JP3724113B2 - セラミック積層体及び酸素センサ素子の製造方法 - Google Patents
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Description
【技術分野】
本発明は,中空部を有するセラミック積層体及び酸素センサ素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】
従来,中空部を有するセラミック積層体を製造する方法として,複数枚のセラミック板を積層して積層物となし,上下方向よりこれをプレスすることが一般的に行われていた。
なお,上記複数枚のセラミック板の中で少なくとも一枚には積層により中空部となる切り欠き,溝等が設けてある。
【0003】
【解決しようとする課題】
しかしながら,従来方法では積層物の表面全体を押圧する方法が採用されているため,中空部が存在する部分も,そうでない部分も同様に押圧されていた。このため,より強度の弱い中空部が変形したり,寸法が狂ったりするという問題が生じていた。
【0004】
特にこの問題は酸素センサ素子に利用するセラミック積層体を作製する場合に大きな問題となる。なぜなら,上記中空部は酸素センサ素子における被測定ガスや基準ガス(大気)を導入するための空間として利用されており,該中空部の形状,寸法が酸素センサ素子の測定精度に対し大きく影響するからである。
【0005】
ところで,上記中空部を変形させない程度に押圧力を弱めて積層物を押圧することも考えられる。
しかし,押圧力が弱い場合には,セラミック積層体を構成する各セラミック板間の接合強度が弱くなる。よって,従来方法を採用して作製したものと比較して,セラミック積層体の強度,耐久性等が低下するおそれがある。
更に,セラミック板の接合強度が弱いことから中空部の気密性が低下するおそれがある。
【0006】
このような中空部を有するセラミック積層体で酸素センサ素子を形成した場合には,酸素センサ素子における被測定ガス,基準ガスを導入する空間の気密性が不十分であるということになる。
よって,酸素センサ素子の測定精度が悪化するおそれもある。
【0007】
本発明は,かかる問題点に鑑み,中空部が変形し難く寸法精度に優れ,各セラミック板間の接合強度が高く,気密性の高い中空部を形成することができる,セラミック積層体及び酸素センサ素子の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題の解決手段】
請求項1の発明は,積層により中空部となる切り欠き又は溝が設けてあるセラミック板と,中空部となる切り欠き又は溝を閉塞させるセラミック板とからなる複数のセラミック板を積層,接着して,内部に中空部を有するセラミック積層体を作製するに当り,
上記セラミック板を積層して積層物となし,
次いで,当て板を介して押圧手段により上記積層物を押圧するセラミック積層体の製造方法において,
上記当て板は上記中空部を実質的に押圧しない凹所を有していることを特徴とするセラミック積層体の製造方法にある。
【0009】
上記複数枚のセラミック板の中で少なくとも一枚には積層により中空部となる切り欠き,溝等が設けてある。それ以外のセラミック板の何枚かは中空部となる切り欠き,溝等を閉塞させるものである。
また,中空部は積層方向あるいは積層方向と垂直な方向に複数個設けることもできる。
なお,本請求項にて製造されたセラミック積層体は後述する酸素センサ素子の他,各種ガスセンサ等の製造に利用することができる。
【0010】
上記セラミック板としては焼成されたもの,未焼成のグリーンシート状態のもの,いずれも使用することができる。
また,各セラミック板の間には接着剤を配置することもできる。また,予めセラミック板に接着剤成分を含有させておくこともできる。
【0011】
また,上記当て板に対する押圧手段としては一般的なプレス装置を使用することができる。
また,上記積層物を上型及び下型よりなる金型に配置し,これらの型を介して押圧力を与えることができる。この場合,上記上型と積層物との間に上記当て板を配置することができる。
更に,上記下型等に加熱部を設け,加熱しつつ積層物を押圧することもできる。これにより,押圧中にセラミック板を軟化させることができ,接着を一層容易かつ効果的に行うことができる。
【0012】
本発明の作用につき,以下に説明する。
本発明にかかる製造方法では,凹所を有する当て板を用いて積層物を押圧し,セラミック積層体を作製する。
これにより,中空部にかかる押圧力を減少させる一方で,中空部以外の部分に対しては充分な押圧力を加えることができる。
よって,中空部の変形,寸法の変動を防止することができる。また,セラミック板間を強く接合することができる。更に,セラミック板間の接合力が強いことから中空部の気密性を高くすることができ,また強度の高いセラミック積層体を得ることができる。
【0013】
