JP3723699B2 - 食品包装容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンバーグ、ステーキ、コロッケ、餃子、揚げ蒲鉾等の軟質の食品又はワッフル、どら焼き、干菓子等の菓子類等の食品を包装するのに適した食品包装容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ハンバーグ等の食品を包装する食品包装容器は、図8に示すように、上面に開口部を有し、複数の食品4を収納する収納部本体1と、前記開口部を封止する透明フィルムからなる蓋体5とから構成され、前記収納部本体1は、底面が各食品4を配置する傾斜部である複数の収納部2a,2b,2cを並列されたものであり、食品4を上面から見て、一部重なり合わせるように食品を陳列可能に包装する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、かかる食品包装容器では、陳列効果のために、収納部2a,2b,2cの底面に傾斜部を形成しているので、収納部本体1の底面部側の載置面が少ないため、図中左右端上から力を掛けると包装容器が傾いてしまい載置安定性が良くないという問題がある。特に、ハンバーグ等の半加工食品では、蓋体5のフィルムを透明として食品4を需要者が視覚で観察し易いようになっていることが多いが、載置安定性が良くないとハンバーグ等が内部で動いてしまい、蓋体5の透明フィルムと食品4上面が擦れることにより、蓋体5のフィルムが汚れてしまい視覚的な効果が薄れるという問題がある。また、底面部側が傾斜部であるので、食品包装容器の積み重ねが困難である。
また、底面部側に、賞味期限,原材料等を記載した所定大きさのラベルを貼ることが難しく、このため、ラベルを蓋体5に貼るか、蓋体5のフィルムに印刷をしなければならず、食品4の陳列効果が薄れるという問題がある。さらに、エージレス等の脱酸素剤、ハンバーグ等のたれを封入する必要があるが、空いている空間が少ないため収納部2a,2b,2cとは別に新たに脱酸素剤、たれ等の収納部7を設ける必要がある。
【0004】
本発明は、食品を陳列可能に包装する包装容器であって、載置安定性が良く、且つ裏面にラベル等を貼付可能な食品包装容器を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のうち請求項1記載の発明は、上面に開口部を有し、複数の食品(4)を収納する収納部本体(1)と、前記開口部を封止する蓋体(5)とからなり、前記収納部本体(1)は、底面が各食品を配置する傾斜部である複数の収納部(2a,2b,2c)を並列されたものである食品包装容器において、
前記収納部本体(1)に、収納部(2a,2b,2c)よりも下方に配され、食品包装容器を安定に載置する平面載置部(3)が備えられ、該平面載置部(3)は複数の前記収納部(2a,2b,2c)を跨ぐようにして収納部本体(1)の底面中央部分のみに配置されることを特徴とする。
【0007】
本発明のうち請求項2記載の発明は、請求項1記載の食品包装容器において、
前記平面載置部(3)は複数の前記収納部(2a,2b,2c)のうち一端側の収納部(2a)から他端側の収納部(2c)までを跨ぐように配置されていることを特徴とする。
【0008】
本発明のうち請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の食品包装容器において、前記平面載置部(3)の幅は少なくとも前記収納部本体(1)の幅のほぼ1/3〜1/2程度であることを特徴とする。
【0009】
本発明のうち請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか記載の食品包装容器において、前記平面載置部(3)を、前記複数の収納部(2a,2b,2c)が配列されている方向と平行に複数設けるようにしたことを特徴とする。
【0010】
本発明のうち請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか記載の食品包装容器を、含気深絞り包装としたことを特徴とする。
【0011】
本発明のうち請求項6記載の発明は、請求項1〜5のいずれか記載の食品包装容器において、前記蓋体(5)は透明なフィルムからなることを特徴とする。
【0012】
本発明のうち請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか記載の食品包装容器において、前記食品(4)は楕円状のハンバーグ、コロッケ、ステーキ等の半加工食品であることを特徴とする。
【0013】
