JP3721865B2 - 光ファイバ母材の製造方法及び調心治具 - Google Patents

光ファイバ母材の製造方法及び調心治具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はロッドインコラプス法による光ファイバ母材、特に分散補償ファイバ用の光ファイバ母材の製造方法、及びその方法に使用する調心治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
ロッドインコラプス法(ロッドインチューブ法)による光ファイバ母材(プリフォーム)の製造方法は、コアとなるガラスをロッド状に成形し、クラッドとなるガラスを肉厚のパイプに成形し、ロッドをパイプに挿入した後、加熱しながら真空引きしてコアとパイプとの間の空隙を加熱融着させて光ファイバ母材とする方法である。
この方法では図6に示すようにクラッド層形成用パイプ12にダミーパイプ13を接続して、コラプスを行う抵抗炉にセットし、パイプ内面をエッチングして平滑化するとともに不純物を除去した後、コアロッド11をダミー棒14で押し上げる形で挿入する。コアロッド11を挿入後、空焼き(乾燥、不純物の除去)を行い、クラッド層形成用パイプ12の上部からコラプスして光ファイバ母材としている。この方法では図6に示すようにコアロッドを傾けた状態でコラプスするためコアの偏心や変形を生じやすいという問題がある。
【0003】
近年、光ファイバの1つとして1.3μmの波長帯に零分散を持つ光ファイバを用いて1.55μmの波長帯で光通信を行う場合に生じる分散を補償するための分散補償ファイバが開発されている。1.3μm波長帯零分散ファイバは1.55μmの波長帯で大きな正の分散を生じるので、この分散を補償するため、分散補償ファイバは1.55μmの波長帯で前記分散とは逆の、負の大きな分散を有することが必要である。そのため分散補償ファイバは、ドーパントの添加によりコア/クラッドの屈折率差を大きくし(通常、1.3μm伝送用の最も一般的なシングルモードファイバであるSMファイバでは0.35%程度であるが分散補償ファイバでは2.5〜3.0%程度)、かつコア径を小さく(通常、SMファイバでは8〜10μm程度であるが分散補償ファイバでは2〜3μm程度)した構造となっている。
分散補償ファイバは、高屈折率のコアを使用するため偏波分散が生じやすく、また、コアにドープするGeO2 の影響により低粘度となるので非円化が起こりやすくなっている。非円率の悪化は偏波分散特性に影響し、その度合いは比屈折率差(コア/クラッドの屈折率差)の2乗に比例するので、比屈折率差の大きい分散補償ファイバでは特に非円化の影響が大きくなっている。分散補償ファイバは、WDMシステム(1.55μm帯域に波長の異なる複数の光を入射し、従来の複数倍の情報を伝送するシステム)へ適用するため良好な偏波分散特性が要求されており、コアの非円化を防止することが必要である。しかしながら、前記のような構造の分散補償ファイバでは、ロッドインコラプスを実施する場合、熱によりドーパントを多量に含むコアロッドが変形しやすく、また、コラプス回数を少なくするためにパイプの肉厚を厚くすると、従来のコラプス法では非円率が悪化し、良好な偏波分散特性が得にくいという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記のような従来技術における問題点を解決し、非円のないロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法、特にコアの非円化を抑制し、良好な偏波分散特性を有する(偏波分散が小さい)分散補償ファイバが得られる光ファイバ母材の製造方法、及びその方法に使用する調心治具を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決する手段として、次の(1)〜(10)の構成を採るものである。
(1)コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、クラッド層形成用パイプの両端にダミーパイプを接続し、前記両端に接続された各ダミーパイプ内にコアロッドの端部を保持して該端部に対して調心機能を有する調心治具をそれぞれ挿嵌し、前記コアロッドの両端をそれぞれの前記調心治具に挿入して、コアロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように固定し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
(2)ゲルマニウムを添加した石英ガラス系コア母材を加熱し、延伸したコアロッドを、石英ガラス系クラッド材からなる第1クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第1コラプス体を形成する第1工程、前記第1コラプス体を加熱し、延伸した第1コラプス延伸体を、石英ガラス系クラッド材からなる第2クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第2コラプス体を形成する第2工程、前記第2コラプス体の外周にジャケット層を形成してプリフォームとする第3工程よりなるロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、前記第1工程及び/又は第2工程をクラッド層形成用パイプの両端にダミーパイプを接続し、前記両端に接続された各ダミーパイプ内にコアロッドの端部を保持して該端部に対して調心機能を有する調心治具をそれぞれ挿嵌し、前記コアロッドの両端をそれぞれの前記調心治具に挿入して、コアロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように固定し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