以上のように,本発明によれば,中空部が変形し難く寸法精度に優れ,各セラミック板間の接合強度が高く,気密性の高い中空部を形成することができる,セラミック積層体の製造方法を提供することができる。
【0014】
次に,請求項2の発明のように,上記凹所の幅は,上記中空部の幅の80〜95%であることが好ましい。
これにより,本発明にかかる効果を確実に達成することができる。
上記幅が80%未満である場合には,中空部にかかる押圧力が大きくなり,中空部の変形等が生じるおそれがある。一方,95%を越えた場合には,中空部の角部近傍で押圧力が不足する他に,工程上の寸法バラツキにより,セラミック板の接着面を押圧しない場合が考えられるため,セラミック板間の剥離等が生じるおそれがある。
【0015】
なお,上記幅はいわゆる縦方向の幅,横方向の幅等を含む表現である。即ち,上記凹所は上記中空部の形状に対して一回り小さくなるような状態とすることが好ましい(図2参照)。
また,上記中空部の投影面に対して,上記凹所は該投影面内部に含まれるような状態で上記当て板は積層物に対し配置されることが好ましい(図2参照)。
【0016】
次に,請求項3の発明のように,上記当て板は弾性体であることが好ましい。
これにより,積層物を複数個同時に押圧する際,該積層物の厚み寸法にばらつきがある場合,上記弾性体が変形することで厚みのばらつきを吸収することができる。よって,上記複数個の積層物を均一な押圧力で押圧することができる。
また,積層物の表面に凹凸が存在する場合,この凹凸を上記弾性体が変形することにより吸収するため,積層物全体を均一に押圧することができる。
【0017】
なお,上記弾性体としてはゴム,エラストマ等を使用することができる。また,弾性率及び積層物,金型等との離形性を考慮すると,シリコーンゴム,ウレタンゴムよりなるものが好ましい。
【0018】
また,上記当て板を弾性率の異なる2枚の弾性体を接合等して構成することが好ましい(図3参照)。この場合,積層物に接触する側により高い弾性率を有する硬い弾性体を使用する。
これにより,当て板が変形して中空部側へ食い込み,中空部に押圧力が加わることを防止できる。その一方で,上述したごとく,複数の積層物を同時に押圧する場合,該積層物の厚み寸法のバラツキをより弾性率の低い側が吸収できるため,該積層物を均一な押圧力で押圧することができる。また,積層物表面に凹凸が存在する場合についても,同様に弾性率の低い側が吸収できるため,積層物全体を均一に押圧することができる。
【0019】
次に,請求項4の発明は,積層により中空部となる切り欠き又は溝が設けてあるセラミック板と,中空部となる切り欠き又は溝を閉塞させるセラミック板とからなる複数のセラミック製グリーンシートを積層,接着して内部に中空部を有する酸素センサ素子を製造するに当たり,
中空部となる切り欠き又は溝が設けてある中空部形成用グリーンシートと,該中空部形成用グリーンシートの両側面に配置する板状グリーンシートとを用い,これらを積層して積層物となし,
次いで,当て板を介して押圧手段により上記積層物を押圧し,
次いで,これらを加熱焼成して酸素センサ素子を製造する方法において,
上記当て板は上記中空部を実質的に押圧しない凹所を有していることを特徴とする酸素センサ素子の製造方法にある。
【0020】
上記酸素センサ素子はいわゆる積層型の酸素センサ素子であって,固体電解質板と絶縁板とが積層され,これら固体電解質板と絶縁板との間に適宜電極,リード部,被測定ガス室,基準ガス室等が備えられた形態を有している。
そして,上記固体電解質板,絶縁板は共にセラミック板よりなる。
また,上記被測定ガス室,基準ガス室は中空部にて形成されている。
【0021】
本発明にかかる酸素センサ素子の製造方法においては,グリーンシートを積層して積層物となし,これを凹所を用いた当て板を介して押圧する。
このため,請求項1と同様に,中空部にかかる押圧力を減少させる一方で,中空部以外の部分に対しては充分な押圧力を加えることができる。
よって,中空部の変形,寸法の変動を防止することができる。また,グリーンシート間の接合力を強くすることができる。更に,グリーンシート間の接合力が強いことから中空部の気密性を高くすることができる。
【0022】
従って,本発明にかかる製造方法によれば,被測定ガスや基準ガス(大気)を導入するための空間となる中空部の寸法精度が高く,気密性が高いことから,測定精度の高い酸素センサ素子を得ることができる。
また,接合強度が高いことから,強度的に優れた酸素センサ素子を得ることができる。
【0023】
また,請求項5の発明のように,上記凹所の幅は,上記中空部の幅の80〜95%であることが好ましい。
これにより,請求項2と同様に,本発明の効果をより確実に達成することができる。
【0024】
また,請求項6の発明のように,上記当て板は弾性体であることが好ましい。