かかる請求項1記載の発明では、収納部本体(1)は、複数の収納部(2a,2b,2c)の下方の底面中央部分に平面載置部(3)を備えることより、左右端上から力を掛けても、食品包装容器が傾いてしまうことがなく、載置安定性が良い。
【0014】
また、底面部側の平面載置部(3)に、賞味期限、原材料等を記載したラベルを貼ることが可能となるため、従来のように、蓋体(5)にラベルを貼ったり、蓋体(5)に印刷をする必要がないため、食品(4)の陳列効果が薄れることがない。
【0015】
さらに、底面部側に平面載置部(3)があるため、複数の食品包装容器を積み重ねることが容易となる。
【0016】
また、エージレス等の脱酸素剤、加工食品のたれ等を食品包装容器内に封入する必要がある場合には、平面載置部(3)と収納部(2a,2b,2c)の傾斜部との間に形成された空間内に、脱酸素剤等を収納することができ、従来のように、収納部(2a,2b,2c)と別に新たに脱酸素剤等の収納部を設ける必要がない。
【0017】
また、平面載置部(3)が複数の収納部(2a,2b,2c)を跨ぐように配置されていることにより、食品包装容器の載置安定性を高めることができる。
【0018】
請求項2記載の発明では、平面載置部(3)が複数の収納部(2a,2b,2c)のうち一端側の収納部(2a)から他端側の収納部(2c)を跨ぐように配置されていることにより、載置面積を大きくすることができるので、食品包装容器の載置安定性をより高めることができる。
【0019】
請求項3記載の発明では、平面載置部(3)の幅(t)は少なくとも食品包装容器の幅のほぼ1/3〜1/2程度とすることにより、食品包装容器の載置安定性が高まると共に、各収納部(2a,2b,2c)の境界線と平面載置部(3)との交差点(6a,6b)において食品(4)の底面側が各々接触し、且つ、上部側は蓋体(5)により支持されることとなるので、食品(4)を安定に保持することができる。また、ラベルの大きさも平面載置部(3)の面積まで大きくできるので、ラベル等を貼付し易く、需要者もラベル記載内容の確認がし易い。
【0020】
請求項4記載の発明では、平面載置部(3)を収納部(2a,2b,2c)が並列される方向と平行に複数設けることにより、収容する食品(4)の大きさ及び種類に対応させることができる。
【0021】
請求項5記載の発明では、食品包装容器を含気深絞り包装とすることにより、成形も容易で、加工食品等の包装に適した食品包装容器を提供することができる。
【0022】
請求項6記載の発明では、食品包装容器では、蓋体(5)を透明フィルムとして食品(4)を需要者が視覚で観察し易いようになっており、また、食品包装容器の載置安定性が良いので収納された食品(4)が内部で動いてしまうことがなく、上面蓋体(5)の透明フィルムが汚れてしまうことを防止できるので、視覚的な陳列効果を保持できる。
【0023】
請求項7記載の発明では、食品(4)を楕円状のハンバーグ、コロッケ、ステーキ等とすると、これらの食品(4)は半生の加工食品であり食品(4)の状態を需要者が観察する必要があり、また、半生の加工食品では上面の蓋体(5)のフィルムが汚れやすいため、載置安定性を高めることにより、蓋体のフィルムが汚れることを防止し、一層陳列効果を高めることができるため、これらの食品包装容器として非常に効果的である。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態の食品包装容器を示す斜視図、図2の(a)は、図1の食品包装容器の上面図、(b)は側面図である。図3は、図1の食品包装容器を示す正面から見た断面図、図4は、本発明の実施の形態の平面載置部の大きさを説明する図である。図5は、本発明の第2の実施の形態の食品包装容器の底面図、図6は、本発明の第3の実施の形態の食品包装容器の底面図、図7は、本発明の第4の実施の形態の食品包装容器の底面図である。
【0025】
本発明の第1の実施の形態の食品包装容器は、図3に示すように、ハンバーグ、ステーキ、コロッケ、餃子、揚げ蒲鉾等の軟質の食品又はワッフル、どら焼き、干菓子等の菓子類の食品を包装するものである。なお、食品4は、これに限定されず、個々の食品を陳列して包装するものであれば何でも適用できる。食品包装容器は、上面に開口部を有し、複数の食品4を収納する収納部本体1と、前記開口部を封止する透明フィルムからなる蓋体5とから構成され、前記収納部本体1は、底面が各食品4を配置する傾斜部である複数の収納部2a,2b,2cを並列されたものであり、食品4を上面から見て、一部重なり合わせるように食品4を陳列可能に包装するようになっている。
【0026】
本発明は、図3に示すように、収納部本体1に、平面載置部3を備えることを特徴とするものである。平面載置部3は、収納部2a,2b,2cよりも下方に配され、食品包装容器を安定に載置するものである。
