JP3721792B2 - ハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンと電気モータとを併用して走行するハイブリッド車両において、そのエンジン補機を駆動させるために用いられるハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ハイブリッド車両として、シリーズ方式と呼ばれるものが知られている(例えば、特開平6−165309号公報参照)。このものでは、エンジンにより駆動されるジェネレータによって発電を行い、この電気により駆動される電気モータのみを走行用駆動源として走行するようにしている。
【0003】
一方、ハイブリッド車両として、パラレル方式と呼ばれるものが知られている。このものでは、電気モータ及びエンジンを併用して走行するように構成されていおり、上記電気モータのみによって走行する場合と、上記電気モータ及びエンジンによって走行する場合とに切り替わるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの駆動力によって走行する通常の車両においては、クランクシャフトとカムシャフトとがタイミングベルトによって互いに連結されている一方、上記クランクシャフトとオルタネータ及びウォータポンプ等のエンジン補機とが1本のベルトを各エンジン補機のプーリに掛け渡すことによって互いに連結されており、上記クランクシャフトの駆動力によってそれぞれ駆動されるようになっている。
【0005】
ところが、上記のようなハイブリッド車両のエンジンにおいては、オルタネータの代わりにジェネレータが備えられている。このジェネレータは、電気モータを駆動させる電気を発電するためのものであり、オルタネータに比べて駆動トルクが遙かに大きくなっている。このため、このジェネレータを駆動させようとすれば、その駆動力伝達ベルトの張力を大きくすることにより、例えばプーリの歯飛び等を防止するようにして、上記ジェネレータを駆動させる必要がある。
【0006】
しかるに、このような場合に、上記クランクシャフトに対しジェネレータ及びウォータポンプ等のエンジン補機を1本のベルトによって互いに連結すれば、上記ベルトの張力に対抗するため、例えばウォータポンプの軸受け用のベアリングを大きくするといった補強対策を施す必要が生じ、ジェネレータを含めた全てのエンジン補機を上記の従来のエンジンのような1本のベルトにより全て連結することは困難となるという不都合がある。
【0007】
そこで、上記カムシャフト、ジェネレータ、及び、ウォータポンプをそれぞれ別のベルトによりクランクシャフトと連結することが考えられる。しかしながら、この場合、上記クランクシャフトに対し、たとえばその軸方向に3本のベルトを並べて連結したのでは上記クランクシャフトの長さをその分長くする必要が生じてしまい、この結果、エンジンの全長が長くなってしまうという不都合が生じる。また、上記の長くなったクランクシャフトの先端位置に上記各ベルトの張力が曲げ荷重として作用するようになり、このクランクシャフトに作用する曲げモーメントが増大してしまうという問題も生じることになる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンと電気モータとを併用して走行するハイブリッド車両において、エンジン全長の増大化を招くことなく、クランクシャフトの回転力を利用したジェネレータを含むエンジン補機をそれぞれ確実に駆動させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、エンジンと電気モータとを併用して走行するハイブリッド車両において上記電気モータの駆動用電力を発電するジェネレータがエンジン補機の一部として駆動されるエンジン補機駆動装置を前提としている。このものにおいて、上記エンジンのクランクシャフトと、上記ジェネレータとを回転力を伝達する第1駆動力伝達部材により互いに連結し、上記エンジンのカムシャフトと、上記ジェネレータを除く他のエンジン補機とを回転力を伝達する第2駆動力伝達部材により互いに連結し、上記クランクシャフトと、上記カムシャフトとを回転力を伝達する第3駆動力伝達部材により互いに連結する。そして、上記第1及び第2の両駆動力伝達部材を互いに略同一平面内に位置するように配設する構成とするものである。ここで、「駆動力伝達部材」としては、ベルト(平ベルト、Vベルト、歯付きベルト)、チェーン等を用いればよい。
【0010】
上記の構成の場合、第1駆動力伝達部材によりジェネレータを単独でクランクシャフトに連結するため、他のエンジン補機等に影響を与えることなく負荷の大きいジェネレータの駆動を確実に行うことが可能になる。
【0011】
しかも、上記第1及び第2駆動力伝達部材を略同一平面内に位置するように配設することによって、例えば上記第1〜第3の3つの駆動力伝達部材を上記クランクシャフトの軸方向に並べて連結した場合に比べてクランクシャフトの全長が短くて済む結果、エンジン全長をコンパクトにすることが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、少なくとも第1及び第2の両駆動力伝達部材をベルトとする。そして、クランクシャフトにジェネレータ駆動用プーリを一体的に結合する一方、このジェネレータ駆動用プーリをエンジンのシリンダブロックにより回転可能に軸支する構成とするものである。
【0013】
上記の構成の場合、ジェネレータ駆動用プーリがシリンダブロックにより軸支されているため、第1駆動力伝達部材であるベルトの張力に基づく曲げ荷重が、ジェネレータ駆動用プーリを介してシリンダブロックに作用する。このため、上記曲げ荷重がクランクシャフトに直接作用することを回避することが可能になる。従って、上記第1駆動力伝達部材の張力を大きくしてジェネレータを確実に駆動させることが可能になると共に、ジェネレータ駆動用プーリをクランクシャフトに直接軸支した場合に生じるおそれのある上記曲げ荷重に起因するクランクシャフトの折損、または、クランクシャフトの軸受けが焼き付くこと等の発生を確実に防止することが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、第3駆動力伝達部材をクランクシャフトに対しエンジン本体側位置に連結し、ジェネレータ駆動用プーリを上記第3駆動力伝達部材の連結位置よりも先端側の位置のクランクシャフトに対し結合する構成とするものである。
