JP3723938B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等の懸架装置に装着される油圧緩衝器に係り、より詳しくはピストンロッドの伸長長さを一定の範囲に制御するセルフポンピング機構を内蔵した油圧緩衝器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の油圧緩衝器としては、有底筒状のケース内を仕切部材により二室に区画し、前記ケースの底部側室(オイルタンク)に油液を封入すると共に、その開口側の室に油液が封入されたシリンダを配設し、前記シリンダ内と該シリンダの周りのリザーバ室とを、該シリンダと前記仕切部材との間に配置したベースバルブを介して連通し、前記シリンダに減衰力発生機構を有するピストンを摺動自在に内装し、該ピストンに、前記ケースおよびシリンダの開口部に装着したシール手段を貫通してシリンダ外へ先端部を延ばした中空のピストンロッドの基端部を連結し、さらに、前記ピストンロッド内に、該ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記仕切部材から該ピストンロッド内に延ばしたポンプロッドを通じて、前記ケースの底部側室内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構を配設したものがある。
【0003】
図10は、そのような油圧緩衝器のベースバルブの周りの構造を示したものでである。同図において1はケース、2は仕切部材、3はシリンダ、4はベースバルブ、5はセルフポンピング機構を構成するポンプロッドをそれぞれ表しており、シリンダ3の内室(下室)6とその周りのリザーバ室7とは、ベースバルブ4の本体4aに設けた油通路8によって連通され、ポンプロッド5の内部通路9とケース1の底部側室10とは、仕切部材2およびベースバルブ4の本体4aとの間に介装したリテーナ11の貫通孔12によって連通されている。ベースバルブ4は、油通路8を通じてリザーバ室7からシリンダ下室6への油液の流通を許容する逆止弁13と油通路8を常時連通させるオリフィス14とを有している。
【0004】
ポンプロッド5は、作動時における半径方向への傾きが許容されるように、その先端部がリテーナ11に設けた球面状の凹穴11aに摺動可能に嵌合され、さらに連結手段16によってリテーナ11に対して位置固定されている。この連結手段16は、ポンプロッド5の周面に設けた環状溝に嵌合する係合リング17と、この係合リング17の外面を押える押えリング18と、リテーナ11に螺合したナット19にかしめ止めされたストッパ板19aとから構成されている。このような連結手段16によれば、ナット19をリテーナ11に締込むことによりストッパ板17aが押えリング18の背面を押え、その押え力が係合リング17を介してポンプロッド5に伝達されて、リテーナ11に対してポンプロッド5が位置固定されるようになる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来のセルフポンピング機構付き油圧緩衝器によれば、セルフポンピング機構を構成するポンプロッド5をリテーナ11すなわち仕切部材2に連結する連結手段16として、係合リング17、押えリング18、ナット19、ストッパ板19a等の多くの部品を要するばかりか、ストッパ板19aをナット19にかしめ止めする面倒な手続が必要で、組付工数の増大とコストの上昇が避けられないという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたもので、その課題とするところは、セルフポンピング機構を構成するポンプロッドの、仕切部材との連結に必要な部品点数および組付工数を可及的に削減することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するため、油液が封入されたシリンダと、該シリンダ内を2室に画成し、減衰力発生機構を有するピストンと、一端が前記シリンダの一端より突出し、他端に前記ピストンが連結された中空のピストンロッドと、前記シリンダの他端側の室とベースバルブを介して接続され前記シリンダ内の油液を補償するリザーバ室と、前記シリンダの他端に設けられた取付部材に一端が連結され他端が前記ピストンロッド内に挿入された中空のポンプロッドと、該ポンプロッドの一端側と接続されたオイルタンクと、前記ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記ポンプロッドを通じて、前記オイルタンク内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構とを配設した油圧緩衝器において、前記ポンプロッドと前記取付部材とを連結する連結手段を、前記ポンプロッドに設けた周溝に内周縁部が嵌合された弾性変形可能なリング状ディスクと、前記シリンダの軸力を受けて前記ディスクを前記取付部材に押えるリテーナとから構成し、前記ディスクの内周縁部の撓みにより前記ポンプロッドに前記取付部材側への押付力を加えるようにしたことを特徴とする。