【0006】
(3)前記調心治具の最大外径部とダミーパイプ内壁との間のクリアランスを1.0mm以下とすることを特徴とする前記(1)又は(2)の光ファイバ母材の製造方法。
(4)前記調心治具がダミーパイプ内に挿嵌可能な外径のパイプに、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けた調心用縮径パイプであることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の光ファイバ母材の製造方法。
(5)前記調心治具がダミーパイプ内に挿嵌可能な外径とコアロッドの端部を保持可能な内径を有する円筒治具であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれか1つの光ファイバ母材の製造方法。
【0007】
(6)コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に装入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、クラッド層形成用パイプの両端に、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けたダミーパイプを接続し、コアロッドの両端を、該ロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように設置し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
(7)ゲルマニウムを添加した石英ガラス系コア母材を加熱し、延伸したコアロッドを、石英ガラス系クラッド材からなる第1クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第1コラプス体を形成する第1工程、前記第1コラプス体を加熱し、延伸した第1コラプス延伸体を、石英ガラス系クラッド材からなる第2クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第2コラプス体を形成する第2工程、前記第2コラプス体の外周にジャケット層を形成してプリフォームとする第3工程よりなるロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、前記第1工程及び/又は第2工程をクラッド層形成用パイプの両端に、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けたダミーパイプを接続し、コアロッドの両端を、該ロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように設置し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
【0008】
(8)コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造に際し、クラッド層形成用パイプの両端に接続するダミーパイプ内に装着する調心治具であって、ダミーパイプ内に挿嵌可能な外径でコアロッドの端部を挿入可能な内径の円筒部と、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部とを有することを特徴とする調心用縮径パイプ。
(9)コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造に際し、クラッド層形成用パイプの両端に接続するダミーパイプ内に装着する調心治具であって、ダミーパイプ内に挿嵌可能な外径とコアロッドの端部を保持可能な内径を有することを特徴とする円筒治具。
(10)コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造に際し、クラッド層形成用パイプの両端に接続するダミーパイプであって、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けたことを特徴とするダミーパイプ。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図5に示す構造の分散補償ファイバ用のプリフォーム(光ファイバ母材)を製造する場合を例にとって本発明の方法を詳細に説明する。図5の分散補償ファイバ用のプリフォームはGeO2 をドープした石英ガラス系のコア材からなるコア1の外周に、ロッドインコラプス法により石英系ガラスに必要によりフッ素、ホウ素、塩素などの屈折率を調整する添加剤をドープしたクラッド材からなる第1コラプス層(第1クラッド層)2及び第2コラプス層(第2クラッド層)3を形成させ、さらにその外周に石英ガラス又は塩素添加石英ガラスからなるジャケット層4を形成させたものである。
【0010】
本発明の方法により図5に示す構造の分散補償ファイバ用のプリフォームを製造する場合には、先ずVAD法などにより合成した所定量のGeO2 をドープして屈折率を調整した石英ガラス系のコア母材を脱水・透明化し、所定の径に延伸して両端にテーパ部を有する延伸コアロッドを作製する。ロッドインコラプスを行う前処理として、この延伸コアロッドの外周を研磨して真円に加工したり、表層をHFで洗浄して清浄化するなどの洗浄処理を施す。