【0015】
上記の構成の場合、クランクシャフトのエンジン本体側部分、つまりこのクランクシャフトの支持位置に近い部分に第3駆動力伝達部材による曲げ荷重を作用させることにより、このクランクシャフトに対する曲げモーメントは小さくなり上記クランクシャフトの撓みを小さくすることが可能になる。その結果、ジェネレータ駆動用プーリをクランクシャフトの先端側に配設しても、上記ジェネレータ駆動用プーリとクランクシャフトとの軸心のずれを防止することが可能になり、上記ジェネレータ駆動用プーリを確実に回転させると共に、上記クランクシャフトの軸受けの信頼性を向上させることが可能になる。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、クランクシャフトに対しその軸心と同軸に配置された状態でシリンダブロックに対し固定された軸支部材を備え、ジェネレータ駆動用プーリを、上記軸支部材により軸支する一方、上記クランクシャフトに対し、上記プーリの上記クランクシャフトに対する相対変位を吸収する芯ずれ吸収部材を間に介して一体的に連結する構成とするものである。ここで、「クランクシャフトに対する相対変位」とは、例えばクランクシャフトの軸方向、及び、この軸方向に直交する方向である径方向等の全方向に対する相対変位をいう。
【0017】
上記の構成の場合、クランクシャフトの軸受けに存在する微小隙間に起因して上記クランクシャフトの回転時にこのクランクシャフトが振動しても、その振動を芯ずれ吸収部材により吸収することが可能になる。このため、ジェネレータ駆動用プーリに上記クランクシャフトの振動が伝達することが防止され、上記クランクシャフトとジェネレータ駆動用プーリとを共に安定して回転させて各軸受け部分の信頼性が向上する。
【0018】
さらに、請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、芯ずれ吸収部材を弾性体により形成する構成とするものである。
【0019】
ここで、「弾性体」としては、クランクシャフトの回転力をジェネレータ駆動用プーリに確実に伝達し、かつ、その弾性力によってジェネレータ駆動用プーリのクランクシャフトに対する相対変位を吸収し得る材質のものを用いればよい。具体的には、成形の容易性、及び、部品調達の容易性の観点からゴム弾性体が好ましい。
【0020】
上記の構成の場合、芯ずれ吸収部材の具体的構成が特定され、クランクシャフトの軸方向及び軸に直交する方向の振動をそれぞれ吸収して、回転力のみをジェネレータ駆動用プーリに伝達することが可能になる。これにより、上記クランクシャフト及びジェネレータ駆動用プーリの軸受け部分の信頼性を向上させることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の配置構成図を示し、このハイブリッド車両はパラレル方式に構成されている。
【0023】
同図において、1はエンジン、21は電気モータ、22はジェネレータであり、上記エンジン1は横置きに配置され、上記電気モータ21はエンジンの後側、ジェネレータ22はエンジンの前側に配置されている。そして、上記エンジン1のクランクシャフト(図示省略)及び電気モータ21の出力軸(図示省略)とがそれぞれ接続されるトランスミッションユニット3は、上記エンジン1の側部位置に配設されるようになっている。また、上記電気モータ21を駆動するための走行用バッテリ41はトランクルーム内に配置されている。
【0024】
図2は、上記ハイブリッド車両の駆動系のブロック図を示している。
【0025】
上記エンジン1のクランクシャフト11の一端はトランスミッションユニット3に接続されている一方、他端は第1駆動力伝達ベルトによりジェネレータ22と互いに連結されている。
【0026】
上記トランスミッションユニット3内ではクラッチ31が設けられており、このクラッチ31から第1出力ギア32を介してディファレンシャル装置33のリングギア34に接続され、前輪35が駆動されるようになっている。そして、上記クラッチ31により上記エンジン1の駆動力をディファレンシャル装置33に伝達する場合と、伝達しない場合とに切り替えられるようになっている。
【0027】
一方、上記トランスミッションユニット3には、上記電気モータ21の出力軸21aが接続されるようになっており、この出力軸21aに取り付けられたドライブギア36は、上記第1出力ギア32と一体に回転する第2出力ギア37に接続されるようになっている。
【0028】
上記電気モータ21及びジェネレータ22は、共にモータ・ジェネレータコントローラ23(以下、M・Gコントローラと略称する。)を介して、走行用バッテリ41に接続されるようになっている。このM・Gコントローラ23はシステムコントローラ51に接続されており、このシステムコントローラ51の信号を受けて上記M・Gコントローラ23が上記電気モータ21側と、ジェネレータ22側との電力を制御するようにしている。また、上記クランクシャフト11が回転すれば、上記ジェネレータ22が駆動されて発電が行われ、その発電された電気が上記走行用バッテリ41の充電状態に応じて充電されるようになっている。また、上記走行用バッテリ41とは別に車両用バッテリ42が備えられており、この車両用バッテリ42はコンバータ43を介して、空調装置52、パワーステアリングのモータ53、または、オーディオ等の車両システム54のための電力を供給している。
【0029】
また、上記システムコントローラ51には、アクセルペダル55が接続されており、このアクセルペダル55の踏込量に応じて上記エンジン1、または、電気モータ21の駆動を制御するようになっている一方、ブレーキペダル56に接続されたブレーキユニット57と、システムコントローラ51とが互いに接続されており、上記システムコントローラ51により制動量を制御するようになっている。
【0030】
次に上記ハイブリッド車両の走行について説明する。
【0031】