【0008】
このように構成することにより、予めポンプロッドの周溝にリング状ディスクを嵌合し、このディスクにリテーナを重ねて取付部材上に載せ、シリンダ側を組込めば、ポンプロッドと取付部材との連結は完了する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基いて説明する。
【0010】
図1ないし図9は、本発明の実施の形態を示したものである。本実施の形態に係る油圧シリンダは、図4にその全体構造を示すように、有底筒状のケース21を備え、このケース21内を取付部材としての仕切部材22により上下2室に仕切り、その下室(底部側室)にケース21との間に環状室23(図1)を形成する内筒24を配置すると共に、その上室にケース21との間にリザーバ室25を形成するシリンダ26を配置している。内筒24内には、フリーピストン27が摺動可能に嵌装されており、このフリーピストン27の上側は油液を封入したオイルタンクとしてのオイル室28として、その下側は高圧ガスを封入したガス室29としてそれぞれ構成されている。なお、ガス室29は、内筒24の下端部に設けた通路(図示略)によって前記環状室23に連通されており、この環状室23にも高圧ガスが封入されている。
【0011】
シリンダ26の下端は、ベースバルブ30と、後述するポンプロッド31を仕切部材22に連結するための連結手段32とを介して仕切部材22に突当てられている。そして、シリンダ26内とリザーバ室25とは、図1に良く示されるように、ベースバルブ30の本体33に設けた複数の油通路34および、この本体33とポンプロッド31とのわずかの(0.5mm 程度)嵌合隙間35によって連通されている。ベースバルブ30は、油通路34を通じてリザーバ室25からシリンダ26内への油液の流通を許容する逆止弁36を有している。この逆止弁36は、前記油通路34の本体33の上面に離着座するディスクバルブ36aと。前記本体33とシリンダ26との間に介装したカップ部材37の底に一端を当接させて、常時はディスクバルブ36aを閉弁方向へ付勢するばね36bとからなっている。
【0012】
なお、仕切部材22には、シリンダ26内(リザーバ室25)とオイル室28とを連通する油通路38が設けられ、この油通路38には減圧弁39が介装されている。減圧弁39は、弁座が形成された弁座体40と、この弁座体40の弁座に離着座するボール41と、このボール41を常時は弁座に着座する方向へ付勢する弁ばね(板ばね)42とからなっており、シリンダ26内とオイル室28との差圧が所定値に達した時に、ボール41が弁ばね42の付勢力に抗して弁座から離れ、これにより、油通路38が開かれてシリンダ26内の圧力が過度に上昇するのが抑えられるようになる。
【0013】
シリンダ26内には、環状のピストン43が摺動可能に嵌装されており、このピストン43によってシリンダ26内がシリンダ上室44とシリンダ下室45とに区画されている。ピストン43には、図5に良く示されるように略円筒状のピストンボルト46が挿通され、その先端部にピストンナット47を螺着させて固定されている。ピストンボルト46の上端側のねじ部46aには、中空のピストンロッド48の下端部が螺着されており、ピストンロッド48の上端側は、ケース21およびシリンダ26の上端開口部に装着した後述のシール装置(シール手段)49を挿通して、シリンダ26およびケース21の外部へ延出されている。そして、シリンダ26内には油液が封入され、リザーバ室25には油液と高圧ガスとが封入されている。
【0014】
ピストン43には、シリンダ上室44とシリンダ下室45とを連通させる油通路50および51と、シリンダ上室44側の所定圧力によって撓んで、一方の油通路50の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ52(減衰力発生機構)とが設けられている。ディスクバルブ52の弁座部には、オリフィス通路(減衰力発生機構)を形成する切欠53が設けられており、この切欠53によってシリンダ上・下室44,45間は常時連通している。また、ピストン43には、シリンダ下室45側の所定圧力によって撓んで、縮み側通路51の油液の流通を許容して減衰力を発生させる常閉のディスクバルブ54(減衰力発生機構)も設けられている。
