JP3722889B2 - パンチングプレス - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パンチングプレスに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば金型がY軸方向に移動する金型移動型パンチングプレスにおいて、回転用のパンチ、ダイの加工位置割出しを行なう駆動手段としては、インデックス用モータは固定であり、移動体に設けたインデックス装置とはスプラインシャフトを介してパンチ、ダイに回転が伝達される構成が一般的であった。また、移動体上にインデックス用モータを備えた方式も採用されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の金型移動型パンチングプレスにおけるパンチ、ダイの加工位置割出し装置では、インデックス用モータを固定した場合は、Y軸方向に長いスプラインシャフトを介してパンチとダイに回転力を伝達するため、大容量のモータが必要であった。また、危険速度からスプラインシャフトの径を太くしなければならず、パンチとダイを回動せしめる駆動装置に設けたウオームギヤのバックラッシュ調整のため、複リードウオームギヤを用いる必要があり、スプラインシャフトと移動体をガイドするLMガイドの平行出しを要し高価なものとなっていた。
【0004】
また、複リードウオームギヤを使用しない場合は、スプラインシャフトとウオームギヤ連結部の動力伝達機構が、ウオームのバックラッシュ調整が必要なことから大変複雑となり、大スペースを必要とするとともにコスト的にも高価なものとなっていた。
【0005】
更に、移動体上にインデックス装置を設けた場合は、パンチ側とダイ側に別々にインデックス用モータを取り付けて同期して回動する必要があり、コスト的にも高価なものとなっていた。
【0006】
この発明の目的は、移動体上に設けた1基のインデックス用モータにてパンチとダイの加工位置割出しを行ないコストの低減を図ったパンチングプレスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述のごとき問題に鑑みて、本発明は、フレームにおける下部ベース上にY軸方向へ移動自在に設けたダイホルダと、前記フレームにおける上部フレームの下面にY軸方向へ移動自在に設けたパンチホルダとをC形状の連結部材にて一体的に設け、前記パンチホルダに備えた複数のパンチを打撃するアクチュエータを、前記パンチホルダにX、Y軸方向へ移動することができるように備え、前記パンチホルダに備えた回転用のパンチと前記ダイホルダに備えた回転用のダイとを回転し加工位置の割出しを行うための1基のインデックス用モータを前記連結部材に設けたことを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0011】
図2,図3および図4を参照するに、まず、理解を容易とするためパンチングプレスと付帯設備の全体的配置について概略的に説明する。
【0012】
図4を参照するに、一軸移動式のパンチングプレス1は門型形状のフレーム3を備えており、このフレーム3のX軸方向(図4において上下方向)へ延伸して複数のLMガイドレール5がベース7上に敷設されている。
【0013】
このLMガイドレール5上にはLMガイド9(図2,図3参照)を介してキャレッジ11がX軸方向へ移動自在となっており、このキャレッジ11はステー13により左右側一体的に設けられている。そして、各キャレッジ11には複数個のワーククランプ15が設けられ、このワーククランプ15は、Y軸駆動モータ17によりボールネジ19(図2参照)とナット部材(図示省略)を介してY軸方向(図4において左右方向)へ拡縮移動自在となっている。
【0014】
前記キャレッジ11は、X軸駆動モータ21(図3参照)よりボールネジ23とナット部材(図示省略)を介してX軸方向へ移動自在となっており、ワークをワーククランプ15にて把持して所望位置にワークを位置決めすることができる。なお、符号25はテーブルである。
【0015】
次に、一軸移動式のパンチングプレス1について更に詳細に説明する。
【0016】
図2,図3および図5、図6を参照するに、パンチングプレス1を構成するフレーム3における下部ベース27の左右側にはコラム29が立設され、このこラム29の上部には上部フレーム31が一体的に設けられて構成されている。
【0017】
前記フレーム3内には、複数のパンチ33を備えたパンチホルダ35と、前記パンチ33に相対向して複数のダイ37を備えたダイホルダ39とが、C形状の連結部材41にて一体的に設けられている。そして、前記ダイホルダ39の下面は、LMガイド43を介して下部ベース27上にY軸方向(図2,図5)において左右方向、図3,図6において図面に直交した方向)へ延伸して敷設されたLMガイドレール45上に乗り、前記パンチホルダ35の上面は、LMガイド47を介して上部フレーム31の下面に設けたLMガイドレール49に係合し、Y軸方向へ移動自在に設けられている。
【0018】
前記パンチホルダ35は、ナット部材(図示省略)を介してY軸方向へ延伸下ボールネジ51に螺合し、このボールネジ51の片端(図2において右側)にはY軸駆動モータ53が連結され、Y軸駆動モータ53は前記フレーム3に固着されている。
