、トレース位置X3、X4で2回目の接点のオン、オフがそれぞれ検出される。
【0058】
また、復行程では、同図左方へのトレースにより、トレース位置X4、X3、X2、X1の順で接点の1回目のオン、オフ、2回目のオン、オフがそれぞれ検出可能である。
【0059】
検出した信号は楽音制御に利用される。例えば、往行程における1回目の接点オン(X1)と2回目の接点オン(X3)との時間差からキーオンベロシティを検出する。また、復行程における1回目の接点オン(X4)と2回目の接点オン(X2)との時間差からキーオフベロシティを検出する。そして、これらの検出情報から音高やリリースタイム等を設定する。これにより、1個の可動接点23fにて実質的に4メイクスイッチを実現することができる。
【0060】
本実施の形態によれば、摺動面23c上の凸部23d1、23d2をアクチュエータ22がトレースするとき、往行程における1つの凸部のトレースにつき接点のオン及びオフを検出するようにしたので、可動接点23fの数よりも多い数の動作情報を検出することができる。また、復行程においても同様に接点のオン及びオフを検出できるので、検出可能な動作情報の数を一層増加させることができる。よって、可動接点の数を削減して構成を簡単にすることができる。しかも、凸部23d1等の形状や配置を適当に設定することで、オン、オフ個別に、及び往/復行程で個別に検出タイミングを自由に設定することができるので、多彩な楽音制御が容易になる。
【0061】
なお、凸部の形状、数、配置は例示したものに限らない。例えば、凸部を1個設け、往行程における接点オンと接点オフとの時間差からキーオンベロシティを検出すれば、1個の可動接点でタッチレスポンススイッチを実現することができる。
【0062】
なお、可動部23aは、第1の実施の形態と同様に回転支点で回動するように構成してもよい。
【0063】
なお、本実施の形態では、構成を簡単にするという観点からは、往/復行程間の反力のヒステリシスは必要がなく、必ずしも設けなくてよい。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の請求項1に係る電子楽器によれば、操作子の操作行程において操作子に掛かる反力が摺動面の凹凸形状によって変化するようにして、簡単な構成で、操作子に適した荷重特性を設定することができ、良好な操作感触を得ることができる。また、荷重のピーク位置を往/復でずらす等、荷重発生位置に適当なヒステリシスを設けることで、荷重特性をより適切に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施の形態に係る電子楽器における鍵及びスイッチ部近傍の部分断面図である。
【図2】 アクチュエータと可動部との摺動による反力発生のメカニズムを示した図である。
【図3】 アクチュエータが摺動面上を摺動するときの摺接状態の変化を示す図である。
【図4】 アクチュエータが摺動面上を摺動するときの摺動面3cの変形と生ずる反力との関係を示した図である。
【図5】 グランドピアノにおける鍵ストローク位置に対する押鍵反力の変化を概略的に示す図である。
【図6】 他の一例の電子楽器における鍵アクチュエータ及びスイッチ部近傍の部分断面図である。
【図7】 本発明の第2の実施の形態に係る電子楽器のスイッチ部近傍の部分断面図に接点オンオフ状態を併せて示した図である。
【符号の説明】
1 鍵(操作子)、 2 アクチュエータ、 3 スイッチ部(操作検出部)、 3a 可動部、 3b 固定部、 3c 摺動面、 3f 可動接点、 3g 固定接点、 PS スイッチ回動支点、 PK 鍵回動支点、 O 当接点

Claims (1)

  1. 操作子と、
    該操作子に連動するアクチュエータ部と、
    弾性部材で構成された摺動面を有する可動部を備え該可動部が前記操作子に連動する前記アクチュエータ部によって押下されることにより前記操作子の操作を検出する操作検出部とを備えた電子楽器であって、
    前記アクチュエータ部及び前記操作検出部の前記可動部が互いに摺接した場合に摩擦力が発生するように構成されると共に
    前記可動部の前記摺動面には凹凸が設けられ、
    前記アクチュエータ部は、前記操作子の押離操作によって、前記可動部の前記摺動面に対して往復摺動するように構成され、
    前記操作子の操作によって、前記可動部の前記摺動面上を、該摺動面の前記凹凸に沿って前記アクチュエータ部が摺動しながら前記可動部を押圧するとき、前記摺動面からの前記アクチュエータ部への抗力の向きが前記凹凸によって変化していくことで、前記アクチュエータ部を介して前記操作子に掛かる荷重が変化するように構成されたことを特徴とする電子楽器。
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