【0015】
上記シール装置49は、図6に良く示されるように、シリンダ26に嵌合されピストンロッド48を摺動可能に案内するロッドガイド55と、ケース21およびピストンロッド48に嵌合され前記ロッドガイド55を上から押える中間リング56と、ケース21に螺合され前記中間リング56を上から押える締付リング57とを備えている。締付リング57をケース21に締込むことにより、その締付力が中間リング56およびロッドガイド55を介してシリンダ26に伝えられ、シリンダ26は、所定の軸力で前記仕切部材22に突き当てられることになる。
【0016】
そして、これらロッドガイド55と、中間リング56と締付リング57との間には、ガスシール用のOリング58と、ロッドシール用の第1、第2のシール部材59,60と、ガスシールおよびオイル逃し用チェック弁61とが支持されている。ロッドシール用の第1のシール部材59は摺動特性の良好なポリテトラフルオロエチレン製リングから、第2のシール部材60はシール性の良好なゴム製オイルシールからそれぞれ形成されており、第2のシール部材60には特に、中間リング56に形成した逃し通路62を閉鎖するチェック弁部63が一体に設けられている。このチェック弁部63は、シリンダ上室44から漏れ出た油液のリザーバ室23への流動は許容するが、リザーバ室23のガスが第1のシール部材59と第2のシール部材60との間や、シリンダ上室44へ流動するのを規制する役割をなすものである。
【0017】
一方、ピストンロッド48内には、その中空部48aよりもやや小径の大径部64aと小径部64bとからなる段付のポンプチューブ64が挿入されている。ピストンロッド48の上端は閉じられており、ポンプチューブ64は、図7に良く示されるように、その小径部64b側の端部がピストンロッド48の閉じ端付近で保持ばね65に押圧されて、その大径部64a側の端部をピストンボルト46に当接させて位置固定されている(図5)。そして、ピストンロッド48の内面とポンプチューブ64との間に環状の油通路66が形成され、ピストンロッド48の側壁に設けられた開口67(図5)を介してシリンダ上室44に連通されている。
【0018】
前記仕切部材22に連結手段32を介して連結されたポンプロッド31の先端側は、シリンダ26の軸線に沿って延ばされ、ピストンボルト46を挿通してポンプチューブ64の大径部64aに遊挿入され、さらに小径部64bに摺動可能に嵌挿されている。そして、ポンプロッド31の先端部によってポンプチューブ64の小径部64b内の上部側にポンプ室68が形成されており、このポンプ室68は、ポンプロッド31内の通路31aおよび仕切部材22の貫通孔22aによって構成される油通路69によって前記オイル室28に連通されている(図1)。
【0019】
ポンプチューブ64の小径部64bの上端部には、ポンプ室68から油通路66への油液の流通のみを許容する逆止弁70が設けられており(図7)、また、ポンプロッド31の先端部には、油通路69を通じてオイル室18からポンプ室68への油液の流通のみを許容する逆止弁71が設けられている(図8)。逆止弁70は、図7に良く示されるように、ポンプチューブ64の小径部64bの先端部に固定した略U字形のリテーナ72に一端が係止された弁ばね73により小径部64bの開口端に押えられた弁体74を備えており、ポンプ室68側の圧力によって、弁体74が弁ばね73の弾性力に抗して小径部64bの開口端から押上げられて開弁するようになっている。なお、図中、75は弁体64の移動を規制するストッパである。一方、ポンプロッド31の先端の逆止弁71は、図5に示すように、ポンプロッド31の先端部に固定した略U字形のリテーナ76に一端が係止された弁ばね77によりポンプロッド31の開口端に押えられた弁体78を備えており、前記オイル室18に通じる油通路69側の圧力によって、弁体78が弁ばね77の弾性力に抗してポンプロッド31の開口端から押上げられて開弁するようになっている。
【0020】
ピストンボルト46およびポンプチューブ64の大径部64aとポンプロッド31との間には、シリンダ下室45に連通する環状通路79が形成されている(図5)。また、ポンプロッド31には、ポンプチューブ64に嵌合された先端部から軸方向に所定部位まで延びる切欠80が形成されており、この切欠80によってポンプロッド31とポンプチューブ64の小径部64bとの間に液通路81が形成されている(図5)。切欠80は、ピストンロッド48の伸長長さが所定の標準範囲よりも短いとき(標準範囲の下限となる第1所定位置より短いとき)、ポンプチューブ64の小径部64bのみと重なり、大径部64aとは重ならない位置にあって液通路81と環状通路79との連通が遮断される。また、ピストンロッド48が所定の標準範囲まで伸長したとき(標準範囲の下限となる第1所定位置まで伸長したとき)、ポンプチューブ64がピストンロッド48とともに移動して大径部64aが切欠80に重なって、液通路81が環状通路79に連通されてシリンダ上・下室44,45に連通されるようになっている。