車両の発進は電気モータ21で行うようにされており、上記システムコントローラ51により上記トランスミッションユニット3のクラッチ31は切られた状態にされて、上記走行用バッテリ41の電気により電気モータ21が駆動して車両を発進させるようにしている。
【0032】
そして、所定車速と必要駆動力とをシステムコントローラ51が検知して、このシステムコントローラ51の制御によりジェネレータ22に電力が供給され、このジェネレータ22がスタータとなって上記エンジン1を始動させる。そして、上記エンジン1の駆動によりジェネレータ22が駆動されて発電が行われ、その発電された電気が上記走行用バッテリ41に充電される。この場合も、上記クラッチ31は切られた状態のままにされている。
【0033】
また、急加速時等の場合には、上記のようにしてエンジン1を始動させ、上記クラッチ31をつないで、電気モータ21及びエンジン1の双方の駆動力により前輪35を駆動するようにする。
【0034】
そして、図3または図4は、エンジン1及び電気モータ21の配設構造を示しており、上記エンジン1は燃料を燃焼室に直接噴射するいわゆる直噴エンジンであり、12は燃料ポンプ、13は吸気管、14は燃料を噴射するインジェクタ、15は排気管である。なお、図3及び図4の右側は車体前後方向の前側、その左側は後側である。
【0035】
上記電気モータ21は上記エンジン1の後側の上部位置に配置される一方、ジェネレータ22は、上記エンジン1の前側の下部位置に配置されており、この電気モータ21及びジェネレータ22は、それぞれブラケット21b,22aを介して上記シリンダブロック16に支持固定されるようになっている。
【0036】
また、上記排気管15の基端は触媒を内蔵したキャタリスタ15aに連通されており、このキャタリスタ15aは、上記ジェネレータ22に隣接して配置されている。
【0037】
そして、図3に示すように、クランクシャフト11に対し、ジェネレータ駆動用プーリ11aが取り付けられており、このジェネレータ駆動用プーリ11aと、上記ジェネレータ22の回転軸に取り付けられたジェネレータプーリ22bとが第1駆動力伝達ベルト61により互いに連結されている。そして、上記クランクシャフト11の基端側に取り付けられたカムシャフト駆動プーリ11bと(図5参照)、吸気及び排気側カムシャフトに取り付けられた吸気及び排気側カムシャフトプーリ17,18とが第3駆動力伝達ベルト63により互いに連結され、上記排気側カムシャフトプーリ18と、ウォータポンプ19とが第2駆動力伝達ベルト62により互いに連結されている。上記排気側カムシャフトプーリ18は、図5に示すように、エンジン内方側プーリ18aと、エンジン外方側プーリ18bとの2つのプーリが重なった状態で一体にされており、上記第3駆動伝達ベルト63は、エンジン内方側プーリ18aと連結するようになっている一方、第2駆動力伝達ベルト62は、上記エンジン外方側プーリ18bと連結するようになっている。このため、上記第1駆動力伝達ベルト61と、第2駆動力伝達ベルト62とが略同一平面内に配設されるようになっている(図5参照)。また、上記第1〜第3駆動力伝達ベルト61〜63は、テンショナー61a,62a,63a,63aによりそれぞれその張力が調整されるようになっている(図3参照)。
【0038】
そして、図5に示すように、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aは、シリンダブロック16に固定された軸支部材71に対し軸受け部材72を介して軸支されるようになっている。上記軸支部材71は、ドーナツ状に形成されたブラケット部71aと、このブラケット部71aの孔縁から鉛直方向に突設した円筒状の軸支部71bとにより構成されており、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aは、軸支部71bに対し取り付けられるようになっている。
【0039】
そして、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aは、芯ずれ吸収部材74を介して連結部材73に対し連結されている。上記連結部材73はクランクシャフト11の先端に取り付けられており、円盤状のプレート部73aと、このプレート部73aの中央部から鉛直方向に突設する円筒状の取付部73bとにより構成されている。そして、上記取付部73bが外挿される上記クランクシャフト11の先端にはスプラインが形成されており、このスプラインを介して上記連結部材73及びジェネレータ駆動用プーリ11aは上記クランクシャフト11と一体となって回転するように互いに連結されている。また、上記芯ずれ吸収部材74はドーナツ状のゴム弾性体であり、上記連結部材73のプレート部73aと、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aとの間に配設されて両者とそれぞれ接着されている。上記の軸支部材71、軸受け部材72、連結部材73、及び、芯ずれ吸収部材74によって、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aのクランクシャフト11に対する芯ずれ吸収機構が構成されている。
【0040】
つぎに、上記実施形態の作用・効果を説明する。
【0041】
第1駆動力伝達ベルト61によってクランクシャフト11とジェネレータ22とを互いに連結するため、上記第1駆動力伝達ベルト61の張力を大きくしてもウォータポンプ19等の他のエンジン補機に影響を与えることがない。このため、負荷の大きいジェネレータ22の駆動を確実に行うことができるようになる。また、ジェネレータ駆動用プーリ11aをシリンダブロック16に対し取り付けられた軸支部材71に軸支させることにより、第1駆動力伝達ベルト61の張力に基づく曲げ荷重が上記ジェネレータ駆動用プーリ11aに作用するようになる。この、ように曲げ荷重がクランクシャフトに作用することを回避することができる結果、クランクシャフト11の折損、または、クランクシャフト11の軸受けが焼き付くことを防止することができるようになる。
【0042】
そして、上記第1及び第2駆動力駆動力伝達ベルト61,62を略同一平面内に配設することにより、例えば上記第1〜第3駆動力伝達ベルトを上記クランクシャフト11の軸方向に並べた場合に比べて、クランクシャフトの全長が短くて済む結果、エンジン1の全長をコンパクトにすることができるようになる。
【0043】
また、上記クランクシャフト11に対し曲げ荷重を直接作用させる第3駆動力伝達ベルトがこのクランクシャフト11の軸受け部分に近い位置に連結されることにより、上記クランクシャフト11に対する曲げモーメントを小さくすることができ、その撓みを小さくすることができるようになる。さらに、クランクシャフト11の回転に伴うずれを芯ずれ吸収部材74により吸収することでジェネレータ駆動用プーリ11aに上記クランクシャフト11のずれが伝達することを防止することができる。このため、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aを安定して回転させてジェネレータ22の駆動を安定して行うことができるようになる。また、上記芯ずれ吸収部材83は、クランクシャフト11のねじり等の三次元的な回転振動を吸収することができ、ジェネレータ22を確実に駆動させることができるようになる。
【0044】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、パラレル方式に構成されたハイブリッド車両を用いているが、これに限らず、例えばシリーズ方式に構成されたハイブリッド車両に適用してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明におけるハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置によれば、第1駆動力伝達部材によりジェネレータを単独でクランクシャフトに連結するため、他のエンジン補機等に影響を与えることなく負荷の大きいジェネレータの駆動を効果的に行うことができる。しかも、上記第1及び第2駆動力伝達部材を略同一平面内に位置するように配設することによって、エンジン全長をコンパクトにすることができる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、第1駆動力伝達部材の張力に基づく曲げ荷重がジェネレータ駆動用プーリを介してシリンダブロックに作用するため、曲げ荷重がクランクシャフトに作用することを回避することができる。従って、上記第1駆動力伝達部材のの張力を大きくしてジェネレータを確実に駆動させることができると共に、上記クランクシャフトの折損、または、クランクシャフトの軸受けが焼き付くこと等の発生を確実に防止することができる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、クランクシャフトの支持位置に近い部分に第3駆動力伝達部材による曲げ荷重を作用させることにより、このクランクシャフトに対する曲げモーメントを小さくすることができ、上記クランクシャフトの撓みを小さくすることができる。その結果、ジェネレータ駆動用プーリをクランクシャフトの先端側に配設しても上記ジェネレータ駆動用プーリとクランクシャフトとの軸心のずれを防止することができ、上記ジェネレータ駆動用プーリを確実に回転させるとともに、上記クランクシャフトの軸受けの信頼性を向上させることができる。
【0048】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、クランクシャフト回転時の振動を芯ずれ吸収部材により吸収することができるため、ジェネレータ駆動用プーリに上記クランクシャフトの振動が伝達することを防止することができる。このため、上記クランクシャフトとジェネレータ駆動用プーリとを共に安定して回転させて各軸受け部分の信頼性を向上させることができる。
【0049】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明による効果に加えて、芯ずれ吸収部材の具体的構成を特定することができ、クランクシャフトの軸方向及び軸に直交する方向の振動をそれぞれ吸収して回転力のみをジェネレータ駆動用プーリに伝達することができる。これにより、上記クランクシャフト及びジェネレータ駆動用プーリの軸受け部分の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるハイブリッド車両の配置構成を示す説明図である。
【図2】ハイブリッド車両の駆動系の構成を示すブロック図である。
【図3】エンジン及びジェネレータの配置を示す側面説明図である。
【図4】エンジン及びジェネレータの配置を示す平面説明図である。
【図5】図3のA−A断面を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
21 電気モータ
22 ジェネレータ
11 クランクシャフト
16 シリンダブロック
18 排気側カムシャフトプーリ(カムシャフト)
61〜63 第1〜第3駆動力伝達ベルト
71 軸支部材
74 芯ずれ吸収部材
11a ジェネレータ駆動用プーリ
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジンと電気モータとを併用して走行するハイブリッド車両において、そのエンジン補機を駆動させるために用いられるハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ハイブリッド車両として、シリーズ方式と呼ばれるものが知られている(例えば、特開平6−165309号公報参照)。このものでは、エンジンにより駆動されるジェネレータによって発電を行い、この電気により駆動される電気モータのみを走行用駆動源として走行するようにしている。
【0003】
一方、ハイブリッド車両として、パラレル方式と呼ばれるものが知られている。このものでは、電気モータ及びエンジンを併用して走行するように構成されていおり、上記電気モータのみによって走行する場合と、上記電気モータ及びエンジンによって走行する場合とに切り替わるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、エンジンの駆動力によって走行する通常の車両においては、クランクシャフトとカムシャフトとがタイミングベルトによって互いに連結されている一方、上記クランクシャフトとオルタネータ及びウォータポンプ等のエンジン補機とが1本のベルトを各エンジン補機のプーリに掛け渡すことによって互いに連結されており、上記クランクシャフトの駆動力によってそれぞれ駆動されるようになっている。
