JP3723937B2 - 電気ホイストの巻過ぎ防止装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気ホイストにおける巻過ぎ防止装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、電気ホイストには、巻過ぎによるフック装置とホイスト本体との衝突、ワイヤロープの切断等を防止するため、種々の巻過ぎ防止装置が案出され実用化されている。その中で、巻過ぎ防止レバーの1段目の回動によって作動する巻上電動機の電磁開閉器作動用マイクロスイッチと、フェイルセーフ(Fail-Safe)機構として2段目の回動によって作動する前記電磁開閉器の接点とは別個に独立させた巻上電動機と電源との間に設けたメインスイッチとで構成される巻過ぎ防止装置が、実公昭56−36874号に開示されている。
【0003】
この公報のものを図11に基づいて簡単に説明する。すなわち、図に示すように、電気ホイスト50のホイスト本体51に設けた巻上電動機(図示略)を駆動させてワイヤロープ52を介してフック53、滑車54及び滑車ケース55とからなるフック装置56を上昇させ、フック装置56の滑車54が巻過ぎ防止装置57の平面コの字状の巻過ぎ防止レバー58を押圧すると、巻過ぎ防止レバー58の回動によりマイクロスイッチ59が作動し、すなわち、マイクロスイッチ59の押圧が解放されてホイスト配線箱60内の電磁開閉器(図示略)の励磁コイル(図示略)が消磁し、巻上電動機が停止すると共に、定位置にフック装置56を停止させる。
【0004】
しかし、マイクロスイッチ59及び電磁開閉器の接点が溶着等により電気的あるいは機械的に作動不能になった場合、マイクロスイッチ59の機能が損なわれて、フック装置56はさらに上昇して、図12に示すように、巻過ぎ防止レバー58を矢印方向に回動させる。
【0005】
この回動により、巻過ぎ防止レバー58に係合したロッド61が下方に移動し、ロッド61を貫通した引張ロッド62の下端に設けた係止ナット63に当接し、引張ロッド62を圧縮ばね64に抗して下方に移動させ、ガイド板65を介して下側接触子66を下方に変位させる。これにより下側接触子66が上側接触子67から離れてメインスイッチ68が開路して巻上電動機が停止して、フック装置56の上昇が停止する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上説明した従来技術においては、通常使用における巻過ぎ防止レバーの1段目の回動の場合には、マイクロスイッチが作動して電磁開閉器の励磁コイルを消磁させ、巻上電動機の回転を停止させる。万一、巻上電動機の電磁開閉器の接点の溶着、機械的故障により接点が全く開成不可能に陥ったような場合には、電磁開閉器の系列とは全く別個に設けられているメインスイッチの開成動作により、確実に巻上電動機の電源回路を遮断させることが出来るので、巻過ぎ防止装置としては一応の機能を達成していた。しかしながら、この巻過ぎ防止装置においては、次のような問題も残っていた。
【0007】
電気ホイストを設置する場合は、通常箱詰めされた電気ホイストを上架用チェーンブロック等で吊上げて開梱してクレーンガーダに取付けている。その際に、フック装置に係合する巻過ぎ防止レバーの延長部分を誤って梱包用架台等に接触させたり、巻過ぎ防止レバーに外力が加わってレバーを規定以上に回動させることが有る。
【0008】
また、電気ホイスト及びクレーンは走行運動をする為、無負荷の状態ではフック装置に振れが生じやすく、フック装置が最上位置に巻上げられた状態で走行した場合には、巻過ぎ防止レバーに当たるフック装置の接触位置が異なり、巻過ぎ防止レバーを規定以上に回動させることが有る。
このような場合には、機器の一部を破損させたり、メインスイッチのガイド板や引張ロッドを破損させたり、巻過ぎ防止レバーを変形させる等の問題が有った。
【0009】
