JP3722976B2 - 翻訳サービス提供方法及び翻訳サービスシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットなどのネットワークを利用して送られたテキストを機械翻訳してユーザに返送する翻訳サービス提供方法及び翻訳サービスシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
インターネットなどのネットワーク環境の普及に伴い、ネットワークを利用してユーザから文書を受信し、その内容を機械翻訳して訳文をユーザに返送する 「翻訳サービス」が提供され始めている。これらの多くは、ユーザ端末からの原文を、いくつかのパラメータ(訳文の文体、使用する専門用語辞書、翻訳の環境を指示する項目など)に基づいて翻訳した結果をそのままユーザ端末に返送するものである。このため、ユーザが原文を一部修正して翻訳しようとする際、あるいはパラメータを一部変更して翻訳しようとする際には、新たに原文、パラメータなどの全情報を送信する必要があった。
【0003】
また、翻訳サービスのなかには、テキスト中の用語に対してユーザが予め訳語を指定して翻訳できるものもある。この場合も、訳語の指定内容は翻訳サービスへのアクセス毎にまったく独立であり、用語と訳語の管理はユーザに任されたままであった。
【0004】
従って、ユーザが満足のいく翻訳文を手に入れるためには、前回の翻訳で不都合のあった原文あるいはパラメータなどを適宜修正して、試行錯誤的に再翻訳を何回も繰り返さなければないことが多々あった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の翻訳サービスでは、サービスを利用するセッションがすべて独立のものであり、前回の翻訳要求を通じて再翻訳要求の内容をより効果的に修正するなどの利用はできなかった。
【0006】
本発明の目的は、1つの翻訳要求を次回以降の再翻訳要求や別の翻訳要求に有効に活用し得る環境をユーザに提供可能な翻訳サービス提供方法及び翻訳サービスシステムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の翻訳サービス提供方法では、少なくとも第1言語の文書を含む翻訳要求を受信する。その翻訳要求に訳語指定がある場合には該訳語指定に基づいて、受信した第1言語の文書を所定の第2言語の文書に翻訳するとともに、受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語(十分な翻訳ができない可能性のある用語を抽出する。そして、その翻訳結果および/またはその抽出された用語をユーザに提示する。
【0008】
また、前記抽出された用語の中から選択された用語を修正訳語指定として用いて、再翻訳を実行してもよい。
【0009】
本発明の別の翻訳サービス提供方法では、少なくとも第1言語の文書を含む要求であって、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する要求を受信する。受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する。その抽出された用語をユーザに提示する。
【0010】
好ましくは、電子メールで前記要求が受信される。
【0011】
好ましくは、WWWページで前記要求が受信される。
【0012】
好ましくは、ユーザに提示するために、前記結果は電子メールで送信される。
【0013】
好ましくは、ユーザに提示するために、前記結果はWWWページで発信される。
【0014】
本発明の翻訳サービスシステムは、要求受信手段と、翻訳手段と、用語抽出手段と、提示手段とを有する。要求受信手段は、少なくとも第1言語の文書を含む翻訳要求を受信する。翻訳手段は、前記翻訳要求に訳語指定がある場合には該訳語指定に基づいて、受信した第1言語の文書を所定の第2言語の文書に翻訳する。用語抽出手段は、受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する。提示手段は、前記翻訳手段による翻訳結果及び/又は前記用語抽出手段による用語抽出結果をユーザに提示する。
【0015】