【0005】
ところが、上記のようなハイブリッド車両のエンジンにおいては、オルタネータの代わりにジェネレータが備えられている。このジェネレータは、電気モータを駆動させる電気を発電するためのものであり、オルタネータに比べて駆動トルクが遙かに大きくなっている。このため、このジェネレータを駆動させようとすれば、その駆動力伝達ベルトの張力を大きくすることにより、例えばプーリの歯飛び等を防止するようにして、上記ジェネレータを駆動させる必要がある。
【0006】
しかるに、このような場合に、上記クランクシャフトに対しジェネレータ及びウォータポンプ等のエンジン補機を1本のベルトによって互いに連結すれば、上記ベルトの張力に対抗するため、例えばウォータポンプの軸受け用のベアリングを大きくするといった補強対策を施す必要が生じ、ジェネレータを含めた全てのエンジン補機を上記の従来のエンジンのような1本のベルトにより全て連結することは困難となるという不都合がある。
【0007】
そこで、上記カムシャフト、ジェネレータ、及び、ウォータポンプをそれぞれ別のベルトによりクランクシャフトと連結することが考えられる。しかしながら、この場合、上記クランクシャフトに対し、たとえばその軸方向に3本のベルトを並べて連結したのでは上記クランクシャフトの長さをその分長くする必要が生じてしまい、この結果、エンジンの全長が長くなってしまうという不都合が生じる。また、上記の長くなったクランクシャフトの先端位置に上記各ベルトの張力が曲げ荷重として作用するようになり、このクランクシャフトに作用する曲げモーメントが増大してしまうという問題も生じることになる。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、エンジンと電気モータとを併用して走行するハイブリッド車両において、エンジン全長の増大化を招くことなく、クランクシャフトの回転力を利用したジェネレータを含むエンジン補機をそれぞれ確実に駆動させることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、エンジンと電気モータとを併用して走行するハイブリッド車両において上記電気モータの駆動用電力を発電するジェネレータがエンジン補機の一部として駆動されるエンジン補機駆動装置を前提としている。このものにおいて、上記エンジンのクランクシャフトと、上記ジェネレータとを回転力を伝達する第1駆動力伝達部材により互いに連結し、上記エンジンのカムシャフトと、上記ジェネレータを除く他のエンジン補機とを回転力を伝達する第2駆動力伝達部材により互いに連結し、上記クランクシャフトと、上記カムシャフトとを回転力を伝達する第3駆動力伝達部材により互いに連結する。そして、上記第1及び第2の両駆動力伝達部材を互いに略同一平面内に位置するように配設する構成とするものである。ここで、「駆動力伝達部材」としては、ベルト(平ベルト、Vベルト、歯付きベルト)、チェーン等を用いればよい。
【0010】
上記の構成の場合、第1駆動力伝達部材によりジェネレータを単独でクランクシャフトに連結するため、他のエンジン補機等に影響を与えることなく負荷の大きいジェネレータの駆動を確実に行うことが可能になる。
【0011】
しかも、上記第1及び第2駆動力伝達部材を略同一平面内に位置するように配設することによって、例えば上記第1〜第3の3つの駆動力伝達部材を上記クランクシャフトの軸方向に並べて連結した場合に比べてクランクシャフトの全長が短くて済む結果、エンジン全長をコンパクトにすることが可能になる。
【0012】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、少なくとも第1及び第2の両駆動力伝達部材をベルトとする。そして、クランクシャフトにジェネレータ駆動用プーリを一体的に結合する一方、このジェネレータ駆動用プーリをエンジンのシリンダブロックにより回転可能に軸支する構成とするものである。
【0013】
上記の構成の場合、ジェネレータ駆動用プーリがシリンダブロックにより軸支されているため、第1駆動力伝達部材であるベルトの張力に基づく曲げ荷重が、ジェネレータ駆動用プーリを介してシリンダブロックに作用する。このため、上記曲げ荷重がクランクシャフトに直接作用することを回避することが可能になる。従って、上記第1駆動力伝達部材の張力を大きくしてジェネレータを確実に駆動させることが可能になると共に、ジェネレータ駆動用プーリをクランクシャフトに直接軸支した場合に生じるおそれのある上記曲げ荷重に起因するクランクシャフトの折損、または、クランクシャフトの軸受けが焼き付くこと等の発生を確実に防止することが可能になる。
【0014】
請求項3記載の発明は、請求項2記載の発明において、第3駆動力伝達部材をクランクシャフトに対しエンジン本体側位置に連結し、ジェネレータ駆動用プーリを上記第3駆動力伝達部材の連結位置よりも先端側の位置のクランクシャフトに対し結合する構成とするものである。
【0015】
上記の構成の場合、クランクシャフトのエンジン本体側部分、つまりこのクランクシャフトの支持位置に近い部分に第3駆動力伝達部材による曲げ荷重を作用させることにより、このクランクシャフトに対する曲げモーメントは小さくなり上記クランクシャフトの撓みを小さくすることが可能になる。その結果、ジェネレータ駆動用プーリをクランクシャフトの先端側に配設しても、上記ジェネレータ駆動用プーリとクランクシャフトとの軸心のずれを防止することが可能になり、上記ジェネレータ駆動用プーリを確実に回転させると共に、上記クランクシャフトの軸受けの信頼性を向上させることが可能になる。
【0016】
