JP3723319B2 - 溶接スラグ除去装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、平面視円状の開先部のサブマージアーク溶接時に生じるスラグを除去する溶接スラグ除去装置に関し、開先深さが深く開先幅の狭い円状深溝狭開先の溶接においてもスラグを自動的、かつ確実に除去しうるようにした溶接スラグ除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
周知のように、サブマージアーク溶接では、開先部の被溶接面に予め散布された粉状のフラックスの中へ溶接用ワイヤを送り込み、フラックスに覆われた状態で溶接用ワイヤ先端と被溶接面との間にアークを発生させて溶接ビードを形成する溶接法であることから、フラックスが熱で溶けてガラス状のスラグが生成し、溶接ビード表面にこれを覆うようにスラグが固着するので、溶接ビードを形成するごとに、スラグを除去する必要がある。このサブマージアーク溶接は、ガスシールドメタルアーク溶接に比べて太径の溶接用ワイヤに大電流の通電が可能で溶着速度が大きいことから、厚板の溶接、例えば板厚50〜400mm程度の厚肉大形の圧力容器の製作時の溶接にも広く採用されている。
【0003】
この厚肉大形の圧力容器の製作において、円筒状の胴体に胴体ノズルを溶接する場合には、いわゆるセットインタイプとして胴体に胴体ノズルを差し込み、平面視円状で底部アール付きのU形断面の円状深溝狭開先(図9参照)を形成した後、下向姿勢で前記開先部のサブマージアーク溶接による多層溶接を行っている。従来、このような平面視円状で開先深さが深く開先幅の狭い円状深溝狭開先の溶接でのスラグの除去作業は、作業者による手作業が一般的であった。すなわち、作業者が、長尺のタガネ又はエアーチッパを上方から狭隘な開先内に入れて、スラグを打撃して剥離・破砕し、空気吸引源に接続されたスラグ吸引ノズルを破砕されたスラグに目掛けて狭隘な開先内へ差し入れ、破砕されたスラグをこのノズルにて吸引して開先外へ排出するようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら前記従来の手作業によるスラグ除去では、平面視円状の開先部、特に円状深溝狭開先の場合、開先部が深く狭隘なため、開先内のスラグの様子が非常に見にくいこと、長尺のタガネ,エアーチッパやスラグ吸引ノズルによるスラグ除去操作がやりにくいこと、さらに開先部が開先上方以外が閉じられている凹状空間部であるため、開先内から破砕されたスラグを掻きだす(直線状継手などでは可能)ことができないこと等から、スラグ除去に時間がかかっていた。このため、多層溶接(例えば開先深さ300mmでは1層2パスにて70層程度)では各層ごとに溶接を止め、スラグ除去作業を終了してから次層のサブマージアーク溶接を行うようにしており、このために初層から最終層までの連続溶接ができず、溶接能率が悪く、また、各層ごとにおける溶接開始部分で溶け込み不良等の溶接欠陥が発生し易いという不具合があった。また、手作業のため作業者に多大な負担を強いていた。
【0005】
そこでこの発明の目的は、平面視円状で開先深さが深く開先幅の狭い円状深溝狭開先のサブマージアーク溶接においてもスラグを自動的、かつ確実に除去することができる溶接スラグ除去装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の請求項1の発明は、平面視円状で開先深さが深く開先幅の狭い円状深溝狭開先部のサブマージアーク溶接時に生じるスラグを自動的に除去する溶接スラグ除去装置であって、前記円状深溝狭開先部の半径方向の中心位置を中心としてこの円状深溝狭開先部の周りを回転可能な回転テーブル、この回転テーブル上に設けられ、前記円状深溝狭開先部に形成される溶接ビードによるスラグを剥離し破砕するスラグ破砕装置と、前記回転テーブル上に設けられ、前記スラグ破砕装置によって剥離し破砕されたスラグを吸引し、開先外へ排出するスラグ吸引装置とを備え、前記スラグ破砕装置が、開先深さ方向に延びる棒状体の先端部にスラグへ上方より垂直に衝突させるハンマーヘッドを取り付けたハンマーを繰り返し重力落下させて、スラグを剥離し破砕する1次破砕用と2次破砕用の2つのスラグ破砕機を有しており、前記1次破砕用スラグ破砕機の下流側位置に設けられる前記2次破砕用スラグ破砕機は、前記1次破砕用スラグ破砕機よりもスラグに対するハンマーヘッドによる面圧が大きくなるように構成されたことを特徴とする溶接スラグ除去装置である。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載の溶接スラグ除去装置において、前記スラグ吸引装置が、スラグ吸引ノズルと、このスラグ吸引ノズルの下流側からスラグ吸引ノズル口へ向けてエアーを吹きつけるエアーブローノズルとを有した構成とされたことを特徴とするものである。
【0008】
また、請求項3の発明は、請求項1又は2記載の溶接スラグ除去装置において、回転テーブルのスラグ破砕装置上流側位置に、開先深さ方向に延びる棒状体の先端部に剥離したスラグの上方への浮き上がりを阻止するスラグ押え片が取り付けられたスラグ押えを設けたことを特徴とするものである。
【0009】
この発明による溶接スラグ除去装置では、平面視円状をなす円状深溝狭開先部の周りを回転可能な回転テーブルを有し、この回転テーブルにおける、溶接トーチ,フラックス散布ノズル,フラックス回収ノズル等を備えた溶接機構の下流側位置に、溶接機構より順にスラグ破砕装置とスラグ吸引装置とを設けており、回転テーブルを回転させながら溶接を行いつつ、スラグ破砕装置によって溶接ビード表面のスラグを剥離し破砕し、この破砕されたスラグをスラグ吸引装置で吸引し、開先外へ排出することにより、深くて狭い円状深溝狭開先のサブマージアーク溶接においてもスラグを自動的、かつ確実に除去することができる。
【0010】
前記スラグ破砕装置は、棒状体の先端部にハンマーヘッドを持つハンマーを繰り返して自重による重力落下させる1次破砕用と2次破砕用の2つのスラグ破砕機を有した構成のものがよい。これら各スラグ破砕機は、深くて狭い開先にも小スペースで出入りしうる前記ハンマーを繰り返し重力落下させるようにしたものであって、モータによる回転運動をハンマーの上下運動に変えるという簡単な構造でスラグを剥離し破砕することができ、また、ハンマー重量,ハンマー落下高さ,単位時間当たりの落下回数などが必要に応じて容易に変更できる。さらにまた、1次破砕用と2次破砕用の2つのスラグ破砕機を、円状深溝狭開先部に沿うように回転テーブル上に順に設けることによって、スラグを確実に除去することができる。
【0011】
また前記スラグ吸引装置は、スラグ吸引ノズルとエアーブローノズルとを有した構成のものがよい。このスラグ吸引装置では、スラグ吸引ノズルの下流側からエアーブローノズルによってスラグ吸引ノズル口へ向けてエアーを吹きつけるようにしたものであるから、万一にもスラグ吸引ノズル位置を通過した破砕スラグがあっても、この残された破砕スラグはスラグ吸引ノズルへ吹き戻されてこの吸引ノズルで吸引されるので、スラグをより確実に除去することができる。
【0012】
また、回転テーブルのスラグ破砕装置上流側位置にスラグ押えを設けたものがよい。溶接条件によっては、生成したスラグが開先長手方向に沿って帯状に一部自然剥離し、この帯状に剥離した部分が溶接ビード上方へ浮き上がって折れ曲がり、2重,3重に重なるようになる。帯状に剥離したスラグが重なると、細かく破砕し難く、スラグ吸引ノズルで吸引し難くなる。そこでスラグ押えを設けることにより、帯状に自然剥離したスラグが折り重なることがなく、スラグをより確実に除去することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。図1はこの発明に係る溶接スラグ除去装置を備えた、圧力容器の胴体に胴体ノズルをサブマージアーク溶接(SAW)する胴体ノズルSAW装置の概略構成図である。
