JP3723744B2 - 光導波路モジュール実装部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光導波路チップおよび光ファイバを接続した光導波路モジュールがパッケージ内に実装された光導波路モジュール実装部品に関するものである。さらには、主に光通信分野において用いられる光導波路モジュール実装部品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年の光通信技術の進展に伴い、光分岐素子や光合波器などの光導波路モジュール実装部品に高い経済性と信頼性が求められている。これらの光導波路モジュール実装部品の内部構造は、光導波路チップの端面に光を入出力するための光ファイバを接続した構造が一般的である。
【0003】
この光導波路モジュールを実際に通信システムで使用するに当たっては信頼性向上のため外側をパッケージで保護することが必要である。このパッケージの使用目的は、主に外部から加えられる機械的衝撃に対する信頼性と長期信頼性の向上である。また、光導波路と光ファイバを接続する場合には、通常、紫外線硬化樹脂が用いられる。この紫外線硬化樹脂は長期的には水分の侵入により接着特性が劣化することが知られている。そのため、パッケージにより光導波路モジューールの接続部への水分を遮断することも重要である(登録:特許第3070028号)。
【0004】
図1は、光導波路モジュール実装部品の従来例を示す断面図である。光ファイバ1と光導波路チップ2を調芯固定した光導波路モジュールが、素子固定部材3を介して筒型パッケージ4内に固定され光導波路モジュール実装部品が構成されている。光ファイバ1は光ファイバ引き込み部材5に固定され、光ファイバ1および光導波路チップ2が筒型パッケージ4および光ファイバ引き込み部材5で囲まれた構造を有している。
【0005】
図2は、光導波路モジュール実装部品の他の従来例を示す断面図である。光ファイバ1と光導波路チップ2を調芯固定した光導波路モジュールが上下分割型のパッケージ部材(下側)6に樹脂7で固定され、光ファイバ1が光ファイバ引き込み部材5に固定され、上下分割型のパッケージ部材(上側)8で封止された光導波路モジュール実装部品が構成されている。光ファイバ1および光導波路チップ2は、上下分割型のパッケージ部材(下側)6、光ファイバ引き込み部材5および上下分割型のパッケージ部材(上側)8で囲まれた構造を有している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図1に示した従来の光導波路モジュール実装部品の構造では、光導波路チップと光ファイバを接続した光導波路モジュールを筒型パッケージに固定するためには、光導波路モジュールを筒型パッケージおよび光ファイバ引き込み部材に通す必要がある。また、光導波路チップを素子固定部材を介して筒型パッケージ内に接着固定する際には、パッケージが筒型であるため、固定には特別な治具が必要となり、また固定部分が上部から目視できないため、作業性が悪く、作業工数が多くなってしまう。
【0007】
また図2に示した従来の光導波路モジュール実装部品の構造では、図1に示した従来例と比較して、上下分割型パッケージが箱型形状をしているため、光導波路モジュールとの固定部が上部から目視でき、作業性が向上し、作業工数を低減することができる。しかし、部品点数が多く部材費が高くなってしまう。しかも組立て工数も多くなり、経済性が悪化してしまう。
【0008】
このように従来の光導波路モジュール実装部品ではパッケージの部材点数が多く、部材費が余計にかかる。また部材点数が多いため組立て工数が多く、コストが高くなってしまうという問題点が生じていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明の目的は上記課題を解決するため、部材を統一化し部材費を低減するとともに、パッケージ部材に多機能を追加することにより部材点数を低減し、組立てが容易な光導波路モジュール実装部品を提供することである。
より詳しく述べると、本発明は、光導波路チップと、前記光導波路チップにその光軸が一致するように接続された光ファイバとを備えた光導波路モジュールが、分割型パッケージに収納された光導波路モジュール実装部品であって、前記分割型パッケージは、一対以上の嵌め込み用の凹部及び凸部を設けた2つの同一構造のパッケージ部材を接合した構造を有し、前記凹部及び凸部は接合した相手側のパッケージ部材の前記凸部及び凹部にそれぞれ嵌合しており、さらに前記分割型パッケージは、前記光ファイバを引き込むための光ファイバ引き込み溝と、前記引き込み溝の内側に、前記光ファイバを樹脂により固定する光ファイバ固定溝を有することを特徴とする光導波路モジュール実装部品を提供する。
前記分割型パッケージは、好ましくは前記ファイバ引き込み溝よりも、前記樹脂による光ファイバ固定溝の方が大きい断面を有するように段差を有する。これにより光ファイバを固定するための樹脂が多少過剰な場合でも樹脂が光ファイバ引き込み溝にしみ出すことが無くなる。より好ましくはさらに光導波路チップの収納部を光ファイバ固定溝よりも深くオフセットさせる。
前記分割型パッケージを構成する2つのパッケージ部材の接合面には、好ましくはシール材にて接着することにより、湿度等の環境からの影響を防止することができる。
前記分割型パッケージ内には好ましくは樹脂を充填することにより環境からの影響をさらに改善することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図3は、本発明の1実施例による光導波路モジュール実装部品における、嵌め込み用凸凹部を有する上下分割型パッケージの鳥瞰図である。
【0011】