第1コラプス層(第1クラッド層)とするパイプは、石英系ガラスに必要により屈折率を調整する添加剤をドープしたクラッド材からなり、例えば、VAD法又はOVD法でスス母材を合成し、フッ素原料(例えばSiF4 、SF6 など)雰囲気で加熱・焼結させ、次いでパイプに加工したもの、あるいは、ゾルゲル法やガラス微粒子を成形する方法などによりパイプ状のスス母材を合成し、これをフッ素添加焼結したもの、などが使用できる。
【0011】
内面を清浄化した第1コラプス層パイプに、前記の洗浄処理を施した延伸コアロッドをロッドインし、H2 /O2 火炎、電気炉などにより加熱しながらコラプスして一体化して第1コラプス体とする(第1工程)。この第1コラプス体を加熱、延伸して両端にテーパ部を有する第1コラプス延伸体とする。
この第1コラプス延伸体を10〜25%程度のHF溶液でエッチングするなどの方法により所定の外径に調整するとともに、表面の清浄化を行ったのち、第1コラプス層の説明に記載したのと同様の方法で作製し、内面を清浄化した第2コラプス層(第2クラッド層)パイプにロッドインし、H2 /O2 火炎、電気炉などにより加熱しながらコラプスして一体化して第2コラプス体とする(第2工程)。
【0012】
次に第2コラプス体を加熱、延伸した後、その外周にVAD法などでススを堆積させ、焼結することによりジャケット層を形成させ(第3工程)て分散補償ファイバ用のプリフォームを得ることができる。
【0013】
本発明の方法は、コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に装入して加熱するロッドインコラプス法により光ファイバ母材を製造するに際し、ロッドインコラプスを行う工程、すなわち、前記態様における第1工程及び/又は第2工程において、クラッド層形成用パイプの両端に接続するダミーパイプ内に、コアロッドの端部を保持する調心治具を挿嵌するか、又はダミーパイプ自体にコアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設け、前記調心治具又は縮径部を設けたダミーパイプでコアロッドを固定してその中心がコラプス層パイプの中心からずれないように保持すること特徴とする。
【0014】
ここで、コアロッドの端部とは、コアロッドの両端部近傍のダミーパイプ内に収容される部分を意味し、通常は後述する図1に示すようにテーパ部が形成されているが、テーパ部のない単一径の場合もある。
また、コアロッドの端部を保持とは、調心治具又はダミーパイプの内径がコアロッドの端部の少なくとも一部の外径に近似した部分でコアロッドの端部を支持し、コアロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するよう保持することを意味する。
さらに、挿嵌とは、ダミーパイプの内壁に密着した状態又はごく微小なクリアランスを残して挿入し、嵌め込むことを意味する。
【0015】
図1は、調心治具として図2に示す形状の調心用縮径パイプを使用する場合を例とした本発明の方法の概念を示す模式図である。調心用縮径パイプを使用した本発明の方法では、図1に示すようにクラッド層形成用パイプ12の両端に接続したダミーパイプ13内に、クラッド層形成用パイプ12と同一中心を有し、ダミーパイプ13内側に挿嵌可能な外径で、かつコアロッド11の端部を挿入可能な内径の円筒部21と、コアロッド11の外径より小さく、かつコアロッド11の端部テーパ部16のいずれかの位置の外径に等しい内径でコアロッドの端部を挿入して保持可能な縮径部22とを有する調心用縮径パイプ15を装着し、コアロッド11の両端を、該ロッドの中心がクラッド層形成用パイプ12の中心に一致するように固定して加熱しながらコラプスする。
【0016】
調心用縮径パイプ15の円筒部21とダミーパイプ13との間のクリアランスはできるだけ少ない方が望ましく、1.0mm以下とするのが好ましい。また、調心用縮径パイプ15の縮径部22の内径は、コアロッド11の端部テーパ部16のいずれかの位置(中央部付近が好ましい)の外径に等しくなるようにし、端部テーパ部16を挿入して縮径部22の部分で固定できるようにする。
【0017】
本発明で使用する調心治具としては、図1及び図2に1例を示したようなダミーパイプ内に挿嵌可能な外径でコアロッドの端部を挿入可能な内径の円筒部と、コアロッドの外径より小さい内径の縮径部とを有する調心用縮径パイプが使いやすく、安定した効果が得られるが、ダミーパイプ内径より小さい外径でダミーパイプ内に挿嵌可能な最大外径部とコアロッドの端部を保持できる内径部分とを有するものであればこのような形状に限定されるものではない。調心治具の他の例として、図3に示すようにダミーパイプ内に挿嵌可能な外径の外壁18とコアロッドの端部を保持可能な内径の内壁19とを有する二重円筒形の円筒治具17を使用することもできる。外壁18と内壁19との間は中空であってもよく、中実であってもよい。また、内壁19は図3(b)に示すようにテーパを有していてもよい。
【0018】
なお、図1にはダミーパイプ13内に調心治具である縮径パイプ15を装着する例を示したが、調心治具は使用せずダミーパイプ13自体にコアロッド11の端部テーパ部16のいずれかの位置の外径に等しくなるような縮径部を設けてコアロッド11を保持するようにしてもよい。
【0019】
図1のようにコアロッド11の端部にテーパ部16が形成されている場合には、コアロッド11は図4(a)に示すように縮径部22で固定されるが、コアロッド11の端部にテーパ部16がない場合にも、調心用縮径パイプ15の縮径部22にテーパ部を設けておけば図4(b)に示すようにコアロッド端部24で固定することができる。
【0020】