【0021】
また、ポンプロッド31の側壁には、油通路69から壁面に貫通するオリフィス通路82が設けられている(図5)。このオリフィス通路82は、切欠80の下側終端に対してポンプ室68寄りの部位に配置されており、ピストンロッド48の伸長長さが所定の標準範囲以下のとき、ポンプチューブ64の小径部64bと重なる位置にあり、オリフィス通路82と環状通路79との連通が遮断されている。また、ピストンロッド48の伸長長さが所定の標準範囲を越えたとき、オリフィス通路82は、ポンプチューブ64の大径部64aと重なって、オリフィス通路82が環状通路79に連通されてシリンダ上・下室26,27と連通されるようになっている。なお、83はピストンロッド48に外装されたリバウンドストッパである。
【0022】
ここで、ポンプロッド31は、図1に良く示されるように、その基端部がベースバルブ30の本体33を遊挿して仕切部材22側へ延ばされ、仕切部材22に設けた凹部84内に嵌入されている。このポンプロッド31を仕切部材22に連結するための連結手段32は、ポンプロッド31に設けた周溝90に内周縁部が嵌合された弾性変形可能なリング状ディスク91と、シリンダ26の軸力を前記ベースバルブ30の本体33を介して受けてディスク91を仕切部材22の載置面22bに押えるリング状リテーナ92とから構成されている。
【0023】
ポンプロッド31は、その基端部を仕切部材22の凹部84に底付きとなるまで嵌入させて位置固定されており、この位置固定状態で、該ポンプロッド31の周溝90の下側壁面と仕切部材22の載置面22bとの間には所定の大きさδの段差が形成されるようになっている。しかして、リテーナ92の内周側の下面には階段状の逃げ部93が形成されており、ディスク91は,その内周縁部を前記逃げ部93内に撓ませて仕切部材22とリテーナ92との間に挟持されている。すなわち、このディスク91の撓みにより、前記ポンプロッド31には、ディスク91から仕切部材22側への押付力、すなわち所定のセット荷重が加えられるようになっている。このセット荷重は、ピストンロッド48の伸び行程時にポンプロッド31に加わる引張力以上の値に設定され、したがって、ポンプロッド31の周溝90内でディスク91が遊ぶことがなくなる。
【0024】
上記ディスク91は、一例として図2に示すように、ポンプロッド31より小径の中心孔94Aと、外周側に位置して円周方向に断続的に設けられた円周方向切欠94Bと、この円周方向切欠94Bと前記中心孔91Aとを連接する半径方向切欠94Cとにより分割された複数の爪片95を有しており、その爪片95の弾性変形により上記セット荷重を発生させるようになっている。このディスク91をポンプロッド31に組付けるには、例えば図3に示すようにポンプロッド31の先端部に予め薄肉のキャップ96を嵌合し(▲1▼)、このキャップ96の先端のテーパ部96aを利用してディスク91を押上げて、ポンプロッド31の周溝90に嵌める(▲2▼)方法を採用することができる。
【0025】
ディスク91は、上記したように予めポンプロッド31に組付けた後、この上にリテーナ92およびベースバルブ30を重ねて仕切部材22上に載置される。その後、シリンダ26等を組込んで油圧緩衝器としての組付けを完了すると、シリンダ26に加わる軸力でディスク91が仕切部材22とリテーナ92との間に挟持され、上記したようにポンプロッド31にセット荷重が加えられる。ディスク91の板厚は、組付性を考慮してポンプロッド31の周溝90の幅より十分薄くなっているが、油圧緩衝器の組付状態では、前記セット荷重により周溝90内でのディスク91の遊びが解消され、したがって作動中にガタ音が発生することはなくなる。
【0026】
なお、ポンプロッド31は、ベースバルブ30の本体33との嵌合隙間35により、作動時における半径方向への傾きが許容されている。また、仕切部材22の凹部84内には、仕切部材22とポンプロッド31との間をシールするOリング97とバックアップリング98とが配設されているが、前記バックアップリング98は、シリンダ26内とオイル室28との圧力差によりOリング97が変形し、仕切部材22とポンプロッド31との嵌合隙間に入り込んで破損するのを防止する役割をなすもので、樹脂により形成されている。