また本発明の別の翻訳サービスシステムは、要求受信手段と、用語抽出手段と、提示手段とを有する。要求受信手段は、少なくとも第1言語の文書を含む要求であって、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する要求を受信する。用語抽出手段は、受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する。提示手段は、前記用語抽出手段による用語抽出結果をユーザに提示する。
【0016】
好ましくは、前記要求受信手段は、電子メールで翻訳要求を受信するようにしても良い。
【0017】
好ましくは、前記要求受信手段は、WWWページで翻訳要求を受信するようにしても良い。
【0018】
好ましくは、前記提示手段は、結果を電子メールで送信するようにしても良い。
【0019】
好ましくは、前記提示手段は、翻訳をWWWページで発信するようにしても良い。
【0020】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、少なくとも第1言語の文書を含む翻訳要求を受信する手順と、前記翻訳要求に訳語指定がある場合には該訳語指定に基づいて、受信した第1言語の文書を所定の第2言語の文書に翻訳するとともに、受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する手順と、前記翻訳結果および/または前記抽出された用語をユーザに提示する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている。
【0021】
本発明の別のコンピュータ読み取り可能な記録媒体には、少なくとも第1言語の文書を含む要求であって、十分な翻訳ができない可能性のある用語を抽出する要求を受信する手順と、受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する手順と、前記抽出された用語をユーザに提示する手順と、をコンピュータに実行させるプログラムが記録されている。
【0022】
ここで、用語抽出において、十分な翻訳ができない可能性のある用語を抽出する方法としては、例えば、原文中に含まれている語句の中で、文書にとって重要な意味を持っていると推定されたが、翻訳用辞書にその語句が見出し語として登録されていない、あるいは訳語指定されていないものをリストアップする方法である。文書にとって重要な意味を持っていると判断する根拠は、例えば、文書中に現れる回数(頻度)が多いことなどを利用することができる。
【0023】
例えば、原文中に「名詞+名詞」の形である“service provider”という語句が18回、“serial bus”という語句が13回現れたが、いずれも複合語としての見出しが翻訳辞書になかったために、構成語の訳を組み合わせて、「サービス提供者」「連続バス」という訳語として扱われることをユーザに提示する。
【0024】
あるいは原文中に、“hostname”という語句が10回現れたが、見出し語として翻訳辞書になかったために、英語のまま、「hostname」という訳語として扱われることをユーザに提示する。
【0025】
ユーザは、この用語抽出結果を参照することにより、“service provider”に対して「サービスプロバイダ」、“serial bus”に対して「シリアルバス」、“hostname”に対して「ホスト名」の訳語を指定することにより、再翻訳において容易により適切な訳文を得られることがわかる。
【0026】
本発明によれば、サービスを利用するセッション間で関連を利用することができ、例えば、前回の翻訳要求を参照して今回の再翻訳要求を行うような利用、今回の翻訳結果を別の原文に係る翻訳要求に役立てるような利用が可能になる。
【0027】
この結果、ユーザはより少ない手順・時間、したがってより少ない費用で満足のいく翻訳文を手に入れることができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら発明の実施の形態を説明する。
【0029】
なお、本実施形態では英語を日本語に翻訳する英日翻訳サービスを例にとって説明するが、もちろん本発明は日本語を英語に翻訳する日英翻訳サービス、その他の種々の言語を他の言語に翻訳する翻訳サービスの場合にも同様に適用することができる。
【0030】
図1は本発明の一実施形態に係る翻訳サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【0031】