【0014】
図1において、61は鋼製圧力容器の円筒状の胴体、62は胴体ノズルであり、胴体61に胴体ノズル62を差し込み、平面視円状でこの例では底部アール付きのU形断面の深溝狭開先を形成し、胴体ノズルSAW装置により、下向姿勢で前記円状開先部Gを多層溶接するようにしている(図9参照)。64はターニングロール、65は予熱用バーナである。
【0015】
この例では、対象となる胴体61の寸法範囲は、板厚tが100〜400mm,内径Dが3500〜7000mmであり、円状開先部Gの開先径dは500〜1000mmである。なお、後述の回転テーブル42の大きさを変更することで、開先径が1000〜1500mmのものにも適用できる。また、図9に示すこの例での開先部Gの開先深さは300mm、開先底部の開先幅は20mm、開先上端の開先幅は30mmであり、初層は1層1パス、第2層から最終層までの各層は1層2パス、仕上げ余盛層は3パスという約70層程度の多層溶接を行うものである。
【0016】
胴体ノズルSAW装置は、昇降および進退可能なマニプレータブーム63の先端部に回転可能に取り付けられ、その軸芯線が胴体ノズル62の軸芯線(円状開先部Gの半径方向の中心)に一致するように胴体ノズル62に対して位置決めされる円筒状の回転軸体41と、この回転軸体41に固着されてこれと一体的に回転する回転テーブル42と、回転テーブル42上に搭載して設けられた後述する溶接機構43と、同じく回転テーブル42上に設けられた後述する溶接スラグ除去装置11と、使用後のフラックスをフラックス吸引用ホースを介して回収するフラックス回収機51と、溶接電源52と、スラグ除去装置11で除去したスラグを吸引し収納するスラグ回収機53とを備えて構成されている。なお、前記の回転テーブル42は溶接スラグ除去装置11の構成要素ともなるものである。
【0017】
図2は図1の胴体ノズルSAW装置の要部平面図、図3は図2に示す胴体ノズルSAW装置の矢視A−A正面図、図4は図2に示す胴体ノズルSAW装置の矢視B正面図、図5はこの発明に係るスラグ破砕機の要部斜視図、図6はこの発明に係る1次破砕用ハンマーのハンマーヘッドの構造説明図、図7はこの発明に係る2次破砕用ハンマーのハンマーヘッドの構造説明図、図8はこの発明の溶接スラグ除去装置を説明するための模式的な側面図である。なお、図2は円状開先部Gの開先径dが500mmの場合のものである。
【0018】
図2に示すように、回転テーブル42は、全体として平面視ドーナツ状(円環状)をなし、一方端が回転軸体41外周面に固着され他端が半径方向へ延びる4本の支持板により支持固定されて、回転軸体41と一体的に回転するようになっており、溶接オペレータが乗る床面部分には格子状をなすエキスパンドメタル部材が用いられている。この回転テーブル42上に溶接機構43と溶接スラグ除去装置11とが設けられている。
【0019】
すなわち、44は回転テーブル42上に設けられた溶接用2軸スライダである。この溶接用2軸スライダ44は、溶接トーチ45,フラックス散布ノズル46,フラックスホッパ47,ワイヤリールに巻かれた状態で送給される溶接ワイヤ48及び溶接用制御盤(図示省略)などを保持し、これらを上下方向(開先深さ方向)に動かして多層溶接での各溶接層に対応させて溶接トーチ45及び散布ノズル46の高さ位置を調節するためのモータ駆動式の上下用スライダ44aと、円状開先部Gの開先径の変更などに対処すべく、上下用スライダ44a全体を半径方向に動かして溶接トーチ45及びフラックス散布ノズル46を円状開先部Gに対して進退させるためのモータ駆動式の進退用スライダ44bとからなっている(図3参照)。
【0020】