これにより,請求項3と同様に,複数個の積層物を同時押圧する際,これら積層物の厚みにバラツキが存在しても,各々の積層物を押圧する力を均一とすることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
実施形態例1
本発明の実施形態例にかかるセラミック積層体1の製造方法につき,図1,図2を用いて説明する。
本例は,図1に示すごとく,3枚の第一〜第三セラミック板11〜13を積層,接着して,内部に中空部130を有するセラミック積層体1を作製する。
3枚の第一〜第三セラミック板11〜13を積層して積層物を形成し,次いで当て板30を介して押圧手段により積層物を押圧する。
以上により積層物は圧着され,その後焼成され,セラミック積層体1となる。
そして,上記当て板30は上記中空部130を実質的に押圧しない凹所300を有している。
【0026】
図1に示すごとく,上記積層物は,第一及び第二セラミック板11,12と,積層後に中空部130となる切り欠きを設けた第三セラミック板13とよりなる。なお,上記第一〜第三セラミック板11〜13は未焼成のセラミックグリーンシートである。
【0027】
また,図1に示すごとく,本例において上記積層物は上型31と下型32との間に配置され,これらの上型31,下型32を介して押圧手段より押圧される。そして,上記上型31と上記積層物との間には当て板30が配置される。
なお,上記押圧手段は通常のプレス機器である。
【0028】
また,図2に示すごとく,上記積層物における中空部130の幅B及びB’と上記当て板30の凹所300の幅A及びA’との間には,A=0.8B,A’=0.8B’の関係が成立し,A−B=A’−B’=0.4mmである。
そして,図2に示すごとく,上記中空部130の投影面に対し,上記凹所300が含まれるように上記当て板30は積層物に対し配置される。
なお,上記上型31,下型32は共に金属よりなり,上記当て板30はゴムよりなる。
【0029】
次に,本例における作用効果につき説明する。
本例の製造方法においては,凹所300を設けた当て板30を用いて積層物を押圧している。このため,中空部130にかかる押圧力を減少させ,一方で中空部130以外の部分に対しては充分な押圧力を加えることができる。
【0030】
よって,中空部130の変形,寸法の変動を防止することができる。また,セラミック板11〜13の相互間の接合強度を強くすることができる。更に,セラミック板11〜13の相互間の接合力が強いことから,気密性の高い中空部130を得ることができる。また,強度に優れたセラミック積層体1を得ることができる。
【0031】
実施形態例2
本例は二層構造の当て板を用いてセラミック積層体を作製する方法について説明するものである。
図3に示すごとく,本例にかかる当て板35は,弾性率の異なる2種類のゴムよりなる。当て板35の上部351は弾性率がより低いゴムよりなり,一方当て板の下部352は弾性率がより高いゴムより構成されている。
また,本例にかかる下型32には内部に加熱部320が設けてある。
【0032】
そして,図3に示すごとく,上型31と下型32との間に当て板35を介して積層物が配置され,上型31を介して押圧手段により押圧される。
この時,上記下型32の加熱部320を作動させ,上記積層物を加熱する。
その他は,実施形態例1と同様である。
【0033】
本例における製造方法で用いた当て板35は弾性率の異なる二層のゴムよりなる。このため,積層物の表面に凹凸があった場合,この凹凸をより変形しやすい当て板35の上部351が変形することにより吸収できる。よって,積層物全体を均一に押圧することができる。
また,当て板35の下部352の弾性率は高いため,当て板35が変形して中空部130側へ食い込み,該中空部130に押圧力が加わることを防止できる。
【0034】
更に,下型32には加熱部320が内蔵されているため,セラミック板11〜13を軟化させ,これらの接着を容易に行うことができる。
その他は実施形態例1と同様の作用効果を有する。
【0035】
実施形態例3
本例は図4〜図8に示すごとく,積層型の酸素センサ素子を製造する方法について説明するものである。
本例は,図4に示すごとく,複数のセラミック製グリーンシートを積層,接着して内部に中空部を有する酸素センサ素子2を製造する方法である。
【0036】
図4〜図6に示すごとく,中空部形成用グリーンシート225と,該中空部形成用グリーンシート225の両側面に配置する板状グリーンシート215,235,236とを用い,これらを積層して積層物200となす。
次いで,当て板45を介して押圧手段により上記積層物200を押圧し,これらを加熱焼成して酸素センサ素子2を製造する。
そして,上記当て板45は上記中空部226を実質的に押圧しない凹所450を有している。
【0037】
次に,上記酸素センサ素子2の詳細につき説明する。
図4に示すごとく,上記酸素センサ素子2は,センサ部21に対し,大気導入部22および加熱部23を設けた構造である。そして,上記加熱部23とセンサ部21との間には大気導入溝221により形成された中空部がある。