また、請求項4記載の発明は、請求項2記載の発明において、クランクシャフトに対しその軸心と同軸に配置された状態でシリンダブロックに対し固定された軸支部材を備え、ジェネレータ駆動用プーリを、上記軸支部材により軸支する一方、上記クランクシャフトに対し、上記プーリの上記クランクシャフトに対する相対変位を吸収する芯ずれ吸収部材を間に介して一体的に連結する構成とするものである。ここで、「クランクシャフトに対する相対変位」とは、例えばクランクシャフトの軸方向、及び、この軸方向に直交する方向である径方向等の全方向に対する相対変位をいう。
【0017】
上記の構成の場合、クランクシャフトの軸受けに存在する微小隙間に起因して上記クランクシャフトの回転時にこのクランクシャフトが振動しても、その振動を芯ずれ吸収部材により吸収することが可能になる。このため、ジェネレータ駆動用プーリに上記クランクシャフトの振動が伝達することが防止され、上記クランクシャフトとジェネレータ駆動用プーリとを共に安定して回転させて各軸受け部分の信頼性が向上する。
【0018】
さらに、請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、芯ずれ吸収部材を弾性体により形成する構成とするものである。
【0019】
ここで、「弾性体」としては、クランクシャフトの回転力をジェネレータ駆動用プーリに確実に伝達し、かつ、その弾性力によってジェネレータ駆動用プーリのクランクシャフトに対する相対変位を吸収し得る材質のものを用いればよい。具体的には、成形の容易性、及び、部品調達の容易性の観点からゴム弾性体が好ましい。
【0020】
上記の構成の場合、芯ずれ吸収部材の具体的構成が特定され、クランクシャフトの軸方向及び軸に直交する方向の振動をそれぞれ吸収して、回転力のみをジェネレータ駆動用プーリに伝達することが可能になる。これにより、上記クランクシャフト及びジェネレータ駆動用プーリの軸受け部分の信頼性を向上させることが可能になる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施形態に係るハイブリッド車両の配置構成図を示し、このハイブリッド車両はパラレル方式に構成されている。
【0023】
同図において、1はエンジン、21は電気モータ、22はジェネレータであり、上記エンジン1は横置きに配置され、上記電気モータ21はエンジンの後側、ジェネレータ22はエンジンの前側に配置されている。そして、上記エンジン1のクランクシャフト(図示省略)及び電気モータ21の出力軸(図示省略)とがそれぞれ接続されるトランスミッションユニット3は、上記エンジン1の側部位置に配設されるようになっている。また、上記電気モータ21を駆動するための走行用バッテリ41はトランクルーム内に配置されている。
【0024】
図2は、上記ハイブリッド車両の駆動系のブロック図を示している。
【0025】
上記エンジン1のクランクシャフト11の一端はトランスミッションユニット3に接続されている一方、他端は第1駆動力伝達ベルトによりジェネレータ22と互いに連結されている。
【0026】
上記トランスミッションユニット3内ではクラッチ31が設けられており、このクラッチ31から第1出力ギア32を介してディファレンシャル装置33のリングギア34に接続され、前輪35が駆動されるようになっている。そして、上記クラッチ31により上記エンジン1の駆動力をディファレンシャル装置33に伝達する場合と、伝達しない場合とに切り替えられるようになっている。
【0027】
一方、上記トランスミッションユニット3には、上記電気モータ21の出力軸21aが接続されるようになっており、この出力軸21aに取り付けられたドライブギア36は、上記第1出力ギア32と一体に回転する第2出力ギア37に接続されるようになっている。
【0028】
上記電気モータ21及びジェネレータ22は、共にモータ・ジェネレータコントローラ23(以下、M・Gコントローラと略称する。)を介して、走行用バッテリ41に接続されるようになっている。このM・Gコントローラ23はシステムコントローラ51に接続されており、このシステムコントローラ51の信号を受けて上記M・Gコントローラ23が上記電気モータ21側と、ジェネレータ22側との電力を制御するようにしている。また、上記クランクシャフト11が回転すれば、上記ジェネレータ22が駆動されて発電が行われ、その発電された電気が上記走行用バッテリ41の充電状態に応じて充電されるようになっている。また、上記走行用バッテリ41とは別に車両用バッテリ42が備えられており、この車両用バッテリ42はコンバータ43を介して、空調装置52、パワーステアリングのモータ53、または、オーディオ等の車両システム54のための電力を供給している。
【0029】
また、上記システムコントローラ51には、アクセルペダル55が接続されており、このアクセルペダル55の踏込量に応じて上記エンジン1、または、電気モータ21の駆動を制御するようになっている一方、ブレーキペダル56に接続されたブレーキユニット57と、システムコントローラ51とが互いに接続されており、上記システムコントローラ51により制動量を制御するようになっている。
【0030】
次に上記ハイブリッド車両の走行について説明する。
【0031】
車両の発進は電気モータ21で行うようにされており、上記システムコントローラ51により上記トランスミッションユニット3のクラッチ31は切られた状態にされて、上記走行用バッテリ41の電気により電気モータ21が駆動して車両を発進させるようにしている。
【0032】
そして、所定車速と必要駆動力とをシステムコントローラ51が検知して、このシステムコントローラ51の制御によりジェネレータ22に電力が供給され、このジェネレータ22がスタータとなって上記エンジン1を始動させる。そして、上記エンジン1の駆動によりジェネレータ22が駆動されて発電が行われ、その発電された電気が上記走行用バッテリ41に充電される。この場合も、上記クラッチ31は切られた状態のままにされている。
【0033】
また、急加速時等の場合には、上記のようにしてエンジン1を始動させ、上記クラッチ31をつないで、電気モータ21及びエンジン1の双方の駆動力により前輪35を駆動するようにする。
【0034】
そして、図3または図4は、エンジン1及び電気モータ21の配設構造を示しており、上記エンジン1は燃料を燃焼室に直接噴射するいわゆる直噴エンジンであり、12は燃料ポンプ、13は吸気管、14は燃料を噴射するインジェクタ、15は排気管である。なお、図3及び図4の右側は車体前後方向の前側、その左側は後側である。