【0027】
平面載置部3は、図4に示すように、3個の収納部2a,2b,2cの一端側の収納部2aの中程から他端側の収納部2cの中程迄を跨ぐように配置されている。また、平面載置部3は、収納部本体1の底面中央部分のみに配され、その幅tは少なくとも収納部本体1の幅のほぼ1/3〜1/2程度である。平面載置部3の幅をこの程度とすることにより、食品包装容器の載置安定性が高まり、ラベル等を貼付し易くなると共に、食品包装容器内の食品4の支持安定性も高まる。
【0028】
すなわち、ハンバーグ等のほぼ楕円形状の食品4を収納させた場合に、収納部2a,2b,2c内に収納された食品4の底面側の両端が、各収納部2a,2b,2cの境界線と平面載置部3との交差点6a,6bにおいて各々接触する。また、図3に示すように、収納部本体1の高さを、食品4を各収納部2a,2b,2c内の傾斜部に配置した場合に、食品4底部が各収納部2a,2b,2cの底面と接触し、且つ上部が蓋体5と接触する高さとすることにより、食品4の底部側は上述したように、交差点6a,6bの2点において支持され、食品4の上部側は蓋体5で支持されることとなるので、食品4を安定に支持固定することができる。
【0029】
なお、平面載置部3の幅tは収納部本体1の横幅のほぼ1/2程度より大きめにすると、交差点6a,6bが外側にずれるため、食品4の底面部側との接触点が合わずに、食品4が動いてしまい、平面載置部3の交差点6a,6bでの支持が困難となり、且つ幅tが1/3より小さいと、交差点6a,6bが内側にずれるため、食品4の底面側への逃げの空間がとれず、軟質の加工食品の場合には変形するおそれがあるため、食品4を適切に保持することが困難となる場合もある。また、載置安定性も十分でなく、ラベルの貼付面積も小さくなる。
【0030】
平面載置部3は、平面状だけでなく、図5に示す第2の実施の形態のように、補強のためライン状の溝31を入れても良い。
また、本実施の形態では、平面載置部3は、両端を丸みを帯びた形状としているが、これに限定されず長方形状であっても良い。
【0031】
さらに、図6に示す第3の実施の形態に示すように、平面載置部3を、収納部2a,2b,2cが並列される方向と平行に収納部本体1の底面に2個設けるようにしても良い。また、2個だけでなく、食品包装容器によっては、平面載置部3を3個以上としても良い。但し、平面載置部3を複数設ける場合、上述したような、食品包装容器内の食品4の内部支持機能を持たせるためには、図4で説明した交差点6a,6bは平面載置部3の位置により変わるので、収納する食品4により適宜調整すると良い。
【0032】
例えば、図6に示すように、平面載置部3a,3bを2個設ける場合には、例えば、収納部本体1を図中横方向に2分割したパーテイションを内側に設け、収納部を6個とするようにしても良い。また、図6では、平面載置部3a,3bを、収納部2a,2b,2cが並列される方向と平行に複数設けるようにしているが、収納部2a,2b,2cの各々境界線を跨ぐものであれば、図7の第4の実施の形態に示すように、盛り付ける食品4を配列する方向と垂直に複数の平面載置部3c,3dを設けることも可能である。図7では、平面載置部3c,3dを楕円形状としている。なお、形状はこれに限定されず、円、多角形等でも良い。
【0033】
食品包装容器は、いわゆる含気深絞り成形により製造する。具体的には、収納容器本体1は、加熱されたシートが本実施の形態の形状の成形用の金型に押し込まれ、真空引きにより成形される。食品4及び脱酸素剤を収納部本体1の各収納部2a,2b,2cに充填後、透明フィルムである蓋体5によりシールする。
【0034】
本発明の食品包装容器では、収納部2a,2b,2cの底面に傾斜部を形成しているので、陳列効果を有し、さらに、収納部2a,2b,2cの載置面が少ないことを補うために、平面載置部3を備えるようにしたものである。これにより、図3中、左右端上から力を掛けても、包装容器が傾いてしまうことがなく、載置安定性が良い。特に、食品包装容器の左端上から力をかけた場合には、収納部2aの傾斜部が右下がりとなっているため、従来の平面載置部3がない場合には収納部2aの傾斜部の接地点を支点に傾いてしまうが、本発明では、食品包装容器の左端上から力をかけても平面載置部3全体で接地しているので、傾いてしまうことがない。
【0035】
本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、収納部2a,2b,2cの数、形状は任意であり、また、収納部2a,2b,2cに形成された平面載置部3の数、形状、位置は任意である。また、その収納部2a,2b,2cに収納する食品4についても当然上記に限定されるものではない。