そして,上記センサ部21は,固体電解質板210と該固体電解質板210の両面に形成した一組の電極211,212及びリード部213より構成されている。
【0038】
また,上記大気導入部は22は大気導入溝221を設けた大気導入板220よりなる。
更に,上記加熱部23は基板231と該基板231に設けられた,通電により発熱する発熱体233及びリード部234より構成されている。また,上記発熱体233は絶縁板232により覆われている。
【0039】
ここに本例において使用する積層装置4について説明する。
図6(a)に示すごとく,上記積層装置4は積層物200を押圧する上型41と下型42とよりなり,上記上型41の下面には当て板45が設けてある。上記下型42の上面は,図5に示すごとく,それぞれの積層物200の幅に合わせた,位置決め用の溝429が形成されている。この溝429は4層の積層物200の厚さより浅く,板状グリーンシート235,236,中空部形成用グリーンシート225の3層の厚みよりも深く形成されている。
【0040】
また,上記当て板45はゴムよりなり,図6(b)に示すごとく,凹所450が4つ設けてある。
そして,上記積層装置4は一度に4個の積層物200を押圧可能である。
なお,本例においては,後述するごとく所望の大きさに切断したグリーンシートを用いて得ようとする酸素センサ素子2と同様の形状に構成した積層物200を押圧しているが,別の方法として,1枚のグリーンシートに電極等となる印刷部を酸素センサ素子2の複数個分を形成し,更にこれらグリーンシートを積層して構成した積層物を上記積層装置で押圧し,その後切断してもよい。
【0041】
次に,上記酸素センサ素子2の製造方法につき詳細に説明する。
まず,上記センサ部21の固体電解質板210となるジルコニアグリーンシートを作製する。
イットリアを添加した平均粒径0.6μmのジルコニア原料粉末71.7wt%,有機バインダであるポリビニルブチラール2.5wt%,可塑剤であるフタル酸ヂブチル5.9wt%,分散剤であるソルビタントリオレート0.7wt%,またこれらを溶解,分散させる有機溶剤であるエタノール・トルエン混合溶剤19.2wt%を用いて,スラリーを作製した。
【0042】
上記スラリーをシート成形により厚さ300μmのジルコニアグリーンシートとした。該ジルコニアシートを所定の寸法に打ち抜き,板状グリーンシート215を得た。
更に,上記板状グリーンシート215の両面に白金ペーストをスクリーン印刷し,焼成後には電極211,212,リード部213となる印刷部217,218を作製した。
【0043】
次に,大気導入板220,基板231,絶縁板232となるアルミナグリーンシートを作製する。
平均粒径0.3μmのアルミナ原料粉末53.2wt%,有機バインダであるポリビニルブチラール3.8wt%,可塑剤であるフタル酸ヂブチル5.7wt%,分散剤であるポリカルボン酸系3.3wt%,これらを溶解,分散させる有機溶剤であるエタノール・トルエン混合溶剤34wt%を用いて,スラリーを作製した。
【0044】
上記スラリーをシート成形により厚さ300μmのアルミナグリーンシートとした。
上記アルミナグリーンシートを所定の寸法に打ち抜き,大気導入板220となる中空部形成用グリーンシート225,基板231及び絶縁板232となる板状グリーンシート235,236を得た。
【0045】
また,上記打ち抜きと同時に上記中空部形成用グリーンシート225には溝部を設ける。
更に,上記板状グリーンシート235には白金ペーストをスクリーン印刷し,ヒータ部233及びリード部234用の印刷部239を形成した。
以上に示すごとく作製した板状グリーンシート215,235,236及び中空部形成用グリーンシート225を図5に示すごとく積層し,中空部226を有する積層体200を得た。
【0046】
図6に示すごとく,上記積層装置4の下型42に上記積層体200を4つ配置する。この時,上記積層体200における中空部218の投影面内に上記当て板45に設けられた凹所450が含まれるよう,積層物200を下型42に対し配置する。
次いで,上記積層装置4を操作して,上記積層体299を圧力3kgf/cm2 で加圧した。
加圧終了後,上記積層装置4より積層体200を取り出して,温度1450℃,2時間で焼成した。
以上により積層型の酸素センサ素子2を得た。
その他は実施形態例1と同様である。
【0047】
本例において,当て板45はゴムよりなる。このため,積層物200内に配線された印刷部239,217,218による段差を吸収し,各板状グリーンシート215,235,236,中空部形成用グリーンシート225との間をむらなく,全面を均一に押圧することができる。よって,接合不良を防止することができる。よって,強度的に優れた酸素センサ素子を得ることがでる。
【0048】