【0027】
本油圧緩衝器は、ピストンロッド48の上端部を車体側(図示せず)に、ケース21の下端部を車輪側(図示せず)にそれぞれ連結させることによって、車両の懸架装置として装着されるようになっており、図4に示すようにケース21の下端部には車輪側への取付用ブラケット100が、その上端部には懸架ばね(図示せず)を受けるばね受け101がそれぞれ固定されている。
【0028】
以下、上記のように構成した実施形態の作用について説明する。
【0029】
ピストンロッド48の伸び行程時には、ピストン43の移動にともないシリンダ上室44側の油液が加圧され、この圧油が油通路50を通ってシリンダ下室45側へ流れ、切欠53が形成するオリフィスによって減衰力が発生する。この時、ピストンロッド48がシリンダ26から退出した分の油液は、図9の右半分に示すように、ガスの膨張によりリザーバ室25からベースバルブ30の油通路34を通り、逆止弁36を開いてシリンダ下室45に補給され、これと同時にポンプロッド31とベースバルブ30の本体33との嵌合隙間35を通って補給される。また、ピストン速度が速くなり、シリンダ上室44側の油圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ52が開いて減衰力の過度の上昇を抑制する。
【0030】
一方、ピストンロッド48の縮み行程時には、ピストン43の移動にともないシリンダ下室45側の油液が加圧され、油通路50を通ってシリンダ上室44側へ流れ、切欠53が形成するオリフィスによって減衰力が発生する。このとき、ピストンロッド48がシリンダ26内に進入した分の油液は、図9の左半分に示すように、ポンプロッド31とベースバルブ30の本体33との嵌合隙間35を通ってリザーバ室25内に流入してガスを圧縮する。また、ピストン速度が速くなり、シリンダ下室45の油圧が所定圧力に達すると、ディスクバルブ54が開いて縮み側通路51に油液を流通させることによって減衰力の過度の上昇を抑制する。
【0031】
次に、油圧緩衝器1の車高調整機能について説明する。
空車時(標準車高時)において、底部側のガス室29とリザーバ室25とは同圧になっており、ピストンロッド48の伸長長さは所定の標準範囲内にある。この状態では、ポンプロッド31の切欠80がポンプチューブ64の大径部64aと重なっており、ポンプ室68が液通路81および環状通路79を介してシリンダ上下室26,27に連通され、ポンピング作用は行われない。
【0032】
車両の積載荷重が増加して車高が標準車高よりも低くなり、ピストンロッド48の伸長長さが標準範囲よりも短くなると、ポンプロッド31の切欠80がポンプチューブ64の小径部64bと重なって閉鎖される。この状態では、走行時の懸架装置の振動によってピストンロッド48が伸縮すると、伸び行程時には、ポンプチューブ64の小径部64b内のポンプロッド31が後退することによりポンプ室68内の圧力が低下し、逆止弁71が開いて油通路69を通して下方のオイル室18内の油液がポンプ室68に導入され、また、縮み行程時には、ポンプロッド31が前進してポンプ室68内が加圧され、逆止弁70が開いてポンプ室68内の油液が、ポンプチューブ64の周りの油通路66およびピストンロッド48の開口67を通ってシリンダ上室44に供給されて、シリンダ上・下室44,45およびリザーバ室25を加圧してピストンロッド48を伸長させる。このようにして、走行時の振動を利用してポンピング動作を繰り返すことによって車高を上げる。そして、車高が標準車高に達して、ピストンロッドの伸長長さが標準範囲内になると、ポンプロッド31の切欠80がポンプチューブ64の大径部64aと重なってポンプ室68がシリンダ上・下室44,45に連通されてポンピング動作が解除される。
【0033】
また、車両の積載荷重が減少して車高が標準車高よりも高くなり、ピストンロッド48の伸長長さが標準範囲よりも長くなると、ポンプロッド31の切欠80およびオリフィス通路82がポンプチューブ64の大径部64aと重なり、ポンプ室68がシリンダ上・下室44,45に連通されてポンピング動作が解除されるとともに、シリンダ上・下室44,45が環状通路79およびオリフィス通路82を介してポンプロッド31内の油通路69に連通され、シリンダ上・下室44,45内の圧油がオイル室18に戻されて、シリンダ上・下室44,45およびリザーバ室25が減圧されて車高が下がる。車高が標準車高まで下がってピストンロッド48の伸長長さが標準範囲内になると、ポンプロッド31のオリフィス通路82がポンプチューブ64の小径部64bと重なって閉鎖され、シリンダ上・下室44,45内の圧油の戻し動作が停止する。
【0034】