図1に示されるように、本実施形態に係る翻訳サービスシステムは、翻訳要求受信部101、翻訳サービス管理部102、翻訳エンジン103、翻訳サービスデータベース104、翻訳結果提示部105を備えている。
【0032】
翻訳要求受信部101は、インターネットなどの通信手段を通じて、原文・パラメータなどの翻訳要求内容を受け取るものである。翻訳要求は、例えば、電子メールなどにより行われる。
【0033】
翻訳サービス管理部102は、翻訳要求を管理するものである。より具体的には、ジョブ管理、文書管理などを行う。ジョブ管理とは、ユーザからの翻訳要求ごとに、ユーザ情報、翻訳要求時刻、翻訳要求方法などを、翻訳サービスデータベース104に記録し、必要に応じて更新する。ユーザ情報とは、ユーザ名、ユーザID、電子メールアドレス、もしくはこれらのうち複数のものをいう。翻訳要求方法とは、電子メール、WWWページなどをいう。文書管理とは、ジョブごとに、原文、翻訳パラメータ、訳文、用語抽出結果などを、翻訳サービスデータベース104に記録し、必要に応じて更新するものである。翻訳パラメータとは、例えば、訳文の文体の指定、訳語指定、専門用語辞書の指定などをいう。
【0034】
翻訳エンジン103は、翻訳サービス管理部102から送られてくる内容にしたがって、原文を機械翻訳してその結果を出力する。機械翻訳の方法は特に限定されるものではなく、知られている方法のいずれを用いても良い。
【0035】
なお、訳語指定のある場合は、その内容をユーザ辞書に登録して、標準辞書、専門用語辞書と共に使用する。専門用語辞書は、指定のあったときのみ使用する。あるいは訳文中の各訳語に入力英単語との対応が内在している場合は、訳語指定された見出し語に対応する訳語を、すべて指定された訳語に置換する。
【0036】
翻訳サービスデータベース104には、翻訳要求の原文、翻訳結果の訳文などが、一時的あるいは長期的に保存される。
【0037】
翻訳結果提示部105は、翻訳サービスデータベース104に蓄えられた翻訳結果をユーザに提示する。翻訳結果の提示は、例えば、電子メールなどにより行われる。
【0038】
なお、本発明の翻訳サービスシステムは、1台の計算機で実現しても良いし、複数台の計算機に分散させて実現しても良い。
【0039】
図2は、本実施形態の翻訳サービスシステムの処理手順を示すフローチャートである。以下では、英語のテキストを日本語に翻訳する「英日翻訳」の例で説明を行う。
【0040】
最初のステップS1では、翻訳要求受信部101で、翻訳要求を1つ受信して取り出し、制御信号を翻訳サービス管理部102に移す。
【0041】
次のステップS2では、図3に示すように、翻訳要求の内容から、原文、翻訳オプション、訳語指定の各情報を取り出す。翻訳オプションとは、翻訳環境の設定であって、訳文の文体の指定、専門用語辞書の指定などをいう。
【0042】
ステップS3では、ステップS2で取り出した原文、翻訳オプション、訳語指定を、翻訳サービスデータベース104に書き出し、翻訳サービスデータベースを更新する。
【0043】
ステップS4では、翻訳サービスデータベース104中の原文、翻訳オプション、訳語指定を参照して、翻訳エンジン103によって、機械翻訳を行う。このとき、翻訳結果を得るだけでなく、用語抽出も行う。この用語抽出の方法は良く知られていて、例えば、U.S.P.5,579,224 号に記載されている。
【0044】
ステップS5では、ステップS4で出力した、訳文、用語抽出情報を、翻訳サービスデータベース104に書き出し、翻訳サービスデータベースを更新する。
【0045】
ステップS6では、翻訳結果として、図4に示すように、訳文・用語抽出情報を、原文、訳語指定及びオプションと共に送信する。
【0046】
図5は、翻訳要求を指示する電子メールの一例である。
【0047】
冒頭のタグ記述「<EJTRANS_ENVIRON> # 環境設定 ここから」からタグ記述「</EJTRANS_ENVIRON> # 環境設定 ここまで」までは、訳文の文体(Style)や、専門用語辞書の分野(Techdic)などの翻訳パラメータ指定を示す部分である。この例では、文体に 「常体(である調=normal)」、専門用語辞書に「情報(information)」を指定している。
【0048】
続くタグ記述「<EJTRANS_TERMS> # 訳語指定 ここから」からタグ記述「</EJTRANS_TERMS> # 訳語指定 ここまで」までは、訳語指定の内容を示す部分である。
【0049】