本発明は、上記従来の問題を解決するためになされたもので、巻過ぎ防止レバーの1段目の回動によってマイクロスイッチを作動させ、巻過ぎ防止レバーの2段目の回動によってメインスイッチを時間遅れで作動させ、さらに、巻過ぎ防止レバーが規定以上に回動した場合はその回動を吸収するようにして、ホイスト本体とフック装置の衝突による破損をなくし、さらに、メインスイッチのガイド板や引張ロッドの破損を回避させると共に、巻過ぎ防止レバーの変形をなくした電気ホイストの巻過ぎ防止装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、巻上電動機の電磁開閉器を開閉するマイクロスイッチと、該巻上電動機の電源回路を断接するメインスイッチとを収容したホイスト配線箱の下部に一対の支持プレートを対向するように垂設させて、一対の支持プレート間に設けた第一支持軸に、先端部側に前記巻上電動機により上下駆動するフック装置が当接可能な巻過ぎ防止レバーと、これに追動して前記マイクロスイッチを作動させる押しレバーの支持腕部とを回動可能に枢着させ、さらに、前記一対の支持プレート間に設けた第二支持軸に、回動可能に枢着される一対の支持腕部と該一対の支持腕部間に連設された斜め平板部とを有する平面略コ字状の回動レバーを設けると共に、前記各支持腕部には、前記巻過ぎ防止レバーの基端部側に設けられた、前記第一及び第二支持軸と同方向に延びるロッドピンが摺動可能に挿通される直線状長穴部とこれに連続する弧状長穴部とが形成され、該弧状長穴部は、前記巻過ぎ防止レバーが前記第一支持軸を中心に回動する際の前記ロッドピンの回転半径と略同一半径に設定された円弧状に形成され、かつ、前記メインスイッチの接点を開閉するべく上下動可能な引張ロッドが前記ホイスト配線箱の下部から垂設されると共に、該引張ロッドは前記回動レバーの前記斜め平板部に穿設された穴に挿通されており、前記引張ロッドの下端部には、通常状態においては前記斜め平板部と所定の間隔が保持され、前記巻過ぎ防止レバーが回動される際には該巻過ぎ防止レバーの回動に伴って回動する前記回動レバーの前記斜め平板部に当接可能な係止ナットが設けられていることを特徴とするものである。
【0011】
このように、巻上電動機の電磁開閉器を開閉するマイクロスイッチと、前記巻上電動機の電源回路を断接するメインスイッチとを収容したホイスト配線箱の下部に対向させて設けた一対の支持プレートの間に、該各支持プレートに対して直交するように設けた第一支持軸を各支持プレートの一側に設け、該第一支持軸に巻過ぎ防止レバーと、これに追動する押しレバーの支持腕部の基端部を回動可能に枢着させ、通常の状態では、巻過ぎ防止レバーの自重によって、巻過ぎ防止レバーの先端部側を下げて、基端部側で押しレバーを上方に付勢してマイクロスイッチを作動させる。
【0012】
さらに、各支持プレートの他側に設けられ、第一支持軸と同方向に延びる第二支持軸に、回動可能に枢着される一対の支持腕部と該一対の支持腕部間に連設された斜め平板部とを有する平面略コ字状の回動レバーを設けると共に、各支持腕部には、巻過ぎ防止レバーの基端部側に設けられた、第一及び第二支持軸と同方向に延びるロッドピンが摺動可能に挿通される直線状長穴部とこれに連続する弧状長穴部とが形成され、該弧状長穴部は、巻過ぎ防止レバーが第一支持軸を中心に回動する際の前記ロッドピンの回転半径と略同一半径に設定された円弧状に形成され、かつ、前記メインスイッチの接点を開閉するべく上下動可能な引張ロッドがホイスト配線箱の下部から垂設されると共に、該引張ロッドは回動レバーの斜め平板部に穿設された穴に挿通されており、引張ロッドの下端部には、通常状態においては斜め平板部と所定の間隔が保持され、巻過ぎ防止レバーが回動される際には該巻過ぎ防止レバーの回動に伴って回動する回動レバーの斜め平板部に当接可能な係止ナットが設けられている。
このような構成により、フック装置が巻過ぎ防止レバーに当接して、巻過ぎ防止レバーが第一支持軸を中心に1段目の回動をした場合には、押しレバーの自重とマイクロスイッチの内蔵スプリングによって、押しレバーが第一支持軸を中心に回動することとなり、マイクロスイッチを作動させて電磁開閉器の励磁コイルを消磁し、巻上電動機の回転を停止させる。
【0013】