【0035】
上記電気モータ21は上記エンジン1の後側の上部位置に配置される一方、ジェネレータ22は、上記エンジン1の前側の下部位置に配置されており、この電気モータ21及びジェネレータ22は、それぞれブラケット21b,22aを介して上記シリンダブロック16に支持固定されるようになっている。
【0036】
また、上記排気管15の基端は触媒を内蔵したキャタリスタ15aに連通されており、このキャタリスタ15aは、上記ジェネレータ22に隣接して配置されている。
【0037】
そして、図3に示すように、クランクシャフト11に対し、ジェネレータ駆動用プーリ11aが取り付けられており、このジェネレータ駆動用プーリ11aと、上記ジェネレータ22の回転軸に取り付けられたジェネレータプーリ22bとが第1駆動力伝達ベルト61により互いに連結されている。そして、上記クランクシャフト11の基端側に取り付けられたカムシャフト駆動プーリ11bと(図5参照)、吸気及び排気側カムシャフトに取り付けられた吸気及び排気側カムシャフトプーリ17,18とが第3駆動力伝達ベルト63により互いに連結され、上記排気側カムシャフトプーリ18と、ウォータポンプ19とが第2駆動力伝達ベルト62により互いに連結されている。上記排気側カムシャフトプーリ18は、図5に示すように、エンジン内方側プーリ18aと、エンジン外方側プーリ18bとの2つのプーリが重なった状態で一体にされており、上記第3駆動伝達ベルト63は、エンジン内方側プーリ18aと連結するようになっている一方、第2駆動力伝達ベルト62は、上記エンジン外方側プーリ18bと連結するようになっている。このため、上記第1駆動力伝達ベルト61と、第2駆動力伝達ベルト62とが略同一平面内に配設されるようになっている(図5参照)。また、上記第1〜第3駆動力伝達ベルト61〜63は、テンショナー61a,62a,63a,63aによりそれぞれその張力が調整されるようになっている(図3参照)。
【0038】
そして、図5に示すように、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aは、シリンダブロック16に固定された軸支部材71に対し軸受け部材72を介して軸支されるようになっている。上記軸支部材71は、ドーナツ状に形成されたブラケット部71aと、このブラケット部71aの孔縁から鉛直方向に突設した円筒状の軸支部71bとにより構成されており、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aは、軸支部71bに対し取り付けられるようになっている。
【0039】
そして、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aは、芯ずれ吸収部材74を介して連結部材73に対し連結されている。上記連結部材73はクランクシャフト11の先端に取り付けられており、円盤状のプレート部73aと、このプレート部73aの中央部から鉛直方向に突設する円筒状の取付部73bとにより構成されている。そして、上記取付部73bが外挿される上記クランクシャフト11の先端にはスプラインが形成されており、このスプラインを介して上記連結部材73及びジェネレータ駆動用プーリ11aは上記クランクシャフト11と一体となって回転するように互いに連結されている。また、上記芯ずれ吸収部材74はドーナツ状のゴム弾性体であり、上記連結部材73のプレート部73aと、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aとの間に配設されて両者とそれぞれ接着されている。上記の軸支部材71、軸受け部材72、連結部材73、及び、芯ずれ吸収部材74によって、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aのクランクシャフト11に対する芯ずれ吸収機構が構成されている。
【0040】
つぎに、上記実施形態の作用・効果を説明する。
【0041】
第1駆動力伝達ベルト61によってクランクシャフト11とジェネレータ22とを互いに連結するため、上記第1駆動力伝達ベルト61の張力を大きくしてもウォータポンプ19等の他のエンジン補機に影響を与えることがない。このため、負荷の大きいジェネレータ22の駆動を確実に行うことができるようになる。また、ジェネレータ駆動用プーリ11aをシリンダブロック16に対し取り付けられた軸支部材71に軸支させることにより、第1駆動力伝達ベルト61の張力に基づく曲げ荷重が上記ジェネレータ駆動用プーリ11aに作用するようになる。この、ように曲げ荷重がクランクシャフトに作用することを回避することができる結果、クランクシャフト11の折損、または、クランクシャフト11の軸受けが焼き付くことを防止することができるようになる。
【0042】
そして、上記第1及び第2駆動力駆動力伝達ベルト61,62を略同一平面内に配設することにより、例えば上記第1〜第3駆動力伝達ベルトを上記クランクシャフト11の軸方向に並べた場合に比べて、クランクシャフトの全長が短くて済む結果、エンジン1の全長をコンパクトにすることができるようになる。
【0043】
また、上記クランクシャフト11に対し曲げ荷重を直接作用させる第3駆動力伝達ベルトがこのクランクシャフト11の軸受け部分に近い位置に連結されることにより、上記クランクシャフト11に対する曲げモーメントを小さくすることができ、その撓みを小さくすることができるようになる。さらに、クランクシャフト11の回転に伴うずれを芯ずれ吸収部材74により吸収することでジェネレータ駆動用プーリ11aに上記クランクシャフト11のずれが伝達することを防止することができる。このため、上記ジェネレータ駆動用プーリ11aを安定して回転させてジェネレータ22の駆動を安定して行うことができるようになる。また、上記芯ずれ吸収部材83は、クランクシャフト11のねじり等の三次元的な回転振動を吸収することができ、ジェネレータ22を確実に駆動させることができるようになる。