49はフラックス回収ノズル用の2軸スライダで、この2軸スライダ49は、回転テーブル42の前記溶接用2軸スライダ44下流側(回転テーブルの反回転方向側)位置に設けられており、円状開先部G内に位置させるフラックス回収ノズル50を保持し、これを上下方向に動かして回収ノズル50の高さ位置を調節するためのモータ駆動式の上下用スライダ49aと、上下用スライダ49a全体を半径方向に動かしてフラックス回収ノズル50を円状開先部Gに対して進退させるための手動ハンドル式の進退用スライダ49bとからなっている。フラックス回収ノズル50に接続されたフラックス吸引用ホースFHは筒状の前記回転軸体41内を通ってフラックス回収機51に接続されている。前記の溶接用2軸スライダ44,溶接トーチ45,フラックス散布ノズル46,フラックスホッパ47,溶接ワイヤ48,溶接用制御盤(図示省略),2軸スライダ49及びフラックス回収ノズル50は、サブマージアーク溶接を行うための溶接機構43を構成している。
【0021】
12は1次破砕用スラグ破砕装置である。このスラグ破砕装置12は、回転テーブル42の前記フラックス回収ノズル用の2軸スライダ49下流側位置に設けられており、後述する1次破砕用ハンマー16にてスラグを剥離し破砕するスラグ破砕機13と、モータ駆動式の上下用スライダ19aによってスラグ破砕機13を保持しこれを上下方向に動かすことで多層溶接での各溶接層に対応させてスラグ破砕機13の高さ位置を調節し、手動ハンドル式の進退用スライダ19bによって上下用スライダ19a全体を半径方向に動かすことでスラグ破砕機13を円状開先部Gに対して進退させる2軸スライダ19とにより構成されている。
【0022】
20は上下方向(開先深さ方向)に延びる棒状体20aの先端部にそり状のスラグ押え片20bを取り付けてなるスラグ押えであり(図8参照)、このスラグ押え20は、後述する前記1次破砕用ハンマー16の上流側に位置し、前記上下用スライダ19aの昇降スライドベースに連結されたブラケットに取り付けられている。
【0023】
21は2次破砕用スラグ破砕装置であり、そのスラグ破砕機22に備えた破砕用ハンマーのハンマーヘッドの構造が異なる点以外は前記1次破砕用スラグ破砕装置21と同一構成のものである。すなわち、このスラグ破砕装置21は、回転テーブル42の前記1次破砕用スラグ破砕装置12下流側位置に設けられており、1次破砕用ハンマー16により割られてはいるものの溶接ビード表面にへばり付いているスラグを後述の2次破砕用ハンマー25によって確実に剥離し細かく破砕するスラグ破砕機22と、モータ駆動式の上下用スライダ28aによってスラグ破砕機22を保持するとともに破砕機22の高さ位置を調節し、手動ハンドル式の進退用スライダ28bによって上下用スライダ28a全体を動かすことでスラグ破砕機22を円状開先部Gに対して進退させる2軸スライダ28とにより構成されている。
【0024】
次に前記2次破砕用スラグ破砕装置21のスラグ破砕機22について、図2とともに図4、図5及び図7をも参照しながら説明する。スラグ破砕機22は、上下用スライダ28aの昇降スライドベースに固定され、回転軸に回転用突起片23が取り付けられた減速機付きモータ24と、断面円形で上下方向(開先深さ方向)に延びる棒状体25aの先端部に焼入れされた鋼よりなるハンマーヘッド25bを溶接で取り付けた2次破砕用ハンマー25と、ハンマー25の基端側の大径部に取り付けられた上下動用突起片26と、モータ24による回転用突起片23の回転運動をハンマー25の重力落下式上下運動に変えるべく、落下時のハンマーヘッド25bの到達点を規制するとともに回転用突起片23によって繰り返し押し上げられる上下動用突起片26を上下動可能に案内する切り欠き部を有し、前記昇降スライドベースに連結されたブラケットに固着されたハンマー案内用円筒体27とにより構成されている。
【0025】