また,積層物200の押圧の際に大気導入溝221よりなる中空部にかかる押圧力を減少させる一方で,中空部以外の部分に対しては充分な押圧力を加えることができる。
よって,中空部の変形,寸法の変動を防止することができる。また,各板状グリーンシート215,235,236,中空部形成用グリーンシート225間の接合力を強くすることができる。よって,中空部の気密性を高くすることができる。
【0049】
従って,本例にかかる製造方法によれば,大気を導入するための空間となる中空部の寸法精度が高く,気密性が高いことから,測定精度の高い酸素センサ素子を得ることができる。
また,接合強度が高いことから,強度的に優れた酸素センサ素子を得ることができる。
【0050】
なお,本例にかかる製造方法においては,図7,図8に示すごとき,中空部が二つ設けられた酸素センサ素子5を製造することもできる。
上記酸素センサ素子5は,ピンホール511を設けたセラミック板510,中空部となる窓部521を設けたセラミック板520,その両面に電極531及びリード部533を印刷形成した固体電解質板530,そして大気導入路となる溝541を設けたセラミック板540とを積層することにより構成されている。
【0051】
そして,上記酸素センサ素子5において,被測定ガスは上記ピンホール511より被測定ガス室となる中空部521に導入される。また,基準ガスとなる大気は大気導入路541に導入される。両者の酸素濃度差に基づいた限界電流を上記電極531にて検出し,酸素濃度を検知する。
このような形状の酸素センサ素子5についてもグリーンシートを積層した積層物を形成し,本例の積層装置4を用いて押圧して,焼成することにより製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,積層物に当て板を配置し,押圧する状態の説明図。
【図2】実施形態例1における,当て板及び凹所と中空部との関係を示す説明図。
【図3】実施形態例2における,当て板を二層構造とした場合の説明図。
【図4】実施形態例3における,酸素センサ素子の展開説明図。
【図5】実施形態例3における,酸素センサ素子及び当て板,下型の断面説明図。
【図6】実施形態例3における,(a)積層装置の説明図,(b)当て板の説明図。
【図7】実施形態例3における,中空部を二つ有する酸素センサ素子の展開説明図。
【図8】実施形態例3における,中空部を二つ有する酸素センサ素子の断面説明図。
【符号の説明】
1...セラミック積層体,
11〜13...セラミック板,
130...中空部,
2,5...酸素センサ素子,
215,235,236...板状グリーンシート,
225...中空部形成用グリーンシート,
30...当て板,
300...凹所,
Claims (6)
- 積層により中空部となる切り欠き又は溝が設けてあるセラミック板と,中空部となる切り欠き又は溝を閉塞させるセラミック板とからなる複数のセラミック板を積層,接着して,内部に中空部を有するセラミック積層体を作製するに当り,
上記セラミック板を積層して積層物となし,
次いで,当て板を介して押圧手段により上記積層物を押圧するセラミック積層体の製造方法において,
上記当て板は上記中空部を実質的に押圧しない凹所を有していることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。 - 請求項1において,上記凹所の幅は,上記中空部の幅の80〜95%であることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
- 請求項1又は2において,上記当て板は弾性体であることを特徴とするセラミック積層体の製造方法。
- 積層により中空部となる切り欠き又は溝が設けてあるセラミック板と,中空部となる切り欠き又は溝を閉塞させるセラミック板とからなる複数のセラミック製グリーンシートを積層,接着して内部に中空部を有する酸素センサ素子を製造するに当たり,
中空部となる切り欠き又は溝が設けてある中空部形成用グリーンシートと,該中空部形成用グリーンシートの両側面に配置する板状グリーンシートとを用い,これらを積層して積層物となし,
次いで,当て板を介して押圧手段により上記積層物を押圧し,
次いで,これらを加熱焼成して酸素センサ素子を製造する方法において,
上記当て板は上記中空部を実質的に押圧しない凹所を有していることを特徴とする酸素センサ素子の製造方法。 - 請求項4において,上記凹所の幅は,上記中空部の幅の80〜95%であることを特徴とする酸素センサ素子の製造方法。
- 請求項4又は5において,上記当て板は弾性体であることを特徴とする酸素センサ素子の製造方法。
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JPH10293114A (ja) | 1998-11-04 |
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