【0044】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、パラレル方式に構成されたハイブリッド車両を用いているが、これに限らず、例えばシリーズ方式に構成されたハイブリッド車両に適用してもよい。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明におけるハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置によれば、第1駆動力伝達部材によりジェネレータを単独でクランクシャフトに連結するため、他のエンジン補機等に影響を与えることなく負荷の大きいジェネレータの駆動を効果的に行うことができる。しかも、上記第1及び第2駆動力伝達部材を略同一平面内に位置するように配設することによって、エンジン全長をコンパクトにすることができる。
【0046】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明による効果に加えて、第1駆動力伝達部材の張力に基づく曲げ荷重がジェネレータ駆動用プーリを介してシリンダブロックに作用するため、曲げ荷重がクランクシャフトに作用することを回避することができる。従って、上記第1駆動力伝達部材のの張力を大きくしてジェネレータを確実に駆動させることができると共に、上記クランクシャフトの折損、または、クランクシャフトの軸受けが焼き付くこと等の発生を確実に防止することができる。
【0047】
請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、クランクシャフトの支持位置に近い部分に第3駆動力伝達部材による曲げ荷重を作用させることにより、このクランクシャフトに対する曲げモーメントを小さくすることができ、上記クランクシャフトの撓みを小さくすることができる。その結果、ジェネレータ駆動用プーリをクランクシャフトの先端側に配設しても上記ジェネレータ駆動用プーリとクランクシャフトとの軸心のずれを防止することができ、上記ジェネレータ駆動用プーリを確実に回転させるとともに、上記クランクシャフトの軸受けの信頼性を向上させることができる。
【0048】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明による効果に加えて、クランクシャフト回転時の振動を芯ずれ吸収部材により吸収することができるため、ジェネレータ駆動用プーリに上記クランクシャフトの振動が伝達することを防止することができる。このため、上記クランクシャフトとジェネレータ駆動用プーリとを共に安定して回転させて各軸受け部分の信頼性を向上させることができる。
【0049】
請求項5記載の発明によれば、上記請求項4記載の発明による効果に加えて、芯ずれ吸収部材の具体的構成を特定することができ、クランクシャフトの軸方向及び軸に直交する方向の振動をそれぞれ吸収して回転力のみをジェネレータ駆動用プーリに伝達することができる。これにより、上記クランクシャフト及びジェネレータ駆動用プーリの軸受け部分の信頼性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態におけるハイブリッド車両の配置構成を示す説明図である。
【図2】ハイブリッド車両の駆動系の構成を示すブロック図である。
【図3】エンジン及びジェネレータの配置を示す側面説明図である。
【図4】エンジン及びジェネレータの配置を示す平面説明図である。
【図5】図3のA−A断面を示す断面説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン
21 電気モータ
22 ジェネレータ
11 クランクシャフト
16 シリンダブロック
18 排気側カムシャフトプーリ(カムシャフト)
61〜63 第1〜第3駆動力伝達ベルト
71 軸支部材
74 芯ずれ吸収部材
11a ジェネレータ駆動用プーリ
Claims (5)
- エンジンと電気モータとを併用して走行するハイブリッド車両において上記電気モータの駆動用電力を発電するジェネレータがエンジン補機の一部として駆動されるエンジン補機駆動装置であって、
上記エンジンのクランクシャフトと、上記ジェネレータとが回転力を伝達する第1駆動力伝達部材により互いに連結され、
上記エンジンのカムシャフトと、上記ジェネレータを除く他のエンジン補機とが回転力を伝達する第2駆動力伝達部材により互いに連結され、
上記クランクシャフトと、上記カムシャフトとが回転力を伝達する第3駆動力伝達部材により互いに連結され、
上記第1及び第2の両駆動力伝達部材が互いに略同一平面内に位置するように配設されている
ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置。 - 請求項1において、
少なくとも第1及び第2の両駆動力伝達部材がベルトであり、
クランクシャフトにはジェネレータ駆動用プーリが一体的に結合されている一方、
このジェネレータ駆動用プーリがエンジンのシリンダブロックにより回転可能に軸支されている
ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置。 - 請求項2において、
第3駆動力伝達部材がクランクシャフトに対しエンジン本体側位置に連結され、
ジェネレータ駆動用プーリが上記第3駆動力伝達部材の連結位置よりも先端側の位置のクランクシャフトに対し結合されている
ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置。 - 請求項2において、
クランクシャフトに対しその軸心と同軸に配置された状態でシリンダブロックに対し固定された軸支部材を備え、
ジェネレータ駆動用プーリは、上記軸支部材により軸支される一方、上記クランクシャフトに対し、上記プーリの上記クランクシャフトに対する相対変位を吸収する芯ずれ吸収部材を間に介して一体的に連結されている
ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置。 - 請求項4において、
芯ずれ吸収部材は弾性体により形成されている
ことを特徴とするハイブリッド車両のエンジン補機駆動装置。
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