なおここで、前述した1次破砕用のスラグ破砕機13は、ハンマーヘッドの構造が異なる点以外は前記破砕機22と同一構成であり、回転用突起片14が取り付けられた減速機付きモータ15と、棒状体16aの先端部にハンマーヘッド16bを取り付けた1次破砕用ハンマー16と、ハンマー16の大径部に取り付けられた上下動用突起片17と、ハンマー案内用円筒体18とにより構成されている。
【0026】
次に、スラグへ上方より垂直に衝突させるハンマーヘッドを取り付けた破砕用ハンマーのハンマーヘッドについて説明する。1次破砕用ハンマー16のハンマーヘッド16bは、開先長手方向(溶接方向)に沿う広い範囲でスラグを剥離し破砕できるように、図6に示すように先端を二股構造にしてある。一方、この下流側に配される2次破砕用ハンマー25のハンマーヘッド25bは、1次破砕用ハンマー16により割られてはいるものの、溶接ビード表面や開先底部コーナーにへばり付いているスラグを確実に剥離し細かく破砕するため、図7に示すように開先幅方向寸法が長く、さらに1次破砕用のものよりも底面積を小さくして面圧が大きくなるようにしてある。なお、破砕用ハンマー16,25の落下高さ(落下距離)は60〜120mm程度の範囲に設定し、1分間当たりの落下回数は50〜100回程度の範囲に設定している。
【0027】
前記の1次破砕、2次破砕用の両スラグ破砕装置12,21は、円状開先部Gに形成される溶接ビードによるスラグを剥離し破砕するスラグ破砕装置を構成している。
【0028】
次に、スラグ破砕装置12,21によって剥離し破砕されたスラグを吸引し、これを開先外へ排出するスラグ吸引装置29について、図2とともに図3及び図8をも参照しながら説明する。このスラグ吸引装置29は、回転テーブル42のスラグ破砕装置21下流側位置に設けられており、スラグ吸引ノズル30と、これの下流側からスラグ吸引ノズル口へ向けてエアーを吹きつけるエアーブローノズル31と、両ノズル30,31を保持し、モータ駆動式の上下用スライダ32aによって両ノズル30,31の高さ位置を調節し、手動ハンドル式の進退用スライダ32bによって上下用スライダ32a全体を動かすことで両ノズル30,31を円状開先部Gに対して進退させる2軸スライダ32とにより構成されている。前記スラグ吸引ノズル30に接続されたスラグ吸引用ホースSHは前記回転軸体41内を通ってスラグ回収機53に接続されている。また、エアーブローノズル31に接続されたエアー送給用ホースAHは前記回転軸体41内を通って図示しない空気供給源に接続されている。
【0029】
このようにして、回転テーブル42、スラグ破砕装置12,21及びスラグ吸引装置29を備えてなり、図8に示すように、溶接機構を構成するフラックス回収ノズル50の下流側位置に、スラグ押え20、1次破砕用ハンマー16、2次破砕用ハンマー25、スラグ吸引ノズル30及びエアーブローノズル31を、開先長手方向に沿って順に配設した溶接スラグ除去装置11が構成されている。
【0030】
このように構成される前記溶接スラグ除去装置11では、回転テーブル42を回転させながら溶接を行いつつ、スラグ破砕機13の1次破砕用ハンマー16により開先長手方向に沿うようにしてスラグを剥離し破砕し、さらにスラグ破砕機22の2次破砕用ハンマー25により溶接ビード表面にへばり付いているスラグを剥離し細かく破砕することができ、この破砕されたスラグをスラグ吸引ノズル30で吸引し、開先外へ排出することにより、深くて狭い円状深溝狭開先のサブマージアーク溶接においてもスラグを自動的、かつ確実に除去することができる。
【0031】
また、溶接条件によって生成したスラグが開先長手方向に沿って帯状に一部自然剥離することがあっても、スラグ押え20を設けているので、帯状に自然剥離したスラグが折り重なることがなくスラグをより確実に除去することができる。さらに、万一にもスラグ吸引ノズル30位置を通過した破砕スラグがあっても、エアーブローノズル31を設けているので、スラグをより確実に除去することができる。