そして、万一、電磁開閉器の接点の溶着、機械的故障により接点が全く、開成不可能に陥ったような場合には、巻過ぎ防止レバーの2段目の回動によって、巻過ぎ防止レバーの基端部側に設けたロッドピンと、回動レバーの各支持腕部に設けた直線状長穴部との協働により回動レバーが第二支持軸を中心に回動されると共に、回動レバーの斜め平板部が引張ロッドの係止ナットに当接されて、引張ロッドをメインスイッチの接点を開路する下方に強制的に移動させ、つまり、電磁開閉器の系列とは全く別個に設けられているメインスイッチの引張ロッドを強制的に引き下げることにより確実に巻上電動機の電源回路を遮断させる。
【0014】
さらに、巻過ぎ防止レバーが、外力や荷振れによって規定以上に、強制的に回動した場合、巻過ぎ防止レバーのロッドピンが回動レバーの各支持腕部に設けられた弧状長穴部に挿通されることにより、回動レバーの回動が吸収され、すなわち、巻過ぎ防止レバーのみを回動させて、回動レバーの回動を回避させる。これにより引張ロッドに外力が加わらないようになる。
【0015】
請求項2記載の発明は、前記一対の支持プレート間に、前記押しレバー、前記回動レバー及び前記引張ロッドの下部が露出しないように収容されていることを特徴とするものである。
【0016】
このように一対の支持プレートの間に、マイクロスイッチを作動させる押しレバー、メインスイッチを作動させる回動レバー及び引張ロッドの下部を露出しないように収容して、ホイスト配線箱の下部に誤って梱包用架台等が接触しても一対の支持プレートにより、内部に配置された前述の構成部材を確実に保護するので、該構成部材の損傷が防止される。
【0017】
【発明の実施の形態】
請求項1の記載から把握される本発明において、図3に示すように、巻上電動機の電磁開閉器を開閉するマイクロスイッチ2と、該巻上電動機の電源回路を断接するメインスイッチ3とを収容したホイスト配線箱1の下部に一対の支持プレート9,9を対向するように垂設させる。これらの支持プレート9,9間に設けた第一支持軸10に、巻過ぎ防止レバー11と、これに追動してマイクロスイッチ2を作動させる押しレバー12の一対の支持腕部12a , 12 aを回動可能に枢着させる。
【0018】
さらに、一対の支持プレート9,9間に設けた第二支持軸15に、回動可能に枢着される一対の支持腕部 16a , 16a とこれら一対の支持腕部 16a , 16a 間に連設された斜め平板部 16b とを有する平面略コ字状の回動レバー 16 を設けている。また、これらの支持腕部 16a , 16a には、巻過ぎ防止レバー 11 の基端部 11b に設けたロッドピン 19 が摺動可能に挿通される長穴 18 が形成されており、この長穴 18 は、直線状長穴部 18a とこれに連続する弧状長穴部 18b とからなる。この弧状長穴部 18b は、巻過ぎ防止レバー 11 が第一支持軸 10 を中心に回動する際のロッドピン 19 の回転半径と略同一半径に設定された円弧状に形成されている。さらに、メインスイッチ3の接点を開閉するべく上下動可能な引張ロッド8がホイスト配線箱1の下部から垂設されると共に、この引張ロッド8は、回動レバー 16 の斜め平板部 16b に穿設された穴 21 に挿通されており、引張ロッド8の下端部には、通常状態においては斜め平板部 16b と所定間隔が保持され、巻過ぎ防止レバー 11 が回動される際には該巻過ぎ防止レバー 11 の回動に伴って回動する前記回動レバー 16 の斜め平板部 16b に当接可能な係止ナット 22 が設けられている。
【0019】
請求項2の記載から把握される本発明において、図3に示すように、一対の支持プレート9,9間に、マイクロスイッチ2を作動させる押しレバー12、メインスイッチ3を作動させる回動レバー16及び引張ロッド8の下部を露出しないように収容する。
【0020】
【実施例】
以下、本発明の一実施例を図1ないし図5に基づいて説明する。図において、電気ホイストのホイスト配線箱(以下、単に配線箱という)1内には、図3に示すように、巻上電動機用電磁開閉器を開閉するマイクロスイッチ(リミットスイッチ)2と、三相の巻上電動機と電源との間の二線について電源を断接するメインスイッチ3とが設けられている。
【0021】