第1クラッド層としてフッ素を添加した石英ガラスを使用し、第2クラッド層としてフッ素添加石英ガラスを使用することにより、正スロープの分散補償ファイバ用の光ファイバ母材を製造することができ、また、第2クラッド層として純石英ガラス又は塩素を添加した石英ガラスを使用することにより、負スロープの分散補償ファイバ用の光ファイバ母材を製造することができる。
【0021】
【実施例】
以下、実施例により本発明の方法をさらに具体的に説明する。
(実施例1、2及び比較例1)
図1に示す方法により、図5の構造の分散補償ファイバ用の光ファイバ母材(プリフォーム)を作製し、得られたプリフォームを線引きして分散補償ファイバを製造し、コア非円率及び偏波分散特性を測定することにより調心用縮径パイプ15の効果を調べた。
石英ガラスにGeO2 をドープしたコア母材をVAD法により合成し、これを脱水・透明化し、さらに加熱軟化させて延伸して両端に長さ20mmのテーパ部を有する延伸コアロッドを作製した。
第1コラプス層(第1クラッド層)2とするパイプは、石英ガラスにフッ素をドープしたクラッド材からなる。このパイプは、VAD法によりスス母材を合成し、フッ素原料雰囲気で加熱・焼結させ、次いでパイプに加工したものである。
【0022】
HF溶液及び腐食性ガスにより内面を清浄化した第1コラプス層パイプ(清浄化により内径を拡張した)に、洗浄処理を施した延伸コアロッドをロッドインし、H2 /O2 火炎により加熱しながらコラプスして一体化して第1コラプス体とした(第1工程)。この第1コラプス体を加熱、延伸して両端にテーパ部を有する第1コラプス延伸体とした。
この第1コラプス延伸体を20%程度のHF溶液でエッチングし、外径を調整するとともに、表面の清浄化を行った。この第1コラプス延伸体を、VAD法によりスス母材を合成し、フッ素原料雰囲気で加熱・焼結させ、次いでパイプに加工した、石英ガラスにフッ素をドープしたクラッド材からなる第2コラプス層(第2クラッド層)3となるパイプをHF溶液、次いで腐食性ガスで清浄化したもの(清浄化により内径を拡張した)にロッドインし、電気炉で加熱しながらコラプスして一体化して第2コラプス体とした(第2工程)。
【0023】
前記第2工程において、図1に示すようにクラッド層形成用パイプ(前記第2コラプス層3となるパイプがこれに相当する)12の両端にダミーパイプ13を取付け、該ダミーパイプ13内に縮径部22を有し上下に円筒部21を有する調心用縮径パイプ15を、ダミーパイプ13の内壁からのクリアランスがそれぞれ0.7mm(実施例1)又は0.2mm(実施例2)となるように挿嵌し、コアロッド11(前記第1コラプス延伸体がこれに相当する)を挿入して固定し、コラプスした。
次に、このようにして得られた第2コラプス体の外周にVAD法によりフッ素添加石英ガラスからなるジャケット層4を形成させ(第3工程)て分散補償ファイバ用のプリフォームを得た。
【0024】
このようにして製造した実施例1及び2のプリフォームと、調心用縮径パイプを使用しないこと以外は実施例1及び2と同様にして製造したプリフォーム(比較例1)を使用して線引きし、ファイバ径100μm、被覆径150μmの分散補償ファイバを製造した。それぞれの試料について第2コラプス体におけるコア非円率及びファイバの偏波分散特性を測定した結果を表1に示す。表1から、調心用縮径パイプを使用することによりコア非円率が大幅に改良され、得られるファイバの偏波分散値も小さくなり、良好な品質のファイバが得られることが分かる。また、ダミーパイプの内壁と調心用縮径パイプとの間のクリアランスが小さい方が効果が大きいことが確認できた。
【0025】
【表1】
Figure 0003721865
【0026】
前記実施例では第2コラプス層のΔnが、第1コラプス層のΔnと同じである例を示したが、第2コラプス層及びジャケット層のΔnが高い場合も同様の効果が得られる。なお、Δnは屈折率調整後の屈折率をn1 、純石英ガラスの屈折率をn0 とした場合の(n1 −n0 )のn0 に対する割合を示す。
【0027】
【発明の効果】
本発明の方法によれば、コアロッドをクラッドパイプの中心に固定した形でコラプスできるので、コアの変形(非円化)や偏心を抑制でき、良好な特性を有する光ファイバ母材を得ることができる。本発明の方法は、非円化率の影響が大きい分散補償ファイバ用の光ファイバ母材の製造に適用した場合に、特に効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の概念を示す模式図。
【図2】本発明で使用する調心用縮径パイプの1例を示す概略図。
【図3】本発明で使用する調心治具の他の例を示す概略図。
【図4】調心用縮径パイプでのコアロッド端部の保持状態の例を示す概略図。
【図5】分散補償ファイバ用のプリフォームの構造の1例を示す説明図。
【図6】従来のロッドインコラプス法概念を示す模式図。
【符号の説明】
1 コア 2 第1コラプス層(第1クラッド層)
3 第2コラプス層(第2クラッド層) 4 ジャケット層
11 コアロッド 12 クラッド層形成用パイプ
13 ダミーパイプ 14 ダミー棒 15 調心用縮径パイプ
16 テーパ部 17 円筒治具 18 外壁 19 内壁
21 円筒部 22 縮径部 24 コアロッド端部

Claims (10)