上下分割型パッケージ11、12には、位置合わせ嵌め込み用の凸部15及び凹部16が両端部近くに2対設けられており、上側と下側の同一構造のパッケージ部材11、12が噛み合う構造となっている。また、凸部15の縦、横と長さ寸法はマイナス公差、凹部16の縦、横と深さはプラス寸法公差になっており、寸法誤差を考慮しても必ず凸部15の根元まで接合し、上下分割パッケージの接合面は密着することとなる。パッケージ部材11、12の材質が、樹脂の場合は射出成型法で作製可能であり、金属の場合でもメタルインジェクション法で作製することができる。
【0012】
図4は、本発明の実施例を示しており、光導波路モジュール実装部品10の断面図である。光導波路チップ18に、光軸が一致するように光ファイバ19を調芯固定した光導波路モジュールが、凸部15と凹部16を利用して嵌合合体した上下分割型パッケージ11、12に収容されており、光ファイバ19はファイバ引き込み溝13よりパッケージの内の空所17内に引き込まれている。
【0013】
上下分割型パッケージ内の2箇所の光ファイバ固定溝(固定部)14に光ファイバ19が樹脂20で固定されている。樹脂は、光ファイバ19、光導波路チップ18および上下分割型パッケージ11、12の線膨張係数の差を吸収しうる樹脂であり、かつ上下分割型パッケージ11、12と光ファイバ19を確実に接着できる樹脂であることが望ましい。例えば、熱硬化型シリコーン樹脂、柔軟な紫外線硬化樹脂などである。強度の接着力が要求される場合には光導波路チップ裏面とパッケージ部も樹脂により固定することができる。
【0014】
光導波路チップの裏面が接するパッケージ内部の収納凹部17の底面は光導波路チップ厚さを考慮し、パッケージ内部で最も深い面となっている。光ファイバ固定溝14、ファイバ引き込み溝13は、段状にオフセットを有し、順にに浅くなっている。光ファイバ固定溝14とファイバ引き込み溝13の深さ方向にオフセットを設けることにより、光ファイバを固定するための樹脂がファイバ引き込み溝を通して外部に流出しない効果がある。収納凹部17と固定溝14も同様にオフセットするとなお良い。
【0015】
上側と下側の分割型パッケージは、防湿性に優れるシール材21により接着固定されている。この防湿シール材21によりパッケージ内への水分を遮断し、光導波路18と光ファイバ19との接続部の接続特性の劣化が防げる。さらなる耐湿性が要求される場合には、水蒸気透過率の低い樹脂をパッケージ内の空隙に充填することや、水蒸気透過率の低い樹脂を光導波路モジュール表面にコーティングすることもできる。
【0016】
以上、上下分割パッケージに嵌め込み用凸凹部を対称位置に設け、かつ光ファイバ引き込み溝およびファイバ固定溝を設けた同一構造にすることにより、1種類のパッケージ部材で光導波路モジュールをパッケージすることが可能となる。
【0017】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、一合わせ嵌め込みようの凸凹部を有する同一構造のパッケージ部材を用いることにより、部品の種類を減じ統一化できる。
また、パッケージ部材に、光ファーバ引き込み溝及び光ファイバ固定溝をも受けることにより部品点数を削減することができる。
本発明の部品は組立が簡単で、組み立て工数が減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】光導波路モジュール実装部品の構造(筒型)を示す断面図である。
【図2】光導波路モジュール実装部品の構造(上下分割型)を示す断面図である。
【図3】実施例を示す嵌め込み用凸凹部を有する上下分割型パッケージの鳥瞰図である。
【図4】実施例を示す光導波路モジュール実装部品の断面図である。
【符号の説明】
1 光ファイバ
2 光導波路チップ
3 素子固定部材
10 光導波路モジュール実装部品
11、12 パッケージ部材
15 嵌め込み用凸部
16 嵌め込み用凹部
13 光ファイバ引き込み溝
14 光ファイバ固定溝
17 光導波チップの収納凹部
18 光導波路チップ
19 光ファイバ
20 樹脂

Claims (5)

  1. 光導波路チップと、前記光導波路チップにその光軸が一致するように接続された光ファイバとを備えた光導波路モジュールが、分割型パッケージに収納された光導波路モジュール実装部品であって、前記分割型パッケージは、一対以上の嵌め込み用の凹部及び凸部を設けた2つの同一構造のパッケージ部材を接合した構造を有し、前記凹部及び凸部は接合した相手側のパッケージ部材の前記凸部及び凹部にそれぞれ嵌合しており、さらに前記分割型パッケージは、前記光ファイバを引き込むための光ファイバ引き込み溝と、前記引き込み溝の内側に、前記光ファイバを樹脂により固定する光ファイバ固定溝を有することを特徴とする光導波路モジュール実装部品。
  2. 前記分割型パッケージは、前記ファイバ引き込み溝よりも、前記樹脂による光ファイバ固定溝の方が大きい断面に形成されていることを特徴とする請求項1の光導波路モジュール実装部品。
  3. 前記分割型パッケージは前記光導波路チップを収納するための凹部を有し、該凹部は前記ファイバ固定溝の深さよりも深く形成されている請求項2の光導波路モジュール実装部品。
  4. 前記分割型パッケージを構成する2つのパッケージ部材の接合面がシール材にて接着されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかの光導波路モジュール実装部品。
  5. 前記分割型パッケージ内に樹脂が充填されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかの光導波路モジュール実装部品。
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