【0032】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明による溶接スラグ除去装置によると、平面視円状で開先深さが深く開先幅の狭い円状深溝狭開先のサブマージアーク溶接においてもスラグを自動的、かつ確実に除去することができ、これにより従来困難であった初層から最終層までの連続溶接を行うことができ、溶接能率と溶接品質の大幅な向上に寄与しうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る溶接スラグ除去装置を備えた、圧力容器の胴体に胴体ノズルをサブマージアーク溶接する胴体ノズルSAW装置の概略構成図である。
【図2】図1の胴体ノズルSAW装置の要部平面図である。
【図3】図2に示す胴体ノズルSAW装置の矢視A−A正面図である。
【図4】図2に示す胴体ノズルSAW装置の矢視B正面図である。
【図5】この発明に係るスラグ破砕機の要部斜視図である。
【図6】この発明に係る1次破砕用ハンマーのハンマーヘッドの構造説明図である。
【図7】この発明に係る2次破砕用ハンマーのハンマーヘッドの構造説明図である。
【図8】この発明の溶接スラグ除去装置を説明するための模式的な側面図である。
【図9】円状深溝狭開先を示す断面図である。
【符号の説明】
11…溶接スラグ除去装置 12…1次破砕用スラグ破砕装置 13…スラグ破砕機 16…1次破砕用ハンマー 16a…棒状体 16b…ハンマーヘッド19…2軸スライダ 20…スラグ押え 21…2次破砕用スラグ破砕装置 22…スラグ破砕機 25…2次破砕用ハンマー 25a…棒状体 25b…ハンマーヘッド 28…2軸スライダ 29…スラグ吸引装置 30…スラグ吸引ノズル 31…エアーブローノズル 32…2軸スライダ 41…回転軸体 42…回転テーブル 43…溶接機構 44…溶接用2軸スライダ 45…溶接トーチ 46…フラックス散布ノズル 49…2軸スライダ 50…フラックス回収ノズル 61…胴体 62…胴体ノズル 63…マニプレータブーム G…円状開先部 FH…フラックス吸引用ホース SH…スラグ吸引用ホース AH…エアー送給用ホース

Claims (3)

  1. 平面視円状で開先深さが深く開先幅の狭い円状深溝狭開先部のサブマージアーク溶接時に生じるスラグを自動的に除去する溶接スラグ除去装置であって、前記円状深溝狭開先部の半径方向の中心位置を中心としてこの円状深溝狭開先部の周りを回転可能な回転テーブル、この回転テーブル上に設けられ、前記円状深溝狭開先部に形成される溶接ビードによるスラグを剥離し破砕するスラグ破砕装置と、前記回転テーブル上に設けられ、前記スラグ破砕装置によって剥離し破砕されたスラグを吸引し、開先外へ排出するスラグ吸引装置とを備え、前記スラグ破砕装置が、開先深さ方向に延びる棒状体の先端部にスラグへ上方より垂直に衝突させるハンマーヘッドを取り付けたハンマーを繰り返し重力落下させて、スラグを剥離し破砕する1次破砕用と2次破砕用の2つのスラグ破砕機を有しており、前記1次破砕用スラグ破砕機の下流側位置に設けられる前記2次破砕用スラグ破砕機は、前記1次破砕用スラグ破砕機よりもスラグに対するハンマーヘッドによる面圧が大きくなるように構成されたことを特徴とする溶接スラグ除去装置。
  2. 前記スラグ吸引装置が、スラグ吸引ノズルと、このスラグ吸引ノズルの下流側からスラグ吸引ノズル口へ向けてエアーを吹きつけるエアーブローノズルとを有した構成とされたことを特徴とする請求項1記載の溶接スラグ除去装置。
  3. 前記回転テーブルのスラグ破砕装置上流側位置に、開先深さ方向に延びる棒状体の先端部に剥離したスラグの上方への浮き上がりを阻止するスラグ押え片が取り付けられたスラグ押えを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の溶接スラグ除去装置。
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