その次のタグ記述「<SRC_ENGLISH> # 原文 ここから」からタグ記述「</SRC_ENGLISH> # 原文 ここまで」までは、英語の原文である。
【0050】
図6は、本実施形態における訳語指定内容の一例である。
【0051】
訳語の指定は、テキスト中にある新語(翻訳サービシステムの標準の辞書に含まれていない見出し語)に対して訳語を指定する場合(例えば、“OpenWindows”に対して「オープンウィンドウ」という訳語、“plug in”に対して「プラグイン」という訳語)の他、一般の語(翻訳サービシステムの標準の辞書に標準の訳語とともに登録されている見出し語)に対しても標準の訳語以外の訳語を指定したい場合(例えば“software”に対して「ソフトウェア」ではなく「ソフト」という訳語、“installation”に対して「設置」ではなく「インストール」という訳語)にも利用するものである。
【0052】
図6の例では、見出し語(英語)と訳語(日本語)を「=」で区切っているが、見出し語と訳語の対が明確ならば、他の形式を用いても良い。
【0053】
図7は、本実施形態における用語抽出結果の一例である。
【0054】
用語抽出とは、原文中に含まれている語句の中で、文書にとって重要な意味を持っていると推定されたが、翻訳用辞書にその語句が見出し語として登録されていない、あるいは訳語指定されていないものをリストアップする機能である。
【0055】
文書にとって重要な意味を持っていると判断する根拠は、文書中に現れる回数(頻度)が多いことなどを利用することができる。
【0056】
図7の最初の2つの例では、原文(英文)中に、“service provider”という語句が18回、“serial bus”という語句が13回現れたが、いずれも複合語としての見出しが翻訳辞書になかったために、構成語の訳を組み合わせて、「サービス提供者」「連続バス」という訳語を出力したことを示している。
【0057】
最後の例では、原文(英文)中に、“hostname”という語句が10回現れたが、見出し語として翻訳辞書になかったために、英語のまま、「hostname」という訳語を出力したことを示している。
【0058】
ユーザは、この抽出結果を参照することにより、これまでの訳語指定内容に、図8の内容を追加して再翻訳すると、“service provider”に対して「サービスプロバイダ」、“serial bus”に対して「シリアルバス」、“hostname”に対して「ホスト名」の訳語が使われて、より適切な訳文を得られることがわかる。
【0059】
図9、図10は、本実施形態において翻訳結果を返送する電子メールの一例である。
【0060】
冒頭のタグ記述「<EJTRANS_RESULT> # 翻訳結果 ここから」からタグ記述「</EJTRANS_RESULT> # 翻訳結果 ここまで」までは、入力原文とその訳文を交互に提示した部分である。
【0061】
続くタグ記述「</TERM_EXTRACT> # 用語抽出結果 ここから」からタグ記述「</TERM_EXTRACT> # 用語抽出結果 ここまで」までは、用語抽出結果とその現状での訳語を示した部分である。
【0062】
さらに続くタグ記述「<EJTRANS_ENVIRON> # 環境設定 ここから」からタグ記述「</EJTRANS_ENVIRON> # 環境設定 ここまで」までは、翻訳要求時に指定した翻訳パラメータを再表示する部分である。
【0063】
その次のタグ記述「<EJTRANS_TERMS> # 訳語指定 ここから」からタグ記述「</EJTRANS_TERMS> # 訳語指定 ここまで」までは、翻訳要求時に指定した訳語指定の内容を再表示する部分である。
【0064】
以上の翻訳サービスの要旨を図11に示す。ユーザーはまず原文、指定訳語とオプションを含む翻訳要求Aをサーバーに送る。サーバーでは翻訳と用語抽出を行ない、その翻訳結果Bを得る。そしてサーバーはその翻訳結果Bをユーザーに送信する。ユーザーは翻訳結果Bの抽出用語を参照して、指定訳語を修正し、修正された翻訳要求B’をサーバーに送る。サーバーで修正翻訳要求B’を受信して、再翻訳を行ない、再翻訳結果Cを得る。サーバーは、この再翻訳結果Cをユーザーに送信する。必要あれば、ユーザーは再抽出用語を基に、修正指定訳語を再修正して、再び再修正翻訳要求をサーバーに送り、新たな翻訳結果を得る。ユーザーはこの手順を繰り返して、満足のゆく翻訳を得ることができる。