【0019】
上記構成により、Y軸駆動モータ53を駆動せしめると、ボールネジ51は回転しナット部材を介してパンチホルダ35はLMガイド47によりLMガイドレール49に沿ってY軸方向へ移動されることになる。なお、パンチホルダ35とダイホルダ39は一体的に設けられているため、ダイホルダ39もLMガイド43によりLMガイドレール45に沿ってY軸方向へ移動されることになる。
【0020】
前記ダイホルダ39には複数のダイ37が設けられ、このダイ37に相対向して上方には複数のパンチ33を備えたパンチホルダ35が設けられている。このパンチホルダ35の内部には、パンチ33を打撃するアクチュエータであるラムシリンダ55がラムキャリア57にX軸方向(図2,図5において図面直交する方向、図3,図6において左右方向)へ移動自在に設けられ、ラムキャリア57は前記LMガイドレール49にLMガイド59を介してY軸方向へ移動自在に設けられている。
【0021】
前記ラムキャリア57をY軸方向へ移動せしめる駆動部材としては、前記パンチホルダ35内にY軸方向へ延伸して設けたボールネジ61にナット部材(図示省略)を介してラムキャリア57が設けられている。そして、前記ボールネジ61の端末(図2において右側)にはY軸駆動モータ63が連結され、このY軸駆動モータ63は前記パンチホルダ35の一側に固着されている。
【0022】
また、ラムシリンダ55をX軸方向へ駆動するための駆動部材としては、前記ラムキャリア57内にX軸方向へ延伸して設けたボールネジ65にナット部材(図示省略)を介してラムシリンダ55が設けられている。そして、前記ボールネジ65の端末(図3,図6において右側)にはX軸駆動モータ67が連結され、このX軸駆動モータ67はラムキャリア57の一側に固着されている。
【0023】
上記構成により、Y軸駆動モータ63を駆動せしめるとボールネジ61は回転し、このボールネジ61に螺合したナット部材を介してラムキャリア57はY軸方向へ移動されることになる。また、X軸駆動モータ67を駆動せしめるとボールネジ65は回転し、このボールネジ65に螺合したナット部材を介してラムシリンダ55はX軸方向へ移動されることになる。
【0024】
すなわち、ラムシリンダ55はX,Y軸方向へ移動することができ、パンチホルダ35に複数配設されたパンチ33の中で所望するパンチ33の直上にラムシリンダ55を位置決めでき、ラムシリンダ55により所望のパンチ33を打撃して、ダイ37との協働によりワークにパンチング加工が施される。
【0025】
なお、前記パンチ33はパンチブロック69に複数配設され、このパンチブロック69が前記パンチホルダ35に装着、離脱自在に設けられ、前記ダイ37はダイブロック71に複数配設され、このダイブロック71が前記ダイホルダ39に装着、離脱自在に設けられている。
【0026】
前記パンチブロック69とダイブロック71に複数個配設されたパンチ33とダイ37の内、所定の場所(図2および図5において手前左側)にある回転用のパンチ33とダイ37を加工位置に割出すための加工位置割出し装置73が設けられている。より詳細には、加工位置割出し装置73は、前記連結部材41に設けたインデックス用モータ75を備えた動力分割駆動装置77と、パンチホルダ35とダイホルダ39に設けた動力伝達切換装置79A,79Bと、この動力伝達切換装置79A,79Bと前記動力分割駆動装置77とを連結する回転伝達軸81A,81Bと、所定の回転用のパンチ33,ダイ37を回動せしめる駆動部材(図示省略)とで構成されている。
【0027】
次に、この発明の実施の形態の例としての主要部である前記加工位置割出し装置73について、更に詳細に説明する。
【0028】
図1および図5を参照するに、パンチホルダ35とダイホルダ39を連結部材41にて一体化して移動体を構成し、この連結部材41の片端(図1において左側)にブラケット83が固着されている。このブラケット83に前記インデックス用モータ75が固着され、このインデックス用モータ75の出力軸に係止したカップリング85を介して、前記ブラケット83に設けたパンチ用軸受部87Aに回転軸89Aが回転自在に支承されている。この回転軸89Aには前記動力分割駆動装置77としての駆動側プーリ91Aが装着されている。
【0029】
一方、前記ブラケット83に設けたパンチ用軸受部87Aの直下(図1において図面に直交した下方、図5において下側)にダイ用軸受部87Bが所定の距離離れて設けられ、このダイ用軸受部87Bに回転軸89Bが回転自在に支承されている。この回転軸89Bには前記動力伝達駆動装置77としての従動側プーリ91Bが装着され、この従動側プーリ91Bと前記駆動側プーリ91Aとの間にタイミングベルト93が掛回されている。
【0030】
上記構成により、インデックス用モータ75を駆動せしめると動力分割駆動装置77としての駆動側プーリ91Aが回転し、タイミングベルト93を介して従動側プーリ91Bが同期して回一方向へ回転する。
【0031】
前記回転軸89A,89Bの軸端には接手95が係止し、この接手95は前記回転伝達軸81A,81Bに固着され、回転伝達軸81A,81Bの他端にも接手95が固着されていて、この接手95を介して前記動力伝達切換装置79A,79Bの入力軸97A,97Bへ接続されている。