以上のようにして、走行時の懸架装置の振動を利用して、ポンピング作用および戻し作用を繰り返すことによって、積載荷重にかかわらず車高を一定に調整することができる。
【0035】
ところで、ピストンロッド48の縮み行程時およびポンピング作用時には、シリンダ上・下室44,45の油圧が上り、油液がシール装置49から漏れ出ようとする。しかし、本実施形態では、ロッドシールを二段に設けているので、たとえ摺動特性を重視した第1のシール部材59から油漏れが生じても、ゴム製のオイルシールからなる第2のシール部材60によって外部への漏出が防止される。また、漏れ油の圧力が上った場合は、第2のシール部材60のチェック弁部63が開いて、油液が逃し通路62を通ってリザーバ室25に流入し、したがって外部への油液の流出は完全に防止される。しかも、本実施形態では、仕切部材22に減圧弁39を設けているので、シリンダ上・下室44,45の圧力が極端に上がる場合は、この減圧弁39が開いてシリンダ26内の油液が下方のオイル室28に流出し、より安全が確保されるようになっている。
【0036】
上記実施の形態では、ケース21内にリザーバ室25、シリンダ26、オイルタンクとしてのオイル室28を設けたものを示したが、本発明は、これに限らず、例えば、オイル室をケース21とは別に設け、配管によりオイル室と仕切部材21の貫通孔22aとを接続するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の油圧緩衝器によれば、ポンピング機構を構成するポンプロッドの周溝にディスクを嵌合し、これをディスクをシリンダに発生する軸力を受けるリテーナにより押えるという簡単な手段で、ポンプロッドを組込むことができ、部品点数と組付工数の削減が可能になって大幅なコスト低減を達成できる。また、ディスクの撓みを利用してポンプロッドにセット荷重を加えるようにしたので、ポンプロッドのガタツキによる異音発生を防止することができ、総じてその利用価値は高いものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油圧緩衝器の要部構造を示す断面図である。
【図2】本発明の連結手段を構成するディスクの形状の一例を示す平面図である。
【図3】ポンプロッドに対するディスクの組付方法および組付状態を示す正面図である。
【図4】本油圧緩衝器の全体構造を示す断面図である。
【図5】本油圧緩衝器のピストン部分とその周りの構造を示す断面図である。
【図6】本油圧緩衝器のシール構造を示す断面図である。
【図7】ポンプチューブの逆止弁とその周りの構造を示す断面図である。
【図8】ポンプロッドの逆止弁とその周りの構造を示す断面図である。
【図9】本油圧緩衝器の要部の作動状態を示す断面図である。
【図10】従来の油圧緩衝器のポンプロッドと仕切部材との連結構造を示す断面図である。
【符号の説明】
21 ケース
22 仕切部材
25 リザーバ室
26 シリンダ
28 オイル室(底部側室)
30 ベースバルブ
31 ポンプユニット
32 連結手段
36 逆止弁
43 ピストン
48 ピストンロッド
49 シール装置(シール手段)
52 ディスクバルブ(減衰力発生機構)
53 オリフィス通路(減衰力発生機構)
64 ポンプチューブ
68 ポンプ室
70 ポンプチューブの逆止弁
71 ポンプロッドの逆止弁
90 ポンプロッドの周溝
91 ディスク
92 リテーナ

Claims (1)

  1. 油液が封入されたシリンダと、該シリンダ内を2室に画成し、減衰力発生機構を有するピストンと、一端が前記シリンダの一端より突出し、他端に前記ピストンが連結された中空のピストンロッドと、前記シリンダの他端側の室とベースバルブを介して接続され前記シリンダ内の油液を補償するリザーバ室と、前記シリンダの他端に設けられた取付部材に一端が連結され他端が前記ピストンロッド内に挿入された中空のポンプロッドと、該ポンプロッドの一端側と接続されたオイルタンクと、前記ピストンロッドの伸縮動に応じて作動し、前記ポンプロッドを通じて、前記オイルタンク内の油液をシリンダ内に揚げるセルフポンピング機構とを配設した油圧緩衝器において、前記ポンプロッドと前記取付部材とを連結する連結手段を、前記ポンプロッドに設けた周溝に内周縁部が嵌合された弾性変形可能なリング状ディスクと、前記シリンダの軸力を受けて前記ディスクを前記取付部材に押えるリテーナとから構成し、前記ディスクの内周縁部の撓みにより前記ポンプロッドに前記取付部材側への押付力を加えるようにしたことを特徴とする油圧緩衝器。
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