また、図4において、符号3a,3bはメインスイッチ3のそれぞれの接触子である。上方の接触子3aは、配線箱1と一体の上板4(図3参照)に絶縁手段を介して固定されており、下方の接触子3bは、一対のガイド棒5,5に嵌合して上下動可能なガイド板6に同じく絶縁手段を介して固定されている。
【0022】
ガイド板6は、一対のガイド棒5,5に嵌めた圧縮バネ7,7により上方に付勢されている。したがって、接触子3a,3bは常時、接触状態を維持する。すなわち、メインスイッチ3は閉じられている。
【0023】
ガイド板6の中央部には、引張ロッド8が垂設されており、この引張ロッド8は、配線箱1の下壁を貫通して下方に延長されている。
【0024】
一方、配線箱1の下部には、鉛直方向で対向する一対の支持プレート9,9が平行に溶着されている。これらの支持プレート9,9間の一側には、図2ないし図4に示すように、第一支持軸10にて、巻過ぎ防止レバー11の基部の支持板部11a ,11aと、これらの支持板部11a , 11aの基端部11b側に位置して設けられた押しレバー12の支持腕部12a ,12aとが回動可能に枢着されている。
【0025】
押しレバー12は、平面略コ字状に形成され、平板部12bと、これに連続して設けられた対向する一対の支持腕部12a ,12aとで構成されている。尚、図1及び図4において、符号13で示すものは、第一支持軸10の抜け防止用松葉ピンである。
【0026】
巻過ぎ防止レバー11の先端部側(図3において右側)は、電気ホイストのフック装置(図11の符号56参照)に係合するように臨ませてあり、巻過ぎ防止レバー11の基端部11bは、押しレバー12の平板部12b の下面に当接している。また、押しレバー12の平板部12bの上面はマイクロスイッチ2に当接している。
【0027】
このため、押しレバー12は、巻過ぎ防止レバー11の自重によって常時上方に付勢されており、マイクロスイッチ2の接点は閉じられている。尚、押しレバー12の上方向における回動規制は、図3に示すように、配線箱1の背面に設けられたストッパー14に押しレバー12の平板部12b が当接することによって行われ、下方向における回動規制は、後述する第二支持軸15の上面に押しレバー12の支持腕部12aが当接することによって行われる。
【0028】
また、図2ないし図5に示すように、各支持プレート9,9の他側には、第二支持軸15が設けられており、この第二支持軸15には、回動レバー 16 の支持腕部 16a , 16a が回動可能に枢着されている。この回動レバー16は、平面略コ字状に形成され、斜め平板部16bと、これに連続して設けられた対向する一対の支持腕部16a ,16aとで構成されている。尚、図1及び図5において、符号17で示すものは第二支持軸15の抜け防止用松葉ピンである。
【0029】
この回動レバー16の支持腕部16a ,16aには、図6に示すように、長穴18が設けられ、この長穴18は直線状長穴部18aと、これに連続して設けられた弧状長穴部18bとからなる。そして、この弧状長穴部18bの半径Rは、巻過ぎ防止レバー11が第一支持軸 10 を中心に回動して、回動レバー 16が下方に回動した際において、巻過ぎ防止レバー 11 に設けられたロッドピン 19 の第一支持軸10を中心とした回転半径で形成される。
【0030】
この長穴18には、図5に示すように、巻過ぎ防止レバー11の支持板部11a ,11a 間の基端部11b(図3参照)近傍に設けられたロッドピン19が摺動可能に挿通される。尚、図3及び図5において、符号20で示すものはロッドピン19の位置決めも兼ねた抜け防止用松葉ピンである。
【0031】
そして、図2ないし図4に示すように、メインスイッチ3の接点を開閉する引張ロッド8は、配線箱1の下部から垂設されると共に、回動レバー 16 の斜め平板部 16b に穿設された穴 21 に挿通される。さらに、引張ロッド8の下端部には、図3に示されるように、回動レバー16の斜め平板部 16bとの間に所定の間隔dが保持される位置に、係止ナット22が固定されている。穴21は、回動レバー16が回動した際に、引張ロッド8に干渉しないように長穴状に形成されている(図2参照)。
【0032】