  1. コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、クラッド層形成用パイプの両端にダミーパイプを接続し、前記両端に接続された各ダミーパイプ内にコアロッドの端部を保持して該端部に対して調心機能を有する調心治具をそれぞれ挿嵌し、前記コアロッドの両端をそれぞれの前記調心治具に挿入して、コアロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように固定し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  2. ゲルマニウムを添加した石英ガラス系コア母材を加熱し、延伸したコアロッドを、石英ガラス系クラッド材からなる第1クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第1コラプス体を形成する第1工程、前記第1コラプス体を加熱し、延伸した第1コラプス延伸体を、石英ガラス系クラッド材からなる第2クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第2コラプス体を形成する第2工程、前記第2コラプス体の外周にジャケット層を形成してプリフォームとする第3工程よりなるロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、前記第1工程及び/又は第2工程をクラッド層形成用パイプの両端にダミーパイプを接続し、前記両端に接続された各ダミーパイプ内にコアロッドの端部を保持して該端部に対して調心機能を有する調心治具をそれぞれ挿嵌し、前記コアロッドの両端をそれぞれの前記調心治具に挿入して、コアロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように固定し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  3. 前記調心治具の最大外径部とダミーパイプ内壁との間のクリアランスを1.0mm以下とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  4. 前記調心治具がダミーパイプ内に挿嵌可能な外径のパイプに、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けた調心用縮径パイプであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  5. 前記調心治具がダミーパイプ内に挿嵌可能な外径とコアロッドの端部を保持可能な内径を有する円筒治具であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の光ファイバ母材の製造方法。
  6. コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に装入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、クラッド層形成用パイプの両端に、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けたダミーパイプを接続し、コアロッドの両端を、該ロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように設置し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  7. ゲルマニウムを添加した石英ガラス系コア母材を加熱し、延伸したコアロッドを、石英ガラス系クラッド材からなる第1クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第1コラプス体を形成する第1工程、前記第1コラプス体を加熱し、延伸した第1コラプス延伸体を、石英ガラス系クラッド材からなる第2クラッド層形成用パイプにロッドインコラプスして第2コラプス体を形成する第2工程、前記第2コラプス体の外周にジャケット層を形成してプリフォームとする第3工程よりなるロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造方法において、前記第1工程及び/又は第2工程をクラッド層形成用パイプの両端に、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けたダミーパイプを接続し、コアロッドの両端を、該ロッドの中心がクラッド層形成用パイプの中心に一致するように設置し、クラッド層形成用パイプを加熱しながらコラプスすることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
  8. コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造に際し、クラッド層形成用パイプの両端に接続するダミーパイプ内に装着する調心治具であって、ダミーパイプ内に挿嵌可能な外径でコアロッドの端部を挿入可能な内径の円筒部と、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部とを有することを特徴とする調心用縮径パイプ。
  9. コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造に際し、クラッド層形成用パイプの両端に接続するダミーパイプ内に装着する調心治具であって、ダミーパイプ内に挿嵌可能な外径とコアロッドの端部を保持可能な内径を有することを特徴とする円筒治具。
  10. コアのみ又はコア及びクラッド層の一部を有するコアロッドをクラッド層形成用パイプ内に挿入して加熱するロッドインコラプス法による光ファイバ母材の製造に際し、クラッド層形成用パイプの両端に接続するダミーパイプであって、コアロッドの端部を保持可能な内径の縮径部を設けたことを特徴とするダミーパイプ。
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