【0065】
ところで、上記では翻訳要求に電子メールを利用したが、Webページを利用することも可能である。
【0066】
図12に翻訳要求を受付けるためのWebページの一例を示す。
【0067】
ここでは、翻訳結果を返送する電子メールアドレスの他、翻訳パラメータとして、使用する専門用語辞書、訳文の文体、訳語指定情報とともに、原文を入力できるようになっている。そして、図12においてユーザが必要事項を入力し、「翻訳要求」ボタンを押すと、入力された情報が翻訳サービスシステムに送信されるようになっている。
【0068】
このページのインタフェースは例えばCGI(Common GatewayInterface)を使って実現できる。なお、CGIについては、例えば文献「HTML&CGI入門」笹木望、太田昌宏、藤崎真美 共著(エーアイ出版、1996/4/26発行)に詳しく説明されている。
【0069】
この場合、例えば、ユーザがWWWブラウザを用いて翻訳サービスシステムのWWWサーバにアクセスすると、該WWWサーバがWWWページデータベースから図12のページのデータを取り出し、そのデータがユーザ端末に転送され、例えば図12のようにユーザが使用中のWWWブラウザ上に表示される。そして、ユーザが翻訳パラメータや原文などを入力して「翻訳要求」ボタンを押すと、ユーザが入力した情報がユーザの計算機上のWWWブラウザからWWWサーバに送られる。そして、WWWサーバは、WWWブラウザから送られてきた情報をCGIデコーダを用いて処理し、ユーザが入力した情報を得ることができる。
【0070】
また、上記した実施形態では、翻訳結果返送に電子メールを利用したが、翻訳結果返送にWebページを用いることも可能である。
【0071】
図13に翻訳結果を表示するためのWebページの一例を示す。
【0072】
ここでは、翻訳結果を原文と訳文のペアで表示しており、用語抽出結果を別のウィンドウに表示している。本例では、必要に応じて、翻訳結果をダウンロードあるいは削除できるような構成にしてある。
【0073】
このページのインタフェースは翻訳要求と同様に例えばCGIを使って実現できる。
【0074】
この場合、例えば、WWWサーバがWWWページデータベースから図13のページのデータを取り出し、これに翻訳結果等を付加して、ユーザ端末に転送し、例えば図13のようにユーザが使用中のWWWブラウザ上に表示される。
【0075】
なお、図9、図10の例では翻訳結果は原文と訳文の交互表示になっているが、翻訳結果として訳文だけ返送するようにしても良い。
【0076】
また、翻訳する言語は、ドイツ語から日本語など、他の言語間で行っても良く、日本語から英語など、逆方向でも構わない。
【0077】
さらに、翻訳要求を受け付ける通信手段は、インターネットだけでなく、イントラネットあるいはLANなどでも構わない。
【0078】
訳語指定内容は、単に見出し語とその訳語の対だけではなく、共起する語を条件にして訳語を指定することもできる。例えば、動詞“remove”の訳語を、目的語が“cover”または“pin”のときに「外す」と指定するために、
remove(cover,pin)=外す
なる訳語指定の記述を行っても良い。この場合、訳し分け知識としてユーザ辞書に登録することで、実現できる。
【0079】
また、本翻訳サービスシステムにより、翻訳はせずに用語抽出を行うサービスを提供することもできる。この場合の処理フローを図14に示す。
【0080】
基本的な構成・動作は、図2の実施例と同様であるが、翻訳処理が用語抽出に置き換わっている点が図2のフローとは異なっている。用語抽出に必要な最低限の構文解析等のみが行なわれる。用語抽出要求を指示する電子メールは、図5に例示したものと同様のものでも良い。
【0081】
用語抽出結果を返送する電子メールは、例えば、図9、図10に例示したものから、タグ記述「<EJTRANS_RESULT> # 翻訳結果 ここから」からタグ記述「</EJTRANS_RESULT> # 翻訳結果 ここまで」までの入力原文と訳文の部分を省略したものとなる。
【0082】
用語抽出要求を受付けるためのWebページは、図12に例示してある。「翻訳要求」のボタンに加えて、「用語抽出」の指示ボタンが設けられている。この「用語抽出」のボタンを押すことにより、所望の抽出結果を得ることができる。
【0083】
処理結果を表示するためのWebページは、例えば、図15に示すように、図13から「翻訳結果」の部分を省略したものとなる。