以上のような構成に係る巻過ぎ防止装置の作用を図3及び図7乃至図10で説明する。通常の状態では、図3に示されるように、巻過ぎ防止レバー11の自重によって、押しレバー12は第一支持軸10を中心に常時上方に付勢されており、マイクロスイッチ2の接点は閉じられている。
【0033】
また、回動レバー16は、巻過ぎ防止レバー11の支持板部 11a , 11a の基端部 11b 間を延びるロッドピン19によって上方に付勢され、回動レバー16の斜め平板部16bと係止ナット22間には間隔dが保持されている。
【0034】
次に、巻過ぎ防止レバー11の先端部側にフック装置が当接して、巻過ぎ防止レバー11が、図7の矢印で示すように、反時計方向に1段目の回動をした場合には、巻過ぎ防止レバー11に追動した押しレバー12が、自重とマイクロスイッチ2に内蔵したスプリングによって、第二支持軸15の上面に当接するまで下方に回動し、マイクロスイッチ2が作動(突出)して電磁開閉器の励磁コイルを消磁させ、巻上電動機の回転を停止させる。
【0035】
この場合に、回動レバー16もロッドピン19によって若干下方に回動するが、回動レバー16の斜め平板部16bと係止ナット22間には、まだ、隙d2が有り、引張ロッド8に下方向の外力が加わることはない。
【0036】
次に、万一、巻上電動機の電磁開閉器の接点の溶着、機械的故障により接点が全く開成不可能に陥ったような場合には、図8に示すように、巻過ぎ防止レバー11は、矢印で示すように、反時計回り方向に回動し、巻過ぎ防止レバー 11 のロッドピン 19 と回動レバー 16 の各支持腕部 16a , 16a に設けた直線状長穴部 18a , 18a との協働により、回動レバー 16 が第二支持軸 15 を中心に時計回り方向に回動して、回動レバー16の斜め平板部16bが引張ロッド8の下端部に設けられた係止ナット22に当接する状態にまでなる。
【0037】
そして、巻過ぎ防止レバー11がさらに反時計回り方向に回動すると、図9に示すように、回動レバー 16 がさらに時計回り方向に回動して、回動レバー 16 の斜め平板部 16 bが引張ロッド8の係止ナット 22 を押し下げることにより、メインスイッチ3の引張ロッド8を強制的に引き下げる。これによって、電磁開閉器の系列とは全く別個に設けられているメインスイッチ3の接点が開路し、確実に巻上電動機の電源回路を遮断する。尚、この時点までは、ロッドピン19は回動レバー16の各支持腕部 16a , 16aに設けられた直線状長穴部18a , 18aを摺動している。
【0038】
さらに、外力や荷振れ等によって規定以上に巻過ぎ防止レバー11が強制的に回動された場合には、図10に示すように、ロッドピン19は回動レバー16の各支持腕部 16a , 16aに設けられた弧状長穴部18b , 18b部分に移動する。そうすると、弧状長穴部18b , 18bは第一支持軸10を中心としたロッドピン19の回転半径Rに設定された円弧状に形成されていることより、ロッドピン19は弧状長穴部18b , 18bをすべりながら移動するために、回動レバー16は回動することなく、引張ロッド8に外力は加わらない。
【0039】
しかも、回動レバー16は、第二支持軸15と第一支持軸10とロッドピン19とからなるすべりリンク機構の一辺を形成するため、回動レバー16は元の位置に戻ることなくその角度を維持し続け、メインスイッチ3の接点は開路したままである。尚、巻過ぎ防止レバー11が時計回り方向に回動して元の状態に復した場合には、回動レバー16及び押しレバー12もそれぞれ元の状態に自動的に復することになる。
【0040】
【発明の効果】
請求項1記載の発明において、巻過ぎ防止レバーの1段目の回動の場合には電磁開閉器の励磁コイルを消磁させて巻上電動機の回転を停止させ、2段目の回動の場合には巻上電動機の電源回路を確実に遮断し、巻過ぎ防止装置としての機能を十分に果たすことができる。
【0041】
さらに、外力や荷振れ等によって規定以上に巻過ぎ防止レバーの先端部側が強制的に上 方へ押され回動された場合には、回動レバーの各支持腕部に設けられた弧状長穴部によって巻過ぎ防止レバーの回動が吸収され、引張ロッドに外力が加わることはない。このため、メインスイッチのガイド板や引張ロッドの破損が防止出来る。