本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいた種々の変形が可能であり、これらは本発明の範囲から逸脱するものではない。
【0036】
【発明の効果】
本発明では、収納部本体(1)に、平面載置部(3)を備えることより、食品包装容器端部上から力を掛けても、食品包装容器が傾いてしまうことがなく、載置安定性が良い。
【0037】
また、底面部側に平面載置部(3)があるため、複数の食品包装容器を積み重ねることが容易となるので、搬送時、倉庫格納時、売場での展示の際にも便利である。
【0038】
さらに、底面部側の平面載置部(3)に、賞味期限、原材料等を記載したラベルを貼ることが可能となるため、従来のように、蓋体(5)に、ラベルを貼ったり,印刷をする必要がないため、食品の陳列効果が薄れることがない。ラベルの大きさも平面載置部(3)の大きさとすることができ、需要者もラベルの記載事項を確認し易い。
【0039】
また、エージレス等の脱酸素剤、加工食品のたれ等を食品包装容器内に封入する必要がある場合には、平面載置部(3)を底面部側に設けることにより、平面載置部(3)と収納部(2a,2b,2c)の傾斜部との間に空間ができるため、脱酸素剤等を収納することができ、従来のように、収納部(2a,2b,2c)と別に新たに収納部を設ける必要がなく、食品包装容器を小型化することができる。
【0040】
さらに、蓋体(5)を透明フィルムとすることにより、内部の食品(4)を需要者が視覚で観察し易くなり、また、食品包装容器の載置安定性が良いので収納された食品(4)が内部で動いてしまうことがなく、上面蓋体(5)の透明フィルムが汚れてしまうことを防止できるので、陳列効果を保持することができ、需要者の購買意欲を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の食品包装容器を示す斜視図である。
【図2】(a)は、図1の食品包装容器の上面図、(b)は側面図である。
【図3】図1の食品包装容器を示す正面から見た断面図である。
【図4】本発明の実施の形態の平面載置部の大きさを説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態の食品包装容器を示す底面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態の食品包装容器を示す底面図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態の食品包装容器を示す底面図である。
【図8】従来の食品包装容器の正面から見た断面図である。
【符号の説明】
1 収納部本体
2a,2b,2c 収納部
3,3a,3b,3c,3d 平面載置部
4 食品
5 蓋体
6a,6b 交差点
Claims (7)
- 上面に開口部を有し、複数の食品を収納する収納部本体と、前記開口部を封止する蓋体とからなり、前記収納部本体は、底面が各食品を配置する傾斜部である複数の収納部を並列されたものである食品包装容器において、
前記収納部本体に、収納部よりも下方に配され、食品包装容器を安定に載置する平面載置部が備えられ、該平面載置部は複数の前記収納部を跨ぐようにして収納部本体の底面中央部分のみに配置されることを特徴とする食品包装容器。 - 前記平面載置部は複数の前記収納部のうち一端側の収納部から他端側の収納部までを跨ぐように配置されていることを特徴とする請求項1記載の食品包装容器。
- 前記平面載置部の幅は少なくとも前記収納部本体の幅のほぼ1/3〜1/2程度であることを特徴とする請求項1又は2記載の食品包装容器。
- 前記平面載置部を、前記複数の収納部が配列されている方向と平行に複数設けるようにしたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載の食品包装容器。
- 前記食品包装容器は、含気深絞り包装であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか記載の食品包装容器。
- 前記蓋体は透明なフィルムからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の食品包装容器。
- 前記食品は楕円状のハンバーグ、コロッケ、ステーキ等の半加工食品であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載の食品包装容器。
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