【0084】
なお、常に、翻訳結果に加えて用語抽出結果も提示するようにしても良いし、ユーザが用語抽出を要求した場合にのみ翻訳と用語抽出を行うようにしても良い。また、ユーザが、(1)翻訳結果と用語抽出結果の両方を提供するサービス、(2)翻訳のみのサービス、(3)用語抽出のみのサービスのうちから所望のものを選択できるようにしても良い。なお、用語抽出のみ行う場合には、用語抽出に必要な最低限の構文解析等のみを行うようにすれば良い。
【0085】
なお、以上の各機能は、ソフトウェアとしても実現可能である。また、上記した各手順あるいは手段をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録した機械読取り可能な媒体として実施することもできる。
【0086】
【発明の効果】
本発明によれば、サービスを利用するセッション間で関連を利用することができ、例えば、前回の翻訳要求を参照して今回の再翻訳要求を行うような利用、今回の翻訳結果を別の原文に係る翻訳要求に役立てるような利用が可能になる。
【0087】
この結果、ユーザはより少ない手順・時間、したがってより少ない費用で満足のいく翻訳文を手に入れることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る翻訳サービスシステムの構成を示すブロック図である。
【図2】同実施形態に係る翻訳サービスシステムの処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】翻訳要求を示す図である。
【図4】翻訳結果を示す図である。
【図5】翻訳要求メールの一例を示す図である。
【図6】訳語指定内容の一例を示す図である。
【図7】用語抽出結果の一例を示す図である。
【図8】追加する訳語指定内容の一例を示す図である。
【図9】翻訳結果返送メールの一例を示す図である。
【図10】図9の続きであり、翻訳結果返送メールの一例を示す図である。
【図11】本発明の翻訳サービスの概要を示す図である。
【図12】翻訳要求を受け付けるWebページの一例を示す図である。
【図13】翻訳結果を表示するWebページの一例を示す図である。
【図14】本発明の別の実施態様に係る翻訳サービスのフローチャートである。
【図15】図14の翻訳サービスにより得られる結果を示す図である。
【符号の説明】
101…翻訳要求受信部
102…翻訳サービス管理部
103…翻訳エンジン
104…翻訳サービスデータベース
105…翻訳結果提示部

Claims (3)

  1. 少なくとも第1言語の文書を含む翻訳要求を受信し、
    前記翻訳要求に訳語指定がある場合には該訳語指定に基づいて、受信した第1言語の文書を所定の第2言語の文書に翻訳するとともに、受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出し、
    前記翻訳結果および前記抽出された用語をユーザに提示することを特徴とする翻訳サービス提供方法。
  2. 少なくとも第1言語の文書を含む翻訳要求を受信する要求受信手段と、
    前記翻訳要求に訳語指定がある場合には該訳語指定に基づいて、受信した第1言語の文書を所定の第2言語の文書に翻訳する翻訳手段と、
    受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する用語抽出手段と、
    前記翻訳手段による翻訳結果および前記用語抽出手段による用語抽出結果をユーザに提示する提示手段とを備えたことを特徴とする翻訳サービスシステム。
  3. 少なくとも第1言語の文書を含む翻訳要求を受信する手順と、
    前記翻訳要求に訳語指定がある場合には該訳語指定に基づいて、受信した第1言語の文書を所定の第2言語の文書に翻訳するとともに、受信した第1言語の文書に含まれる語句のうち、文書中に出現する頻度の情報に基づいて、辞書に見出し語として登録されていない用語或いは訳語指定がされていない用語を抽出する手順と、
    前記翻訳結果および前記抽出された用語をユーザに提示する手順と、
    をコンピュータに実行させるプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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