【0042】
引張ロッドの係止ナットが当接する回動レバーの斜め平板部を斜めに形成していることにより、巻過ぎ防止レバーの回転運動より、引張ロッドを直線運動に変換するのに、無理な力がかからず、引張ロッドに曲げ力が作用しない。
【0043】
請求項2記載の発明において、一対の支持プレート間に、巻過ぎ防止装置の外部露出部分を収容しているので、誤って梱包用架台等に接触させても損傷を回避させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示す正面図である。
【図2】 図1のA−A線に沿う断面図である。
【図3】 図2のB−B線に沿う断面図である。
【図4】 図3のC−C線に沿う断面図である。
【図5】 図3のD−D線に沿う断面図である。
【図6】 図3に示す回動レバーの正面図である。
【図7】 本発明の巻過ぎ防止装置の作動順序説明図で、巻過ぎ防止レバーが回動したところを示す図である。
【図8】 本発明の巻過ぎ防止装置の作動順序説明図で、図7の巻過ぎ防止レバーがさらに回動したところを示す図である。
【図9】 本発明の巻過ぎ防止装置の作動順序説明図で、図8の巻過ぎ防止レバーがさらに回動したところを示す図である。
【図10】 本発明の巻過ぎ防止装置の作動順序説明図で、図9の巻過ぎ防止レバーがさらに回動したところを示す図である。
【図11】 従来の電気ホイストの一般構成を示す正面図である。
【図12】 従来の電気ホイストの巻過ぎ防止装置の要部を示す一部断面正面図である。
【符号の説明】
1 ホイスト配線箱
2 マイクロスイッチ
3 メインスイッチ
8 引張ロッド
9 支持プレート
10 第一支持軸
11 巻過ぎ防止レバー
12 押しレバー
12a 支持腕部
15 第二支持軸
16 回動レバー
16a 支持腕部
16b 斜め平板部
18 長穴
18a 直線状長穴部
18b 弧状長穴部
19 ロッドピン
21 穴
22 係止ナット
d 間隔
Claims (2)
- 巻上電動機の電磁開閉器を開閉するマイクロスイッチと、該巻上電動機の電源回路を断接するメインスイッチとを収容したホイスト配線箱の下部に一対の支持プレートを対向するように垂設させて、一対の支持プレート間に設けた第一支持軸に、先端部側に前記巻上電動機により上下駆動するフック装置が当接可能な巻過ぎ防止レバーと、これに追動して前記マイクロスイッチを作動させる押しレバーの支持腕部とを回動可能に枢着させ、さらに、前記一対の支持プレート間に設けた第二支持軸に、回動可能に枢着される一対の支持腕部と該一対の支持腕部間に連設された斜め平板部とを有する平面略コ字状の回動レバーを設けると共に、前記各支持腕部には、前記巻過ぎ防止レバーの基端部側に設けられた、前記第一及び第二支持軸と同方向に延びるロッドピンが摺動可能に挿通される直線状長穴部とこれに連続する弧状長穴部とが形成され、該弧状長穴部は、前記巻過ぎ防止レバーが前記第一支持軸を中心に回動する際の前記ロッドピンの回転半径と略同一半径に設定された円弧状に形成され、かつ、前記メインスイッチの接点を開閉するべく上下動可能な引張ロッドが前記ホイスト配線箱の下部から垂設されると共に、該引張ロッドは前記回動レバーの前記斜め平板部に穿設された穴に挿通されており、前記引張ロッドの下端部には、通常状態においては前記斜め平板部と所定の間隔が保持され、前記巻過ぎ防止レバーが回動される際には該巻過ぎ防止レバーの回動に伴って回動する前記回動レバーの前記斜め平板部に当接可能な係止ナットが設けられていることを特徴とする電気ホイストの巻過ぎ防止装置。
- 前記一対の支持プレート間に、前記押しレバー、前記回動レバー及び前記引張ロッドの下部が露出しないように収容されていることを特徴とする請求項1記載の電気ホイストの巻過ぎ防止装置。
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JPH09255288A (ja) | 1997-09-30 |
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