【0032】
前記動力伝達切換装置79A,79Bの構成は、既に公知の構成のものを採用していて、この種の動力伝達を切換えるものに用いられているものであるため詳細な構成と説明を省略する。
【0033】
すなわち、入力軸97A,97Bより歯車機構(図示省略)を介して出力軸99A,99Bへ回転は伝達される。そして、前記出力軸99A,99Bは流体圧作動のシリンダ101により出没自在となり、出力軸99A,99Bの先端には後述する駆動部材103であるウオーム軸105と係合、離脱自在な係合部107A,107Bが形成されている。
【0034】
駆動部材103は、パンチブロック69に装着された複数個のパンチ33のうち、所定の位置(図1において左下側)にある回転用のパンチ33と加工位置に割出すためのもので、図1に示されている構成はパンチ33を対象としているが、回転用のダイ37を加工に割出す駆動部材103もまったく同一構成のため図示と説明を省略してある。
【0035】
すなわち、回転用のパンチ33の外周に係合したウオームホイール109は前記ウオーム軸105に噛合し、ウオーム軸105の両側は軸受111を介してパンチブロック69上に回転自在に設けられている。そして、ウオーム軸105の片端(図1において左側)には、前記出力軸99Aに形成した係合部107Aに係合、離脱自在な係合部113A(ダイ37側は113B)が形成されている。なお、符号115はパンチブロック69をパンチホルダ35に固定するクランプである。
【0036】
上記構成により、所定の位置にある回転用のパンチ33を加工位置に割出すには、動力伝達切換装置79Aに設けたシリンダ101を作動せしめ、出力軸99Aを突出せしめて出力軸99Aを突出せしめて出力軸99Aに形成した係合部107Aとウオーム軸105に形成した係合部113Aとを係合させる。この状態でインデックス用モータ75を駆動すると、ウオーム軸105は回転しウオームホイール109が回動してパンチ33の加工位置の割出しを行なうことができる。
【0037】
なお、回転用のダイ37の加工位置の割出しも上述した回転用のパンチ33の割出しとまったく同一であり、同期して割出しが行われる。
【0038】
上述したごとき構成により、移動する移動体(パンチホルダ35とダイホルダ39と連結部材41)の連結部材41にインデックス用モータ75を備えた動力分割駆動装置77を設け、この動力分割駆動装置77より回転用のパンチ33とダイ37側の回転伝達軸81A,81Bに動力を分割同期せしめる。そして、動力伝達切換装置79A,79Bの切換えにより駆動部材103を介して回転用のパンチ33とダイ37の加工位置の割出しを行なう。
【0039】
而して、従来のごとくインデックス用モータを固定して、スプラインシャフトを介して加工位置の割出しを行なうことなく、また、インデックス用モータをパンチ用とダイ用に2基設ける必要もないので、コストの低減を図ることができるとともに、構成を単純化しスペースを減少したことにより作業性の向上を図ることができる。
【0040】
なお、この発明は前述した発明の実施の形態の例には限定されることなく、適宜な変更を行なうことにより、その他の態様で実施し得るものである。
【0041】
【発明の効果】
以上のごとき実施の形態の例の説明より理解されるように、発明によれば、所定の位置にある回転用のパンチとダイを回転して加工位置に割出すのに1基のインデックス用モータにて同期して割出し作業ができるので、コストの低減を図ることができると共に、単純な構成によりスペースを減少し作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の主要部を示し、パンチとダイの加工位置割出装置の平面説明図である。
【図2】この発明のパンチングプレスの正面説明図である。
【図3】図2における右側より見た側面拡大説明図である。
【図4】図2における平面説明図である。
【図5】図2におけるV矢視部の正面拡大説明図である。
【図6】図3におけるVI矢視部の側面拡大説明図である。
【符号の説明】
1 パンチングプレス
3 フレーム
33 パンチ
35 パンチホルダ
37 ダイ
39 ダイホルダ
69 パンチブロック
71 ダイブロック
73 加工位置割出し装置
75 インデックス用モータ
77 動力分割駆動装置
79A,79B 動力伝達切換装置
103 駆動部材

Claims (1)

  1. フレーム(3)における下部ベース(27)上にY軸方向へ移動自在に設けたダイホルダ(39)と、前記フレーム(3)における上部フレーム(31)の下面にY軸方向へ移動自在に設けたパンチホルダ(35)とをC形状の連結部材(41)にて一体的に設け、前記パンチホルダ(35)に備えた複数のパンチ(33)を打撃するアクチュエータを、前記パンチホルダ(35)にX、Y軸方向へ移動することができるように備え、前記パンチホルダ(35)に備えた回転用のパンチ(33)と前記ダイホルダ(39)に備えた回転用のダイ(37)とを回転し加工位置の割出しを行うための1基のインデックス用モータ(75)を前記連結部材(41)に設けたことを特徴とするパンチングプレス。
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